JPH062143A - 堆積膜形成装置のクリーニング方法 - Google Patents

堆積膜形成装置のクリーニング方法

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JPH062143A
JPH062143A JP18054992A JP18054992A JPH062143A JP H062143 A JPH062143 A JP H062143A JP 18054992 A JP18054992 A JP 18054992A JP 18054992 A JP18054992 A JP 18054992A JP H062143 A JPH062143 A JP H062143A
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gas
cleaning
clf
concentration
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Toshihito Yoshino
豪人 吉野
Hitoshi Murakami
仁 村上
Koji Yamazaki
晃司 山崎
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
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Abstract

(57)【要約】 CVD法による堆積膜形成装置の、ClF3ガスを使用
するクリーニング方法の改良。 【目的】CVD法による堆積膜形成装置を効率的にクリ
ーニングする方法の提供。 【構成】クリーニング用ガスとしてClF3ガスを使用
し、該ガスを希釈ガスと混合し濃度を順次低下させなが
らクリーニングを行うCVD法による堆積膜形成装置の
クリーニング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、機能性堆積膜を形成す
る装置のクリーニングにおいて発生する排気装置へのダ
メージを防止し、排気装置の耐久性を向上させた効率的
なクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来技術】原稿読取装置、画像形成分野における固体
撮像装置、電子写真用画像形成部材、あるいは太陽電池
等における光電変換層を構成する機能性堆積膜について
は、高感度であること、SIN比(光電流[Ip]/暗
電流[Id])が高いこと、照射する電磁波のスペクト
ル特性にマッチングする吸収スペクトルを有すること、
人体に対して無害であること等が要求される。こうした
機能性堆積膜としては、例えばアモルファスシリコン膜
(以下、“a−Si膜”と表記する)、セレン(Se)
膜、CdS膜等が挙げられる。そしてこれらの機能性堆
積膜は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、気相化
学法等の減圧下で成膜を行う成膜方法により形成され
る。
【0003】ところで、これらの成膜方法により所定の
基体上に機能性堆積膜を形成する場合、成膜室構成部材
等に堆積膜、あるいは粉体状の重合物(以降、単に「粉
体」と略記する)が堆積してしまうという問題がある。
例えば、グロー放電分解による気相化学法により成膜す
る場合には、反応容器(成膜室)内の基体以外の部分で
あるサセプター、対向電極、あるいは反応炉の内壁に堆
積膜あるいは粉体が形成される。これらの堆積膜あるい
は粉体は、次回の成膜時に形成される膜中に不純物とし
て取り込まれて得られる膜の特性を悪化させたり、ある
いは基体上に粉体が付着しピンホール等の欠陥を得られ
る膜にもたらしてしまう。そして成膜を何回か繰り返す
場合、目的とする堆積膜の歩留りは大幅に低下してしま
う。
【0004】こうしたことから、数回の成膜サイクル
後、あるいは成膜サイクル毎に成膜室内を清掃し、目的
とする堆積膜形成箇所以外の部分に堆積した膜を除去す
ることが行われる。その際の清掃方法として、反応容器
(成膜室)を解体して機械的に堆積膜あるいは粉体を除
去する方法がある。しかしこの方法では、毎回の反応炉
の解体、組立てに多大な労力を要するばかりでなく、解
体時には反応容器の内壁が大気にさらされることとな
り、水分等の吸着が生じ、これが原因で得られる膜の特
性が悪化してしまうことがある。更には、堆積膜、ある
いは粉体を大気にさらす際に、その種類によっては発
火、爆発の危険を伴う。
【0005】以上のような問題点を解決する清掃方法と
して、気相化学反応により、堆積膜あるいは粉体を形成
