JPH0618973B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法

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JPH0618973B2
JPH0618973B2 JP63010499A JP1049988A JPH0618973B2 JP H0618973 B2 JPH0618973 B2 JP H0618973B2 JP 63010499 A JP63010499 A JP 63010499A JP 1049988 A JP1049988 A JP 1049988A JP H0618973 B2 JPH0618973 B2 JP H0618973B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成
物に関するものであり、自動車部品、電気・電子・機械
部品などの広い分野で使用されるものである。
[従来の技術] 芳香族ポリエステル樹脂は成形加工品、耐薬品性、寸法
安定性、耐候性などに優れた性質を有しており各種の成
形品に広く用いられている。しかし、耐衝撃性が小さ
く、荷重たわみ温度が低く耐熱性に問題があり用途が制
約される場合があった。
一方、ABS系樹脂は耐衝撃性、塗装性などに優れた特
徴を有しているが、耐薬品性などに劣るという欠点があ
る。
芳香族ポリエステル樹脂とABS樹脂から成る組成物
は、例えば特開昭51−42749号公報に示されてい
るが、これによればABS系樹脂の配合量が10重量%
を超えると芳香族ポリエステルとの相溶性が悪くなると
述べられており、それぞれの樹脂の特徴を生かせるもの
ではない。また、特開昭60−63250号公報におい
ては芳香族ポリエステルとABS系樹脂の相溶性を向上
させるのに変性オレフインを用いる方法が開示されてい
る。この組成物は両樹脂の相溶性を向上させる効果はあ
るが、剛性を維持し、高い衝撃度の荷重たわみ温度を得
るには未だ十分とはいえない。
[発明が解決しようとする問題点] 両樹脂の相溶性を高め、高い剛性と衝撃強度に優れ、高
い荷重たわみ温度を有する組成物が得られるならば新し
い用途がさらに期待できる。
しかし、ポリエステル樹脂とABS樹脂はその化学的構
造が異なるため、相溶性が極めて悪くそれぞれの長所を
生かすことはほとんどできなかった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、芳香族ポリエステル樹脂およびABS樹脂に、特定
の多相構造熱可塑性樹脂を相溶化剤として配合すること
により、芳香族ポリエステル樹脂とABS樹脂の相溶性
を改良し、芳香族ポリエステル樹脂の優れた成形性、耐
衝撃性、耐薬品性とABS樹脂の優れた耐熱性、機械的
特性とを併せ持つ熱可塑性樹脂組成物を完成するに至っ
た。
すなわち本発明の第一の発明は、 (I)芳香族ポリエステル樹脂99〜1重量%、 (II)ABS樹脂1〜99重量%と、 上記(I)+(II)100重量部に対して、 (III)エポキシ基含有オレフィン共重合体部分5〜9
5重量%と、少なくとも1種のビニル単量体から得られ
るビニル系(共)重合体部分95〜5重量%とからなる
グラフト共重合体であって、一方の(共)重合体部分が
他方の(共)重合体部分に粒子径0.001〜10μm
の分散相を形成している多層構造熱可塑性樹脂0.1〜
100重量部、および 上記(I)+(II)+(III)100重量部に対して (IV)無機充填材0〜150重量部 を配合して成る熱可塑性樹脂組成物である。
さらに第二の発明は、 エポキシ基含有オレフイン共重合体粒子の水性懸濁液
に、少なくとも1種のビニル単量体、ラジカル(共)重
合体有機過酸化物の少なくとも1種およびラジカル重合
開始剤を加え、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起
こらない条件下で加熱し、該ビニル単量体、ラジカル
(共)重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤を
エポキシ基含有オレフィン共重合体粒子中に含浸させ、
その含浸率が初めの50重量%以上に達したとき、この
水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体とラジカル
(共)重合性有機過酸化物とを、エポキシ基含有オレフ
ィン共重合体粒子中で共重合せしめたグラフト化前駆体
を100〜300℃の温度範囲で溶融、混練し、エポキ
シ基含有オレフィン共重合部分5〜95重量%とビニル
系(共)重合体部分95〜5重量%とからなるグラフト
共重合体を得、このグラフト共重合体0.1〜100重
量部を99〜1重量%の芳香族ポリエステル樹脂および
1〜99重量%のABS樹脂からなる樹脂成分100重
量部に加えて溶融混合することから成る熱可塑性樹脂組
成物の製造方法である。
本発明で用いる芳香族ポリエステル樹脂(I)とは、芳
香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香
族ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)
とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを
主成分とする縮合反応により得られる重合体ないし共重
合体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カ
ルボキシフエニル)メタン、アントラセンジカルボン
酸、4,4′−ジフエニルジカルボン酸、4,4′−ジ
フエニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フエノ
キシ)エタン4,4′−ジカルボン酸あるいはそれらの
エステル形成性誘導体などが挙げられる。
またジオール成分としては、炭素数2〜10の脂肪族ジ
オールすなわちエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、デカメチレンジグリコール、シクロヘキサンジオ
ールなど、あるいは分子量400〜6,000の長鎖グ
リコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−
1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレング
ルコールなどおよびそれらの混合物が挙げられる。
本発明で使用される好ましい芳香族ポリエステル樹脂と
しては、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス
(フエノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート
などが挙げられる。さらに好ましくは、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートである。
これらの熱可塑性芳香族ポリエステルの固有粘度は、ト
リフルオル酢酸(25)/塩化メチレン(75)100
m中、0.32gの濃度として25±0.1℃下に測
定される。好ましくは固有粘度が0.4〜4.0d/
gである。0.4d/g以下であると芳香族ポリエス
テルが充分な機械強度を発現できず好ましくない。また
4.0d/gを超えると、溶融時の流動性が低下し、
成形物の表面光沢が低下するため好ましくない。
