JPH0626170A - 壁板材の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】裏足場や二次胴縁を要することなく、かつ、特
殊な電動工具で操作する特殊な緊結金具を用いずに組付
作業が容易で雨仕舞いがよく良好な外観に仕上げること
のできる壁板材の取付構造を提供する。 【構成】下地材３に対して固定される締結具８を挿通さ
せる内外方向の長孔ｋが開設されてその下地材３と対接
する取付部7aと、隣接し合う両壁板材６，６の凹凸嵌合
部6a，6b間に嵌まり込んでその両凹凸嵌合部6a，6bと掛
合する嵌挿部7cとが一体に連設形成されてなる取付金具
７を介して前記両壁板材６，６が前記下地材３に対して
内外方向に位置調整可能に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は壁板材の取付構造に係
り、詳しくは柱、胴縁等の下地材に対して取付金具を介
して壁板材が取り付けられる壁板材の取付構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】中間に硬質ウレタンフォーム等の断熱材
を間装したサンドイッチ状の壁板材を横張りする場合、
例えば図７に示されるように、まず、間柱１に溶接等に
よりアングル材２を介して縦胴縁（一次胴縁）３を取り
付け、さらにその縦胴縁３に間隔調整用の添胴縁（二次
胴縁）４を溶接等により取り付け、その添胴縁４に対し
てバルブタイト５と称される緊結金具を用いて壁板材６
を密着固定するようにしていた。そのバルブタイト５
は、添胴縁４と壁板材６の内側鋼板とに予め穿設した下
孔にその先端を挿入してそれを特殊な電動工具で内側か
ら引張るようにして緊結固定されていた。縦張りの場合
でも、バルブタイト５を用いる場合には、このような二
次胴縁４を設けなければならなかった。なお、その二次
胴縁４はＣ形鋼の他にパイプ材やＬ型鋼等の長尺の各種
型鋼が用いられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の壁板材の取付構造では、壁板材６を取り付けるため
に、バルブタイト５のような特殊な緊結金具を必要とし
ていた。そのため、二次胴縁４を取り付けなければなら
ず、かつその二次胴縁４と壁板材６の内側鋼板に予め下
孔を穿設しなければならなかった。また、そのバルブタ
イト５を緊結するための作業は特殊な電動工具でおこな
うため、裏足場を架設しなければならなかった。その
上、その作業は間柱１や梁等の鋼材によって困難になる
ことも少なくなかった。また、壁板材の外表面からボル
ト等を用いて壁板材を固定しようとすれば、壁板材６に
穿設した下孔から内部に雨水が入り錆が発生することも
あり、雨仕舞いがよくなかった。そしてまた、前述の二
次胴縁４の一次胴縁３への取り付けは溶接等によるため
正確な位置出しが容易でなく、その取付誤差が、そのま
ま壁板材６の表面に凹凸となって反映されることが多く
見映えが損なわれることがあった。

【０００４】本発明はこのような実情に鑑みてなされ、
裏足場や二次胴縁を要することなく、かつ、特殊な電動
工具で操作する特殊な緊結金具を用いずに組付作業が容
易で雨仕舞いがよく良好な外観に仕上げることのできる
壁板材の取付構造を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の壁板材の取付構
造は、上述の課題を解決するための手段を以下のように
構成している。すなわち、壁板材が、取付金具を介して
前記壁板材の内側に、かつ壁板材に対して垂直方向に形
成されている柱、胴縁等の下地材に取り付けられる壁板
材の取付構造にあって、前記取付金具が、前記下地材に
対して固定される締結具を挿通させる内外方向の長孔が
開設された取付部と、隣接し合う両壁板材の凹凸嵌合部
間に嵌まり込んでその両凹凸嵌合部と掛合する嵌挿部と
が一体に連設形成されてなり、前記両壁板材が前記下地
材に対して内外方向に位置調整可能に固定されているこ
とを特徴としている。

