JPH06191864A - ガラスプレス成形型 - Google Patents

ガラスプレス成形型

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JPH06191864A
JPH06191864A JP34872992A JP34872992A JPH06191864A JP H06191864 A JPH06191864 A JP H06191864A JP 34872992 A JP34872992 A JP 34872992A JP 34872992 A JP34872992 A JP 34872992A JP H06191864 A JPH06191864 A JP H06191864A
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glass
carbon film
film
mold
hard carbon
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賢 宇野
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガラスをプレス成形するための成形型におい
て、成形して得ようとするガラス成形体の形状に対応す
る形状に加工した成形型基盤上の加工面に、i−カーボ
ン膜と硬質炭素膜とを順次積層してなる炭素質の2層構
造膜を有することを特徴とするプレス成形型。 【効果】 本発明のプレス成形型は、i−カーボン膜及
び硬質炭素膜のそれぞれの欠点を相互に補い、i−カー
ボン膜の持つ基盤との高密着性、高硬度、耐酸化性の利
点と硬質炭素膜が持つ離型性の利点を合せ持っており、
ガラスプレス成形を多数回繰り返しても硬質炭素膜が剥
離しにくく、かつガラス離型性も良好なため、高品質の
ガラス成形体を長期間にわたって多数回繰り返し製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスプレス成形型に
係り、詳しくはガラスレンズ等のガラス成形体の製造に
用いられるガラスプレス成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】プレス成形によるガラスレンズの製造に
おいては、特にプレス成形後の冷間研磨を不要にしよう
とする場合には、ガラスレンズ面は高温下において成形
型の表面形状をそのまま転写している必要があり、更に
成形型表面はガラスレンズ面に必要な面精度ならびに面
粗度が確保されていなければならない。このためガラス
プレス成形型は高温下においてガラスと化学的な反応を
起こさないこと、耐酸化性及び耐熱性に優れているこ
と、硬度が高くプレス成形時に組織変化又は塑性変形し
ないこと、更には型形状の加工性が良く型表面の摩擦抵
抗が極力小さいことなどが必要とされる。
【0003】従来、ガラスプレス成形型としてはタング
ステンカーバイト(WC)、シリコンナイトライド(S
3 4 )、シリコンカーバイト(SiC)等が用いら
れているが、これらはいずれも400℃以上の高温プレ
スでは数回〜数十回のプレスで型表面にガラスの融着が
起こるため、これを防止するために型表面にカーボンか
らなる離型膜を設けることが知られている。カーボン離
型膜の生成手段としては、スパッター法によりスパッタ
ーガスをアルゴン、スパッターターゲットをグラファイ
トとして型表面に硬質炭素膜を形成してガラスプレス成
形型とする方法(特開平1−83529号公報)や、イ
オンプレーティング法によりアノード電極とカソード電
極から成るイオン化源にて炭化水素イオンを生成して型
表面にi−カーボン膜を形成してガラスプレス成形型と
する方法(特開平2−199036号公報)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のスパッター法に
より得られる硬質炭素膜は、耐熱性及び離型性に優れる
が、非晶質のグラファイトを含んでいるために、特にプ
レス成形温度が600℃以上の高温で多数回のプレス操
作を繰り返すと、膜の一部に剥離が生じることがある。
【0005】またイオンプレーティング法により得られ
たi−カーボン膜は、耐熱性、耐酸化性及び基盤との密
着性に優れ、かつ成形時のガラスの融着も起りにくい
