JPH06239140A - 車両用バックドアの自動開閉装置 - Google Patents

車両用バックドアの自動開閉装置

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JPH06239140A
JPH06239140A JP2802793A JP2802793A JPH06239140A JP H06239140 A JPH06239140 A JP H06239140A JP 2802793 A JP2802793 A JP 2802793A JP 2802793 A JP2802793 A JP 2802793A JP H06239140 A JPH06239140 A JP H06239140A
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opening
back door
closing
vehicle
motor
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JP2802793A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Chiyougabe
長賀部  博之
Kazumi Isaji
和美 伊佐治
Shinya Sakaguchi
信也 坂口
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バックドアを上下に自動開閉する装置におい
て、ドアの開閉速度を車両の前後方向の傾斜に影響され
ることなく常に一定に制御できるようにする。 【構成】 ドライバスイッチによりバックドアの開指令
があると、その後バックドアの閉指令又は中立指令が入
力されるか、リミットスイッチによりバックドアの全開
が検出されるまで、モータを正転させてバックドアを開
方向に駆動する(ステッフ゜102〜110,116〜120)、バックド
アの自動開閉装置において、モータの駆動開始後、傾斜
センサを用いて車両の前後方向の傾斜を判定し(ステッフ゜11
0)、車両が下り坂にある場合にはモータの出力をアップ
し(ステッフ゜112)、車両が上り坂にある場合にはモータの出
力をダウンさせる(ステッフ゜114)。この結果、バックドアの
開速度を車両の傾斜に関係なく一定にすることができ
る。なお、バックドア閉時には、これと反対にモータ出
力を補正することにより、閉速度も一定に制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両後部に配設され上
端が車両本体に枢支されたバックドアを、外部からの開
閉指令に応じて自動で開閉させる車両用バックドアの自
動開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平1−31462
0号公報に開示されている如く、車両後部に配設され上
端が車両本体に枢支されたバックドアを、電動モータ等
を用いて自動で開閉する車両用バックドアの自動開閉装
置が知られている。
【0003】またこの種の装置では、車両後部に障害物
があると、バックドアの開閉時にバックドアが障害物に
衝突し、その状態で電動モータ等を継続して駆動させる
と、バックドアが変形したり、電動モータが焼き付くこ
とがあるため、電動モータの回転速度や通電電流等から
電動モータがバックドアから受ける荷重を検出し、その
荷重が所定の判定基準を越えると(つまり回転速度が判
定速度未満になったり、通電電流が判定電流値を越える
と)、バックドアが障害物に衝突したと判断して、電動
モータの駆動を停止させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした車
両用バックドアの自動開閉装置においては、電動モータ
等の駆動源がバックドアから受ける荷重が、車両の前後
方向の傾斜に応じて変化する。つまり、電動モータ等の
駆動源がバックドアから受ける荷重は、車両が前傾状態
となる下り坂では平地に比べて大きくなり、車両が後傾
状態となる登り坂では平地に比べて小さくなる。
【0005】このため、バックドアの開閉時にバックド
アを一定の駆動力で開閉させていると、バックドアを開
閉するのに要する時間が、車両の前後方向の傾斜によっ
て変化し、例えば、下り坂において、バックドアを開く
際に時間がかかって使用者に不便を感じさせるとか、逆
にバックドアを閉じる際にバックドアが急激に閉り使用
者に危険を感じさせる、といった問題があった。
【0006】また、上記のように電動モータの回転速度
や通電電流等からバックドアの障害物への衝突を判定す
る際にも、電動モータがバックドアから受ける荷重、延
いては電動モータの回転速度や通電電流が、車両の前後
方向の傾斜に応じて変化するため、上り坂においてバッ
クドアの障害物への衝突を検出し難くなるとか、逆に下
り坂においてわずかなショックでバックドアの障害物へ
の衝突を検出してしまう、といった問題があった。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、車両用バックドアの自動開閉装置において、バッ
クドアの開閉速度を車両の前後方向の傾斜に影響される
ことなく常に一定に制御できるようにすると共に、バッ
クドアの障害物への衝突を車両の前後方向の傾斜にかか
わらず常に安定して検出できるようにすることを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、図1(a)に例
示する如く、車両後部に配設され上端が車両本体に枢支
されたバックドアを上下方向に開閉するための開閉機構
と、該開閉機構に駆動力を与えて上記バックドアを開閉
させる駆動手段と、外部からの開閉指令を受けて、上記
駆動手段をバックドアの開方向又は閉方向に駆動させる
開閉制御手段と、を備えた車両用バックドアの自動開閉
装置において、車両の前後方向の傾斜を検出する傾斜検
出手段と、該傾斜検出手段により検出された車両前後方
向の傾斜に応じて上記駆動手段の駆動力を増減して、上
記バックドアの開閉速度を安定させる駆動力制御手段
と、を設けたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、図1
(b)に例示する如く、車両後部に配設され上端が車両
本体に枢支されたバックドアを上下方向に開閉するため
の開閉機構と、該開閉機構に駆動力を与えて上記バック
ドアを開閉させる駆動手段と、外部からの開閉指令を受
けて、上記駆動手段をバックドアの開方向又は閉方向に
駆動させる開閉制御手段と、上記バックドアの開閉時
に、上記駆動手段が上記開閉機構を介して上記バックド
アから受ける荷重を検出する荷重検出手段と、該荷重検
出手段により検出された荷重が所定の判定基準を越えた
か否かを判定し、該荷重が所定の判定基準を越えた場合
に、上記バックドアの障害物への衝突を検出する障害物
検出手段と、該障害物検出手段が上記バックドアの障害
物への衝突を検出すると、上記開閉制御手段による上記
駆動手段の駆動を停止させる開閉停止手段と、を備えた
車両用バックドアの自動開閉装置において、車両の前後
方向の傾斜を検出する傾斜検出手段と、該傾斜検出手段
により検出された車両前後方向の傾斜に応じて、上記障
害物検出手段における上記判定基準を増減して、障害物
検出時に上記障害物から上記バックドアに加わる外部荷
重を安定させる判定基準補正手段と、を設けたことを特
徴としている。
【0010】また更に、請求項3に記載の発明は、請求
項1又は請求項2に記載の車両用バックドアの自動開閉
装置において、上記傾斜検出手段を、上記バックドアの
開動作開始時に上記駆動手段が上記開閉機構を介して上
記バックドアから受ける荷重に基づき、車両の前後方向
の傾斜を検出するよう構成してなることを特徴としてい
る。
【0011】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載の車両用バックドアの自動開閉装置において
は、外部からバックドアの開閉指令が入力されると、開
閉制御手段が、その開閉指令に応じて、駆動手段をバッ
クドアの開方向又は閉方向に駆動させる。すると、駆動
手段がバックドアの開閉方向に応じた駆動力を開閉機構
に伝達し、バックドアを開閉させる。
【0012】また請求項1に記載の車両用バックドアの
自動開閉装置においては、傾斜手段が、車両の前後方向
の傾斜を検出し、駆動力制御手段が、その検出された車
両前後方向の傾斜に応じて、駆動手段の駆動力を増減す
ることにより、バックドアの開閉速度を安定させる。
【0013】従って、請求項1に記載の車両用バックド
