JPH0540187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、事務所等の室内のコンクリート製等
の床盤上に配設する床装置の構造に関するもので
ある。

〔従来の技術とその問題点〕

事務所等の室内のコンクリート製の床盤上に電
源コードや通信ケーブル等の配線や水道管、ガス
管等の配管を施すための空間を有するように敷設
する床装置の先行技術として、特公昭61−34545
号公報では、平面視矩形状等の床板の上面に柔軟
性を有するカーペツト等の床表面材を貼設し、床
板の下面隅部にアジヤスタを下向き突設した考案
を提案している。

この考案では、床盤と床板との間はアジヤスタ
により配線用の空間が確保できるが、一旦床板を
敷設した後に、配線作業を実行するには、大きい
面積の床板を複数枚取り外する必要があり、床装
置設置後の配線追加等の作業に困難を伴うのであ
つた。

また、事務所等の室内を仕切るための壁パネル
では、その上下部分を床盤及び天井側に互いに突
つ張る等して取付けするものが一般的であつた。

しかしながら、壁面パネルには適宜の壁厚さを
有するから、最初、室内の床部分の全体に前記の
床装置を敷設した状態から、後に壁面パネルを設
けようとすると、前記床装置の配置位置を全体に
横にずれさせるか、もしくは面積の小さい別の床
装置に取り替えなければならず、壁面パネルの追
加的施工作業が至極厄介であつた。

本考案は、これらの問題点を解決し、床装置の
設置後にも配線作業を容易にし、且つ壁面パネル
の立設作業も簡単にできる床装置を提供すること
を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そのため本考案は、上面にカーペツト等の柔軟
性を有する床表面材を貼設し、且つ下面側に配線
空間を有する床基台の少なくとも一側辺に沿つて
または中途部に低い段の載置部を形成し、該載置
部には天板に前記と同様の床表面材を貼設した断
面コ字型の補助ブロツクを上下転回可能に載置し
た構成としたものである。

〔考案の作用・効果〕

このように上面に床表面材を貼設した床基台に
形成した低い段の載置部に、補助ブロツクを着脱
自在且つ上下ひつくり返し可能に載置することが
できるので、補助ブロツク天板側が上にあるよう
に載置するときには、床基台及び補助ブロツクの
下面側に各々コードを配線する空間を確保でき、
且つ、床基台及び補助ブロツクにおける床表面材
の側縁に段差が生じることもない。

そして、前記補助ブロツクをその天板が前記載
置部に載るように上下逆向きにすると、その箇所
において上向きに開放された空間ができるから、
当該箇所に壁パネル設置用の支持台等を収納する
ことができ、至極簡単に壁パネルの設置が可能に
なるのである。

また、前記壁パネルの設置に際して床表面材を
切り取る作業も不要となるから、壁パネルの設置
場所を変更するときにも、床表面材の張り替え作
業を無くすることができるという効果を有するの
である。

〔実施例〕

次に実施例を図面に従つて説明すると、第１図
〜第６図で示す第１実施例の床基台１は、上板２
ａに対して高さ寸法（h1）の垂直脚部２ｂを備
えた断面下向きコ字型の長手基台２を２個と、高
さ寸法（h2）、巾寸法（w1）、長さ寸法（L1）の
低い段の載置部３を長手方向に沿つて一体的に形
成した３本脚付きの長手基台４とを、その相隣接
する長手基台２および４における垂直脚部２ｂ，
４ｂ同士に間隔寸法（ｅ）をあけて平行配設して
成り、長手基台２，４の上板２ａ，４ａにカーペ
ツトやビニールタイル等の柔軟性を有する床表面
材５を接着剤にて貼設する。

また、床基台１において前記載置部３と平面視
直角方向に同一高さ寸法（h2）で巾寸法（w2）
の他の載置部６を形成するため、各長手基台２及
び４における垂直脚部２ｂ，４ｂ及び上板２ａ，
４ａを切欠くものである。

