JPH0627355U - 車載用音響再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車室内において運転席および助手席共に、良
好な音場感を得ることができる車載用音響再生装置を提
供する。 【構成】 ダッシュボード２の中央に第１，第２のスピ
ーカ６ａ，６ｂで構成されたセンタースピーカ６が設置
されている。この第１，第２のスピーカ６ａ，６ｂは夫
々運転席３ａと助手席３ｂを向いている。左右のフロン
トドア４ｂ，４ａには第５，第４のスピーカ５ｂ，５ａ
が取付けられている。第１，第４のスピーカ６ａ，５ｂ
と第２，第３のスピーカ６ｂ，５ａに夫々Ｌ，Ｒの信号
を入力すると、運転席３ａでは右側から第３のスピーカ
５ａ，左側から第４のスピーカ５ｂと第１のスピーカ６
ａの音が、双方等しい音量で聴くことができる。また、
助手席３ｂにおいても上記と同様に双方等しい音量で聴
くことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は車載用音響再生装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来の車載用音響再生装置は、左右のフロントドア等に夫々スピーカが配設さ れているのみだった。

【０００３】 このため、運転席および助手席のどちらから見ても、スピーカとの距離が異な り音場感が損なわれていた。

【０００４】 この対策として、ダッシュボード上にスピーカを配設し、音場感の補正が行わ れているが、多くの場合左右の信号を単に加算した信号であるため、改善効果は 不充分であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは 従来例の欠点を解消し、車室内において運転席および助手席と共に、良好な音場 感を得ることができる車載用音響再生装置を提供するところにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の車載用音響再生装置は、ダッシュボード上の中央近傍に配設された センタースピーカの内、運転席へ向けられた第１のスピーカおよび助手席に向け られた第２のスピーカと、フロントドアに配設された運転席側の第３のスピーカ および助手席側の第４のスピーカとを備え、第１のスピーカには助手席側の信号 が入力され、第２のスピーカには運転席側の信号が入力される様に構成したもの である。

【０００７】 また、前記第１のスピーカおよび第２のスピーカの入力信号を遅延させ、運転 席に対して第１および前記第３のスピーカからの音が略同時刻に到達し、助手席 に対して前記第２および前記第３のスピーカからの音が略同時刻に到達する様に 構成したものである。

【０００８】

【作用】

この考案によれば、ダッシュボード上に配設された第１，第２のスピーカから 、夫々助手席側の音および運転席の音が放射されるので、運転席に対して助手席 側のスピーカからの音が補強されて、運転席側のスピーカからの音と同程度の強 さになり、左右のバランスがとれるため、音場感が向上する。助手席に対しても 上記と同様に左右音の強さのバランスがとれるための音場感が向上する。

【０００９】 また、第１，第２のスピーカの入力信号を、第３，第４のスピーカに対して遅 延させることができるので、２．５ｍｓｅｃ程度遅延させて、運転席に対して第 １および第３のスピーカからの音が、第３および第４のスピーカからの音と、到 達時刻、音量共同一になる様にし、音場感を良好にすることができる。

【００１０】

【実施例】

この考案に係る車載用音響再生装置の実施例を図１および図２に基づき説明す る。

【００１１】 図１は本考案の車載用音響再生装置を示す平面図、図２は本考案を実施するた めに用いるスピーカ接続の例を示すブロック図である。

【００１２】 図において、１は自動車、２はダッシュボード、３ａは運転席、３ｂは助手席 、４ｂ，４ａは左右のフロントドア、５ａは運転席３ａ側のフロントドア４ａに 配設された第３のスピーカ、５ｂは助手席３ｂ側のフロントドア４ｂに配設され た第４のスピーカである。

【００１３】 ６はセンタースピーカであり、ダッシュボード２上の中央に取付けられ、運転 席３ａの方向を向き指向性の強い第１のスピーカ６ａと助手席３ｂの方向を向い た第１のスピーカ６ａと同様に指向性の強い第２のスピーカ６ｂで構成されてい る。第１のスピーカ６ａと運転席３ａおよび第２のスピーカ６ｂと助手席３ｂ間 の夫々の距離は等しくなっている。