アの自動開閉装置によれば、バックドアの開閉速度を、
車両の前後方向の傾斜に影響されることなく略一定にす
ることができ、平地に比べて開閉速度が遅くなって使用
者に不便を感じさせるとか、逆に平地に比べて開閉速度
が早くなって使用者に危険を感じさせる、といった従来
装置において生じる問題を防止することができる。
【0014】次に請求項2に記載の車両用バックドアの
自動開閉装置においては、請求項1に記載の装置と同
様、外部からバックドアの開閉指令が入力されると、開
閉制御手段が、その開閉指令に応じて、駆動手段をバッ
クドアの開方向又は閉方向に駆動させ、駆動手段がバッ
クドアの開閉方向に応じた駆動力を開閉機構に伝達し
て、バックドアを開閉させる。そして、荷重検出手段
が、バックドアの開閉時に、駆動手段が開閉機構を介し
てバックドアから受ける荷重を検出し、障害物検出手段
が、その検出された荷重が所定の判定基準を越えたか否
かを判定して、その荷重が所定の判定基準を越えた場合
にバックドアの障害物への衝突を検出する。そして、障
害物検出手段がバックドアの障害物への衝突を検出する
と、開閉停止手段が、開閉制御手段による駆動手段の駆
動、つまり駆動手段によるバックドアの開閉を停止させ
る。
【0015】また請求項2に記載の車両用バックドアの
自動開閉装置においては、傾斜手段が、車両の前後方向
の傾斜を検出し、判定基準補正手段が、その検出された
車両前後方向の傾斜に応じて、障害物検出手段が、バッ
クドアの障害物への衝突を検出するのに使用する判定基
準を増減して、障害物検出時にバックドアが障害物から
受ける外部荷重を安定させる。
【0016】従って、請求項2に記載の車両用バックド
アの自動開閉装置によれば、バックドアの障害物への衝
突を、車両の前後方向の傾斜に影響されることなく、バ
ックドアが障害物から受ける外部荷重が所定値に達した
ときに検出することができ、バックドアの障害物への衝
突検出が遅れたり、逆にバックドアの障害物への衝突を
わずかなショックで検出してしまう、といった従来装置
において生じる問題を防止できる。
【0017】次に、請求項3に記載の車両用バックドア
の自動開閉装置においては、請求項1又は請求項2に記
載の装置において、傾斜検出手段が、バックドアの開動
作開始時に駆動手段が開閉機構を介してバックドアから
受ける荷重に基づき、車両の前後方向の傾斜を検出す
る。
【0018】このため、請求項3に記載の車両用バック
ドアの自動開閉装置によれば、車両の前後方向の傾斜を
検出するために、傾斜センサ等の特別な検出装置を設け
る必要はなく、駆動手段の動作状態から車両の前後方向
の傾斜を簡単に検出することができる。つまり、例え
ば、駆動手段が電動モータであればその回転速度や通電
電流から、また駆動手段が開閉機構に油を給排してバッ
クドアを開閉する油圧装置であればその油圧から、車両
の前後方向の傾斜を簡単に検出することができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図2は、ワンボックス型の車両2におけるバッ
クドア4の自動開閉装置を車両横側から見た状態を概略
構成図であり、図3は当該装置を車両後方から見た状態
を表す装置各部の配置図である。
【0020】図2及び図3に示す如く、本実施例のバッ
クドア4の自動開閉装置は、車両2の後部開口部(以
下、単に、開口部という)の上端に設けられたヒンジ6
を介して上端が枢着されたバックドア4を開閉させるた
めの開閉機構8と、この開閉機構8を伸縮させるための
オイルをオイル供給チューブ9を介して供給する、駆動
手段としてのパワーユニット10と、車両2の前後方向
の傾斜を検出する傾斜センサ12と、バックドア4内部
の下端部に設けられ、バックドア4が全閉したときに車
両2の開口部の下部に設けられたリング状のロックスト
ライカ14に係合してバックドア4をロックするロック
機構16と、同じくバックドア4内部のロック機構16
の上方に設けられ、ロック機構16とロックストライカ
14との係合を解除するソレノイド18と、運転席付近
に設けられ、車両乗員がバックドア4の開閉指令を行な
うための開・中立・閉の3接点を有するドライバスイッ
チ20と、車両2の開口部の左右両側に夫々設けられ、
バックドア4が閉じたときにバックドア4によって押さ
れてOFFしバックドア4が開いたときに開口部から突
出してONするカーテシスイッチ22a,22bと、C
PU、ROM、RAM、等からなる周知のマイクロコン
ピュータを備え、上記傾斜センサ12,ドライバスイッ
チ20、カーテシスイッチ22a,22b、及び後述す
るバックドア4の開閉状態を検出するリミットスイッチ
46、48等からの入力信号に基づいて、パワーユニッ
ト10、ソレノイド18等を駆動制御する電子制御ユニ
ット(ECU)50と、を備えている。
【0021】開閉機構8は、図2に示すように、油圧シ
リンダ24と、この油圧シリンダ24の軸方向に伸縮す
るピストンロッド26と、Vの字型のリンク部材28と
からなり、Vの字型のリンク部材28の一端が、油圧シ
リンダ24のピストンロッド26側の端部に枢着される
と共に、このリンク部材28の屈折点と油圧シリンダ2
4に枢着された端部と反対側の端部との間に、ピストン
ロッド26の先端部が枢着されることにより構成されて
いる。
【0022】そして、開閉機構8は、油圧シリンダ24
のピストンロッド26と反対側の端部が車両2の開口部
側縁に枢着され、Vの字型のリンク部材28のピストン
ロッド26側の端部がバックドア4に枢着されることに
より、車両2に取り付けられており、パワーユニット1
0から油圧シリンダ24にオイルが供給されると、ピス
トンロッド26が伸張すると共にリンク部材28のV字
角が大きくなって、バックドア4が上方向に開放する。
また、パワーユニット10からのオイルの供給が停止さ
れ、かつ、油圧シリンダ24からパワーユニット10側
へオイルが戻るようにされると、ピストンロッド26が
バックドア4の重量によって縮退すると共にリンク部材
28のV字角が小さくなって、バックドア4が下方向に
閉塞する。
【0023】一方、パワーユニット10は、図4及び図
5に示すように、開閉機構8の油圧シリンダ24へオイ
ルを供給するシリンダ30及びシリンダ30内で摺動す
るピストン32と、シリンダ30を駆動するドア開閉用
モータ34と、ドア開閉用モータ34の回転数を所定の
トルクが得られる回転数にまで減速させる減速機36
と、を備えており、減速機36の出力軸38に取り付け
られたリンク40,42によってピストン32を作動さ
せるように構成されている。また、減速機36の出力軸
38には、一対の分岐アーム44a、44bが突設され
た回転体44が取り付けられており、更に、減速機36
の側面において、バックドア4を全開させたときに分岐
アーム44aが移動する位置には、リミットスイッチ4
6が、そして、バックドア4を全閉させたときに分岐ア
ーム44bが移動する位置にはリミットスイッチ48が
夫々設けられている。
【0024】このように構成されたパワーユニット10
においては、運転席のドライバスイッチ20がバックド
ア4の開指令を表す「開」位置に設定されると、ECU
50の動作によって、ドア開閉用モータ34が通電され
て正回転する。すると、減速機36の出力軸38が図5
において反時計回りに回転し、リンク42がピストン3
2を矢印X1で示す方向に押し、シリンダ30内のオイ
ルをオイル供給チューブ9を通じて開閉機構8の油圧シ
リンダ24へ供給する。この結果、開閉機構8のピスト
ンロッド26が伸張して、バックドア4がヒンジ6を回
転中心として開方向に移動する。
【0025】また、このようなバックドア4の開動作の
時に、バックドア4が全開状態になると、減速機36の
出力軸38に取り付けられた回転体44の分岐アーム4
4aが、リミットスイッチ46に当接して、このリミッ
トスイッチ46がON状態となる。すると、ECU50
の動作によって、ドア開閉用モータ34の通電が断た
れ、バックドア4の開動作が完了する。
【0026】一方、運転席のドライバスイッチ20がバ
ックドア4の閉指令を表す「閉」位置に設定されると、
ECU50の動作によって、ドア開閉用モータ34が通
電されて逆回転する。すると、減速機36の出力軸38
が、図5において時計回りに回転し、リンク42が矢印
X2で示す方向に後退し、バックドア4の重量により開
閉機構8のリンク部材28が屈折すると共に、ピストン
ロッド26が油圧シリンダ24側に後退して、油圧シリ
ンダ24からオイル供給チューブ9を通じてパワーユニ
ット10のシリンダ30へオイルが押し戻される。この
