JPH0622764B2 - 切抜部自動取り外し等の作業を行なうロボット装置を備えたワイヤカット放電加工装置 - Google Patents

切抜部自動取り外し等の作業を行なうロボット装置を備えたワイヤカット放電加工装置

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JPH0622764B2
JPH0622764B2 JP59127358A JP12735884A JPH0622764B2 JP H0622764 B2 JPH0622764 B2 JP H0622764B2 JP 59127358 A JP59127358 A JP 59127358A JP 12735884 A JP12735884 A JP 12735884A JP H0622764 B2 JPH0622764 B2 JP H0622764B2
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wire
electrode
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潔 井上
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23HWORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
    • B23H7/00Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
    • B23H7/02Wire-cutting

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、被加工体に対して抜型加工を行なう際、当該
切抜部を一定位置に保持すると共に、加工終了後はこれ
を自動的に取り外す等の作業を行なうロボット装置を備
えたワイヤカット放電加工装置に関する。
〔従来技術とその問題点〕
ワイヤカット放電加工装置は、通常の放電加工装置の如
く加工形状に対応した電極を加工の都度製作する必要が
ないこと、数値制御装置(NC装置)の発達に伴い長時
間の無人運転が可能であること等の理由により、現在広
く利用されるに到っている。
而して、ワイヤカット放電加工装置によって抜型等の輪
郭加工を行なう場合には、最初に被加工体にワイヤ電極
を通すための電極挿通用細孔を形成し、上記電極挿通用
細孔にワイヤ電極を挿通すると共に、上記ワイヤ電極を
通常二本のアームの先端に設けられた一対の電極ガイド
間に適度の張力を持たせて直線状に張架し、加工中は上
記ワイヤ電極及び被加工体間に加工液を供給すると共に
両者間に間歇的な電圧パルスを印加して放電を生じさ
せ、更に上記ワイヤ電極又は被加工体に数値制御装置に
より加工送りを与え、これにより所望の輪郭加工を行な
うものである。そして、加工準備段階に於けるワイヤ電
極の走行系への張架や、加工中のワイヤ電極の断線事故
等の際にワイヤ電極を走行系に再張架する操作を自動的
に行なわせるワイヤ電極自動挿通機構を設けることによ
り、長時間無人運転が促進されてきている。
然しながら、上記の如きワイヤカット放電加工装置で抜
型等の加工を行なう場合、加工がその終了点に近づく
と、切抜部がその自重により傾動、更には降下等し、ワ
イヤ電極とワークが短絡して加工が停止する。
従って、これを防止するには、切抜き加工完了前に切抜
部を不動に保持することが必要で、またその後切抜き加
工の完了に伴い切抜部を被加工体から抜き出し、除去し
てから、セカンドカット加工を行なう場合や、一つのワ
ークから多数個の製品を取る加工を行なう場合には、一
旦作業を停止して切抜部分を取り出してから新たに作業
を開始しなければならないという問題点があり、このた
め長時間の連続無人運転が阻害されている。
また、切り終わりの部分に臍と呼ばれる突起が生じた
り、加工終了直前には前述の如く切抜部がその自重によ
り下方に変位し、これが抜け落ちるときにワイヤ電極を
押し込むような現象を起こすため、ワイヤ電極が被加工
体に食い込むような状態で集中放電が起こり、凹みや傷
が生じるという問題点があった。
〔本発明の目的〕
本発明は叙上の問題点を解決するためなされたものであ
り、その目的とするところは、ワイヤカット放電加工装
置で抜型等の加工を行なう際、加工終了時期近くに切抜
部が変位、脱落しないよう保持すると共に、加工の終了
後にこれを自動的に抜き取り、セカンドカット加工等を
行なう場合や、一つのワークから多数個の製品を切り取
る加工を行なう場合等に長時間の無人運転が可能なワイ
ヤカット放電加工装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
而して、上記目的を達成するために、本発明に係るワイ
ヤカット放電加工装置は、 Z軸方向に間隔を置いて配置した一対の電極ガイド間に
所定の張力をもって張架され軸方向に更新送りされるワ
イヤ電極に微小間隙を介して被加工体を対向配置し、ワ
イヤ電極と被加工体が対向する加工部へ加工液を供給し
つつ、ワイヤ電極と被加工体間に間歇的な電圧パルスを
印加して繰返し放電を発生させると共に、対向する被加
工体とワイヤ電極間に数値制御装置によりZ軸方向と直
交し且つ互いに直交するX軸及びY軸方向の相対的な加
工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行なうワイヤカッ
ト放電加工機本体に、 ワイヤ電極を上記一対の電極ガイド間に張架するワイヤ
電極自動挿通機構を設けると共に、 上記ワイヤカット放電加工機本体により被加工体に対し
て抜型加工を行なう際に、該抜型加工により被加工体か
ら切り取られる切抜部を吸着保持し且つ加工終了後に該
切抜部を被加工体から抜き取って所定位置に搬送する吸
着手段を有するメカニカルハンドを備えたロボット装置
と、該ロボット装置を上記数値制御装置からの指令によ
り駆動制御する制御装置を併設して成り、 上記ロボット装置を駆動制御する制御装置が、抜型加工
の開始に先立ち若しくは加工初期の時期に上記数値制御
装置から送られる切抜部に関するX−Y平面上の位置情
報に基づき、上記吸着手段を有するメカニカルハンドを
移動させて該吸着手段を被加工体の切り抜かれるべき切
抜部に相当する位置の上面に吸着させ、該吸着状態に於
ける吸着手段のX−Y平面と直交するZ軸方向の位置を
検知し、検知したZ軸位置情報を記憶させた後、上記吸
着手段による吸着を解除して上記メカニカルハンドを抜
型加工の妨げにならない位置に退避させ、加工後半期に
上記数値制御装置から送られる指令信号に基づき、切抜
部に関するX−Y平面上の位置情報と記憶させた上記Z
軸位置情報に従って上記メカニカルハンドを先に吸着し
た位置に移動させて、上記吸着手段により切抜部を吸着
させ、加工終了後に上記数値制御装置から送られる指令
信号に基づき、上記メカニカルハンドをZ軸方向上方に
移動させて上記吸着手段に吸着保持されている切抜部を
被加工体から抜き取ると共に、抜き取られた切抜部を所
定位置に搬送するように上記メカニカルハンドを移動制
御するものであることを特徴とする。
また、上記切抜部保持作業を行なうメカニカルハンドの
ほかに、被加工体の搬送及び加工タンク内への取付け取
外しや、ワイヤ電極自動挿通作業を行なうためのメカニ
カルハンド等を設けることも推奨される。
〔作用〕
上記の如き構成であれば、被加工体に対する加工位置が
その終了点近くに至ったとき、上記ロボット装置のメカ
ニカルハンドで切抜部を一定位置に保持することにより
当該切抜部が下方へ屈曲して垂れ下がるのが防止され、
高精度の加工が可能になると共に、一つの切抜部の加工
