JPH06267109A - 記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

記録媒体及びその製造方法

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JPH06267109A
JPH06267109A JP5054363A JP5436393A JPH06267109A JP H06267109 A JPH06267109 A JP H06267109A JP 5054363 A JP5054363 A JP 5054363A JP 5436393 A JP5436393 A JP 5436393A JP H06267109 A JPH06267109 A JP H06267109A
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JP
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recording medium
substrate
thin film
film
organic thin
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JP5054363A
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Toru Nakagawa
徹 中川
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機薄膜をシロキサン結合を介して基板表面
に固定し、有機薄膜に記録のための多数の穴を設けるこ
とにより、1ビットの占める面積がサブミクロン以下で
ある高密度の記録媒体を提供する。 【構成】 白雲母などの基板23にシロキサン結合を介
して化学吸着単分子膜21を形成し、原子間力顕微鏡な
どを用いて特定の部分の化学吸着単分子膜を削り取り、
100nm角程度の穴22を形成して記録媒体20とす
る。穴22の中にはクマリン化合物などの蛍光体物質を
存在させてもよい。蛍光体物質は化学吸着させることも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、有機薄膜を用いた記録
媒体及びその製造方法に関する。
【従来技術】記録媒体は情報を蓄えておく物質であり、
代表的なものとしては、磁気テープ、磁気ディスク、光
ディスク等がある。磁気テープや磁気ディスクは、磁性
体材料をテープやディスクに塗布または鍍金し、これら
の表面に微小な磁石(磁気ヘッド)を近づけ、特定の領
域の磁区の磁化の向きを揃え、これを情報として記録す
るものである。また、光ディスクは、低融点の金属やプ
ラスチックに金属粉を分散させた膜を塗布したディスク
面に、レーザー光で小さい穴を開け、この穴の有無によ
って情報を記録したものである。現在、市販されている
直径数インチ磁気ディスクでメガビット、光ディスクは
ギガビットの情報量が書き込める。
【発明が解決しようとする課題】今後、情報機器の小型
化に伴い、さらに高密度で多くの情報量を記録できる記
録媒体の開発が強く求められている。記録媒体の記録密
度は1ビットあたりに占める面積が少ないほど増えるの
で、磁気記録媒体の場合は磁区の大きさが小さいほど、
光ディスクの場合は穴径が小さいほど記録密度が高くな
る。磁気記録方式では、磁区同士の相互作用や磁気ヘッ
ドの大きさによって記録密度の物理的限界が決まり、現
在のところ、光ディスクの方がより高密度に情報を記録
できるものと考えられている。現在の光ディスクの記録
の書き込みにはレーザー光が用いられているので、穴径
の大きさはレーザー光の波長によって決まり、サブミク
ロン以下にすることは難しい。レーザー光より波長の短
い電子線やX線はレーザー光を使えば、サブミクロンよ
りも小さい穴を開けることが原理的には可能性である。
しかし、電子線やX線を集光してサブミクロン以下のビ
ーム線にすることは難しいので、これらを用いてサブミ
クロン以下の穴を基板表面に開けることは困難である。
また、近年発明された走査型トンネル顕微鏡(STM)
(フィジカル・レビュー・レターズ50(1983)第
120ペーシから第123ペーシ(Phys.Rev.
