JPH06190912A - 発泡ポリエチレンテレフタレートシートの成形方法 - Google Patents

発泡ポリエチレンテレフタレートシートの成形方法

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JPH06190912A
JPH06190912A JP34621392A JP34621392A JPH06190912A JP H06190912 A JPH06190912 A JP H06190912A JP 34621392 A JP34621392 A JP 34621392A JP 34621392 A JP34621392 A JP 34621392A JP H06190912 A JPH06190912 A JP H06190912A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 予め加熱軟化したシート21を一対の金型3
のうちの少なくとも一方が結晶化温度以上に加熱された
成形金型3を用いて両面真空成形する。 【効果】 シート成形品22は、両面真空成形され、金
型クリアランス一杯に型内発泡された後、型内で加熱状
態のままにして結晶化促進される。これにより、シート
成形品22の肉厚の均一化と結晶化の均一化を図ること
ができ、品質のすぐれた成形品23を得ることができ
る。また、シート成形品22の発泡速度および結晶化速
度を速くすることができるので、成形サイクルを短縮し
生産性を向上させることができる。加えて、シート成形
品22の離形を容易かつ迅速に行うことができるので、
成形サイクルを短縮し生産性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、発泡ポリエチレンテ
レフタレートシートの成形方法に関し、詳しくは、耐熱
性、耐湿度性および強度等のある包装容器等として利用
される成形品を得るための成形方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンテレフタレート
シート(以下「PETシート」という。)の成形品は、
その結晶化温度(約130℃)以上に加熱して結晶化度
を上げることで、耐熱性、耐湿度性および強度等にすぐ
れたものが得られることが知られている。
【0003】このPETシートの成形方法としては、P
ETシートを、そのガラス転移温度(75℃)以上結晶
化温度(130℃)以下に加熱し、このシートを熱成形
し、次いで、この成形された形状を維持したまま結晶化
温度以上融点(258℃)以下に加熱して成形品を得る
方法が提案されている(特公平4−29529公報参
照。)。そして、通常、熱成形されたシート成形品は、
その形状を保持するために熱成形後に一対の冷却金型に
よって再プレスされる。
【0004】この成形方法における熱成形としては、シ
ートと金型の型窩面との密着性を良くするため、一対の
加熱金型を用いて離形を害さない程度に加圧成形する
か、あるいは、一対の加熱金型の片面から真空吸引また
は圧空供給して成形する手段が採用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記成
形方法において、発泡PETシートを用いた場合には、
以下のような問題があった。発泡PETシートは、加熱
すると再発泡するが、その厚みは、原反の経日または加
熱状態により大きく変動し成形品の肉厚に変動をきたす
場合があり、成形不良を起こし易い。
【0006】また、発泡PETシートは、発泡している
ためその熱伝導が悪く型内での結晶化に時間を要し、成
形サイクルが長くなり生産性を悪くする。ところで、こ
れら成形品の肉厚を均一にし、結晶化時間を短縮するた
め、金型クリアランスを小さく設定しシート成形品の両
面からの接触圧力を高めることが考えられる。
【0007】しかし、この場合、離形性が著しく悪くな
り、離形時にシート成形品が部分的に型窩面に強く付着
して、却って、変形不良を起こし、しかも生産性を低下
させることになる。一方、一対の加熱金型の片面から真
空成形または圧空成形によって加熱軟化シートの熱成形
を行った場合では、上記問題点に加えてさらに金型クリ
アランス通りの肉厚を有する成形品を得ることが困難に
なるという問題があった。即ち、金型の片面から真空吸
引等することは、シート成形品を一方の金型の型窩面に
隙間なく密着させて金型からの熱伝導を良くするために
行われるが、同時に真空圧等によってシート成形品の再
発泡を抑制することになる。従って、シート成形品は、
密着されない側の金型との間に隙間が生じ、その結果、
この隙間部分の肉厚が薄くなるからである。
【0008】この発明の目的は、以上の事情に鑑みて、
発泡PETシートからなる成形品における、品質の安定
