JP2022014256A - ステアリングホイール位置調整装置 - Google Patents
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Abstract
Description
自動運転と手動運転との両方が可能な車両には、手動運転に使用するステアリングホイールが設けられるが、自動運転時にはステアリングホイールを格納することで、運転席の前方の空間を確保して運転席に座る乗員に快適な空間を提供できる。
本発明は、上記の事情を鑑みて考案されたものであり、自動運転から手動運転への切り替え時において、自動運転時の格納位置から運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイールを移動させることを目的とする。
なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、実施形態のステアリングホイール位置調整装置が備える電動式ステアリング装置の概略構成図である。この電動式ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を支持するコラムが縮小してステアリングホイール2を格納できる機構を採用しており、例えば自動運転時にステアリングホイール2を格納できる。格納されたステアリングホイール2の位置を、以下「格納位置」と表記する。
運転者の好みの位置に調整されたステアリングホイール2の位置を、以下「調整済位置」と表記する。調整済位置は、特許請求の範囲に記載の「手動運転時の非格納位置」の一例である。
アッパコラム4は、内部空間にステアリングシャフト3のユニバーサルジョイント(図示せず)を収容している。アッパコラム4は、第1可動コラム5の後端に形成されたフォーク部51にチルトヒンジピン52を介してチルト可能に取り付けられている。すなわち、アッパコラム4を、チルトヒンジピン52を支点として適宜揺動させることにより、ステアリングホイール2のチルト位置を調整することができる
ステアリングホイール2を格納位置に格納する際には、車体側に固定されたロアコラム7に第2可動コラム6を繰り入れて、ロアコラム7に対して第2可動コラム6を後退させる(すなわち車両前方方向に移動させる)。
ステアリングホイール2が格納された状態における第2可動コラム6に対する第1可動コラム5の相対位置を「第1後退位置」と表記し、第2可動コラム6の位置を「第2後退位置」と表記する。
また、必要に応じて第1可動コラム5を第2可動コラム6から繰り出して、第2可動コラム6に対して第1可動コラム5を前進させる。
第2前進位置に位置づけられた第2可動コラム6に対して第1可動コラム5を適宜進退させることにより、アッパコラム4がステアリングシャフト3と共に軸線方向に移動し、ステアリングホイール2のテレスコピック位置を調整することができる。
リトラクタブルアクチュエータ8は、電動モータ(例えばブラシ付直流モータ)80と、ギアボックス81を介して電動モータ80に駆動される伸縮ロッド装置82と、を備える。例えば、伸縮ロッド装置82は電動モータ80によって駆動される送りネジ機構であってよい。伸縮ロッド装置82から延びるアクチュエータロッド82aは、電動モータ80の回転に応じて伸縮する。
伸縮ロッド装置82からアクチュエータロッド82aを繰り出してリトラクタブルアクチュエータ8を伸長させることにより、第2可動コラム6がロアコラム7から繰り出され、第2可動コラム6を第2前進位置まで移動させることができる。
反対に、伸縮ロッド装置82内にアクチュエータロッド82aを収納してリトラクタブルアクチュエータ8を縮小させることにより、第2可動コラム6がロアコラム7に繰り入れされ、第2可動コラム6を第2後退位置まで移動させることができる。
テレスコアクチュエータ9は、電動モータ(例えばブラシ付直流モータ)90と、ギアボックス91を介して電動モータ90に駆動される伸縮ロッド装置92と、を備える。例えば、伸縮ロッド装置92は電動モータ90によって駆動される送りネジ機構であってよい。伸縮ロッド装置92から延びるアクチュエータロッド92aは、電動モータ90の回転に応じて伸縮する。
伸縮ロッド装置92からアクチュエータロッド92aを繰り出してテレスコアクチュエータ9を伸長させることにより、第1可動コラム5が第2可動コラム6から繰り出され、ステアリングホイール2が後退させることができる。
反対に、伸縮ロッド装置92内にアクチュエータロッド92aを収納してテレスコアクチュエータ9を縮小させることにより、第1可動コラム5が第2可動コラム6に繰り込まれ、ステアリングホイール2を前進させることができる。
チルトアクチュエータ14は、アッパコラム4に固定されたブラケット41にピン42で枢着されており、ヒンジを構成している。
同様に、テレスコアクチュエータ9とチルトアクチュエータ14と共用してもよい。この場合、テレスコアクチュエータ9のアクチュエータロッド92aの連結相手を、第1可動コラム5のブラケット53とアッパコラム4のブラケット41との間で切り換えるクラッチを設けてもよい。
制御装置100は、車両に搭載されたバッテリ200からのバッテリ電圧が入力される電源回路101と、自動運転を実施する電子制御ユニットである車両ECU(Electronic Control Unit)201との間の通信インタフェース(通信IF)102と、記憶装置103を備える。記憶装置103には、ステアリングホイール位置調整装置の内部ステータスとして、乗員によって適宜設定されたステアリングホイール2の調整済位置や、リトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14の状態を記憶する。
