JPH06261418A - 電気自動車の駆動力制御装置 - Google Patents

電気自動車の駆動力制御装置

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JPH06261418A
JPH06261418A JP5071145A JP7114593A JPH06261418A JP H06261418 A JPH06261418 A JP H06261418A JP 5071145 A JP5071145 A JP 5071145A JP 7114593 A JP7114593 A JP 7114593A JP H06261418 A JPH06261418 A JP H06261418A
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creep
control
torque control
vehicle
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欣也 吉井
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武治 小出
Eiji Ichioka
英二 市岡
Koichi Tanaka
航一 田中
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/06Differential gearings with gears having orbital motion
    • F16H48/10Differential gearings with gears having orbital motion with orbital spur gears
    • F16H48/11Differential gearings with gears having orbital motion with orbital spur gears having intermeshing planet gears

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 勾配の大きな登坂路での発進時に、アクセル
をべた踏みすることなく車両がスムーズに発進させられ
るようにする。 【構成】 路面の登り勾配に応じたクリープトルクを発
生させるように電動モータのトルク制御を行う電気自動
車において、アクセルが踏込み操作された場合に、クリ
ープトルクが小さい時には(a)のマップMMAを、ク
リープトルクが中程度の時には(b)のマップMMB
を、クリープトルクが大きい時には(c)のマップMM
Cをそれぞれ選択し、そのマップを用いてアクセル操作
量Ac,モータ回転速度Nmに基づいてトルク制御値T
bを求め、電動モータのトルク制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気自動車の駆動力制御
装置に係り、特に、登り勾配での発進時に優れた運転操
作性が得られる制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気自動車は、一般にアクセル操作量お
よびモータ回転速度をパラメータとして電動モータのト
ルク制御が行われるようになっており、アクセル操作量
が零の場合にはモータトルクも零となる。このため、ト
ルクコンバータを有するオートマチック車両のようなク
リープトルクが無く、坂路発進では瞬時にブレーキペダ
ルからアクセルペダルに踏み換えたり、サイドブレーキ
を使用したりしなければならないなど、オートマチック
車両の運転に慣れた者にとっては運転操作が面倒で難し
く、車両がずり下がってしまうことがあった。これに対
し、車両停止時等に、路面の登り勾配に応じたクリープ
トルクを発生させるように、車両の傾斜角を検出して電
動モータのトルク制御を行うことが、例えば特開平3−
253202号公報等において提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる従来
の電気自動車は、坂路発進でアクセルが踏込み操作され
ると通常のトルク制御に復帰し、予め定められたアクセ
ル操作量およびモータ回転速度をパラメータとするトル
クマップに従ってトルク制御が行われるが、このトルク
マップは一般に平坦路を基準として定められているた
め、大きな登り勾配では十分な駆動力を得るためにアク
セルをべた踏みしなければならないことがあり、運転操
作性が必ずしも良くないという問題があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、坂路発進の際にアク
セルをべた踏みすることなく車両がスムーズに発進させ
られるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、路面勾配に対応するクリープトルク制御時のク
リープトルクに応じて電動モータのトルク制御特性を変
更するようにすれば良く、本発明は、図1のクレーム対
応図に示すように、(a)アクセル操作量およびモータ
回転速度をパラメータとして電動モータのトルク制御を
行う通常トルク制御手段と、(b)所定のクリープ制御
条件を満足する場合に、実質的に路面の登り勾配に応じ
たクリープトルクを発生させるように電動モータのトル
ク制御を行うクリープトルク制御手段とを備えた電気自
動車の駆動力制御装置において、(c)前記クリープト
ルク制御手段によるトルク制御が解除された場合に、そ
のクリープトルク制御手段によるトルク制御時のクリー
プトルクに応じて、そのクリープトルクが大きい程、前
記通常トルク制御手段によるトルク制御時よりも小さな
