JPH0619657Y2 - 浴室の防水床パン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 本考案は、浴室の床を形成する防水床パンに関するもの
である。

【従来の技術】

浴室ユニットは防水床パンと壁パネル、天井パネルを組
み立てて形成されるものであり、浴室ユニットの床を構
成する防水床パンは浴槽を載置して設置するための浴槽
載置部と洗い場の床となる洗い場部とで形成される。そ
して従来の防水床パンはＦＲＰやステンレスなどで浴槽
載置部と洗い場部とを一体にして形成されている。

【考案が解決しようとする課題】

しかしこのように浴槽載置部と洗い場部とを一体にして
防水床パンを形成すると、全体が大型になるために、製
造が困難になると共に施工現場への搬入や取り付けなど
の施工性が悪いという問題があり、特に全体が大型化す
ると防水床パンに形成した排水部と排水配管との位置合
わせなどが困難になって配管接続の点でも施工性が悪く
なるという問題がある。 この問題を解決するため防水床パンを浴槽載置パンと洗
い場パンとに分割することも考えられるが、別々に製造
した浴槽載置パンと洗い場パンとを組み立てて一体化す
るとき誤差のないように施工するのが困難であった。 本考案は上記の点に鑑みて為されたものであり、浴槽載
置パンと洗い場パンとに分割したことにより小型化して
製造することができると共に製造コストを安価にするこ
とができるのは勿論、別々に製造した浴槽載置パンと洗
い場パンとを簡単に誤差なく連結して一体化できる浴室
の防水床パンを提供することを目的とするものである。

【課題を解決するための手段】

本考案に係る浴室の防水床パンは、浴槽を設置するため
の浴槽載置パン１と洗い場パン２とを別体に形成し、浴
槽載置パン１と洗い場パン２の外周部の三辺に立ち上が
り部9,16を設けると共に立ち上がり部9,16の上端に壁パ
ネルの下端を取り付けるパネル受け片10,17を設け、浴
槽載置パン１と洗い場パン２の上記立ち上がり部9,16の
ない辺同士を対向させると共に浴槽載置パン１のパネル
受け片１０の端部と洗い場パン２のパネル受け片１７の
端部とを突き合わせ、この隣合うパネル受け片10,17間
に亘って一段落とした凹段部２１を設け、この凹段部２
１に連結金具２３を嵌合すると共に凹段部２１より突設
した位置決めピン２２を連結金具２３の位置決め孔２４
に嵌合し、連結金具２３からパネル受け片10,17にねじ
具２６を螺合して締結した。

【作用】

本考案にあっては、浴槽載置パン１と洗い場パン２とが
別体であるために、それぞれを別々に小型の状態で製造
したり取り扱ったりすることができ、また隣合うパネル
受け片10,17に亘る凹段部２１に連結金具２３を嵌合
し、位置決めピン２２に連結金具２３の位置決め孔２４
を嵌合し、連結金具２３からパネル受け片10,17にねじ
具２６を螺合しているために、連結金具２３を所定位置
に位置決めして連結金具２３にパネル受け片10,17が同
レベルになるように誤差なく連結できる。