Letters50(1983)PP120−12
3)))や原子間力顕微鏡(AFM)(フィジカル・レ
ビュー・レターズ56(1986)第930ペーシから
第933ペーシ(Phys.Rev.Letters5
6(1986)PP930−933))を用いて穴を開
けることも考えられるが、この場合、穴を開けるべき膜
が穴径と同程度の厚さと平滑度を持っている必要があ
る。例えば、図6に示したような表面に穴を開けて図7
で示した様な情報を書き込もうとしても、元々の基板表
面の凹凸によって、穴の情報がかき消されてしまう。本
発明は、前記従来の問題を解決するため、1ビットの占
める面積がサブミクロン以下である記録媒体とその製造
方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の記録媒体は、有機薄膜が基板表面とシロキ
サン結合を介して固定され、前記有機薄膜に記録のため
の多数の穴を備えたという構成からなる。前記構成にお
いては、有機薄膜の厚さが100nm以下であり、かつ
穴の平均開口面積が1μm2 以下であることが好まし
い。また前記構成においては、有機薄膜の穴の部分に蛍
光体が存在していることが好ましい。また前記構成にお
いては、蛍光体が基板表面とシロキサン結合を介して固
定されていることが好ましい。また前記構成において
は、有機薄膜が単分子膜もしくはその積層膜、またはポ
リマー膜であることが好ましい。また前記構成において
は、有機薄膜分子が、長鎖アルキル鎖、もしくは長鎖フ
ッ化アルキル鎖を含むことが好ましい。次に本発明の記
録媒体の製造方法は、有機薄膜を基板にシロキサン結合
を介して化学吸着した後、原子間力顕微鏡を用いて特定
の部分の前記有機薄膜を削り取り、記録のための多数の
穴を設けたという構成を備えたものである。前記構成に
おいては、穴を設けた後、基板に蛍光物質を物理吸着ま
たはシロキサン結合を介して化学吸着することが好まし
い。
【作用】前記した本発明の構成によれば、有機薄膜が基
板表面とシロキサン結合を介して固定され、前記有機薄
膜に記録のための多数の穴を備えたことにより、1ビッ
トの占める面積がサブミクロン以下である高密度の記録
媒体を実現できる。すなわち、シロキサン結合を介して
基板に化学吸着した有機薄膜は膜厚をナノメートルの精
度でコントロールできる。従って、AFMを用いてこの
膜にサブミクロン以下の径の穴を開けることによって、
この穴を情報として検出することが可能となる。また、
有機薄膜の厚さが100nm以下であり、かつ穴の平均
開口面積が1μm2 以下であると、高密度記録のために
さらに好ましい。また、前記有機薄膜に開けた穴に蛍光
体が存在する場合は、穴の有無ではなく、蛍光の有無に
より情報を書き込むことができる。また、蛍光体が基板
表面とシロキサン結合を介して固定されていると、耐久
性を向上できる。また、有機薄膜が単分子膜もしくはそ
の積層膜、またはポリマー膜であると、薄くかつ均一な
厚さの化学吸着膜を形成できる。また、有機薄膜分子
が、長鎖アルキル鎖、もしくは長鎖フッ化アルキル鎖を
含むと、撥水性を発揮し、空気中の湿度に対する安定性
が向上できる。次に本発明の記録媒体の製造方法によれ
ば、本発明の記録媒体を効率よく合理的に製造できる。
また、穴を設けた後、基板に蛍光物質を物理吸着または
シロキサン結合を介して化学吸着すると、蛍光の有無に
より情報を書き込むことができる。
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳しく
説明する。基板とシロキサン結合を介して化学吸着する
試薬としては、アルキル基を含むシラン系界面活性剤が
あり、例えば、CH3 (CH2 m SiCl3 のような
トリクロロシラン系化学吸着剤、CH3 (CH2 m
iCl2 CH3 、CH3 (CH2 m SiCl2 2
5 のようなジクロロシラン系化学吸着剤、もしくはCH
3 (CH2 m SiCl(CH3 2 、CH3 (C
2 m SiCl(C25 2 のようなモノクロロシ
ラン系化学吸着剤などがある。ここでmは0〜25で可
能であるが、10〜20が好都合である。これらの中で
も特にトリクロロシラン系化学吸着剤は、シロキサン結
合が基板表面および隣合う分子同士で形成されるので、
より強固な化学吸着膜となる。また、基板とシロキサン
結合を介して化学吸着する試薬としては、フッ素アルキ
ル基を含むシラン系界面活性剤があり、例えば、CF3
