JPH06197697A - 無糖ハードキャンディおよびその製造方法 - Google Patents

無糖ハードキャンディおよびその製造方法

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JPH06197697A JP4155392A JP15539292A JPH06197697A JP H06197697 A JPH06197697 A JP H06197697A JP 4155392 A JP4155392 A JP 4155392A JP 15539292 A JP15539292 A JP 15539292A JP H06197697 A JPH06197697 A JP H06197697A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、無糖ハードキャンディおよびその
製造方法に関し、本発明による無糖ハードキャンディ
は、多層構造を有し、外層が、キャンディのせいぜい３
５重量％であり、この外層は、少なくとも２つの成分、
ＡおよびＢからなり、成分Ａは、水素化澱粉加水分解
物、キシリトール、低カロリーサッカリドのポリマー、
またはその混合物から選択されるものであり、成分Ｂ
は、ほとんど吸湿性ではないものである。 【効果】 本願発明にかかるキャンディーは、湿気に対
して、さらに温度に対しても安定し、さらに充分満足の
いく甘さを有し、虫歯の原因とならない。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、無糖”ハードキャンデ
ィ”、およびこのキャンディーを製造するための方法に
関する。
【０００２】
【従来の技術、および解決しようとする課題】”ハード
キャンディー”と言う表現は、糖菓の分野では、消費者
には、堅く、不定形であり、そして堅いが脆く、ガラス
状質の形状を有するものとして知られている。
【０００３】従来からの”ハードキャンディー”は、大
抵、スクロース、グルコースシロップのガラス状の混合
物であり、真空下で、随意に、処理されて脱水されてい
た。無糖”ハードキャンディー”の場合、通常、スクロ
ースと、グルコースシロップとの混合物は、随意にマン
ニトールを含有しているソルビトールシロップによって
代替されている。より最近では、水素化澱粉加水分解物
によって代替されている。
【０００４】随意にマンニトールを含有するソルビトー
ルシロップを使用して製造されたキャンディーは、結晶
化されたものであるが、これは２つの主たる欠点を有し
ている。その欠点とはつまり、ソルビトールを結晶化さ
せ、さらに充分堅くするには長時間かかり、このこと
が、工場での連続した操作の妨げとなっている点であ
る。他の問題点は、シロップ中のソルビトールの割合が
高いことによる結晶化現象についてである。
【０００５】さらに、処理される塊が流動性を有するた
め、これらのキャンディーの製造には、暖められている
間（約１２０℃）は、型に入れるキャスティング工程が
必要となる。通常の”ハードキャンディー”の場合、ロ
ールからカットしながら、約７０℃〜８０℃まで冷却す
ることが可能である。
【０００６】これらのキャンディーの品質を改良するた
め、無糖”ハードキャンディー”の製造に際しては、ソ
ルビトール／マンニトールの混合物に、ソルビトールの
再結晶化を遅らせる、または抑制する働きを有するアラ
ビアゴムを添加することが望まれていた。
【０００７】無糖”ハードキャンディー”の製造のた
め、ソルビトールシロップの代わりに水素化澱粉加水分
解物を使用すると、アラビアゴムを使用しなくて済み、
このようにして製造されたキャンディーは、結晶化現象
を示さず、硬化時間を非常に短縮することができる。
【０００８】さらになお、これら加水分解物を使用して
得られる無糖”ハードキャンディー”の製造は、従来か
らの”ハードキャンディー”の製造方法に非常に類似し
ている。従って、ロールからカットすることと同様に、
型に入れるキャスティングによって形を作ることができ
る。
【０００９】実際問題として望まれている第一水素化澱
粉加水分解物は、デキストロース価（ＤＥ）が３０から
４０であるスターチ加水分解物から得られる。
【００１０】全体がガラス形状を示すこれらの加水分解
物から得られるキャンディーは、アラビアゴムを添加し
なくても、結晶化に対しては敏感でない。したがって、
常時、外形をガラス状に保持することができる。
【００１１】しかしながら、これらの加水分解物も欠点
を有している。その欠点とは、一方は、それらは微かな
甘さしか示さないため、サッカリネイト、シクラメー
ト、またはアスパルテームのような人工甘味料を必要と
していることであり、他方は、無視できない虫歯の原因
となる特性を有していることである。
【００１２】これらの欠点の第一は、ＤＥ４２〜６０と
いう高い値を有するスターチ加水分解物から得られる水
素化澱粉加水分解物を使用することによって除去するこ
とができる。
【００１３】第二は、さらになお、２０以上の重合度
（またはＤＰ）を有するポリオール（polyols ）の３％
以下、より好ましくは１．５％以下の水素化澱粉加水分
解物を使用することによって除去された。
【００１４】これらの水素化澱粉加水分解物をベースと
した無糖”ハードキャンディー”は、初期の加水分解物
をベースとした無糖”ハードキャンディー”が有する欠
点はもはや有していない。
【００１５】しかしながら、他の欠点は、ＤＥ４２〜６
０を有する水素化澱粉加水分解物によって得られる水素
化澱粉加水分解物を使用することに付随している。