【０００６】

【作用】取付金具の取付部に形成された長孔に挿通させ
た締結具で、取付金具を下地材に対して内外方向に位置
調整しつつ固定することができ、二次胴縁を要すること
なく取付位置の設定ができる。また、その取付作業は裏
足場を要さず、外側の足場上から工具を用いて容易かつ
正確におこなうことができる。そして、その取付金具の
嵌挿部に対してその両側から壁板材の凹凸嵌合部を嵌め
合わせると、両壁板材を下地材に対して適宜な間隔で固
定することができ、良好な見映えが得られる。しかも、
両壁板材に穿孔を要さないため雨仕舞いがよい。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の壁板材の取付構造の実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。図１は横張りの壁板材
の取付構造の要部縦断面を示し、符号３は間柱１（図４
参照）等にアングル材２を介して取り付けられた下地材
（一次胴縁）、７はその下地材３に取り付けられる取付
金具で、下地材３に対して螺合締結されるセルフドリル
ビス（締結具）８を挿通させる長孔ｋを有して下地材３
と対接する取付部7aと、上下に嵌合接続される壁板材
６，６の凹凸嵌合部6a，6b間に嵌まり込んでその両凹凸
嵌合部6a，6bと掛合する嵌挿部7cとが連設部7bによって
一体に形成されてなり、その取付金具７が下地材３に対
して内外方向にその取付位置を調整可能に取り付けられ
る。なお、本実施例の壁板材６は中間に硬質ウレタンフ
ォーム等の断熱材を間装したサンドイッチパネルである
が、一枚の金属板で上下に嵌合部が設けられている壁板
あるいは無機質系の壁板であってもよい。

【０００８】その取付金具７は、図２に示すように、横
方向の長孔ｋを有して平板状に形成された取付部7aの外
端が直角に屈曲されて連設部7bが形成され、その上部で
下方に折り返されて逆Ｕ字状の大溝部ｃが形成され、さ
らにその折り返し部の下端から外方に水平に延びて底部
ｄが形成され、かつその外端で上方に立上りその上部で
下方に折り返されて逆Ｕ字状の小溝部ｅが形成されてお
り、これら大溝部ｃと小溝部ｅとに挟まれた底部ｄとに
よって、両壁板材６，６の凹凸嵌合部6a，6bを掛合支持
するための嵌挿部7cを構成している。

【０００９】一方、壁板材６の凹嵌合部6aは、図１に示
すように、壁板材６の上縁の内外両端縁にそれぞれ上方
に延びる大延出部ｆと小延出部ｇとが形成されて凹陥状
をなし、その大延出部ｆが大溝部ｃに、小延出部ｇが小
溝部ｅにそれぞれ嵌まるようにして取付金具７の嵌挿部
7cの下側に掛合支持される。

【００１０】他方、壁板材６の凸嵌合部6bは、壁板材６
の下縁の内側端縁に切欠き部ｈ（図３参照）が、その外
側端縁に下向きの凹溝部ｉがそれぞれ形成されてその間
が下向きの凸状をなし、その切欠き部ｈが大溝部ｃの外
側上部に、その凹溝部ｉが小溝部ｅの外側上部にそれぞ
れ嵌まるようにして嵌挿部7cの上側に掛合支持される。

【００１１】以上のように構成される壁板材の取付構造
では、図３に示すように、順次、下部の壁板材６から上
方に積み重ねるようにして組み付けがおこなわれる。ま
ず、所定位置に位置出しされた壁板材６の凹嵌合部6aに
対して、外側に架設した足場（図示省略）上から取付金
具７を嵌め込み、その取付金具７を下地材３に対して適
切な位置に仮設定した後、セルフドリルビス８を長孔ｋ
に挿入してこれを電動ドリルで下地材３にある程度螺入
し、不陸を発生させないようにその取付金具７を再び正
確な位置に設定してからタイトに螺締する。次いで、そ
の取付金具７に上方から壁板材６を降ろすようにしてそ
の凸嵌合部6bを取付金具７の上側に嵌め込めばその壁板
材６の下部を正規の位置に固定することができる。以
下、同様の手順で壁板材６を外側の足場上で要領よく組
み付けてゆくことができる。