(CF2 7 (CH2 2 SiCl3 、CF3 CH2
(CH2 15SiCl3 、CF3 (CH2 2 Si(C
3 2 (CH2 15SiCl3 、CF3(CF2 3
(CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 9 SiC
3 、F(CF2 8 (CH2 2 Si(CH3
2 (CH2 9 SiCl3 、CF3 COO(CH2 15
SiCl3 、CF3 (CF2 5 (CH22SiCl3
等のようなトリクロロシラン系化学吸着剤を始め、例え
ば、CF3 (CF2 7(CH2 2 SiCln (CH
3 3-n 、CF3 (CF2 7 (CH2 2 SiCln
(C2 5 3-n 、CF3 CH2 O(CH2 15SiC
n(CH3 3-n 、CF3 CH2 O(CH2 15SiC
n (C2 5 3-n 、CF3 (CH22 Si(CH
3 2 (CH2 15SiCln (CH3 3-n 、F(C
2 4(CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 9
iCln (C2 5 3-n 、F(CF2 8 (CH2
2 Si(CH3 2 (CH2 9 SiCln(CH3
3-n 、CF3 COO(CH2 15SiCln (CH3
3-n 、CF3 (CF2 5(CH2 2 SiCln (C
3 3-n (但し式中のnは何れも1または2)等のよ
うな低級アルキル基置換のモノクロロシラン系あるいは
ジクロロシラン系化学吸着剤がある。これらの中でも特
にトリクロロシラン系化学吸着剤は、シロキサン結合が
基板表面および隣合う分子同士で形成されるので、より
強固な化学吸着膜となる。さらにまた、アルキル基もし
くはフッ化アルキル基部分にビニル基(C=C)やアセ
チル基(エチニル基)を組み込んでおけば、化学吸着膜
形成後5メガラド程度の電子線照射で架橋できるのでさ
らに化学吸着膜自体の強度を向上させることも可能であ
る。本発明に供されるクロロシラン系界面活性剤は、上
述に例示したように直線状だけでなく分岐した形状で
も、または末端の珪素にフッ化アルキル基もしくは炭化
水素基が置換した形状(例えばR、R1 、R2 、R3
フッ化アルキル基または炭化水素基として一般式R2
iCl2 、R3 SiCl、R12 SiCl2 、R1
2 3 SiCl等)であっても良いが、吸着密度を高め
るためには一般に直鎖状が好ましい。さらに、内層膜と
して例えばSiCl4 、SiHCl3 、SiH2
2 、Cl(SiCl2 O)k SiCl3 (但し式中の
kは自然数)、SiClj (CH 3 4-j 、SiClj
(C2 5 4-j (但し式中のjは1〜3の整数)、H
SiClr (CH3 3-r 、HSiClr (C2 5
3-r (但し式中のrは1または2)等のようなクロロシ
リル結合を複数個含む物質を基材の表面と接触させ、基
材表面の親水性基と脱塩化水素反応を起こさせて化学吸
着させた後、水と反応させると、残ったクロロシリル基
が親水性のシラノール結合に変わり、表面に活性水素が
できる。これにより、その上に形成するアルキル基また
はフッ化アルキル基等を含む化学吸着分子の吸着密度を
高めることができる。このクロロシリル基を複数個含む
物質の中でも、テトラクロロシラン(SiCl4 )は反
応性が高く分子量も小さいためより高密度にシラノール
結合を付与できるので望ましい。この内層膜上にアルキ
ル基もしくはフッ化アルキル基を含むクロロリラン系界
面活性剤を化学吸着でき、このようにして得た化学吸着
膜はより高密度化されるため、耐久性に優れている。本
発明の基板にシロキサン結合を介してアルキル基もしく
はフッ化アルキル基を含む化学吸着膜を形成するための
非水溶媒は、クロロシラン系界面活性剤と反応する活性
水素を持たない有機溶媒であればよい。その例として例
えば1,1−ジクロロ,1−フルオロエタン、または
1,1−ジクロロ2,2,2−トリフルオロエタン、ま
たは1,1−ジクロロ、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロパン、または1,3−ジクロロ,1,1,
2,2,3−ペンタフルオロプロパン、またはトリフッ
化アルキルアミン、またはパーフルオロフランおよびそ
のフッ化アルキル誘導体等のフッ素系溶媒、例えばヘキ
サン、オクタン、ヘキサデカン、シクロヘキサン等の炭
