JPH0621883Y2 - キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、キャップ本体上面部に、押釦で開蓋される別
体の天蓋を枢支配設した注出栓形のキャップに関する。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 天蓋付き注出栓形のキャップとしては、周知の三点支持
機構付きの弾性反転形キャップが代表的である。このキ
ャップはキャップ本体頂部に注出孔を穿設し、一方キャ
ップ本体上面に配設される天蓋下面に棒栓を垂設し、両
者を後部側３個所で肉薄ヒンジで一体に結合したもので
ある。この構造によれば、一部品ですみ、天蓋がワンタ
ッチで開閉でき、しかもいずれの状態でも安定化する機
能が得られ便利であるが、成形加工が面倒となり、また
肉薄ヒンジ部の寿命に問題があり、このため天蓋をキャ
ップ本体とは別体とした構造とする例も多い。

ところで、天蓋とキャップ本体とを別体とする場合に
は、キャップ本体外面と天蓋内面とに相互に係合する係
合突条をそれぞれ付設することが行われており、この場
合、従来では、例えば実開昭63-1750号公報記載のキャ
ップのように、天蓋を押上げて上記係合を外すための押
釦を天蓋およびキャップ本体とは別途に形成しており、
部品が増えまた取付け構造が複雑化し、好ましくない。

本考案は、天蓋の一部を天蓋押上げ用の押釦とすること
で、部品を低減し、かつ構造が簡易となるよう設けた。

「課題を解決するための手段」 頂壁３の中央部には注出孔４を開孔し、かつ前部寄り上
面両側には盛肉部５を利用して側外方向きの第１係合突
起６，６を形成したキャップ本体１と、伏せ皿状であっ
て、前記キャップ本体１上面に天板11を枢着して開閉可
能に配設し、この天板の周縁前部および左右両部から周
壁７を垂設し、この周壁７の前部寄りの内面両側からは
前記第１係合突起６，６下面に係合する第２係合突起
８，８を突設し、周壁７の外面両側からは前部側外面を
とり巻くように略コ字形の板状の弾性変形可能な押釦９
を同形の隙間イを介し突設し、この押釦９の前面押圧板
9a背後を斜め後下方向の係合斜面ロとし、この斜面ロに
対向した前部側周壁７下端に斜面イ後端が入り込むスリ
ット10を切欠き、天板11裏面から前記注出孔４に挿入す
る棒栓12を垂下した天蓋２とで形成した。

「作用」 上記において、常時は第１図のように天蓋２はキャップ
本体１上面部に閉塞され、このとき棒栓12が注出孔４に
挿栓し、また第２係合突起８，８が第１係合突起６，６
下面に係合して天蓋２の閉蓋状態を保持している。

ここで、開蓋するには押釦９の前面押圧板9aを後方に押
込む。すると、押釦９の両側板部9b,9bが撓み、前面押
圧板9aが移動し、係合斜面ロが前部側周壁７下端とキャ
ップ本体部１の頂壁３上面との間のスリット10に入り込
み、このスリット10を介し、天蓋２前部を上方に押上げ
るので、第２係合突起８，８が第１係合突起６，６から
離脱し、天蓋２を開き、棒栓12を注出孔４から脱栓する
ことができる。

「実施例」 本考案のキャップは、容器体口頸部に装着されるキャッ
プ本体１と、このキャップ本体１上面に開閉可能に枢支
配設される別体の天蓋２とからなり、この天蓋２開蓋用
の押釦９を天蓋２の一部で形成した点に特徴を有する。

キャップ本体１は、楕円形の頂壁３周縁から外部周壁13
を垂設した楕円形外形のもので、外部周壁13の内側に真
円筒の取付け用周壁14を形成しており、この周壁14内面
の上部に押え用、中間部に係合用の第１、第２係合突条
15,16を突設し、第２係合突条16を容器体17の口頸部18
外面の第３係合突条19下面に係合して口頸部18外面に嵌
合してある。