車両ECU201は、通信インタフェース102を介してリトラクタブル信号をMCU104に入力する。リトラクタブル信号は、ステアリングホイール2を格納位置に格納し、又は格納位置から搬出することを指示する信号である。
車両ECU201は、手動運転から自動運転への切り替え時にステアリングホイール2を格納位置に格納することを指示するリトラクタブル信号「格納」を出力する。
自動運転又は手動運転が継続している間は、車両ECU201は、ステアリングホイール2の格納及び搬出を禁止するリトラクタブル信号「停止」を出力する。
チルトマニュアルスイッチ202は、ステアリングホイール2のチルト位置の調整指示を乗員から受け付けて、ステアリングホイール2の傾きを変化させるスイッチ信号をMCU104に入力する。
具体的には、テレスコピック位置を表す情報として、テレスコアクチュエータ9の伸長量(すなわち、アクチュエータロッド92aの繰り出し位置又は繰り出し量)が記憶される。チルト角度を表す情報として、チルトアクチュエータ14の伸長量(すなわち、アクチュエータロッドの繰り出し位置又は繰り出し量)が記憶される。
乗員の操作が終了して、テレスコピック位置及び/又はチルト角度がもはや変化しなくなると、その時点のテレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14の伸長量が、最終的に記憶装置103に記憶される。記憶装置103に最終的に記憶されたこれらの伸長量で決定されるテレスコピック位置及びチルト角度が、上記の「調整済位置」に相当する。
リトラクタブルコントローラ110は、モータ駆動回路111と位置検出回路112を備える。モータ駆動回路111は、MCU104からの駆動信号に基づいてリトラクタブルアクチュエータ8の電動モータ80を駆動制御する。MCU104は、例えば電動モータ80をオンオフ制御してよい。ここで、「オンオフ制御」とは、電動モータをオン及びオフすることにより、アクチュエータの伸長量を目標値に近付ける制御をいう。
また、MCU104は、例えばPWM制御によって電動モータ80を速度制御、トルク制御してもよい。「速度制御」とは、電動モータの目標回転速度を設定して、電動モータの回転速度を目標回転速度に近付ける制御をいい、「トルク制御」とは、電動モータの目標トルクを設定して、電動モータの発生トルクを目標トルクに近付ける制御をいう。
テレスコアクチュエータ9には、電動モータ90の回転軸の回転位置を検出する回転位置センサ93が設けられており、位置検出回路122は、回転位置センサ93が検出した回転位置に基づいてテレスコアクチュエータ9のアクチュエータロッド92aの繰り出し位置(すなわちテレスコアクチュエータ9の伸長量)を検出する。位置検出回路122は、検出した繰り出し位置をMCU103に入力する。
チルトアクチュエータ14には、電動モータ90の回転軸の回転位置を検出する回転位置センサ143が設けられており、位置検出回路132は、回転位置センサ143が検出した回転位置に基づいてチルトアクチュエータ14のアクチュエータロッドの繰り出し位置(すなわちチルトアクチュエータ14の伸長量)を検出する。位置検出回路132は、検出した繰り出し位置をMCU103に入力する。
図3の(a)は、手動運転時の電動式ステアリング装置1の状態の一例を示す図であり、図3の(b)は自動運転時の電動式ステアリング装置1の状態の一例を示す図である。
自動運転時(図3の(b))では、第1可動コラム5及び第2可動コラム6がそれぞれ第1後退位置及び第2後退位置にあり、コラム5~7が縮小してステアリングホイール2が格納位置に格納されている。
リトラクタブル信号「格納」を受信したMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。
例えばMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8のロック状態が閾値時間以上継続する場合に、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定し、ロック状態が閾値時間以上継続しない場合に異常が発生していないと判定してよい。
例えば、MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8の駆動信号を出力しているにも関わらず、リトラクタブルアクチュエータ8の伸長量(例えば、アクチュエータロッド82aの繰り出し位置)に変化がない場合に、リトラクタブルアクチュエータ8がロック状態にあると判定してよい。
なお、ステアリングホイール2が格納位置にある状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置と、ステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられた状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置との間に変化がない場合(すなわち、第1後退位置と第1前進位置とが等しい場合)には、テレスコアクチュエータ9を駆動する必要はない。
リトラクタブル信号「搬出」を受信したMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。
例えばMCU104は、テレスコアクチュエータ9のロック状態が閾値時間以上継続する場合に、テレスコアクチュエータ9に異常が発生したと判定し、ロック状態が閾値時間以上継続しない場合に異常が発生していないと判定してよい。
