JPH06271720A - インフレーションフィルム用組成物 - Google Patents

インフレーションフィルム用組成物

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JPH06271720A
JPH06271720A JP6428093A JP6428093A JPH06271720A JP H06271720 A JPH06271720 A JP H06271720A JP 6428093 A JP6428093 A JP 6428093A JP 6428093 A JP6428093 A JP 6428093A JP H06271720 A JPH06271720 A JP H06271720A
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JP
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propylene
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polymerization
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minutes
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JP6428093A
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Inventor
Hajime Mizuno
肇 水野
Ayafumi Hirota
礼文 広田
Hideo Sakurai
秀雄 桜井
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 より高速でインフレーションフィルム成形可
能なポリエチレン系組成物の提供。 【構成】 チーグラー触媒を用いて2段重合でLMとH
Mを含む、MI=0.02〜0.2g/10分、密度
0.940〜0.960g/cm3 のポリエチレンであ
ってLM及びHMのQが各々3〜6、MILM=500〜
5000g/10分、HLMIHM=0.1〜1g/10
分、LM/HM(重量比)=60/40〜30/70の
もの(=成分(A))99.9〜90重量部と立体規則
性重合触媒の存在下前段でプロピレン単独又はプロピレ
ンとエチレン又はC4 〜C8 のα−オレフィンとの共重
合体を40〜90重量%、後段でエチレン/プロピレン
の反応比(重量比)=80/20〜100/0かつ実質
的に無水素で重合して得た重合体を10〜60重量%含
むMI=0.01〜10g/10分のプロピレンブロッ
ク共重合体(=成分(B))0.1〜10重量部からな
る組成物。 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレン系のイン
フレーションフィルム用組成物に関するものである。更
に詳しくは、本発明は、チーグラー型触媒を用いる2段
重合によって得られる特定のポリエチレンに、特定のプ
ロピレンブロック共重合体を特定の割合で配合した、イ
ンフレーションフィルム用組成物に関するものである。
本発明の組成物を用いると、インフレーションフィルム
が、高速で安定して成形可能となる。
【0002】
【従来の技術】従来から、高密度ポリエチレン系樹脂を
成形して得られるフィルム、特にブロー比3以上でイン
フレーション成形して得られるいわゆる高ブロー比フィ
ルムは、耐衝撃性および引張り強度のごとき機械的特性
がすぐれているためにショッピングバッグなどに大量に
使用されている。そして、この原料であるポリエチレン
系樹脂としてはチーグラー型触媒によって重合された、
低分子量部と高分子量部から成る、いわゆるバイモーダ
ルな分子量分布をもつポリエチレンが、一般的に使用さ
れている。また、近年生産性の向上、作業の効率化等か
ら成形機の改良が進み、成形速度が高速化する傾向にあ
る。
【0003】ところが、高速で成形すればするほど、特
にインフレーション法では、押出された管状物の溶融体
が固化する過程で不安定となり、安定な管状物が得られ
ないと均一なインフレーションフィルムが得られない。