結果、開閉機構8のピストン32が後退し、バックドア
4がヒンジ6を回転中心として閉方向に移動する。
【0027】また、このようなバックドア4の閉動作の
時に、減速機36の出力軸38に取り付けられた回転体
44の分岐アーム44bが、リミットスイッチ48に当
接して、このリミットスイッチ48がON状態になる
と、ECU50の動作によって、ドア開閉用モータ34
の通電が断たれる。そして、その後は、バックドア4は
自重によってヒンジ6を回転中心として閉方向に移動し
続け、これに伴い、リンク部材28の屈折,ピストンロ
ッド26の油圧シリンダ24側への後退,及びオイル供
給チューブ9を通じて押し戻されるオイルによる開閉機
構8のピストン32の後退が、バックドア4が全閉位置
になるまで継続し、バックドア4が、ロック機構16が
ロックストライカ14に係合して車両2の開口部に設け
られたカーテシスイッチ22a,22bがオン状態とな
る全閉位置になった時点で、バックドア4の閉動作が完
了する。
【0028】なお、ロック機構16は、バックドア4を
全閉位置でロックするために従来より車両2に設けられ
ている周知のものであるが、このロック機構16には、
バックドア4のロック状態を手動で解除するためのロッ
ク解除ボタン16aが設けられ、使用者がこのロック解
除ボタン16aを操作してバックドア4のロックを解除
することにより、バックドア4を手動で開くことができ
るようにされている。
【0029】次に、ECU50においてバックドア4を
開閉するために実行されるバックドアの開閉制御処理に
ついて、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
図6に示す如く、本実施例のバックドアの開閉制御処理
においては、まずステップ102にて、ドライバスイッ
チ20がバックドア4の開指令を表す「開」位置及びバ
ックドア4を現在の開度に保持する保持指令を表す「中
立」位置のいずれかに設定されているか、或はバックド
ア4の閉指令を表す「閉」位置に設定されているかを判
定する。そして、ドライバスイッチ20が「開」又は
「中立」位置に設定されている場合には、続くステップ
104に移行して、今度はドライバスイッチ20が
「開」位置に設定されているか否かを判断し、ドライバ
スイッチ20が「開」位置に設定されていれば、続くス
テップ106に移行する。
【0030】ステップ106では、パワーユニット10
に設けられたバックドア4の全開状態を検出するための
リミットスイッチ46がON状態であるか否か、つまり
バックドア4が既に全開状態になっているか否か、を判
断し、リミットスイッチ46がON状態でなく、バック
ドア4が全開状態でなければ、バックドア4を開方向に
駆動するためにステップ108に移行する。
【0031】一方、ステップ104にてドライバスイッ
チ20が「中立」位置に設定されていると判断された場
合、或はステップ106にてリミットスイッチ46がO
N状態であり、バックドア4が既に全開状態になってい
ると判断された場合には、バックドア4を開方向に駆動
する必要はないため、そのまま当該処理を終了する。
【0032】次に、ステップ108では、ドア開閉用モ
ータ34をバックドア4の開方向に正転させるためにド
ア開閉用モータ34への通電を開始し、続くステップ1
10にて、傾斜センサ12からの検出信号に基づき、車
両2の前後方向の傾斜状態は、傾斜のない状態(平地)
であるか、車両2が後上りに傾斜した状態(下り坂)で
あるか、或は車両2が前上りに傾斜した状態(上り坂)
であるかを判定する。
【0033】なお、ステップ108において、ドア開閉
用モータ34の正転駆動を開始する際、カーテシスイッ
チ22a,22bがON状態となっている場合、つまり
ロック機構16によりバックドア4が全閉状態にロック
されている場合には、ソレノイド18を通電してロック
状態を解除する。
【0034】そして、ステップ110にて、車両2の前
後方向の傾斜状態は傾斜のない状態(平地)であると判
断された場合には、そのままステップ116に移行す
る。また、ステップ110にて、車両2の前後方向の傾
斜状態は車両2が後上りに傾斜した状態(下り坂)であ
ると判断された場合には、ステップ112に移行して、
ドア開閉用モータ34による開閉機構8の駆動力を車両
2の傾斜の程度に応じて増加させるために、ドア開閉用
モータ34への印加電圧を傾斜センサ12により検出さ
れた車両2の前傾傾斜角度に応じて増加させた後、ステ
ップ116に移行する。また逆に、ステップ110に
て、車両2の前後方向の傾斜状態は車両2が前上りに傾
斜した状態(上り坂)であると判断された場合には、ス
テップ114に移行して、ドア開閉用モータ34による
開閉機構8の駆動力を車両2の傾斜の程度に応じて減少
させるために、ドア開閉用モータ34への印加電圧を傾
斜センサ12により検出された車両2の後傾傾斜角度に
応じて減少させた後、ステップ116に移行する。
【0035】次に、ステップ116では、ドライバスイ
ッチ20が「開」位置から、「閉」或は「中立」位置に
切り換えられたか否かを判断する。そして、ドライバス
イッチ20が「開」位置のままであれば、次ステップ1
18に移行して、ドア開閉用モータ34の正転駆動によ
り、バックドア4が全開状態となって、リミットスイッ
チ46がON状態になったか否かを判断する。そして、
バックドア4が未だ全開状態となっておらず、リミット
スイッチ46がOFF状態のままであれば、再度ステッ
プ116に移行する。
【0036】一方、ステップ116にてドライバスイッ
チ20が「開」位置から「閉」或は「中立」位置に切り
換えられたと判断された場合、或はステップ118にて
リミットスイッチ46がON状態になったと判断された
場合には、バックドア4を開方向に駆動する必要はない
ため、ステップ120に移行して、ドア開閉用モータ3
4の正転駆動のための通電を遮断して、バックドア4を
その時の開度に保持させ、当該処理を一旦終了する。
【0037】次に、ステップ102にて、ドライバスイ
ッチ20がバックドア4の閉指令を表す「閉」位置に設
定されていると判断された場合には、ステップ130に
移行して、バックドア4を閉じるためのドア閉制御処理
を実行する。このドア閉制御処理は、図7に示す如く実
行される。
【0038】すなわち、まずステップ132にて、パワ
ーユニット10に設けられたバックドア4の全閉状態を
検出するためのリミットスイッチ48がON状態である
か否か、つまりバックドア4が既に全開状態になってい
るか否か、を判断する。そして、リミットスイッチ48
がON状態で、バックドア4が既に全閉状態であれば、
バックドア4を閉方向に駆動する必要はないので、その
まま当該処理を終了する。
【0039】一方、リミットスイッチ48がOFF状態
で、バックドア4が全閉状態になっていなければ、続く
ステップ134に移行して、ドア開閉用モータ34をバ
ックドア4の閉方向に逆転させるためにドア開閉用モー
タ34への通電を開始し、続くステップ136にて、上
記ステップ110と同様に、傾斜センサ12からの検出
信号に基づき、車両2の前後方向の傾斜状態は、傾斜の
ない状態(平地)であるか、車両2が後上りに傾斜した
状態(下り坂)であるか、或は車両2が前上りに傾斜し
た状態(上り坂)であるかを判定する。
【0040】そして、このステップ136にて、車両2
の前後方向の傾斜状態は傾斜のない状態(平地)である
と判断された場合には、そのままステップ142に移行
する。また、ステップ136にて、車両2の前後方向の
傾斜状態は車両2が前上りに傾斜した状態(上り坂)で
あると判断された場合には、ステップ138に移行し
て、ドア開閉用モータ34による開閉機構8の駆動力を
車両2の傾斜の程度に応じて増加させるために、ドア開
閉用モータ34への印加電圧を傾斜センサ12により検
出された車両2の後傾傾斜角度に応じて増加させた後、
ステップ142に移行する。また逆に、ステップ136
にて、車両2の前後方向の傾斜状態は車両2が後上りに
傾斜した状態(下り坂)であると判断された場合には、
ステップ140に移行して、ドア開閉用モータ34によ
る開閉機構8の駆動力を車両2の傾斜の程度に応じて減
少させるために、ドア開閉用モータ34への印加電圧を
傾斜センサ12により検出された車両2の前傾傾斜角度
に応じて減少させた後、ステップ142に移行する。
【0041】次に、ステップ142では、ドライバスイ
ッチ20が「閉」位置から、「開」或は「中立」位置に
切り換えられたか否かを判断する。そして、ドライバス
イッチ20が「閉」位置のままであれば、次ステップ1
