JP2022014256A - ステアリングホイール位置調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動運転から手動運転への切り替え時に、自動運転時の格納位置から運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイールを引き出すことを可能にする。【解決手段】ステアリングホイール位置調整装置は、自動運転時にステアリングホイール2を格納するための第1アクチュエータ8と、手動運転時におけるステアリングホイール2の前後方向位置を調整するための第2アクチュエータ9と、ステアリングホイールの前後方向位置の調整指示を受け付ける指示部202と、指示部202で受け付けた調整指示に応じて第2アクチュエータ9を駆動する制御装置100と、を備える制御装置100は、第1アクチュエータ8に異常が発生したと判定した場合には、自動運転から手動運転への切り替え時に第2アクチュエータ9を駆動して、ステアリングホイール2を自動運転時の格納位置から移動させる。【選択図】図3

Description

本発明は、ステアリングホイール位置調整装置に関する。
特許文献1には、ステアリング機構の傾動位置及び伸縮位置を調整できる電動式ステアリング装置が記載されている。この電動式ステアリング装置は、電動チルトアクチュエータと電動テレスコピック機構を有しており、各々に電動モータを備えている。
特開2007-106266号公報
近年、自動運転車の開発が進められており、システムが全ての運転タスクを実施する自動運転と手動運転との両方が可能な車両が提案されている。このような車両の一例は、米国SAE(Society of Automotive Engineers)の定義による自動運転レベル3の車両である。
自動運転と手動運転との両方が可能な車両には、手動運転に使用するステアリングホイールが設けられるが、自動運転時にはステアリングホイールを格納することで、運転席の前方の空間を確保して運転席に座る乗員に快適な空間を提供できる。
一方で手動運転時には、運転者が操作可能な位置にステアリングホイールを確実に配置することが求められる。
本発明は、上記の事情を鑑みて考案されたものであり、自動運転から手動運転への切り替え時において、自動運転時の格納位置から運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイールを移動させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるステアリングホイール位置調整装置は、自動運転時にステアリングホイールを格納するための第1アクチュエータと、手動運転時におけるステアリングホイールの前後方向位置を調整するための第2アクチュエータと、ステアリングホイールの前後方向位置の調整指示を受け付ける指示部と、指示部で受け付けた調整指示に応じて第2アクチュエータを駆動する制御部と、を備える。制御部は、第1アクチュエータに異常が発生したか否かを判定し、第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合には、自動運転から手動運転への切り替え時に第2アクチュエータを駆動して、ステアリングホイールを自動運転時の格納位置から移動させる。
本発明によれば、自動運転から手動運転への切り替え時において、自動運転時の格納位置から運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイールを移動させることができる。
実施形態の電動式ステアリング装置の概略構成図である。 図1の電動式ステアリング装置を制御する制御装置の概略構成図である。 (a)は手動運転時の電動式ステアリング装置の状態の一例を示す図であり、(b)は自動運転時の電動式ステアリング装置の状態の一例を示す図であり、(c)はリトラクタブルアクチュエータが異常である場合の手動運転時の電動式ステアリング装置の状態の一例を示す図である。 実施形態の制御装置の動作の一例のフローチャートである。 アクチュエータの状態取得処理の一例のフローチャートである。 (a)~(e)は、実施形態のステアリングホイール位置調整装置の動作の一例を説明するタイムチャートである。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
図1は、実施形態のステアリングホイール位置調整装置が備える電動式ステアリング装置の概略構成図である。この電動式ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を支持するコラムが縮小してステアリングホイール2を格納できる機構を採用しており、例えば自動運転時にステアリングホイール2を格納できる。格納されたステアリングホイール2の位置を、以下「格納位置」と表記する。
また、コラムを伸長又は縮小させることにより、コラムの軸線方向(以下、単に「軸線方向」と表記する)におけるステアリングホイール2の位置を調整できる。これにより、手動運転時において、ステアリングホイール2を運転者の好みの位置に調整できる。
運転者の好みの位置に調整されたステアリングホイール2の位置を、以下「調整済位置」と表記する。調整済位置は、特許請求の範囲に記載の「手動運転時の非格納位置」の一例である。
電動式ステアリング装置1は、ステアリングホイール2から延びてステアリングギア(図示せず)に連結されたステアリングシャフト3をその軸の周りに回転可能に保持する4つステアリングコラム、すなわちアッパコラム4、第1可動コラム5、第2可動コラム6及びロアコラム7を備える。ロアコラム7は、特許請求の範囲に記載の「固定コラム」の一例である。
これらコラム4~7の相対位置を適宜調整することによって、ステアリングホイール2を、所望の調整済位置に保持し、又は格納位置に格納することができる。
アッパコラム4は、内部空間にステアリングシャフト3のユニバーサルジョイント(図示せず)を収容している。アッパコラム4は、第1可動コラム5の後端に形成されたフォーク部51にチルトヒンジピン52を介してチルト可能に取り付けられている。すなわち、アッパコラム4を、チルトヒンジピン52を支点として適宜揺動させることにより、ステアリングホイール2のチルト位置を調整することができる
第1可動コラム5は、第2可動コラム6に内嵌及び支持され、アッパコラム4を支持するフォーク部51とともに軸線方向に摺動可能になっている。第2可動コラム6は、ロアコラム7に内嵌及び支持されて軸線方向に摺動可能になっている。
ステアリングホイール2を格納位置に格納する際には、車体側に固定されたロアコラム7に第2可動コラム6を繰り入れて、ロアコラム7に対して第2可動コラム6を後退させる(すなわち車両前方方向に移動させる)。
また、必要に応じて第2可動コラム6に第1可動コラム5を繰り入れて、第2可動コラム6に対して第1可動コラム5を後退させる。