更にひどい場合には、この管状物の安定度、いわゆるバ
ブル安定性、が極度に悪くなり、ついにはインフレーシ
ョン成形不能となる。
【0004】上記問題点を改良するため、少量のラジカ
ル発生剤と樹脂を混合し反応させる方法(特公昭62−
28975号公報)、酸変性ポリエチレンを用いる方法
(特開昭59−84940号公報)等が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
提案されている方法では、ラジカル発生剤や酸の影響で
臭いの問題が生じたり、また、十分な効果を得る目的で
多量に混合し反応させるとフィルム外観、いわゆるフィ
ッシュアイが増加したり、フィルムの強度が低下する等
の問題が生じたりするようである。そこで、工業的に簡
便な方法で、高速かつ安定したインフレーションフィル
ム成形を可能にする、バブル安定性の優れた技術が強く
望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決すべく検討を行った結果なされたものである。即
ち、本発明は、下記成分(A):99.9〜90重量部
及び下記成分(B):0.1〜10重量部を含有するイ
ンフレーションフィルム用組成物を提供するものであ
る。成分(A) チーグラー触媒を用い、低分子量部(LM)を製造する
工程と高分子量部(HM)を製造する工程からなる2段
重合により得られたポリエチレンであって、LM及びH
Mの分子量分布指数(Q値)がそれぞれ3〜6、LMの
190℃でのMFRが500〜5000g/10分、H
Mの190℃での高荷重MFRが0.1〜1g/10
分、LM/HMの組成割合が重量比で60/40〜30
/70、かつ該2段重合により得られたポリエチレンの
190℃でのMFRが0.02〜0.2g/10分、か
つ密度が0.940〜0.960g/cm3 であるポリ
エチレン、成分(B) 立体規則性重合触媒の存在下、前段でプロピレンの結晶
性単独重合体もしくはプロピレンと5重量%までのエチ
レン及び/または炭素数4〜8のα−オレフィンとの共
重合体を40〜90重量%、後段でエチレン/プロピレ
ンの反応比が重量比で80/20〜100/0かつ実質
的に無水素状態で重合を行って得られる重合体を10〜
60重量%、製造して得られるプロピレンブロック共重
合体であって230℃でのMFRが0.01〜10g/
10分であるプロピレンブロック共重合体。
【0007】発明の具体的説明 本発明に用いる成分(A)は、低分子量部(LM)を製
造する工程と高分子量部(HM)を製造する工程からな
る2段重合により得られたポリエチレンである。このポ
リエチレンは、エチレンの単独重合体及びエチレンとα
−オレフィンとの共重合体から選ばれる1種以上であっ
てよい。共重合に用いられるα−オレフィンは、炭素数
3〜14、好ましくは炭素数3〜10のもので、例え
ば、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メ
チルペンテン−1、オクテン、デセン、等が挙げられ
る。これらの中でも成分(A)は、エチレン単独重合体
又はエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重
合体が好ましい。
【0008】成分(A)は、低分子量部(LM)と高分
子量部(HM)を有し、LMの190℃でのMFR(M
LM)は500〜5000g/10分、好ましくは10
00〜4000g/10分であり、HMの190℃での
高荷重MFR(HLMIHM)は0.1〜1g/10分、
好ましくは0.2〜0.5g/10分である。ここで高
荷重MFRは、JIS K−6760に従い、荷重2
1.6kgの条件下で測定した値である。MILMが50
0g/10分未満では、成形時の押出し負荷が高くなり
加工性が低下する。一方、5000g/10分を越える
と各成分の均一性が低下するばかりか、低分子量部のポ
リエチレンが製造しにくいという欠点をもつ。
【0009】また、HLMIHMが0.1g/10分未満
では、フィッシュアイが発生したり、加工性が低下する
ため好ましくなく、1g/10分を越えると、後述する
成分(B)を配合しても、インフレーション成形時のバ
ブルが不安定となり、高速成形性が付与できない。LM