している元素を気相分子で還元し、クリーニングする、
いわゆるドライエッチングクリーニング法が提案されて
いる。ドライエッチングクリーニング(以降、単に「ク
リーニング」と略す)法では、例えば、CF4ガス、N
3ガス、SF6ガス等のいわゆるエッチングガスを、反
応容器内に流し、プラズマ、熱、光等のエネルギーによ
り励起状態とし、堆積膜あるいは粉体を形成している元
素と反応させ、それらの元素を気相分子とし、排気手段
によって排除してクリーニングする方法である。
【0006】ドライエッチング法によれば、清掃に際し
て反応容器を解体する必要がなく、密閉系のまま反応容
器内のクリーニングを行うことができる。
【0007】エッチング作用を有するガスとして近年C
lF3ガスが注目されている。ClF3ガスは、低エネル
ギーで分解され、反応性に富むものであって、従来のエ
ッチングガスに比して極めて速いエッチング速度を有す
る。例えばアモルファスシリコン(以降a−Siと略
す)膜をエッチングする際、従来のエッチングガス、例
えばCF4,NF3,SF6等のガスの場合、外部からプ
ラズマ、熱、光等のエネルギーを与えないと、エッチン
グ反応が進行しないのに対して、ClF3ガスの場合に
は、ガスがa−Si膜に触れただけでエッチングが進行
し、外部からエネルギーを供給する必要はない。
【0008】以上のような性質を有するClF3ガスを
反応室のクリーニングに際してエッチングガスとして用
いる場合、該反応室のクリーニングに要する時間を短縮
することが期待される。しかし、実際に反応室のクリー
ニングにClF3ガスを使用した場合、以下のような問
題点が生じる。
【0009】すなわち、排気ポンプ等を含めた排気系統
にClF3ガスが作用してしまうことによる排気系のダ
メージの問題である。具体的には、排気系統にClF3
ガスを流すことにより、例えばクリーニング終了間際に
排気ポンプから異音を伴ったバタツキが発生したり、ポ
ンプ内で焼き付きが生じてしまい、最悪の場合、排気ポ
ンプの破損を招いてしまう。ClF3ガスを流す場合の
こうした問題点は、従来のCF4,NF3,SF6ガス等
を使用したクリーニング法においては何ら問題とならな
かったものであり、ClF3ガスの極めて高い反応性と
係りがあると思われる。
【0010】ClF3ガスを使用した場合における以上
のような問題点に鑑みて、実使用時には、一定時間のク
リーニングを行った後、排気ポンプを休止させたり、あ
るいは該排気ポンプのオイルを交換する等の対処がなさ
れている。しかし、この対処方法によれば、排気ポンプ
の休止時間に比例してクリーニングに要する時間が延び
ること、またメインテナンスの回数が増えるといった問
題がある。
【0011】別の対処法として、ClF3ガスの使用時
に、希釈ガスにより極めて低い濃度に希釈して用いると
いう方法がある。しかし、この場合、前述したクリーニ
ング速度が速いというClF3ガスのメリットを充分生
かすことができない。即ち、ClF3ガス自体は従来の
エッチングガスに対して数倍のエッチング速度をもたら
すものであるが、使用時大量に希釈して用いるところ、
ClF3ガス自体の流量は限定され、その結果クリーニ
ングに要する時間は、従来のエッチングガスを使用した
場合に比較して大同小異になってしまう。
【0012】以上述べた如く、ClF3ガスをクリーニ
ングガスとして使用する際の上述した問題点を解決し、
排気系へのダメージを与えることなしに効率良く高速で
クリーニングを行う方法の提供が望まれている。
【0013】
【発明の目的】本発明は、堆積膜製造装置の気相化学法
によるクリーニング時における上述した従来技術におけ
る問題点を克服し、堆積膜製造装置を効率よくクリーニ
ングするクリーニング方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【発明の構成・効果】本発明における堆積膜製造装置の
クリーニング方法は、減圧下で堆積膜を形成する堆積膜
製造装置の気相化学法によるクリーニング方法であっ
て、クリーニングガスとしてのClF3ガスを希釈ガス
と混合して用い、該ClF3ガスの濃度を順次低下させ
ながらクリーニングを行うことを特徴とするものであ
る。
【0015】本発明者らによる種々の検討の結果、以下
のことが判明した。即ち、ClF3ガスを流した際の排
気系へのダメージは、主に、排気系の可動部分の潤滑を
行っているオイルがClF3ガスと触れあうことによ
り、オイルを構成する主に炭素と水素からなる連鎖の結
合が瞬時に切断され、オイルが低分子化され、その結果
