JPH06263554A - セラミックス−金属接合基板 - Google Patents

セラミックス−金属接合基板

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JPH06263554A
JPH06263554A JP4959093A JP4959093A JPH06263554A JP H06263554 A JPH06263554 A JP H06263554A JP 4959093 A JP4959093 A JP 4959093A JP 4959093 A JP4959093 A JP 4959093A JP H06263554 A JPH06263554 A JP H06263554A
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JP
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metal
substrate
metal plate
ceramic
brazing material
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JP4959093A
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Takayuki Naba
隆之 那波
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高接合強度を満足すると共に、優れた耐熱サ
イクル特性を有する、信頼性が高いセラミックス−金属
接合基板を提供する。 【構成】 窒化アルミニウム系セラミック基板の少なく
とも一方の主面に、Ti、Zr、HfおよびNbから選ばれた少
なくとも 1種の活性金属を含むろう材層を介して、金属
板を接合したセラミックス−金属接合基板である。窒化
アルミニウム系セラミック基板は、金属板との接合表面
近傍部における液相成分量を 1重量% 以下としている。
あるいは、金属板1のセラミックス基板2との接合面1
aの面積Aを表面1b側の面積Bより小さくし、かつ活
性金属を含むろう材層3の面積Cを金属板1の接合面1
aの面積Aより大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス基板と金
属板との接合基板に係り、特に耐熱サイクル特性に優れ
たセラミックス−金属接合基板に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス材料は、一般に、軽量でか
つ高硬度を有する、電気絶縁性に優れる、耐熱性や耐食
性に優れる等という特徴を有しており、これらの特徴を
生かして電子部品用絶縁材料等として利用されている。
特に、窒化アルミニウム系セラミックス材料は、高熱伝
導率を有すること等から、放熱量の大きい半導体素子の
搭載用基板等として注目されており、実用化が進められ
ている。
【0003】ところで、セラミックス部材を電子部品の
搭載基板等として使用する場合、回路や部品搭載部を形
成するために、金属部材を接合することが不可欠とな
る。セラミックス基板と金属板との接合方法としては、
従来から、MoやW 等の高融点金属を用いる方法、 Cu-Cu
2 O の共晶を利用して銅板を直接接合する方法(DBC
法)、4A族元素や5A族元素のような活性金属を用いる方
法等が知られており、これらの中でも、高強度、高封着
性等が得られることから、活性金属法が多用されつつあ
る。
【0004】上記活性金属法は、Ti、Zr、Hf、Nb等の金
属元素がセラミックス部材、特に窒化アルミニウム等の
窒化物系セラミックス部材に対して濡れやすく、かつ反
応しやすいことを利用した接合法であり、一般的には活
性金属を添加したろう材を用いたろう付け法として使用
されている。具体的には、CuとAgとの共晶ろう材にTi等
の活性金属を添加し、これをセラミックス基板と金属板
との間に介在させ、適当な温度で熱処理して接合する方
法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
ス基板と金属板との接合基板には、高接合強度が求めら
れる一方、セラミックス材料の熱膨張率は金属材料のそ
れに比べて小さいため、この熱膨張差に起因する欠点の
発生を抑制することが強く求められている。すなわち、
熱膨張率が大きく異なるセラミックス基板と金属板とを
接合すると、接合後の冷却過程で熱膨張差に起因する残
留応力が生じ、外部応力との相乗によって接合強度が大
幅に低下したり、また接合後の冷却過程や熱サイクルの
