JPH06237197A - スペースダイバーシチ受信方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 二つの増幅器でＡＧＣ電圧を共通とした場合
に生じる問題を回避できるとともに、同相合成後の出力
信号のＳ／Ｎ比を高められるようにする。 【構成】 主アンテナＡ１と副アンテナＡ２で受けた受
信信号を増幅する二つの増幅器３，４と、これら増幅器
３，４の出力信号を同位相で合成する同相合成器５とを
有するスペースダイバーシチ受信方式において、増幅器
３，４への入力信号のレベルをそれぞれ検出する第一お
よび第二の入力レベル検出器１，２と、増幅器３，４か
らの出力信号のレベルをそれぞれ検出する第一および第
二の出力レベル検出器６，７と、第一の入力レベル検出
器１と第一の出力レベル検出器６の検出レベル値の比較
結果、および第二の入力レベル検出器２と第二の出力レ
ベル検出器７の検出レベル値の比較結果に基づき、増幅
器３，４の利得が常に等しくなるようにこれら増幅器
３，４の利得をそれぞれ制御する制御部８とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波ディジタル
通信用に用いられるスペースダイバーシチ受信方式に関
する。

【０００２】

【従来の技術】スペースダイバーシチ受信方式では、２
基のアンテナで受信した受信信号の位相を合わせたあと
に合成することにより、受信信号中に含まれる干渉成分
を互いに打ち消し、フェージングなどによるＳ／Ｎ比の
劣化の影響を抑制できるようにしている。

【０００３】図３に、従来から知られるスペースダイバ
ーシチ受信方式の構成を示す。この図で、２基のアンテ
ナＡ１，Ａ２で受けた受信信号は、主系、副系の可変利
得増幅器３，４でそれぞれ増幅されたあとに、各増幅器
３，４の出力レベルがレベル検出器６，７で検出され
る。これら出力レベル検出器６，７の検出信号は、自動
利得制御回路９（以下、ＡＧＣ制御回路という）に送ら
れ、このＡＧＣ制御回路９から出力される共通の自動利
得制御電圧（以下、ＡＧＣ電圧という）によって二つの
増幅器３，４の利得が制御されるようになっている。

【０００４】このような同相合成手段を用いたスペース
ダイバーシチ受信方式では、増幅器３，４が仮に個別に
利得制御されていた場合、一方の受信入力レベルが低下
して信号対熱雑音比が悪くなったときに、信号レベルを
引き上げると、同相合成出力の信号対熱雑音比に影響を
与えるようになるので、この影響を抑えるために従来の
方式では、ＡＧＣ電圧の絶対値が大きい方、すなわち受
信入力レベルの高い方のＡＧＣ電圧を共通に増幅器３，
４に加えて、二つの増幅器３，４の利得が等しく保たれ
るように制御していた。

【０００５】また、特開昭６１−１３１６２５号の公報
に記載されるスペースダイバーシチ受信方式では、図４
に示すように同相合成したあとの出力レベルを検出する
振幅検出器２２での検出レベル値が最大となるように、
一方の可変利得増幅器４の出力に接続される移送器２０
を制御し、レベル検出器６，７の出力に基づき二つの可
変利得増幅器３，４が歪まない範囲で合成出力のレベル
が大きくなるように各増幅器３，４の利得を制御器２３
により制御するような構成となっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
示した従来のスペースダイバーシチ受信方式では、増幅
器３，４の利得を共通のＡＧＣ電圧で制御しているた
め、二つの増幅器３，４のＡＧＣ電圧対利得の特性に差
がある場合は、二つの増幅器３，４の利得が等しくなら
ない。また、このように増幅器３，４の特性に差がある
ときは、利得を等しくするために増幅器３，４の特性に
合わせてＡＧＣ電圧を微調整しなければならないという
問題が生じるようになる。

【０００７】また、図４に示したスペースダイバーシチ
受信方式では、合成器２１の出力のＳ／Ｎ比は可変利得
増幅器を設けない方式に比較するとよくなるが、主系と
副系の合成器２１までの利得が等しいとは限らないの
で、合成器出力のＳ／Ｎ比は主系と副系のうち合成器２
１の入力までのＳ／Ｎ比が悪い方に支配されてしまう。
たとえば主系が副系に比べて受信信号のＳ／Ｎ比が悪い
ときに、主系側の可変利得増幅器３の利得が大きいと、
合成器出力のＳ／Ｎ比は副系の受信信号のＳ／Ｎ比より
悪くなることがある。

