JPH0626020Y2 - フロア配線用ケーブル樋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はオフィスビル等の床面にケーブル線路を形成す
るときに使用して好適なフロア配線用ケーブル樋に関す
る。

〔従来の技術〕

オフィスビル等の多機能化に対応するため、オフィスビ
ル等の床面には多数のケーブル線路が形成されるように
なってきている。

そして、従来のケーブル線路はオフィスビルの床部の現
場施工において、予じめケーブルダクトを配管してから
コンクリートを打設し、床コンクリート内にケーブルダ
クトを埋設する方法がとられていた。

しかしながら、この方法であると、配線替えのときに不
都合が生ずると共に、ケーブル類を増設することが困難
で、オフィスビルの多機能化に対応することができない
という問題点があった。

そこで、最近フリーアクセスフロアという配線方法が考
え出され、既に形成された床面の上に一定の配線スペー
スを存して立ち上がり床を形成し、当該立ち上がり床の
下面にある配線スペースを利用してケーブル類の増設や
配線替えに対応するようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記したように、従来は既に形成された床面の上に一定
の配線スペースを存して立ち上がり床を形成し、当該立
ち上がり床の下面にある配線スペースを利用してケーブ
ル類の増設や配線替えに対応するようにしていた。

しかしながら、この方法であると、立ち上がり床の分だ
け階高が低くなり、職場環境を悪くするという問題点が
あるほか、たとえば弱電用と強電用のケーブルが混在し
て互いに接触するおそれがあり、ノイズ等の問題を惹起
するという不具合点があった。

そこで、本考案は前記した従来のフロア配線構造の不具
合点を解消し、上面を開口とした長尺状のケーブル樋内
に仕切り樋を着脱自在並びに可変的に付設するようにし
て、床コンクリート上面に凹状のケーブル線路を一体的
に形成し得るようにすると共に、たとえば弱電用と強電
用のケーブルをそれぞれ独立して配線し得るようになし
てノイズ等の問題を解決したフロア配線用ケーブル樋を
提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、
長尺状の底面板の左右両側に側面板を連設してなる上面
開口のケーブル樋本体と、このケーブル樋本体の底面板
の幅方向長さより短尺の幅方向長さをもった底板部の左
右両側に側板部を連設してなる上面開口の仕切り樋とか
らなり、仕切り樋の底板部適所には幅方向に沿って長溝
を穿設すると共に、この長溝の上からネジを挿着して仕
切り樋をケーブル樋本体の底面板に左右方向移動可能で
且つ着脱自在に固定し得るようになし、ネジを外して仕
切り樋を取り外したり、あるいはネジを緩めて仕切り樋
の位置を変えることにより、ケーブル樋本体内のケーブ
ル線路数をワン・ウエーからスリー・ウエーまでに対応
し得るように可変的に構成したことを特徴とするフロア
配線用ケーブル樋である。

〔実施例〕以下、本考案の具体的構成を図示の実施例に
基づき詳細に説明する。

第１図は本考案フロア配線用ケーブル樋の一実施例を示
す平面図、第２図は第１図のII−II線に沿った断面図、
第３図(a)はケーブル線路をツー・ウエーとしたときの
説明図、第３図(b)はケーブル線路をワン・ウエーとし
たときの説明図、第４図は第２図に示すケーブル樋の上
面開口部と同一面となるように床コンクリートを打設し
た状態の断面図である。

図中１は長尺状の底面板２の左右両側に側面板３，３を
連設してなる上面開口のケーブル樋本体を示し、４はこ
のケーブル樋本体１の底面板２の幅方向長さより短尺の
幅方向長さをもった底板部５の左右両側に側板部６，６
を連設してなる上面開口の仕切り樋を示す。

本考案はこのケーブル樋本体１及び仕切り樋４を用いて
オフィスビル等の床面に凹状のケーブル線路を形成する
ようにしたものであり、仕切り樋４の底板部５の幅方向
に沿って、第１図及び第２図に示すように長溝７を穿設
すると共に、この長溝７の上からネジ８を挿着して仕切
り樋４をケーブル樋本体１の底面板２に左右方向移動可
能で、且つ着脱自在に固定し得るようになし、ネジ８を
外して仕切り樋４をケーブル樋本体１内から取り外した
り、あるいはネジ８を緩めてケーブル樋本体１内におけ
る仕切り樋４の固定位置を変えることにより、ケーブル
樋本体１内のケーブル線路数をワン・ウエーからスリー
・ウエーまでに対応し得るようになしたものである。