終了後には、当該切抜部を上記メカニカルハンドで保持
したまゝ被加工体から自動的に抜き取り、適宜の位置に
持ち出すことが可能であるので、セカンドカット加工等
を行なう場合や、一つの被加工体から多数個の製品を切
り取る加工を行なう場合等に有利である。
〔実施例〕
以下、図面に示す実施例を参照しつゝ本発明の構成の詳
細を説明する。
第1図は本発明に係るワイヤカット放電加工装置の一実
施例の全体構成を示す説明図、第2図は本発明に係るワ
イヤカット放電加工装置に備えられるロボット装置のメ
カニカルハンドが有する切抜部保持のための吸着手段の
一実施例を示す説明図、第3図乃至第5図はロボット装
置にワイヤ電極挟持装置を有するメカニカルハンドを設
けてワイヤ電極の自動挿通操作を補助させる状態を示す
説明図、第6図はロボット装置に設けられる上記ワイヤ
電極挟持装置の一実施例を示す説明図である。なお、各
図中、同一の符号を付したものは同一又は同等の機能を
有する構成要素を示している。
而して、第1図中、1はワイヤカット放電加工機本体、
2はロボット装置、3は上記ワイヤカット放電加工機本
体並びにロボット装置の作動を統括して制御する数値制
御装置、4は加工前の被加工体や加工終了後の成形品を
載置しておくストッカである。
また、ワイヤカット放電加工機本体1中、101はカラ
ム、102はワイヤ電極、103はワイヤ電極供給ドラム、10
4はワイヤ電極回収ドラム、105はワイヤ電極を走行させ
るための各種ローラ等の作動を制御する制御装置、106
は加工ベッド、107はY軸方向移動テーブル、108はX軸
方向移動テーブル、109はY軸方向移動テーブル107を駆
動するためのモータ、110はX軸方向移動テーブル108を
駆動するためのモータ、111は加工タンク、112は載物
台、113は被加工体、114は被加工体113を載物台112に固
定するためのクランプである。
更にまた、ロボット装置2中、201は基台、202,203,2
04はアーム、205は伸縮アーム、206はヘッド、207はヘ
ッド206に軸方向に摺動自在且つ回動自在に挿通された
ステム、208はアーム202を回転せしめるサーボモータ、
209はアーム203をアーム202に対して旋回せしめるサー
ボモータ、210はアーム204をアーム203に対して旋回せ
しめるサーボモータ、211は伸縮アーム205をアーム204
に対して旋回せしめるサーボモータ、212は伸縮アーム2
05を伸縮駆動せしめるサーボモータ、213はヘッド206を
伸縮アーム205の軸を中心に回動せしめるサーボモー
タ、214はステム207をその軸を中心に回動せしめるサー
ボモータ、215はステム207をその軸方向に移動せしめる
サーボモータ、216,217,218は上記各アーム202,20
3,204,205間の各関節部の動きをロックするロック装
置、219はステム207の先端に取り付けられ、ロボット装
置が行なうべき作業に応じた各種メカニカルハンドが取
り付けられるホルダ、220はホルダ219の作動を制御する
制御装置、221はホルダ219に取り付けられた各種メカニ
カルハンドのうちから必要なもののセット作業を行なう
モータ、222a及び222bは上記メカニカルハンドの一種
で、そのうち222aは被加工体の切抜部に吸着し得る磁気
チャックを備えたハンド、222bはワイヤ電極自動挿通時
に使用するワイヤ電極挟持装置を備えたハンド、223は
ロボット装置2全体の動きを制御する制御装置である。
而して、ワイヤカット放電加工機本体1は、ワイヤ電極
102と被加工体113を微小間隙を保って対向させ、両者間
に電圧パルスを印加して放電火花を生ぜしめ、その放電
侵蝕によって加工を行なうものである。ワイヤ電極102
はワイヤ電極供給ドラム103から幾つかのガイドローラ
等を経て、被加工体と対向する加工部分へ連続的に供給
され、加工部分では所定の電極ガイド間に一定の張力を
保って直線状に張架された状態で走行せしめられると共
に、加工部分を通過したワイヤ電極は電極引取りローラ
等を経由して電極回収ドラム104に巻き取られるように
なっている。なお、上記の如きワイヤ電極走行のための
各種ローラ等の作動の細かな制御は制御装置105によっ
て行なわれるものであり、また制御装置105自体の作動
モードの選択その他の制御は、数値制御装置3からの指
令により行なわれる。
一方、被加工体113とワイヤ電極102間の加工送りは、数
値制御装置3によって制御されるX軸及びY軸方向移動
テーブル107,108から成るクロススライドテーブルを駆
動し、被加工体113を所望の加工輪郭線の形状に沿って
移動させることによって行なわれる。
而して、被加工体113に対して抜型加工を行なう場合、
加工が進行し、加工位置が加工終了点に近づいてくる
と、前記の如く、被加工体の切抜部113′が自重によっ
て下方に垂れ下がりワイヤ電極と被加工体が短絡して加
工が停止したり、切り終りの部分に突起や凹みが生じた
りする。これを防止するため、第1図に示した本発明に
係るワイヤカット放電加工装置に於ては、上記切抜部11
3′をロボット装置2に取り付けた磁気チャックで一定
位置に保持して加工終了時の加工を円滑ならしめると共
に、加工終了後には切抜部113′を磁気チャックに吸着
させたまゝでこれを加工部から取り出し、ロボット装置
2を駆動してストッカ4へ収納せしめるものである。ワ
イヤカット放電加工機本体1は、後で詳しく説明する通
り、ワイヤ電極自動挿通機能を有しているため、切抜部
113′を取り外した後は、被加工体の別の箇所に対する
加工を連続して行ない得るものである。
而して、以下にロボット装置2の構成について説明す
る。第1図に示した実施例に於けるロボット装置2は、
所謂、多関節アーム形式のロボット装置であり、そのア
ーム202は基台201に回動自在に取り付けられ、基台201
に取り付けられたサーボモータ208の駆動によってその
軸(図示の場合は鉛直軸)を中心として回転せしめられ
る。アーム203はアーム202との間の関節部に設けられた
サーボモータ209によって、アーム202の軸とこれに直角
な一軸とがなす平面内で旋回せしめられる。アーム204
はアーム203との間の関節部に設けられたサーボモータ2
10によってアーム203と同一平面内で旋回せしめられ
る。以上3本のアームの動きによって、自由度3が与え
られ、ヘッド206は動作領域内の3次元空間で任意の位
置をとることができる。
然しながら、ロボット装置による様々な作業を一層円滑
に行なわせ、且つその制御プログラムを簡易化するため
に、ヘッド206を水平方向に簡便に移動させたり、ホル
ダ219を垂直方向に移動させたり回動させたりするため
に、ロボット装置2の動作の自由度は更に増大させてあ
る。即ち、伸縮アーム205はモータ212によってその軸方
向に伸長、縮退せしめられると共に、モータ211によて
アーム204に対してアーム204の旋回平面と同一平面内で
旋回せしめられ、これによりヘッド206の上記平面内で
の首振り運動が可能とされる。また、ヘッド206はモー
タ213によって伸縮アーム205の軸を中心に回動せしめら
れ、これにより上記ヘッド206は上記首振り平面とは直
角な平面内での首振り運動が可能となっている。更にま
た、ステム207はモータ214によりその軸を中心に回動せ
しめられると共に、モータ215により軸方向に移動せし
められるようになっている。
而して、上記の如き多関節アーム形式のロボット装置
は、一般に、直交座標形、円筒座標形、極座標形等の他
のマニュピュレータに比べてアームの動作が人間に腕の
動きに最も近く、柔軟な動作ができるので、一つのワー
クに対して様々な向きから作業を行なうことができると
いう利点を持つ反面、旋回部位を多く有するため、アー
