JPH0625033B2 - 黒色ムライト焼結体の製造方法 - Google Patents
黒色ムライト焼結体の製造方法Info
- Publication number
- JPH0625033B2 JPH0625033B2 JP60204470A JP20447085A JPH0625033B2 JP H0625033 B2 JPH0625033 B2 JP H0625033B2 JP 60204470 A JP60204470 A JP 60204470A JP 20447085 A JP20447085 A JP 20447085A JP H0625033 B2 JPH0625033 B2 JP H0625033B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- mullite
- sintered body
- black
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、Siチップをマウントする回路基板およびセ
ラミックパッケージとして用いる黒色ムライト焼結体の
製造方法に関する。
ラミックパッケージとして用いる黒色ムライト焼結体の
製造方法に関する。
従来の技術 従来からシリコンチップを搭載するICパッケージの材
質としてはアルミナが使用されてきた。その理由はアル
ミナは電気絶縁性が良く、比較的高い熱伝導率と高い機
械的強度さらに熱や酸アルカリに対する耐久性がすぐれ
ているといった総合的な信頼性が高いためである。
質としてはアルミナが使用されてきた。その理由はアル
ミナは電気絶縁性が良く、比較的高い熱伝導率と高い機
械的強度さらに熱や酸アルカリに対する耐久性がすぐれ
ているといった総合的な信頼性が高いためである。
しかしながら、アルミナの熱膨脹係数は7〜8×10-6で
シリコンの約4×10-6と大きく違うため、接着による歪
が問題となってきている。
シリコンの約4×10-6と大きく違うため、接着による歪
が問題となってきている。
そこで熱伝導率が低いという問題はあるけれども、シリ
コンの熱膨脹に近く、アルミナに次ぐ安定性を有する黒
色ムライトが現在注目されてきている。
コンの熱膨脹に近く、アルミナに次ぐ安定性を有する黒
色ムライトが現在注目されてきている。
前記従来の黒色ムライトの製造は、ムライトかまたはカ
オリンとアルミナに焼結助剤と、黒色化剤を数重量%か
ら10数重量%添加したものを焼成していた。
オリンとアルミナに焼結助剤と、黒色化剤を数重量%か
ら10数重量%添加したものを焼成していた。
焼結助剤としては、アルカリ金属酸化物(Li2O、N
a2O、K2O)、アルカリ土類酸化物(MgO、Ca
O、SrO、BaO)さらにこれらのアルミナシリケー
トである各種長石その他にB2O3、ガラスフリットが
知られており、数種類の助剤を組合せて、焼結体の緻密
化を促進している。
a2O、K2O)、アルカリ土類酸化物(MgO、Ca
O、SrO、BaO)さらにこれらのアルミナシリケー
トである各種長石その他にB2O3、ガラスフリットが
知られており、数種類の助剤を組合せて、焼結体の緻密
化を促進している。
一方、黒色化剤としては一般の陶磁器に用いる黒色顔料
が使用され、その組成はよく知られているが、その配合
の一例を示すと、MnO260.2%、Cr2O321.4%、
Fe2O317.6%、CoO 0.9%よりなるものが挙げら
れる。
が使用され、その組成はよく知られているが、その配合
の一例を示すと、MnO260.2%、Cr2O321.4%、
Fe2O317.6%、CoO 0.9%よりなるものが挙げら
れる。
また、現在生産されている黒ムライトの配合の一例を示
すと下記のとおりである。(単位重量%) 3Al2O3・2SiO2 87% 3MgO・4SiO2・H2O 2% CaCO3 2% Al2O3 2% TiO2 2% 黒顔料 5% 発明が解決しようとする問題点 上記従来の黒色ムライトは、焼結体に膨らみ(ブク)、
色むら(シミ)、異物(ボロ)が多数発生し、歩留りが
極めて低かった。その理由は次のように説明される。
すと下記のとおりである。(単位重量%) 3Al2O3・2SiO2 87% 3MgO・4SiO2・H2O 2% CaCO3 2% Al2O3 2% TiO2 2% 黒顔料 5% 発明が解決しようとする問題点 上記従来の黒色ムライトは、焼結体に膨らみ(ブク)、
色むら(シミ)、異物(ボロ)が多数発生し、歩留りが
極めて低かった。その理由は次のように説明される。
X線的にムライトからなる粉末は、平均粒径が約3μm