符号７及び８は前記各載置部３，６に対して着
脱自在に載置できる断面コ字型の補助ブロツク
で、各補助ブロツク７，８の天板７ａ，８ａの上
面には前記床表面材５と同じ材質の床表面材９，
９を各々接着剤にて貼設してあり、各補助ブロツ
ク７，８の天板を上にした正常姿勢で各載置部
３，６に載置するときには、その床表面材９，９
と床基台１における床表面材５とが同一平面状と
なるように形成するものであり、さらに各補助ブ
ロツク７，８の天板７ａ，８ａを下向きにして各
載置部３，６に載置すること（前記正常姿勢に対
して上下転回する）が可能である。

前記第１図の実施例では、垂直脚部２ｂ，４ｂ
及び上板２ａ，４ａを切欠いて形成した載置部６
に載置する補助ブロツク８の長さ寸法が床基台１
の一側辺の長さ寸法（L1）に等しい。

前記長手基台２，４及び補助ブロツク７，８は
各々アルミダイキヤストや鋼板等による金属製、
パーライト等の無機質材料を含む積層材と金属板
の積層体等種々のものが用いられる。

なお、符号１１は各長手基台２，４における垂
直脚部２ｂ、４ｂに下向き開放状に切欠き形成し
たコード挿通孔であり、符号１２，１３は補助ブ
ロツク７，８の脚部中途に切欠き形成したコード
挿通孔であり、これらコード挿通孔１３等は屈曲
自在な蓋片１４を連設してあつても良い。

また、符号１５は長手基台２，４における垂直
脚部２ｂ，４ｂに下向き開放状に切欠き形成した
スリツトであり、符号１６は補助ブロツク７，８
における垂直脚部に下向き開放状に切欠き形成し
たスリツトであり、所望により設ける。

さらに符号１７，１８は補助ブロツク７，８の
天板中途部に上下に穿設しまたは側縁に切欠き形
成したコード挿通孔である。このとき、床表面材
９の箇所に切り線のみ施せば、コードが挿通して
いないときはコード挿通孔１７，１８を仮に塞い
だ状態にすることができる。

この実施例による床装置は、第３図の斜視図で
示すように床基台１の２側の低い高さの載置部
３，６に各々補助ブロツク７，８を床表面材９が
上になるようにして載置することにより、互いに
隙間なくコンクリート製などの床盤２０上に敷設
することができる。

通信コード等の配線２１を床盤２０と本考案の
床装置との間に形成された配線用空間を通じて縦
横に導くことができると共に、補助ブロツク７，
８の天板に上下に連通するコード挿通孔１７，１
８を有する場合には、当該コード挿通孔を介して
床表面材９の側縁から上方に引き出すことができ
る。

また、本実施例における補助ブロツク７，８は
床基台１の一側辺に沿つて長手に形成されてお
り、且つ断面下向きコ字型に形成されているか
ら、当該補助ブロツク７，８の下面側と載置部
３，６との間がコード挿通用の空間として利用す
ることができると共に、このコード挿通用の空間
は載置部３，６を介して前記床基台１における配
線用空間の上方隔てて形成できるから、配線２１
を縦横に交差させるとき互いに密接させないよう
に配線することができる。

さらに、第４図に示すように補助ブロツク８垂
直脚部に穿設したコード挿通孔１３に設けた蓋片
１４を略水平状に屈曲させてあると、補助ブロツ
ク８内を通る配線２１がこの蓋片１４の上面に載
置されることにより、この下側のコード挿通孔１
３を通過して補助ブロツク８を横切る配線２１と
密接させないで配線を交差させることもできる。

また、長手基台２，４の各相隣接する箇所に適
宜の隙間が存在し、且つそれらの上面は床表面材
５にて連結されているので、本床装置に掛かる荷
重にて垂直脚部が撓む際にも、他方の長手基台、
床表面材等の無理な横方向の力が作用せず、床盤
２０とのなじみ性能が向上する。各長手基台２，
４におけるスリツト１５も同様の作用を果たすこ
とができる。