【実施例】

浴槽載置パン１は外周部の三辺に立ち上がり部９を設け
ると共に立ち上がり部９の上端に浴室の壁パネルの下端
を取り付けるためのパネル受け片１０を設け、外周部の
他の一辺に段差形成用立ち上がり部１１を設けて形成し
てあり、段差形成用立ち上がり部１１の上端には断面略
Ｕ字状に屈曲する屈曲片を設けて屈曲片にて上向きに開
口する係合凹所３が形成してある。かかる係合凹所３の
両側の立ち上がり縁のうち外側に位置する外側立ち上が
り縁3aは内側に位置する内側立ち上がり縁3bよりαの高
さだけ高くしてある。また浴槽載置パン１の係合凹所３
を設けた側の辺の端部には排水部６が延出して設けてあ
る。排水部６の底面は浴槽載置パン１の底面と連続する
面で形成してあり、排水部６の底面に排水トラップのま
す１３が取り付けてある。上記係合凹所３はこの排水部
６の縁部にも連続して形成してある。ここで図中１４は
浴槽の脚を載置する載置台部、１５は浴槽載置パン１内
の水を排水部６に導く凹面部である。ここで、浴槽載置
パン１は浴槽を載置することによって隠されることにな
るために外観仕上がりはあまり問われないものであり、
着色などの色の仕上がりレベルが高く要求されず、不良
率が著しく小さくなる。 また洗い場パン２は外周部の三辺に立ち上がり部１６を
設けると共に立ち上がり部１６の上端に浴室の壁パネル
の下端を取り付けるためのパネル受け片１７を設け、外
周部の他の一辺に仕切用立ち上がり部１８を設けて形成
してあり、仕切切用立ち上がり部１８には下方へ突出す
るように係合片４が設けてある。また洗い場パン２の係
合片４を設けた側の辺の端部には切欠部１９が形成して
あり、上記係合片４はこの切欠部１９の縁部にも連続し
て形成してある。 上記浴槽載置パン１と洗い場パン２とはそれぞれ個別に
製造されるものであり、工場で両者を一体化して防水床
パンを形成するようにしてもよいが、一般にはそれぞれ
を別にして施工現場に搬入する。従って浴槽載置パン１
と洗い場パン２とは小型に分割した状態で一人でも容易
に施工現場に搬入することができ、制約の多い増改築な
どにおいても施工が可能になるものである。そして施工
現場においてはまず第１図(b)に示すように浴槽載置パ
ン１を床下地に設置するものであり、このように浴槽載
置パン１を設置する際に排水配管に排水部６のます１３
を接続するものである。浴槽載置パン１は小型の状態に
あるために、排水部６と排水配管との位置合わせなどを
容易におこなうことができ、配管との接続作用が容易に
なるものであり、また排水部６は浴槽載置パン１の端部
から突出しているために、接続状態を目で確認しながら
配管との接続を確実におこなうことができるものであ
る。このように浴槽載置パン１を床下地に取り付けたの
ち、第１図(a)に示すように洗い場パン２を床下地に設
置するものであり、このとき第４図に示すように浴槽載
置パン１の係合凹所３に洗い場パン２の係合片４を挿入
係合して浴槽載置パン１と洗い場パン２とを接続一体化
し、浴室の床を構成する防水床パンを形成させるのであ
る。そして係合凹所３には防水材５が充填してあり、こ
の防水材５によって係合凹所３と係合片４との間の防水
が全長に亘って確保されるようにしてある。防水材５と
しては硬化型樹脂、例えばシリコン樹脂液を用いること
ができ、係合凹所３にこのシリコン樹脂液を流し込んだ
のち係合凹所３に係合片４を挿入させ、この状態でシリ
コン樹脂液を硬化させることによって、硬化シリコン樹
脂で形成される防水材５で係合凹所３と係合片４との間
の防水がなされるようにするのである。係合凹所３は上
向きに開口する溝として形成されているために、液状の
ものを流し込んで硬化させることによって形成される防
水材５で防水をおこなうことができるのであり、素人で
も安心して防水施工が確実におこなえるのである。シリ
コン樹脂液を使用するにあたっては流動性の良い一液型
のもを用いるのが好ましい。またこのように浴槽載置パ
ン１と洗い場パン２とを接続するにあたって、浴槽載置
パン１の排水部６は洗い場パン２の切欠部１９内にはめ
込まれる。係合凹所３に防水材５を充填するとき係合凹
所３に防水材５を一杯充填して接合するのであるが、防
水材５を充填するとき内側立ち上がり縁3bの上端と防水
材５の上端とが面一になるように充填すればよい。この
とき外側立ち上がり縁3aの高さが内側立ち上がり縁3bの
高さより高いので防水材５を充填するとき見えない外側
に防水材５が溢れることがない。また防水材５を充填し
たとき内側立ち上がり縁3bと係合片４との間に第５図に
示すように断面略Ｌ字状の目地カバー２０が被着され
る。このとき目地カバー２０のアンカー部20aが防水材
５に食い込んで強固に一体化される。このように目地カ
バー２０を被着すると、防水材５にかびが発生したりし
て美観が低下するのを防止できる。 また浴槽載置パン１のパネル受け片１０の端部と洗い場
パン２のパネル受け片１７とは互いに突き合わせられ、
次のように接続される。パネル受け片10,17の端部には
一段低くなった凹段部２１を設けてあり、凹段部２１に
位置決めピン２２を突設してある。連結金具２３はアン
グル材にて形成され、連結金具２３に位置決め孔２４と
ねじ孔２５とを設けてある。連結金具２３は隣合うパネ
ル受け片10,17に亘るように凹段部２１にはめ込まれ、
位置決めピン２２が連結金具２３の位置決め孔２４に挿
通され、ねじ孔２５を介してパネル受け片10,17にタッ
ピングビスのようなねじ具２６が螺合されて連結金具２
３にて連結される。 以上のようにして浴槽載置パン１と洗い場パン２とを接
続して形成される防水床パンを床下地に設置し、このの
ちに浴槽載置パン１の上に浴槽を載置してセットすると
共に壁パネルや天井パネルなどを取り付け、さらに内部
器具類を取り付けることによって浴室を組み立てること
ができる。

