JPH0625220A - 新規チオフェン誘導体およびそれを用いた2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの製造方法 - Google Patents
新規チオフェン誘導体およびそれを用いた2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの製造方法Info
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- JPH0625220A JPH0625220A JP20694992A JP20694992A JPH0625220A JP H0625220 A JPH0625220 A JP H0625220A JP 20694992 A JP20694992 A JP 20694992A JP 20694992 A JP20694992 A JP 20694992A JP H0625220 A JPH0625220 A JP H0625220A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 染料、農薬等の原料または中間体として有用
な2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの安
全な工業的製造方法、その製造に使用できる新規な中間
体およびその製造方法を提供する。 【構成】 下記式(I)で示されるチオフェン誘導体お
よび下記式(II)で示されるチオフェン誘導体。 【化1】 【化2】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ低級アルキル基を
表わす)2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェ
ンは、上記式(I)で示されるニトロチオフェン誘導体
を酸の存在下で加熱処理することにより製造される。ま
た、上記式(I)で示されるニトロチオフェン誘導体
は、上記式(II)で示されるチオフェン誘導体を硫酸お
よび硝酸からなる混酸でニトロ化することにより合成さ
れる。また、上記式(II)で示されるチオフェン誘導体
は、ジアルキルホルムアミドを塩素化剤で処理した後、
2−アミノ−3−シアノチオフェンと反応させることに
よって合成される。
な2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの安
全な工業的製造方法、その製造に使用できる新規な中間
体およびその製造方法を提供する。 【構成】 下記式(I)で示されるチオフェン誘導体お
よび下記式(II)で示されるチオフェン誘導体。 【化1】 【化2】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ低級アルキル基を
表わす)2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェ
ンは、上記式(I)で示されるニトロチオフェン誘導体
を酸の存在下で加熱処理することにより製造される。ま
た、上記式(I)で示されるニトロチオフェン誘導体
は、上記式(II)で示されるチオフェン誘導体を硫酸お
よび硝酸からなる混酸でニトロ化することにより合成さ
れる。また、上記式(II)で示されるチオフェン誘導体
は、ジアルキルホルムアミドを塩素化剤で処理した後、
2−アミノ−3−シアノチオフェンと反応させることに
よって合成される。
Description
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、染料、農薬等の原料ま
たは中間体として有用な2−アミノ−3−シアノ−5−
ニトロチオフェンの製造に使用できる新規な中間体およ
びその製造方法、および上記2−アミノ−3−シアノ−
5−ニトロチオフェンの製造方法に関する。
たは中間体として有用な2−アミノ−3−シアノ−5−
ニトロチオフェンの製造に使用できる新規な中間体およ
びその製造方法、および上記2−アミノ−3−シアノ−
5−ニトロチオフェンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチ
オフェンは、染料、農薬等の原料または中間体として使
用することが知られている化合物である。この化合物の
合成法としては、下記の反応式に従って、2−アミノー
3ーシアノチオフェンをアミノ基をホルミル化して保護
した後に、ニトロ化する方法が知られている。(特公昭
55−18710号公報)
オフェンは、染料、農薬等の原料または中間体として使
用することが知られている化合物である。この化合物の
合成法としては、下記の反応式に従って、2−アミノー
3ーシアノチオフェンをアミノ基をホルミル化して保護
した後に、ニトロ化する方法が知られている。(特公昭
55−18710号公報)
【化3】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の合成法において
は、ニトロ化をいわゆる混酸(硝酸と硫酸の混合物)で
行うと、シアノ基が分解してしまうため、酢酸−硝酸−
無水酢酸の混合物でニトロ化することが必要であった。
この酢酸−硝酸−無水酢酸の混合物によるニトロ化法
は、硝酸アセチルを経由してニトロ化する方法である
が、硝酸アセチルは爆発しやすいと言う欠点を有するた
め、従来の上記合成法で工業的に2−アミノ−3−シア
ノ−5−ニトロチオフェンを量産することは困難であっ
た。
は、ニトロ化をいわゆる混酸(硝酸と硫酸の混合物)で