付加によって応力の最大点からクラックが発生したり、
さらにはセラミックス基板が破壊される等の問題を招い
てしまう。
【0006】このような点に対して、上述した活性金属
法を適用した接合基板は、接合強度が高く、かつDBC
法等と比較すると、ろう材層が応力緩和層として働くこ
とから、比較的耐熱サイクル特性がよいものの、放熱量
が年々増加している半導体素子の搭載基板等として用い
ることを考慮すると十分とはいえず、耐熱サイクル特性
の向上が強く望まれていた。また、従来の接合基板にお
いては、形状的に金属板の縁部(接合端角部等)に応力
集中を生じやすく、このような部分からクラックが発生
しやすいことから、形状的な応力集中を緩和して、より
一層耐熱サイクル特性を向上させることが求められてい
た。
【0007】本発明は、このような課題を対処するため
になされたもので、高接合強度を満足すると共に、優れ
た耐熱サイクル特性を示す、信頼性が高いセラミックス
−金属接合基板を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者は、上記
目的を達成するために、従来のセラミックス−金属接合
基板について種々の観点から検討を行った結果、まず窒
化アルミニウム系基板を用いる場合には、その表面に存
在するAl5 Y 3 O 12(YAG) やAlYO3 (YAL) 等の脆弱な液
相成分が信頼性の低下要因となることを見出した。すな
わち、脆弱な液相成分が比較的多量に存在する窒化アル
ミニウム表面に、活性金属を含むろう材により金属板を
接合した場合、高接合強度が得られたとしても、熱サイ
クルの付加により脆弱な液相成分が存在する部分からク
ラックが発生し、それに伴って接合強度等も低下してし
まう。
【0009】本発明に関するセラミックス−金属接合基
板の第1の発明は、上述した知見に基いて成されたもの
であり、窒化アルミニウム系セラミック基板と、Ti、Z
r、HfおよびNbから選ばれた少なくとも 1種の活性金属
を含むろう材層を介して、前記窒化アルミニウム系セラ
ミックス基板の少なくとも一方の主面に接合された金属
板とを具備するセラミックス−金属接合基板において、
前記窒化アルミニウム系セラミック基板は、前記金属板
との接合表面近傍部における液相成分量が 1重量% 以下
であることを特徴としている。
【0010】また、本発明に関するセラミックス−金属
接合基板の第2の発明は、金属板側の形状に着目し、加
熱接合後の金属板側の界面近傍の形状を改良することに
よって、接合端での応力集中を緩和できることを見出し
たことにより成されたものであり、セラミック基板と、
Ti、Zr、HfおよびNbから選ばれた少なくとも 1種の活性
金属を含むろう材層を介して、前記セラミックス基板の
少なくとも一方の主面に接合された金属板とを具備する
セラミックス−金属接合基板において、前記金属板は、
前記セラミックス基板との接合面の面積が表面側の面積
より小さく、かつ前記活性金属を含むろう材層の面積
は、前記金属板の接合面の面積より大きいことを特徴と
している。
【0011】本発明のセラミックス−金属接合基板は、
Ti、Zr、HfおよびNbから選ばれた少なくとも 1種の活性
金属を含むろう材(以下、活性金属ろう材と称する)を
用いて、セラミックス基板と金属板とを接合したもので
ある。ここで用いるろう材としては、例えば Ag-Cuの共
晶組成(72wt%Ag-28wt%Cu)もしくはその近傍組成のAg-C
u 系ろう材や、Cu系ろう材等が例示される。そして、こ
れらろう材に上記活性金属を、ろう材の全量に対して 1
重量% 〜10重量% 程度添加して、活性金属ろう材として
用いる。 Ag-Cu系ろう材の組成は、ろう材の全量に対し
てCu量を15重量% 〜35重量% 程度とすることが好まし
い。
【0012】また、上記活性金属ろう材は、実用上は例
えば樹脂系バインタ中に混合、分散させてペースト化し
て使用する。この際、ペースト中の含有酸素量を30ppm
以下とすることが好ましい。例えば、窒化物系セラミッ
クス基板と活性金属ろう材との接合形態を考えると、ろ
う材中の活性金属(例えばTi)がセラミックス中の窒素
と反応して、接合界面に活性金属と窒素との化合物層
(例えば TiN層)を形成することによって、セラミック
ス基板と活性金属ろう材、ひいては金属板とが強固に接
合される。ここで、活性金属例えばTiは、生成自由エネ
ルギーからみて窒素より酸素と反応しやすい。よって、
ろう材ペースト中に多量の酸素が含まれていると、セラ
ミックス中の窒素と反応する前に酸素と反応してしま
い、活性金属と窒素との化合物層を均一に形成すること
ができなくなる。これに対して、予めろう材ペースト中