【００１６】これらの欠点の第一は、キャンディーの構
成物質から発生するクリープ現象（コールドフロー）、
または流れ出る現象にある。この現象は、２０℃でゆく
りと起こるが、温度が上昇すると加速的に起こるもの
で、キャンディーの変形となって現れ、市場には害を及
ぼす。
【００１７】第二の欠点は、これらのキャンディーが、
無視できない虫歯の原因となると言う特性にあり、これ
らの水素化澱粉加水分解物をベースとした糖菓子が、含
水率が２％以下、より好ましくは、約１％以下でなけれ
ばならないと言う特性に起因している。この特性によ
り、水分を吸収して貯蔵するようになる。
【００１８】コールドフロー現象は、キャンディーが含
有する残量水分を約１％以下にすることによって、緩和
することができる。しかし、これを工場規模で行うには
非常に困難であり、キャンディーの吸湿特性を非常に悪
化させ、ラッピングッペーパーに非常に強く張り付いて
しまうこともある。
【００１９】現在では、さきに示したどの溶液も、同時
に、上記欠点を解決することはできなく、欠点の一つを
緩和させると、他の欠点が大きくなり、これら二つの欠
点を満足いく程度に解決するべく、この問題に係わる技
術者たちは努力している。
【００２０】ヨーロッパ特許Ｎｏ．９４２９２（本出願
人を代表としている出願）には、問題となっている２つ
の欠点を共に緩和させるべく、無糖”ハードキャンディ
ー”の水素化澱粉加水分解物の組成物に、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、またはＣＭＣの効果
的な量を添加する工程に付いて開示されている。
【００２１】現在、できあがったキャンディーが、水を
再吸収する傾向、および粘性を有するようになる傾向を
減少させるために、ある場合では、マンニトールを、無
糖”ハードキャンディー”の水素化澱粉加水分解物に混
合することが望まれている。
【００２２】しかしながら、水素化澱粉加水分解物（Ｈ
ＳＨ）、およびＣＭＣ、および／またはアラビアゴム、
そして随意にマンニトールをベースとした処理されるシ
ュガーキャンディーの混合物は、水の再吸収レベル、ク
リープ、味、および感覚器に印象を与える特性では満足
するものであるが、それにもかかわらず、特に製造工程
における最適化を考慮すると、まだ改良すべき点が残っ
ている。特に、さらに温度を下げること、処理時間を短
縮すること、そしてその結果として消費エネルギーを減
少させると有利である。さらになお、溶液における粘性
のために、アラビアゴム、またはＣＭＣのようなものを
使用すると、時によっては、一方、泡になる傾向のた
め、真空を応用することが困難となり、他方、処理され
る塊の硬化が困難となる。
【００２３】ポリオール（polyols ）をベースとした”
ハードキャンディー”の技術を改善する状況において
は、随意にマルチトール（maltitol）粉末が添加された
マルチトールを高い割合で含有したＨＳＨシロップを使
用することが望まれていた。このタイプのキャンディー
においては、マルチトール（maltitol）の結晶化が起こ
り、これにより、先ず水の再吸収が衰える。他方、しば
しば、キャンディーは、水を吸収し、急速に切れ味が悪
くなり、通常”ハードキャンディー”求められている外
形と一致しない不透明な外形を有するようになる。この
現象は、グライニングと呼ばれ、アラビアゴム、および
／またはＣＭＣを使用することによって、減少させるこ
とができる。
【００２４】さきに示したように、水を再吸収すること
による欠点は、キャンディーの最終的な含水率に関係
し、さらに吸湿性にも関係している。しかしながら、概
して言えば、特にＨＳＨｓを含有するポリオール（poly
ols ）、より特には、これらの組成物に導入するソルビ
トール、マルチトール（maltitol）、キシリトール、お
よびグルコースの濃縮ポリマーは、この吸湿特性を示す
ものとして知られている。
【００２５】１９８６年１２月２４日に出願された日本
特許出願６３−１６０，５５３は、グルコースシロッ
プ、および砂糖の混合物によりその表面がコートされた
ソルビトール糖菓を製造する方法を開示している。その
製造方法とは、ソルビトールの溶液から、または溶解し
たソルビトールからソルビトールの溶解した塊を形作
り、その後、１５０℃で処理し、その後、成形型の開口
部は、プラスチックフィルムを使用して閉じられる。こ
れは、ソルビトールが添加された砂糖を原料とし、水が
染み通らないように保護用の”ブリスター”で包まれる
（パッケージされる）ことが要求されている虫歯の原因
となる糖菓である。水に対する安定の問題は、この場
合、高価なパッケージ手段によって解決される。さら
に、これらのキャンディーが、先に示されたように、単
に硬い粒状の結晶化状態を必ず通過するソルビトールの
ために処理された不定形の砂糖からなると考えることは
不可能である。
【００２６】ＨＳＨシロップ、イソマルト（isomalt
）、またはSuddeutsche Zucker GmbH社の登録商品名で
あるPALATINIT をベースとしているキャンディーは周知
である。上記イソマルト（isomalt ）は、グルコシド−
１−６−マンニトールと、スクロースの酵素による転化
から作られるイソマルトロース（isomaltulose）の水素
化によって得られるイソマルチトールとの等モルの混合
物である。
【００２７】これらのＨＳＨ／イソマルトキャンディー
は、詳しくは、１９８９年６月Leadtherhead Food R.A
Ｎｏ．６５２、１１ページ（著者：GA Hammond andJ.B.