オイルの粘度が低下し、潤滑剤として必要な粘度を保つ
ことが不可能となることによる。オイルの粘度低下は、
排気系を通過するClF3ガスに希釈ガスを加え、Cl
3ガスの濃度を下げることにより防ぐことが可能であ
る。しかし、単純にClF3濃度を下げるのみでは、エ
ッチング速度が低下し、クリーニングに要するタクトが
増加するという新たな問題が生ずる。
【0016】一方、反応室をクリーニングする際のエッ
チング開始時とエッチング終了間際におけるガス種を比
較してみると、エッチング開始時には反応室内には先の
膜堆積工程において生じた膜あるいは粉体が大量に残存
している状態であり、この時点において反応室に導入さ
れたClF3ガスは、速やかに残存物質と反応し、例え
ば残存物質がSiを含む物質であるならばSiF4等の
反応性の低いガスとなり、排気系へ到達するガスは排気
系へのダメージの比較的少ないガスが大部分であり、前
述の問題点は生じない。これに対して、エッチング終了
間際においては反応室内の残存物質はそのかなりの部分
が既にクリーニングされている状態であり、この時点に
おいて反応室内に導入されたClF3ガスはその大部分
が未反応のまま排気系へ到達する。その結果、排気系の
オイルとの反応が増加し、前述の問題点が生じる。
【0017】以上の知見に基づいて本発明者らは、反応
室に導入するClF3ガスの濃度をエッチング開始時に
濃度の高い状態とし、終了時に濃度の低い状態となるよ
う順次低下させ、反応後に排気系へ到達するClF3
スの濃度をエッチング開始から終了まである一定の値以
下とすることにより、上述した問題点を解決し、ClF
3ガスの持つ高いエッチング速度を生かしたクリーニン
グが可能となることを見出した。そしてこのことは、堆
積膜製造装置の排気系においてオイルを潤滑剤として使
用している可動部分であれば多大の効果が得られ、特に
ロータリーポンプ、可動式粉体トラップなどにおいてそ
の効果が著しいことが判明した。
【0018】本発明のクリーニング方法において、Cl
3ガスと混合する希釈ガスとしては、不活性ガス、例
えばAr,He,Ne等が挙げられる。また、ClF3
ガスと混合した時点で反応を起こさないガスであれば特
に種類を問うものではなく、例えばN2,O2等を使用す
ることができる。更に他のエッチングガス、例えばCF
4,NF3,SF6等と混合して使用することも可能であ
る。
【0019】本発明のクリーニング方法において、反応
炉に供給するClF3ガス濃度は、最大80%から最小
5%までの間で順次変化させることが望ましい。ところ
で、濃度80%以上のClF3ガスを使用すると、反応
室内に堆積物が残存している場合においても排気系に到
達するClF3ガス濃度が高く、排気系へのダメージが
大きい。一方、濃度5%以下では、エッチング速度が低
下し、従来のエッチングガスを使用した時と同等のエッ
チング速度となりClF3ガスの特長である速いエッチ
ング速度が達成できない。
【0020】本発明のクリーニング方法において、Cl
3ガス濃度を順次低下させていく時の濃度の変化のさ
せ方は、特に限定されるものではないが、少なくとも2
段階以上の階段状の変化、あるいはエッチング開始時か
ら終了時までClF3ガス濃度を直線的に、あるいは指
数関数的に変化させることが望ましい。図1乃至図4に
ClF3の濃度変化のパターンを示す。図1はClF3
ス濃度を2段階に変化させる場合の例である。図2は、
3段階に変化させる場合の例である。図3は、エッチン
グ開始時から終了時まで、ClF3濃度を直線的に低下
させる例である。図4はClF3濃度を指数関数的に低
下させる場合の例である。
【0021】本発明のクリーニング方法において、Cl
3ガスは単に流すのみでもエッチング作用があるが、
エッチング速度の制御、あるいは活性種の選定などのた
めに必要に応じて熱、プラズマ、光等外部からエネルギ
ーを供給してエッチングを行っても良い。
【0022】本発明のクリーニング方法において、クリ
ーニングされる堆積膜あるいは粉体の種類については特
に制限はなく、例えばシリコン(Si)、タングステン
(W)、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(Ti
N)、窒化硼素(BN)、ITO等ClF3ガスによる
エッチング作用のある物質であれば本発明の効果が発揮
される。
【0023】以上の構成による本発明の堆積膜製造装置
のクリーニング方法によれば、堆積膜製造装置の排気系
にダメージを与えたり、あるいは能力低下を招くことな
しに、ClF3ガスを使用して極めて速いエッチング速
度で堆積膜製造装置のクリーニングを行うことができ