が、膜構造が緻密でありガラスと接する膜表面が高平滑
性を有するために、プレス成形時にガラス表面と膜表面
との間にガラス表面から放出されるガスが閉じこめられ
て被成形ガラス表面に微小な凹部が生じることがある。
【0006】本発明の目的は、上述のようなスパッター
法により得られた硬質炭素膜からなる離型膜を有するガ
ラスプレス成形型およびイオンプレーティング法により
得られたi−カーボン膜からなる離型膜を有するガラス
プレス成形型において起る上記欠点を解消したガラスプ
レス成形型を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するためになされたものであり、ガラスをプレス成形
するための成形型において、成形して得ようとするガラ
ス成形体の形状に対応する形状に加工した成形型基盤上
の加工面に、i−カーボン膜と硬質炭素膜とを順次積層
してなる炭素質の2層構造膜を有することを特徴とする
ガラスプレス成形型を要旨とする。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明のガ
ラスプレス成形型において、基盤は成形して得ようとす
るガラス成形体の形状に対応する形状に加工されてい
る。基盤をこのような形状に加工するのは、この基盤上
に、基盤の形状にならうように薄い離型膜を設けてガラ
スプレス成形型を形成することから当然である。基盤材
料としては、シリコン(Si)、シリコンナイトライド
(Si3 4 )、タングステンカーバイド(WC)や、
アルミナ(Al2 3 )とチタンカーバイト(TiC)
のサーメット等も用いられるが、炭化珪素(SiC)焼
結体を用いるのが好ましい。この炭化珪素焼結体は、プ
レス成形の際、ガラスと接する面にCVD法による炭化
珪素膜を有するものが特に好ましい。
【0009】本発明のガラスプレス成形型は、上記基盤
上の加工面に、i−カーボン膜と硬質炭素膜とを順次積
層してなる炭素質の2層構造膜を有する。そしてi−カ
ーボン膜はイオンプレーティング法により、硬質炭素膜
はスパッター法により成膜するのが好ましい。
【0010】先ずイオンプレーティング法によるi−カ
ーボン膜の成膜について説明する。イオンプレーティン
グ法は、アノード電極と第1のカソード電極とガラスプ
レス成形型の基盤を保持する基盤ホルダーとを有し、更
に前記第1のカソード電極及びアノード電極を取り囲む
形で配置したリフレクターを有するイオンプレーティン
グ装置を用いて実施される。このイオンプレーティング
装置において、前記アノード電極と第1のカソード電極
との間に50〜150Vの低電圧を印加して炭化水素イ
オンのプラズマを発生させる。この低電圧は、50V未
満ではイオン化効率が低く非能率的であり、150Vを
超えるとプラズマが不安定となるので、前記範囲(50
〜150V)が好ましい。
【0011】また用いられる炭化水素としては、炭素原
子数と水素原子数の比率(C/H)が1/3以上である
ものが好ましく、その例としては、ベンゼン(C/H=
6/6)、トルエン(C/H=7/8)、キシレン(C
/H=8/10)等の芳香族炭化水素、アセチレン(C
/H=2/2)、メチルアセチレン(C/H=3/
4)、ブチン(C/H=4/6)等の三重結合含有不飽
和炭化水素、エチレン(C/H=2/4)、プロピレン
(C/H=3/6)、ブテン(C/H=4/8)等の二
重結合含有不飽和炭化水素、エタン(C/H=2/
6)、プロパン(C/H=3/8)、ブタン(C/H=
4/10)、ペンタン(C/H=5/12)等の飽和炭
化水素が挙げられる。これらの炭化水素は、単独で用い
ても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0012】これに対して、C/Hが1/3未満のメタ
ン(C/H=1/4)や、アセトン、酢酸、アルコール
類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、ジオ
キサン、アニリン、ピリジン等の酸素や窒素を含む炭化
水素化合物は、離型膜の成膜性及びプレス成形時のプレ
ス成形品離型性の少なくともいずれか一方が不十分であ
り、使用することが不適当であることが判明している。
【0013】また前記アノード電極に対して前記基盤ホ
ルダーが第2のカソード電極となるように0.5〜2.