以下の場合、1000Kg/cm2の力で成形された成形体は16
50℃から1700℃で緻密化する。工業的な生産性を上げる
ため1350℃付近まで焼成温度を下げるには、焼結助剤を
添加し、液相による焼結が行なわれる。既に述べた各種
の焼結助剤を状態図で調べると、これらの焼結助剤は12
50℃以下の共融組成はなろうとして反応を開始すること
が判る。ここで重要なことは、黒色顔料が存在するとさ
らに液相のの生成温度が低下すると同時に、ムライト粒
子間で起る反応は一様の速度ではなくなるので、部分的
に液相の組成に違いが生じてくる。このような状態で
は、黒色顔料の溶解度の差のため焼結体に色ムラが発生
したり、液相の蒸気圧が高くなり過ぎた場合は、膨らみ
(ブク)が発生する。
以下の場合、1000Kg/cm2の力で成形された成形体は16
50℃から1700℃で緻密化する。工業的な生産性を上げる
ため1350℃付近まで焼成温度を下げるには、焼結助剤を
添加し、液相による焼結が行なわれる。既に述べた各種
の焼結助剤を状態図で調べると、これらの焼結助剤は12
50℃以下の共融組成はなろうとして反応を開始すること
が判る。ここで重要なことは、黒色顔料が存在するとさ
らに液相のの生成温度が低下すると同時に、ムライト粒
子間で起る反応は一様の速度ではなくなるので、部分的
に液相の組成に違いが生じてくる。このような状態で
は、黒色顔料の溶解度の差のため焼結体に色ムラが発生
したり、液相の蒸気圧が高くなり過ぎた場合は、膨らみ
(ブク)が発生する。
さらにムライトを焼結させるための敷台も、ムライトを
含む高アルミナ質の材質なので、粘性の低い液相は、敷
台や敷台に付着した耐火性粉末とも反応し、異物(ボ
ロ)が接着するという不具合が生ずることになる。
含む高アルミナ質の材質なので、粘性の低い液相は、敷
台や敷台に付着した耐火性粉末とも反応し、異物(ボ
ロ)が接着するという不具合が生ずることになる。
問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点に鑑み、各酸化物とムライトの反応
性を研究した結果、従来必要と考えられていた焼結助剤
は全く不用で、さらに黒色顔料の中でも酸化鉄と酸化マ
ンガンとさらに望ましくは酸化チタニウムをムライトに
添加することにより、従来の欠点が解決できるという知
見を得て本発明に到達した。
性を研究した結果、従来必要と考えられていた焼結助剤
は全く不用で、さらに黒色顔料の中でも酸化鉄と酸化マ
ンガンとさらに望ましくは酸化チタニウムをムライトに
添加することにより、従来の欠点が解決できるという知
見を得て本発明に到達した。
すなわち、本発明は主原料が主としてムライトからなる
粉末 100重量%に対して、添加剤として酸化鉄15重量%
以下、酸化マンガン15重量%以下の1種又は2種と酸化
チタニウム5重量%以下を総量で4重量%以上添加し、
1300〜1550℃で焼成することを特徴とする黒色ムライト
焼結体の製造方法である。
粉末 100重量%に対して、添加剤として酸化鉄15重量%
以下、酸化マンガン15重量%以下の1種又は2種と酸化
チタニウム5重量%以下を総量で4重量%以上添加し、
1300〜1550℃で焼成することを特徴とする黒色ムライト
焼結体の製造方法である。
上記添加剤の添加量が総計で4重量%未満の場合は焼成
温度が1550℃を越え、また焼結体の色も茶色となり実用
上意味がなくなる。
温度が1550℃を越え、また焼結体の色も茶色となり実用
上意味がなくなる。
酸化鉄、酸化マンガンは共に15重量%越えると、1400℃
如何で焼成できても、敷台との反応が強く、異物が接着
し、実用上使用できない。
如何で焼成できても、敷台との反応が強く、異物が接着
し、実用上使用できない。
酸化チタニウムは単味で添加すると白色となるが、酸化
鉄と酸化マンガンとともに添加すると、焼結体の黒色度
を増し、焼結促進効果を有するので、一種の黒色化剤と
考えることができる。その効果は5重量%までで、それ
以上添加しても効果はない。
鉄と酸化マンガンとともに添加すると、焼結体の黒色度
を増し、焼結促進効果を有するので、一種の黒色化剤と
考えることができる。その効果は5重量%までで、それ
以上添加しても効果はない。
原料の粒度は特に限定されないが、平均粒径が5μm以
下で充分である。当然のことながら、粒径が粉かくなる
と焼成温度は低くなる。
下で充分である。当然のことながら、粒径が粉かくなる
と焼成温度は低くなる。
なお、本発明で用いる主原料のムライトは、通常工業的
に用いられているムライトを意味しており、必ずしも化