44に移行して、ドア開閉用モータ34の逆転駆動によ
り、リミットスイッチ46がON状態になったか否かを
判断する。そして、リミットスイッチ46がOFF状態
のままであれば、再度ステップ142に移行する。
【0042】一方、ステップ142にてドライバスイッ
チ20が「閉」位置から「開」或は「中立」位置に切り
換えられたと判断された場合、或はステップ144にて
リミットスイッチ46がON状態になったと判断された
場合には、バックドア4を閉方向に駆動する必要はない
ため、ステップ146に移行して、ドア開閉用モータ3
4の逆転駆動のための通電を遮断して、当該処理を一旦
終了する。
【0043】なお、このステップ146において、ドラ
イバスイッチ20が「閉」位置から「開」或は「中立」
位置に切り換えられている場合には、ドア開閉用モータ
34の回転をその場で停止させることによりバックドア
4をその時の開度に保持させ、リミットスイッチ46が
ON状態になっている場合には、ドア開閉用モータ34
への通電を完全に遮断することにより、既述したよう
に、バックドア4を、自重によって、ロック機構16が
ロックストライカ14に係合してカーテシスイッチ22
a,22bがオン状態となる全閉位置まで移動させる。
【0044】以上説明したように、本実施例のバックド
ア4の自動開閉装置においては、傾斜センサ12を用い
て、車両が平地にあるのか、ドア開閉用モータ34がバ
ックドア4から受ける荷重が平地に比べて大きくなる下
り坂にあるのか、或はドア開閉用モータ34がバックド
ア4から受ける荷重が小さくなる上り坂にあるのかを判
定し、バックドア4を開く際に、車両2が下り坂にある
場合には、ドア開閉用モータ34がバックドア4から受
ける荷重の増加に伴い、バックドア4の開速度が平地に
比べて小さくなるので、ドア開閉用モータ34による開
閉機構8の駆動力を車両2の傾斜の程度に応じて増加さ
せ、逆に車両2が上り坂にある場合には、ドア開閉用モ
ータ34がバックドア4から受ける荷重の減少に伴い、
バックドア4の開速度が平地に比べて大きくなるので、
ドア開閉用モータ34による開閉機構8の駆動力を車両
2の傾斜の程度に応じて減少させている。また、バック
ドア4を閉じる際に、車両2が下り坂にある場合には、
ドア開閉用モータ34がバックドア4から受ける荷重の
増加に伴い、バックドア4の閉速度が平地に比べて大き
くなるので、ドア開閉用モータ34による開閉機構8の
駆動力を車両2の傾斜の程度に応じて減少させ、逆に車
両2が上り坂にある場合には、ドア開閉用モータ34が
バックドア4から受ける荷重の減少に伴い、バックドア
4の閉速度が平地に比べて小さくなるので、ドア開閉用
モータ34による開閉機構8の駆動力を車両2の傾斜の
程度に応じて増加させている。
【0045】このため、本実施例のバックドア4の自動
開閉装置によれば、バックドア4を開く際の開速度及び
バックドア4を閉じる際の閉速度を、夫々、車両2の前
後方向の傾斜に影響されることなく略一定に制御するこ
とができる。従って、従来装置のように、平地に比べて
バックドア4の開閉速度が遅くなって使用者に不便を感
じさせるとか、逆に平地に比べてバックドア4の開閉速
度が早くなって使用者に危険を感じさせる、といったこ
とはなく、バックドア4を常に安定して開閉することが
可能になる。
【0046】ここで上記実施例では、車両2の前後方向
の傾斜を傾斜センサ12を用いて検出するように構成し
たが、車両2の前後方向の傾斜の検出には必ずしも傾斜
センサ12を用いる必要はなく、例えばパワーユニット
10から開閉機構8に供給されるオイルの圧力(油
圧)、ドア開閉用モータ34に流れるモータ電流、或は
ドア開閉用モータ34の回転数等に基づき検出すること
も可能である。
【0047】つまり、車両2が後上りに傾斜している場
合(下り坂)には、バックドア4からパワーユニット1
0に加わる荷重が増加し、逆に車両2が前上りに傾斜し
ている場合(上り坂)には、バックドア4からパワーユ
ニット10に加わる荷重が減少する。このため、バック
ドア4からパワーユニット10に加わる荷重を、パワー
ユニット10から開閉機構8に供給されるオイルの圧力
(油圧)、ドア開閉用モータ34に流れるモータ電流、
或はドア開閉用モータ34の回転数等から検出すること
により、車両2の前後方向の傾斜を検出することができ
るのである。
【0048】そこで、次に、車両2の前後方向の傾斜
を、傾斜センサ12を用いず、油圧、モータ電流、モー
タ回転数から検出して、バックドア4の開閉制御を行な
う場合の処理について説明する。まず図8は、車両2の
前後方向の傾斜を油圧に基づき検出する場合の開閉制御
処理を表すフローチャートである。
【0049】図8に示す如く、この制御処理では、ステ
ップ208にてドア開閉用モータ34の正転駆動を開始
した後、続くステップ250にて、傾斜判定のための油
圧基準値Prを読み込む。この油圧基準値Prは、図9
(a)に示す如く、平地でバックドア4を開方向に駆動
した際に生じる油圧のピーク値PP1であり、予め設定さ
れている。なお、図9(a)は、車両前後傾斜なし(平
地)におけるバックドア4の開動作中の油圧変化を表し
ている。
【0050】次に、続くステップ252では、ドア開閉
用モータ34の正転駆動によって変化する油圧を、パワ
ーユニット10から開閉機構8に至るオイルの供給経路
に設けた図示しない油圧センサを用いてモニタし、その
油圧のピーク値PP2を検出する。そして、続くテップ2
54では、その検出した油圧ピーク値PP2が油圧基準値
Prより大きいか否かによって、車両2が後上りに傾斜
した状態(下り坂)であるか否かを判断する。
【0051】このステップ254にて、油圧ピーク値P
P2が油圧基準値Prより大きく、車両2が後上りに傾斜
した状態(下り坂)であると判断されると、ステップ2
12に移行して、ドア開閉用モータ34による開閉機構
8の駆動力を車両2の傾斜の程度に応じて増加させるた
めに、油圧ピーク値PP2と油圧基準値Prとの差(PP2
−Pr)から車両2の前傾傾斜角度を求め、その前傾傾
斜角度に応じてドア開閉用モータ34への印加電圧を増
加させた後、ステップ216に移行する。
【0052】一方、テップ254にて、油圧ピーク値P
P2が油圧基準値Pr以下で、車両2が後上りに傾斜して
いないと判断されると、ステップ256に移行して、油
圧ピーク値PP2と油圧基準値Prとは等しいか否かによ
って、車両2の前後方向の傾斜はない状態(平地)であ
るか否かを判断する。
【0053】そして、このステップ256にて、油圧ピ
ーク値PP2と油圧基準値Prとが等しく、車両2の前後
方向の傾斜はないと判断されると、そのままステップ2
16に移行し、逆にステップ256にて、油圧ピーク値
PP2と油圧基準値Prとは等しくない、つまり油圧ピー
ク値PP2は油圧基準値Pr未満であり、車両2が前上り
に傾斜した状態(上り坂)であると判断されると、ステ
ップ214に移行し、ドア開閉用モータ34による開閉
機構8の駆動力を車両2の傾斜の程度に応じて減少させ
るために、油圧ピーク値PP2と油圧基準値Prとの差
(PP2−Pr)から車両2の後傾傾斜角度を求め、その
後傾傾斜角度に応じてドア開閉用モータ34への印加電
圧を減少させた後、ステップ216に移行する。
【0054】すなわち、この制御処理においては、車両
2が後上りに傾斜している場合(下り坂)には、図9
(b)に示す如く、バックドア4を開方向に駆動した際
に生じる油圧のピーク値PP2が、図9(a)に示す平地
における油圧のピーク値PP1に比べて大きくなり、逆
に、車両2が前上りに傾斜している場合(上り坂)に
は、図示しないが、バックドア4を開方向に駆動した際
に生じる油圧のピーク値PP2が、図9(a)に示す平地
における油圧のピーク値PP1に比べて小さくなるため、
バックドア4の開動作開始時の油圧ピーク値PP2を求め
て、その油圧ピーク値PP2と予め設定した平地の油圧ピ
ーク値PP2(Pr)とを比較することにより、車両2の
前後方向の傾斜を検出するようにしているのである。
【0055】そして、その検出結果に基づき、ドア開閉
用モータ34の出力を増加或は減少させているため、図
9(b)に示す如く、例えば車両2が後上りに傾斜して
いる場合(下り坂)には、ドア開閉用モータ34の出力
が増加され、バックドア4を開く際の作動時間が、図9
(a)に示す平地の場合の作動時間と略同じになる。
【0056】なお、図9(b)における点線は、ドア開
閉用モータ34を平地と同じ条件で駆動した場合、つま
りモータ出力の増加補正を行なわなかった場合の油圧変
化を表しており、この場合には、バックドア4を開く際