る。そして、クリーニング時間の短縮がはかられて結局
は堆積膜の製造コストの低減が可能になるだけではな
く、排気系における例えばロータリーポンプ等のデバイ
スの寿命を大幅に伸ばせ、更にオイルの劣化を防ぐこと
によりメインテナンス頻度を少なくすることが可能にな
るといった効果がもたらされる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるも
のではない。
【0025】実施例1 本発明の一実施例として、RFプラズマCVD法を用い
て電子写真用a−Si系感光体を作成する際に、堆積膜
形成装置をクリーニングする例を以下に述べる。図5は
RFプラズマCVD法により電子写真用a−Si系感光
体を作成する際に用いる堆積膜形成装置の模式図であ
る。
【0026】図5において、201は反応炉、202は
円筒状アルミニウム製基体、203は基体加熱用ヒータ
ーであり、不図示の電源により所望の温度まで加熱を行
うことができる。204は基体回転用のモーターであ
り、基体上に堆積する膜の周方向の均一化を図るために
用いられる。205は反応炉内の圧力を知るための真空
計である。206はRFグロー放電を励起するための電
極であり、電源207より電力が供給される。208は
反応炉リーク用のバルブ、209は排気管、210は排
気用のストップバルブ、211は排気速度が可変な例え
ばメカニカルブースターポンプ等の排気ポンプ、212
はロータリーポンプである。213は炉内観察のための
ガラス板を設けたポートである。214はガスを反応炉
へ導くガス管である。220,230,240,…,2
90は各々ガスの充填されたボンベである。220はS
iH4ガスボンベ、230はH2ガスボンベ、240はB
26ガスボンベ(3000ppm,H2希釈、以降「B2
6/H2」と略記する)、250はNOガスボンベ、2
60はGeH4ガスボンベ、270はCH4ガスボンベ、
280はArガスボンベ、290はClF3液化ガスボ
ンベである。221,231,…,291は各々ボンベ
の開閉バルブ、222,232,…,292は各々ガス
の圧力を調節する減圧器、223,233,…,293
は各々ガス導入バルブ、224,234,…,294は
各々ガス流量を調整するためのマスフローコントローラ
ー、225,235,…,295は各々ガス供給バルブ
である。296はClF3液化ガスボンベを加熱し、C
lF3ガスを気化させるためのヒーターである。
【0027】まず、始めに図5に示した堆積膜形成装置
を用いてa−Si系感光体を作成する工程を簡単に述べ
る。まず、所定の加工、表面処理、そして洗浄の行われ
た円筒状アルミニウム基体(長さ358mm、直径80
mm、肉厚5mm)を反応炉内に設置する。次いでバル
ブ210を開けた後に、ロータリーポンプ212及びメ
カニカルブースターポンプ211を起動し、反応炉20
1内を減圧とする。反応炉201内の圧力を真空計20
5で監視し、圧力が0.001Torr以下となったと
ころで、モーター204により基体を1rpmで回転
し、また不図示の電源よりヒーター203に電力を供給
し、基体202の温度を300℃まで加熱する。
【0028】基体202の温度が300℃となったとこ
ろで、表1に示す条件により基体上にa−Si系感光体
を構成する長波長光吸収層、電荷注入阻止層、光導電
層、表面保護層を順に形成する。長波長光吸収層を形成
するには、SiH 4,H2,B26/H2,NO,GeH4
の充填されたボンベのバルブ221,231,…,26
1を開け、各々のガスをガス毎に減圧器に222,23
2,…,262により所望の圧力に減圧する。次に導入
バルブ223,233,…,263を開け、各々のガス
をマスフローコントローラー224,234,…,26
4に導入する。各々のガスはマスフローコントローラー
により所望の流量に制御されて、供給バルブ225,2
35,…,265を通過した後、混合されガス管214
から反応炉内へ導入される。
【0029】長波長光吸収層の形成は、表1に示す条件
で行った。即ち、SiH4ガス流量100sccm、H2
ガス流量600sccm、B26/H2ガス流量をSi
4ガス流量に対して3000ppm、NOガス流量5
sccm、GeH4ガス流量50sccmとなるようマ
スフローコントローラーで調節した。次いで真空計20
5を見ながら排気ポンプ211の排気速度を調節して反
応炉内圧力を0.5Torrに調整した。次にRF電源
207から電力を供給することにより電極206間にグ
ロー放電を生起させ長波長光吸収層の形成を開始した。