ステアリングホイール2が格納された状態における第2可動コラム6に対する第1可動コラム5の相対位置を「第1後退位置」と表記し、第2可動コラム6の位置を「第2後退位置」と表記する。
格納されたステアリングホイール2を調整済位置に位置づける際には、第2可動コラム6をロアコラム7から繰り出して、ロアコラム7に対して第2可動コラム6を前進させる(すなわち車両後方方向に移動させる)。
また、必要に応じて第1可動コラム5を第2可動コラム6から繰り出して、第2可動コラム6に対して第1可動コラム5を前進させる。
ステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられた状態における第2可動コラム6に対する第1可動コラム5の相対位置を「第1前進位置」と表記し、第2可動コラム6の位置を「第2前進位置」と表記する。
第2前進位置に位置づけられた第2可動コラム6に対して第1可動コラム5を適宜進退させることにより、アッパコラム4がステアリングシャフト3と共に軸線方向に移動し、ステアリングホイール2のテレスコピック位置を調整することができる。
第2可動コラム6の位置は、リトラクタブルアクチュエータ8によって変化させる。リトラクタブルアクチュエータ8は、特許請求の範囲に記載の「第1アクチュエータ」の一例である。
リトラクタブルアクチュエータ8は、電動モータ(例えばブラシ付直流モータ)80と、ギアボックス81を介して電動モータ80に駆動される伸縮ロッド装置82と、を備える。例えば、伸縮ロッド装置82は電動モータ80によって駆動される送りネジ機構であってよい。伸縮ロッド装置82から延びるアクチュエータロッド82aは、電動モータ80の回転に応じて伸縮する。
伸縮ロッド装置82の前端部は、ロアコラム7に固定されたブラケット71にピン723で枢着されており、ヒンジを構成している。アクチュエータロッド82aの後端部は、第2可動コラム6に固定されたブラケット63にピン64で枢着されており、ヒンジを構成している。
伸縮ロッド装置82からアクチュエータロッド82aを繰り出してリトラクタブルアクチュエータ8を伸長させることにより、第2可動コラム6がロアコラム7から繰り出され、第2可動コラム6を第2前進位置まで移動させることができる。
反対に、伸縮ロッド装置82内にアクチュエータロッド82aを収納してリトラクタブルアクチュエータ8を縮小させることにより、第2可動コラム6がロアコラム7に繰り入れされ、第2可動コラム6を第2後退位置まで移動させることができる。
アッパコラム4のテレスコピック位置は、リトラクタブルアクチュエータ8と略同一構造のテレスコアクチュエータ9によって調整される。テレスコアクチュエータ9は、特許請求の範囲に記載の「第2アクチュエータ」の一例である。
テレスコアクチュエータ9は、電動モータ(例えばブラシ付直流モータ)90と、ギアボックス91を介して電動モータ90に駆動される伸縮ロッド装置92と、を備える。例えば、伸縮ロッド装置92は電動モータ90によって駆動される送りネジ機構であってよい。伸縮ロッド装置92から延びるアクチュエータロッド92aは、電動モータ90の回転に応じて伸縮する。
伸縮ロッド装置92の前端部は、第2可動コラム6に固定されたブラケット61にピン62で枢着されており、ヒンジを構成している。アクチュエータロッド92aの後端部は、第1可動コラム5のフォーク部51に固定されたブラケット53にピン54で枢着されており、ヒンジを構成している。
伸縮ロッド装置92からアクチュエータロッド92aを繰り出してテレスコアクチュエータ9を伸長させることにより、第1可動コラム5が第2可動コラム6から繰り出され、ステアリングホイール2が後退させることができる。
反対に、伸縮ロッド装置92内にアクチュエータロッド92aを収納してテレスコアクチュエータ9を縮小させることにより、第1可動コラム5が第2可動コラム6に繰り込まれ、ステアリングホイール2を前進させることができる。
アッパコラム4のチルト位置は、リトラクタブルアクチュエータやテレスコアクチュエータ9と略同一構造のチルトアクチュエータ14によって調整される。図1では、チルトアクチュエータ14を省略する。
チルトアクチュエータ14は、アッパコラム4に固定されたブラケット41にピン42で枢着されており、ヒンジを構成している。
チルトアクチュエータ14を駆動して、第1可動コラム5に対して反時計方向にアッパコラム4を回転させることにより、ステアリングホイール2を上向きに傾けることができる。反対に、第1可動コラム5に対して時計方向にアッパコラム4を回転させることにより、ステアリングホイール2を下向きに傾けることができる。
なお、リトラクタブルアクチュエータ8とチルトアクチュエータ14と共用してもよい。この場合、リトラクタブルアクチュエータ8のアクチュエータロッド82aの連結相手を、第2可動コラム6のブラケット63とアッパコラム4のブラケット41との間で切り換えるクラッチを設けてもよい。
同様に、テレスコアクチュエータ9とチルトアクチュエータ14と共用してもよい。この場合、テレスコアクチュエータ9のアクチュエータロッド92aの連結相手を、第1可動コラム5のブラケット53とアッパコラム4のブラケット41との間で切り換えるクラッチを設けてもよい。
なお、上記の電動式ステアリング装置1の構造は一例であり、この構造に限定されるものではない。自動運転時にステアリングホイールを格納するためのアクチュエータと、手動運転時におけるステアリングホイールの前後方向位置を調整するためのアクチュエータと、を独立して備えていれば、様々な構造を電動式ステアリング装置1に採用することが可能である。
リトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14は、図2に示す制御装置100によって駆動制御される。
制御装置100は、車両に搭載されたバッテリ200からのバッテリ電圧が入力される電源回路101と、自動運転を実施する電子制御ユニットである車両ECU(Electronic Control Unit)201との間の通信インタフェース(通信IF)102と、記憶装置103を備える。記憶装置103には、ステアリングホイール位置調整装置の内部ステータスとして、乗員によって適宜設定されたステアリングホイール2の調整済位置や、リトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14の状態を記憶する。
また、制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14を駆動制御する情報処理を実行するMCU(Micro-controller unit)104と、制御装置100からの制御信号に従ってリトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14をそれぞれ駆動するリトラクタブルコントローラ110と、テレスココントローラ120とチルトコントローラ130を備える。