行うと、シアノ基が分解してしまうため、酢酸−硝酸−
無水酢酸の混合物でニトロ化することが必要であった。
この酢酸−硝酸−無水酢酸の混合物によるニトロ化法
は、硝酸アセチルを経由してニトロ化する方法である
が、硝酸アセチルは爆発しやすいと言う欠点を有するた
め、従来の上記合成法で工業的に2−アミノ−3−シア
ノ−5−ニトロチオフェンを量産することは困難であっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、2−アミ
ノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの工業的製造法
について鋭意検討した結果、新規チオフェン誘導体であ
る下記一般式(II)の化合物は、混酸によりニトロ化し
てもシアノ基が分解されず、また、下記式(I)の化合
物は容易に2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフ
ェンとなることを見出し、本発明を達成するに至った。
ノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの工業的製造法
について鋭意検討した結果、新規チオフェン誘導体であ
る下記一般式(II)の化合物は、混酸によりニトロ化し
てもシアノ基が分解されず、また、下記式(I)の化合
物は容易に2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフ
ェンとなることを見出し、本発明を達成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の第1のものは、下記一
般式(I)で示されるニトロチオフェン誘導体にある。
般式(I)で示されるニトロチオフェン誘導体にある。
【化4】 (式中、R1 およびR2 は、同一または異なっていても
よく、それぞれ低級アルキル基を表わす。)
よく、それぞれ低級アルキル基を表わす。)
【0006】本発明の第2のものは、下記一般式(II)
で示されるチオフェン誘導体にある。
で示されるチオフェン誘導体にある。
【化5】 (式中、R1 およびR2 は、上記と同意義を有する。)
【0007】本発明の第3のものは、上記一般式(I)
で示されるニトロチオフェン誘導体の製造方法であっ
て、上記一般式(II)で示されるチオフェン誘導体を硫
酸および硝酸からなる混酸でニトロ化することを特徴と
する。本発明の第4のものは、上記一般式(II)で示さ
れるチオフェン誘導体の製造方法であって、ジアルキル
ホルムアミドを塩素化剤で処理した後、2−アミノ−3
−シアノチオフェンと反応させることを特徴とする。本
発明の第5のものは、2−アミノ−3−シアノ−5−ニ
トロチオフェンの製造方法であって、上記一般式(I)
で示されるニトロチオフェン誘導体を酸の存在下で加熱
処理することを特徴とし、それによりアミジン基が分解
してN,N−ジアルキルホルムアミドが離脱する。
で示されるニトロチオフェン誘導体の製造方法であっ
て、上記一般式(II)で示されるチオフェン誘導体を硫
酸および硝酸からなる混酸でニトロ化することを特徴と
する。本発明の第4のものは、上記一般式(II)で示さ
れるチオフェン誘導体の製造方法であって、ジアルキル
ホルムアミドを塩素化剤で処理した後、2−アミノ−3
−シアノチオフェンと反応させることを特徴とする。本
発明の第5のものは、2−アミノ−3−シアノ−5−ニ
トロチオフェンの製造方法であって、上記一般式(I)
で示されるニトロチオフェン誘導体を酸の存在下で加熱
処理することを特徴とし、それによりアミジン基が分解
してN,N−ジアルキルホルムアミドが離脱する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。上記一般
式(I)および(II)中のR1 およびR2 は、同一また
は異なっていてもよく、それぞれ低級アルキル基を表わ
すが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基等があげられる。これらの中でも、R1 およ
びR2 の両者が共にメチル基であるのが、原料の入手容
易性の点から好ましい。
式(I)および(II)中のR1 およびR2 は、同一また
は異なっていてもよく、それぞれ低級アルキル基を表わ
すが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基等があげられる。これらの中でも、R1 およ
びR2 の両者が共にメチル基であるのが、原料の入手容
易性の点から好ましい。
【0009】本発明における上記一般式(II)で示され
るチオフェン誘導体および上記一般式(I)で示される
ニトロチオフェン誘導体を経由して、2−アミノ−3−
シアノ−5−ニトロチオフェンを製造する場合には、次
の反応式で示される三つの工程よりなる。
るチオフェン誘導体および上記一般式(I)で示される
ニトロチオフェン誘導体を経由して、2−アミノ−3−
シアノ−5−ニトロチオフェンを製造する場合には、次
の反応式で示される三つの工程よりなる。
【化6】
【0010】上記一般式(II)で示されるチオフェン誘
導体は、上記反応式の第1工程で製造される。すなわ
ち、N,N−ジアルキルホルムアミドを塩素化剤で処理
してN,N−ジアルキルアミノ−ジクロロメタンに変換
した後、2−アミノ−3−シアノチオフェンと反応させ
ることによって上記一般式(II)で示されるチオフェン
誘導体、すなわちN,N−ジアルキル−N′−(3−シ