Hudson）において報告されたに開示されている。ＨＳ
Ｈ／イソマルトの使用されている濃縮割合は、１．０７
／１（５２／４８）である。これらの２つの製造物の組
合せは、確かに製造状況、特に、イソマルトの弱い吸湿
性により得られるキャンディーによる水の再吸収につい
ては微かには改善する。しかし、キャンディーの製造コ
ストが高くなり、甘味パウダーを非常に損失させる。
【００２８】イソマルトは、実に高価なものであり、多
量に製造されるものに使用するのには、好ましい事実で
はない。さらに、甘味力が弱いため、加熱により苦く、
そして好ましくない味となり、品質が下がってしまうア
スパラテームのような強い甘味力を有する物質を使用し
なければならなかった。
【００２９】熱への安定度、そして水の再吸収の問題を
解決するため、ポリオール（polyols ）をベースとし
た”ハードキャンディー”の必須の成分の性質に単に関
心を持たないということは、多分賢明なことである。本
願出願人は、多層構造を有するポリオール（polyols ）
をベースとした”ハードキャンディー”について研究を
行った。
【００３０】上記構造は、糖菓の分野では、広く知れ渡
っているが、今日、ポリオール（polyols ）をベースと
し、”ハードキャンディー”のみからなるものにこれを
応用した例は存在していない。
【００３１】例えば、５から５０重量％のレベルで、フ
ォンダン、またはリキュールタイプの中央の液体が、キ
ャンディーの５０から９５重量％に相当するスクロース
（４５から７０％）、グルコースシロップ（３０から５
０％）からなる”ハードキャンディー”被膜により覆わ
れたキャンディーは、周知である（ＵＳ特許Ｎｏ．４，
５１７，２０５参照。）。
【００３２】日本特許出願Ｎｏ．５２−２１，５８５
は、その一部分で、例えばフルクトース、ソルビトー
ル、およびマルチトールからなる中心部と、水素化オリ
ゴサッカリド、ソルビトール、およびマンニトールをベ
ースにした外部の被膜とからなる無糖キャンディーの製
造方法に付いて開示している。これらは、厳密には”ハ
ードキャンディー”ではなく、結晶化された生成物であ
る。
【００３３】ポリオール（polyols ）をベースにしたキ
ャンディーの分野に応用されるこの技術は、伝統的なキ
ャンディーの技術からの示唆では、溶液を見つけること
が不可能であるという全く特定の問題を提起している。
これは、非結晶性、および甘味能力と同様に特に、好ま
しい粘度を得るために使用されるＨＳＨｓが、一般に吸
湿性を有するという事実によって示されている。
【００３４】本願出願人の鋭意研究の結果、製造、機能
特性、特殊感覚器に印象を与える特性を考慮する限り、
構造特性、つまり、最終生成物に対して３５重量％以下
存在する外層の多層組織であるが、それと、この外層の
組成の性質に関係する特性との間の有利な妥協を示す無
糖”ハードキャンディー”を得るに至った。
【００３５】本発明に従うと、後者は、以下に示す物質
から選択される第一吸湿性成分を有している。その物質
とは、乾燥重量で５から９２％の間の濃度である水素化
澱粉加水分解物、キシリトール、低カロリーサッカリド
のポリマー、またはそれらの混合物であり、第二吸湿性
成分Ｂは、乾燥重量で８から９５％の間の濃度で、２０
℃で、１００ｇの水に対して６０ｇより少ない溶解度、
および２０℃で、８５％以下の湿度を示す大気下で、そ
の重量に対して、３％より少ない水を吸収するような結
晶化形状の吸湿性を有している。
【００３６】
【課題を解決するための手段】本発明による無糖ハード
キャンディは、多層構造を有する無糖ハードキャンディ
であり、外層が、キャンディのせいぜい３５重量％、好
ましくはせいぜい２５重量％であり、この外層は、少な
くとも２つの成分、ＡおよびＢからなり、成分Ａは、乾
燥重量で５から９２％の割合で含有され、水素化澱粉加
水分解物、キシリトール、低カロリーサッカリドのポリ
マー、またはその混合物から選択されるものであり、成
分Ｂは、乾燥重量で８から９５％の割合で含有され、水
への溶解度が、２０℃において水１００ｇに対して６０
ｇより少なく、結晶形状であり、２０℃において８５％
以下の相対湿度を有する雰囲気下、その重量の３％より
少ない重量だけ再吸収されるような吸湿性を有するもの
である点が、特徴である。
【００３７】ほとんど溶解性でない成分Ｂは、相対湿度
（ＲＨ）が８５％以下で水を再吸収させたとしても、ほ