及びHMの分子量分布指数(Q値)はそれぞれ3〜6、
好ましくは4〜5.5である。Q値が3未満では押出し
加工性が悪くなり、6を越えると衝撃強度が低下するた
め好ましくない。成分(A)のポリエチレンのLMの量
対HMの量は、重量比で60対40から30対70の範
囲である。LMの量が60%を越えると衝撃強度が著し
く低下し、30%未満であると押出し加工性が著しく低
下するため望ましくない。
【0010】成分(A)は、チーグラー触媒を用い、L
Mを製造する工程とHMを製造する工程からなる2段重
合により製造される。成分(A)を製造するのに用いら
れるチーグラー触媒としては、チタン含有化合物もしく
は好ましくはマグネシウム含有化合物にチタン含有化合
物担持した遷移金属成分と有機アルミニウム化合物とを
組合せた、公知の触媒がある。具体的には、特開昭54
−45696、同58−198504、同59−149
905、同49−51378、同50−95382、同
50−139885、同53−30681、同53−1
4786、同54−142192、同54−14809
3各号公報等に記載された触媒が例示できる。チーグラ
ー触媒を用いる重合の方法は公知の手法、懸濁重合、溶
液重合、気相重合などの方法が用いられ、HMを製造す
る重合工程とLMを製造する重合工程の2段重合で製造
されればよく、特に重合条件等は公知の方法が採用でき
る。中でも気相で、上記の順序で重合するのが好まし
い。
【0011】このようにして製造された成分(A)のポ
リエチレンの190℃でのMFRは、0.02〜0.2
g/10分、好ましくは0.04〜0.1g/10分で
あり、密度は0.940〜0.960g/cm3 、好ま
しくは0.945〜0.955g/cm3 である。MF
Rが0.02g/10分未満では、加工時の負荷が高く
なり加工性が低下し、0.2g/10分以上になると、
インフレーション成形時のバブルの安定性が低下した
り、衝撃強度が低下するので好ましくない。また、密度
が0.940g/cm3 未満では得られるフィルムが軟
らかくなり過ぎ、0.960g/cm3 を越えると衝撃
強度が低下する問題がある。
【0012】本発明に用いる成分(B)は、立体規則性
重合触媒を用いる2段階重合により製造されるプロピレ
ンブロック共重合体である。立体規則性重合触媒として
は公知のチタン含有固体触媒成分と有機アルミニウム化
合物とを組合せた触媒が用いられる。チタン含有固体触
媒成分としては、三塩化チタン組成物触媒成分とマグネ
シウム化合物担体型触媒成分があるが、分子量分布の広
い重合体を得るためには三塩化チタン組成物触媒成分が
好ましい。分子量分布をさらに広げるために、第三成分
として公知の電子供与性化合物を用いることもできる。
前段重合工程でプロピレンの単独重合体もしくはプロピ
レンと5重量%までのエチレン及び/または炭素数4〜
8のα−オレフィンとの共重合体を製造する。ここで、
共重合に用いるα−オレフィンとしては、1−ブテン、
1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示できる。前段重
合工程で得られるプロピレンの単独重合体及びプロピレ
ンとα−オレフィンとの共重合体は、結晶性の重合体で
ある。α−オレフィンの含有量が5重量%を越えると、
ブロック共重合体の性状が悪化し、生産性が低下するの
で好ましくない。
【0013】前段重合工程で得られるポリマーのMFR
は、好ましくは10〜500g/10分、さらに好まし
くは50〜400g/10分である。MFRが10g/
10分未満ではフィルム外観が不良となり、MFRが5
00g/10分を越えるとバブルの安定性を付与できな
い。前段重合工程で得られるポリマーの分子量分布指数
(Q値)は、好ましくは5〜12であり、さらに好まし
くは6〜11である。分子量分布指数が5未満ではバブ
ルの安定性が悪くなり、12を越えるとフィルム外観が
悪化するため好ましくない。前段重合工程で得られるポ
リマーのブロック共重合体に占める割合は、40〜90
重量%であり、40重量%未満ではブロック共重合体の
性状が悪化し、生産性が低下するので好ましくない。一
方90重量%を越えるとバブルの安定性が付与できな
い。
【0014】後段重合工程では、前段重合工程での重合