の含有酸素量を30ppm 以下としておくことによって、活
性金属とセラミックス中の窒素との反応を促進すること
ができ、よって高強度のセラミックス−金属接合基板を
再現性よく得ることが可能となる。
【0013】上述した第1の発明で使用するセラミック
ス基板は、窒化アルミニウムを主成分とし、酸化イット
リウムや酸化アルミニウム等を焼結助剤成分(液相形成
成分)として含む焼結体からなるものである。ここで、
第1の発明で使用する窒化アルミニウム系セラミックス
基板は、金属板との接合表面近傍部における液相成分量
を 1重量% 以下としている。ここで言う液相成分とは、
上記焼結助剤成分により形成されたAl5 Y 3 O 12(YAG)
やAlYO3 (YAL) 等であり、基本的には結晶粒界に存在す
るものであるが、焼成(焼結)時に表面方向に侵出する
性質を有している。よって、焼結後の段階においては、
焼結体表面に比較的多量の液相成分が存在する。
【0014】ここで、窒化アルミニウム系基板と金属板
との接合後の界面は、活性金属としてTiを用いた場合、
窒化アルミニウムとろう材層との界面に生成される TiN
とみられる反応層と、活性金属をあまり含まないろう材
層とからなる。加熱接合後や熱サイクルが付加された際
に、窒化アルミニウム系基板と金属板との線膨張係数差
に起因して発生する応力は、特に前者の TiN層によって
緩和されると考えられる。しかし、上記したような液相
成分が比較的多量に存在する窒化アルミニウム系基板の
表面に、活性金属ろう材により金属板を接合すると、窒
化アルミニウムと活性金属との反応が阻害されて、最適
な厚さに TiN層が形成されず、その結果として窒化アル
ミニウム系基板にかかる応力が増大する。また、液相成
分は脆弱な化合物からなるため、熱サイクルの付加によ
って、液相成分が存在する部分がクラックの発生起点と
なる。これらによって、耐熱サイクル特性は大幅に低下
してしまう。
【0015】そこで、第1の発明においては、窒化アル
ミニウム系セラミックス基板の金属板との接合表面近傍
部における液相成分量を 1重量% 以下としている。この
ように、接合表面における液相成分量を減少させること
によって、接合界面における反応層(例えば TiN層)の
厚さを最適化できるため、窒化アルミニウム系基板にか
かる応力を緩和することができ、よって接合強度および
耐熱サイクル特性に優れた接合基板が得られる。なお、
本発明で言う表面近傍部における液相成分量は、例えば
X線回折により測定した値を指すものとし、表面から深
さ方向に10μmの範囲における液相成分の重量比を指す
ものとする。
【0016】上述した接合表面近傍部における液相成分
量を 1重量% 以下とした窒化アルミニウム系セラミック
ス基板は、焼結後の表面から深さ方向に適当な範囲で、
ホーニング加工等で研削することによって得られる。焼
結表面からの研削量は、表面近傍部の液相成分量が 1重
量% となるように設定するものとするが、具体的には深
さ方向(板厚方向)に 3〜 5μm 程度研削することが好
ましい。
【0017】また、第2の発明に用いられるセラミック
ス基板は、特にその材料に限定されるものではなく、酸
化アルミニウム焼結体系基板、ムライト焼結体(3Al2 O
3 −2SiO2 )系基板等の酸化物系基板から、窒化アルミ
ニウム焼結体系基板、炭化ケイ素焼結体系基板等の非酸
化物系基板まで、各種のセラミックス材料を適用するこ
とができ、用途や要求特性に応じて適宜選択して使用す
ることが可能である。ただし、機械的強度が比較的低
く、熱サイクルの付加によりクラック等が生じやすい窒
化アルミニウム系基板に対して特に効果的である。
【0018】本発明で用いる金属板は、用途に応じて各
種の金属材料から適宜選択すればよく、例えばCu板、Cu
合金板、Ni板、Ni合金板、 WやMo等の単体板や合金板等
が例示される。また、第1の発明に関しては、その形状
も特に限定されるものではなく、用途等に応じて設定す
ればよい。金属板の接合は、セラミックス基板の少なく
とも一方の主面でよいが、応力の緩和という点からは、
セラミックス基板の両主面に接合することが好ましい。
【0019】第2の発明のセラミックス−金属接合基板
に用いる金属板は、必要とする金属板の表面面積より若
干小さい面積を有するものとする。すなわち、セラミッ
クス基板と金属板とを加熱接合した場合、金属板は両者
の線膨張係数の差により、接合温度に応じて膨張する。
ここで、接合後の冷却過程において、金属板の接合面側
はろう材層に固定されているが、表面側は特に制約はな
いため、線膨張係数差に応じて膨張した状態となる。こ