前記頂壁２上面の前部と左右両縁部を除いた中央部に盛
肉部５を形成し、中央部に上拡がりの注出孔４を開孔
し、前記盛肉部５の前部側両側面に側外方向きの第１係
合突起６，６を突設し、また後端縁にヒンジ用溝20を凹
設し、このヒンジ用溝20の両横向き壁面から枢支用突子
21,21を突設し、また外部周壁13前部上面には凹部22を
凹設し、取付け用周壁14の内側の頂壁３から容器体口頸
部18の中栓23に内嵌する筒栓24を垂設している。

天蓋２は、前記キャップ本体１の頂壁３に対応した上面
視が楕円に近い浅い伏せ皿上の形状で、天板11の後部裏
面からヒンジボス25を垂下し、このボス25を前記ヒンジ
用溝20に嵌入して突子21,21に係合し、キャップ本体１
上面に片開き可能に配設してある。

この天板11の裏面中央部から前記注出孔４に挿入する棒
栓12を垂下し、また、天板11の周縁前部および左右両部
から周壁７を垂設し、この周壁７の前部寄り内両側から
前記第１係合突起６，６下面に係合する第２係合突起
８，８を突設しており、周壁７の前部下端縁にスリット
10を切欠き形成している。また周壁７の前部寄り左右両
外面から、前部外面をとり巻くように略コ字形の板状の
弾性変形可能な押釦９を同形の隙間イを介して分岐突設
し、この押釦９の前面押圧板9aの背後に、この押圧板9a
上端縁から斜め後下に折り戻されて斜め後下方向の係合
斜面ロを形成する係合板26を形成している。この係合板
26の垂下端は三角形の断面で、前記スリット10に入り込
めるようになっている。27は補強部であり、28は前記ヒ
ンジボス25部に取付けられ、天蓋２を常時開方向に付勢
するトーションバネである。

従って、押釦９の押圧板9aを押込むと、この押圧板9aは
両側板9b,9bが撓むことで後方に移動し、その背後の係
合板26後端がスリット10に入り込み係合斜面ロを介して
天蓋２前部を押上げるので第１、第２係合突起６，８の
係合が外れ、また棒栓12を注出孔４から脱栓でき、そし
てこの後トーションバネ28が天蓋２を後方に大きく開蓋
する。

上記各部は、トーションバネ28を除き合成樹脂材で成形
製作する。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、天蓋２をキャップ本体１と別
体とし、従って天蓋２を押釦９で閉蓋する注出栓形のキ
ャップにおいて、前記天蓋２前部側一部により弾性変形
可能でかつ係合斜面ロを持つコ字状の押釦９を押込み可
能に形成し、この押釦９の押込みで天蓋２前部を押上げ
て開蓋するようにしたので、押釦９を別途設ける必要が
なく、従って部品数が少なくてすみ、また面倒な取付け
構造が省けるので構造が簡単化できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キャップの一実施例の縦断面図、第２図
は同実施例の分解斜視図、第３図は同実施例の平面図、
第４図は同実施例の押釦の一部縦断面図である。 １……キャップ本体、２……天蓋 ９……押釦

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】頂壁３の中央部には注出孔４を開孔し、か
   つ前部寄り上面両側には盛肉部５を利用して側外方向き
   の第１係合突起６，６を形成したキャップ本体１と、伏
   せ皿状であって、前記キャップ本体１上面に天板11を枢
   着して開閉可能に配設し、この天板の周縁前部および左
   右両部から周壁７を垂設し、この周壁７の前部寄りの内
   面両側からは前記第１係合突起６，６下面に係合する第
   ２係合突起８，８を突設し、周壁７の外面両側からは前
   部側外面をとり巻くように略コ字形の板状の弾性変形可
   能な押釦９を同形の隙間イを介し突設し、この押釦９の
   前面押圧板9a背後を斜め後下方向の係合斜面ロとし、こ
   の斜面ロに対向した前部側周壁７下端に斜面イ後端が入
   り込むスリット10を切欠き、天板11裏面から前記注出孔
   ４に挿入する棒栓12を垂下した天蓋２とからなるキャッ
   プ。