生成物の存在下に、エチレン/プロピレンの反応比が重
量比で80/20〜100/0、好ましくは90/10
〜100/0となるようにしてエチレン系重合体を製造
する。上記前段重合工程での重合生成物中には、立体規
則性重合触媒が残存し、または必要により新たに該触媒
又はその一成分が追加されて存在する。後段重合工程に
おいては、エチレンの反応割合が80重量%未満では、
フィルム外観が悪くなり好ましくない。後段重合工程で
は、高分子量の重合体を得るために実質的に無水素状態
で重合を行なう。後段重合工程で得られるポリマーのブ
ロック共重合体に占める割合は、10〜60重量%、好
ましくは20〜50重量%である。10重量%未満では
バブル安定性が付与できず、60重量%を越えるとブロ
ック共重合体の性状が悪化し、生産性が低下するので好
ましくない。
【0015】上記前段及び後段重合工程を経て得られる
ブロック共重合体のMFRは、0.01〜10g/10
分、好ましくは0.1〜2g/10分である。MFRが
0.01未満ではフィルム外観が悪化し、MFRが10
g/10分を越えるとバブル安定性が付与できないので
好ましくない。本発明の組成物においては、〔上記前段
重合工程で得られるポリマーのMFR〕/〔生成したブ
ロック共重合体(成分(B))のMFR〕の比は、10
〜10,000、好ましくは100〜5000であるこ
とが望ましい。前記MFRの比が10未満では、バブル
安定性を付与するのが困難となり、逆に10,000を
越えると、重合時の触媒活性が低下して経済的に不利と
なる、などの問題が生じる。成分(B)の製造は、連続
式でも回分式でも可能であり、ヘキサン、ヘプタン等の
公知の不活性溶媒を用いるスラリー重合、液相モノマー
中で行なう塊状重合、気相モノマー中で行なう気相重合
などいずれの様式も採用しうる。重合温度は通常40〜
100℃、好ましくは50〜90℃であり、重合圧力は
常圧〜50気圧の範囲である。また、必要に応じてブロ
ック共重合体から触媒残渣を除去する後処理工程を付与
してもよい。
【0016】本発明のインフレーションフィルム用組成
物において、成分(A)と成分(B)の配合割合は、重
量割合で成分(A):成分(B)が99.9:0.1〜
90:10、好ましくは99.5:0.5〜92:8で
ある。成分(B)の配合割合が0.1重量部未満では、
バブル安定性が付与できない。また、10重量部を越え
る場合には、フィルムの衝撃強度及びフィルム外観が低
下するため好ましくない。本発明の組成物には、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑
剤、充填剤、他のポリオレフィン、熱可塑性樹脂、ゴム
等、通常ポリオレフィンに添加、ブレンドされ得る物質
を、必要に応じて使用できることは勿論である。他のポ
リオレフィンを用いる場合、好ましくは、クロム化合物
含有触媒を用いて重合して得られた、高荷重メルトイン
デックスが3〜15g/10分、密度0.940〜0.
960g/cm3 、かつ分子量分布指数が7〜20であ
るポリエチレンを、成分(A)及び(B)の合計量に対
し10重量部未満添加してもよい。また、本発明の組成
物を用いてインフレーションフィルムを製造する方法
は、公知の方法が採用でき、例えば、パウダー状の成分
(A)及び成分(B)を含有する組成物を、そのまま、
または公知の一軸又は二軸押出機又は混練機を用いてペ
レット化した後、インフレーション成形機を用いて成形
してフィルムを得る。
【0017】
【実施例】以下の実施例、比較例において用いた測定方
法及び測定条件は次の通りである。 (1)メルトフローレート;JIS K−6760に準
拠し、成分(A)は190℃、また、成分(B)は23
0℃の温度で、それぞれ荷重2.16kgの条件で測定
した値で、単位はg/10分である。 (2)HLMI;高荷重メルトインデックスを表わし、
JIS K−6760により、温度190℃、荷重2
1.6kgの条件下で測定した値で、単位はg/10分
である。 (3)密度;JIS K−6760にしたがって測定し
た。 (4)Q値;分子量分布指数を表わし、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)で求めた重量平均