アノチエニル−2)−ホルムアミジンを得ることができ
る。塩素化剤としては、オキシ塩化リン等があげられ
る。この反応工程における反応温度は、通常、−10〜
80℃程度に設定される。反応温度が高すぎると、副反
応物が生じ易く、また、低すぎると反応が遅くなるので
好ましくない。特に、0〜40℃の範囲が好ましい。反
応終了後、反応混合物を水中においてアルカリで中和す
ることにより、上記一般式(II)で示されるチオフェン
誘導体を得ることができる。
導体は、上記反応式の第1工程で製造される。すなわ
ち、N,N−ジアルキルホルムアミドを塩素化剤で処理
してN,N−ジアルキルアミノ−ジクロロメタンに変換
した後、2−アミノ−3−シアノチオフェンと反応させ
ることによって上記一般式(II)で示されるチオフェン
誘導体、すなわちN,N−ジアルキル−N′−(3−シ
アノチエニル−2)−ホルムアミジンを得ることができ
る。塩素化剤としては、オキシ塩化リン等があげられ
る。この反応工程における反応温度は、通常、−10〜
80℃程度に設定される。反応温度が高すぎると、副反
応物が生じ易く、また、低すぎると反応が遅くなるので
好ましくない。特に、0〜40℃の範囲が好ましい。反
応終了後、反応混合物を水中においてアルカリで中和す
ることにより、上記一般式(II)で示されるチオフェン
誘導体を得ることができる。
【0011】上記一般式(I)で示されるニトロチオフ
ェン誘導体は、上記反応式の第2工程で製造される。す
なわち、上記一般式(II)で示されるチオフェン誘導体
を硫酸および硝酸からなる混酸でニトロ化することによ
り、上記一般式(I)で示されるニトロチオフェン誘導
体、すなわちN,N−ジアルキル−N′−(3−シアノ
−5−ニトロチエニル−2)−ホルムアミジンを合成す
ることができる。混酸としては、ニトロ化に用いられる
公知の混酸であればよく、硝酸1モルに対して、硫酸5
〜10モルを混合したものが好適である。また、混酸に
は10モル%以下程度の他の酸、例えば酢酸等を混合し
てもよい。ニトロ化反応は、室温以下、好ましくは0℃
以下に冷却しながら行われる。温度が高すぎると、シア
ノ基と反応してしまうので好ましくない。
ェン誘導体は、上記反応式の第2工程で製造される。す
なわち、上記一般式(II)で示されるチオフェン誘導体
を硫酸および硝酸からなる混酸でニトロ化することによ
り、上記一般式(I)で示されるニトロチオフェン誘導
体、すなわちN,N−ジアルキル−N′−(3−シアノ
−5−ニトロチエニル−2)−ホルムアミジンを合成す
ることができる。混酸としては、ニトロ化に用いられる
公知の混酸であればよく、硝酸1モルに対して、硫酸5
〜10モルを混合したものが好適である。また、混酸に
は10モル%以下程度の他の酸、例えば酢酸等を混合し
てもよい。ニトロ化反応は、室温以下、好ましくは0℃
以下に冷却しながら行われる。温度が高すぎると、シア
ノ基と反応してしまうので好ましくない。
【0012】2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオ
フェンは、上記反応式の第3工程で製造される。すなわ
ち、上記一般式(I)で示されるニトロチオフェン誘導
体を酸の存在下で加熱処理することにより行われる。こ
の加熱処理により、アミジン基が分解してN,N−ジア
ルキルホルムアミドが離脱し、目的の2−アミノ−3−
シアノ−5−ニトロチオフェンを得ることができる。酸
としては、一般には硫酸、塩酸が用いられる。反応は、
具体的には、水、メタノール、エタノール等で希釈した
硫酸または塩酸中に、上記一般式(I)で示されるニト
ロチオフェン誘導体の結晶を加え、50℃以上に加熱す
ればよい。アルコール系溶媒中で反応させた場合は、反
応後、水中に放出して晶析させる必要があるのに対し
て、水系の溶媒の場合は、反応中に生成物が晶析するの
で、水系の溶媒を用いる方が好ましい。
フェンは、上記反応式の第3工程で製造される。すなわ
ち、上記一般式(I)で示されるニトロチオフェン誘導
体を酸の存在下で加熱処理することにより行われる。こ
の加熱処理により、アミジン基が分解してN,N−ジア
ルキルホルムアミドが離脱し、目的の2−アミノ−3−
シアノ−5−ニトロチオフェンを得ることができる。酸
としては、一般には硫酸、塩酸が用いられる。反応は、
具体的には、水、メタノール、エタノール等で希釈した
硫酸または塩酸中に、上記一般式(I)で示されるニト
ロチオフェン誘導体の結晶を加え、50℃以上に加熱す
ればよい。アルコール系溶媒中で反応させた場合は、反
応後、水中に放出して晶析させる必要があるのに対し
て、水系の溶媒の場合は、反応中に生成物が晶析するの
で、水系の溶媒を用いる方が好ましい。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例により何等限定されるものではない。 実施例1 ジメチルホルムアミド964mlを2℃に冷却し、この
温度でオキシ塩化リン268gを加えた。この溶液を1
0℃で30分間攪拌した後、2−アミノ−3−シアノチ
オフェン310gを加えた。10℃で1時間反応させ、
11kgの氷水に放出した。この液に、酢酸ナトリウム
1875gを加え、析出した結晶を濾過し、水洗し、乾
燥して、N,N−ジメチル−N′−(3−シアノチエニ
ル−2)−ホルムアミジン結晶390gを得た。収率8
7%、融点57℃。 この化合物のNMRスペクトルを図1に示す。NMRス
ペクトルの各ピークの帰属は、次の通りであり、それに
関する構造式を図1中に示す。δ(ppm);a:3.