アクセル操作量で大きなトルクを発生させるように、前
記電動モータのトルク制御を行うクリープ対応トルク制
御手段を有することを特徴とする。
【0006】
【作用】このような電気自動車の駆動力制御装置におい
ては、車速が略零であるなどの所定のクリープ制御条件
を満足する場合に、クリープトルク制御手段によって電
動モータのトルク制御が行われ、実質的に路面の登り勾
配に応じたクリープトルクが発生させられる。このクリ
ープトルク制御は、路面の勾配を検出してその勾配に応
じたクリープトルクを発生させるようにトルク制御を行
っても良いが、車両停止時のブレーキ力は路面の登り勾
配に対応するため、そのブレーキ力をブレーキマスタシ
リンダのブレーキ油圧などから求め、ブレーキOFF時
にそのブレーキ力に対応するトルクを発生させるように
トルク制御したり、ブレーキOFFで且つアクセルOF
F時に車速が略零となるようにトルク制御したりする場
合であっても良い。
【0007】そして、上記クリープトルク制御手段によ
るトルク制御が解除されると、その時のクリープトルク
に応じてクリープ対応トルク制御手段により電動モータ
のトルク制御が行われ、クリープトルクが大きい程、言
い換えれば路面の登り勾配が大きい程、通常トルク制御
手段による通常のトルク制御よりも小さなアクセル操作
量で大きなトルクが発生させられる。これにより、登り
勾配の大きい登坂路等の発進時には、平坦路等の通常走
行時に比較して小さなアクセル操作量で大きなトルクが
発生させられ、アクセルをべた踏みすることなく車両が
スムーズに発進させられる。
【0008】
【発明の効果】このように、本発明の駆動力制御装置に
よれば、登坂路等の発進時にもアクセルをべた踏みする
ことなく車両がスムーズに発進させられ、優れた運転操
作性が得られるようになるのである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図2は、本発明が適用された電気自動車
の制御系統を説明するブロック線図で、図3および図4
は、駆動装置10の一例を詳しく示す断面図および骨子
図である。この駆動装置10は、電動モータ12および
減速機16を備えて構成されており、電動モータ12の
出力軸14から出力された動力は、遊星歯車式減速機1
6において減速された後、遊星歯車式差動装置18にお
いて左右の駆動系に分配される。一方の動力は、左側第
1等速継手20L、左側車軸22L、左側第2等速継手
24Lを介して図示しないサスペンション装置に支持さ
れた左側駆動輪26Lへ伝達され、他方の動力は、円筒
状の出力軸14を貫通してその出力軸14と同心に配設
された中間軸28、右側第1等速継手20R、右側車軸
22R、右側第2等速継手24Rを介して図示しないサ
スペンション装置に支持された右側駆動輪26Rへ伝達
されるようになっている。駆動輪26L,26Rは、4
本の車輪から成る電気自動車の前輪または後輪を構成し
ている。
【0010】上記電動モータ12は、円筒状ハウジング
30とその両端部に嵌合された第1サイドハウジング3
2および第2サイドハウジング34などから成るハウジ
ング内に収容されて、その出力軸14が車両の左右方向
と平行になる姿勢で配設されている。円筒状ハウジング
30の内周面にはコイルを有するステータ36が固定さ
れているとともに、出力軸14にはステータ36と同心
にロータ40が固定されている。かかる電動モータ12
としては、永久磁石型ACモータ,誘導モータ,同期モ
ータ,DCモータ等、種々のモータが用いられ得る。
【0011】減速機16は、図4から明らかなように、
前記出力軸14の軸端に連結された第1サンギヤ42
S、第1キャリヤ42Cによって回転可能に支持されて
第1サンギヤ42Sと噛み合う遊星ギヤ42P、この遊
星ギヤ42Pと噛み合うリングギヤ42Rから成る第1
遊星歯車装置42と、上記第1キャリヤ42Cに連結さ
れた第2サンギヤ44S、その第2サンギヤ44Sと噛
み合う第2遊星ギヤ44P、その第2遊星ギヤ44Pと
噛み合う位置固定の第2リングギヤ44R、第2遊星ギ
ヤ44Pを回転可能に支持して前記第1リングギヤ42
Rに連結された第2キャリヤ44Cから成る第2遊星歯
車装置44とを備えている。これにより、減速機16
は、電動モータ12から第1サンギヤ42Sへ入力され
た回転を所定の減速比にしたがって減速し、上記第2キ
ャリヤ44Cから後段の遊星歯車式差動装置18の第3
リングギヤ46Rへ出力する。
【0012】差動装置18は、ダブルピニオン型の遊星
歯車装置であって、前記左側第1等速継手20Lの右端
に連結された第3サンギヤ46S、前記第2キャリヤ4
4Cと連結された第3リングギヤ46R、第3サンギヤ
46Sおよび第3リングギヤ46Rの一方および他方と
各々噛み合い且つ互いに噛み合う複数対の第3遊星ギヤ
46P、46P、それら複数対の第3遊星ギヤ46P、
46Pを回転可能に支持して前記中間軸28の左端に連
結された第3キャリヤ46Cを備えている。これによ
り、差動装置18は、その第3リングギヤ46Rに入力
された動力を分配して、左側駆動輪26Lに作動的に連
結された第3サンギヤ46Sと右側駆動輪26Rに作動
的に連結された第3キャリヤ46Cとへそれぞれ出力す
る。
【0013】図2に戻って、前記電動モータ12は、バ
ッテリ等の電源50からモータ駆動制御回路52を経て
駆動電力が供給されることにより正逆両方向へ回転駆動
される。モータ駆動制御回路52はインバータ等であ
り、モータ制御用コンピュータ54から供給される指令
信号STに従って、駆動電力の周波数や電流等を変更す
ることにより電動モータ12のトルクを制御するととも
に、電動モータ12が強制回転させられることにより発
生した電力を電源50に蓄積する回生制動トルクを制御