とんど吸湿性ではない形状で容易に結晶となる生成物で
ある。
【００３８】好ましくは、成分Ａよりもはるかに吸湿性
ではない成分Ｂは、水素化イソマルトロースまたはイソ
マルト、イソマルトロース、マンニトール、またはエリ
スリトールから選択される。
【００３９】本発明で使用される”水素化澱粉加水分解
物”とは、種々の澱粉を化学的または酵素的に加水分解
し、水素化によりポリオールに変換した生成物、または
その混合物である。
【００４０】たとえば、ソルビトール、マルチトールま
たはマルトトリイトール（maltotriitol）またはその混
合物、またはライカシン（LYCASIN）という商標で出願
人により販売されている生成物のような、水素化モノ
ー、オリゴーおよびポリサッカリドが使用可能である。
【００４１】本発明によれば、低カロリーサッカリドの
ポリマは、グルコースおよびフラクトースのポリマ、ゴ
ム、および体内で吸収されない植物繊維から選択可能で
ある。
【００４２】グルコースポリマに関しては、リテッセ
（LITESSE）という商標でファイザー株式会社より販売
されている、グルコース縮合ポリマが使用できる。
【００４３】フラクトースに関しては、特に、会社（Be
ghin Say）よりアクティライト（ACTILIGHT）の商標で
販売されている生成物を含有する、フラクトオリゴサッ
カリド（ネオシュガー）が、本発明によるキャンディの
製造に適当である。
【００４４】イソマルトロースは、会社（Suddeutsche
Zucker GmbH）よりパラチノース（PALATINOSE）の商標
で販売されている、グルコシドー（１ー６）ーフラクト
ースのジサッカリドである。
【００４５】マンニトールは、たとえば、出願人の会社
により市販されているものが使用可能である。
【００４６】多くの優位点が、本発明によるキャンディ
により得られる。まず、価格が安価である。これは、最
も高価な吸湿性でない成分Ｂが、キャンディの重量に関
して限られた濃度のみしか含有されていないためであ
る。
【００４７】製造技術に関しては、外層組成物として、
成分Ａを成分Ｂに添加すると、製造工程中、特に処理工
程中に、成分Ｂの結晶化を避けることができ、また、保
存している間、キャンディの粒状化を防止することがで
きる。
【００４８】さらに、得られたキャンディは、少なくと
も従来技術の水素化澱粉加水分解物／イソマルトキャン
ディのそれに等しいほどの、良好な熱安定性を有してい
る。
【００４９】本発明によるキャンディにおいて、クリー
プ（creep）現象が見られる温度は、シングルキャスト
構造の均一なキャンディのそれよりもかなり高い。
【００５０】さらに、形成温度、すなわち処理されたキ
ャンディが過度に低い粘度となることなしに形成可能な
温度は、均一の、シングルキャスト構造のキャンディの
それよりも一般に高い。これにより、製造時間において
も有益となる。
【００５１】水に対する性質に関しては、これらのキャ
ンディは、ほとんど吸湿性でない。新規な特徴部によ
り、無理な製造方法を行なうことなく、残水が１重量％
より高く、特に１から３重量％であるキャンディを製造
することが可能となり、これにより、製造コストがさら
に制限されることになる。
【００５２】本発明によればまた、従来技術と反して、
吸湿性すぎてハードキャンディの製造に使用されないと
判断される物質を、ある程度含有することが可能とな
る。これはたとえば、抗虫歯特性と高い甘味力を有する
キシリトールを用いた場合である。
【００５３】この優位点のために、キャンディは、保存
中、粘着性になる傾向がなくなる。したがって、完全な
耐水性のパッケージをする必要がなくなり、コスト削減
につながる。
【００５４】これらのハードキャンディは、強力な甘味
料を使用する必要がない、十分な甘さを有し、味覚性
は、優れている。
【００５５】本発明の使用方法によれば、成分Ａは、重
合度が２の分子を好ましくは３０重量％より多く含有し
ている水素化澱粉加水分解物である。
【００５６】本発明に使用可能な水素化澱粉加水分解物
シロップのなかで、４２から６０、好ましくは４５から
５５のＤＥを有する澱粉加水分解物から調製されたもの
が使用可能である。さらに、加水分解物の乾燥重量に関
して、０．１から１９％、好ましくは０．２から１７％
のソルビトールと、３５から９０％のマルチトールとを
含有し、重合度が２より大きいポリオールにより、全体
