JPH06255738A - パレット搬送式ベースマシン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 間欠駆動されるコンベヤチェーンの押駒の押
圧でパレットを搬送させるベースマシンにおいて、移送
レールに配設された吸着材の作用によりパレットが押駒
から離間しない構造を得ること。 【構成】 間欠駆動される無限搬送帯のチェーンに、パ
レット移送用の押駒列を一定ピッチに装着すると共に、
パレット移送レールに吸着部材を形成することにより、
移送，停止時にもパレットが押駒より離れず、正確な位
置決めが出来る構成とした。 【効果】 固定サイクル式の搬送構造のため、作業ステ
ーションにおけるタクトタイムの短縮が図られ、パレッ
ト方式の移送により多品種生産に対応でき、かつパレッ
トの停止時の位置決め精度をあげることができた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】高速度の多品種少量生産ラインに
対応する組立・加工システムにおいて、被加工物を搬送
するパレットを用いた直進形インデックス送り方式のパ
レット搬送式ベースマシンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、組立および加工用のベースマシン
として使用されているワーク等の搬送装置には種々ある
が、多品種少量生産で組立部品点数の多いものとか、加
工並びに検査工程の多いものについては、第１の例とし
て、フリーフロー式のローラコンベヤ，スラットコンベ
ヤ等があり、被運搬物たるワークを搭載して移動させる
ためのパレットを前記コンベヤ上面にフリーの状態で搭
載して移送させる方式のものが知られている。

【０００３】前記第１の例では、パレットを等速で移動
させながら、パレット上のワークに対して作業を行うも
のであるから、高速の移送が出来ず、タクトタイムは３
秒以上必要である。

【０００４】またパレットがフリー状態であるため、パ
レットの停止時またはパレットの衝突時には、衝撃が生
ずるため、ショックアブソーバ等が必要となるという問
題点がある。

【０００５】また作業を完了したパレットは、始めの工
程の位置まで戻す必要から、フリーフロー式ではパレッ
トリターン用のコンベヤ等、新たに搬送装置が必要とな
る問題点が内在する。

【０００６】従来のものの第２の例としては、前記パレ
ットを間欠送りさせる直進形固定サイクル式のもので、
パレットがチェーン等に固定されている方式のものが知
られていた。

【０００７】前記第２の例としては、パレットがチェー
ン等に固定されているため、チェーンの精度とか、運転
経過時間によるチェーンの伸びなどによりパレットの位
置決め精度が出し難いという欠点がある。

【０００８】またパレットがチェーン等に固定されてい
るため、パレットの大きさの変更が難しいという欠点が
あり、従って、多品種を同一のベースマシンで対応する
ことが出来ないという欠点がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の有する
問題点に鑑み、本発明は、多品種，少量生産で組立部品
点数が多く、加工・検査工程も多いものに対する加工・
組立用ベースマシンとして、パレットの移送停止が高速
で運転できる固定サイクル式の間欠送り装置を用い、停
止時の位置決めが正確でパレットに搭載されたワークに
対し作業性の良いものを提供することを課題としてい
る。

【００１０】またパレットの停止時にパレットに対する
慣性力を吸収することができ、パレットに対してショッ
クのない構成とすることにより、正確な位置決めができ
るパレット搬送式ベースマシンを提供することをも課題
としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、請求項１の発明では、間欠送り駆動装置に連結され
た無限搬送帯に、一定ピッチのパレットの押駒列が装着
され、押駒によるパレットの移行路に、パレット下面
に、上面で接する移送レールがあり、移送レール上面
に、パレット下面に対する吸着部材が形成されていると
いう構成とした。

【００１２】請求項２の発明では、移送レール上面にパ
レット下面に対する吸着部材として複数のバキューム孔
が配置されている請求項１記載の構成とした。

【００１３】請求項３の発明では、移送レール上面に、
パレット下面に対する吸着部材とされるマグネットが配
置されている請求項１記載の構成とした。

【００１４】

【作用】本発明請求項１ないし請求項３の発明では、間
欠送り駆動装置に連結された無限搬送帯たるコンベヤチ
ェーンが固定サイクル駆動により、間欠送り駆動とされ
ているから、パレットは、所定のサイクルタイムによ
り、送りと停止との交番駆動とされ、パレットの一定ピ
ッチの送り量が正確で、所定位置で停止でき、所定のサ
イクルタイムで作業することができる。