ムの先端部では各アームを駆動するサーボ機構の誤差が
累積されて動作精度が低くなると云う問題点がある。
一方、本発明に係るワイヤカット放電加工装置に備えら
るべきロボット装置は、被加工体の切抜部113′を少な
くとも加工終了時近くの所定時間中に於て一定位置に保
持する必要があるから、ヘッド206の位置を厳密に固定
できるものでなくてはならない。このため、上記ロボッ
ト装置2は、例えば本願出願人が特願昭58-157896号に
於て開示したようなロッキング機構を有するロボット装
置を利用することが推奨される。当該ロッキング機構の
概略を説明すれば、例えばアーム202に対してアーム203
を固定する場合、両者を結合する関節部に、アーム203
に固着される円板203aを設け、当該円板には同一半径上
に一定間隔で多数の孔203a′を明けると共に、もう一方
のアーム202側に固定したロック装置216のロックピンを
上記多数の孔203a′のいずれかに挿入することによっ
て、両アーム202及び203を所望の位置でロックするよう
になっている。上記ロックピンは、例えばソレノイド等
で作動せしめられ、当該ソレノイドへの電流を制御する
ことによって、上記孔へのロックピンの係合、離脱が行
なわれる。同様のロッキング機構が、アーム203と204の
間、並びにアーム204と205の間にも設けられ、これによ
りヘッド206は所望の位置に厳密に静止し得るようにな
っている。
ステム207の先端に取り付けられたホルダ219には、ロボ
ット装置が行なうべき作業に応じた各種メカニカルハン
ド222a,222b等が取り付けられ、その制御装置220の指
令により遂行すべき作業に応じて所望のメカニカルハン
ドがモータ221の作動によって所定の作動位置にセット
される。即ち例えば、切抜部113′を保持するため磁気
チャックを有するメカニカルハンド222aを使用する場合
には、当該メカニカルハンドを所定の位置に引き降ろ
し、それ以外のメカニカルハンド222b等は作業の邪魔に
ならない位置に引き上げておく。
なお、ロボット装置を所定の位置に駆動するための上記
各モータ209,210,211,212,213,214,215や、ロボ
ット装置を所定の位置に固定するためのロック装置21
6,217,218や、ホルダ219の制御装置220等の作動は、
ロボット装置全体の制御装置223によって統括制御され
るものであり、例えば磁気チャックを使用する場合、当
該磁気チャックで吸着すべき切抜部113′の特定の位置
に関する情報のみを、数値制御装置3からロボット装置
の制御装置223に与えれば、当該位置情報に基づき制御
装置223が自動的にロボット装置全体を制御して磁気チ
ャックを切抜部113′に吸着せしめるものである。
而して、加工時にロボット装置2の磁気チャックハンド
222aによって被加工体113の切抜部113′を保持し、加工
終了後にこれを加工部から自動的に取り外す作業工程に
ついて説明する。
先ず、被加工体113を加工タンク111内の載物台112に取
り付け、ワイヤ電極自動挿通機能を有するワイヤカット
放電加工機本体1により被加工体に加工用下孔を明けた
上で、又は穿孔加工と共に、この孔にワイヤ電極102を
挿通して、最初に切り抜くべき加工輪郭線の加工を開始
する。この加工に先立ち、若しくは加工初期の適宜の時
期に、数値制御装置3からロボット装置の制御装置223
に信号を送って、取り付けられた被加工体の切り抜かれ
るべき切抜部113′に相当する位置の上面(望ましくは
切抜部113′の重心の上の位置)に磁気チャックを吸着
させる。被加工体の上面に於ける上記吸着位置のX軸及
びY軸方向に関する値は、数値制御装置3に加工輪郭線
に関するプログラムが組み込まれているのであるから、
数値制御装置に於ける演算によって容易に求め得るとこ
ろである。然しながら、被加工体113の上面の高さ、即
ちZ軸についての位置は必ずしも数値制御装置3のプロ
グラムには組み込まれていないので、上記吸着の時点に
於て、ロボット装置の各関節部の屈折角度等を検知し、
その値を制御装置223若しくは数値制御装置3に記憶さ
せておき、加工の後半期に於て切抜部113′がその当初
の高さより降下しないように磁気チャックで一定位置に
保持する際に上記の記憶された値を利用するものであ
る。
上記の如くして、被加工体113の高さを制御装置223若し
くは数値制御装置3に記憶させた後、磁気チャックハン
ド222aは被加工体から一旦切り離し、X−Y軸方向移動
テーブル107,108を駆動しつゝ所望の加工形状に沿った
加工を継続する。その際、ロボット装置2は加工の邪魔
とならない位置に退避させておく。
而して、加工が進行し、加工位置が加工終了点に近づい
て切抜部113′がその自重によって変位する虞れが生じ
る時期に至った際には、予めのプログラムに従い数理制
御装置3から制御装置223に信号を送って、再びロボッ
ト装置2を駆動し、磁気チャックを切抜部113′の上面
の重心位置に吸着させる。その場 合、ロボット装置のロック装置216ないし218を作動させ
て、ハンド222aの先端部に備えた磁気チャックの高
さ位置を加工初期に記憶させた値に厳格に保持するもの
であり、これによって切抜部113′の自重による変位が
防止され、又、磁気チャックにより吸着固定する際に切
抜部113′に変位を生じさせることもないため、被加
工体とワイヤ電極が短絡したり、加工終了部分に臍や凹
部が生じたりすることなく高精度の加工がなされ得るも
のである。
なお、磁気チャックを吸着させた状態で加工終了点近く
の加工を続行する際、磁気チャックがX−Y軸方向に全
く変位不可能であるとすれば被加工体の加工送りが阻害
されるから、磁気チャックハンド222aのホルダ219に対
する取付け部に、磁気チャックがX−Y軸方向に幾分変
位可能な遊びを持たせたり、或いはロボット装置を駆動
して、磁気チャックを上記加工送りに追従させてX−Y
軸平面内で移動させるようにすることが推奨される。但
し、その場合でも、磁気チャックがZ軸方向には常に一
定位置に保たれるようにすることは勿論である。
以上により加工が終了し、切抜部113′が被加工体本体
から切り外されたときは、数値制御装置3から制御装置
223に信号を送って、上記切抜部113′を磁気チャックに
吸着させたまゝの状態でロボット装置のステム207を上
方向へ移動させて切抜部113′を被加工体から引き抜
き、然るのちロボット装置全体を旋回させるためのモー
タ208やその他の関節部のモータ等を作動させて、切抜
部113′をストッカ4上の所定の位置に搬送、格納する
ものである。
その後、被加工体113に対しては、上記と同様の工程に
より第2、第3の加工が順次繰り返され、多数の抜型加
工が長時間に亙って自動的に遂行される。
このように、切抜部に自重による変位が未だ全く生じて
いない加工開始に先立つ又は開始初期の時期に磁気チャ
ックにより被加工体113の切抜部113′に相当する
部位の上面を吸着させ、この吸着状態での磁気チャック
のZ軸方向の位置を検知して記憶させておき、加工が終
了近くになって切抜部113′に自重による変位が生じ
る前に、記憶させておいた位置情報により磁気チャック
を先に吸着した位置に移動させて切抜部113′を吸着
保持させるようにすることにより、切抜部113′は加
工終了時点まで何等変位を生じることなく加工開始時点
の高さの位置(Z軸位置)に正確に保持されることにな
るため、精度の良い加工を行なうことが可能となる。
而して、第1図に示した実施例においては、切抜部11
3′を一定高さに保持し且つ加工終了後にはこれを被加
工体本体から引き出すための切抜部吸着手段として、磁
気チャックを用いたが、例えば第2図に示すような形式
の吸着手段を用いることも可能である。