の作動時間が平地に比べて長くなっている。
【0057】また、図8において、ステップ202〜ス
テップ208,及びステップ216〜ステップ220の
一連の処理は、図6におけるステップ102〜ステップ
108,及びステップ116〜ステップ120と同様で
あるので説明は省略する。また、図8に示すステップ2
30のドア開閉制御処理は、傾斜センサ12を用いず、
上記のようにバックドア4の開作動時に求めた油圧ピー
ク値PP2と油圧基準値Prとから車両の傾斜を判定する
以外は、図7に示したドア開閉制御処理と同様に実行さ
れるので、この処理についても説明は省略する。
【0058】次に図10は、車両2の前後方向の傾斜を
ドア開閉用モータ34に流れるモータ電流から検出して
バックドア4の開閉制御を行なう場合の開閉制御処理を
表すフローチャートであり、図11は車両2の前後方向
の傾斜をドア開閉用モータ34の回転数から検出してバ
ックドア4の開閉制御を行なう場合の開閉制御処理を表
すフローチャートである。
【0059】なお、図10及び図11において、ステッ
プ302〜ステップ308,ステップ316〜ステップ
320,ステップ402〜ステップ408,ステップ4
16〜ステップ420の一連の処理は、図8に示すフロ
ーチャートと同様、図6におけるステップ102〜ステ
ップ108,及びステップ116〜ステップ120と同
様であり、またステップ330及び430のドア開閉制
御処理は、傾斜センサ12を用いず、ドア開閉用モータ
34のモータ電流或はその回転数から車両の傾斜を判定
する以外は、図7に示したドア開閉制御処理と同様であ
るので、これら各ステップの処理については説明は省略
し、ここでは、バックドア4の開作動時の車両2の傾斜
判定のみを説明する。
【0060】まず図10に示すバックドア4の開閉制御
処理では、ステップ308にてドア開閉用モータ34の
正転駆動を開始した後、続くステップ350にて、傾斜
判定のためのモータ電流の基準値Irを読み込む。この
モータ電流基準値Irは、上記油圧基準値Prと同様、
平地でバックドア4を開方向に駆動した際に生じるモー
タ電流のピーク値であり、予め設定されている。
【0061】そして、続くステップ352では、ドア開
閉用モータ34の正転駆動によって変化するモータ電流
を、ドア開閉用モータ34の駆動回路に設けた図示しな
い電流検出回路を用いてモニタし、そのモータ電流のピ
ーク値IP2を検出し、続くテップ354にて、その検出
したモータ電流ピーク値IP2がモータ電流基準値Irよ
り大きいか否かによって、車両2が後上りに傾斜した状
態(下り坂)であるか否かを判断する。
【0062】そしてこのステップ354にて、モータ電
流ピーク値IP2がモータ電流基準値Irより大きく、車
両2が後上りに傾斜した状態(下り坂)であると判断さ
れると、ステップ312に移行して、ドア開閉用モータ
34による開閉機構8の駆動力を車両2の傾斜の程度に
応じて増加させるために、モータ電流ピーク値IP2とモ
ータ電流基準値Irとの差(IP2−Ir)から車両2の
前傾傾斜角度を求め、その前傾傾斜角度に応じてドア開
閉用モータ34への印加電圧を増加させた後、ステップ
316に移行する。
【0063】一方、ステップ354にて、モータ電流ピ
ーク値IP2がモータ電流基準値Ir以下で、車両2が後
上りに傾斜していないと判断されると、ステップ356
に移行して、モータ電流ピーク値IP2とモータ電流基準
値Irとは等しいか否かによって、車両2の前後方向の
傾斜はない状態(平地)であるか否かを判断する。
【0064】そして、このステップ356にて、モータ
電流ピーク値IP2とモータ電流基準値Irとが等しく、
車両2の前後方向の傾斜はないと判断されると、そのま
まステップ316に移行し、逆にステップ356にて、
モータ電流ピーク値IP2とモータ電流基準値Irとは等
しくない、つまりモータ電流ピーク値IP2はモータ電流
基準値Ir未満であり、車両2が前上りに傾斜した状態
(上り坂)であると判断されると、ステップ314に移
行し、ドア開閉用モータ34による開閉機構8の駆動力
を車両2の傾斜の程度に応じて減少させるために、モー
タ電流ピーク値IP2とモータ電流基準値Irとの差(I
P2−Ir)から車両2の後傾傾斜角度を求め、その後傾
傾斜角度に応じてドア開閉用モータ34への印加電圧を
減少させた後、ステップ316に移行する。すなわち、
図10に示すバックドア4の開閉制御処理においては、
車両2が後上りに傾斜している場合(下り坂)には、バ
ックドア4を開方向に駆動した際に生じるモータ電流の
ピーク値IP2が、前記油圧と同様、平地におけるモータ
電流のピーク値(基準値Ir)に比べて大きくなり、逆
に、車両2が前上りに傾斜している場合(上り坂)に
は、バックドア4を開方向に駆動した際に生じるモータ
電流のピーク値IP2が、前記油圧と同様、平地における
モータ電流のピーク値(基準値Ir)に比べて小さくな
るため、バックドア4の開動作開始時のモータ電流ピー
ク値IP2を求めて、そのモータ電流ピーク値IP2と予め
設定した平地のモータ電流ピーク値(基準値Ir)とを
比較することにより、車両2の前後方向の傾斜を検出す
るようにしているのである。
【0065】一方、図11に示すバックドア4の開閉制
御処理では、ステップ408にてドア開閉用モータ34
の正転駆動を開始した後、続くステップ450にて、傾
斜判定のためのモータ回転数の基準値Nrを読み込む。
このモータ回転数基準値Nrは、平地でバックドア4の
開方向への駆動を開始して一定時間経過後に生じるドア
開閉用モータ34の回転数であり、予め設定されてい
る。
【0066】そして、続くステップ452では、ステッ
プ408にてドア開閉用モータ34の正転駆動を開始し
た後一定時間経過後のモータ回転数NP2を図示しない回
転数センサにて検出し、続くステップ454にて、その
検出したモータ回転数NP2がモータ回転数基準値Nrよ
り小さいか否かによって、車両2が後上りに傾斜した状
態(下り坂)であるか否かを判断する。
【0067】そしてこのステップ454にて、モータ回
転数NP2がモータ回転数基準値Nrより小さく、車両2
が後上りに傾斜した状態(下り坂)であると判断される
と、ステップ412に移行して、ドア開閉用モータ34
による開閉機構8の駆動力を車両2の傾斜の程度に応じ
て増加させるために、モータ回転数NP2とモータ回転数
基準値Nrとの差(NP2−Nr)から車両2の前傾傾斜
角度を求め、その前傾傾斜角度に応じてドア開閉用モー
タ34への印加電圧を増加させた後、ステップ416に
移行する。
【0068】一方、ステップ454にて、モータ回転数
NP2がモータ回転数基準値Nr以上で、車両2が後上り
に傾斜していないと判断されると、ステップ456に移
行して、モータ回転数NP2とモータ回転数基準値Nrと
は等しいか否かによって、車両2の前後方向の傾斜はな
い状態(平地)であるか否かを判断する。
【0069】そして、このステップ456にて、モータ
回転数NP2とモータ回転数基準値Nrとが等しく、車両
2の前後方向の傾斜はないと判断されると、そのままス
テップ416に移行し、逆にステップ456にて、モー
タ回転数NP2とモータ回転数基準値Nrとは等しくな
い、つまりモータ回転数NP2はモータ回転数基準値Nr
より大きく、車両2が前上りに傾斜した状態(上り坂)
であると判断されると、ステップ414に移行し、ドア
開閉用モータ34による開閉機構8の駆動力を車両2の
傾斜の程度に応じて減少させるために、モータ回転数N
P2とモータ回転数基準値Nrとの差(NP2−Nr)から
車両2の後傾傾斜角度を求め、その後傾傾斜角度に応じ
てドア開閉用モータ34への印加電圧を減少させた後、
ステップ416に移行する。
【0070】すなわち、この制御処理においては、車両
2が後上りに傾斜している場合(下り坂)には、バック
ドア4を開方向に駆動する際のモータ回転数が平地にお
けるモータ回転数に比べて小さくなり、逆に、車両2が
前上りに傾斜している場合(上り坂)には、バックドア
4を開方向に駆動する際のモータ回転数が平地における
モータ回転数に比べて大きくなるため、バックドア4の
開方向への駆動を開始した後、一定時間経過後に生じる
モータ回転数NP2を検出して、その値と、予め設定した
平地におけるモータ回転数Nrとを比較することによ
り、車両2の前後方向の傾斜を検出するようにしている
のである。
【0071】以上、車両2の前後方向の傾斜を、傾斜セ
ンサ12、パワーユニット10から開閉機構8に供給す
る油圧、ドア開閉用モータ34に流れる電流、或はドア
開閉用モータ34の回転数等から検出し、その検出結果