する。モータ制御用コンピュータ54は、CPU56,
RAM58,ROM60,水晶発振子等のクロック信号
源62,図示しないA/Dコンバータ,入出力インタフ
ェース回路等を備えて構成され、RAM58の一時記憶
機能を利用しつつROM60に予め記憶されたプログラ
ムに従って信号処理を行い、前記指令信号STをモータ
駆動制御回路52に出力することにより電動モータ12
の出力トルクや回生制動トルクを制御する。
【0014】上記モータ制御用コンピュータ54には、
アクセル操作量センサ64,モータ回転速度センサ6
6,シフトポジションセンサ68,ブレーキスイッチ7
0,傾斜角センサ72等が接続され、アクセルペダルの
操作量Acを表すアクセル操作量信号SAc,電動モー
タ12の回転速度Nmを表すモータ回転速度信号SN
m,シフトレバーの操作レンジを表すシフトポジション
信号SSh,ブレーキペダルが踏込み操作されているか
否かを表すブレーキ信号SB,路面の勾配すなわち車両
の前後方向における傾斜角θを表す傾斜角信号Sθがそ
れぞれ供給される。シフトレバーは運転席の近傍に配設
され、車両を前進させるD(ドライブ)レンジ,後退さ
せるR(リバース)レンジ,駐車する際のP(パーキン
グ)レンジ,電動モータ12のフリー回転を許容するN
(ニュートラル)レンジなどに選択操作されるものであ
る。
【0015】次に、シフトレバーがDレンジへ操作され
ている時のモータ制御用コンピュータ54による駆動力
制御について、図5乃至図7のフローチャートを参照し
つつ説明する。なお、この図5乃至図7のフローチャー
トは、例えば数十msec程度の予め定められた所定の
サイクルタイムで繰り返し実行される。
【0016】先ず図5のステップS1では、シフトポジ
ション信号SShに基づいてシフトレバーがDレンジに
操作されているか否かを判断し、Dレンジの場合には、
ステップS2でブレーキ信号SBに基づいてブレーキペ
ダルが踏込み操作されている(ブレーキON)か否かを
判断し、ステップS3で車速Vが予め定められた判定車
速V1以下か否かを判断する。そして、ブレーキペダル
が踏込み操作され且つV≦V1の場合には、ステップS
4のクリープ制御を実行するが、そうでない場合はステ
ップS7以下を実行する。上記車速Vは、モータ回転速
度信号SNmが表すモータ回転速度Nmに基づいて求め
られ、判定車速V1は、例えば時速数km程度の値が設
定される。
【0017】図6は、上記ステップS4のクリープ制御
の一例を示すフローチャートで、路面の登り勾配に応じ
てトルク制御を行うようになっており、ステップSS1
では、傾斜角信号Sθが表す傾斜角θが予め定められた
判定値θ1より小さいか否かを判断する。判定値θ1は
比較的小さい正の値で、θ<θ1の場合は、路面が緩や
かな登り勾配か平坦か或いは下り勾配であることを意味
し、その場合にはステップSS2において、クリープ制
御時のトルクマップMapXとしてマップMAを選択す
る。傾斜角θが判定値θ1以上の場合には、ステップS
S1に続いてステップSS3を実行し、傾斜角θが判定
値θ1以上で判定値θ2以下の範囲内か否かを判断す
る。判定値θ2は判定値θ1より大きい値で、θ1≦θ
≦θ2の場合、すなわち路面が少し急な登り勾配の場合
には、ステップSS4でトルクマップMapXとしてマッ
プMBを選択する。また、ステップSS3の判断がNO
の場合、すなわちθ2<θで路面が急な登り勾配の場合
には、ステップSS5において、トルクマップMapXと
してマップMCを選択する。上記各マップMA,MB,
MCは、モータ回転速度Nmをパラメータとしてトルク
制御値Taを求めるためのもので、例えば図8に示すよ
うに登り勾配が急な場合に選択するMB,MC程トルク
制御値Taが大きくされ、このトルク制御値Taに従っ
て電動モータ12がトルク制御されることにより、ブレ
ーキOFFでも車両がずり下がらない程度のクリープト
ルクを発生するように定められている。これ等のマップ
MA,MB,MCは、予めROM60等に記憶されてい
る。
【0018】次のステップSS6では、上記選択したト
ルクマップMapXを用いてその時のモータ回転速度Nm
からトルク制御値Taを算出し、ステップSS7ではフ
ラグF2が「1」か否かを判断する。フラグF2は、図
5のステップS7で「0」とされるため、クリープ制御
の開始当初は「0」であり、ステップSS8において目
標トルクToが上記トルク制御値Ta以上か否かを判断
する。目標トルクToは電動モータ12の実際のトルク
と略一致し、クリープ制御の開始当初は、一般にアクセ
ルがOFF状態で目標トルクToは零であり、ステップ
SS8の判断はNOとなりステップSS11を実行す
る。ステップSS11では、現在の目標トルクToに予
め定められた比較的小さい一定値αを加算して新たな目
標トルクToを求め、その目標トルクToを表す指令信
号STをモータ駆動制御回路52に出力することによ
り、電動モータ12のトルクが目標トルクToとなるよ
うに制御する。このステップSS11が制御サイクル毎
に繰り返し実行されることにより、目標トルクToすな
わち電動モータ12のトルクが一定値αずつ増大させら
れ、急激なトルク変化に起因するショックが防止され
る。そして、目標トルクToがトルク制御値Ta以上と
なり、ステップSS8の判断がYESになると、ステッ
プSS9においてフラグF2を1とし、これにより前記
ステップSS7に続いてステップSS10を実行するよ
うになる。ステップSS10では、トルク制御値Taを
目標トルクToとし、この目標トルクToを表す指令信
号STを出力することにより、電動モータ12のトルク
が目標トルクToすなわちトルク制御値Taとなるよう