電源回路101は、バッテリ200からのバッテリ電圧から電源電圧を発生させてMCU104に供給する。
車両ECU201は、通信インタフェース102を介してリトラクタブル信号をMCU104に入力する。リトラクタブル信号は、ステアリングホイール2を格納位置に格納し、又は格納位置から搬出することを指示する信号である。
車両ECU201は、手動運転から自動運転への切り替え時にステアリングホイール2を格納位置に格納することを指示するリトラクタブル信号「格納」を出力する。
また、車両ECU201は、自動運転から手動運転への切り替え時にステアリングホイール2を格納位置から移動させる(すなわち搬出すること)を指示するリトラクタブル信号「搬出」を出力する。
自動運転又は手動運転が継続している間は、車両ECU201は、ステアリングホイール2の格納及び搬出を禁止するリトラクタブル信号「停止」を出力する。
また、マニュアルスイッチ(マニュアルSW)202は、ステアリングホイール2のテレスコピック位置の調整指示を乗員から受け付けて、ステアリングホイール2を進退させるスイッチ信号をMCU104に入力する。
チルトマニュアルスイッチ202は、ステアリングホイール2のチルト位置の調整指示を乗員から受け付けて、ステアリングホイール2の傾きを変化させるスイッチ信号をMCU104に入力する。
記憶装置103には、乗員により調整されたステアリングホイール2のテレスコピック位置及び/又はチルト角度が格納される。
具体的には、テレスコピック位置を表す情報として、テレスコアクチュエータ9の伸長量(すなわち、アクチュエータロッド92aの繰り出し位置又は繰り出し量)が記憶される。チルト角度を表す情報として、チルトアクチュエータ14の伸長量(すなわち、アクチュエータロッドの繰り出し位置又は繰り出し量)が記憶される。
乗員がテレスコピックマニュアルスイッチ202及び/又はチルトマニュアルスイッチ202を操作して、ステアリングホイール2のテレスコピック位置及び/又はチルト角度が変化すると、記憶装置103に記憶されたテレスコアクチュエータ9及び/又はチルトアクチュエータ14の伸長量が更新される。
乗員の操作が終了して、テレスコピック位置及び/又はチルト角度がもはや変化しなくなると、その時点のテレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14の伸長量が、最終的に記憶装置103に記憶される。記憶装置103に最終的に記憶されたこれらの伸長量で決定されるテレスコピック位置及びチルト角度が、上記の「調整済位置」に相当する。
MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14を駆動制御する駆動信号を、それぞれリトラクタブルコントローラ110、テレスココントローラ120及びチルトコントローラ130に出力する。
リトラクタブルコントローラ110は、モータ駆動回路111と位置検出回路112を備える。モータ駆動回路111は、MCU104からの駆動信号に基づいてリトラクタブルアクチュエータ8の電動モータ80を駆動制御する。MCU104は、例えば電動モータ80をオンオフ制御してよい。ここで、「オンオフ制御」とは、電動モータをオン及びオフすることにより、アクチュエータの伸長量を目標値に近付ける制御をいう。
また、MCU104は、例えばPWM制御によって電動モータ80を速度制御、トルク制御してもよい。「速度制御」とは、電動モータの目標回転速度を設定して、電動モータの回転速度を目標回転速度に近付ける制御をいい、「トルク制御」とは、電動モータの目標トルクを設定して、電動モータの発生トルクを目標トルクに近付ける制御をいう。
リトラクタブルアクチュエータ8には、電動モータ80の回転軸の回転位置を検出する回転位置センサ83が設けられており、位置検出回路112は、回転位置センサ83が検出した回転位置に基づいてリトラクタブルアクチュエータ8のアクチュエータロッド82aの繰り出し位置(すなわちリトラクタブルアクチュエータ8の伸長量)を検出する。位置検出回路112は、検出した繰り出し位置をMCU103に入力する。
同様に、テレスココントローラ120は、モータ駆動回路121と位置検出回路122を備える。モータ駆動回路121は、MCU104からの駆動信号に基づいてテレスコアクチュエータ9の電動モータ90を駆動制御する。MCU104は、例えば電動モータ90をオンオフ制御してよい。MCU104は、例えばPWM制御によって電動モータ90を速度制御、トルク制御してもよい。
テレスコアクチュエータ9には、電動モータ90の回転軸の回転位置を検出する回転位置センサ93が設けられており、位置検出回路122は、回転位置センサ93が検出した回転位置に基づいてテレスコアクチュエータ9のアクチュエータロッド92aの繰り出し位置(すなわちテレスコアクチュエータ9の伸長量)を検出する。位置検出回路122は、検出した繰り出し位置をMCU103に入力する。
同様に、チルトコントローラ130は、モータ駆動回路131と位置検出回路132を備える。モータ駆動回路131は、MCU104からの駆動信号に基づいてチルトアクチュエータ14の電動モータ140を駆動制御する。MCU104は、例えば電動モータ140をオンオフ制御してよい。MCU104は、例えばPWM制御によって電動モータ140を速度制御、トルク制御してもよい。
チルトアクチュエータ14には、電動モータ90の回転軸の回転位置を検出する回転位置センサ143が設けられており、位置検出回路132は、回転位置センサ143が検出した回転位置に基づいてチルトアクチュエータ14のアクチュエータロッドの繰り出し位置(すなわちチルトアクチュエータ14の伸長量)を検出する。位置検出回路132は、検出した繰り出し位置をMCU103に入力する。
続いて、図3の(a)~図3の(c)を参照して、制御装置100によるリトラクタブルアクチュエータ8、テレスコアクチュエータ9及びチルトアクチュエータ14の駆動制御の一例を説明する。
図3の(a)は、手動運転時の電動式ステアリング装置1の状態の一例を示す図であり、図3の(b)は自動運転時の電動式ステアリング装置1の状態の一例を示す図である。
手動運転時(図3の(a))では、第1可動コラム5及び第2可動コラム6がそれぞれ第1前進位置及び第2前進位置にあり、コラム5~7が伸長してステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられている。
自動運転時(図3の(b))では、第1可動コラム5及び第2可動コラム6がそれぞれ第1後退位置及び第2後退位置にあり、コラム5~7が縮小してステアリングホイール2が格納位置に格納されている。
手動運転から自動運転に切り替わると、車両ECU201は、ステアリングホイール2を格納位置へ格納することを指示するリトラクタブル信号「格納」を、MCU104へ出力する。手動運転から自動運転への切り替えは、図示しない切替スイッチの動作に応じて行われる。その他、音声認識などの種々の入力装置を用いることができる。