5kVの電圧を印加して炭化水素イオンの加速を促進す
る。この電圧範囲外では、0.5kV未満では炭化水素
イオンの加速が不十分であり、ガラスプレス成形型基盤
とi−カーボン膜との密着性が弱くなり、2.5kVを
超えると異常放電が生じ易くなるためである。
【0014】イオンプレーティング処理時の基盤温度は
200〜400℃が好ましい。その理由は、200℃未
満で形成したi−カーボン膜は膜質が脆弱であり、窒素
雰囲気中における650℃の加熱保持テストがおいて昇
温直後にi−カーボン膜がフィルム状に基盤表面から浮
き上り耐熱性が劣るのに対し、200〜400℃では上
述と同様の加熱保持テストにおいて30時間保持後も何
ら変化を示さないからである。
【0015】i−カーボン膜の厚さの実用範囲は50〜
5,000オングストロームであり、50オングストロ
ーム未満であると均一な膜の形成が困難であり、5,0
00オングストロームを超えると、膜中の歪のために離
型を生じる。更にこのi−カーボン膜形成が目的とする
ところの硬質炭素膜の密着性増加及び基盤材料表面の保
護という観点からすれば、i−カーボン膜の厚さは比較
的薄くて十分であり、したがって、好ましい範囲として
は100〜1,000オングストロームである。
【0016】次にスパッター法による硬質炭素膜のi−
カーボン膜上への成膜について説明する。スパッター法
は上述のイオンプレーティング法によりi−カーボン膜
が形成されたプレス成形型基盤を保持する基盤ホルダー
と、これと対向するスパッターターゲットを収容するス
パッター装置を用いて実施される。このスパッター装置
において、前記基盤温度は250〜450℃が好まし
い。その理由は、450℃を超えると成膜された膜表面
の面粗度が急激に悪化し、また250℃未満では膜硬度
が低下するためにいずれも離型膜として不適当であるか
らである。このスパッタ法においては、スパッターガス
としてアルゴンガスを、スパッターターゲットとしてグ
ラファイトを用いて、高周波によってプラズマを発生さ
せて硬質炭素膜を形成するのが好ましい。
【0017】硬質炭素膜の厚さの実用範囲は、上述のi
−カーボン膜と同様に50〜5,000オングストロー
ムであるが、i−カーボン膜が硬質炭素膜との中間媒体
となっているのに対し、硬質炭素膜形成の目的はガラス
との離型性及び被成形ガラス表面の品質確保である点か
ら、必要最小限の厚さが良いため好ましい範囲としては
100〜2,000オングストロームである。
【0018】なお、上述のi−カーボン膜及び硬質炭素
膜の成膜は、それぞれ独立したイオンプレーティング装
置及びスパッター装置にて行なっても良いが、処理時間
短縮の効率化を考えれば、イオンプレーティング法及び
スパッター法のいずれの機能をも満たした装置にて行な
うほうが好ましい。
【0019】
【作用】本発明のガラスプレス成形型は、基盤上に、i
−カーボン膜および硬質炭素膜を順次設け、炭素質の2
層構造膜を構成してなるが、このような構成により、基
盤と硬質炭素膜との間に、基盤との密着性の良いi−カ
ーボン膜が介在することになり、基盤と硬質炭素膜とが
強固に結合し、基板に離型膜として硬質炭素膜を直接設
けたときに起る膜の剥離が防止される。またi−カーボ
ン膜はガラスに直接接触しないので、離型膜がi−カー
ボン膜のときに起るガラス成形体の凹部形成の問題も解
消される。そして硬質炭素膜の離型膜としての特性をい
かんなく発揮させることができる。
【0020】このように、本発明のガラスプレス成形型
は、i−カーボン膜及び硬質炭素膜のそれぞれの欠点を
相互に補い、i−カーボン膜の持つ基盤との高密着性、
高硬度、耐酸化性の利点と硬質炭素膜が持つ離型性の利
点を合せ持っており、ガラスプレス成形を多数回繰り返
しても硬質炭素膜が剥離しにくく、かつガラス離型性も
良好なため、高品質のガラス成形体を長期間にわたって
多数回繰り返し製造できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。 [実施例1]ガラスプレス成形型の基盤材料として炭化
珪素(SiC)焼結体を用い研削によりプレス成形型形
状に加工後、さらに加工面側にCVD法により炭化珪素
膜を形成し、更に研削及び研磨して製造されるべき成形
体に対応する形状に鏡面仕上げして成形型基盤を得た。
次に前記成形型基盤の炭化珪素膜上にi−カーボン膜を
イオンプレーティング法により成膜した。図1は、i−
カーボン膜を成膜するために用いられるイオンプレーテ
ィング装置の概略図であり、図1に示すイオンプレーテ
ィング装置において真空槽11の上部にヒーター19を
内蔵した基盤ホルダー12が設けられ、これに炭化珪素
膜を有する成形型基盤13が保持されている。基盤ホル
ダー12と対向した下部にはタンタル(Ta)フィラメ
ントから成る第1のカソード電極14とタングステン
(W)基盤から成るアノード電極15が設置され、この
両電極14、15を取り囲む形で円筒形のリフレクター
16が設けられており、これは生成されたイオンを基盤
13の方向へ集中することを目的としている。また、図
中17はアルゴン及びベンゼンガス導入口、18は真空
排気のための排気口である。
【0022】排気口18より真空槽11内の真空度を
5.0×10-6Torrに排気した後、ガス導入口17
よりアルゴンガスを導入することによって真空度を8.