学式(3Al2O3・2SiO2)に拘束されるものではない。
に用いられているムライトを意味しており、必ずしも化
学式(3Al2O3・2SiO2)に拘束されるものではない。
実施例 主原料であるムライトはカオリンとアルミナからあらか
じめ合成したものでX線回析によればムライトのみの結
晶相であった。このムライトに工業用ベン柄(Fe2O
3)、電解マンガンの酸化物(MnO2)、アナターゼ
(TiO2)を表に示す割合で配合し、平均粒径5μm
になるまで粉砕した。この混合物を乾燥後、バインダー
としてP.V.A.を3重量%添加し、1000Kg/cm2で
プレスしたものを電気炉で焼成した。
じめ合成したものでX線回析によればムライトのみの結
晶相であった。このムライトに工業用ベン柄(Fe2O
3)、電解マンガンの酸化物(MnO2)、アナターゼ
(TiO2)を表に示す割合で配合し、平均粒径5μm
になるまで粉砕した。この混合物を乾燥後、バインダー
としてP.V.A.を3重量%添加し、1000Kg/cm2で
プレスしたものを電気炉で焼成した。
その結果を比較例とともに表に示す。ムライト100重量
%に対して、酸化鉄15重量%以下と酸化マンガン15重量
%以下の少なくとも1種を総量で4重量%以上含み、13
00〜1550℃の温度で焼成された本発明例(実施例)の場
合には、黒色度が均一で、ブク、シミ、ホロといった欠
陥も認められず、焼結体の性状が良好であった。さら
に、酸化チタニウムを1〜5重量%添加した本発明例の
場合にも、黒色度および性状ともに良好な焼結体が得ら
れた。
%に対して、酸化鉄15重量%以下と酸化マンガン15重量
%以下の少なくとも1種を総量で4重量%以上含み、13
00〜1550℃の温度で焼成された本発明例(実施例)の場
合には、黒色度が均一で、ブク、シミ、ホロといった欠
陥も認められず、焼結体の性状が良好であった。さら
に、酸化チタニウムを1〜5重量%添加した本発明例の
場合にも、黒色度および性状ともに良好な焼結体が得ら
れた。
これに対し、添加剤の量が5重量%未満あるいは15重量
%越え、焼成温度が1550℃越えの比較例の場合には、黒
色が得られないことに加えて、ブクの発生があり、焼結
体の性状は不良であった。
%越え、焼成温度が1550℃越えの比較例の場合には、黒
色が得られないことに加えて、ブクの発生があり、焼結
体の性状は不良であった。
また、本発明で得られる焼結体は、熱膨張係数が4〜5
×10-6とシリコンの膨張係数に近く、ICパッケージ用
材料として満足できるものであった。
×10-6とシリコンの膨張係数に近く、ICパッケージ用
材料として満足できるものであった。
発明の効果 本発明によればブク、シミ、ボロの発生のない黒色ムラ
イト焼結体が得られるため、歩留りが向上し、ICパッ
ケージとして有用な材質が効率よく得られる。
イト焼結体が得られるため、歩留りが向上し、ICパッ
ケージとして有用な材質が効率よく得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】主原料であるムライト粉末100重量%に対
して、添加剤として酸化鉄15重量%以下、酸化マンガン
15重量%以下の1種又は2種を総量で4重量%以上添加
し、1300〜1550℃で焼成することを特徴とする黒色ムラ
イト焼結体の製造方法。 - 【請求項2】主原料であるムライト粉末100重量%に対
して、添加剤として酸化鉄15重量%以下、酸化マンガン
15重量%以下の1種又は2種と、酸化チタニウム5重量
%以下とを総量で4重量%以上添加し、1300〜1550℃で
焼成することを特徴とする黒色ムライト焼結体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60204470A JPH0625033B2 (ja) | 1985-09-18 | 1985-09-18 | 黒色ムライト焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60204470A JPH0625033B2 (ja) | 1985-09-18 | 1985-09-18 | 黒色ムライト焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6265967A JPS6265967A (ja) | 1987-03-25 |
JPH0625033B2 true JPH0625033B2 (ja) | 1994-04-06 |
Family