に応じてドア開閉用モータ34の駆動力を制御すること
により、バックドア4開閉時の作動時間を一定にする、
請求項1に記載の発明を適用した実施例について説明し
たが、次に、バックドア4の障害物への衝突を検出して
バックドア4の駆動を停止する請求項2に記載の発明を
適用した実施例について説明する。
【0072】なお本実施例のバックドアの開閉制御装置
の構成は、図2〜図5に示した上記実施例の装置構成と
同様であるため、以下の説明では、上記実施例と異なる
バックドア4の開閉制御処理のみを説明する。まず図1
2は、バックドア4の障害物への衝突をドア開閉用モー
タ34の回転数変化から検出する場合の開閉制御処理を
表すフローチャートである。
【0073】図12に示す如く、この開閉制御処理にお
いては、まずステップ502にて、ドライバスイッチ2
0がバックドア4の開指令を表す「開」位置及びバック
ドア4を現在の開度に保持する保持指令を表す「中立」
位置のいずれかに設定されているか、或はバックドア4
の閉指令を表す「閉」位置に設定されているかを判定す
る。そして、ドライバスイッチ20が「開」又は「中
立」位置に設定されている場合には、続くステップ50
4に移行して、今度はドライバスイッチ20が「開」位
置に設定されているか否かを判断し、ドライバスイッチ
20が「開」位置に設定されていれば、続くステップ5
06に移行する。
【0074】ステップ506では、パワーユニット10
に設けられたバックドア4の全開状態を検出するための
リミットスイッチ46がON状態であるか否か、つまり
バックドア4が既に全開状態になっているか否か、を判
断し、リミットスイッチ46がON状態でなく、バック
ドア4が全開状態でなければ、バックドア4を開方向に
駆動するためにステップ508に移行する。
【0075】一方、ステップ504にてドライバスイッ
チ20が「中立」位置に設定されていると判断された場
合、或はステップ506にてリミットスイッチ46がO
N状態であり、バックドア4が既に全開状態になってい
ると判断された場合には、バックドア4を開方向に駆動
する必要はないため、そのまま当該処理を終了する。
【0076】次に、ステップ508では、ドア開閉用モ
ータ34をバックドア4の開方向に正転させるためにド
ア開閉用モータ34への通電を開始し、続くステップ5
10にて、傾斜センサ12からの検出信号に基づき、車
両2の前後方向の傾斜状態は、傾斜のない状態(平地)
であるか、車両2が後上りに傾斜した状態(下り坂)で
あるか、或は車両2が前上りに傾斜した状態(上り坂)
であるかを判定する。
【0077】なお、ステップ508において、ドア開閉
用モータ34の正転駆動を開始する際、カーテシスイッ
チ22a,22bがON状態となっている場合、つまり
ロック機構16によりバックドア4が全閉状態にロック
されている場合には、ソレノイド18を通電してロック
状態を解除する。
【0078】そして、ステップ510にて、車両2の前
後方向の傾斜状態は傾斜のない状態(平地)であると判
断された場合には、そのままステップ516に移行す
る。また、ステップ510にて、車両2の前後方向の傾
斜状態は車両2が後上りに傾斜した状態(下り坂)であ
ると判断された場合には、ステップ512に移行して、
ドア開閉用モータ34の回転数からバックドア4の障害
物への衝突を判定するための判定基準となるモータ回転
数判定値を、傾斜センサ12により検出された車両2の
前傾傾斜角度に応じて減少させた後、ステップ516に
移行する。また逆に、ステップ510にて、車両2の前
後方向の傾斜状態は車両2が前上りに傾斜した状態(上
り坂)であると判断された場合には、ステップ514に
移行して、上記モータ回転数判定値を、傾斜センサ12
により検出された車両2の後傾傾斜角度に応じて増加さ
せた後、ステップ516に移行する。
【0079】次に、ステップ516では、ドア開閉用モ
ータ34に設けた図示しない回転数センサにより検出さ
れるモータ回転数が、上記モータ回転数判定値以下であ
るか否かによって、バックドア4が障害物に衝突してモ
ータ回転数が低下しているか否かを判断する。
【0080】そして、モータ回転数がモータ回転数判定
値以下であれば、バックドア4が障害物に衝突した異常
状態であると判断して、そのままステップ522に移行
し、逆にモータ回転数がモータ回転数判定値を越えてい
れば、バックドア4が障害物に衝突していない正常状態
であると判断して、ステップ518に移行する。
【0081】次に、ステップ518では、ドライバスイ
ッチ20が「開」位置から、「閉」或は「中立」位置に
切り換えられたか否かを判断する。そして、ドライバス
イッチ20が「開」位置のままであれば、次ステップ5
20に移行して、ドア開閉用モータ34の正転駆動によ
り、バックドア4が全開状態となって、リミットスイッ
チ46がON状態になったか否かを判断する。そして、
バックドア4が未だ全開状態となっておらず、リミット
スイッチ46がOFF状態のままであれば、再度ステッ
プ116に移行する。
【0082】一方、ステップ518にてドライバスイッ
チ20が「開」位置から「閉」或は「中立」位置に切り
換えられたと判断された場合、或はステップ520にて
リミットスイッチ46がON状態になったと判断された
場合には、バックドア4を開方向に駆動する必要はない
ため、ステップ522に移行する。
【0083】そしてステップ522では、ドア開閉用モ
ータ34の正転駆動のための通電を遮断して、バックド
ア4をその時の開度に保持させ、当該処理を一旦終了す
る。一方、ステップ502にて、ドライバスイッチ20
がバックドア4の閉指令を表す「閉」位置に設定されて
いると判断された場合には、ステップ530に移行し
て、バックドア4を閉じるためのドア閉制御処理を実行
する。
【0084】このドア閉制御処理は、図7に示すドア閉
制御処理と同様、ドライバスイッチ20が「開」又は
「中立位置」に切り換えられるか、或はリミットスイッ
チ48がONするまでの間、ドア開閉用モータ34を逆
転駆動してバックドア4を閉方向に移動させるための処
理であり、バックドア4の障害物への衝突判定は、上記
ステップ516と同様に実行され、車両2の前後方向の
傾斜に対するモータ回転数判定値の補正は、上記ステッ
プ510〜ステップ514の処理とは逆に、車両2が後
上りに傾斜した状態(下り坂)である場合にはモータ回
転数判定値を車両2の前傾傾斜角度に応じて増加させ、
車両2が前上りに傾斜した状態(上り坂)である場合に
はモータ回転数判定値を車両2の後傾傾斜角度に応じて
減少させるといった手順で実行される。
【0085】このように、本実施例のバックドア4の開
閉制御処理においては、傾斜センサ12を用いて、車両
が平地にあるのか、ドア開閉用モータ34がバックドア
4から受ける荷重が平地に比べて大きくなる下り坂にあ
るのか、或はドア開閉用モータ34がバックドア4から
受ける荷重が小さくなる上り坂にあるのかを判定し、バ
ックドア4を開く際に、車両2が下り坂にある場合に
は、ドア開閉用モータ34がバックドア4から受ける荷
重の増加に伴いドア開閉用モータ34の回転数が平地に
比べて小さくなるので、モータ回転数判定値を車両2の
傾斜の程度に応じて減少させ、逆に車両2が上り坂にあ
る場合には、ドア開閉用モータ34がバックドア4から
受ける荷重の減少に伴いドア開閉用モータ34の回転数
が平地に比べて大きくなるので、モータ回転数判定値を
車両2の傾斜の程度に応じて増加させている。また、バ
ックドア4を閉じる際に、車両2が下り坂にある場合に
は、ドア開閉用モータ34がバックドア4から受ける荷
重の増加に伴いドア開閉用モータ34の回転数が平地に
比べて大きくなるので、モータ回転数判定値を車両2の
傾斜の程度に応じて増加させ、逆に車両2が上り坂にあ
る場合には、ドア開閉用モータ34がバックドア4から
受ける荷重の減少に伴いドア開閉用モータ34の回転数
が平地に比べて小さくなるので、モータ回転数判定値を
車両2の傾斜の程度に応じて減少させている。
【0086】このため、本実施例のバックドア4の自動
開閉装置によれば、バックドアの障害物への衝突を、車
両の前後方向の傾斜に影響されることなく、バックドア
が障害物から受ける外部荷重が所定値に達したときに検
出することができる。従って、従来装置のように、バッ
クドアの障害物への衝突検出が遅れたり、逆にバックド
アの障害物への衝突をわずかなショックで検出してしま
う、といったことはなく、バックドア4の障害物への衝
突を常に安定して検出して、バックドア4の開閉作動を
停止することができ、衝突時にバックドア4やその駆動
系に生じる歪等を最小限に抑えることが可能になる。