にトルク制御する。これにより、路面の登り勾配に応じ
たクリープトルクが発生させられ、登り勾配の相違に拘
らず車両のずり下がりが良好に防止されるとともに、過
大なクリープトルクによる無駄な電力消費が抑制され
る。
【0019】図5に戻って、上記のようなクリープ制御
が終了すると、ステップS5においてフラグF1を
「1」にするとともに、ステップS6においてタイマT
imAをリセットする。
【0020】一方、前記ステップS2,S3の少なくと
も一方がNOの場合に実行するステップS7では、フラ
グF2を「0」とし、ステップS8ではフラグF1が
「1」か否かを判断する。フラグF1は、前記ステップ
S4のクリープ制御が行われた場合にステップS5で
「1」とされるため、クリープ制御の直後はステップS
8の判断はYESでステップS9以下を実行するが、そ
うでない場合にはステップS14の通常のトルク制御を
行う。この通常のトルク制御は、基本的には例えば図9
の(a)のトルクマップMMAに従って、アクセル操作
量Acおよびモータ回転速度Nmに基づいてトルク制御
値Tbを算出し、そのトルク制御値Tbを目標トルクT
oとして指令信号STを出力する。また、所定の制動条
件を満足する場合に回生制動トルクを発生させるための
指令信号STを出力し、内燃機関の自動車におけるエン
ジンブレーキと同様な制動トルクを発生させ、且つその
大きさを制御するとともに、その制動トルクに対応する
電気エネルギーを電源50に蓄電させる。
【0021】ステップS9以下は、クリープ制御から通
常のトルク制御へ移行する際に過渡的に実行するもの
で、ステップS9では、アクセル操作量信号SAcが表
すアクセル操作量Acに基づいて、例えばアクセル操作
量Acが数%程度以下のアクセルOFF状態か否かを判
断する。アクセルOFF状態の場合には、続いてステッ
プS10を実行し、タイマTimAの計時内容が予め定め
られた一定時間taを超えたか否かを判断し、一定時間
taを超えるまでは、ステップS11において現在の目
標トルクToすなわち前記ステップS4のクリープ制御
時の目標トルクを維持する。タイマTimAは、クリープ
制御の実行時はステップS6で逐次リセットされるた
め、実質的にクリープ制御が解除された後の経過時間を
計時することになり、一定時間taは、ペダルの踏換え
に要する時間よりも十分に長い時間が定められている。
これにより、ペダルの踏換え時にもクリープ制御時と同
様のクリープトルクが発生させられ、車両のずり下がり
が防止される。なお、一定時間taを経過してもアクセ
ル操作されない場合には、ステップS12を実行し、目
標トルクToを予め定められた一定値γずつ減らして電
動モータ12のトルクを漸減させ、目標トルクToが零
になったことがステップS13で判断されると、ステッ
プS16においてフラグF1を「0」とし、以後のサイ
クルではステップS8に続いてステップS14を実行す
る。
【0022】上記ステップS9の判断がNOの場合、す
なわちアクセルが踏込み操作された場合には、続いてス
テップS15を実行し、図7のフローチャートに従って
発進時のトルク制御を行う。図7のステップSC1では
アクセル操作量Acが予め定められた判定値Ac1以上
か否かを判断し、ステップSC2では車速Vが予め定め
られた判定車速V2以下か否かを判断する。判定値Ac
1は、アクセル操作量Acが通常の発進時より過大か否
かを判断するためのもので例えば50%程度の値が設定
され、判定車速V2は、車速Vが中速領域まで上昇した
か否かを判断するためのもので例えば20〜30km/
h程度の値が設定される。かかるステップSC1および
SC2の少なくとも一方がNOの場合にはステップSC
4を実行し、発進時のトルクマップMapYとして前記通
常のトルク制御時に用いる図9の(a)のマップMMA
を選択する。また、ステップSC1およびSC2の判断
が共にYESの場合、すなわちAc1≦Acで且つV≦
V2の場合には、ステップSC3において前記ステップ
S4のクリープ制御時に用いたトルクマップMapXの種
類を判断する。ステップS4のクリープ制御時には、選
択したマップMapXの種類をRAM58等に記憶するよ
うになっている。そして、MapX=MAの場合すなわち
クリープトルクが小さい場合には上記ステップSC4で
MapY=MMAとし、MapX=MBの場合すなわちクリ
ープトルクが中程度の場合にはステップSC5でMapY
=MMBとし、MapX=MCの場合すなわちクリープト
ルクが大きい場合にはステップSC6でMapY=MMC
とする。マップMMB,MMCは、図9の(b),
(c)に示されているように、マップMMAと同様にア
クセル操作量Acおよびモータ回転速度Nmをパラメー
タとしてトルク制御値Tbを求めるためのもので、マッ
プMMAと共にROM60等に予め記憶されているが、
マップMMBはマップMMAよりも小さなアクセル操作
量Acで大きなトルク制御値Tbとなるように定められ
ており、マップMMCはマップMMBよりも更に小さな
アクセル操作量Acで大きなトルク制御値Tbとなるよ
うに定められている。
【0023】ステップSC4でマップMMAを選択した
場合には、ステップSC7でフラグF3を「0」とした
後、ステップSC9でそのマップMMAを用いてアクセ
ル操作量Acおよびモータ回転速度Nmに基づいてトル
ク制御値Tbを算出する。また、ステップSC5または
SC6でマップMMBまたはMMCを選択した場合に
は、ステップSC8でフラグF3を「1」とした後、ス
テップSC9でそのマップMMBまたはMMCを用いて
アクセル操作量Acおよびモータ回転速度Nmに基づい
てトルク制御値Tbを算出する。次のステップSC10
では、ステップSC9で求めたトルク制御値Tbが、現