化水素系溶媒、例えばジブチルエーテル、ジベンジルエ
ーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル等のエステル系溶
媒のいずれかが好ましい。また本発明の基板上に形成さ
れる化学吸着膜は単分子化学吸着膜一層だけでも十分機
能が発揮される。単分子化学吸着膜を一層だけ形成する
には、前記非水系有機溶媒にクロロシラン系界面活性剤
溶かし、これに金属線を浸水して化学吸着した後、水分
に接触させないで非水系の溶剤で洗浄するだけで良く、
特別な工程を要しなく簡便に行える。また化学吸着膜を
累積しても良いことはもちろんである。この場合は以下
のようにする。分子の両末端にハロシリル基を有する化
学吸着剤、たとえばCl3 Si(CH2 2 (CF2
6 (CH2 2 SiCl3 を前記非水系溶媒にとかし、
これに基板を接触、非水溶媒で洗浄、水で洗浄する工程
を繰り返すことにより、単分子を累積し、積層膜とする
ことができる。さらに、ポリマー状の化学吸着膜を形成
することも可能である。この場合は、クロロシラン系化
学吸着膜を基板上に吸着した後、水分を含む溶媒、例え
ばエタノール、などで洗浄することにより得られる。本
発明に用いる基板としては、表面から水酸基の出ている
ものであれば何でも良く、ガラス、金属、プラスチッ
ク、雲母等、様々なものがある。この中でも特に、表面
が平らなものが良く、へき開した雲母は原子レベルで平
であるので、基板としては適している。またプラスチッ
クの場合は、エネルギー線の照射や酸化処理などを行う
ことにより、表面に親水性基を付与するのが好ましい。
図4は、本実施例で用いるAFMの概念図を示したもの
である。図5は図4のAFMの探針付近を拡大したもの
である。1は測定対象となる試料を固定する基板、5は
この試料固定用基板1を固定し、オーリング7、8によ
って溶液セル6の底部の穴を封入するための基板であ
る。また、溶液セルはレーザー光が透過できるようにガ
ラスでできている。2は探針、3は探針の梃部で上面側
は、レーザー光などの光を反射できるように金属が蒸着
されている。4は探針の基部であり、溶液セル6に固定
されている。14はレーザー光などの光源、13は前記
光源から出た光を収束し梃部3の上面側に光を当てるレ
ンズ、11、12は光、15は光の角度や、強度の変化
をキャッチし電気信号(電圧)に変えるためのセンサー
でこの場合はフォトダイオード、100はセンサー15
からの電気信号の増幅器、10は基板1、5を原子レベ
ルの精度で走査するための圧電体で、電気信号(電圧)
により伸縮し、三次元方向すなわち試料を上下するZ軸
方向、試料を図の手前方向や奥方向に移動させるY軸方
向、試料を図の左右方向に移動させるX軸方向に動くよ
うに構成されている。101は試料のZ軸方向をコント
ロールするためのZ軸方向制御用サーボ回路、103は
試料検査結果を記憶するX、Y、Z軸方向のメモリー装
置、102は試料を設定した範囲で走査する信号をコン
トロールするためのX−Y軸方向走査用回路、104は
データ解析装置、105はディスプレイを示す。また、
16は溶液セルに液体を入れるための注入口、17は液
体を排出するための排出口であり、測定中は、どちらの
チューブも閉じておく。X−Y軸方向走査用回路102
で走査する範囲やピッチを予め設定しておき、探針2を
試料表面に接近させまたは接触させて試料表面を走査す
る。この時に探針と基板表面との間に原子間力が働くと
梃子部がそれに応じてたわみ、このため、レーザー項の
反射角が変化する。この反射方向の変化をセンサー15
でキャッチし、電気信号に変え、この信号は増幅器10
0で増幅される。この場合に、Z軸方向制御用サーボ回
路101は、センサー15の電気信号の出力が常に一定
になるような制御信号を圧電体素子10に出力するよう
になっている。すなわち強い原子間力が働いて探針2と
基板表面1の距離が近づくような力が生じた場合にはそ
の力が生じていなかったときの力と同じになるよう試料
がZ軸方向で引き離されるように作動する。この様にし
て試料上を所定の範囲にわたって走査し、X、Y、Z軸
方向のメモリー装置103、データ解析装置104、デ
ィスプレイ105または記録装置(図示せず)により試
料検査結果が出力される。探針と基板表面に働く力を調
整することにより、探針で基板表面を傷つけたり、また
は表面を傷つけずに、その形態を観察したりできる。以