【0087】次に、図13は、バックドア4の障害物へ
の衝突をドア開閉用モータ34に流れるモータ電流の変
化から検出する場合の開閉制御処理を表すフローチャー
トである。なお、図13において、ステップ602〜ス
テップ610及びステップ618〜ステップ622の一
連の処理は、図12のステップ502〜ステップ510
及びステップ518〜ステップ522と同様であるので
説明は省略し、ここでは、モータ電流からバックドア4
の障害物への衝突を検出する手順及びその判定値の補正
手順についてのみ説明する。
【0088】図13に示す如く、ステップ608にてド
ア開閉用モータ34を正転駆動した後、ステップ610
にて、車両2の前後方向の傾斜状態は傾斜のない状態
(平地)であると判断された場合には、そのままバック
ドア4の障害物への衝突を判定するステップ616に移
行する。
【0089】一方、ステップ610にて、車両2の前後
方向の傾斜状態は車両2が後上りに傾斜した状態(下り
坂)であると判断された場合には、ステップ612に移
行して、ドア開閉用モータ34に流れるモータ電流から
バックドア4の障害物への衝突を判定するための判定基
準となるモータ電流判定値を、傾斜センサ12により検
出された車両2の前傾傾斜角度に応じて増加させた後、
ステップ616に移行する。
【0090】また逆に、ステップ610にて、車両2の
前後方向の傾斜状態は車両2が前上りに傾斜した状態
(上り坂)であると判断された場合には、ステップ61
4に移行して、上記モータ電流判定値を、傾斜センサ1
2により検出された車両2の後傾傾斜角度に応じて増加
させた後、ステップ616に移行する。
【0091】そしてステップ616では、ドア開閉用モ
ータ34の駆動回路に設けた図示しない電流検出回路に
より検出されるモータ電流が、上記モータ電流判定値以
上であるか否かによって、バックドア4が障害物に衝突
してモータ電流が異常に上昇しているか否かを判断す
る。
【0092】そして、モータ電流がモータ電流判定値以
上であれば、バックドア4が障害物に衝突した異常状態
であると判断して、バックドア4をその時の開度に保持
させるステップ622にそのまま移行し、逆にモータ電
流がモータ電流判定値未満であれば、バックドア4が障
害物に衝突していない正常状態であると判断して、ステ
ップ618に移行する。
【0093】なお、ステップ602にて、ドライバスイ
ッチ20がバックドア4の閉指令を表す「閉」位置に設
定されていると判断された場合には、ステップ630に
移行して、バックドア4を閉じるためのドア閉制御処理
を実行するが、このドア閉制御処理におけるバックドア
4の障害物への衝突判定は、上記ステップ616と同様
に実行され、車両2の前後方向の傾斜に対するモータ電
流判定値の補正は、上記ステップ610〜ステップ61
4の処理とは逆に、車両2が後上りに傾斜した状態(下
り坂)である場合にはモータ電流判定値を車両2の前傾
傾斜角度に応じて減少させ、車両2が前上りに傾斜した
状態(上り坂)である場合にはモータ電流判定値を車両
2の後傾傾斜角度に応じて増加させるといった手順で実
行される。
【0094】このように、図13に示すバックドア4の
開閉制御処理においては、車両2が後上りに傾斜してい
る場合(下り坂)には、バックドア4を開方向に駆動す
る際のモータ電流が平地に比べて大きくなり、逆に、車
両2が前上りに傾斜している場合(上り坂)には、バッ
クドア4を開方向に駆動する際のモータ電流が平地に比
べて小さくなるため、バックドア4を開方向に駆動する
際のモータ電流判定値を、車両2の前後方向の傾斜に応
じて、車両2が下り坂にある場合には平地に比べて増加
させ、逆に車両2が上り坂にある場合には平地に比べて
減少させることによって、モータ電流からバックドア4
の障害物への衝突を判定するようにしている。また、車
両2が後上りに傾斜している場合(下り坂)には、バッ
クドア4を閉方向に駆動する際のモータ電流が平地に比
べて小さくなり、逆に、車両2が前上りに傾斜している
場合(上り坂)には、バックドア4を閉方向に駆動する
際のモータ電流が平地に比べて小さくなるため、バック
ドア4を閉方向に駆動する際のモータ電流判定値を、車
両2の前後方向の傾斜に応じて、車両2が下り坂にある
場合には平地に比べて減少させ、逆に車両2が上り坂に
ある場合には平地に比べて増加させることによって、モ
ータ電流からバックドア4の障害物への衝突を判定する
ようにしている。従って、図13に示すバックドア4の
開閉制御処理においても、上記図12に示した開閉制御
処理と同様、バックドア4の障害物への衝突を常に安定
して検出することが可能になる。
【0095】以上、バックドア4の障害物への衝突を、
ドア開閉用モータ34の回転数及びモータ電流から夫々
検出する実施例について説明したが、バックドア4の障
害物への衝突は、パワーユニット10から開閉機構8に
供給する油圧の変化から検出するようにしてもよく、そ
の場合は、衝突判定用の油圧を、車両2の前後方向の傾
斜に応じて、モータ電流判定値と同様に補正するように
すればよい。
【0096】また、上記実施例では、傾斜センサ12を
用いて車両2の前後方向の傾斜を検出して、衝突判定用
のモータ回転数判定値やモータ電流判定値を補正するよ
うにしたが、図8,図10,図11に示した開閉制御処
理のように、バックドア4の開方向への駆動開始直後
の、油圧、モータ電流、或はモータ回転数等から車両の
前後方向の傾斜を検出して、衝突判定用のモータ回転数
判定値やモータ電流判定値を補正するようにしてもよ
い。なお、この場合、バックドア4の開方向への駆動開
始直後にバックドア4が障害物に衝突した場合、つま
り、車両2の前後方向の傾斜を検出する前にバックドア
4が障害物に衝突した場合には、それ以前に設定された
衝突判定値が使用されることになるため、バックドア4
の衝突判定遅れ等が生じることがある。
【0097】ここで上記各実施例では、パワーユニット
10のシリンダ30の駆動源としてドア開閉用モータ3
4を用いたが、車両2のエンジンの回転をクラッチ機構
を介してシリンダ30に伝達することにより、エンジン
を駆動源として用いるようにしてもよい。またパワーユ
ニット10は、電動モータや車両のエンジンを駆動源と
して圧油を発生する油圧ポンプを用いてもよい。
【0098】また上記各実施例では、バックドア4の開
閉機構8として、オイルを給排することによりピストン
ロッド26を伸縮させる油圧シリンダ24とリンク部材
28とからなるものを使用したが、例えば図14に示す
如く、電動モータ60により駆動されるワイヤ巻取機6
2と、ワイヤ巻取機62により巻き取り・送り出される
ワイヤ64によって伸縮するピストンロッド68を有す
るガイドシリンダ70とを備え、電動モータ60を正転
・逆転させることにより、ピストンロッド68を伸縮さ
せてバックドア4を自動開閉する装置においても、本発
明を適用して上記実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0099】なお、図14において、上記実施例の自動
開閉装置と同様の部分については図2と同じ符号を付
し、説明は省略するが、ピストンロッド68及びガイド
シリンダ70からなる開閉機構の構成については、図1
5を用いて簡単に説明する。ピストンロッド68は、ガ
イドシリンダ70内に軸方向に摺動可能に収納されてお
り、この開閉機構の外観を表す図15(A)に示す如
く、ピストンロッド68の先端には、バックドア4に回
動自在に固定するための板状の固定部68aが、またガ
イドシリンダ70の後端には、車両2の開口部に回動自
在に固定するための板状の固定部70aが、夫々形成さ
れている。つまり、当該開閉機構は、これら各固定部6
8a,70aを介してバックドア4及び車両2の開口部
に固定し、ピストンロッド68を伸縮させることによ
り、バックドア4を開閉できるようにされている。
【0100】また図15(A)に示すX−X線に沿った
断面図である図15(B)に示す如く、ピストンロッド
68のバックドア4に対する固定部68aと反対側の端
部の上下位置には、夫々、突起72a,72bが設けら
れており、この突起72a,72bには、ワイヤ巻取機
62により双方向に巻き取り・送り出される伸張用ワイ
ヤ64aと収縮用ワイヤ64bとの各先端部が、夫々、
巻着されている。なおこの伸張用ワイヤ64aと収縮用
ワイヤ64bとは、一本のワイヤ64の両端部分であ
る。
【0101】また、ガイドシリンダ70内のピストンロ
ッド68が突出する側の端部付近には、滑車軸74aが
固定されており、この滑車軸74aは、ピストンロッド