化と生産性の向上を図ることができる発泡PETシート
の成形方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の発泡PETシートの成形方法は、結晶性
発泡ポリエチレンテレフタレートシートをその結晶化温
度以下で加熱軟化させ、この加熱軟化シートを一対の金
型のうちの少なくとも一方が結晶化温度以上に加熱され
た成形金型を用いて両面真空成形を行って型内発泡させ
た後、型内で加熱状態のまま結晶化を促進させることを
特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記構成からなる、この発明の発泡PETシー
トの成形方法によれば、結晶性発泡PETシートは、そ
の結晶化温度以下に加熱されるので、結晶化を促進させ
ずに成形可能な状態に軟化される。この加熱軟化シート
は、一対の金型のうちの少なくとも一方が結晶化温度以
上に加熱された成形金型を用いて成形されるので、結晶
化が促進される。
【0011】この成形金型にて成形されたシート成形品
は、金型両面から真空吸引する両面真空成形により型内
が減圧されるので、理論上シート成形品の発泡気泡内が
真空圧に達するまで発泡促進される。これにより、シー
ト成形品は、金型クリアランス一杯に型内発泡されるこ
とになり、成形品の肉厚の均一化を図ることができる。
【0012】シート成形品の結晶化は、両面真空成形に
よって型内発泡されシート成形品が型窩面に万遍なく接
触されるので、均一に、しかも迅速に促進することがで
きる。シート成形品の発泡は、両面真空成形によって促
進されるので、加熱金型からの熱伝導によってシート成
形品が結晶化を開始して硬化する速度より速く行うこと
ができる。即ち、シート成形品は、型内で発泡した後に
型内で加熱状態のまま結晶化が行われることになる。
【0013】次いで、金型両面からの真空吸引を解除し
た後、成形金型の離形が行われる。この成形品の金型か
らの離形は、シート成形品の肉厚を確保するのに、プレ
ス圧力をかけずに型内発泡にて行われシート成形品の金
型への付着力が弱いので、離形を容易に、しかも速く行
うことができる。一方、一対の成形金型の片面のみを加
熱金型とした場合、シート成形品の片面側は結晶化が促
進され他面側は結晶化が抑制されて、シート成形品の結
晶化と結晶化抑制による剛性付与が同時に行われる。こ
れにより、後工程でシート成形品の形状保持のための冷
却金型による再プレスを省略することができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面を参照しながら
以下に説明する。図1は、本発明の一実施例の発泡ポリ
エチレンテレフタレートシート(以下、「発泡PETシ
ート」という。)の成形方法を使用した成形工程の概略
図を示し、図2は、この成形方法に使用される加熱金型
3と冷却金型9との模式図を示す。
【0015】図1に示した成形工程は、ロール状シート
Sから繰り出された発泡PETシート2を結晶化促進せ
ずに成形可能な状態に加熱軟化する予備加熱ゾーンA、
予備加熱ゾーンAで加熱軟化された加熱軟化シート21
の成形と、発泡と結晶化を促進する成形ゾーンB、およ
び、成形ゾーンBで成形されたシート成形品22に剛性
を付与するために室温近くまで冷却する冷却ゾーンCの
3ステーションを有する。そして、各ゾーンにおいて
は、精度の良い送り機構であるチェーンクランプ5等を
用いて誤差なく各ゾーンへシートが送られている。
【0016】予備加熱ゾーンAは、ロール状シートSか
ら繰り出された発泡PETシート2の上下に、シート2
と非接触状態にして配置されたオーブンヒータ1a,1
bが備えられており、このオーブンヒータ1a,1bに
よって発泡PETシート2を結晶化促進せずに成形可能
な状態に加熱軟化するステーションである。オーブンヒ
ータ1a,1bとしては、例えば、赤外線ヒータ等が使
用され、その輻射熱によって発泡PETシート2をガラ
ス転移点(75℃)以上で、かつ結晶化が促進される手
前の温度まで加熱される。このシート表面温度は、好ま
しくは110〜140℃の範囲に設定される。即ち、こ
のシート表面温度が110℃より低ければ加熱軟化する
のに時間がかかり、また140℃より高ければ発泡PE
Tシート2の結晶化が促進されて表面が硬化してしまう
おそれがあるからである。
【0017】なお、オーブンヒータ1a,1bに代え
て、複数組縦横に設けられた加熱板によって発泡PET
シート2を挟み込んで接触させることにより予備加熱を
行うものでも良い。成形ゾーンBは、図2に示した、成
形金型としての加熱金型3が備えられており、加熱軟化
された加熱軟化シート21の成形と、発泡および結晶化
促進とを行うステーションである。