【考案の効果】

上述のように本考案にあっては、防水床パンを分割して
浴槽を設置するための浴槽載置パンと洗い場パンとを別
体に形成するようにしたので、浴槽載置パンと洗い場パ
ンとをそれぞれを別々に小型の状態で製造したり取り扱
ったりすることができ、製造コストを安価にすることが
できると共に施工性を高めることができるものであり、
しかも浴槽載置パンのパネル受け片の端部と洗い場パン
のパネル受け片の端部とを突き合わせ、この隣合うパネ
ル受け片間に亘って一段落とした凹段部を設け、この凹
段部に連結金具を嵌合すると共に凹段部より突設した位
置決めピンを連結金具の位置決め孔に嵌合し、連結金具
からパネル受け片にねじ具を螺合して締結しているの
で、連結金具を凹段部の所定位置にはめ込んで隣合うパ
ネル受け片同士が同じレベルになるように連結金具で連
結できるものであって、誤差のないように連結できると
共に簡単に位置を合わせて簡単に連結できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図(a)は本考案の一実施例の全体を示す斜視図、第
１図(b)は同上の浴槽載置パンだけを設置した状態の斜
視図、第２図(a)(b)は同上の平面図及び断面図、第３図
は同上の浴槽載置パンと洗い場パンの要部を示す分解斜
視図、第４図は第２図(b)の接合部を拡大した断面図、
第５図は同上の目地カバーを取り付けた状態の断面図、
第６図は同上の連結金具で連結する部分の分解斜視図で
あって、１は浴槽載置パン、２は洗い場パン、９は立ち
上がり部、１０はパネル受け片、１６は立ち上がり部、
１７はパネル受け片、２１は凹段部、２２は位置決めピ
ン、２３は連結金具、２４は位置決め孔、２５はねじ
孔、２６はねじ具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽を設置するための浴槽載置パンと洗い
   場パンとを別体に形成し、浴槽載置パンと洗い場パンの
   外周部の三辺に立ち上がり部を設けると共に立ち上がり
   部の上端に壁パネルの下端を取り付けるパネル受け片を
   設け、浴槽載置パンと洗い場パンの上記立ち上がり部の
   ない辺同士を対向させると共に浴槽載置パンのパネル受
   け片の端部と洗い場パンのパネル受け片の端部とを突き
   合わせ、この隣合うパネル受け片間に亘って一段落とし
   た凹段部を設け、この凹段部に連結金具を嵌合すると共
   に凹段部より突設した位置決めピンを連結金具の位置決
   め孔に嵌合し、連結金具からパネル受け片にねじ具を螺
   合して締結して成る浴室の防水床パン。