【００１２】組み付けられた状態では、下地材３にたと
え組付誤差があっても取付金具７でそれを吸収して不陸
を発生させることなく、強固に正規の位置に取り付けら
れており、良好な外観を得ることができる。しかも、壁
板材６には穿孔を施さなくてもよいため、雨仕舞いがよ
く耐久性が向上する。その組付作業は、前述のように、
二次胴縁や裏足場を要することなく、外側の足場からお
こなえ、特殊な電動工具で操作する緊結金具を用いなく
てもよいのできわめて作業性がよい。なお、図示は省略
するが縦張りの場合でも略同様の構成で本発明を適用で
きることはいうまでもない。

【００１３】図５は異なる実施例を示し、取付金具７の
連設部7bの下部に嵌挿部7cを設け、大溝部ｃに代えて形
成した段状部ｊの下側に壁板材６の大延出部ｆを嵌め、
その上側に切欠き部ｈを載せるようにしたものである。
この場合、大溝部ｃを形成しないので、取付金具７の加
工が容易となる利点がある。

【００１４】図６は別の実施例を示し、取付金具７の連
設部7bの上部に嵌挿部7cを設けたもので、その連設部7b
の上部から外方に水平に延びる上底部ｋを形成し、その
外端に小溝部ｅを形成している。

【００１５】この場合、壁板材６の凹凸嵌合部6a，6b
が、外側鋼板に一対形成されるのみで、その凸嵌合部6b
に小溝部ｅが上方から被嵌し、かつ、その小溝部ｅの外
側に上方から凹嵌合部6aが被嵌しており、取付金具７お
よび壁板材６の凹凸嵌合部6a，6bの構成がより簡略なも
のとなる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の壁板材の
取付構造によれば、下地材に対して固定される締結具を
挿通させる内外方向の長孔が開設されてその下地材と対
接する取付部と、隣接し合う両壁板材の凹凸嵌合部間に
嵌まり込んでその両凹凸嵌合部と掛合する嵌挿部とが一
体に連設形成されてなる取付金具を介して、両壁板材を
前記下地材に対して内外方向に位置調整可能に固定して
いるので、取付金具の取付部に形成された長孔に挿通さ
せた締結具で、取付金具を下地材に対して内外方向に位
置調整しつつ固定することができ、二次胴縁を要するこ
となく取付位置の設定ができ、良好な壁外観を得ること
ができる。

【００１７】また、その取付作業は裏足場を要さず、外
側の足場上から工具を用いて容易かつ正確におこなうこ
とができる。しかも、両壁板材に穿孔を要さないため雨
仕舞いがよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の壁板材の取付構造の一実施例を示す要
部縦断面図である。

【図２】同取付金具の斜視図である。

【図３】同組付作業の説明図である。

【図４】同壁板材の取付構造の横断面図である。

【図５】同異なる実施例における取付金具の斜視図であ
る。

【図６】同別の実施例における取付金具の斜視図であ
る。

【図７】従来の壁板材の取付構造の横断面図である。

【符号の説明】

３…下地材、６…壁板材、6a，6b…凹凸嵌合部、７…取
付金具、7a…取付部、7c…嵌挿部、８…締結具、ｋ…長
孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁板材が、取付金具を介して前記壁板材
   の内側に、かつ壁板材に対して垂直方向に形成されてい
   る柱、胴縁等の下地材に取り付けられる壁板材の取付構
   造であって、前記取付金具が、前記下地材に対して固定
   される締結具を挿通させる内外方向の長孔が開設された
   取付部と、隣接し合う両壁板材の凹凸嵌合部間に嵌まり
   込んでその両凹凸嵌合部と掛合する嵌挿部とが一体に連
   設形成されてなり、前記両壁板材が前記下地材に対して
   内外方向に位置調整可能に固定されていることを特徴と
   する壁板材の取付構造。