0×10-4Torrに保持し、第1のカソード電極14
とアノード電極15間に80Vの電圧を印加し、この間
にプラズマを発生させ、第1のカソード電極14からの
熱電子によりアルゴンガスをイオン化した。更に第2の
カソード電極である基盤ホルダー12とアノード電極1
5間に1.5kVの電圧を印加するとともに、リフレク
ター16に80Vの電圧を印加して、アルゴンイオンを
基盤13へ集中的に加速させることで、基盤13の表面
をイオンボンバードし清浄化した。このイオンボンバー
ド工程において成形型基盤13の加熱は必ずしも必要で
はないが、型面の清浄効果の促進及び次に続く成膜工程
における加熱のことを考えればここで加熱しておくこと
が好ましい。
【0023】次に再び真空槽11の真空排気を行いガス
導入口17によりベンゼンガスを導入することによって
真空度を2.0×10-3Torrに保持し、第1のカソ
ード電極14とアノード電極15間に80Vの電圧を印
加してベンゼンガスを炭化水素イオンとし、更に第2の
カソード電極である基盤ホルダー12とアノード電極1
5間に1.5kVの電圧を印加するとともにリフレクタ
ー16に80Vの電圧を印加して炭化水素イオンを成形
型基盤13の方向に集中的に加速し、あらかじめ300
℃に加熱しておいた成形型基盤13の表面に膜厚700
オングストロームのi−カーボン膜を形成した。
【0024】次にこのi−カーボン膜上にスパッター法
により硬質炭素膜を形成するために用いられるスパッタ
ー装置の概略図を図2に示す。図2に示すスパッタ装置
において、真空槽20の上部にはヒーターを内蔵した基
盤ホルダー22が設けられ、すでにi−カーボン膜が被
覆された成形型基盤21が保持されている。更に真空槽
20の下部にはグラファイトから成るターゲット23が
前記成形型基盤21と対向するように配置されている
る。図中、24はマグネット、25はRF電源で13.
56MHzの高周波であり、また26はアルゴンガスの
導入口、27は真空排気のための排気口である。
【0025】排気口27により真空槽20内の真空度を
5.0×10-5Torrに排気した後、ガス導入口26
よりアルゴンガスを導入することによって真空度を5.
0×10-3Torrに保持し、RF電源25により高周
波電力を印加して前記グラファイトターゲット23をス
パッターして、あらかじめ300℃に加熱しておいた成
形型基盤21のi−カーボン膜上に膜厚700オングス
トロームの硬質炭素膜を形成した。
【0026】このようにして、図3に示すように、所定
形状の炭化珪素焼結体1上のプレス成形面に、CVD法
により形成された炭化珪素膜2を有し、更にこの炭化珪
素膜2上に、イオンプレーティング法によりi−カーボ
ン膜3を形成し、更にこのi−カーボン膜3上に、スパ
ッター法により硬質炭素膜4を形成した本実施例のガラ
スプレス成形型5が得られた。
【0027】次に、本実施例で得られたガラスプレス成
形型を用いてプレス成形を行った結果を以下に示す。図
3の如く、一対のガラス成形型5、5と案内型6との間
にガラスA(ガラス転移点温度475℃)からなるガラ
ス7を配置した後、窒素雰囲気中でガラス7を温度54
5℃(ガラス粘度109 ポアズに相当)にて50kgf
/cm2 のプレス圧で60秒間の成形を行い、室温まで
急冷する操作を繰り返した結果、本実施例のプレス成形
型(同一方法で得られた5個の成形型試料を用いた。以
下同様)では1000回のプレス成形でもガラスの融着
は認められず、また硬質炭素膜の表面は何ら劣化を示さ
なかった(表1の実施例1におけるガラスAの結果参
照)。
【0028】また上記ガラスとは異なるガラスB(ガラ
ス転移点温度545℃)を温度650℃にて前記と同条
件でプレス成形を行ったところ、本実施例のプレス成形
型では、5個の成形型試料のうち2個は893回目と9
15回目に硬質炭素膜の局部的な剥離跡が被成形ガラス
の表面にて確認されたが、ガラスの融着は認められずプ
レス成形の続行が可能であった。また残りの3個の成形
型試料は1000回のプレス成形でも変化しなかった
(表1の実施例1におけるガラスBの結果参照)。これ
に対してi−カーボン膜ならびに硬質炭素膜を形成して