【００１５】前記コンベヤチェーンの送りピッチを基準
として組立・加工・検査等各工程の設備機械器具を配置
して所定の作業ステーションを形成することにより、所
定タイムサイクルで作業が出来るので、各ステーション
で作業が完了すると、パレットは一定ピッチの間欠駆動
により、順次次のステーションへ送られる。従って直線
形固定サイクル駆動方法によれば、移送とステーション
による作業との効率化も図られるから、サイクルタイム
の短縮も可能となり、生産性の向上も図られるものであ
る。

【００１６】パレットは前記コンベヤチェーンに固定さ
れず、前記チェーンに所定のピッチで装着されている押
駒の押進力により、間欠送りされるから、パレットの幅
寸法も前記ピッチ寸法の範囲内のものであれば、パレッ
トの幅寸法の制約は少ないのでパレット幅寸法も自由に
設定でき、多品種対応が容易である。

【００１７】請求項１の発明では、前記移送レールの上
面に、パレット下面に対して作用する吸着部材が形成さ
れている構成とされているから、前記移送レールに向か
ってパレットが押し付けられながら、前記押駒の押進力
により移送される。このとき吸着部材によるパレットの
前記移送レールに対する押付力は、押駒の押進力に抵抗
する制動力として作用する。

【００１８】従ってパレットは移送中には押駒の当接面
より離間することなく、移送され、またこの作用によっ
て停止時においてもパレットへのショックもないので、
ショックアブソーバ等の設備も不要となる。

【００１９】また請求項２の発明では、前記移送レール
の上面にパレット下面に対する吸着部材とされるバキュ
ーム孔が配置されている構成とされているから、バキュ
ーム孔による吸引力により、パレットは移送レールに向
かって吸引されながら、前記押駒の押進力により移送さ
れる。このときのバキュームによるパレットの前記移送
レールに対する押付力は押駒の押進力に抵抗する制動力
として作用するものであり、制動力の調整が可能とな
る。

【００２０】また請求項３の発明では、図３に示される
ように前記移送レールの上面にパレット下面に対する吸
着部材とされるマグネットが配置されている構成とされ
ているから、パレットはマグネットの吸着力により移送
レールに向かって吸着されるから、パレットの前記移送
レールに対する押圧力は、押駒の押進力に抵抗する制動
力として作用するものであり、吸着を無騒音に行いう
る。

【００２１】

【実施例】本発明のパレット搬送式ベースマシンの装置
の実施例の概要を図１，図２に基づき、請求項１および
請求項２の発明を併せ実施した一例につき説明するが、
図１は本発明の前記装置の略示平面図、図２は図１に示
すものの略示断面図である。

【００２２】減速された出力軸を有するモータ１は、カ
ム式インデックスユニット２に直結され、間欠送り駆動
装置１０を形成しており、該インデックスユニット２
は、図中に省略されているカップリングを介して前記ベ
ースマシン１４の前進端５に配設された駆動軸３に連結
されており、一方前記駆動軸３と対峙して、後端部６に
は被動軸４が配設されている。

【００２３】前記両者の軸３，４には、それぞれ駆動チ
ェーンスプロケット２５および被動チェーンスプロケッ
ト８が配置されており、前記両者のスプロケット２５と
８にわたって、２本のコンベヤチェーン１８，１８が並
列に懸架されてパレット７の輸送用の無限搬送帯２６と
されており、無限搬送帯２６は、インデックスユニット
２の出力軸に直結された前記駆動軸３により固定サイク
ル式の間欠駆動とされ、所定のタイムサイクルに基づい
て、一定の送りピッチＰによる移送と停止との繰り返し
動作により駆動される。

【００２４】前記コンベヤチェーン１８，１８には、各
々一定の送りピッチＰごとに、パレット７送り用の押駒
９が矢印Ｘ方向に向かって互いに同一位相の位置に装着
され、それぞれ一連の押駒列１１が形成されている。該
押駒列１１の各送りピッチＰ間に装着された前記パレッ
ト７は、一定の送りピッチＰ送りをなす押駒９の押進力
により、所定のタイムサイクルに基づいて間欠的に矢印
Ｘ方向へ移送される。