即ち、第2図に示す切抜部吸着手段236は、気圧吸引に
よる吸着盤方式のものであり、同図中、237は第1図中
のロボット装置のメカニカルハンドホルダ219に取り付
けられるアーム部、238は上記アーム部237の自由端に固
着された基板、239はゴム若しくは柔軟な合成樹脂材料
で作製されたコーン状の吸着盤、240は上記吸着盤239を
固定するためネジ241,241により上記基板238に取り付
けられるコーン状の裏板部材、242は排気管である。
この切抜部吸着手段236の作用は、図から容易に判る通
り、ロボット装置を駆動して吸着盤239の周縁部を切抜
部113′の上面に当接せしめ、図では省略した排気ポン
プにより排気管242を通じて吸着盤239内の空気を排出す
る。然るときは、切抜部113′が吸着盤に吸引された状
態で一定位置に保持され、また加工終了後は切抜部11
3′を被加工体本体から抜き取り、前記ストッカ4等の
適宜の場所へ持ち出すことが可能となるものである。
而して、この気圧吸引による吸着手段236を使用する
場合も、磁気チャックを使用する場合と同様に、制御装
置223により、抜型加工の開始に先立ち若しくは加工
初期の時期に数値制御装置3から送られる切抜部11
3′に関するX−Y平面上の位置情報に基づいて、吸着
盤239を有するメカニカルハンドを移動させて該吸着
盤239を被加工体113の切り抜かれるべき切抜部1
13′に相当する位置の上面に吸着させ、該吸着状態に
於けるロボット装置2の各関節部の屈折角度等を検出し
て吸着盤239のX−Y平面と直交するZ軸方向の位置
を検知し、検知したZ軸位置情報を制御装置223ある
いは数値制御装置3に記憶させた後、吸着盤239によ
る吸着を解除してメカニカルハンドを抜型加工の妨げに
ならない位置に退避させ、加工後半期に数値制御装置3
から送られる指令信号に応じて、切抜部113′に関す
るX−Y平面上の位置情報と記憶させた上記Z軸位置情
報に従ってメカニカルハンドを先に吸着した位置に移動
させて、吸着盤239により切抜部113′を吸着さ
せ、加工終了後に数値制御装置3から送られる指令信号
に応じて、メカニカルハンドをZ軸方向上方に移動させ
て吸着盤239に吸着保持されている切抜部113′を
被加工体113から抜き取ると共に、抜き取られた切抜
部113′をロボット装置全体の旋回や各関節部の旋回
あるいは軸中心の回転運動によりストッカ4上の所定の
位置に搬送し、格納するように制御される。そして、こ
の場合、柔軟性を有する吸着盤239がその開口先端部
を除いて裏板部材240により固定されているから、加
工開始に先立ちあるいは加工初期に吸着した位置に、加
工終了間際の切抜部113′を正確に吸着保持すること
ができ、加工終了時点まで切抜部113′に変位を生じ
させることなく精度の良い加工を行なうことができる。
以上の如く、本発明に係るワイヤカット放電加工装置に
よるときは、ワイヤカット放電加工機本体1で抜型等の
加工を行なう際、ロボット装置を用いて加工終了時に切
抜部が変位、脱落しないように切抜部を加工開始時点と
同じ位置に正確に保持し、加工の終了後にこれを自動的
に抜き取ることができ、セカンドカット加工を行なう場
合や一つのワークから多数個の製品を取る加工を行なう
場合に長時間の連続無人運転を行なうことができ、更
に、切り終わりの部分に臍と呼ばれる突起が生じたり、
凹みや傷が生じるのを防止することができる。
而して、本発明ワイヤカット放電加工装置に備えられる
上記ロボット装置2は被加工体の切抜部の保持、抜取り
作業を行なわせることを主目的とするものであるが、長
時間の連続無人運転を行なう場合に必要とされるその他
の諸作業を遂行させることも勿論可能である。
その作業の一つは、被加工体113自体の載物台112への自
動的な取付けと取外しであり、これはロボット装置のホ
ルダ219に被加工体運搬用の比較的大型のメカニカルハ
ンドを取付け、ストッカ4と載物台112との間で被加工
体の持ち運びを行なわせると共に、必要であれば、クラ
ンプ114の取付け、取外し工具をホルダ219に設けること
によって容易に実現可能である。
連続無人運転に必要なもう一つの作業は、被加工体への
ワイヤ電極の自動挿通作業であり、本発明に於てはロボ
ット装置2にこの作業の一部を補助させることが可能で
ある。
以下、ロボット装置2を利用してワイヤ電極の自動挿通
を行なわせるための構成について説明する。
ワイヤカット放電加工装置によって抜型等の輪郭加工を
行なう場合には、最初に被加工体にワイヤ電極を通すた
めの電極挿通用細孔を形成し、上記電極挿通用細孔にワ
イヤ電極を挿通すると共に、上記ワイヤ電極を通常2本
のアームの先端に設けられた一対の電極ガイド間に適度
の張力を持たせて直線状に張架する必要がある。
而して、従来は電極挿通用細孔の小孔にワイヤ電極を挿
通するのに、ワイヤカット放電加工時に使用するピンチ
ローラ及びキャプスタン又はワイヤ電極の挿通時のみ作
動するように別途に設けられた送りローラ等が用いられ
ているが、ワイヤ電極は、その直径が1mm以下、通常0.
05〜0.30mm程度と極めて細い線材であり、これを加工開
始前に被加工体に形成された上記電極挿通用細孔に正確
に挿通し、次いでガイドに挿通等所定位置を通過するよ
うにした後ワイヤ電極の挟着送り等の引張り送り、更に
は回収手段に係合させて、一対のガイド間に直線状に張
架及び更新移動させるようにすることは非常に困難であ
った。
更にまた、V溝摺接ガイドを使用する際には、V溝に対
する押さえ片が少なくとも退避できる構成のものとしな
ければならず、また、ダイスガイドやV溝組合せガイド
等を開閉可能なものとする必要がある場合もあり、特
に、ワイヤ電極供給側で、ダイスガイドやV溝ガイド及
びその押え片等の開閉距離を大きくしなければならなか
った。
然しながら、従来公知の方法では、V溝ガイドや複合ダ
イスガイドの開閉度を大きく構成し、相当高精度の位置
決めをしてもなお、該ワイヤ電極が先端自由の状態で送
り出されると、案内ローラや送りローラ等によりワイヤ
電極に曲り癖が生じるためガイドや電極挿通用細孔の内
周壁、接触通電ピン及びその他の介在物等に接触しつゝ
送り出されることになり、そのため被加工体の電極挿通
用細孔にワイヤ電極を挿通する操作、或いは更にワイヤ
電極の引き取り側のガイドにワイヤ電極を挿通し、そし
て引き取り装置にワイヤ電極を係合する操作が必ずしも
良好に行なわれないと云う問題点があった。
これはピンチローラ及びキャプスタン又はワイヤ電極挿
通のための送りローラ等によりワイヤ電極に曲り又は癖
がついてしまうためである。また、ワイヤ電極挿通のた
めの送りを加工液ジェットにより、又は該ジェットと送
りローラ等によって行なうことも種々試みられている
が、加工液飛散の問題とか、障害物によりジェットが充
分流通させ得ないとか、ジェットの有効長さが必ずしも
充分長いものでない等の問題があった。また他方、上記
電極挿通用細孔をワイヤカット放電加工機に於て加工形
成するためのドリル工具や電気加工用細管状電極を上下
に移動させるための装置等が上部アーム又は加工ヘッド
にワイヤ電極の送り機構等と別個に取り付けられている
ため、ワイヤカット放電加工装置全体の上部構造が大型
になってしまうと云う問題点もあった。
即ち、上記の如き従来装置は、電極挿通用細孔へのワイ
ヤ電極の給送をキャプスタン及びピンチローラによって
行なっていた為、特に、ワイヤ電極の自由端に曲り又は
癖等がついてしまい、上記電極挿通用細孔やガイド等に
上記ワイヤ電極をスムーズに挿通させることが困難にな
ってしまうのであった。
このような問題点を解決するため、本願出願人は、先に
特願昭59-073050号に於て、厚手の被加工体であって