分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Q
=Mw/Mn)である。GPCは、Waters社製
「GPC150C」の装置、昭和電工社製「AD80M
/s」のカラム、検出器に赤外吸光光度計を用い、o−
ジ−クロルベンゼンの溶媒中、試料濃度2mg/mlに
て140℃で測定した。標準物質は、ポリエチレン(N
BS1475)を用いた。
【0018】(5)バブルの安定性;原料ペレットを5
0mm径の押出機、50mm径のダイスでシリンダー及
びダイス温度200℃の条件下、ブロー比4.0、引取
り速度25m/分でインフレーション成形を行ない、5
0mm径の押出機の回転数を徐々に増加して、安定的に
成形できる最高押出量を求めた。単位はkg/時間であ
る。 (6)フィルムの衝撃強度;上記(5)でつくった押出
量17kg/時間のフィルムについて、振り子式インパ
クトテスターを使用し、衝撃子に1インチの半球を使っ
て測定した。値は、フィルムを貫通破壊させるのに要し
たエネルギーをフィルムの厚みで除したものであり、単
位はkg−cm/cmである。 (7)フィルムの外観;上記(5)でつくったフィルム
を透過光下、肉眼でフィルム面の状態を観察し、フィル
ムにすじやむらが認められず、良好な状態を○、すじ、
むら、フィッシュアイ等が発生し、均質性に欠ける状態
を×で表わす。
【0019】実施例1成分(A)の製造 <触媒合成>充分に脱気乾燥したヘキサン4リットルに
無水のMgCl2 (ボールミルで24時間粉砕したも
の)を500gおよびTi(O−nC4 9 4 を50
0ミリリットル導入して、70℃で30分間反応させ
た。次いでn−ブタノール288ミリリットルとヘキサ
ン288ミリリットルの混合物を導入し、70℃で1時
間反応させた。そこへTiCl4 を123ミリリットル
導入して70℃で1時間反応させた。次いで、メチルハ
イドロジェンポリシロキサンを480ミリリットル導入
して、70℃で2時間反応させた。反応終了後得られた
固体成分をそのまま触媒成分とした。内容積200リッ
トルの第1段重合器に脱水精製した溶媒ヘキサンを50
リットル/hr、トリエチルアルミニウム80mmol
/hrの速度で、前記担体付触媒をTi原子に換算して
2mmol/hrを連続的に供給し、重合器内容物を所
要速度で排出しながら、95℃においてエチレンを14
kg/hr、水素を35Nm3 /hrの速度で導入し、
全圧7kg/cm2 、平均滞留時間2時間の条件下で連
続的に第1段重合を行う。重合で生成したポリエチレン
(成分(A)の低分子量部(LM)であり、第1段重合
器から採取したものを分析した結果、MIが2500g
/10分、Q値は4である。)を同速度においてフラッ
シュ・ドラムに導き、溶液中に含まれる水素を分離後、
そのまま内容積200リットルの第2段重合器に全量導
入し、触媒を追加することなく、精製ヘキサン50リッ
トル/hrを供給し、重合器内容物を所要速度で排出し
ながら、70℃においてエチレンを15.5kg/h
r、1−ブテンを1000g/hr、水素0.3Nm3
/hrの速度で導入して全圧を7kg/cm2 、滞留時
間1時間の条件下で連続的に第2段重合を行った。第2
段重合器から得られたポリエチレン(A)のパウダーの
MIは0.08g/10分で、密度は0.950g/c
3 であった。1段目と2段目での重合体の割合は4
7:53に相当し、別に第2段重合と同様の条件で行っ
た単独重合の実験結果から、2段目の重合器のみで生成
しているエチレン共重合体(成分(A)の高分子量部
(HM))のHLMIは0.3g/10分でQ値は5で
あると推定される。
【0020】成分(B)の製造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、脱水、脱酸素したn−ヘプタン
60リットルを導入し、ジエチルアルミニウムクロライ
ド38g、丸紅ソルベイ社製三塩化チタン12.7g
を、60℃でプロピレン雰囲気下で導入した。前段重合
は、オートクレーブを65℃に昇温した後、水素濃度を
10容量%に保ちながら、プロピレンを9kg/時間の
スピードで導入することによって開始した。203分
後、プロピレンの導入を止め、さらに重合を65℃で9
0分間継続させた。そして、気相部プロピレンを0.2