が１００にされるものである。
【００５７】さらに、水素化澱粉加水分解物が、乾燥重
量に関して、２から１０重量％の重合度が１の分子と、
７０から９０重量％の重合度が２の分子と、７から２４
重量％の重合度が２より大きい分子とからなり、重合度
が２０より大きい水素化ポリサッカリドにより、全体を
１００にされるものである。
【００５８】または、水素化澱粉加水分解物が、乾燥重
量に関して、１から１７重量％の重合度が１の分子と、
３５から７５重量％の重合度が２の分子と、１０から３
０重量％の重合度が３から６の分子と、５から２５重量
％の重合度が７から２０の分子とからなり、重合度が２
０より大きい水素化ポリサッカリドにより、全体を１０
０にされるものである。
【００５９】これら２つのタイプのシロップは、虫歯に
ならないという注目すべき優位点がある。
【００６０】本発明によるキャンディは、さらに、その
外層が、乾燥重量で１０から３０重量％、好ましくは１
５から２５重量％の濃度の成分Ａと、乾燥重量で７０か
ら９０重量％、好ましくは７５から８５重量％の濃度の
成分Ｂとからなる。
【００６１】本発明による他の実施例では、７０から９
５重量％の中心部と、５から３０％の外層とからなる無
糖ハードキャンディが提供される。
【００６２】中心部は好ましくは、水素化澱粉加水分解
物、たとえば、外層の成分Ａとして選択されるものと同
様のタイプのもの、キシリトール、低カロリーサッカリ
ドまたはその混合物からなる。
【００６３】本発明によるハードキャンディは、優位に
は、香料および／または着色剤および／またはアスパル
テームなどの強力甘味料が添加されてもよい。
【００６４】本発明はまた、多層構造を有する無糖ハー
ドキャンディで、外層が、キャンディのせいぜい３５重
量％、この外層は、少なくとも２つの成分、ＡおよびＢ
からなり、成分Ａは、乾燥重量で５から９２％の割合で
含有され、水素化澱粉加水分解物、キシリトール、低カ
ロリーサッカリドのポリマー、またはその混合物から選
択されるものであり、成分Ｂは、乾燥重量で８から９５
％の割合で含有され、水への溶解度が、２０℃において
水１００ｇに対して６０ｇより少なく、結晶形状であ
り、２０℃において８５％以下の相対湿度を有する雰囲
気下、その重量の３％より少ない重量だけ再吸収される
ような吸湿性を有する、無糖ハードキャンディの製造方
法であり、キャンディの外層における成分Ａおよび成分
Ｂの割合が、それぞれ、乾燥重量で５から９２重量％、
および乾燥重量で８から９５重量％であるような、成分
Ａおよび成分Ｂの混合物を含有し、任意に水が添加され
た、キャンディの層を構成する混合物を、独立に調製
し；キャンディが、室温においてガラス状で、硬く砕け
やすい性質を示すように、真空下、１２０℃より高い温
度で各混合物を独立に処理し；最後に、多層構造を有す
るように、キャンディを形成することからなる、無糖ハ
ードキャンディの製造方法が提供される。
【００６５】本発明による方法によれば、混合物の水分
含有量が、約３重量％より少ない値、特に、３から１重
量％の値となるまで、キャンディの異なった層は、−
０．６バールの最低真空下、約１５５℃で処理される。
【００６６】少なくとも２つの分離した処理が行なわれ
る。たとえば、キャンディの中心を連続処理すること
と、上層を不連続に処理することとである。
【００６７】本発明による多層キャンディの形成は、キ
ャンディの中心部を形成し、この中心部をキャンディの
層で被覆することによりおこなわれる。
【００６８】第１の形成技術によれば、２層構造の場合
には、中心を形成する処理物が、６０と９０℃の間の形
成温度にされる。あらかじめ６０と９０℃の間の形成温
度でフィルム状にされた上層の処理物が巻かれて、円柱
状ロールが手作業で形成される。
【００６９】キャンディは一般に、一つの中心部と一つ
の外層のみから形成される。
【００７０】第２の形成技術によれば、当分野で広く使
用されている装置を使用して形成がおこなわれ、たとえ
ば、４つの回転円錐台形ローラからなるローリング装置
が使用される。この装置においては、円錐台形ローラ間
に隙間が設けられており、キャンディの中心部の処理物
が連続して円錐台形状にされ、この周りに、一般的には
押しだし機のヘッドにおいて挿入される、中心部の処理
物用位置から下流に挿入された、外層の処理物が巻かれ
る。