【０００８】本発明は、このような従来の技術が有する
課題を解決するために提案されたものであり、二つの可
変利得増幅器でＡＧＣ電圧を共通とした場合に生じる問
題を回避できるとともに、同相合成後の出力信号のＳ／
Ｎ比を高めることができるスペースダイバーシチ受信方
式を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、主アンテナで受けた受信信号と副アンテナ
で受けた受信信号をそれぞれ増幅する二つの増幅器と、
これら二つの増幅器の出力信号を同位相で合成する同相
合成器とを有するスペースダイバーシチ受信方式におい
て、上記二つの増幅器への入力信号のレベルをそれぞれ
検出する第一および第二の入力レベル検出器と、上記二
つの増幅器からの出力信号のレベルをそれぞれ検出する
第一および第二の出力レベル検出器と、第一の入力レベ
ル検出器と第一の出力レベル検出器の検出レベル値の比
較結果、および第二の入力レベル検出器と第二の出力レ
ベル検出器の検出レベル値の比較結果に基づき、上記二
つの増幅器の利得が常に等しくなるようにこれら増幅器
の利得をそれぞれ制御する制御部とを備える構成として
ある。

【００１０】そして好ましくは、上記制御部を、第一お
よび第二の入力レベル検出器の検出出力に応じた基準電
圧をそれぞれ発生させる第一および第二の基準電圧発生
器と、この第一の基準電圧発生器からの基準電圧と第一
の出力レベル検出器の検出レベル値とを比較する第一の
比較器と、第二の基準電圧発生器からの基準電圧と第二
の出力レベル検出器の検出レベル値とを比較する第二の
比較器と、これら第一および第二の比較器の比較結果が
ゼロとなるように上記二つの増幅器の利得をそれぞれ制
御する第一および第二の自動利得制御回路とで構成して
ある。

【００１１】

【作用】上述した構成によれば、主系および副系の増幅
器の入出力レベルを検出して、各系ごとに入出力レベル
の検出出力を比較し、これら比較結果に基づいて二つの
増幅器の利得をそれぞれ制御できるので、常に二つの増
幅器の利得を等しくできる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づ
き詳細に説明する。図１のブロック図に、本発明による
スペースダイバーシチ受信方式の一実施例を示す。この
図で、主アンテナＡ１で受信された信号は可変利得増幅
器３で非線形歪みが発生しないレベルまで増幅され、同
相合成器５に供給される。また、副アンテナＡ２で受信
された信号は可変利得増幅器４で同様に増幅され、同相
合成器５に供給される。この同相合成器５では、二つの
増幅器３，４の出力信号が位相を同相となるように合成
され、出力端子OUTに取り出される。

【００１３】主系および副系の増幅器３，４への入力信
号レベルは、第一および第二の入力レベル検出器１，２
でそれぞれ検出され、各検出信号Ｓ１，Ｓ２が図２に示
す制御部８内の第一および第二の基準電圧発生器１１，
１２にそれぞれ供給される。これら基準電圧発生器１
１，１２では、検出器１，２で検出された各入力レベル
に応じた基準電圧Ｖ１，Ｖ２がそれぞれ作られ、これら
基準電圧Ｖ１，Ｖ２が第一および第二の比較器１３，１
４にそれぞれ供給される。なお、このように基準電圧発
生器１１，１２で入力レベルに応じた基準電圧Ｖ１，Ｖ
２を発生させることにより、増幅器３，４の利得設定が
可能となる。また、各増幅器３，４からの出力信号は、
第一および第二の出力レベル検出器６，７で検出され、
各検出信号Ｓ３，Ｓ４が制御部８内の比較器１３，１４
にそれぞれ供給される。