いない成形面が炭化珪素膜である、参考例の成形型では
ガラスAで5〜9回、ガラスBで2〜3回でガラスの融
着が発生し、この融着部分に相当する被成形ガラスの表
面は粗れとして確認された(表1の参考例におけガラス
A及びガラスBの結果参照)。
【0029】[実施例2]実施例1におけるi−カーボ
ン膜及び硬質炭素膜の各膜厚のみを変えた以外は同様の
実験を行った。すなわち、ベンゼンガスにより真空度を
2.0×10-3Torrとし、基盤温度300℃、アノ
ード電極と第1のカソード電極間の電圧80V、基盤ホ
ルダー(第2のカソード電極)とアノード電極間の電圧
1.5kVとして成形型基盤表面に200オングストロ
ームのi−カーボン膜を形成した後、このi−カーボン
膜上にアルゴンガスにより真空度5.0×10-3Tor
rとし、基盤温度300℃でグラファイトターゲット
を、高周波電力を印加してスパッターし200オングス
トロームの硬質炭素膜を形成した。次に本実施例で得ら
れたガラスプレス成形型を用い実施例1におけると同様
にプレス成形を行った結果、ガラスAの場合834〜9
34回目に硬質炭素膜の局所的な剥離跡が被成形ガラス
の表面にて確認されたが、ガラスの融着は認められずプ
レス成形の続行が可能であった(表1の実施例2におけ
るガラスAの結果参照)。またガラスAとは別種のガラ
スBの場合、693〜785回目にガラスAと同様の結
果が確認された(表1の実施例2におけるガラスBの結
果参照)。
【0030】[実施例3]実施例1と同様に、ベンゼン
ガスにより真空度を2.0×10-3Torrとし、基盤
温度300℃、アノード電極と第1のカソード電極間の
電圧90V、基盤ホルダー(第2カソード電極)とアノ
ード電極間の電圧1.5kVとして成形型基盤表面に1
000オングストロームのi−カーボン膜を形成した
後、このi−カーボン膜上に、アルゴンガスにより真空
度5.0×10-3Torrとし、基盤温度300℃でグ
ラファイトターゲットを、高周波電力を印加してスパッ
ターし2000オングストロームの硬質炭素膜を形成し
た。次に本実施例で得られたガラスプレス成形型を用い
実施例1におけると同様にプレス成形を行った結果、ガ
ラスAならびにガラスBにて1000回でもガラスの融
着は認められず、また硬質炭素膜の表面も何ら劣化を示
さなかった(表1の実施例3におけるガラスA及びガラ
スBの結果参照)。
【0031】[実施例4]実施例1と同様に、ベンゼン
ガスにより真空度を2.0×10-3Torrとし、基盤
温度300℃、アノード電極と第1のカソード電極間の
電圧90V、基盤ホルダー(第2のカソード電極)とア
ノード電極間の電圧1.5kVとして成形型基盤表面に
100オングストロームのi−カーボン膜を成形した
後、このi−カーボン膜上に、アルゴンガスにより真空
度5.0×10-3Torrとし、基盤温度300℃でグ
ラファイトターゲットを、高周波電力を印加してスパッ
ターし100オングストロームの硬質炭素膜を形成し
た。次に本実施例で得られたガラスプレス成形型を用い
実施例1におけると同様にプレス成形を行った結果、ガ
ラスAの場合754〜815回目に、またガラスBの場
合543〜597回目に硬質炭素膜の局部的な剥離跡が
被成形ガラス表面にて確認されたが、ガラスの融着は認
められずプレス成形の続行が可能であった(表1の実施
例4におけるガラスA及びガラスBの結果参照)。
【0032】[比較例1]基盤上にi−カーボン膜を有
するが、硬質炭素膜を形成していない比較成形型を用い
て実施例1との比較実験を行った。すなわち、ベンゼン
ガスにより真空度を2.0×10-3Torrとし、基盤
温度は300℃、アノード電極と第1のカソード電極間
の電圧80V、基盤ホルダー(第2カソード電極)とア
ノード電極間の電圧1.5kVとして成形型基盤表面に
700オングストロームのi−カーボン膜を形成してガ
ラスプレス成形型を得た。次にこのガラスプレス成形型
を用い実施例1におけると同様にプレス成形を行った結
果、ガラスAの場合、43〜52回目より、融着はしな
いが、成形ガラスの表面に微細な凹部が発生しているこ
とが確認された(表1の比較例1におけるガラスAの結