も、焼入れ済みや超硬合金等の被加工体であっても、短
時間に電極挿通用細孔を形成することができ、また、形
成した上記電極挿通用細孔へワイヤ電極の自由端が曲り
又は癖の無い状態で給送されると共に、上記電極挿通用
細孔の加工形成を実質上同時進行的に行なえるように構
成することによって、上記ワイヤ電極を上記電極挿通用
細孔に確実に挿通することが可能であり、更に、被加工
体の他側のガイドが小さな案内ダイス等のガイドであっ
ても上記ワイヤ電極を確実に挿通させることができ、一
対のガイドによってワイヤ電極を直線状に張架し、精度
の高い自動加工を可能にし、更に、作業に手間と時間が
かからず、装置全体をコンパクトに構成し得るワイヤカ
ット放電加工方法及び装置を開示した。
本発明に係るワイヤカット放電加工装置は、このような
ワイヤ電極自動挿通機構を有しており、又、必要に応じ
てロボット装置2のメカニカルハンドにワイヤ電極自動
挿通の補助動作を行なわせるようにすることも容易に可
能である。
以下、その具体的構成につき第3図乃至第5図を参照し
つゝ説明する。
第3図乃至第5図中、102及び105は第1図にも示した通
りのワイヤ電極と制御装置であり、また、115はその内
部に例えば約0.05〜0.40mmφの上記ワイヤ電極102を挿
通、通過させると共に加工液を同軸***流として流通噴
射させ得る孔115aを有し且つ所定の長さを有する細管状
電極、116及び117は第1の開閉式の加工液ノズルユニッ
ト、116a,117a,116b,117bは電極挿通用細孔加工時に
は上記細管状電極115の位置決めを行ない、ワイヤ電極1
02を上記電極挿通用細孔に挿通させた後のワイヤ電極に
よる放電加工の際には、上記ワイヤ電極102の位置決め
を行なうと共に、加工位置へワイヤ電極に沿って加工液
を噴射供給する同軸噴射ノズルとなるもので、116cは加
工液供給孔、118,119は位置決めガイド及び/又は上記
細管状電極115又はワイヤ電極102に所定の放電加工用電
圧パルスを供給する通電ピン、120,121は上記第1の開
閉式の加工液ノズルユニット116,117を開閉する油圧シ
リンダ、122,123は被加工体113を挟んで上記第1の開
閉式の加工液ノズルユニット116,117と相対向する位置
に設けられた第2の開閉式の加工液ノズルユニット、12
2a,123aは電極挿通用細孔加工時には被加工体113に上
記細管状電極115によって形成された電極挿通用細孔の
位置を確認し、また、ワイヤ電極102が上記電極挿通用
細孔に挿通された後のワイヤ電極による放電加工の際に
は、上記ワイヤ電極102を引き取る案内ガイドの役割を
果すと共に、加工位置へワイヤ電極に沿って加工液を噴
射供給する同軸噴射ノズル、122b,123bは電極ガイド、
123cは加工液供給孔、124及び125は位置決めガイド及び
/又は通電ピン、126,127は上記第2の加工液ノズルユ
ニット122,123を開閉する油圧シリンダ、128,129はワ
イヤ電極引取りローラ、130,131はワイヤ電極を回収若
しくは切断廃棄する位置まで運ぶベルト式送り装置、13
2は上記第2の開閉式の加工液ノズルユニット122,123
からベルト式送り装置130,131までの諸機構を収納する
ためワイヤカット放電加工機本体のカラム101(第1図
参照)から伸長した下部アーム筐体、133は上記カラム1
01から伸長した上部アーム又は上部アームに設けられた
加工ヘッド、134は上部アーム133内に固定され、前記細
管状電極115を取り付けたステム135を被加工体113に対
して上下に移動させる油圧シリンダ、135aは上記ステム
135に形成された加工液供給孔、136は締付用ナット、13
7はその一端に上記ステム135が固定され、他の一端は油
圧シリンダ134のピストンロッド138に取り付けられたア
ーム、139はモータが停止又はゆっくりと回転している
ときはブレーキローラとして作用し、モータがシーケン
ス制御等の制御の下に所定速度で回転しているときはキ
ャプスタンとしての作用をするブレキローラ兼キャプス
タン、140はピンチローラ、141はガイドローラ、142は
ワイヤ電極の曲り癖を取るためのパイプ、222bは第1図
に示したロボット装置2のホルダ219に取り付けられた
第1のワイヤ電極挟持装置、143は上記第1のワイヤ電
極挟持装置222bの下方に設けられ、上部アーム又はヘッ
ド133内に固定された、上記第1の電極挟持装置222bと
同様な構成を有する第2のワイヤ電極挟持装置、144は
上記ワイヤ電極102を引張り切断するレーザカッタ等の
加熱装置である。
なお、上記油圧シリンダ120,121,126,127及び134
や、ベルト式送り装置130,131の作動、第2のワイヤ電
極挟持装置143や加熱装置144の作動、そして各種ガイド
ローラ等の作動は制御装置105により第1図に示した数
値制御装置3からの指令に基づき、ロボット装置のメカ
ニカルハンドである上記第1の電極挟持装置222bの作動
と連関性を保って制御されるようになっている。
而して、細管状電極115はステム135に締付用ナット136
によって着脱自在に取り付けられており、電極挿通用細
孔の加工によって細管状電極115が消耗した場合には、
締付用ナット136をゆるめることによって消耗した細管
状電極を取り付け直したり、新しい細管状電極と交換し
得るように、好ましくは電極自動交換型の装置に構成さ
れている。
ステム135はアーム137を介して油圧シリンダ134のピス
トンロッド138に取り付けられており、上記油圧シリン
ダ134の作用によって被加工体113に対して上下に移動せ
しめられるように構成されている。
第1の開閉式の加工液ノズルユニット116,117には、細
管状電極115又はワイヤ電極102の位置決めを行なう電極
ガイド116a,117a及び116b,117bが形成され、また、被
加工体113の加工部分に加工液を供給する加工液供給孔1
16cも設けられ、上記電極ガイド116a,117a部分は加工
液噴出ノズルとしての役割を果すと共に、両ノズルユニ
ット116,117は油圧シリンダ120及び121の作用によっ
て、直径方向に開閉が行なわれるように構成されてい
る。また、上記第1の開閉式の加工液ノズルユニット11
6,117の内部の中央部分には、図示されていなスプリン
グの弾性力のような付勢力が制御可能に少なくとも一方
に作用するように構成された通電ピン及び/又は位置決
めガイド118,119が取り付けられており、電極挿通用細
孔加工時には細管状電極115に給電を行ない、他方ワイ
ヤ電極102による放電加工時にはワイヤ電極102に給電及
びガイド作用が行なわれる。
被加工体113を挟んで上記第1の開閉式の加工液ノズル
ユニット116,117と相対向する位置には、油圧シリンダ
126及び127の作用によって直径方向に開閉が行なわれる
第2の開閉式の加工液ノズルユニット122,123が配置さ
れており、上記第2の開閉式の加工液ノズルユニット12
2,123には、上記細管状電極115によって被加工体113に
電極挿通用細孔が加工された際には、上記電極挿通用細
孔の位置を確認し、上記電極挿通用細孔にワイヤ電極10
2が挿通された後のワイヤカット放電加工の際には、上
記ワイヤ電極102を上記電極挿通用細孔から引き取る案
内ガイド兼加工液噴射ノズル122a,123aや加工液供給孔
123c及び下部電極ガイド122b,123bが設けられており、
その内部の中央部分には位置決めガイド及び/又は通電
ピン124と125とが設けられている。
上部アーム133内には、ロボット装置のホルダ219から伸
長した第1のワイヤ電極挟持装置222bと、上部アーム13
3の底面に取り付けられた第2のワイヤ電極挟持装置143