下に、具体的な実施例を示す。 実施例1 12ミリ角のへき開した白雲母基板を110℃でオゾン
処理後、クロロシラン系界面活性剤であるオクタデシル
トリクロロシラン(以下OTSと略称で記す)30ミリ
モル(mM)の溶けた溶液(溶媒としては、ノルマルヘ
キサデカン80Vol.%、四塩化炭素12Vol.%、クロロ
ホルム8Vol.%の混合溶液を使用)に1時間浸水後、ク
ロロホルム、続いて純水による洗浄を行った。基板はこ
の処理後撥水性となり、OTSの単分子膜が白雲母基板
を覆っていることが確認された。なお前記において、白
雲母の表面の水酸基(−OH)とOTSの反応は下記式
(化1)のように進行する。
【化1】 次に前記クロロホルムで洗浄すると、雲母表面に残存し
ている未反応OTSが除去される。次に、純水による洗
浄を行うと、前記式(化1)のクロロ基(−Cl)が加
水分解されて、シラノール基(−SiOH)が生成す
る。これを下記式(化2)に示す。
【化2】 次に、乾燥することにより、シラノール基(−SiO
H)が隣のシラノール基との間で脱水縮合反応を起こ
し、シロキサン結合(−SiO−)によって架橋する。
これを下記式(化3)に示す。
【化3】 (但しnは1以上の自然数を示す。) このようにして白雲も基板に単分子膜が形成される。な
お前記において、クロロホルムによる洗浄を省略する場
合は、化学吸着ポリマー膜を形成できる。次にこの基板
をAFMを用いて観察した。観察は、AFMの探針と試
料との間に働くファンデルワールス力、及び、静電気力
を極力少なくするために、溶液セルにエタノール溶液を
入れて行った。AFMの探針としては、市販品(オリン
パス光学株式会社製)の探針を用いた。まず、探針と基
板表面にかかる原子間力を2nNに設定して観察し、こ
の力においては、同じ像が繰り返し観測され、膜が探針
によって破壊されていないことを確認した。つぎに、こ
の像の中心付近200nm角の領域を20nNの力で探
針でこすった。この後に1ミクロン角の領域を再び2n
Nの力で観察したときに得られたAFM像のトレースを
図1に示す。また図2は図1のA−A線の断面概念図で
ある。図1〜2において20は記録媒体、21は化学吸
着膜、22は化学吸着膜に開けられた記録のための穴、
23は基板である。以上説明した通り、AFM像によ
り、探針によって穴の開けられていることが確認でき
た。この穴の深さは約3nmであり、分子モデルから計
算した化学吸着したOTSの分子長とほぼ一致した。こ
のことより、ホール内の単分子膜が全て取り除かれてい
ることが分かる。以上のようにして、AFMによりサブ
ミクロン以下の穴を持つ基板ができることが示された。
以上の方法を用いて、雲母基板に化学吸着したOTSの
単分子膜内に100nm角の穴を多数形成し、記録媒体
を作製した。本実施例で用いた吸着分子は、基板以外に
分子間同士で互いに共有結合して強固な膜を形成してい
る。従って、例えば、膜内に数原子程度の大きさの径の
穴を開けても、穴の側面の分子は熱振動しにくいので、
穴の形がぼけることが少なくなるという利点がある。 実施例2 実施例1と同様な方法で記録媒体を形成した。そして化
学吸着したOTSの単分子膜内に100nm角を多数形
成した後、下記式(化4)に示す7−(3−(クロロジ
メチル)プロポキシ)−4−メチルクマリン(化3)
を、実施例1と同様な方法で化学吸着した。但し、この
試薬を溶かす反応溶媒にはアセトニトリル溶液を用い
た。この蛍光物質は、384nmの励起光照射により、
390、421、521、565nmに蛍光を発する。
【化4】 この基板をAFMを用いて、約2nNの力で観測した。
この場合、あらかじめ開けた穴は観測されたが、その深
さは1nmほどに減少した。このことより、穴の部分に
蛍光物質が化学吸着したことが分かり、穴に蛍光物質の
入った記録媒体が形成できたことが確認できた。図3に
得られた記録媒体の断面概念図を示す。図3において、
24は穴22の中に化学吸着したクマリン化合物(蛍光
体物質)である。なお本実施例においては、蛍光体物質
を化学吸着によって基材に化学結合(共有結合)させた
例を示したが、蛍光体物質を単に物理吸着させても良
い。物理吸着させる場合は、蛍光体物質(例えばクマリ
ン化合物)の溶けた溶媒に基材を浸し、その後この基材
を蛍光体物質の溶けていない溶媒で洗浄することにより
穴の内部に蛍光体物質を存在させることができる。本実
施例においては、用いる基板としては白雲母基板、吸着