さらに、補助ブロツク７，８におけるスリツト
１６もその垂直脚部が接当する載置部３，６に対
するなじみ性能を向上させるのに役立つ。

次に、本実施例の床装置に沿つて壁パネル２２
を床盤２０から立設する場合を第６図及び第７図
に示す。

第６図は第３図の実施例における−線視拡
大断面図で、補助ブロツク８の箇所に長手方向に
沿つて壁パネル２２を配設した場合で、この実施
例では、補助ブロツク８を上下転回させ、その天
板８ａ及び床表面材９が載置部６に乗るようにし
て載置すると、床基台１の側辺に断面上向きコ字
型の溝が形成されることになるので、該天板８ａ
に支持台２３を載置し、支持台２３から上向きに
突出するボルト２４に対して取付け片２５，２６
をナツト２７を介して取付け、該取付け片２５，
２６に表裏一対の巾木２８及びパネル２９を装着
すれば良い。

第７図の実施例は前記補助ブロツク８と直角方
向に延びる補助ブロツク７の長手方向に沿つて壁
パネル２２を配設する場合で、前記実施例と同様
に補助ブロツク７の天板７ａ側を下向きにして載
置部３に載置し、当該補助ブロツク７内に支持台
２３を載せれば良い。

このような施工により、床表面材５の側縁部分
は壁パネル２２の下端の巾木２８内に重なるよう
にして隠すことができて、壁パネル２２と床表面
材５との接合部分の外観が向上する。

また、壁パネル設置のために、大きい面積の床
基台１を横にずらしたり、面積の小さい床基台と
交換したり、長手基台２や床表面材５を切欠くな
どの面倒な作業を実行することが不要となり、壁
パネル２２の設置位置替えの際にも床表面材５を
張り替える手間もなくそのまま使用することがで
きるのである。

第８図及び第９図の実施例では、断面下向きコ
字型の箱型基台３０の上板３０ａ中途部に長手の
断面コ字型の低い段の載置部３１を形成し、該載
置部３１には断面下向きコ字型の補助ブロツク３
２を上下転回可能に載置するものであり、箱型基
台３０の上板３０ａ及び補助ブロツク３２の天板
３２ａには各々カーペツト等の柔軟性を有する床
表面材５，９が貼設してある。符号３３，３４は
コード挿通孔である。

この実施例においても、箱型基台３０と補助ブ
ロツク３２との床表面材５が上に一平面状に並ん
でいるときには、補助ブロツク３２及び箱型基台
３０の内部に各々配線を挿通させることができ、
補助ブロツク３２をひつくり返して当該補助ブロ
ツク３２の箇所に沿つて壁パネルを設けることも
できる。

なお第８図の一点鎖線に示すように、小さい平
面形状の補助ブロツク３５を基台３０の中途部に
形成した低い段の載置部３１に対して抜き差し自
在に設けることもできるし、長手の載置部３１に
対して複数の補助ブロツクを互いに抜き差し自在
に設けても良いのである。

なおこれらの実施例の他、床基台１のうち１側
〜４側に補助ブロツクを配列するものであつても
良い。さらに、補助ブロツクも下面開放状の箱型
のものを用いることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は第１実
施例の斜視図、第２図は補助ブロツクを上下逆に
した状態の斜視図、第３図は床盤に整列した状態
の斜視図、第４図は第３図の−視断面図、第
５図は第３図の−視断面図、第６図は第３図
の−視断面図、第７図は壁パネルの他の立設
部の断面図、第８図は他の実施例の平面図、第９
図は第８図の−視断面図である。 １……床基台、２，４……長手基台、３０……
箱型基台、５，９……床表面材、３，６，３１…
…載置部、７，８，３２……補助ブロツク、１
１，１２，１３，１７，１８，３３……コード挿
通孔、１４……蓋片、２０……床盤、２１……配
線、２２……壁パネル、２４……ボルト、２３…
…支持台、２８……巾木、２９……パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にカーペツト等の柔軟性を有する床表面材
   を貼設し、且つ下面側に配線空間を有する床基台
   の少なくとも一側辺に沿つてまたは中途部に低い
   段の載置部を形成し、該載置部には天板に前記と
   同様の床表面材を貼設した断面コ字型の補助ブロ
   ツクを上下転回可能に載置したことを特徴とする
   床装置。