【００７１】この第２の技術を使用するために、中心と
キャンディの連続層とを形成する、異なった処理物用
の、オフセット供給システムを備えた、上記ローリング
装置のような共通押しだし装置（coextrusion device）
を使用することも可能である。
【００７２】キャンディの形成に使用可能な他の技術
は、９０℃よりも高い温度で処理物を型に入れて成型す
ることである。
【００７３】本発明による方法は、上記形成技術に限定
されるものではなく、ハードキャンディ製造の当業者に
自明な他の技術が使用されてもよい。
【００７４】処理物を、形成し、任意に切断して冷却し
たのち、得られたキャンディは、ほとんど吸湿性ではな
い外層を有するため、耐水性のパッケージを用いる必要
なく、包装される。
【００７５】本出願人により行なわれた本発明によるキ
ャンディの製造テストは、以下実施例において開示され
ており、生成物および本発明による方法が例示され、異
なった優位点を得ることが可能である。
【００７６】方法論にしたがって、以下の条件で実行さ
れた。任意に水が添加された、中心部の組成と、外層と
しての成分Ａおよび成分Ｂからなる組成とを独立に混合
し、 −０．９バールの真空下、１４０℃の処理温度で連続モ
ードで操作される、商号（Otto Hansel Sucroliner）の
第１処理器で、中心部を処理し、 −０．７バールの真空下、５分間、１５５℃の処理温度
で、不連続モードで操作される、商号（Bosch）の第２
処理器で、成分Ａおよび成分Ｂを処理し、香りづけし
て、着色し、約８０℃の形成温度に、冷却テーブル上の
外層と、コンベヤーベルト上の中心部の処理物を冷却
し、Ｂｏｓｃｈ会社から、商標（Uniplast）で市販され
ている押しだし器、またはローリング装置に、中心部の
処理物を連続して運搬する一方、外層の処理物は、２層
が形成されたロールが押しだし機の出口で得られるよう
に、押しだし機のヘッドから離れたところの上部に入れ
られ、前記ロールをキャンディに切断し、得られたキャ
ンディを冷却ラインへ通過させることからなる。
【００７７】
【実施例】
（実施例１） （原料組成） 中央部：ライカシン（LYCASIN ）８０／５５という登録
商品名で市販され、無色透明で、甘味を有し、虫歯の原
因とならず、乾燥物質含有量が、７５重量％で、以下に
示すグルシディック（glucidic）スペクトルを有する水
素化澱粉加水分解物シロップ
【００７８】 Ｄ−ソルビトール ７．７％ 水素化ジサッカリド ５３．０％ 水素化トリ−サッカリドからヘキササッカリド ２４．９％ ＤＰ７からＤＰ２０水素化サッカリド １３．５％ ＤＰ＞２０ 水素化サッカリド ０．９％ （最大３％）
【００７９】外層： 成分Ａ＝先に限定されたライカシン（LYCASIN）マルチ
トールシロップ 成分Ｂ＝粉末形状の商品名パラチニット（PALATINIT ）
で市販されている物質 水 外層におけるＡ／Ｂ／水の割合は、各々１／４．５／１
である。
【００８０】（最終的な特性）先に示された技術により
得られる”ハードキャンディー”は、キャンディーの重
量の約２０％が外層である。そしてその外層は、重量で
約８０％を保持している中央を覆っている。外層は以下
に示す組成からなる。 乾燥重量で８５％のパラチニット（PALATINIT） 乾燥重量で１５％のライカシン（LYCASIN）
【００８１】最終的に得られるキャンディーは、以下に
示す組成からなる。 重量で８２％のライカシン（LYCASIN） 重量で１６％のパラチニット（PALATINIT） 重量で２％の水
【００８２】これらのキャンディーは、湿気に対して安
定しており、つまり、水を再吸収して貯蔵する傾向が少
なく、４０℃以下の温度では、クリープが観察されない
ので、高い温度安定性を有している。さらに、甘味力の
強い甘味料を組み合わせて使用することなしに、充分満
足のいく甘さを有し、虫歯の原因とならない。
【００８３】これらのキャンディーは、個別にラッピン
グする必要がなく、厚紙で作られた箱に入れるだけでよ
い。
【００８４】これらの利点は、特別難しい作業、および
価格に悪影響を及ぼすことなく得られる。さらに、価格
は、ライカシン（LYCASIN ）、およびパラチニット（PA
LATINIT ）を使用した均質構造の無糖”ハードキャンデ
ィー”として知られているものの価格の１／３を削減す
ることができた。