所望の膜厚の長波長光吸収層が形成されたところで、放
電を止め、長波長光吸収層の形成を完了した。以下、同
様の手順で、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層のそれぞれを順に形成した。
【0030】形成される各層の切り替え時には必要に応
じてすべてのバルブを閉じ、一旦系内を高真空にする作
業を行った。以上のようにしてa−Si系感光体を構成
する全層の形成を終えたところで、加熱用電源を切り、
a−Si系感光体及び反応炉内を冷却した。常温まで冷
却されたa−Si系感光体を反応炉から取り出した。こ
のa−Si系感光体をキヤノン製電子写真装置NP−9
330に設置し、画像を出したところ、極めて鮮明な画
像が得られた。一方、反応炉201の内壁、RF電極2
06の表面及び排気管209の内壁には、大量の膜及び
粉体が形成されていた(以後、これらの膜及び粉体を
「残留物質」と略記する)。
【0031】該反応炉内に堆積した残留物質をクリーニ
ングする工程を行った。即ち、ClF3ガス濃度を三段
階に変化させる本発明のクリーニング方法を行った。そ
のクリーニング条件を表2に、そして濃度変化パターン
を図6に示した。クリーニングの進行状況は窓213よ
り目視で行い、また排気管209及びロータリーポンプ
212の温度をクリーニング中監視した。即ち、反応炉
201内が真空であることを確認した後に、膜形成時と
同様の手順で、ボンベ290よりClF3ガスを、ボン
ベ280よりArガスをそれぞれ反応炉内へ導入した。
この時、ClF 3液化ガスボンベ290はヒーター29
6により加熱され、必要とされる量のガスを気化してい
た。ClF3ガス及びArガスの流量調整はマスフロー
コントローラー294及び284で行い、反応炉内の圧
力調整をメカニカルブースターポンプ211の調整で行
った。
【0032】第1段階目のクリーニング条件は、表1に
示す通りにした。即ち、ClF3ガス濃度50%(Cl
3ガス流量1000sccm、Arガス流量1000
sccm)、反応炉内圧1Torrで20分間行った。
第1段階目のクリーニングが終わった時点で観察窓21
3を介して目視により炉内を観察したところ、炉内の残
留物質は大幅に減少しており、約7割程が既にクリーニ
ングされていた。次いでClF3ガス濃度20%(Cl
3ガス流量400sccm、Arガス流量1600s
ccm)、反応炉内圧1Torrとし、第2段階のクリ
ーニングを15分間行った。第2段階のクリーニングが
終了した時点で、約9割の残留物質がクリーニングされ
ていた。次いでClF3ガス濃度10%(ClF3ガス流
量200sccm、Arガス流量1800sccm)、
炉内圧1Torrとし、第3段階のクリーニングを開始
した。15分間クリーニングを行った時点で、反応炉内
の残留物質は完全にクリーニングされていた。クリーニ
ングの最中に排気ポンプのバタツキやポンプ内での焼き
付き等の問題は生じなかった。
【0033】クリーニング時における排気管及びロータ
リーポンプの温度の変化を図7に示した。ロータリーポ
ンプの温度は、各クリーニング段階の最後に5℃程の上
昇があったものの、クリーニング中比較的安定してい
た。排気管の温度はクリーニングの最後にやや急激な上
昇を示した。
【0034】また、クリーニング中において、25分経
過後及び50分経過後に排気管中を流れるガスを採取
し、ガスクロマトグラフィーにより成分を分析した。そ
の結果、25分経過後のガス中にはClF3ガスは約1
5%、50分経過後のガス中には約10%含まれてい
た。
【0035】更に従来、ClF3濃度を一定の高濃度で
使用していた時には、ロータリーポンプのローターに用
いている弁板の腐食、あるいは配管、接合物などに用い
ている有機系部品等の損傷が激しかったが、本発明のク
リーニング法においては、これらの構成部品の腐食、損
傷は極めて少なかった。
【0036】本発明のクリーニング法におけるクリーニ
ング時の圧力変化を図8に示した。クリーニング時の各
段階の最初に圧力を1Torrとなるように設定し、各
段階の最中での圧力調整は行っていない。図8に示した
通り、第1段階、第2段階のクリーニングの最後に僅か
な圧力上昇が見られ、またクリーニングの最終段階であ
る第3段階の最後で急激な圧力上昇が見られた。以上の
事実から圧力の上昇をクリーニング終端に見つけるとい
う、簡略的なクリーニング終了の検出に利用することが
できる。
【0037】以上でa−Si系感光体の作成及び反応炉
内のクリーニングの1サイクルが終了した。このa−S
i系感光体の作成及び反応炉内のクリーニングのサイク