【００１４】比較器１３では、主系の入力信号レベルに
応じた基準電圧Ｖ１と出力信号レベルＳ３とが比較さ
れ、その比較出力が第一のＡＧＣ制御回路１５に供給さ
れる。一方、比較器１４では副系の入力信号レベルに応
じた基準電圧Ｖ２と出力信号レベルＳ４とが比較され、
その比較出力が第二のＡＧＣ制御回路１６に供給され
る。

【００１５】ＡＧＣ制御回路１５では、比較器１３から
の比較出力がゼロとなるように主系の増幅器３の利得を
制御するためのＡＧＣ制御電圧Ｓ５が作られ、ＡＧＣ制
御回路１６では、比較器１４からの比較出力がゼロとな
るように副系の増幅器４の利得を制御するためのＡＧＣ
制御電圧Ｓ６が作られる。

【００１６】制御部８から出力されるこれらＡＧＣ制御
電圧Ｓ５，Ｓ６によって各増幅器３，４の利得の制御が
行なわれることにより、主アンテナＡ１で受信された信
号レベルと副アンテナＡ２で受信された信号レベルに差
が生じた場合には、そのレベル差分だけ受信レベルの低
い方の増幅器３または４の出力レベルを下げ、主系およ
び副系の増幅器３，４の利得を常に等しくした状態で同
相合成することができる。これにより、同相合成出力の
Ｓ／Ｎ比を高く維持することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主
系および副系の増幅器の入力レベルと出力レベルをそれ
ぞれ検出し、各系ごとの入出力レベルの検出出力の比較
結果に基づいて各増幅器の利得をそれぞれ制御している
ので、主アンテナおよび副アンテナの受信信号レベルに
差がある場合や、各増幅器のＡＧＣ電圧対利得の特性に
差がある場合でも、常に増幅器の利得を等しくした状態
で同相合成できるという効果がある。これにより、ＡＧ
Ｃ電圧を共通とした場合に必要であったＡＧＣ電圧の微
調整が不要となるとともに、一方の系の入力信号のレベ
ルが低い場合でも同相合成出力のＳ／Ｎ比を高くできる
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるスペースダイバーシチ受信方式の
一実施例を示すブロック図である。

【図２】図１中の制御部の内部構成を示すブロック図で
ある。

【図３】従来のスペースダイバーシチ受信方式を示すブ
ロック図である。

【図４】従来の他のスペースダイバーシチ受信方式を示
す図である。

【符号の説明】

Ａ１ 主アンテナ Ａ２ 副アンテナ １，２ 入力レベル検出器 ３，４ 増幅器 ５ 同相合成器 ６，７ 出力レベル検出器 ８ 制御部 １１，１２ 基準電圧発生器 １３，１４ 比較器 １５，１６ ＡＧＣ制御回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主アンテナで受けた受信信号と副アンテ
   ナで受けた受信信号をそれぞれ増幅する二つの増幅器
   と、これら二つの増幅器の出力信号を同位相で合成する
   同相合成器とを有するスペースダイバーシチ受信方式に
   おいて、 上記二つの増幅器への入力信号のレベルをそれぞれ検出
   する第一および第二の入力レベル検出器と、 上記二つの増幅器からの出力信号のレベルをそれぞれ検
   出する第一および第二の出力レベル検出器と、 第一の入力レベル検出器と第一の出力レベル検出器の検
   出レベル値の比較結果、および第二の入力レベル検出器
   と第二の出力レベル検出器の検出レベル値の比較結果に
   基づき、上記二つの増幅器の利得が常に等しくなるよう
   にこれら増幅器の利得をそれぞれ制御する制御部を備え
   たことを特徴するスペースダイバーシチ受信方式。
2. 【請求項２】 上記制御部を、 第一および第二の入力レベル検出器の検出出力に応じた
   基準電圧をそれぞれ発生させる第一および第二の基準電
   圧発生器と、 この第一の基準電圧発生器からの基準電圧と第一の出力
   レベル検出器の検出レベル値とを比較する第一の比較器
   と、 第二の基準電圧発生器からの基準電圧と第二の出力レベ
   ル検出器の検出レベル値とを比較する第二の比較器と、 これら第一および第二の比較器の比較結果がゼロとなる
   ように上記二つの増幅器の利得をそれぞれ制御する第一
   および第二の自動利得制御回路とで構成した請求項１記
   載のスペースダイバーシチ受信方式。