【００８５】（実施例２） （原料組成）使用する成分は以下に示す通りである。 中央部：マルチソーブ（MALTISORB ）７５／７５という
登録商品名で本願出願人の会社から市販され、無色透明
で、甘味を有し、虫歯の原因とならず、スクロースに近
い甘味を有し、乾燥物質含有量が、７５．７重量％で、
以下に示すグルシディック（glucidic）スペクトルを有
するマルチトールシロップ（乾燥物質の％）
【００８６】 Ｄ−ソルビトール ５．１％ 水素化ジサッカリド ７７．４％ ＤＰ＞２水素化サッカリド １８．５％
【００８７】外層： 成分Ａ＝先に限定されたマルチソーブ（MALTISORB）シ
ロップ 成分Ｂ＝粉末形状のパラチニット（PALATINIT ） 水 外層におけるＡ／Ｂ／水の割合は、各々１／４．５／１
である。
【００８８】（最終的な特性）先に示された技術により
得られる”ハードキャンディー”は、キャンディーの重
量の約２０％が外層である。そしてその外層は、重量で
約８０％を保持している中央を覆っている。外層は以下
に示す組成からなる。 乾燥重量で８５％のパラチニット（PALATINIT） 乾燥重量で１５％のマルチソーブ（MALTISORB）
【００８９】最終的に得られるキャンディーは、以下に
示す組成からなる。 重量で８２％のマルチソーブ（MALTISORB） 重量で１６％のパラチニット（PALATINIT） 重量で２％の水
【００９０】これらのキャンディーは、実施例１で得ら
れたキャンディーが有する利点と同じ利点を有してお
り、さらにその甘味は、実施例のものより高かった。
【００９１】（実施例３） （原料組成）使用する成分は以下に示す通りである。 中央部：実施例１と同様のライカシン（LYCASIN）シロ
ップ
【００９２】外層： 成分Ａ＝ライカシン（LYCASIN）シロップ 成分Ｂ＝本願出願人の会社から市販されているマンニト
ール粉末 アラビアゴム 外層におけるＡ／Ｂ／アラビアゴムの割合は、各々８０
／１８／２である。
【００９３】（最終的な特性）先に示された技術により
得られる”ハードキャンディー”は、キャンディーの重
量の約２５％が外層である。そしてその外層は、重量で
約７５％を保持している中央を覆っている。外層は以下
に示す組成からなる。 乾燥重量で８０％のライカシン（LYCASIN） 乾燥重量で１８％のマンニトール 乾燥重量で２％のアラビアゴム
【００９４】最終的に得られるキャンディーは、以下に
示す組成からなる。 重量で９３．０％のライカシン（LYCASIN） 重量で４．５％のマンニトール 重量で０．５％のアラビアゴム ２％の水
【００９５】ライカシン（LYCASIN ）と、マンニトール
と、アラビアゴムとを外層に併せて使用すると、キャン
ディーの吸湿性が非常に低くなる。これにより、クリー
プ（コールドフロー）に対して優れた抵抗力を有する優
れた温度に対する安定度が得られると同時に、水の再吸
収を防ぐこともできる。さらに、これにより、安定度を
目に見えて改善され、本発明にかかるキャンディーの保
存、または貯蔵に関する問題も解決された。
【００９６】
【発明の効果】本発明のキャンディーは、多層構造を有
する無糖ハードキャンディであり、外層が、キャンディ
のせいぜい３５重量％、好ましくはせいぜい２５重量％
であり、この外層は、少なくとも２つの成分、Ａおよび
Ｂからなり、成分Ａは、乾燥重量で５から９２％の割合
で含有され、水素化澱粉加水分解物、キシリトール、低
カロリーサッカリドのポリマー、またはその混合物から
選択されるものであり、成分Ｂは、乾燥重量で８から９
５％の割合で含有され、水への溶解度が、２０℃におい
て水１００ｇに対して６０ｇより少なく、結晶形状で、
２０℃において８５％以下の相対湿度を有する雰囲気
下、その重量の３％より少ない重量だけ再吸収されるよ
うな吸湿性を有する、無糖ハードキャンディである。従
って、本発明のキャンディーは、温度、および湿度に対
して非常に安定しているため、保存も容易である。さら
になお満足の甘さを有する上、虫歯の原因とならない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 多層構造を有する無糖ハードキャンディ
    であり、外層が、キャンディのせいぜい３５重量％、好
    ましくはせいぜい２５重量％であり、この外層は、少な
    くとも２つの成分、ＡおよびＢからなり、成分Ａは、乾
    燥重量で５から９２％の割合で含有され、水素化澱粉加