在の目標トルクToから予め定められた一定値β1を差
し引いた値(To−β1)より小さいか否かを判断し、
Tb<(To−β1)の場合にはステップSC11で目
標トルクToから一定値β1を引き算して新たな目標ト
ルクToを求め、その目標トルクToを表す指令信号S
Tを出力することにより、電動モータ12のトルクを一
定値β1だけ小さくする。一定値β1は、ショックを防
止しつつ変化させることが可能な電動モータ12のトル
ク減少幅で、これにより、マップの変更等に拘らず電動
モータ12のトルクが滑らかに減少させられて、トルク
制御値Tbに近づけられる。
【0024】Tb≧(To−β1)の場合にはステップ
SC10に続いてステップSC12を実行し、トルク制
御値Tbが現在の目標トルクToに予め定められた一定
値β2を加算した値(To+β2)より大きいか否かを
判断する。そして、(To+β2)<Tbの場合には、
ステップSC13で目標トルクToに一定値β2を加算
して新たな目標トルクToを求め、その目標トルクTo
を表す指令信号STを出力することにより、電動モータ
12のトルクを一定値β2だけ大きくする。一定値β2
は、ショックを防止しつつ変化させることが可能な電動
モータ12のトルク増大幅で、これにより、マップの変
更等に拘らず電動モータ12のトルクが滑らかに増大さ
せられて、トルク制御値Tbに近づけられる。この一定
値β2は前記一定値β1と同じ値であっても良い。ま
た、(To−β1)≦Tb≦(To+β2)の場合、す
なわちステップSC10,SC12の判断が共にNOの
場合には、ステップSC14を実行し、トルク制御値T
bを目標トルクToとして、その目標トルクToを表す
指令信号STを出力することにより、電動モータ12の
トルクがトルク制御値Tbとなるように制御する。
【0025】このように、クリープ制御時のマップMap
Xの種類、すなわちクリープトルクの大きさに応じて選
択されたトルクマップMapYに基づいて電動モータ12
のトルク制御が為されることにより、例えばクリープト
ルクが大きい登り勾配の大きな登坂路では、小さなアク
セル操作量Acで大きなトルク制御値Tbが設定される
マップMMCに従ってトルク制御が行われる。これによ
り、急な登坂路での発進時には、比較的小さなアクセル
操作量Acで大きなトルクが発生させられ、アクセルを
べた踏みすることなく車両がスムーズに発進させられ
る。なお、ステップSC10〜SC13を省略し、ステ
ップSC9に続いて直ちにステップSC14を実行する
ようにしても良い。
【0026】上記ステップSC14によりトルク制御値
Tbを目標トルクToとした場合には、続いてステップ
SC15を実行し、前記タイマTimAの計時内容が一定
時間taを超えているか否かを判断する。そして、Tim
A≧taの場合には、ステップSC16においてフラグ
F3が「0」か否か、言い換えればマップMapYが通常
のトルク制御で用いられるマップMMAか否かを判断
し、F3=0の場合にはステップSC17でフラグF1
を「0」とすることにより、以後のサイクルでは前記ス
テップS8に続いてステップS14を実行する。また、
F3=1の場合、すなわちステップSC1,SC2の判
断が共にYESの場合には、かかる発進時のトルク制御
を継続する。上記ステップSC15でTimA≧taか否
かを判断するのは、アクセルペダルを大きく踏み込む場
合でもAc<Ac1の過程を経てアクセル操作量Acは
増大するため、Ac<Ac1によりステップSC1の判
断がNOの場合に、そのまま通常のトルク制御へ移行し
てしまうことを防止するためである。一定時間taは、
前記ステップS10の場合と同じ値であっても良いが、
異なる値を設定することもできる。
【0027】このような本実施例の電気自動車において
は、ステップS15の発進時のトルク制御で、クリープ
制御時のマップMapXの種類すなわちクリープトルクの
大きさに応じてトルクマップMapYを選択し、そのトル
クマップMapYに基づいて電動モータ12のトルク制御
が為されるため、クリープトルクが大きい登り勾配の大
きな登坂路では比較的小さなアクセル操作量Acで大き
なトルクが発生させられ、アクセルをべた踏みすること
なく車両がスムーズに発進させられるなど、優れた運転
操作性が得られるようになる。
【0028】本実施例では、モータ制御用コンピュータ
54による一連の信号処理のうち、ステップS4すなわ
ち図6の各ステップを実行する部分がクリープトルク制
御手段に相当し、ステップS14を実行する部分が通常
トルク制御手段に相当し、ステップS15すなわち図7
の各ステップを実行する部分がクリープ対応トルク制御
手段に相当する。また、ステップS2およびS3の判断
が共にYESであることが、ステップS4のクリープ制
御を実行するクリープ制御条件である。
【0029】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
10乃至図12の実施例では、ステップSR1で車速V
が零か否かを判断するとともに、ステップSR2でブレ
ーキが踏込み操作されたON状態か否かを判断し、共に
YESの場合にステップSR3以下を実行する。ステッ
プSR3では、車両のずり下がりに影響する車両重量を
前記傾斜角θに加えて検出し、ステップSR4では、そ
れ等の運転状態に基づいて基本クリープ制御値K,学習
制御値kgを読み込む。車両重量は、例えばサスペンシ
ョン装置の撓み変形量などを変位センサ等によって検出
することにより求めることができる。また、基本クリー
プ制御値Kは、ブレーキOFF時に登り坂で車両がずり
下がることがないように上記傾斜角θおよび車両重量が
大きい程大きなクリープトルクが得られ、且つ平坦路で