の加熱接合後の金属板の表面側面積が、必要とする金属
板の表面面積となるように、当初の金属板形状を設定す
る。
【0020】またこの際、活性金属ろう材を含むペース
トの塗布面積は、金属板の当初の形状と同様に、必要と
する金属板の表面面積より若干小さい面積とする。この
ようなろう材ペーストの塗布層上に、上記の若干小面積
とした金属板を載置して加熱接合すると、ろう材ペース
トは液相化後にセラミックス基板と濡れて少し流れだ
し、金属板との接合端よりやや大きく基板上に広がる。
一方、金属板の接合面側は、上述したようにろう材層に
固定されているため、その面積をほぼ維持して接合面積
を形成する。また、金属板の表面側は膨張するため、接
合端よりやや大きくなる。この状態を図1および図2に
示す。
【0021】すなわち金属板1は、セラミックス基板2
との接合面1aの面積(A)が表面1b側の面積(B)
より小さくなり、かつ活性金属を含むろう材層3の面積
(C)は、金属板の接合面1aの面積(A)より大きく
なる。ここで、金属板1の表面1b側の面積(B)は、
必要とされる金属板面積となっている。加熱接合後の金
属板1側の界面近傍の形状およびろう材層3の形状を、
上記したような形状(B>A、C>A、かつろう材層3
がセラミックス基板2上で平面方向に広がる)とするこ
とによって、接合端での応力集中が緩和され、残留応力
を低減することができる。これによって、接合強度や耐
熱サイクル特性の向上を図ることが可能となる。
【0022】上記加熱接合後の金属板1側の界面近傍の
形状およびろう材層3形状は、上述したように、それぞ
れの面積A、B、Cが、B>AかつC>Aを満足してい
ればよく、特にその比率等は問わない。
【0023】本発明のセラミックス−金属接合基板は、
例えば以下のようにして製造することができる。
【0024】まず、セラミックス基板と金属板とを用意
し、上述したような活性金属を含むろう材をペースト化
したものを、例えばセラミックス基板側に塗布する。こ
こで、第2の発明に関しては、ろう材層の塗布面積が必
要な金属板面積より若干小さくなるように塗布する。ま
た、ろう材層の塗布厚は、耐熱サイクル特性の向上を図
る上で、加熱接合後のろう材層の層厚が40μm となるよ
うにすることが好ましく、具体的にはペーストの粘度等
にもよるが、30μm 以下とすることが好ましい。加熱接
合後のろう材層の層厚が40μm を超えると、熱サイクル
の付加に対して反応層の厚さが厚くなりすぎるために、
逆にセラミックスにかかる応力が増大し、耐熱サイクル
特性の低下を招くおそれがある。
【0025】次に、ろう材ペーストを塗布したセラミッ
クス基板上に、金属板を積層配置し、真空中またはアル
ゴン雰囲気のような不活性雰囲気中にて、使用したろう
材に応じた温度、例えば Ag-Cu系ろう材であれば Ag-Cu
共晶が形成される温度で熱処理し、このろう材による液
相および活性金属とセラミックスとの反応等を利用し
て、セラミックス基板と金属板とを接合する。また、前
述したように、ろう材ペースト中の活性金属と酸素との
反応を阻害する上でも、接合雰囲気は真空中や不活性雰
囲気中とすることが好ましい。
【0026】金属板に回路形成を行う場合には、金属板
を接合した後にエッチチング等により回路形成を行って
もよいし、また予め回路形成した金属板を接合してもよ
い。ただし、第2の発明に関しては、後者の方法を採る
ものとする。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0028】実施例1 まず、 AlN系基板用の焼結体(形状:63mm×29mm×厚さ
約 0.635mm:熱伝導率=170W/m K)を用意した。この AlN
焼結体は、 AlNを主成分とし、焼結助剤として3重量%
の Y2 O 3 を含むものである。この焼結後の段階で焼結
体表面のX線回折を行い、表面の液相成分量を測定した
ところ、 YAG量は 2.3重量% 、 YAL量は 4.5重量% で
あった。
【0029】次に、上記 AlN焼結体の両主面に対してホ
ーニング加工を 2回施し、深さ方向に約 3.8μm 研削し
た。なお、ホーニング条件は、#220WA、圧力 3.5kgf/cm
2 、ベルトスピード1.8m/minとした。このホーニング加
工後に、 AlN焼結体表面の液相成分量を同様に測定した
ところ、 YAG量は 0.2重量% 、 YAL量は 0.3重量%(合計
0.5重量%)であった。
【0030】一方、重量比でAg:Cu:Ti=67.7:26.3:6.0の
活性金属含有ろう材を用意し、このろう材に樹脂バイン
ダおよび分散媒を適量加え、十分に混合してろう材ペー
ストを作製した。このろう材ペーストを上記ホーニング