    水分解物、キシリトール、低カロリーサッカリドのポリ
    マー、またはその混合物から選択されるものであり、成
    分Ｂは、乾燥重量で８から９５％の割合で含有され、水
    への溶解度が、２０℃において水１００ｇに対して６０
    ｇより少なく、結晶形状で、２０℃において８５％以下
    の相対湿度を有する雰囲気下、その重量の３％より少な
    い重量だけ再吸収されるような吸湿性を有する、無糖ハ
    ードキャンディ。
  2. 【請求項２】 成分Ｂが、水素化イソマルトロースまた
    はイソマルト、イソマルトロース、マンニトール、また
    はエリスリトールから選択される、請求項１記載のハー
    ドキャンディ。
  3. 【請求項３】 キャンディにおける成分Ｂの濃度が、キ
    ャンディの全重量の３５重量％以下である、請求項１ま
    たは請求項２に記載のハードキャンディ。
  4. 【請求項４】 成分Ａが、乾燥重量で、３０重量％より
    多い、重合度が２の分子からなる水素化澱粉加水分解物
    である、請求項１、ないし請求項３のいずれか１項に記
    載のハードキャンディ。
  5. 【請求項５】 水素化澱粉加水分解物が、加水分解物の
    乾燥重量に関して、 ０．１から１９％、好ましくは０．２から１７％のソル
    ビトールと、 ３５から９０％のマルチトールとを含有し、 重合度が２より大きいポリオールにより、全体が１００
    にされたものである、請求項４記載のハードキャンデ
    ィ。
  6. 【請求項６】 水素化澱粉加水分解物が、乾燥重量に関
    して、 １から１７重量％の重合度が１の分子と、 ３５から７５重量％の重合度が２の分子と、 １０から３０重量％の重合度が３から６の分子と、 ５から２５重量％の重合度が７から２０の分子とからな
    り、重合度が２０より大きい水素化ポリサッカリドによ
    り、全体が１００にされたものである、請求項５記載の
    ハードキャンディ。
  7. 【請求項７】 キャンディの外層が、 乾燥重量で１０と３０％の間、好ましくは１５と２５％
    の間の濃度の成分Ａと、乾燥重量で７０と９０％の間、
    好ましくは７５と８５％の間の濃度の成分Ｂとからな
    る、請求項１、ないし請求項６のいずれか１項に記載の
    ハードキャンディ。
  8. 【請求項８】 キャンディの７０から９５重量％の中心
    部と、５から３０重量％の外層とからなる、請求項１、
    ないし請求項７のいずれかに記載のハードキャンディ。
  9. 【請求項９】 キャンディの中心部が、水素化澱粉加水
    分解物、キシリトール、低カロリーサッカリドまたはそ
    の混合物からなる、請求項８記載のハードキャンディ。
  10. 【請求項１０】 多層構造を有する無糖ハードキャンデ
    ィで、外層が、キャンディのせいぜい３５重量％、この
    外層は、少なくとも２つの成分、ＡおよびＢからなり、
    成分Ａは、乾燥重量で５から９２％の割合で含有され、
    水素化澱粉加水分解物、キシリトール、低カロリーサッ
    カリドのポリマー、またはその混合物から選択されるも
    のであり、成分Ｂは、乾燥重量で８から９５％の割合で
    含有され、水への溶解度が、２０℃において水１００ｇ
    に対して６０ｇより少なく、結晶形状であり、２０℃に
    おいて８５％以下の相対湿度を有する雰囲気下、その重
    量の３％より少ない重量だけ再吸収されるような吸湿性
    を有する、無糖ハードキャンディの製造方法であり、 キャンディの外層における成分Ａおよび成分Ｂの割合
    が、それぞれ、乾燥重量で５から９２重量％、および乾
    燥重量で８から９５重量％であるような、成分Ａおよび
    成分Ｂの混合物を含有し、任意に水が添加された、キャ
    ンディの層を構成する混合物を、独立に調製し；キャン
    ディが、室温においてガラス状で、硬く砕けやすい性質
    を示すように、真空下、１２０℃より高い温度で各混合
    物を独立に処理し；最後に、多層構造を有するように、
    キャンディの形成をおこなうことからなる、無糖ハード
    キャンディの製造方法。
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