【0018】図2に示すように、この加熱金型3は、シ
ート21が成形されたシート成形品22の下方に配置さ
れた雄型31と、雄型31と対向するようにシート成形
品22の上方に配置された雌型32とを組合せた一対の
ものであり、雄雌型の型窩面にシート成形品22が接触
される、いわゆるマッチモールド型である。雄型31
は、シート成形品22の結晶化を促進するため加熱され
た凸部33と、凸部33を加熱するヒータ板34aと、
凸部33とヒータ板34aを支える下取付板82aおよ
び下プラテン83aとを備えている。凸部33には、型
内を減圧するための真空吸引孔Hが複数設けられてい
る。この孔Hには、管Kを通じて真空ポンプPが連結さ
れており、この真空ポンプPは、加熱金型3の型締め時
に作動するように制御されている。この真空圧は、−5
50〜−650m/m ・Hgの範囲に設定される。凸部3
3は、その下面にボルト等にて直接取付けられたヒータ
板34aによって加熱される。凸部33の加熱温度は、
シート成形品22の結晶化を促進させるようにPET樹
脂の結晶化温度(135℃)以上で、かつ軟化点(25
8℃)より低い範囲に設定され、好ましくは、160〜
220℃の範囲に設定される。即ち、この加熱温度が1
60℃より低ければ、シート成形品22の結晶化促進が
困難になり、また220℃より高ければ、シート成形品
22が金型3に密着し離形し難くなるからである。ヒー
タ板34aには、2本のカートリッジヒータ37aが埋
め込まれている。なお、このカートリッジヒータ37a
の数は、凸部33が均一に加熱されれば、特に限定され
ず、適宜数使用することができる。また、ヒータ板34
aは、ニクロム線を直接埋設したもの等その他既知の加
熱手段を用いることができる。ヒータ板34aの下部に
は、台81aを介して下取付板82aが取付けられてお
り、さらに下取付板82aの下面には、下プラテン83
aが取付けられている。台81aは、ヒータ板34aか
ら下取付板82aや下プラテン83aに熱を伝わり難く
するためのものである。さらに下取付板82a内には、
下プラテン83aに熱を伝わり難くするため冷却水また
は冷却オイル等が循環されていても良い。このように下
プラテン83aに熱が伝わらないようにしているのは、
下プラテン83aが熱膨脹されると雄型31と雌型32
とにガタが生じて、ひいては成形不良を起こすことにな
るので、この熱膨張を防止するためである。この下プラ
テン83aには、後述する冷却金型9が取付けられた下
プレス盤E1に固定されている。この下プレス盤E1に
は、進退自在なシリンダ6aのロッドと連結されてお
り、このシリンダ6aを駆動することによって雄型31
全体が上下動できるようにしてある。
【0019】一方、雌型32は、上記雄型31の凸部3
3と対応した凹部35が設けられている他は、ヒータ板
34a、台81a、下取付板82aおよび下プラテン8
3aと同様な構成を有する、カートリッジヒータ37b
が埋設されたヒータ板34b、台81b、上取付板82
bおよび上プラテン83bを備えている。また、上プラ
テン83bにも、後述する冷却金型9が取付けられた上
プレス盤E2に固定されており、この上プレス盤E2に
も、雌型32全体が上下動できるように、進退自在なシ
リンダ6bのロッドが連結されている。
【0020】これら雄雌型からなる一つの加熱金型3の
クリアランスは、シート成形品22が型窩面に接触する
程度の寸法に設定される。また、加熱金型3が型締めさ
れてシート成形品22とマッチングしているマッチング
時間としては、約6〜15秒間程度である。図3は、こ
の成形ゾーンBにおいて、シート成形品22が両面真空
成形される成形過程の概略図を示す。この図3を参照し
て、シート成形品22を加熱金型3で成形すると、シー
ト成形品22と雌型32の凹部35との間に隙間ができ
た状態で型締めされる(図3(1)参照。)。そして、
真空ポンプPを作動させて金型3両面から真空吸引する
と型内が減圧され、シート成形品22は、金型クリアラ
ンス一杯に型内発泡される(図3(2)参照。)。この
型内発泡は、理論上シート成形品22の発泡気泡内が真
空圧に達するまで促進される。但し、過剰な発泡は、気
泡が独立気泡であるため、離形後負圧力が作用しシート
成形品22が収縮するおそれがあるので、成形前の厚み
の3倍程度、密度で1/10程度までの発泡にすること
が好ましい。この状態で、シート成形品22と金型3と
をしばらくマッチングさせておくと、シート成形品22
の結晶化が促進される。このように、このシート成形品
22の発泡は、両面真空成形によって促進されるので、
加熱金型3からの熱伝導によってシート成形品22が結
晶化を開始して硬化する速度より速く行うことができ
る。即ち、シート成形品22は、型内で発泡した後に結
晶化が行われることになる。次いで、真空ポンプPの作