例えば、MCU104は、テレスコアクチュエータ9の駆動信号を出力しているにも関わらず、テレスコアクチュエータ9の伸長量(例えば、アクチュエータロッド92aの繰り出し位置)に変化がない場合に、テレスコアクチュエータ9がロック状態にあると判定してよい。
そして、MCU104は、テレスコアクチュエータ9が伸長量L2だけ伸長するまで、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が伸長する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
なお、ステアリングホイール2が格納位置にある状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置と、ステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられた状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置との間に変化がない場合(すなわち、第1後退位置と第1前進位置とが等しい場合)には、テレスコアクチュエータ9を駆動する必要はない。
なお、MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8の駆動期間と少なくとも一部重複する期間でテレスコアクチュエータ9を駆動してよい。例えば、リトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9を同時に駆動してよい。
これにより、リトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9に異常が発生していない場合には、ステアリングホイール2を速やかに格納位置から調整済位置へ搬出できる。
この結果、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。
具体的には、テレスコアクチュエータ9が伸長量L3だけ伸長するまで、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が伸長する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
例えば、伸長量L3が伸長量L2よりも長ければ、より運転者の近くまでステアリングホイール2を搬出できる。これにより、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。伸長量L3は、例えばテレスコアクチュエータ9の最大伸長量であってよい。
警報は、例えば、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していることや、リトラクタブルアクチュエータ8の異常によりステアリングホイール2を調整済位置まで搬出できないことを知らせる警報であってよい。
また、テレスコアクチュエータ9が伸長量L3まで伸長した時点でステアリングホイール2が格納位置から調整済位置の途中で停止した場合に、ステアリングホイール2の搬出が完了したことを知らせる警報であってよい。
この場合にMCU104は、例えば、電動式ステアリング装置1の異常を知らせる異常信号や、手動運転へ移行できないことを知らせる異常信号を車両ECU201に出力してよい。これにより、最小リスク操作を車両ECU201に促してもよい。最小リスク操作は、例えば、車両を車線変更させて路肩に寄せて停車させる運転操作や、あるいは単に車両を減速又は停車させる運転操作であってよい。
次に、図4を参照して、実施形態の制御装置100の動作を説明する。
ステップS1においてMCU104は、車両ECU201からリトラクタブル信号を読み込む。
ステップS2においてMCU104は、読み込んだリトラクタブル信号が、ステアリングホイール2を格納位置から調整済位置へ移動させること(搬出すること)を指示する信号「搬出」であるか否かを判定する。読み込んだリトラクタブル信号が信号「搬出」である場合(ステップS2:Y)に処理はステップS3へ進む。読み込んだリトラクタブル信号が信号「搬出」でない場合(ステップS2:N)に処理はステップS9へ進む。
ステップS4においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であるか否か、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。リトラクタブルアクチュエータ8が正常である場合、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していない場合(ステップS4:Y)に処理はステップS5へ進む。
ステップS5においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8を駆動してステアリングホイール2を格納位置から移動させる(搬出する)。また、第1可動コラム5の第1後退位置と第1前進位置とが異なる場合には、MCU104は、テレスコアクチュエータ9を駆動する。
これにより、ステアリングホイール2は格納位置から調整済位置へ搬出されて処理は終了する。
ステップS7においてテレスコアクチュエータ9が正常であるか否か、すなわちテレスコアクチュエータ9に異常が発生したか否かを判定する。テレスコアクチュエータ9が正常である場合、すなわちテレスコアクチュエータ9に異常が発生していない場合(ステップS7:Y)に処理はステップS8へ進む。