リトラクタブル信号「格納」を受信したMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。
例えばMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8のロック状態が閾値時間以上継続する場合に、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定し、ロック状態が閾値時間以上継続しない場合に異常が発生していないと判定してよい。
例えば、MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8の駆動信号を出力しているにも関わらず、リトラクタブルアクチュエータ8の伸長量(例えば、アクチュエータロッド82aの繰り出し位置)に変化がない場合に、リトラクタブルアクチュエータ8がロック状態にあると判定してよい。
リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していない場合、MCU104は、リトラクタブルコントローラ110のモータ駆動回路111に、リトラクタブルアクチュエータ8が縮小する方向に電動モータ80を回転させる制御信号を出力する。これによりMCU104は、第2可動コラム6を第2前進位置から第2後退位置まで移動させる。
さらに、MCU104は、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が縮小する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。これによりMCU104は、第1可動コラム5を第1前進位置から第1後退位置まで移動させる。
これにより、第1可動コラム5及び第2可動コラム6の位置はそれぞれ第1後退位置及び第2後退位置になり、図3の(b)に示すようにステアリングホイール2が格納位置に格納される。
なお、ステアリングホイール2が格納位置にある状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置と、ステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられた状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置との間に変化がない場合(すなわち、第1後退位置と第1前進位置とが等しい場合)には、テレスコアクチュエータ9を駆動する必要はない。
一方で、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生した場合には、もはやステアリングホイール2を格納位置に格納することができない。むしろ、ステアリングホイール2を格納位置に格納する途中の位置で停止し、ステアリングホイール2を調整済位置に戻せなくなる可能性がある。このため、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生した場合には、MCU104は、テレスコアクチュエータ9が正常であってもステアリングホイール2の格納処理を実行しない。
自動運転から手動運転に切り替わると、車両ECU201は、ステアリングホイール2を格納位置から搬出することを指示するリトラクタブル信号「搬出」を、MCU104へ出力する。自動運転から手動運転への切り替えは、図示しない切替スイッチの動作に応じて行われる。その他、音声認識などの種々の入力装置を用いることができる。また、自動運転が正常に行われているか否かを判定し、正常に行われていないと判定された場合、前述したスイッチ等の動作に関わらず、自動運転から手動運転への切り替えを行ってもよい。
リトラクタブル信号「搬出」を受信したMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。
また、MCU104はテレスコアクチュエータ9に異常が発生したか否かを判定する。
例えばMCU104は、テレスコアクチュエータ9のロック状態が閾値時間以上継続する場合に、テレスコアクチュエータ9に異常が発生したと判定し、ロック状態が閾値時間以上継続しない場合に異常が発生していないと判定してよい。
例えば、MCU104は、テレスコアクチュエータ9の駆動信号を出力しているにも関わらず、テレスコアクチュエータ9の伸長量(例えば、アクチュエータロッド92aの繰り出し位置)に変化がない場合に、テレスコアクチュエータ9がロック状態にあると判定してよい。
リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していない場合に、MCU104は、リトラクタブルコントローラ110のモータ駆動回路111に、リトラクタブルアクチュエータ8が伸長する方向に電動モータ80を回転させる制御信号を出力する。これによりMCU104は、予め設定された伸長量L1だけリトラクタブルアクチュエータ8が伸長させて、第2可動コラム6を第2後退位置から第2前進位置まで移動させる。
リトラクタブルアクチュエータ8だけでなくテレスコアクチュエータ9にも異常が発生していない場合にMCU104は、調整済位置のテレスコピック位置を表す情報として記憶装置103に記憶されたテレスコアクチュエータ9の伸長量L2を読み出す。
そして、MCU104は、テレスコアクチュエータ9が伸長量L2だけ伸長するまで、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が伸長する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
これにより第1可動コラム5は、第1後退位置から第1前進位置まで長さL2だけ移動する。すなわち、テレスコアクチュエータ9は伸長量L2だけ伸長する。
なお、ステアリングホイール2が格納位置にある状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置と、ステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられた状態における第1可動コラム5と第2可動コラム6との相対位置との間に変化がない場合(すなわち、第1後退位置と第1前進位置とが等しい場合)には、テレスコアクチュエータ9を駆動する必要はない。
また、MCU104は、調整済位置のチルト角度を表す情報として、チルトアクチュエータ14の伸長量を読み出す。MCU104は、チルトアクチュエータ14の伸長量が読み出した値と等しくなるまで、チルトコントローラ130のモータ駆動回路131に、チルトアクチュエータ14の電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