は車両が微速前進するクリープトルクが得られるよう
に、それ等の傾斜角θおよび車両重量をパラメータとし
て予めROM60等にデータマップとして記憶されてい
る。学習制御値kgも、基本クリープ制御値Kと同様に
傾斜角θおよび車両重量をパラメータとしてRAM58
等にデータマップとして記憶されているが、そのデータ
は図11のステップST9で逐次書き換えられるととも
に、電気自動車のキーがOFF操作されても記憶が維持
されるようになっている。そして、次のステップSR5
では、制御値(K+kg)をトルク制御値Tcとして設
定,記憶し、ステップSR6では目標トルクToを零と
して電動モータ12のトルクを零とする。また、ステッ
プSR7ではタイマTimAをリセットし、ステップSR
8ではフラグF4を「1」にするとともにフラグF5を
「0」にする。すなわち、この実施例ではブレーキON
の車両停止時にはクリープトルクを発生させないのであ
るが、前記実施例と同様に、上記クリープ制御値Tcを
目標トルクToとしてブレーキON時にもクリープトル
クを発生させるようにすることも可能である。
【0030】前記ステップSR1,SR2の少なくとも
一方がNOの場合には、ステップSR9において、シフ
トレバーの操作レンジがDレンジで且つブレーキOFF
か否かを判断し、NOの場合にはステップSR11にお
いて前記実施例のステップS14と同様にして通常のト
ルク制御を行うとともに、ステップSR12においてフ
ラグF4,F5を共に「0」にする。ステップSR9の
判断がYESの場合には、ステップSR10でフラグF
4が「1」か否かを判断し、F4=1の場合、すなわち
前記ステップSR3以下の各ステップを実行した直後に
は、ステップSR13以下を実行する。
【0031】ステップSR13ではフラグF5が「0」
か否かを判断し、NOの場合にはステップSR17以下
を実行するが、フラグF5はステップSR8で「0」と
されるため当初は「0」であり、ステップSR14を実
行する。ステップSR14では、前記ステップSR5で
設定されたトルク制御値Tcすなわち(K+kg)を目
標トルクToとし、電動モータ12のトルクがそのトル
ク制御値Tc=K+kgとなるように制御する。これに
より、登り坂ではその勾配の大きさや乗車人数の違いな
どによる車両重量の相違に拘らず車両のずり下がりが防
止され、平坦路では車両が微速前進させられるようなク
リープトルクが発生させられる。なお、前記実施例と同
様に、トルク制御値Tcに達するまで目標トルクToす
なわち電動モータ12のトルクを漸増させることもでき
る。
【0032】次のステップSR15ではタイマTimBを
リセットし、ステップSR16ではフラグF5を「1」
とする。フラグF5が「1」とされることにより、以後
のサイクルではステップSR13に続いてステップSR
17以下を実行する。ステップSR17では、アクセル
操作量Acが例えば数%程度以下のOFF状態か否かを
判断し、OFF状態の場合には、ステップSR18にお
いてタイマTimBの計時内容が予め定められた一定時間
tbを超えたか否かを判断する。タイマTimBは目標ト
ルクToを変更した後の経過時間を計時するもので、一
定時間tbは電動モータ12のトルク変化に伴って実際
に車速Vが変化するまでの遅れ時間より大きな値に設定
されており、TimB≧tbになるまでは目標トルクTo
を変更せず、TimB≧tbになるとステップSR19を
実行する。
【0033】図11は上記ステップSR19の具体的内
容を示すフローチャートで、先ずステップST1では車
速Vが判定車速V3より小さいか否かを判断し、YES
の場合には、ステップST2において現在の目標トルク
Toに一定値δを加算し、電動モータ12のトルクを一
定値δだけ増大させるとともに、ステップST3におい
てタイマTimBをリセットする。上記判定車速V3は、
零または零に近い正の一定値が設定されても良いが、例
えば傾斜角θに基づいて登り坂では零、平坦路では零に
近い正の値とするなど、運転状態に応じて設定されるよ
うにすることも可能である。ステップST1の判断がN
Oの場合にはステップST4を実行し、車速Vが上記判
定車速V3以上で且つ判定車速V4以下か否かを判断す
る。判定車速V4は、制御精度等を考慮して判定車速V
3より少し大きめの値が定められる。このステップST
4の判断がNOの場合、言い換えればV4<Vの場合に
は、ステップST5において現在の目標トルクToから
一定値δを引き算し、電動モータ12のトルクを一定値
δだけ減少させるとともに、ステップST6においてタ
イマTimBをリセットする。これ等のステップにより、
車速VがV3≦V≦V4となるようにクリープトルクが
制御される。上記ステップST5の一定値δは、ステッ
プST2の一定値δと必ずしも同じ値である必要はない
し、これ等の一定値δが車速Vと判定車速V3,V4と
の速度差等をパラメータとして設定されるようにするこ
ともできる。
【0034】車速VがV3≦V≦V4で、ステップST
4の判断がYESの場合には、目標トルクToを変更す
ることなくステップST8を実行し、所定の学習条件を
満足しているか否かを判断する。所定の学習条件は、例
えばステップST4の判断がYESの状態が一定サイク
ル以上継続した場合などである。そして、所定の学習条
件を満足している場合には、ステップST9において、
現在の目標トルクToから基本クリープ制御値Kを引き
算して学習制御値kgを算出し、RAM58に記憶され
ているデータマップを書き換える。この場合の基本クリ
ープ制御値Kは、前記ステップSR4で読み込んだもの
で良く、学習制御値kgは、ステップSR3で検出した
運転状態に対応するデータを書き換えれば良い。これに