ルを10回行った後、ロータリーポンプに使用している
オイルを分析したところ、オイルの粘度が約5%低下し
ていた。
【0038】比較例1 本例では、従来のクリーニング方法であるClF3濃度
変化のないクリーニングを行った。a−Si系感光体の
作成は、実施例1と同様にして行った。反応炉内部の残
留物質の状況は実施例1の場合と同様であった。
【0039】反応炉内のクリーニングは、ClF3ガス
濃度50%(ClF3,1000sccm、Ar,10
00sccm)炉内圧1Torrの条件で行った。その
時のロータリーポンプ及び排気管の温度の変化を図9に
示した。クリーニング開始から20分経過した後からロ
ータリーポンプの温度が徐々に増加した。23分経過し
た時点からロータリーポンプ内で異音を伴ったバタツキ
が発生した。また排気管の温度は50分経過後から急激
に増加した。27分経過後、排気能力が急激に低下し、
炉内圧がそれに伴って増加した。この時点でクリーニン
グを継続することが不可能であると判断し、ClF3
ス及びArガスの反応炉内への流入を止めた。クリーニ
ングを止めた後、反応炉内を観察したところ反応炉内に
は残留物質が存在していた。
【0040】実施例1におけると同様に、クリーニング
開始から15分後及び25分後に排気管中に流れるガス
を分析したところ、15分経過後のガスにはClF3
スが約15%、25分経過後のガスには約50%含まれ
ていた。クリーニング時間27分後からは圧力が急激に
上昇した。この圧力上昇はポンプの排気能力の劣化に起
因するものであり、クリーニング終端の検出に用いるこ
とができなかった。
【0041】このロータリーポンプのオイルを分析した
ところオイルの粘度が約20%低下していた。またロー
タリーポンプを分解して内部を調べたところ、ローター
とベアリングの接触部分に潤滑不良による変色箇所が存
在していた。
【0042】以上のことから、クリーニング時にClF
3ガスを、ある一定の高い濃度で反応炉内に供給した時
には、クリーニングの進行に従ってClF3ガスが未反
応のまま大量に排気系へ流れ込み、オイルの低粘度化が
生じ、可動部分の潤滑不良が生じ、異音を伴ったバタツ
キが生じることが判った。
【0043】比較例2 本例では、従来のクリーニング方法であるClF3濃度
変化のないクリーニングを行った。a−Si系感光体の
作成は、実施例1におけると同様にして行った。反応炉
内部の残留物質の状況は、実施例1の場合と同様であっ
た。クリーニングは、ClF3ガス濃度10%(Cl
3,200sccm、Ar,1800sccm)、炉
内圧1Torrの条件で行った。クリーニングの完了は
窓より目視で観察し、反応炉内の残留物質がなくなるこ
とにより判断した。その結果、クリーニングには150
分を要した。クリーニングの開始から完了までロータリ
ーポンプの異音や排気能力の低下は認められなかった。
この時のロータリーポンプ及び排気管の温度変化を図1
0に示した。
【0044】以上のことから、本比較例のクリーニング
条件においては、排気系へダメージを与えることなく、
クリーニングを完了することが可能であるが、クリーニ
ング完了までに150分を要し、ClF3ガスの極めて
エッチング速度が速いという特長を生かすことができな
いことが判った。そして、膜堆積形成及びクリーニング
のサイクルの繰り返しを行ったところ、量産性に問題が
あることが判った。
【0045】比較例3 本例においては、クリーニングガスとしてCF4ガスと
2ガスを混合してクリーニングを行った。a−Si系
感光体の作成は、実施例1におけると同様にして行っ
た。反応炉内部の残留物質の状況は実施例1の場合と同
様であった。クリーニングは、CF4,1600scc
m、O2,400sccm、炉内圧1Torr、放電電
力1kWの条件下で行った。なお、この条件は、CF4
ガスとO2ガスの混合系において最適化された条件であ
る。クリーニングの完了は窓より目視で観察し、反応炉
内の残留物質がなくなることにより判断した。その結
果、クリーニングには170分を要した。クリーニング
の開始から完了までロータリーポンプの異音や排気能力
の低下は認められなかった。
【0046】以上のことから、本比較例のクリーニング
条件においては、排気系へダメージを与えることなく、
クリーニングを完了することが可能であるが、クリーニ
ング完了までに170分を要してしまうことが判った。
【0047】実施例2 本実施例においては、ClF3濃度をクリーニング開始
時からクリーニング終了時まで、指数関数的に漸減させ
る本発明のクリーニング方法で行った。a−Si系感光
体の作成は実施例1におけると同様にして行った。反応