動を停止し金型3両面からの真空吸引を解除した後、シ
リンダ6a,6bを駆動して加熱金型3の離形が行われ
る。この離形は、シート成形品22の肉厚を確保するの
に、プレス圧力をかけずに型内発泡にて行われシート成
形品22の金型3への付着力が弱いため、容易に、しか
も速く行うことができる。
【0021】冷却ゾーンCは、図2に示した、冷却金型
9が備えられており、上述した成形ゾーンBで成形され
たシート成形品22を再プレスして室温付近まで冷却す
るステーションである。冷却金型9は、雄型91、雌型
92からなる一対のものであり、上述した加熱金型3の
雄型31、雌型32が取付けられた下プレス盤E1、上
プレス盤E2に、加熱金型3と隣接するように、その雄
型91、雌型92が取付けられている。雄型91は、加
熱金型3の凸部33と同形の凸部93、冷却板94a、
台91aおよび下プラテン92aを備えている。雄型9
1の凸部93には、加熱金型3の凸部33のような真空
吸引孔Hはなく、その下面に取付けられた冷却板94a
によって冷却されている。冷却板94a内には、図示し
ていないが、凸部93の温度が一定に保たれるように水
またはオイルが循環されており、加熱金型3で成形され
たシート成形品22を冷却して剛性を付与するようにし
てある。この温度は、具体的には、20〜80℃の範囲
に設定されることが好ましく、20℃より低ければ、隣
に配置された加熱金型3の熱を吸収するおそれがあり、
また80℃より高ければ、発泡PET樹脂のガラス転移
点(75℃)を超えて軟化状態が維持されシート成形品
22が変形し易くなる。この冷却板94aには、台91
aを介して下プラテン92aが取付けられており、この
下プラテン92aは、下プレス盤E1に固定されてい
る。
【0022】雌型92は、上記雄型91の凸部93と対
応した凹部95が設けられている他は、冷却板94a、
台91aおよび下プラテン92aと同様な構成を有する
冷却板94b、台91bおよび上プラテン92bを備え
ており、上プラテン92bは、上プレス盤E2に固定さ
れている。この冷却金型9は、加熱金型3で成形された
後のシート成形品22を再プレスして冷却し、これによ
り、シート成形品22に剛性が付与されてその形状が保
持されることになる。
【0023】そして、冷却金型9にて形状保持されたシ
ート成形品22は、シリンダ7と連結された一対のカッ
ター4a,4bによって各々の成形品23にカットさ
れ、製品として回収される。上記の成形工程を繰り返す
ことにより発泡PETシートからなる成形品が製造され
る。
【0024】以上のように、上記実施例の発泡PETシ
ートの成形方法によれば、一対の加熱金型で成形された
シート成形品22は、両面真空成形されるので、金型ク
リアランス一杯に型内発泡される。この後、シート成形
品22は、型内で加熱状態のまま結晶化が促進される。
これにより、シート成形品22の肉厚の均一化と結晶化
の均一化を図ることができ、品質のすぐれた成形品23
を得ることができる。また、両面真空成形することによ
って、シート成形品22の発泡速度および結晶化速度を
速くすることができるので、成形サイクルを短縮し生産
性を向上させることができる。加えて、プレス圧力をか
けずに型内発泡によって成形されてシート成形品22と
金型3との付着力が弱く、シート成形品22の離形を容
易かつ迅速に行うことができるので、成形サイクルを短
縮し生産性を向上することができる。
【0025】このようにして得られた成形品は、耐熱
性、耐湿度性および強度にすぐれているので、種々の包
装容器として使用される。なお、発泡PETシート2と
しては、その発泡倍率が1.5〜15倍程度のものが好
ましく使用され、即ち、1.5倍以下のものでは、剛性
が乏しく加熱金型3の離形時に変形するおそれがあり、
また15倍以上のものでは、高発泡すぎるためシート中
央部まで結晶化するのに時間を要するからである。
【0026】また、上記加熱金型3の雄型31または雌
型32のうちの何方か一方を冷却金型としても良い。こ
の場合、シート成形品21の結晶化と結晶化抑制による
剛性付与が同時に行え、後工程での形状保持のための冷
却金型9が不要となり再プレスを省略することができ
る。これにより、生産性をさらに向上することができ
る。
【0027】さらに、上記加熱金型3および冷却金型9
には、シート成形品22の離形が円滑に行われるように
シート成形品22を一定位置に保持するためのクランプ
が内蔵されていても良い。また、本実施例では、加熱金
型3と冷却金型9は、同一の下プレス盤E1および上プ
レス盤E2に取付けられているが、別々のプレス盤に取
付けたものでも良い。
【0028】さらにまた、加熱金型3および冷却金型9
ともに、凸部33,93および凹部35,95が一面に