【００２５】前記コンベヤチュエーン１８，１８に平行
して、パレット７の移送方向両側面の案内板として、ガ
イド１３，１３が、前記被動軸４より前記駆動軸３の位
置まで延設されており、前記ガイド１３，１３によっ
て、ガイド１３，１３の内側側面に沿って矢印Ｘ方向に
移送されるパレット７の移行路１５が形成されている。

【００２６】また請求項１の発明では、前記移行路１５
に、パレット下面に上面１６で摺動自在に接する移送レ
ール１７が配設されており、該移送レール１７の上面１
６に、パレット下面に対し、吸着作用をなす吸着部材１
９が形成されているから、パレット７は移送レール１７
に向かって下向きの吸着力が作用され、コンベヤチェー
ン１８の移送時にはパレット７が移送レール１７に向か
って、押し付けられながら、前記押駒９の押進力により
移送され、その間吸着部材１９によるパレット７の移送
レール１７に対する押付力は、押駒９の押進力に抵抗す
る制動力として作用する。

【００２７】またパレット７は、移送中には、常に吸着
部材１９の吸着力の影響のために、制動力として作用し
ているから、押駒９の当接面より離間することなく移送
され、またこの作用により停止時においてもパレット７
へのショックは無いので、ショックアブソーバ等の設備
も不要となる。

【００２８】図１に示されるように前記コンベヤチェー
ン１８，１８の送りピッチＰを基準とし、組立・加工・
検査等の各設備機械器具が各ステーション２０に配置さ
れ、所定の多品種少量生産ラインが構成されており、モ
ータ１およびカム式インデックス２により駆動される前
記コンベヤチェーン１８，１８は、矢印Ｘ方向に向かっ
て間欠送り駆動とされ、前記コンベヤチェーン１８，１
８に装着された押駒列１１によりパレット７は移送と停
止との繰り返し動作のタイムサイクルに基づいて駆動さ
れ、停止時に前記ステーション２０において作業が実施
される。

【００２９】このようにして搬送されたパレット７は、
組立・加工等のステーション２０においては停止と同時
に精密な位置決めが必要なため、前記コンベヤ１８に配
設されている図示が省略されている位置決め装置に進退
自在に配置されている位置決め用テーパーピン１２が、
前記コンベヤ１８の停止位置において突出する構成とさ
れており、他方パレット７の側縁に、移送方向に直角な
る位置に位置決め用Ｖ溝２１が削設されており、パレッ
ト７の停止位置において前記吸着部材１９の作用と共に
前記テーパーピン１２が突出して前記パレット７のＶ溝
２１に嵌着されるからパレット７は、所定の停止位置に
ストップさせられ、精密位置決めされる。次いで作業が
完了し、前記コンベヤ１８の移動と共に前記テーパーピ
ン１２は元の位置に退去，復帰するように作用する。

【００３０】この時、パレット７は必ず前記押駒９より
離れて矢印Ｘ方向に前進する方向で位置決めされるもの
であって、これは押駒９の押圧力によるパレット７への
影響を避けるものである。

【００３１】また請求項２の発明では、前記移送レール
１７の上面１６にバキューム孔２２が配設され、パレッ
ト下面に対する吸着材とされた構造のものであるから、
バキューム孔２２からの吸引力によるパレット７の前記
移送レール１７に対する押付力は、押駒９のパレット７
に作用する押進力に抵抗する制動力として作用するもの
であり、真空度の調整により制動力の大小を調節でき
る。

【００３２】また請求項３の発明では、図３に示される
ように前記移送レール１７の上面１６にマグネット２３
が配設され、パレット下面に対する吸着材とされた構造
のものであるから、マグネット２３によるパレット７の
前記移送レール１７に対する押付力は、押駒９のパレッ
ト７に作用する押進力に抵抗する制動力として作用する
ものでバキューム孔２２の場合の空気の吸い込み音の発
生がなく騒音の発生を防止できる。

【００３３】また図２で示されるように、前記コンベヤ
チェーン１８，１８の上側で各ステーション２０におけ
る作業が完了したパレット７は、前記前進端５に配設さ
れた円弧状のガイドＧに沿って下側に移送され、下レー
ル２４上を滑走し、後端部６のガイドＧに沿って、再び
上側に戻り各ステーションの作業に移行される。