より、以後のクリープ制御では、同じ運転状態では書き
換えられた新たな学習制御値kgを用いてトルク制御値
Tcが算出され、そのトルク制御値Tcに従ってトルク
制御が行われることにより、車両の個体差や経時変化な
どに拘らず常に適切なクリープトルクがクリープ制御の
当初より得られることになる。
【0035】図10に戻って、前記ステップSR17の
判断がNOの場合、すなわちアクセルが踏込み操作され
た場合には、続いてステップSR20を実行し、発進時
のトルク制御を行う。この発進時のトルク制御は、前記
実施例と同様に基本的には図7のフローチャートに従っ
て行われるが、本実施例ではクリープトルクに応じたマ
ップMapXが無いため、前記ステップSC3に代えて図
12に示すようにステップSC3−1,SC3−2を設
けることになる。すなわち、ステップSC3−1では、
前記ステップSR5で設定されたトルク制御値Tcが予
め定められた判定値T1より小さいか否か、すなわちク
リープトルクが小さいか否かを判断し、Tc<T1の場
合には前記ステップSC4を実行する。Tc≧T1の場
合には、ステップSC3−2においてトルク制御値Tc
が上記判定値T1以上で且つ判定値T2以下か否かを判
断し、T1≦Tc≦T2の場合すなわちクリープトルク
が中程度の場合には前記ステップSC5を実行し、T2
<Tcの場合すなわちクリープトルクが大きい場合には
前記ステップSC6を実行する。
【0036】この本実施例においても、前記実施例と同
様に、クリープトルクが大きい登り勾配の大きな登坂路
での発進時には、比較的小さなアクセル操作量Acで大
きなトルクが発生させられ、アクセルをべた踏みするこ
となく車両がスムーズに発進させられるなど、優れた運
転操作性が得られるようになる。また、学習制御値kg
が逐次書き換えられるため、クリープ制御の当初から適
切なクリープトルクが得られるとともに、平坦路ではブ
レーキOFF状態で車両を微速前進させるクリープトル
クが発生させられるため、渋滞時や車庫入れなどではブ
レーキのON,OFF操作だけで断続的に車両を微速前
進させることができ、運転操作が容易となる。
【0037】本実施例では、前記モータ制御用コンピュ
ータ54による一連の信号処理のうちステップSR3,
SR4,SR5,SR14,SR19を実行する部分が
クリープトルク制御手段に相当し、ステップSR11を
実行する部分が通常トルク制御手段に相当し、ステップ
SR20を実行する部分がクリープ対応トルク制御手段
に相当する。また、ステップSR9およびSR10の判
断が共にYESであることが、クリープ制御を行うクリ
ープ制御条件である。
【0038】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施すること
もできる。
【0039】例えば、前記実施例ではシフトレバーがD
レンジへ操作されている場合のクリープ制御について説
明したが、Rレンジへ操作されている場合に車両後退方
向のクリープトルクを発生させることもできる。
【0040】また、前記第1実施例ではブレーキがON
状態で且つV≦V1の条件を満たす場合にステップS4
のクリープ制御を実行するようになっていたが、このク
リープ制御条件は適宜変更され得、例えばアクセルOF
Fやクリープ選択スイッチのON操作等をクリープ制御
条件とすることも可能である。クリープ制御を解除する
条件についても適宜変更され得る。第2実施例について
も同様である。
【0041】また、前記実施例ではクリープ制御後にア
クセル操作された場合にステップS15またはSR20
の発進時トルク制御を行うようになっていたが、この制
御開始条件についても上記クリープ制御条件と同様に適
宜変更され得、例えばモード切換えスイッチによりパワ
ーモードが選択されていることなどを条件としても良
い。
【0042】また、前記第1実施例はブレーキONの停
車中にクリープ制御を行い、第2実施例はブレーキON
→OFF後にクリープ制御を行うようになっていたが、
両者を組み合わせて停車中もブレーキON→OFF後も
クリープ制御を行うようにしても良い。
【0043】また、前記第1実施例では傾斜角θに基づ
いてクリープトルクが制御され、第2実施例では傾斜角
θおよび車両重量をパラメータとしてクリープトルクが
制御されるようになっていたが、これ等のパラメータは
クリープ制御の実行条件などに応じて適宜変更され得
る。車両停止時のブレーキ力をブレーキマスタシリンダ
のブレーキ油圧などから求め、ブレーキOFF時にその
ブレーキ力に対応するクリープトルクを発生させるよう
にトルク制御したり、ブレーキOFFで且つアクセルO
FF時に車速が略零となるようにクリープトルクを制御
したりすることも可能である。
【0044】また、前記実施例では平坦路や下り勾配で
もクリープ制御が行われるようになっていたが、ブレー
キOFF,アクセルOFFで車両が後方へずり下がる登
り勾配のみでクリープ制御を行うようにしても良いし、
下り勾配では車両の前方へのずり下がりを防止するよう
に後退方向のクリープトルクを発生させるようにしても
良い。
【0045】また、前記実施例では図7のステップSC
1,SC2においてアクセル操作量Acおよび車速Vが
所定の条件を満足する場合にクリープトルクの大きさに
応じたトルクマップMapYを選択してトルク制御するよ
うになっていたが、このクリープ対応トルク制御の実行
条件および解除条件は適宜変更され得、例えばアクセル
操作量Acの減少方向の変化量や変化速度が所定値以上
の場合、制御中の最大アクセル操作量Acmax に対して
所定の割合以下までアクセル操作量Acが減少した場合
などを、制御解除条件とすることもできる。なお、制御
開始条件と解除条件は必ずしも同じである必要はなく、