ケーブル樋本体１は床コンクリートの打設前の梁や床版
等からなる床基礎面９上に、高さ調節が可能な長ボルト
１０，１０を介して配設される。すなわち、図中１１は
ケーブル樋本体１の側面板３，３に固定したＬ字型プレ
ートを示し、前記長ボルト１０の上部をこのＬ字型プレ
ート１１に穿設してあるネジ穴内に螺着し、床基礎面９
からのケーブル樋本体１の配設高さを調節し得るように
なっているものである。

ケーブル樋本体１内には、前記したように仕切り樋４が
着脱自在、且つ可変的に付設されているので、仕切り樋
４を第２図に示すように、ケーブル樋本体１のほゞ中央
部に位置させれば、ケーブル樋本体１の側面板３，３と
仕切り樋４の側板部６，６によって３つのケーブル線路
１２，１２，１２が形成されることゝなるものである。

また、第３図(a)に示すように、長溝７に沿って仕切り
樋４をスライドさせ、仕切り樋４の一方の側板部６とケ
ーブル樋本体１の一方の側面板３とを当接させれば、２
つのケーブル線路１２，１２が形成されるものであり、
さらにネジ８を外せば仕切り樋４をケーブル樋本体１内
から取り外すことができ、その場合には第３図(b)に示
すように、只１つのケーブル線路１２となるものであ
る。

従って、本考案によれば、使用ケーブルの種類や数に応
じて自在にケーブル線路数を選択することができるよう
になるものである。

なお、本考案フロア配線用ケーブル樋は、床コンクリー
トの打設前に、長尺状のケーブル樋本体１を長ボルト１
０を介して床基礎面９上に予じめ配設しておき、その
後、床コンクリート１３を打設して床コンクリート１３
の硬化面１４とケーブル樋本体１の上面開口部がほゞ同
一面となるようにして使用するものであり（第４図）、
ケーブル樋本体１は一種の捨て型枠の作用をなし、ケー
ブル樋本体１の配設によって床コンクリート面上にケー
ブル線路１２が形成されるもので、このケーブル線路数
をワン・ウエーからスリー・ウエーまでの間で変更し得
ることは前記したとおりである。また、図示しないがケ
ーブル樋本体１の上面開口部には蓋体を被着すると共
に、床コンクリート面を覆うタイルカーペットのような
床材と同一の床材がその蓋体の上面に付設される。

従って、ケーブル線路１２を変更するにあたっては、図
示しないタイルカーペット及び蓋体を取り除き、開口と
なったケーブル樋本体１内のネジ８を操作して仕切り樋
４を移動させれば簡単に作業を行うことができるもので
ある。

〔考案の効果〕

本考案フロア配線用ケーブル樋は以上のような構成から
なるものであるから、ケーブル線路数を容易に変更する
ことができると共に、たとえば弱電用と強電用のケーブ
ルをそれぞれ独立して配線することができ従来問題とな
っていたノイズ等の問題を解消することができるもので
ある。

また、本考案ケーブル樋を用いれば、オフィスビル等の
床面に従来のフリーアクセスフロア方式によらずに、凹
状のケーブル線路を形成することができ、フリーアクセ
スフロアに伴う不具合点、すなわち階高が低くなる。配
線替え、増設等の作業に結構手間が掛かるといった問題
点を解決することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案フロア配線用ケーブル樋の一実施例を示
す平面図、第２図は第１図のII−II線に沿った断面図、
第３図(a)はケーブル線路をツー・ウエーとしたときの
説明図、第３図(b)はケーブル線路をワン・ウエーとし
たときの説明図、第４図は第２図に示すケーブル樋の上
面開口部と同一面となるように床コンクリートを打設し
た状態の断面図である。 １：ケーブル樋本体、２：底面板 ３：側面板、４：仕切り樋 ５：底板部、６：側板部 ７：長溝、８：ネジ ９：床基礎面、１０：長ボルト １１：Ｌ字型プレート、１２：ケーブル線路 １３：床コンクリート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺状の底面板の左右両側に側面板を連設
   してなる上面開口のケーブル樋本体と、このケーブル樋
   本体の底面板の幅方向長さより短尺の幅方向長さをもっ
   た底板部の左右両側に側板部を連設してなる上面開口の
   仕切り樋とからなり、仕切り樋の底板部適所には幅方向
   に沿って長溝を穿設すると共に、この長溝の上からネジ
   を挿着して仕切り樋をケーブル樋本体の底面板に左右方
   向移動可能で且つ着脱自在に固定し得るようになし、ネ
   ジを外して仕切り樋を取り外したり、あるいはネジを緩
   めて仕切り樋の位置を変えることにより、ケーブル樋本
   体内のケーブル線路数をワン・ウエーからスリー・ウエ
   ーまでに対応し得るように可変的に構成したことを特徴
   とするフロア配線用ケーブル樋。