果参照)。また上記ガラスとは別種のガラスBの場合、
19〜34回目よりガラスAと同様の結果が確認された
(表1の比較例1におけるガラスBの結果参照)。
【0033】[比較例2]基盤上に、i−カーボン膜を
形成することなく、硬質炭素膜を形成した比較成形型を
用いて実施例1との比較実験を行った。すなわち、アル
ゴンガスにより真空度5.0×10-3Torrとし、基
盤温度300℃で、グラファイトターゲットを、高周波
電力を印加してスパッターし700オングストロームの
硬質炭素膜を形成した。次にこのガラスプレス成形型を
用い実施例1におけると同様にプレス成形を行った結
果、ガラスAの場合203〜302回目に、ガラスBの
場合153〜252回目でガラスの融着が認められた
(表1の比較例2におけるガラスA及びガラスBの結果
参照)。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、基盤上にi−カーボン
膜および硬質炭素膜を順次設け、炭素質の2層構造膜を
構成したこと、即ち、基盤と硬質炭素膜との間に、基盤
との密着性の良いi−カーボン膜を介在させたことによ
り、基盤と硬質炭素膜とが強固に結合したガラスプレス
成形型が得られる。
【0036】本発明のガラスプレス成形型は、i−カー
ボン膜及び硬質炭素膜のそれぞれの欠点を相互に補い、
i−カーボン膜の持つ基盤との高密着性、高硬度、耐酸
化性の利点と硬質炭素膜が持つ離型性の利点を合せ持っ
ており、ガラスプレス成形を多数回繰り返しても硬質炭
素膜が剥離しにくく、かつガラス離型性も良好なため、
高品質のガラス成形体を長期間にわたって多数回繰り返
し製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】i−カーボン膜を基盤に成膜するためのイオン
プレーティング装置の概略図。
【図2】硬質炭素膜をi−カーボン膜上に成膜するため
のスパッタ装置の概略図。
【図3】本発明のプレス成形型を用いてガラスプレス成
形例を示す図。
【符号の説明】
1…炭化珪素焼結体、2…炭化珪素膜、3…i−カーボ
ン膜、4…硬質炭素膜、5…ガラス成形型、6…案内
型、7…被成形ガラス、11…真空槽、12…基盤ホル
ダー、13…ガラス成形型基盤、14…カソード電極、
15…アノード電極、16…リフレクター、17…ガス
導入口、18…排気口、19…ヒーター、20…真空
槽、21…ガラス成形型基盤、22…基盤ホルダー、2
3…グラファイトターゲット、24…マグネット、25
…RF電源、26…ガス導入口、27…排気口。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスをプレス成形するための成形型に
    おいて、成形して得ようとするガラス成形体の形状に対
    応する形状に加工した成形型基盤上の加工面に、i−カ
    ーボン膜と硬質炭素膜とを順次積層してなる炭素質の2
    層構造膜を有することを特徴とするガラスプレス成形
    型。
  2. 【請求項2】 基盤が焼結炭化珪素母材上にCVD法に
    よる炭化珪素膜を設けてなることを特徴とする請求項1
    に記載のガラスプレス成形型。
  3. 【請求項3】 i−カーボン膜の膜厚が50〜5,00
    0オングストロームであることを特徴とする請求項1に
    記載のガラスプレス成形型。
  4. 【請求項4】 硬質炭素膜の膜厚が50〜5,000オ
    ングストロームであることを特徴とする請求項1に記載
    のガラスプレス成形型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008001572A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Hoya Corp 成形型、および成形型の製造方法、並びにガラス光学素子の製造方法
CN113526961A (zh) * 2021-08-19 2021-10-22 南通三责精密陶瓷有限公司 一种玻璃模造用碳化硅模具的制造方法及碳化硅模具

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