これにより、第1可動コラム5及び第2可動コラム6の位置はそれぞれ第1前進位置及び第2前進位置になり、図3の(a)に示すようにステアリングホイール2が調整済位置に位置づけられる。
なお、MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8の駆動期間と少なくとも一部重複する期間でテレスコアクチュエータ9を駆動してよい。例えば、リトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9を同時に駆動してよい。
これにより、リトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9に異常が発生していない場合には、ステアリングホイール2を速やかに格納位置から調整済位置へ搬出できる。
一方で、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生し、テレスコアクチュエータ9に異常が発生していない場合に、MCU104は、テレスコアクチュエータ9を駆動して、ステアリングホイール2を格納位置から搬出する。これにより、リトラクタブルアクチュエータ8によってステアリングホイール2を搬出できなくても、最低限、運転者が操作可能な位置までステアリングホイール2を搬出できる。
この結果、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。
図3の(c)を参照する。リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生し、テレスコアクチュエータ9に異常が発生していない場合に、MCU104は、予め設定された伸長量L3だけテレスコアクチュエータ9を伸長させる。
具体的には、テレスコアクチュエータ9が伸長量L3だけ伸長するまで、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が伸長する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
ここで、伸長量L3は予め設定された値であり、上記の伸長量L2はテレスコピックマニュアルスイッチ202により調整されて記憶装置103に記憶された値である。このため、伸長量L3は伸長量L2とは異なる値を有してよい。
例えば、伸長量L3が伸長量L2よりも長ければ、より運転者の近くまでステアリングホイール2を搬出できる。これにより、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。伸長量L3は、例えばテレスコアクチュエータ9の最大伸長量であってよい。
リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定し、テレスコアクチュエータ9を駆動してステアリングホイール2を格納位置から搬出する場合に、MCU104は、所定の警報を生成して、乗員に知らせてもよい。
警報は、例えば、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していることや、リトラクタブルアクチュエータ8の異常によりステアリングホイール2を調整済位置まで搬出できないことを知らせる警報であってよい。
また、テレスコアクチュエータ9が伸長量L3まで伸長した時点でステアリングホイール2が格納位置から調整済位置の途中で停止した場合に、ステアリングホイール2の搬出が完了したことを知らせる警報であってよい。
一方で、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生しておらず、テレスコアクチュエータ9に異常が発生した場合には、MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8のみを駆動して、ステアリングホイール2を格納位置から搬出する。これにより、テレスコアクチュエータ9によってテレスコピックを調整済位置に調整できなくても、最低限、運転者が操作可能な位置までステアリングホイール2を搬出できる。
リトラクタブルアクチュエータ8及びテレスコアクチュエータ9の両方に異常が発生している場合、MCU104は、ステアリングホイール2を格納位置から搬出する搬出処理を実行しない。この場合にはステアリングホイール2が格納位置に格納された状態が継続する。
この場合にMCU104は、例えば、電動式ステアリング装置1の異常を知らせる異常信号や、手動運転へ移行できないことを知らせる異常信号を車両ECU201に出力してよい。これにより、最小リスク操作を車両ECU201に促してもよい。最小リスク操作は、例えば、車両を車線変更させて路肩に寄せて停車させる運転操作や、あるいは単に車両を減速又は停車させる運転操作であってよい。
(動作)
次に、図4を参照して、実施形態の制御装置100の動作を説明する。
ステップS1においてMCU104は、車両ECU201からリトラクタブル信号を読み込む。
ステップS2においてMCU104は、読み込んだリトラクタブル信号が、ステアリングホイール2を格納位置から調整済位置へ移動させること(搬出すること)を指示する信号「搬出」であるか否かを判定する。読み込んだリトラクタブル信号が信号「搬出」である場合(ステップS2:Y)に処理はステップS3へ進む。読み込んだリトラクタブル信号が信号「搬出」でない場合(ステップS2:N)に処理はステップS9へ進む。
ステップS3においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8の状態(すなわち異常の有無)を取得する。ステップS3の処理は、図5を参照して後述する。
ステップS4においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であるか否か、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。リトラクタブルアクチュエータ8が正常である場合、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していない場合(ステップS4:Y)に処理はステップS5へ進む。
リトラクタブルアクチュエータ8が正常でない場合、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生した場合(ステップS4:N)に処理はステップS6へ進む。
ステップS5においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8を駆動してステアリングホイール2を格納位置から移動させる(搬出する)。また、第1可動コラム5の第1後退位置と第1前進位置とが異なる場合には、MCU104は、テレスコアクチュエータ9を駆動する。
これにより、ステアリングホイール2は格納位置から調整済位置へ搬出されて処理は終了する。