kg/cm2 Gとなるまでパージした。次に、オートク
レーブを60℃に降温した後、後段重合はエチレンを
3.33kg/時間で137分間導入することにより実
施した。このようにして得られたスラリーを、濾過、乾
燥して35.4kgの粉末状ブロック共重合体を得た
(B−1と記す)。前段重合で得られたポリプロピレン
のMFRは36.2g/10分であり、ブロック共重合
体パウダーのMFRは1.1g/10分であった。前段
重合と後段重合の反応割合は、80:20であった。前
段重合工程で得られたポリマーのMFRと生成ブロック
共重合体のMFRの比は、32.9であった。また、前
段重合工程で得られたポリマーのQ値は6.5であっ
た。
【0021】インフレーションフィルムの製造 上記でそれぞれ得た成分(A)及び成分(B)のパウダ
ーを、成分(A)=97重量部、成分(B)=3重量
部、そして、この成分(A)及び成分(B)の合計量に
対して、熱及び酸化防止剤として、テトラキス〔メチレ
ン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタンを1000pp
mおよびステアリン酸カルシウム1000ppmをそれ
ぞれ添加し、ヘンシェルミキサー中で撹拌混合した。こ
の混合物を径40mmの一軸押出機を使用し、230℃
の温度で混練りしながら押出し、ペレット化した。この
ペレットを用いてインフレーション成形を行い、得られ
たフィルムを評価した。結果を表1に示した。
【0022】実施例2 実施例1の成分(A)及び成分(B)の配合割合を、成
分(A)=92重量部、成分(B)=8重量部に変えた
以外は、実施例1と同様に実験を行った。評価結果を表
1に示した。
【0023】比較例1〜2 実施例1で製造した成分(A)のみを用いた(比較例
1)、及び実施例1の成分(A)及び成分(B)の配合
割合を、成分(A)=88重量部、成分(B)=12重
量部に変えた(比較例2)以外はそれぞれ実施例1と同
様に実験を行った。結果を表1に示した。
【0024】実施例3成分(A)の製造 実施例1で製造された成分(A)を使用した。成分(B)の製造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、脱水、脱酸素したn−ヘプタン
60リットルを導入し、ジエチルアルミニウムクロライ
ド38g、丸紅ソルベイ社製三塩化チタン12.7gを
60℃でプロピレン雰囲気下で導入した。前段重合は、
オートクレーブを65℃に昇温した後、水素濃度を15
容量%に保ちながら、プロピレンを9kg/時間のスピ
ードで導入することによって開始した。152分後、プ
ロピレンの導入を止め、さらに重合を65℃で90分間
継続させた。そして、気相部プロピレンを0.4kg/
cm2 Gとなるまでパージした。次に、オートクレーブ
を60℃に降温した後、後段重合はエチレンを3.33
kg/時間で274分間導入することにより実施した。
このようにして得られたスラリーを、濾過、乾燥して3
4.2kgの粉末状ブロック共重合体を得た(B−2と
記す)。前段重合で得られたポリプロピレンのMFRは
83.6g/10分であり、ブロック共重合体パウダー
のMFRは0.9g/10分であった。前段重合と後段
重合の反応割合は、60:40であった。前段重合工程
で得られたポリマーのMFRと生成ブロック共重合体の
MFRの比は、92.9であり、前段重合工程で得られ
たポリマーのQ値は6.8であった。インフレーションフィルムの製造 上記で得た成分(A)及び成分(B)をそれぞれ用いた
以外は、実施例1と同様に実験を行った。得られたフィ
ルムの評価も実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0025】実施例4成分(A)の製造 実施例1で製造された成分(A)を使用した。成分(B)の製造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、脱水、脱酸素したn−ヘプタン
60リットルを導入し、ジエチルアルミニウムクロライ
ド38g、丸紅ソルベイ社製三塩化チタン12.7gを
60℃でプロピレン雰囲気下で導入した。前段重合は、
オートクレーブを65℃に昇温した後、水素濃度を3.