【００１４】 ７は信号源となるヘッドユニットである。８は信号処理回路であり、各スピー カを駆動するアンプに所定の入力信号を与える。９，１０はアンプでありスピー カ５ａ，５ｂおよびスピーカ６ａ，６ｂを夫々駆動する。 以上の様に構成された本考案の作用を説明する。 第１のスピーカ６ａと第４のスピーカ５ｂに左チャンネルの信号Ｌを入力し、 第２のスピーカ６ｂと第３のスピーカ５ａに右チャンネルの信号Ｒを入力すると 、運転席３ａでは、右側からはフロントドア４ａに内装された第３のスピーカ５ ａから放射された信号Ｒによる音が聴こえ、左側からはフロントドア４ａに内装 された第４のスピーカ５ｂとダッシュボード２上に配設された第１のスピーカ６ ａの双方から放射された信号Ｌによる音が聴こえる。

【００１５】 この左側からの音は、運転席３ａから見ると、左側のフロントドア４ｂに内装 された第４のスピーカ５ｂが、右側のフロントドア４ａに内装された第３のスピ ーカ５ａに較べて距離的に遠いため音がかなり小さくなり、音像は右へ引張られ るが、その不足分を運転席３ａの方に向けられた第１のスピーカ６ａによって補 完される様に、信号処理回路８により制御され、右側からの音の強さと同じにな っている。

【００１６】 また、第１，第２のスピーカ６ａ，６ｂは強い指向性を持っているため、運転 席３ａに第２のスピーカ６ｂからのＲ信号による音が聞えるという不自然さはな い。

【００１７】 従って、運転席３ａでは左右の音の大きさは等しくなり、音場感が向上する。

【００１８】 助手席３ｂにおいても、上記と全く同様にして、左側の第４のスピーカ５ｂか らの音と、右側の第３のスピーカ５ａおよび第２のスピーカ６ｂからの音の大き さとは等しくなり、音場感が向上する。

【００１９】 また、ダッシュボード２上の第１のスピーカ６ａから運転席３ａの所定の聴取 位置までの距離は、この聴取位置から右側フロントドア４ａのスピーカ５ａまで の距離より短いので、この距離差を補正するため、第１のスピーカ６ａの入力信 号を信号処理回路８により約２．５ｍｓｅｃ遅延させると、運転席３ａの聴取位 置に対して、第１のスピーカ５ａからのＲ信号による音と、第１のスピーカ６ａ からのＬ信号による音とは同時に到達する。これにより、両者の距離は等価的に 等しくなる。

【００２０】 従って、運転席３ａでは、左右の音の大きさは等しく、到達時刻も略同じにな るため、音像は運転席３ａの中央に定位し、自然な音場感を得ることができる。

【００２１】 助手席３ｂにおいても、上記と全く同様にして、第２のスピーカ６ｂの入力信 号を約２．５ｍｓｅｃ遅延させることにより、左右の音の大きさは等しく、到達 時刻も略同じになるため、音像は助手席３ｂの中央に定位し、自然な音場感を得 ることができる。

【００２２】 本実施例では、第１，第２のスピーカ６ａ，６ｂの遅延時間を２，５ｍｓｅｃ としたが、これに限らず遅延時間を適宜変えて、意図的に特殊な音場を作っても よい。

【００２３】

【考案の効果】

この考案に係る車載用音響再生装置によれば、上述のように構成したので、音 像は互いに影響されることなく運転席および助手席夫々の中央に定位し、自然な 音場感が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の車載用音響再生装置を示す平面図であ
る。

【図２】同再生装置を実施するために用いるスピーカ接
続の例を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 自動車 ２ ダッシュボード ３ａ 運転席 ３ｂ 助手席 ４ａ，４ｂ フロントドア ５ａ 第３のスピーカ ５ｂ 第４のスピーカ ６ センタースピーカ ６ａ 第１のスピーカ ６ｂ 第２のスピーカ ７ ヘッドユニット ８ 信号処理回路 ９，１０ アンプ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダッシュボード上の中央近傍に配設され
   たセンタースピーカの内、運転席へ向けられた第１のス
   ピーカおよび助手席に向けられた第２のスピーカと、フ
   ロントドアに配設された運転席側の第３のスピーカおよ
   び助手席側の第４のスピーカとを備え、第１のスピーカ
   には助手席側の信号が入力され、第２のスピーカには運
   転席側の信号が入力される様に構成した車載用音響再生
   装置。
2. 【請求項２】 前記第１のスピーカおよび第２のスピー
   カの入力信号を遅延させ、運転席に対して第１および前
   記第３のスピーカからの音が略同時刻に到達し、助手席
   に対して前記第２および前記第３のスピーカからの音が
   略同時刻に到達する様に構成したことを特徴とする請求
   項１記載の車載用音響再生装置。