試薬としてはOTS、蛍光物質としては7−(3−(ク
ロロジメチル)プロポキシ)−4−メチルクマリンのみ
を用いているが、これに限らず、様々な表面の酸化され
た基板、フッ化アルキル基を持つ吸着試薬、他の蛍光物
質を用いることができるのは言うまでもない。本実施例
においては、蛍光物質が基板と共有結合しているので、
耐久性の優れた記録媒体が作製できる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、次
世代の情報機器に用いることのできる超高密度の記録媒
体を形成することができる。また、本発明では、有機薄
膜は基板表面に共有結合しているので、膜が基板から容
易にはがれることがない。このため、歩留まり良く膜内
に穴を開けることができるし、耐久性の良い記録媒体が
作製できる。また、AFMを用いることにより、簡単な
操作で記録媒体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のAFMの探針で穴の開け
られた化学吸着単分子膜を用いた記録媒体のAFM像の
トレース図である。
【図2】 図1のA−A線の断面概念図である。
【図3】 本発明の一実施例の穴の中に蛍光物質を化学
吸着させた記録媒体の断面概念図である。
【図4】 記憶媒体を作製するためのAFMの概念図を
示した図である。
【図5】 記録媒体を作製するためのAFMの探針部分
を拡大した図である。
【図6】 従来の穴を開ける前の記録媒体の概念図であ
る。
【図7】 従来の穴を開けた後の記録媒体の概念図であ
る。
【符号の説明】
1 試料を固定した基板 2 AFMの探針 3 梃子部 4 梃子部を支える基板 5 試料を固定した基板を固定する基板 6 溶液セル 7 Oリング 8 Oリング 10 ピエゾ素子 11 レーザー光線 12 レーザー光線 13 レンズ 14 光源 15 光検出器 16 液体挿入用チューブ 17 液体排出用チューブ 20 記録媒体 21 化学吸着膜 22 記録のための穴 23 基板 24 蛍光体物質 100 電気信号増幅器 101 Z軸方向制御用サーボ回路 102 X−Y軸方向走査用回路 103 X、Y、Z軸方向のメモリー装置 104 データー解析装置 105 ディスプレイ 200 記録媒体の表面 201 穴

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機薄膜が基板表面とシロキサン結合を
    介して固定され、前記有機薄膜に記録のための多数の穴
    を備えた記録媒体。
  2. 【請求項2】 有機薄膜の厚さが100nm以下であ
    り、かつ穴の平均開口面積が1μm2 以下である請求項
    1記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 有機薄膜の穴の部分に蛍光体が存在して
    いる請求項1記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 蛍光体が基板表面とシロキサン結合を介
    して固定されている請求項1記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 有機薄膜が単分子膜もしくはその積層
    膜、またはポリマー膜である請求項1記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 有機薄膜分子が、長鎖アルキル鎖、もし
    くは長鎖フッ化アルキル鎖を含む請求項1記載の記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 有機薄膜を基板にシロキサン結合を介し
    て化学吸着した後、原子間力顕微鏡を用いて特定の部分
    の前記有機薄膜を削り取り、記録のための多数の穴を設
    けた記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 穴を設けた後、基板に蛍光物質を物理吸
    着またはシロキサン結合を介して化学吸着する請求項7
    記載の記録媒体の製造方法。
JP5054363A 1993-03-15 1993-03-15 記録媒体及びその製造方法 Pending JPH06267109A (ja)

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