00,3.11(s×2,6H)、b:6.85(d,
J=5.60Hz,1H)、c:6.99(d,J=
5.60Hz,1H)、d:7.97(s,1H)。ま
た、IRスペクトルを図2に示す。IRスペクトルで
は、2214cm-1にCN(三重結合)伸縮のピークが
確認でき、1629cm-1にアミジン基−N=CH−N
のN=C伸縮のピークが確認できる。
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例により何等限定されるものではない。 実施例1 ジメチルホルムアミド964mlを2℃に冷却し、この
温度でオキシ塩化リン268gを加えた。この溶液を1
0℃で30分間攪拌した後、2−アミノ−3−シアノチ
オフェン310gを加えた。10℃で1時間反応させ、
11kgの氷水に放出した。この液に、酢酸ナトリウム
1875gを加え、析出した結晶を濾過し、水洗し、乾
燥して、N,N−ジメチル−N′−(3−シアノチエニ
ル−2)−ホルムアミジン結晶390gを得た。収率8
7%、融点57℃。 この化合物のNMRスペクトルを図1に示す。NMRス
ペクトルの各ピークの帰属は、次の通りであり、それに
関する構造式を図1中に示す。δ(ppm);a:3.
00,3.11(s×2,6H)、b:6.85(d,
J=5.60Hz,1H)、c:6.99(d,J=
5.60Hz,1H)、d:7.97(s,1H)。ま
た、IRスペクトルを図2に示す。IRスペクトルで
は、2214cm-1にCN(三重結合)伸縮のピークが
確認でき、1629cm-1にアミジン基−N=CH−N
のN=C伸縮のピークが確認できる。
【0014】実施例2 98%硫酸146gに、10℃でN,N−ジメチル−
N′−(3−シアノチエニル−2)−ホルムアミジン3
6gを加え、混合物を−10℃に冷却し、この温度に保
持しながら、98%硫酸73gと98%硝酸14gから
なる混酸87gを添加した。−10℃で30分間反応さ
せ、反応混合物を1kgの氷水に放出した。析出した結
晶を濾過し、水洗し、乾燥して、N,N−ジメチル−
N′−(3−シアノ−5−ニトロチエニル−2)−ホル
ムアミジン結晶44gを得た。収率98%。融点228
℃。 この化合物のNMRスペクトルを図3に示す。NMRス
ペクトルの各ピークの帰属は、次の通りであり、それに
関する構造式を図3中に示す。δ(ppm);a:3.
12,3.24(s×2,6H)、b:8.32(s,
1H)、c:8.36(s,1H)。また、IRスペク
トルを図4に示す。IRスペクトルでは、2225cm
-1にCN(三重結合)伸縮のピークが確認でき、164
5cm-1にアミジン基−N=CH−NのN=C伸縮のピ
ークが確認でき、シアノ基、アミジン基が分解されずに
ニトロ化が行われていることが分る。
N′−(3−シアノチエニル−2)−ホルムアミジン3
6gを加え、混合物を−10℃に冷却し、この温度に保
持しながら、98%硫酸73gと98%硝酸14gから
なる混酸87gを添加した。−10℃で30分間反応さ
せ、反応混合物を1kgの氷水に放出した。析出した結
晶を濾過し、水洗し、乾燥して、N,N−ジメチル−
N′−(3−シアノ−5−ニトロチエニル−2)−ホル
ムアミジン結晶44gを得た。収率98%。融点228
℃。 この化合物のNMRスペクトルを図3に示す。NMRス
ペクトルの各ピークの帰属は、次の通りであり、それに
関する構造式を図3中に示す。δ(ppm);a:3.