一方、ステップS4にてリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定された場合(ステップS4:N)、ステップS6においてMCU104は、テレスコアクチュエータ9の状態(すなわち異常の有無)を取得する。ステップS6の処理は、図5を参照して後述する。
ステップS7においてテレスコアクチュエータ9が正常であるか否か、すなわちテレスコアクチュエータ9に異常が発生したか否かを判定する。テレスコアクチュエータ9が正常である場合、すなわちテレスコアクチュエータ9に異常が発生していない場合(ステップS7:Y)に処理はステップS8へ進む。
テレスコアクチュエータ9が正常でない場合、すなわちテレスコアクチュエータ9に異常が発生している場合(ステップS7:N)には、ステアリングホイール2を格納位置から搬出する搬出処理を実行せずに処理を終了する。
一方で、ステップS8においてMCU104は、テレスコアクチュエータ9を駆動してステアリングホイール2を格納位置から移動させて(搬出して)、処理を終了する。
一方、ステップS2にて、読み込んだリトラクタブル信号が信号「搬出」でないと判定された場合(ステップS2:N)、ステップS9においてMCU104は、読み込んだリトラクタブル信号が、ステアリングホイール2を格納位置へ格納することを指示するリトラクタブル信号「格納」であるか否かを判定する。
読み込んだリトラクタブル信号が信号「格納」である場合(ステップS9:Y)に処理はステップS10へ進む。
読み込んだリトラクタブル信号が信号「格納」でない場合(ステップS9:N)には、読み込んだリトラクタブル信号は信号「停止」であるため処理を終了する。
ステップS10においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8の状態(すなわち異常の有無)を取得する。ステップS10の処理は、図5を参照して後述する。
ステップS11においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であるか否か、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定する。
リトラクタブルアクチュエータ8が正常である場合、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していない場合(ステップS11:Y)に処理はステップS12へ進む。
リトラクタブルアクチュエータ8が正常でない場合、すなわちリトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生した場合(ステップS11:N)には、ステアリングホイール2を格納せずに処理を終了する。
ステップS12においてリトラクタブルアクチュエータ8を駆動してステアリングホイール2を格納する。その後に処理は終了する。
次に図5を参照して、図1のステップS3におけるリトラクタブルアクチュエータ8の状態取得処理を説明する。
ステップS20においてMCU104は、ステアリングホイール位置調整装置の内部ステータスとしてリトラクタブルアクチュエータ8が正常であると記憶装置103に記憶されているか否かを判定する。
リトラクタブルアクチュエータ8が正常であると記憶されている場合(ステップS20:Y)に処理はステップS22へ進む。
反対に、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると記憶されていない場合(ステップS20:N)には処理はステップS21へ進む。この場合にはリトラクタブルアクチュエータ8の状態が異常であると既に判定済みであるため、ステップS21においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると判定して処理を終了する。
ステップS22においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8のアクチュエータロッド82aの現在の繰り出し位置が、ステアリングホイール2の搬出完了時に到達すべき目的位置に到達したか否かを判定する。この場合、目的位置は第2可動コラム6を第2前進位置まで移動させる繰り出し位置である。
繰り出し位置が目的位置に到達した場合(ステップS22:Y)には、これ以上リトラクタブルアクチュエータ8を駆動しないので処理は終了する。繰り出し位置が目的位置に到達していない場合(ステップS22:N)に処理はステップS23へ進む。
ステップS23においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8のロック状態を検出したか否かを判定する。ロック状態を検出していない場合(ステップS23:N)に処理はステップS24へ進む。ロック状態を検出した場合(ステップS23:Y)に処理はステップS25へ進む。
ステップS24においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であると判定して処理を終了する。
一方で、ステップS23にて、リトラクタブルアクチュエータ8のロック状態を検出したと判定した場合(ステップS23:Y)に、ステップS25においてMCU104は、ロック状態が閾値時間以上継続したか否かを判定する。ロック状態が閾値時間以上継続しない場合(ステップS25:N)に処理はステップS24へ進む。MCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が正常であると判定して処理を終了する。
ロック状態が閾値時間以上継続した場合(ステップS25:Y)に処理はステップS26へ進む。
ステップS26においてMCU104は、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると判定する。
ステップS27においてMCU104は、ステアリングホイール位置調整装置の内部ステータスとして、リトラクタブルアクチュエータ8が異常であると記憶装置103に記憶し、処理を終了する。
図1のステップS6におけるテレスコアクチュエータ9の状態取得処理は、図5を参照して上記説明した処理と同様である。この場合「リトラクタブルアクチュエータ8」及び「アクチュエータロッド82a」を「テレスコアクチュエータ9」及び「アクチュエータロッド92a」と読み替える。また、ステップS22における「目的位置」は、第1可動コラム5を第1前進位置まで移動させる繰り出し位置である。
図1のステップS10におけるリトラクタブルアクチュエータ8の状態取得処理は、図5を参照して上記説明した処理と同様である。ステップS22における「目的位置」は、ステアリングホイール2の格納完了時に到達すべき目的位置であり、第2可動コラム6を第2後退位置まで移動させる繰り出し位置である。
次に図6の(a)~図6の(e)を参照して、実施形態のステアリングホイール位置調整装置の動作の一例を説明する。