とが、ワイヤ電極102の更新軸方向に相対向して設けら
れており、そのうち第1のワイヤ電極挟持装置222bはロ
ボット装置のステム207を上下に移動させることによっ
て、ワイヤ電極の張設方向に沿って上下に移動されるよ
うになっている。また、上部アーム133内には、ワイヤ
電極102の引張り切断を行なうためレーザカッタ等の加
熱装置144が収容されている。
ここでロボット装置に取り付けられた第1の電極挟持装
置222bと上部アーム133内に設けられる第2のワイヤ電
極挟持装置143の構成を、第1のワイヤ電極挟持装置222
bを例にあげて説明すれば、第6図に示す如く、第1の
ワイヤ電極挟持装置222bはそのアーム部222b-1と、電極
押圧ロッド222b-2と、スプリング222b-3と、ソレノイド
222b-4とから構成され、上記ソレノイドのコイルには、
別途設けた直流電源243から、制御器224によって開閉制
御されるスイッチング素子245を通じて電流が供給され
るようになっている。
ロッド222b-2は、ソレノイド222b-4のコイルに電流が供
給されていないときにはスプリング222b-3の弾性力が作
用し、ワイヤ電極102を挟持しているが、制御器244の指
令によりスイッチング素子245が導通し、ソレノイドの
コイルに電流が供給されると、ロッド222b-2が上記スプ
リング222b-3の弾性力に抗して上記ソレノイド側に吸引
され、ワイヤ電極102の挟持作用が解除されるように構
成されている。
なお、第2のワイヤ電極挟持装置143の構成もこれと同
様であるので、その説明は省略する。
而して、ワイヤカット放電加工装置に使用されるワイヤ
電極102としては、通常銅又は銅系合金線が使用される
ものであり、上記ワイヤ電極102を上記レーザカッタ144
で適宜の温度範囲で加熱し、そして引張ることにより切
断が行なわれるので、ワイヤ電極102の切断部は、例え
ば特開昭56-76338号公報に記載されているように先細
で、且つ先端に向かうにつれて硬度が増大して曲り難
く、しかも曲りやバリ等の無い状態で切断することがで
きるものである。
而して、本発明に係るワイヤカット放電加工装置に於
て、被加工体113にワイヤ電極102を挿通させるための電
極挿通用細孔を形成する工程、及び電極挿通用細孔形成
後に、ロボット装置に取り付けた電極挟持装置を利用し
て、上記細孔にワイヤ電極102を挿通せしめ、これを電
極回収位置まで到達させ、然る後、ワイヤカット放電加
工によって被加工体113にワイヤカット放電加工が施さ
れるまでの一連の工程を説明する。
先ず、ブレキローラ兼キャプスタン139がキャプスタン
として作動し、第1図に示したワイヤ電極供給ドラム10
3からワイヤ電極102が引き出され、第1のワイヤ電極挟
持装置222bの下方のワイヤ電極供給側移動終点の位置に
達するとワイヤ電極102の供給が停止され、上記ワイヤ
電極102の自由端が上記第1のワイヤ電極挟持装置222b
で挟持される。
なお、この時、初めは第1のワイヤ電極挟持装置222bの
ソレノイドには電流が供給されており、ワイヤ電極102
を受け入れ得る状態に保たれているが、上述の如くワイ
ヤ電極102が第1のワイヤ電極挟持装置222bの位置に達
すると上記ソレノイドへの電流の供給が停止されて上記
ワイヤ電極102が挟持されるものである。
次に、キャプスタン139とピンチローラ140により
適宜のブレーキ力を付与しつゝ、ロボット装置のステム
207を下方へ移動させることによりワイヤ電極を送り出
し、第1のワイヤ電極挟持装置222bがレーザカッタ144
の下方まで降下し、ワイヤ電極102は張力のかかった状
態でその先端部分が上記レーザカッタ144によって溶断
される。それと同時に第1のワイヤ電極挟持装置222bの
ソレノイドへ給電が行なわれ、上記第1のワイヤ電極挟
持装置222bが把持しているワイヤ電極切断片が放棄さ
れ、適宜の方法、例えば、図示されていないエアガン等
により除去される。次いで、ロボット装置のステム207
は上方に移動せしめられ、然る後再び第1のワイヤ電極
挟持装置のソレノイド222b-4への給電が行なわれてワイ
ヤ電極102が第1のワイヤ電極挟持装置222bによって再
び挟持される。
ワイヤ電極102がワイヤ電極挟持装置222bによって挟持
されると、ロボット装置のステム207は下方へ向かって
押し下げされ、ワイヤ電極102は第1のワイヤ電極挟持
装置222bによって挟持されたまゝ下方へ移動する。
このとき上記第1のワイヤ電極挟持装置222bの下方に設
けられた第2のワイヤ電極挟持装置143は、そのソレノ
イドに電流が供給され、ワイヤ電極102を受け入れ得る
状態となる。
而して、上記第1のワイヤ電極挟持装置222bに挟持され
たワイヤ電極102の自由端が第2のワイヤ電極挟持装置1
43の位置に達すると、上記第2のワイヤ電極挟持装置14
3のソレノイドへの電流の供給が停止されてワイヤ電極1
02は上記第2のワイヤ電極挟持装置143によって挟持さ
れ、これと同時に第1のワイヤ電極挟持装置222bのソレ
ノイドへ電流が供給され、第1のワイヤ電極挟持装置22
2bによるワイヤ電極102の挟持動作が停止されると共
に、ロボット装置が作動して、第1のワイヤ電極挟持装
置222bは上方へ向かって引き上げられる。
即ち、第1のワイヤ電極挟持装置222bがワイヤ電極102
を挟持して下方へ移動し、下方に設置された第2のワイ
ヤ電極挟持装置143がそのワイヤ電極102を挟持すると、
上記第1のワイヤ電極挟持装置222bの挟持動作が解除さ
れると共に上方に移動し、再びワイヤ電極102を挟持し
て下方へ移動するという動作が繰り返えされることによ
り、第3図に示す如く、ワイヤ電極102が細管状電極115
の孔115a内に供給され、上記ワイヤ電極102の自由端が
細管状電極115の先端部分と略同一平面となると、油圧
シリンダ134による細管状電極115の下方への移動が行な
われるが、以後、上記のワイヤ電極送出機構は上記油圧
シリンダ134の下方への移動速度に同期してワイヤ電極1
02の送出を行なうので、ワイヤ電極102の自由端は常に
細管状電極115の先端部分と略同一平面に保たれる。
なお上記の場合、下方の第2のワイヤ電極挟持装置143
をロボット装置に取り付けて上下移動可能にすると共
に、第1のワイヤ電極挟持装置222bを上部アーム133に
固定する構成とすれば、第2のワイヤ電極挟持装置143
が上方へ移動してワイヤ電極102を挟持し、第1のワイ
ヤ電極挟持装置222bによるワイヤ電極102の挟持を解放
し、そして第2のワイヤ電極挟持装置143が、レーザカ
ッタ144の下部へ押し下げられた所で、一旦停止すると
共に、第1のワイヤ電極挟持装置222bによりワイヤ電極
102を挟持し、ロボット装置のステム207を下方へ伸長さ
せることにより、第2のワイヤ電極挟持装置143を押し
下げつゝ第1及び第2のワイヤ電極挟持装置222bと143
間で引っ張られつゝあるワイヤ電極102をレーザカッタ
等の加熱装置144で加熱して引き伸ばして切断して、送
り挿通に好適なワイヤ電極102の切断自由端を形成させ
ることができ、また図示実施例ではこのような加熱下に
於ける引張り切断を、上記第1のワイヤ電極挟持装置22
2bとキャプスタン139とピンチローラ140との間に於て上
記キャプスタンを停止してワイヤ電極102を挟持させる
工程を追加することによっても行なわせることができ
る。
而して、細管状電極115が被加工体113に接近すると、第
4図に示す如く、第1の開閉式の加工液ノズルユニット
116,117が油圧シリンダ120,121の作用によって閉じら
れ、上記細管状電極115にはガイド及び/又は通電ピン1