多数備えたものでも良く、その他、本発明の要旨を変更
しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
次に、図1に示した発泡PETシートの成形方法によっ
て、以下の試験を行った。試験例 下記条件下で、発泡PETシートからなる成形品を製造
した。 シート仕様 : 結晶性発泡ポリエチレンテレ
フタレートシート シート重量 : 400グラム/m2 シート厚 : 1.5mm 加熱後の2次厚み : 3.1mm 金型寸法 長さ : 743mm 幅 : 600mm 加熱板寸法 : 370×600mm 冷却寸法 : 370×600mm 加熱金型温度 :180℃ (雄型、雌型共) 冷却金型温度 : 40℃ 加熱金型個数 : 5×3=15 冷却金型個数 : 5×3=15 成形品サイズ 口径 : 82mm 底径 : 70mm 深さ : 35mm 金型クリアランス : 2.0mm 成形方法 : マッチモールド成形/両面真
空成形比較例 成形方法を雌型のみの片面真空成形としたことの他は、
上記試験例と同様にして発泡PETシートからなる成形
品を製造した。 <評価>上記試験例および比較例における、金型内での
結晶化速度について、図4に示すように、成形品23の
●部分のa,b,c3点の位置の結晶化度の平均値
(%)を縦軸に、型締めされてシート成形品が金型にマ
ッチングしているマッチング時間(秒)を横軸に採っ
て、試験例で得られた成形品を−△−、比較例で得られ
た成形品を−○−としてプロットしたグラフを図5に示
した。なお、結晶化度の目標値は、25%とする。
【0029】また、上記試験例および比較例における、
設定値2mmに対する成形品肉厚のバラツキ、成形品結
晶化度および成形サイクルについて、表1に示した。な
お、成形サイクルは、加熱金型の型締め開始から離形終
了までの時間とする。
【0030】
【表1】
【0031】これら、図5および表1の結果より、いず
れに関しても比較例より試験例の方がすぐれていること
が判った。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明の発泡PETシ
ートの成形方法によれば、一対の成形金型で成形された
シート成形品は、両面真空成形され、金型クリアランス
一杯に型内発泡された後、型内で加熱状態のままにして
結晶化促進される。これにより、シート成形品の肉厚の
均一化と結晶化の均一化を図ることができ、品質のすぐ
れた成形品を得ることができる。
【0033】また、両面真空成形することによって、シ
ート成形品の発泡速度および結晶化速度を速くすること
ができるので、成形サイクルを短縮し生産性を向上させ
ることができる。加えて、プレス圧力をかけずに型内発
泡によって成形されてシート成形品と金型との付着力が
弱く、シート成形品の離形を容易かつ迅速に行うことが
できるので、成形サイクルを短縮し生産性を向上するこ
とができる。
【0034】一方、片面のみを加熱金型とした場合、シ
ート成形品の結晶化と結晶化抑制による剛性付与が同時
に行え、後工程での形状保持のための冷却金型による再
プレスを省略することができる。これにより、さらに生
産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発泡PETシートの成形方
法における成形工程を示す概略図である。
【図2】図1の成形方法に使用される加熱金型と冷却金
型を示す模式図である。
【図3】加熱金型における両面真空成形の過程を示す概
略図である。
【図4】成形品の結晶化度を測定した部分を示す図であ
る。
【図5】加熱金型内でのシート成形品の結晶化速度を示
すグラフである。
【符号の説明】 A 予備加熱ゾーン B 成形ゾーン C 冷却ゾーン 2 発泡PETシート 21 加熱軟化シート 22 シート成形品 23 成形品 3 加熱金型(成形金型) 9 冷却金型

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性発泡ポリエチレンテレフタレートシ
    ートをその結晶化温度以下で加熱軟化させ、この加熱軟
    化シートを一対の金型のうちの少なくとも一方が結晶化
    温度以上に加熱された成形金型を用いて両面真空成形を
    行って型内発泡させた後、型内で加熱状態のまま結晶化
    を促進させることを特徴とする発泡ポリエチレンテレフ
    タレートシートの成形方法。
JP34621392A 1992-12-25 1992-12-25 発泡ポリエチレンテレフタレートシートの成形方法 Expired - Lifetime JP2766595B2 (ja)

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