68に設けられた長穴76を貫通してピストンロッド6
8内部に突出している。そして、ピストンロッド68内
部でこの滑車軸74aに滑車74が回動自在に取り付け
られている。一方、ガイドシリンダ70の固定部70a
側の端部・開口部には、一対の滑車軸78a,80aが
固定され、各滑車軸78a,80aには夫々滑車78,
80が回動自在に取り付けられている。
【0102】そして、伸張用ワイヤ64aは、突起72
aからピストンロッド68の内部で滑車74に掛けられ
てから下方に張設され、更に滑車78に掛けられてから
ガイドシリンダ70の端部・開口部から外部に引き出さ
れている。また、収縮用ワイヤ64bは、突起72bか
ら滑車80に掛けられてから、直接にガイドシリンダ7
0の端部・開口部から外部に引き出されている。
【0103】従って、電動モータ60を正転駆動してワ
イヤ巻取機62により、ワイヤ64を図15(B)に示
す矢印A方向に巻取れば、ピストンロッド68がガイド
シリンダ70から突出して、バックドア4が開き、逆に
電動モータ60を逆転駆動してワイヤ巻取機62によ
り、ワイヤ64を図15(B)に示す矢印B方向に巻取
れば、ピストンロッド68がガイドシリンダ70内に収
納されて、バックドア4が閉じるようになる。
【0104】また、ガイドシリンダ70内部のピストン
ロッド68の端部が当接する部分には、ピストンロッド
68が最も突出したとき、つまりバックドア4が全開状
態になったときにONするリミットスイッチ84と、逆
にピストンロッド68が最も収納されたとき、つまりバ
ックドア4が全閉状態になったときにONするリミット
スイッチ86とが、夫々設けられている。
【0105】また、ガイドシリンダ70の内部側面を摺
動するピストンロッド68の端部の外周面と、ガイドシ
リンダ70のピストンロッド68が突出する側の端部の
内周面には、夫々、給油なしで一定の摩擦力を保つため
のオイルメタル88,89が設けられている。そして、
この摩擦力は、バックドア4の重量だけでは、ピストン
ロッド68がガイドシリンダ70で移動しないように予
め調整されている。
【0106】このように構成されたバックドア4の自動
開閉装置においては、上記各実施例と同様に、電動モー
タ60を正転・逆転駆動することにより、バックドア4
を自動開閉することができる。従って、上記各実施例の
ように、この電動モータ60の駆動力を車両2の前後方
向の傾斜に応じて増減したり、モータ電流やモータ回転
数の変化からバックドア4の障害物への衝突を検出する
際の判定値を車両2の前後方向の傾斜に応じて増減する
ことにより、上記各実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】実施例のバックドアの自動開閉装置の全体構成
を表す概略構成図である。
【図3】実施例のバックドアの自動開閉装置を車両後方
から見た状態を表す装置各部の配置地図である。
【図4】パワーユニットの構成を表す平面図である。
【図5】パワーユニット及びパワーユニットから油圧供
給を受ける油圧シリンダを表す斜視図である。
【図6】車両の傾斜を傾斜センサを用いて検出する場合
に実行されるバックドアの開閉制御処理を表すフローチ
ャートである。
【図7】図6に示すステップ130にて実行されるドア
閉制御処理を表すフローチャートである。
【図8】車両の傾斜を油圧を用いて検出する場合に実行
されるバックドアの開閉制御処理を表すフローチャート
である。
【図9】図8に示す開閉制御処理の動作を説明するタイ
ムチャートである。
【図10】車両の傾斜をモータ電流を用いて検出する場
合に実行されるバックドアの開閉制御処理を表すフロー
チャートである。
【図11】車両の傾斜をモータ回転数を用いて検出する
場合に実行されるバックドアの開閉制御処理を表すフロ
ーチャートである。
【図12】モータ回転数からバックドアの障害物への衝
突を検出する場合に実行されるバックドアの開閉制御処
理を表すフローチャートである。
【図13】モータ電流からバックドアの障害物への衝突
を検出する場合に実行されるバックドアの開閉制御処理
を表すフローチャートである。
【図14】油圧シリンダを用いずバックドアを自動開閉
させる自動開閉装置の構成を表す概略構成図である。
【図15】図14に示す自動開閉装置における開閉機構
の構成を表す説明図である。
【符号の説明】
2…車両 4…バックドア 6…ヒンジ 8…開
閉機構 9…オイル供給チューブ 10…パワーユニット
12…傾斜センサ 16…ロック機構 18…ソレノイド 20…ドラ
イバスイッチ 22a,22b…カーテシスイッチ 24…油圧シリ
ンダ 28…リンク部材 34…ドア開閉用モータ 36
…減速機 46,48…リミットスイッチ 50…ECU(電子
制御ユニット) 60…電動モータ 62…ワイヤ巻取機 64…ワ
イヤ 68…ピストンロッド 70…ガイドシリンダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両後部に配設され上端が車両本体に枢
    支されたバックドアを上下方向に開閉するための開閉機
    構と、 該開閉機構に駆動力を与えて上記バックドアを開閉させ
    る駆動手段と、 外部からの開閉指令を受けて、上記駆動手段をバックド
    アの開方向又は閉方向に駆動させる開閉制御手段と、 を備えた車両用バックドアの自動開閉装置において、 車両の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出手段と、 該傾斜検出手段により検出された車両前後方向の傾斜に
    応じて上記駆動手段の駆動力を増減して、上記バックド
    アの開閉速度を安定させる駆動力制御手段と、 を設けたことを特徴とする車両用バックドアの自動開閉
    装置。
  2. 【請求項2】 車両後部に配設され上端が車両本体に枢
    支されたバックドアを上下方向に開閉するための開閉機
    構と、 該開閉機構に駆動力を与えて上記バックドアを開閉させ
    る駆動手段と、 外部からの開閉指令を受けて、上記駆動手段をバックド
    アの開方向又は閉方向に駆動させる開閉制御手段と、 上記バックドアの開閉時に、上記駆動手段が上記開閉機
    構を介して上記バックドアから受ける荷重を検出する荷
    重検出手段と、 該荷重検出手段により検出された荷重が所定の判定基準
    を越えたか否かを判定し、該荷重が所定の判定基準を越
    えた場合に、上記バックドアの障害物への衝突を検出す
    る障害物検出手段と、 該障害物検出手段が上記バックドアの障害物への衝突を
    検出すると、上記開閉制御手段による上記駆動手段の駆
    動を停止させる開閉停止手段と、 を備えた車両用バックドアの自動開閉装置において、 車両の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出手段と、 該傾斜検出手段により検出された車両前後方向の傾斜に
    応じて、上記障害物検出手段における上記判定基準を増
    減して、障害物検出時に上記障害物から上記バックドア
    に加わる外部荷重を安定させる判定基準補正手段と、 を設けたことを特徴とする車両用バックドアの自動開閉
    装置。
  3. 【請求項3】 上記傾斜検出手段を、上記バックドアの
    開動作開始時に上記駆動手段が上記開閉機構を介して上
    記バックドアから受ける荷重に基づき、車両の前後方向
    の傾斜を検出するように構成してなることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の車両用バックドアの自動
    開閉装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085434A (ja) * 2001-04-20 2009-04-23 Stabilus Gmbh カバー用作動装置
CN105888430A (zh) * 2016-06-03 2016-08-24 肇庆高新区凯盈顺汽车设计有限公司 电动车尾门
JPWO2018003925A1 (ja) * 2016-06-30 2019-04-04 国立大学法人宇都宮大学 鏡視下医療を支援可能なマニピュレータ、それを備えた医療用具、およびマニピュレータの作業性評価方法
CN114604181A (zh) * 2020-12-04 2022-06-10 上海汽车集团股份有限公司 一种具有能够隐藏的传感器的车辆

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