加工後の AlN焼結体表面にそれぞれ塗布厚が30μm とな
るようにスクリーン印刷した。
【0031】次いで、図3に示すように、半導体素子搭
載側金属板(表パターン)として厚さ 0.3mmのパターニ
ングしたCu板11を、また放熱側金属板(裏パターン)
として厚さ0.25mmのCu板12を、それぞれろう材ペース
トの塗布層上に配置し、 1×10-4Torrの真空中にて、 8
50℃×10分の条件で接合を行った。このようにして、Al
N系基板13の両主面に、それぞれ活性金属含有ろう材
層14を介してCu板11、12が接合された、AlN-Cu接
合基板15を得た。なお、活性金属ろう材層14の厚さ
は、約35μm であった。
【0032】また、本発明との比較として、焼結後の A
lN系基板(YAG量=2.3重量% 、 YAL量=4.5重量% 、合計
6.8重量%)を用いる以外は、上記実施例と同様にCu板を
接合したもの(比較例1)と、ホーニング加工を 1回の
みとした AlN系基板(YAG量=1.2重量% 、 YAL量=2.1重量
% 、合計 3.3重量%)を用いる以外は、上記実施例と同様
にCu板を接合したもの(比較例2)を作製した。
【0033】これら実施例1および比較例1、2で作製
した各AlN-Cu接合基板の特性を以下のようにして評価し
た。まず、各AlN-Cu接合基板の接合強度としてピール強
度を測定した。また、耐熱サイクル特性ηとして、熱サ
イクル試験(TCT) 後のクラックの有無を蛍光浸透探傷(P
T)検査によって評価した。 TCTの条件は、 -40℃×30分
+RT×10分+ 125℃×30分+RT×10分を 1サイクルと
し、これを30サイクル行った後に、クラックの有無を評
価した。これらの結果を表面の液相成分量と共に表1に
示す。なお、耐熱サイクル特性ηの評価結果は、100%を
「 TCTによるクラックなし」とし、0%を「 TCTにより全
面的にクラック発生」として示した。
【0034】
【表1】 表1から明らかなように、表面近傍の液相成分量を 1重
量% 以下とした窒化アルミニウム系基板を用いた実施例
1によるAlN-Cu接合基板は、十分な接合強度を有すると
共に、熱サイクル試験後においてもほとんどクラックの
発生がなく、耐熱サイクル特性に優れることが分かる。
これに対して、比較例1および比較例2によるAlN-Cu接
合基板は、それぞれ初期の接合強度は高いものの、熱サ
イクル試験後に多数のクラックが発生しており、接合強
度の低下を招いていることが明らかである。
【0035】実施例2 まず、 Ag-Cu共晶合金粉(72wt%Ag-28wt%Cu)98重量% と
Ti粉 2重量% とを混合した粉末 100重量部に対し、カル
ボキシル基重合したアクリル樹脂を10重量部、テレピネ
オールを20部、オレイン酸を 0.1cc加え、十分に混合し
てろう材ペーストを作製した。
【0036】上記ろう材ペーストを 2つ作製し、 1つは
(a)窒素ボックス中で気温20℃、湿度 40%の条件のもと
で、他の 1つは (b)大気中で、それぞれ 3ケ月保管し
た。これらろう材ペースト中の含有酸素量をそれぞれ分
析したところ、 (a)は25ppm 、(b)は300ppmという結果
が得られた。
【0037】これら 2つのろう材ペーストを用いて、実
施例1と同様にしてAlN-Cu接合基板をそれぞれ作製し
た。ただし、銅板としてはリン脱酸銅を用いた。このよ
うにして得た各AlN-Cu接合基板のピール強度と耐熱サイ
クル特性( TCT 100サイクル)を測定、評価した。その
結果を表2に示す。
【0038】
【表2】 表2から、ろう材ペーストの含有酸素量が接合強度や耐
熱サイクル特性に影響を及ぼすことが分かる。
【0039】実施例3 実施例1で用いた AlN焼結体と同様な AlN系基板(熱伝
導率=170W/m K)上に、重量比でAg:Cu:Ti=67.7:26.3:6.0
の活性金属含有ろう材に樹脂バインダおよび分散媒を適
量加えたろう材ペーストを、所望の金属板パターン(接
合後の金属板の表面パターン)の1/1.01の大きさとなる
ようにスクリーン印刷した。なお、ろう材ペーストの塗
布厚は30μm とした。
【0040】次に、上記ろう材ペーストの印刷パターン
上に、同様に所望の金属板パターンの1/1.01の大きさの
Cu板を配置し、 1×10-4Torrの真空中にて、 850℃×10
分の条件で接合を行って、所望のパターン寸法を有する
AlN-Cu接合基板を得た。
【0041】このようにして得たAlN-Cu接合基板の接合
界面の形状を調べたところ、図2に示したように、Cu板
1の AlN系基板2との接合面1aの面積(A)が表面1