アクセル操作量Acや車速Vに関しても、制御を開始す
る場合と解除する場合とで異なる値が設定されても良
い。
【0046】また、前記実施例ではクリープトルクの大
きさに応じてトルクマップMMA,MMB,またはMM
Cを選択するようになっていたが、このトルクマップの
数は適宜変更され得、クリープトルクを2段階、或いは
4段階以上に分けて2或いは4以上のトルクマップから
選択するようにしても良い。通常のトルク制御で用いる
一つのトルクマップMMAのみを記憶し、これをクリー
プトルクの大きさに応じて補正したり、トルクマップM
MAを用いてAcおよびNmに応じて求めたトルク制御
値Tbを、クリープトルクの大きさに応じて定められた
補正係数等により補正したりすることにより、クリープ
トルクの大きさに応じて連続的に発進時のトルク制御特
性を変更することもできる。第1実施例におけるクリー
プ制御時のトルクマップMapXについても同様で、その
数は適宜変更され得るし、傾斜角θに応じて基本のトル
クマップMAを補正することによりクリープトルクを変
更することができる。
【0047】また、トルクマップを用いることなく、ク
リープトルク,アクセル操作量Ac,モータ回転速度N
m等をパラメータとするファジー推論を利用して発進時
のトルク制御を行うようにしても良い。通常のトルク制
御やクリープ制御時のトルク制御においても、トルクマ
ップを用いることなくファジー推論で行うことが可能で
ある。
【0048】また、前記実施例では発進時のみにクリー
プトルクに対応したトルク制御を行うようになっていた
が、通常の走行時にも路面の勾配に応じてマップMM
A,MMB,MMCを選択し、それ等のマップに従って
トルク制御を行うことが可能である。なお、モード切換
えスイッチにより、そのような路面勾配に応じたトルク
制御を行うか通常のトルク制御を行うかを選択できるよ
うにしておくことが望ましい。
【0049】また、前記第2実施例では基本クリープ制
御値Kと学習制御値kgとを加算してクリープトルクを
制御していたが、基本クリープ制御値Kそのものを書き
換えるようにして学習制御値kgを省略することもでき
る。
【0050】また、前記実施例では電動モータ12,減
速機16,および差動装置18を同軸上に有する駆動装
置10が一対の駆動輪26L,26R間に配設された電
気自動車について説明したが、複数軸の減速機や傘歯車
式の差動装置を有するもの、減速機を備えていないも
の、減速比を変更できる変速機を有するものなど、駆動
装置の構成は適宜変更され得る。
【0051】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例である駆動力制御装置を備え
た電気自動車の制御系統を説明するブロック線図であ
る。
【図3】図2の電気自動車の駆動装置を示す断面図であ
る。
【図4】図3の駆動装置の動力伝達経路を説明する骨子
図である。
【図5】図2の電気自動車の駆動力制御を説明するフロ
ーチャートである。
【図6】図5におけるステップS4の内容を説明するフ
ローチャートである。
【図7】図5におけるステップS15の内容を説明する
フローチャートである。
【図8】図6のステップSS2,SS4,SS5で選択
するトルクマップの一例を示す図である。
【図9】図7のステップSC4,SC5,SC6で選択
するトルクマップの一例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す図で、駆動力制御
の別の態様を説明するフローチャートである。
【図11】図10におけるステップSR19の内容を説
明するフローチャートである。
【図12】図10におけるステップSR20の内容を説
明するフローチャートで、図7と相違する部分を示す図
である。
【符号の説明】
12:電動モータ 54:モータ制御用コンピュータ 64:アクセル操作量センサ 66:モータ回転速度センサ 72:傾斜角センサ Ac:アクセル操作量 Nm:モータ回転速度 θ:傾斜角 ステップS4:クリープトルク制御手段 ステップS14:通常トルク制御手段 ステップS15:クリープ対応トルク制御手段 ステップSR3〜SR5,SR14,SR19:クリー
プトルク制御手段 ステップSR11:通常トルク制御手段 ステップSR20:クリープ対応トルク制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 航一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 倉持 耕治郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセル操作量およびモータ回転速度を
    パラメータとして電動モータのトルク制御を行う通常ト
    ルク制御手段と、所定のクリープ制御条件を満足する場
    合に、実質的に路面の登り勾配に応じたクリープトルク
    を発生させるように電動モータのトルク制御を行うクリ
    ープトルク制御手段とを備えた電気自動車の駆動力制御
    装置において、 前記クリープトルク制御手段によるトルク制御が解除さ
    れた場合に、該クリープトルク制御手段によるトルク制
    御時のクリープトルクに応じて、該クリープトルクが大
    きい程、前記通常トルク制御手段によるトルク制御時よ
    りも小さなアクセル操作量で大きなトルクを発生させる
    ように、前記電動モータのトルク制御を行うクリープ対
    応トルク制御手段を有することを特徴とする電気自動車
    の駆動力制御装置。
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