一方で、ステップS8においてMCU104は、テレスコアクチュエータ9を駆動してステアリングホイール2を格納位置から移動させて(搬出して)、処理を終了する。
読み込んだリトラクタブル信号が信号「格納」である場合(ステップS9:Y)に処理はステップS10へ進む。
読み込んだリトラクタブル信号が信号「格納」でない場合(ステップS9:N)には、読み込んだリトラクタブル信号は信号「停止」であるため処理を終了する。
ステップS11においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であるか否か、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。
リトラクタブルアクチュエータ8が正常である場合、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していない場合(ステップS11:Y)に処理はステップS12へ進む。
ステップS12においてリトラクタブルアクチュエータ8を駆動してステアリングホイール2を格納する。その後に処理は終了する。
ステップS20においてMCU104は、ステアリングホイール位置調整装置の内部ステータスとしてリトラクタブルアクチュエータ8が正常であると記憶装置103に記憶されているか否かを判定する。
反対に、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると記憶されていない場合(ステップS20:N)には処理はステップS21へ進む。この場合にはリトラクタブルアクチュエータ8の状態が異常であると既に判定済みであるため、ステップS21においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると判定して処理を終了する。
繰り出し位置が目的位置に到達した場合(ステップS22:Y)には、これ以上リトラクタブルアクチュエータ8を駆動しないので処理は終了する。繰り出し位置が目的位置に到達していない場合(ステップS22:N)に処理はステップS23へ進む。
ステップS24においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であると判定して処理を終了する。
ステップS26においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると判定する。
ステップS27においてMCU104は、ステアリングホイール位置調整装置の内部ステータスとして、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると記憶装置103に記憶し、処理を終了する。
図1のステップS10におけるリトラクタブルアクチュエータ8の状態取得処理は、図5を参照して上記説明した処理と同様である。ステップS22における「目的位置」は、ステアリングホイール2の格納完了時に到達すべき目的位置であり、第2可動コラム6を第2後退位置まで移動させる繰り出し位置である。
図6の(a)は、車両ECU201から入力されるリトラクタブル信号のタイムチャートである。
図6の(b)及び図6の(d)は、リトラクタブルアクチュエータ8の回転位置センサ83から出力される検出信号とテレスコアクチュエータ9の回転位置センサ93から出力される検出信号のタイムチャートである。本例では、回転位置センサ83、93は、電動モータ80、90の回転量に応じた数のパルス信号を出力するセンサである。
図6の(c)及び図6の(d)は、MCU104によるリトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9の駆動状態のタイムチャートである。
リトラクタブルアクチュエータ8の駆動状態が「搬出」であるとき、MCU104は、リトラクタブルコントローラ110のモータ駆動回路111に、リトラクタブルアクチュエータ8が伸長する方向に電動モータ80を回転させる制御信号を出力する。
これにより、電動モータ80が回転すると、第2可動コラム6が駆動されてステアリングホイール2の搬出が始まる。回転位置センサ83からは第2可動コラム6の移動量に応じた数のパルスが出力される(図6の(b))。
テレスコアクチュエータ9の駆動状態が「搬出」であるとき、MCU104は、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が伸長する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
これにより、電動モータ90が回転すると、第1可動コラム5が駆動されてステアリングホイール2の搬出が続行する。回転位置センサ93からは第1可動コラム5の移動量に応じた数のパルスが出力される(図6の(d))。
(1)自動運転時にステアリングホイール2を格納するためのリトラクタブルアクチュエータ8と、手動運転時におけるステアリングホイール2の前後方向位置を調整するためのテレスコアクチュエータ9と、ステアリングホイール2の前後方向位置の調整指示を受け付けるテレスコピックマニュアルスイッチ202と、テレスコピックマニュアルスイッチ202で受け付けた調整指示に応じてテレスコアクチュエータ9を駆動する制御装置100と、を備える。制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定し、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定した場合には、自動運転から手動運転への切り替え時にテレスコアクチュエータ9を駆動して、ステアリングホイール2を自動運転時の格納位置から移動させる。