b側の面積(B)より小さくなり、Cu板1の AlN系基板
2との接合面1aは、活性金属ろう材層3により十分に
覆われていた。また、活性金属ろう材層3の厚さは、約
35μm であった。
【0042】次に、上記AlN-Cu接合基板の耐熱サイクル
特性を、以下の要領で評価した。まず、実施例1と同様
の TCTを20サイクル、30サイクル、50サイクルでそれぞ
れ実施し、各試験後の接合基板のピール強度を測定する
と共に、クラックの有無を評価した。その結果、いずれ
の TCT後のAlN-Cu接合基板においても、ピール強度は10
〜12kgf/mm程度の良好な値を示し、かつクラックも見ら
れなかった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミッ
クス−金属接合基板によれば、安定して高接合強度が得
られると共に、熱サイクルの付加等によるセラミックス
基板側のクラックを抑制することができる。よって、高
接合強度を有すると共に、熱サイクル特性に優れた、信
頼性の高いセラミックス−金属接合基板を、再現性よく
提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセラミックス−金属接合基板の一構
成例を示す断面図である。
【図2】 図1に示すセラミックス−金属接合基板の要
部を拡大して示す図である。
【図3】 本発明の一実施例によるセラミックス−金属
接合基板を示す断面図である。
【符号の説明】
1……金属板 1a…セラミックス基板との接合面 1b…表面 2……セラミックス基板 3……活性金属を含むろう材層 11…半導体素子搭載側のパターニングしたCu板 12…放熱側のCu板 13… AlN系基板 14…活性金属含有ろう材層 15…AlN-Cu接合基板 A……金属板のセラミックス基板との接合面の面積 B……金属板の表面側の面積 C……ろう材層の面積

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム系セラミック基板と、
    Ti、Zr、HfおよびNbから選ばれた少なくとも 1種の活性
    金属を含むろう材層を介して、前記窒化アルミニウム系
    セラミックス基板の少なくとも一方の主面に接合された
    金属板とを具備するセラミックス−金属接合基板におい
    て、 前記窒化アルミニウム系セラミック基板は、前記金属板
    との接合表面近傍部における液相成分量が 1重量% 以下
    であることを特徴とするセラミックス−金属接合基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
    基板において、 前記活性金属を含むろう材層は、その厚さが40μm 以下
    であることを特徴とするセラミックス−金属接合基板。
  3. 【請求項3】 セラミック基板と、Ti、Zr、HfおよびNb
    から選ばれた少なくとも 1種の活性金属を含むろう材層
    を介して、前記セラミックス基板の少なくとも一方の主
    面に接合された金属板とを具備するセラミックス−金属
    接合基板において、 前記金属板は、前記セラミックス基板との接合面の面積
    が表面側の面積より小さく、かつ前記活性金属を含むろ
    う材層の面積は、前記金属板の接合面の面積より大きい
    ことを特徴とするセラミックス−金属接合基板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10190176A (ja) * 1996-12-26 1998-07-21 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板
JP2013118299A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板
JP2014090144A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Denki Kagaku Kogyo Kk セラミック回路基板および製造方法
JP2020053580A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 京セラ株式会社 パワーモジュール用基板およびパワーモジュール
JP2022020925A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 日本特殊陶業株式会社 配線基板

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