図6の(a)は、車両ECU201から入力されるリトラクタブル信号のタイムチャートである。
図6の(b)及び図6の(d)は、リトラクタブルアクチュエータ8の回転位置センサ83から出力される検出信号とテレスコアクチュエータ9の回転位置センサ93から出力される検出信号のタイムチャートである。本例では、回転位置センサ83、93は、電動モータ80、90の回転量に応じた数のパルス信号を出力するセンサである。
図6の(c)及び図6の(d)は、MCU104によるリトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9の駆動状態のタイムチャートである。
時刻t1において、自動運転から手動運転に切り替わってリトラクタブル信号が信号「停止」から「搬出」に変化する(図6の(a))と、MCU104によるリトラクタブルアクチュエータ8の駆動状態が「停止」から「搬出」へ変化する(図6の(c))。
リトラクタブルアクチュエータ8の駆動状態が「搬出」であるとき、MCU104は、リトラクタブルコントローラ110のモータ駆動回路111に、リトラクタブルアクチュエータ8が伸長する方向に電動モータ80を回転させる制御信号を出力する。
これにより、電動モータ80が回転すると、第2可動コラム6が駆動されてステアリングホイール2の搬出が始まる。回転位置センサ83からは第2可動コラム6の移動量に応じた数のパルスが出力される(図6の(b))。
時刻t2において回転位置センサ83からのパルス出力が停止し、リトラクタブルアクチュエータ8のロック状態が検出されると、ロック状態が検出されるロック検出期間T1が閾値時間以上になるまで、リトラクタブルアクチュエータ8は正常であると判定される(図5のステップS24及びS25)。このため、リトラクタブルアクチュエータ8の駆動状態は「搬出」のまま維持される(図4のステップS4、S5)。
時刻t3においてロック検出期間T1が閾値時間以上になると、リトラクタブルアクチュエータ8は異常であると判定される(図5のステップS25及びS26)。このため、MCU104によるリトラクタブルアクチュエータ8の駆動状態が「搬出」から「停止」へ変化する(図6の(c))。これにより、MCU104はリトラクタブルアクチュエータ8に対する駆動信号の出力を停止する。
一方で、MCU104によるテレスコアクチュエータ9の駆動状態が「停止」から「搬出」へ変化する(図6の(e)、図4のステップS4、S6~S8)。
テレスコアクチュエータ9の駆動状態が「搬出」であるとき、MCU104は、テレスココントローラ120のモータ駆動回路121に、テレスコアクチュエータ9が伸長する方向に電動モータ90を回転させる制御信号を出力する。
これにより、電動モータ90が回転すると、第1可動コラム5が駆動されてステアリングホイール2の搬出が続行する。回転位置センサ93からは第1可動コラム5の移動量に応じた数のパルスが出力される(図6の(d))。
(実施形態の効果)
(1)自動運転時にステアリングホイール2を格納するためのリトラクタブルアクチュエータ8と、手動運転時におけるステアリングホイール2の前後方向位置を調整するためのテレスコアクチュエータ9と、ステアリングホイール2の前後方向位置の調整指示を受け付けるテレスコピックマニュアルスイッチ202と、テレスコピックマニュアルスイッチ202で受け付けた調整指示に応じてテレスコアクチュエータ9を駆動する制御装置100と、を備える。制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したか否かを判定し、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定した場合には、自動運転から手動運転への切り替え時にテレスコアクチュエータ9を駆動して、ステアリングホイール2を自動運転時の格納位置から移動させる。
このため、リトラクタブルアクチュエータ8によってステアリングホイール2を搬出できなくても、テレスコアクチュエータ9によって、最低限、運転者が操作可能な位置までステアリングホイール2を搬出できる。
この結果、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。
(2)制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時にリトラクタブルアクチュエータ8とテレスコアクチュエータ9とを駆動して、ステアリングホイール2を格納位置から手動運転時の非格納位置まで移動させてよい。このとき、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定した場合にテレスコアクチュエータ9がステアリングホイール2を移動する長さL3が、異常が発生していないと判定した場合にテレスコアクチュエータ9がステアリングホイール2を移動する長さL2と異なっていてよい。
リトラクタブルアクチュエータ8が正常である場合には、テレスコアクチュエータ9はテレスコピック位置の調整に用いられる。このため、長さL2は乗員によって調整される可変長である。
リトラクタブルアクチュエータ8が異常である場合にテレスコアクチュエータ9が格納位置からステアリングホイール2を移動させる長さL3を、長さL2と異なる値に設定することにより、長さL2が過小に設定されていても、運転者が操作可能な位置までステアリングホイール2を搬出できる。
(3)制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定した場合にテレスコアクチュエータ9がステアリングホイール2を移動する長さL3を、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定しない場合の長さL2よりも長くしてもよい。これにより、長さL2が過小に設定されていても、運転者が操作可能な位置までステアリングホイール2を搬出できる。
(4)制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、リトラクタブルアクチュエータ8の駆動期間と少なくとも一部重複する期間でテレスコアクチュエータ9を駆動してもよい。これにより、ステアリングホイール2を速やかに格納位置から調整済位置へ搬出できる。
(5)制御装置100は、リトラクタブルアクチュエータ8に異常が発生したと判定してテレスコアクチュエータ9によりステアリングホイール2を格納位置から移動させる場合に、警報を生成してもよい。これにより、リトラクタブルアクチュエータ8の異常を乗員に知らせることができる。また、リトラクタブルアクチュエータ8の異常によりステアリングホイール2を調整済位置まで搬出できないことを知らせることができる。また、テレスコアクチュエータ9の伸長が完了してステアリングホイール2が格納位置から調整済位置の途中で停止した場合に、ステアリングホイール2の搬出が完了したことを知らせることができる。