【００３４】従って作業工程の終りには、パレットの戻
し装置とか、特別なリターンコンベヤを設置する必要は
なく、パレットを最初の工程に戻すことが出来る。

【００３５】従って前記位置決め装置による精密な位置
決め動作と、コンベヤチェーンの間欠送り駆動たるサイ
クル駆動による一定ピッチ送り動作との両者の動作，作
用により、停止位置決め精度の向上が図られ、かつ前記
チェーンの押駒列の取付ピッチ間の寸法と、パレットの
進行方向の幅寸法との寸法差の制約が少ないから、パレ
ットの前記幅寸法を比較的自由に設定でき、多品種少量
生産に十分対応することができるし、コンベヤ速度をア
ップしてもパレットの移送に問題は生じないから、生産
性の向上が図られる。

【００３６】

【発明の効果】本発明は以上説明した構成のものであ
り、請求項１の発明によれば、間欠送り駆動装置に連結
されたコンベヤチェーンは、固定サイクル式駆動によ
り、所定の送りと停止とのサイクルタイムをもって連続
的に駆動されているから、ワークが搭載されているパレ
ットは、正確な一定ピッチで、所定停止位置に停止で
き、停止位置に配置されている各ステーションの作業装
置、機械あるいは器具により、所定のサイクルタイムで
計画された作業を安全に、正確に所定時間で処理できる
効果があるし、また各ステーションにおける作業が完了
すると、順次次のステーションへと正確に移送できるか
ら、タクトタイムも０．５秒程度に短縮も可能となり、
生産性の向上も併せて図られる効果を奏せしめるもので
ある。

【００３７】前記パレットは、コンベヤチェーンに固定
されず、フリーな状態でコンベヤチェーンに搭載され、
所定の一定ピッチで、前記チェーンに連続して装着され
ている押駒列の押進力により、間欠送りされるから、前
記ピッチの範囲内のパレットサイズであれば、パレット
の幅寸法の制約は少ないので、パレットの幅を自由に設
定でき、多品種のワークへの対応が容易にできる効果が
ある。

【００３８】また前記パレットの移送レールの上面に、
パレット下面に対して作用する吸着部材が形成されてい
るから、吸着部材によるパレットの移送レールに対する
押付力は、押駒の押進力に抵抗する制動力として作用す
るから、押駒により移送中のパレットは、押駒より離間
することはなく、正常な状態で移送されるし、また停止
時においてもパレットへのショックは起こらないという
効果を奏しめるものである。従って停止時のパレットの
位置決めにおいても、押駒の正確な送りピッチによる位
置決めと共に、前述の吸着部材による制動力とにより、
精密な位置決め効果をあげることが出来る。

【００３９】また請求項２の発明では、前記移送レール
の上面にバキューム孔が配設され、パレット下面に対す
る吸着部材とされた構造のものであるから、バキューム
孔による吸引力が押駒のパレットに対する押進力に抵抗
する制動力として作用する効果を奏しめるもので、その
制動力は真空圧の高低の調整により、容易に強弱の調整
を行いうる効果を奏する。

【００４０】また請求項３の発明では、前記移送レール
の上面にマグネットが配設され、パレット下面に対する
吸着部材とされた構造のものであるから、マグネットに
よる吸引力が押駒のパレットに対する押進力に抵抗する
制動力として作用する効果を奏しめ、しかも静穏な作業
環境を維持できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１および請求項２の発明の実施の一例を
示す略示平面図である。

【図２】図１に示すものの略示断面図である。

【図３】請求項３の発明の実施の一例を示す略示平面図
である。

【符号の説明】

７ パレット １０ 間欠送り駆動装置 １１ 押駒列 １２ テーパーピン １４ パレット搬送式ベースマシン １５ 移行路 １６ 上面 １７ 移送レール １９ 吸着部材 ２２ バキューム孔 ２３ マグネット Ｐ 一定ピッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 間欠送り駆動装置に連結された無限搬送
   帯に、一定ピッチのパレットの押駒列が装着され、押駒
   によるパレット移行路に、パレット下面に上面で接する
   移送レールがあり、移送レール上面に、パレット下面に
   対する吸着部材が形成されていることを特徴とするパレ
   ット搬送式ベースマシン。
2. 【請求項２】 移送レール上面に、パレット下面に対す
   る吸着部材である複数のバキューム孔が配置されている
   請求項１記載のパレット搬送式ベースマシン。
3. 【請求項３】 移送レール上面に、マグネットが配置さ
   れ、パレット下面に対する吸着部材とされている請求項
   １記載のパレット搬送式ベースマシン。