18,119を介して図示されていない電源回路から放電加
工用電圧パルスが供給され、これと同時に油圧シリンダ
134による下方への移動運動がアーム137及びステム135
を介して与えられると共に、上記油圧シリンダ134によ
る下方への移動速度に同期するようにワイヤ電極送出機
構によるワイヤ電極102の送出が行なわれ、同時に通常
のワイヤカット放電加工と同一の加工液が細管状電極11
5の孔115aから被加工体113の加工部分に供給されつゝ電
極挿通用細孔の加工が行なわれる(第4図参照)。
而して、電極挿通用細孔加工時には、上述の如く、油圧
シリンダ134による下方への移動速度と同期するように
ワイヤ電極送出機構がワイヤ電極102の送り出しを行な
うので、ワイヤ電極102の自由端が常に細管状電極115の
先端部分と略同一平面となった状態を保って加工が行な
われ、ワイヤ電極102が細管状電極115から逸脱すること
がない。
細管状電極115による被加工体113への電極挿通用細孔の
加工は、電極115にワイヤ電極102が挿通されていると云
う以外は、例えば特開昭56-69033号公報に詳細に記載さ
れている深細孔の放電加工による高速加工により行なわ
れるもので、前記加工液供給孔135aから少なくとも10〜
20kg/cm2又はそれ以上で加工液が加圧供給され、そし
て図では省略したが、好ましくは細管状電極115に上記
公報記載の如く超音波振動を付与しつゝ油圧シリンダ13
4により定速又はサーボ送りを与えて加工するものであ
り、このような高圧加工液の噴射と、更には振動付与に
より、従来加工が円滑に行なわれなかった深細孔の加工
が、焼入鋼や超硬合金等に対しても円滑且つ高速で行な
われ、厚手の被加工体であっても真直ぐで曲りの無い電
極挿通用細孔を短時間で形成することができる。
なお、この電極挿通用細孔の加工の際に、ワイヤ電極10
2に何等かの放電加工電源が接続されている場合には勿
論のこと、電源が接続されていなくても、ワイヤ電極10
2は細管状電極115と何等かの接触状態にあることによ
り、その先端が消耗することがあるから、細管状電極11
5の先端に対するワイヤ電極102先端の消耗後退長さが、
例えば数mm前後又はそれ以上に達したならば、ワイヤ電
極送出機構によるワイヤ電極102の送り出しを多くし、
その先端が細管状電極115の先端近くにあるように補正
しておく方が、以後のガイド等に対するワイヤ電極102
の挿通セットが確実となるので望ましいものである。
被加工体113にワイヤ電極102を挿通させるための電極挿
通用細孔が形成されると、細管状電極115の先端近くに
あって、細管状電極115の先端と共に既に電極挿通用細
孔に挿通されているワイヤ電極102の先端は、上記第1
及び第2のワイヤ電極挟持装置222b及び143、及びさら
にキャプスタン139とピンチローラ140による所定の制御
送り出しにより送り出されて、第2の開閉式の加工液ノ
ズルユニット122,123の案内ガイド122a,123aによって
捉えられ、ガイド及び/又は通電ピン124及び125を経て
電極ガイド122b,123bから排出され、その後、引取りロ
ーラ128,129に捕捉され、送りベルト130と131との間に
挟まれて、ワイヤ電極回収ドラムに回収され、若しくは
適宜の手段で切断廃棄されるものである。
上記の如くして、ワイヤ電極102の引回しが完了する
と、油圧シリンダ134が細管状電極115を上方に引き上
げ、これに伴い第1の開閉式の加工液ノズルユニット11
6,117が油圧シリンダ120,121の作用によって閉じら
れ、上記ワイヤ電極102には通電ピン118,119を介して
図示されていない電源回路から放電加工用電圧パルスが
供給され、同時に通常のワイヤカット放電加工用と同一
の加工液が加工液供給孔116cから送り込まれ、またそれ
と同時に第2の加工液ノズルユニット122,123も閉じら
れて、その加工液供給孔123cからも加工液が送り込ま
れ、これにより被加工体113の加工部分には上記両ノズ
ルから加工液がワイヤ電極に沿って供給されて、ワイヤ
カット放電加工が行なわれる。(第5図参照) なお、通常の加工時に於ける通電ピンや案内ガイド等
は、放電加工電流や摩擦等により相当の高温となる。然
しながら、本発明に係るワイヤカット放電加工装置に於
ては、上記各部分を通過する加工液によって充分に冷却
されるので、長時間の運転にも耐えるものである。
また、細管状電極115が消耗して、その長さが加工すべ
き被加工体113の厚さと同等以下になった場合には、ワ
イヤ電極102を細管状電極115の先端、又は、前述の如く
後端後方で切断した上で、細管状電極115を交換するこ
とになるが、先端で切断すると、細管状電極115の交換
を手動操作により行なう場合には、ステム135の先端か
ら伸びているワイヤ電極102を新しい細管状電極115の孔
115aに通してやれば良いが、細管状電極115を、自動交
換するものの場合にはそれが極めて難しいから、かかる
場合には、伸びているワイヤ電極102をワイヤ電極供給
機構を逆に動作させてステム135の基部近くまで戻し、
然る後、新しい細管状電極115を取り上げて、ワイヤ電
極102を送り出し、細管状電極115先端まで挿通させるよ
うな手段が採られるものであり、かかる意味では、細管
状電極115の交換の際のワイヤ電極102の切断位置は、図
示説明実施例の如く細管状電極115の後端方向で切断す
るのが好ましいものである。上記の如く、本発明ワイヤ
カット放電加工装置に於けるロボット装置を用いたワイ
ヤ電極自動挿通機構によれば、厚手の被加工体や焼の入
った被加工体であっても、ワイヤ電極を容易に通すこと
のできる真直ぐな電極挿通用細孔を短時間で加工形成す
ることができ、また、形成した上記電極挿通用細孔へワ
イヤ電極の自由端が曲り又は癖の無い状態で送り込まれ
ると共に、上記電極挿通用細孔へのワイヤ電極の挿通
は、上記電極挿通用細孔の加工形成と同時に既に行なわ
れているものであるから、以後のガイドやワイヤ電極引
取り装置等へワイヤ電極先端が位置決め挿通されるよう
に操作すれば足りるので、ワイヤ電極の自動挿通の成功
確率が極めて高くなり、また、被加工体の他側にあるガ
イドが小さな案内ダイスのガイドであっても上記ワイヤ
電極を高い確率で挿通させることができるものである。
〔発明の効果〕
本発明は叙上の如く構成されるから、本発明によるとき
は、ワイヤカット放電加工装置で抜型等の加工を行なう
際、そのロボット装置を用いて、加工終了後に切抜部が
変位、落下しないように当該切抜部を保持し、加工の終
了後にこれを自動的に抜き取ることができ、セカンドカ
ット加工を行なう場合や一つのワークから多数個の製品
を切り取る加工を行なう場合に長時間の連続無人運転を
行なうことができ、更に、切り終わりの部分に臍と呼ば
れる突起が生じたり、凹みや傷が生じるのを防止するこ
とができる。特に本発明によれば、ロボット装置を駆動
制御する制御装置によって、切抜部に自重による変位が
未だ全く生じていない加工開始前の又は加工開始初期の
時期に、数値制御装置から送られる切抜部に関するX−
Y平面上の位置情報に基づいて、吸着手段により被加工
体の切抜部に相当する部位の上面を吸着させ、この吸着
状態で検知した吸着手段のZ軸方向の位置を記憶させて
おき、加工終了近くになって切抜部に自重による変位が
生じる前に、切抜部に関するX−Y平面上の位置情報と
記憶させておいたZ軸方向の位置情報により吸着手段を
先に吸着した位置に移動させて切抜部を吸着保持させる
ようにしたことにより、加工終了時点まで切抜部が加工
開始時点の高さの位置(Z軸位置)に正確に保持される
ため、切抜部に何等変位を生じさせることなく精度の良
い加工を行なうことができる。又、切抜部がZ軸方向だ