0容量%に保ちながら、プロピレンを9kg/時間のス
ピードで導入することによって開始した。177分後、
プロピレンの導入を止め、さらに重合を65℃で90分
間継続させた。そして、気相部プロピレンを0.4kg
/cm2 Gとなるまでパージした。次に、オートクレー
ブを60℃に降温した後、後段重合はエチレンを3.3
3kg/時間で205分間導入することにより実施し
た。このようにして得られたスラリーを、濾過、乾燥し
て35.8kgの粉末状ブロック共重合体を得た(B−
3と記す)。前段重合で得られたポリプロピレンのMF
Rは2.3g/10分であり、ブロック共重合体パウダ
ーのMFRは0.08g/10分であった。前段重合と
後段重合の反応割合は、70:30であった。前段重合
工程で得られたポリマーのMFRと生成ブロック共重合
体のMFRの比は、28.8であり、前段重合工程で得
られたポリマーのQ値は6.7であった。インフレーションフィルムの製造 上記で得た成分(A)及び成分(B)をそれぞれ用いた
以外は、実施例1と同様に実験を行った。得られたフィ
ルムの評価も実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0026】比較例3成分(A)の製造 実施例1で製造された成分(A)を使用した。成分(B)の製造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピ
レンで充分置換した後、脱水、脱酸素したn−ヘプタン
60リットルを導入し、ジエチルアルミニウムクロライ
ド38g、丸紅ソルベイ社製三塩化チタン12.7gを
60℃でプロピレン雰囲気下で導入した。重合は、オー
トクレーブを65℃に昇温した後、水素濃度を2.5容
量%に保ちながら、プロピレンを9kg/時間のスピー
ドで導入することによって開始した。203分後、プロ
ピレンの導入を止め、さらに重合を65℃で90分間継
続させた。そして、得られたスラリーを濾過、乾燥して
29.1kgの粉末状プロピレン重合体を得た。MFR
は1.6g/10分であった(B−4と記す)。インフレーションフィルムの製造 上記で得たプロピレン重合体を使用した以外は、実施例
1と同様に実験を行い、得られたフィルムの評価も実施
例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の特定の成分(A)及び特定の成
分(B)を含有する組成物は、インフレーションフィル
ム成形時のバブルの安定性と得られたフィルムの衝撃強
度及び外観に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A):99.9〜90重量部
    及び下記成分(B):0.1〜10重量部を含有するイ
    ンフレーションフィルム用組成物。成分(A) チーグラー触媒を用い、低分子量部(LM)を製造する
    工程と高分子量部(HM)を製造する工程からなる2段
    重合により得られたポリエチレンであって、LM及びH
    Mの分子量分布指数(Q値)がそれぞれ3〜6、LMの
    190℃でのMFRが500〜5000g/10分、H
    Mの190℃での高荷重MFRが0.1〜1g/10
    分、LM/HMの組成割合が重量比で60/40〜30
    /70、かつ該2段重合により得られたポリエチレンの
    190℃でのMFRが0.02〜0.2g/10分、か
    つ密度が0.940〜0.960g/cm3 であるポリ
    エチレン、成分(B) 立体規則性重合触媒の存在下、前段でプロピレンの結晶
    性単独重合体もしくはプロピレンと5重量%までのエチ
    レン及び/または炭素数4〜8のα−オレフィンとの共
    重合体を40〜90重量%、後段でエチレン/プロピレ
    ンの反応比が重量比で80/20〜100/0かつ実質
    的に無水素状態で重合を行って得られる重合体を10〜
    60重量%、製造して得られるプロピレンブロック共重
    合体であって230℃でのMFRが0.01〜10g/
    10分であるプロピレンブロック共重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016017255A1 (ja) * 2014-07-30 2016-02-04 三菱樹脂株式会社 樹脂組成物、該組成物を用いた包装用フィルム、多層フィルム、及び包装資材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016017255A1 (ja) * 2014-07-30 2016-02-04 三菱樹脂株式会社 樹脂組成物、該組成物を用いた包装用フィルム、多層フィルム、及び包装資材
JP2016030811A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 三菱樹脂株式会社 樹脂組成物、該組成物を用いた包装用フィルム、多層フィルム、及び包装資材

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