12,3.24(s×2,6H)、b:8.32(s,
1H)、c:8.36(s,1H)。また、IRスペク
トルを図4に示す。IRスペクトルでは、2225cm
-1にCN(三重結合)伸縮のピークが確認でき、164
5cm-1にアミジン基−N=CH−NのN=C伸縮のピ
ークが確認でき、シアノ基、アミジン基が分解されずに
ニトロ化が行われていることが分る。
【0015】実施例3 5%硫酸94.7gに、20℃でN,N−ジメチル−
N′−(3−シアノ−5−ニトロチエニル−2)−ホル
ムアミジン結晶9.0gを加え、混合物を90℃に加熱
し、11時間反応させた後、0℃に冷却した。析出した
結晶を濾過し、水洗し、乾燥して、2−アミノ−3−シ
アノ−5−ニトロチオフェン結晶5.4gを得た。収率
80%。融点209〜212℃。
N′−(3−シアノ−5−ニトロチエニル−2)−ホル
ムアミジン結晶9.0gを加え、混合物を90℃に加熱
し、11時間反応させた後、0℃に冷却した。析出した
結晶を濾過し、水洗し、乾燥して、2−アミノ−3−シ
アノ−5−ニトロチオフェン結晶5.4gを得た。収率
80%。融点209〜212℃。
【0016】
【発明の効果】本発明の上記一般式(I)で示される新
規なチオフェン誘導体および一般式(II)で示される新
規なチオフェン誘導体は、2−アミノ−3−シアノ−5
−ニトロチオフェンの合成中間体として使用され、これ
らのものを用いた2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロ
チオフェンの合成法は、混酸でニトロ化を行うので、従
来の技術における硝酸アセチル等の爆発性物質を用いる
必要がなく安全であり、工業的に量産するのに適してい
る。
規なチオフェン誘導体および一般式(II)で示される新
規なチオフェン誘導体は、2−アミノ−3−シアノ−5
−ニトロチオフェンの合成中間体として使用され、これ
らのものを用いた2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロ
チオフェンの合成法は、混酸でニトロ化を行うので、従
来の技術における硝酸アセチル等の爆発性物質を用いる
必要がなく安全であり、工業的に量産するのに適してい
る。
【図1】 N,N−ジメチル−N′−(3−シアノチエ
ニル−2)−ホルムアミジンのNMRスペクトル図であ
る。
ニル−2)−ホルムアミジンのNMRスペクトル図であ
る。
【図2】 N,N−ジメチル−N′−(3−シアノチエ
ニル−2)−ホルムアミジンのIRスペクトル図であ
る。
ニル−2)−ホルムアミジンのIRスペクトル図であ
る。
【図3】 N,N−ジメチル−N′−(3−シアノ−5
−ニトロチエニル−2)−ホルムアミジンのNMRスペ
クトル図である。
−ニトロチエニル−2)−ホルムアミジンのNMRスペ
クトル図である。
【図4】 N,N−ジメチル−N′−(3−シアノ−5
−ニトロチエニル−2)−ホルムアミジンのIRスペク
トル図である。
−ニトロチエニル−2)−ホルムアミジンのIRスペク
トル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 謙 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化成ヘキスト株式会社研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるニトロチオ
フェン誘導体。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、同一または異なっていても
よく、それぞれ低級アルキル基を表わす。) - 【請求項2】 下記一般式(II)で示されるチオフェン
誘導体。 【化2】 (式中、R1 およびR2 は、同一または異なっていても
よく、それぞれ低級アルキル基を表わす。) - 【請求項3】 上記一般式(II)で示されるチオフェン
誘導体を硫酸および硝酸からなる混酸でニトロ化するこ
とを特徴とする上記一般式(I)で示されるニトロチオ
フェン誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 ジアルキルホルムアミドを塩素化剤で処
理した後、2−アミノ−3−シアノチオフェンと反応さ
せることを特徴とする上記一般式(II)で示されるチオ
フェン誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 上記一般式(I)で示されるニトロチオ
フェン誘導体を酸の存在下で加熱処理することを特徴と
する2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェンの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20694992A JP3257830B2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 新規チオフェン誘導体、その製造および利用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20694992A JP3257830B2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 新規チオフェン誘導体、その製造および利用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0625220A true JPH0625220A (ja) | 1994-02-01 |
JP3257830B2 JP3257830B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=16531695
Family Applications (1)
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1992
- 1992-07-13 JP JP20694992A patent/JP3257830B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3257830B2 (ja) | 2002-02-18 |
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