この結果、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。
リトラクタブルアクチュエータ8が異常である場合にテレスコアクチュエータ9が格納位置からステアリングホイール2を移動させる長さL3を、長さL2と異なる値に設定することにより、長さL2が過小に設定されていても、運転者が操作可能な位置までステアリングホイール2を搬出できる。
Claims (8)
- 自動運転時にステアリングホイールを格納するための第1アクチュエータと、
手動運転時における前記ステアリングホイールの前後方向位置を調整するための第2アクチュエータと、
前記ステアリングホイールの前後方向位置の調整指示を受け付ける指示部と、
前記指示部で受け付けた前記調整指示に応じて前記第2アクチュエータを駆動する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生したか否かを判定し、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合には、自動運転から手動運転への切り替え時に前記第2アクチュエータを駆動して、前記ステアリングホイールを自動運転時の格納位置から移動させる、ことを特徴とするステアリングホイール位置調整装置。 - 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとを駆動して、前記ステアリングホイールを前記格納位置から手動運転時の非格納位置まで移動させ、
前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合に前記第2アクチュエータが前記ステアリングホイールを移動する長さが、異常が発生していないと判定した場合に前記第2アクチュエータが前記ステアリングホイールを移動する長さと異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイール位置調整装置。 - 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合に、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定しない場合よりも、前記第2アクチュエータが前記ステアリングホイールを移動する長さを長くする、ことを特徴とする請求項2に記載のステアリングホイール位置調整装置。
- 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、前記第1アクチュエータの駆動期間と少なくとも一部重複する期間で前記第2アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項2又は3に記載のステアリングホイール位置調整装置。
- 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定して前記第2アクチュエータにより前記ステアリングホイールを前記格納位置から移動させる場合に、警報を生成する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項にステアリングホイール位置調整装置。
- 前記第1アクチュエータ又は前記第2アクチュエータのいずれか一方を、前記ステアリングホイールの傾動位置を調整するアクチュエータと共用することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のステアリングホイール位置調整装置。
- 前記ステアリングホイールに伴って回転するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを枢動可能に支持する第1可動コラムと、
前記第1可動コラムを摺動可能に支持する第2可動コラムと、
前記第2可動コラムを摺動可能に支持する固定コラムと、を備え、
前記第1アクチュエータは前記固定コラムに固定され、且つ前記第2可動コラムを移動させ、
前記第2アクチュエータは、前記第2可動コラムに固定され、且つ前記第1可動コラムを移動させ、
前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータの各々は、モータと、前記モータによって減速機構を介して駆動される送りネジ機構と、前記モータの回転軸の回転位置を検出する回転位置センサと、を備え、
前記制御部は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのモータをオンオフ制御することによって、前記ステアリングシャフトを前後方向に移動させる、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のステアリングホイール位置調整装置。 - 前記指示部で受け付けた前記調整指示を記憶する記憶装置を備え、
前記制御部は、
前記第1アクチュエータに異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、固定量だけ前記第1アクチュエータを伸長させるとともに、前記調整指示に応じた可変長だけ前記第2アクチュエータを伸長させ、
前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、固定量だけ前記第2アクチュエータを伸長させる、
ことを特徴とする請求項7に記載のステアリングホイール位置調整装置。
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