ID=16491062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60204470A Expired - Lifetime JPH0625033B2 (ja) | 1985-09-18 | 1985-09-18 | 黒色ムライト焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0625033B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4994092B2 (ja) * | 2007-04-10 | 2012-08-08 | 株式会社ニッカトー | 黒色アルミナ焼結体とその製造方法 |
US8735309B2 (en) | 2010-09-28 | 2014-05-27 | Kyocera Corporation | Mullite-based sintered body, circuit board using same and probe card |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60176966A (ja) * | 1984-02-20 | 1985-09-11 | 日本特殊陶業株式会社 | 着色アルミナ磁器組成物 |
-
1985
- 1985-09-18 JP JP60204470A patent/JPH0625033B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6265967A (ja) | 1987-03-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4788046A (en) | Method for producing materials for co-sintering | |
JP5076907B2 (ja) | フォルステライト粉末の製造方法、フォルステライト粉末、フォルステライト焼結体、絶縁体セラミック組成物、および積層セラミック電子部品 | |
US4814303A (en) | Anorthite-cordierite based ceramics from zeolites | |
CN101684035A (zh) | 玻璃陶瓷基板 | |
US5641440A (en) | Sintering aids for producing BaO.Al2 O3.2SiO2 and SrO.Al.sub. O3.2SiO2 ceramic materials | |
JPH0625033B2 (ja) | 黒色ムライト焼結体の製造方法 | |
JPH0117202B2 (ja) | ||
WO1989001461A1 (en) | Co-sinterable metal-ceramic packages and materials therefor | |
US2220411A (en) | Refractory and method of making same | |
JPH0881267A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体、その製造方法と窒化アルミニウム回路基板、その製造方法 | |
JPH04503939A (ja) | 金属酸化物緻密誘導体およびその製法 | |
JPH06172023A (ja) | コーディエライト粉末及びその磁器の製造方法 | |
JP2984317B2 (ja) | ゼオライト組成物の製造方法 | |
JP2563982B2 (ja) | アノーサイト系焼結体の製造方法 | |
JPH032816B2 (ja) | ||
KR930008458B1 (ko) | 착색 알루미나 세라믹 조성물 | |
JP2710311B2 (ja) | セラミツク絶縁材料 | |
JP2865925B2 (ja) | 誘電体磁器組成物の製造方法 | |
JPH0692687A (ja) | 針状誘電体粒子含有結晶化ガラス組成物 | |
JP3492872B2 (ja) | セラミック基板用グリーンシートの製造方法 | |
JPH01183461A (ja) | ムライトセラミック組成物 | |
JPS6126559A (ja) | 高周波絶縁材料用セラミツクスの製造方法 | |
KR930011272B1 (ko) | 착색 알루미나 세라믹 조성물 | |
JP2622582B2 (ja) | 低温焼成基板の製造方法 | |
JPS6221757A (ja) | フオルステライトセラミツクスの製造法 |