けでなくX及びY軸方向の位置についても加工開始時点
の位置に正確に保持されることは言うまでもない。
なお、本発明の構成は叙上の実施例に限定されるもので
はない。即ち例えば、ロボット装置2としては、多関節
アーム形式のもののほか、直交座標形式、円筒座標形
式、極座標形式等々の各種のものが利用でき、そのロッ
キング機構も公知の手段を広く採用し得る。また、切抜
部保持のためのメカニカルハンドも、上記実施例のもの
に限らず広く公知のものが利用できる。更にまた、ワイ
ヤ電極自動挿通機構の構成に於て、第1及び第2のワイ
ヤ電極挟持装置のワイヤ電極挟持ハンド部の構造も種々
の構成のものが採用し得るもので、例えば、開閉機構と
しては、所謂リンク式、長孔式、カム式、掛爪式、ねじ
式、カム溝式、ラックピニオン式や歯車式等を、また駆
動源としては油圧式、空圧式、電動モータ式等、ワイヤ
電極との係合部も固定爪、揺動爪、摺動爪、衝撃爪、可
撓爪等の構成も採り得るものである。更にまた、電極挿
通用細孔加工時に細管状電極に回転運動又は超音波振動
を与えつつ加工するように構成すれば、電極挿通用細孔
の加工時間がより短縮され、且つ確実に行なえるもので
ある。また、第1の開閉式の加工液ノズルユニットへの
ワイヤカット放電加工時の加工液の供給を、孔116cを用
いることなく細管状電極115の先端をシール部材により
挟着シールさせて細管状電極115を介して供給するよう
にするとか、ワイヤ電極102への給電を行なう給電ピン
は被加工体や加工液ノズルユニット116,117の上部側等
の位置決めガイドよりも被加工体から離れた位置に設け
るようにしても良い。更にまた、ガイド116a,117a,11
6b,117b,122a,123a,122b,123bやガイド及び/又は
給電ピン118,119,124及び125等を、ノズルユニットや
ノズル本体外部に設けて開閉や進退退避等の容易な構成
にすることができ、また、ガイドとして例えば、特願昭
58-181234号、同58-194952号又は同58-210374号等に記
載のガイド孔が拡大縮小又は開閉可能な複合ガイドの構
成も採用し得るだけでなく、加工液噴射ノズルとして
も、例えば、特願昭58-40949号、同58-40950号又は同58
-70506号等に記載の各種の構成のものを使用し得るもの
である。また、細管状電極115による加工スタート孔と
しての電極挿通用細孔の加工の際に、被加工体113の上
面又は上面近くで上記細管状電極115を位置案内する案
内を進退退避可能に設けて、厚い被加工体113に形成す
る細孔の曲りを防止する等各種の変更構成が可能であ
る。また更に、第3図乃至第5図に示したワイヤ電極自
動挿通機構は、上下関係を逆としたような構成のもの、
即ちワイヤ電極を下から上へと送り供給するタイプのワ
イヤカット放電加工装置にも適用できる。その他、加工
液の供給方法及びワイヤ電極の回収方法等も適宜変更す
ることが可能である。従って、本発明は上記各種の変更
実施例並びに上記の説明から当業者が容易に想到し得る
すべての変更実施例を包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るワイヤカット放電加工装置の一実
施例の全体構成を示す説明図、第2図は本発明に係るワ
イヤカット放電加工装置に備えられるロボット装置のメ
カニカルハンドが有する切抜部保持のための吸着手段の
一実施例を示す説明図、第3図乃至第5図はロボット装
置にワイヤ電極挟持装置を有するメカニカルハンドを設
けてワイヤ電極の自動挿通操作を補助させる状態を示す
説明図、第6図はロボット装置に設けられる上記ワイヤ
電極挟持装置の一実施例を示す説明図である。 1……ワイヤカット放電加工機本体 2……ロボット装置 3……数値制御装置 4……ストッカ 102……ワイヤ電極 113……被加工体 113′……切抜部 115……細管状電極 116,117……第1の開閉式の加工液ノズルユニット 122,123……第2の開閉式の加工液ノズルユニット 143……第2のワイヤ電極挟持装置 144……加熱装置 202,203,204……アーム 216,217,218……ロック装置 207……ステム 219……ホルダ 222a……磁気チャックハンド 222b……第1のワイヤ電極挟持装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Z軸方向に間隔を置いて配置した一対の電
    極ガイド間に所定の張力をもって張架され軸方向に更新
    送りされるワイヤ電極に微小間隙を介して被加工体を対
    向配置し、ワイヤ電極と被加工体が対向する加工部へ加
    工液を供給しつつ、ワイヤ電極と被加工体間に間歇的な
    電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共に、
    対向する被加工体とワイヤ電極間に数値制御装置により
    Z軸方向と直交し且つ互いに直交するX軸及びY軸方向
    の相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行な
    うワイヤカット放電加工機本体に、 ワイヤ電極を上記一対の電極ガイド間に張架するワイヤ
    電極自動挿通機構を設けると共に、 上記ワイヤカット放電加工機本体により被加工体に対し
    て抜型加工を行なう際に、該抜型加工により被加工体か
    ら切り取られる切抜部を吸着保持し且つ加工終了後に該
    切抜部を被加工体から抜き取って所定位置に搬送する吸
    着手段を有するメカニカルハンドを備えたロボット装置
    と、該ロボット装置を上記数値制御装置からの指令によ
    り駆動制御する制御装置を併設して成り、 上記ロボット装置を駆動制御する制御装置が、抜型加工
    の開始に先立ち若しくは加工初期の時期に上記数値制御
    装置から送られる切抜部に関するX−Y平面上の位置情
    報に基づき、上記吸着手段を有するメカニカルハンドを
    移動させて該吸着手段を被加工体の切り抜かれるべき切
    抜部に相当する位置の上面に吸着させ、該吸着状態に於
    ける吸着手段のX−Y平面と直交するZ軸方向の位置を
    検知し、検知したZ軸位置情報を記憶させた後、上記吸
    着手段による吸着を解除して上記メカニカルハンドを抜
    型加工の妨げにならない位置に退避させ、加工後半期に
    上記数値制御装置から送られる指令信号に基づき、切抜
    部に関するX−Y平面上の位置情報と記憶させた上記Z
    軸位置情報に従って上記メカニカルハンドを先に吸着し
    た位置に移動させて、上記吸着手段により切抜部を吸着
    させ、加工終了後に上記数値制御装置から送られる指令
    信号に基づき、上記メカニカルハンドをZ軸方向上方に
    移動させて上記吸着手段に吸着保持されている切抜部を
    被加工体から抜き取ると共に、抜き取られた切抜部を所
    定位置に搬送するように上記メカニカルハンドを移動制
    御するものであることを特徴とする切抜部自動取外し等
    の作業を行なうロボット装置を備えたワイヤカット放電
    加工装置。
  2. 【請求項2】吸着手段が、磁気チャックである特許請求
    の範囲第1項記載の切抜部自動取外し等の作業を行なう
    ロボット装置を備えたワイヤカット放電加工装置。
  3. 【請求項3】吸着手段が、気圧吸引式吸着盤である特許
    請求の範囲第1項記載の切抜部自動取外し等の作業を行
    なうロボット装置を備えたワイヤカット放電加工装置。
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