炉内部の残留物質の状況は実施例1の場合と同様であっ
た。クリーニングは、炉内圧を1Torrとし、希釈ガ
スとしてはHeガスを使用し、ClF3ガス濃度はクリ
ーニング開始時の80%からクリーニング終了時の50
%まで連続的に変化させる条件で行った。その変化パタ
ーンを図11に示した。クリーニングの開始から50分
経過後、反応炉内の残留物質は完全にクリーニングされ
ていた。また、クリーニング最中に排気ポンプのバタツ
キやポンプ内での焼き付き等の問題は生じなかった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果の概要】以上説明したように、減圧下で機
能性堆積膜を製造する堆積膜製造装置の気相化学法によ
るクリーニング工程において、クリーニングガスとして
ClF3ガスを希釈ガスと混合して用い、且つClF3
ス濃度を漸次低下させながらクリーニングを行うことに
より、堆積膜製造装置の排気系へダメージを与えたり、
あるいは能力低下を招くことなしに、ClF3ガスを使
用して極めて速いエッチング速度で堆積膜製造装置のク
リーニングを行うことができる。このクリーニング方法
によれば、クリーニング時間の短縮により製造コストを
引き下げることができるだけではなく、排気系における
例えばロータリーポンプ、ローターの弁材、配管、接合
部等のデバイスの寿命を大幅に伸ばせ、更にオイルの劣
化を防ぐことによりメインテナンス頻度を少なくするこ
とが可能になるといった多大の効果が奏される。また付
随した効果としてクリーニングの圧力変化をモニターす
ることにより、クリーニング終端を見つけ出すことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、ClF3ガスの濃度を2段階
に順次低下される際の濃度変化のパターンを示す図であ
る。
【図2】本発明における、ClF3ガスの濃度を3段階
に順次低下させる際の濃度変化のパターンを示す図であ
る。
【図3】本発明における、クリーニング開始時から終了
時までClF3ガスの濃度を直線的に順次変化させる際
の濃度変化のパターンを示す図である。
【図4】本発明における、クリーニング開始時から終了
時までClF3ガスの濃度を指数関数的に変化させる際
の濃度変化パターンを示す図である。
【図5】RFプラズマCVD法により電子写真用a−S
i系感光体を作成する際に用いる堆積膜形成装置の模式
図である。
【図6】本発明のクリーニング法の実施例1における、
ClF3ガスの濃度の変化を示す図である。
【図7】本発明のクリーニング法の実施例1における、
排気系の温度変化を示す図である。
【図8】本発明のクリーニング法の実施例1における、
圧力変化の様子を示す図である。
【図9】従来のクリーニング法である比較例1におけ
る、排気系の温度変化を示す図である。
【図10】従来のクリーニング法である比較例2におけ
る、排気系の温度変化を示す図である。
【図11】本発明の実施例2における、ClF3ガスの
濃度の変化を示す図である。
【符号の説明】
201 反応炉 202 円筒状アルミニウム製基体 203 基体加熱用ヒーター 204 基体回転用のモーター 205 真空計 206 RFグロー放電を励起するための電極 207 RF電源 208 反応炉リーク用のバルブ 209 排気管 210 排気用のストップバルブ 211 排気速度が可変な例えばメカニカルブースター
ポンプ等の排気ポンプ 212 ロータリーポンプ 213 ガラス板を設けたポート 214 ガス管 220,230,240,…,290 ガスの充填され
たボンベ 221,231,…,291 各々ボンベの開閉バルブ 222,232,…,292 減圧器 223,233,…,293 ガス導入バルブ 224,234,…,294 マスフローコントローラ
ー 225,235,…,295 ガス供給バルブ 296 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江原 俊幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧下で堆積膜を形成するための装置の
    気相化学法によるクリーニング方法であって、クリーニ
    ング用ガスとしてのClF3ガスを希釈ガスと混合して
    用い、該ClF3ガスの濃度を順次低下させながらクリ
    ーニングを行うことを特徴とする堆積膜形成装置のクリ
    ーニング方法。
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