(6)リトラクタブルアクチュエータ8又はテレスコアクチュエータ9のいずれか一方を、ステアリングホイール2の傾動位置を調整するチルトアクチュエータ14と共用してもよい。これにより、テレスコアクチュエータ9とチルトアクチュエータ14を備える従来のステアリングホイール位置調整装置と同じ数のアクチュエータを使用して、自動運転から手動運転への切り替え時において、運転者が操作可能な位置まで、より確実にステアリングホイール2を搬出できる。
1…電動式ステアリング装置、2…ステアリングホイール、3…ステアリングシャフト、4…アッパコラム、5…第1可動コラム、6…第2可動コラム、7…ロアコラム、8…リトラクタブルアクチュエータ、9…テレスコアクチュエータ、14…チルトアクチュエータ、41、53、61、63、71…ブラケット、42、54、62、64、72…ピン、51…フォーク部、52…チルトヒンジピン、80、90、140…電動モータ、81、91…ギアボックス、82、92…伸縮ロッド装置、82a、92a…アクチュエータロッド、83、93、143…回転位置センサ、100…制御装置、101…電源回路、102…通信インタフェース、103…記憶装置、104…MCU、110…格納コントローラ、111、121、131…モータ駆動回路、112、122、132…位置検出回路、120…テレスココントローラ、130…チルトコントローラ、200…バッテリ、201…車両ECU、202…テレスコピックマニュアルスイッチ、203…チルトマニュアルスイッチ

Claims (8)

  1. 自動運転時にステアリングホイールを格納するための第1アクチュエータと、
    手動運転時における前記ステアリングホイールの前後方向位置を調整するための第2アクチュエータと、
    前記ステアリングホイールの前後方向位置の調整指示を受け付ける指示部と、
    前記指示部で受け付けた前記調整指示に応じて前記第2アクチュエータを駆動する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生したか否かを判定し、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合には、自動運転から手動運転への切り替え時に前記第2アクチュエータを駆動して、前記ステアリングホイールを自動運転時の格納位置から移動させる、ことを特徴とするステアリングホイール位置調整装置。
  2. 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとを駆動して、前記ステアリングホイールを前記格納位置から手動運転時の非格納位置まで移動させ、
    前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合に前記第2アクチュエータが前記ステアリングホイールを移動する長さが、異常が発生していないと判定した場合に前記第2アクチュエータが前記ステアリングホイールを移動する長さと異なる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイール位置調整装置。
  3. 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合に、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定しない場合よりも、前記第2アクチュエータが前記ステアリングホイールを移動する長さを長くする、ことを特徴とする請求項2に記載のステアリングホイール位置調整装置。
  4. 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、前記第1アクチュエータの駆動期間と少なくとも一部重複する期間で前記第2アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項2又は3に記載のステアリングホイール位置調整装置。
  5. 前記制御部は、前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定して前記第2アクチュエータにより前記ステアリングホイールを前記格納位置から移動させる場合に、警報を生成する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項にステアリングホイール位置調整装置。
  6. 前記第1アクチュエータ又は前記第2アクチュエータのいずれか一方を、前記ステアリングホイールの傾動位置を調整するアクチュエータと共用することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のステアリングホイール位置調整装置。
  7. 前記ステアリングホイールに伴って回転するステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを枢動可能に支持する第1可動コラムと、
    前記第1可動コラムを摺動可能に支持する第2可動コラムと、
    前記第2可動コラムを摺動可能に支持する固定コラムと、を備え、
    前記第1アクチュエータは前記固定コラムに固定され、且つ前記第2可動コラムを移動させ、
    前記第2アクチュエータは、前記第2可動コラムに固定され、且つ前記第1可動コラムを移動させ、
    前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータの各々は、モータと、前記モータによって減速機構を介して駆動される送りネジ機構と、前記モータの回転軸の回転位置を検出する回転位置センサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータのモータをオンオフ制御することによって、前記ステアリングシャフトを前後方向に移動させる、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のステアリングホイール位置調整装置。
  8. 前記指示部で受け付けた前記調整指示を記憶する記憶装置を備え、
    前記制御部は、
    前記第1アクチュエータに異常が発生していないと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、固定量だけ前記第1アクチュエータを伸長させるとともに、前記調整指示に応じた可変長だけ前記第2アクチュエータを伸長させ、
    前記第1アクチュエータに異常が発生したと判定した場合に、自動運転から手動運転への切り替え時に、固定量だけ前記第2アクチュエータを伸長させる、
    ことを特徴とする請求項7に記載のステアリングホイール位置調整装置。
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