本発明で用いるABS系樹脂(II)は、共役ジエン系ゴ
ムの存在下で、シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化
合物および不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物か
ら選択された2種以上の化合物を重合させて得られるグ
ラフト共重合体(c)である。また必要に応じてシアン
化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物および不飽和カル
ボン酸アルキルエステル化合物から選択された2種以上
の化合物を重合させて得られる共重合体(d)を含有す
ることができる。
グラフト共重合体(c)における共役ジエン系ゴムと上
述の化合物の組成比は特に制限はないが、共役ジエン系
ゴム5〜80重量%、上述の化合物95〜80重量%の
組成比が好ましい。また上述の化合物の組成比はシアン
化ビニル化合物0〜30重量%、芳香族ビニル化合物3
0〜80重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル化
合物0〜70重量%であることが好ましい。なお、共役
ジエン系ゴムの粒子径は特に制限はないが、0.05〜
1μmのものが好ましい。共重合体(d)の上述の化合
物の組成比は、シアン化ビニル化合物0〜30重量%、
芳香族ビニル化合物50〜90重量%、不飽和カルボン
酸アルキルエステル化合物0〜40重量%であることが
好ましい。共重合体(d)の固有粘度[30℃、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)]にも特に制限はないが、
0.25〜1.0が好ましい。
共役ジエン系ゴムとしてはポリブタジエン、ブタジエン
−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体等を挙げることができる。
シアン化ビニル化合物としてはアクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等を、芳香族ビニル化合物としてはスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチル
スチレン、クロルスチレン等を、不飽和カルボン酸アル
キルエステル化合物としてはメチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルアクリレート等を挙げること
ができる。
ABS系樹脂(II)の製造法としては乳化重合法、懸濁
重合法、溶液重合法、塊状重合法、乳化−懸濁重合法等
を挙げることができる。
本発明において使用される多相構造熱可塑性樹脂である
グラフト共重合体の一方の重合体部分を構成するエポキ
シ基含有オレフィン共重合体とは、一つには高圧ラジカ
ル重合によるオレフインと不飽和グリシジル基含有単量
体との2元共重合体またはオレフインと不飽和グリシジ
ル基含有単量体および他の不飽和単量体との3元または
多元の共重合体であり、上記共重合体のオレフインとし
ては特にエチレンが好ましく、エチレン60〜99.5
重量%、グリシジル基含有単量体0.5〜40重量%、
他の不飽和単量体0〜39.5重量%から成る共重合体
が好ましい。
上記不飽和グリシジル基含有単量体としては、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モ
ノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリ
シジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエ
ステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステ
ル、およびα−クロロアリル、マレイン酸、クロトン
酸、フマル酸などのグリシジルエステル類またはビニル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリ
シジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン−p−グ
リシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、p−グ
リシジルスチレンなどが挙げられるが、特に好ましいも
のとしてメタクリル酸グリシジル、アクリルグリシジル
エーテルを挙げることができる。
他の不飽和単量体としては、オレフイン酸、ビニルエス
テル類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体などから選択された少なくとも1種の単量体
で、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、デセン−1、オクテン−1、スチレンなどのオレフ
イン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルベン
ゾエートなどのビニルエステル類、アクリル酸、メタク
リル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘ
キシル、ドデシル、オクタデシルなどのエステル類、マ
レイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、フマル酸、
マレイン酸モノエステル、およびジエステル、塩化ビニ
ル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど
のビニルエーテル類およびアクリル酸アミド系化合物が
挙げられるが、特にアクリル酸エステルが好ましい。
上記エポキシ基含有オレフイン共重合体の具体例として
は、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチ
レン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル
共重合体、エチレン/一酸化炭素/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸グリシジル共重
合体などが挙げられる。中でも好ましいものはエチレン
/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル/メタクリル酸グリシジル共重合体もしくは
エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合
体である。
これらのエポキシ基含有オレフイン共重合体は混合して
も使用ができる。
高圧ラジカル重合によるエポキシ基含有オレフイン共重
合体の製造法は前記のエチレン60〜99.5重量%、
1種以上の不飽和グリシジル基含有単量体0.5〜40
重量%、少なくとも1種の他の不飽和単量体0〜39.
5重量%の単量体混合物を、それらの全単量体の総重量
に基づいて0.0001〜1重量%のラジカル重合開始
剤の存在下で重合圧力500〜4,000Kg/cm2、好
ましくは1,000〜3,500Kg/cm2、反応温度5
0〜400℃、好ましくは100〜350℃の条件下、
連鎖移動剤、必要に応じて助剤の存在下に槽型または管
型反応器内で該単量体を同時に、あるいは段階的に接
触、重合させる方法である。
上記ラジカル重合開始剤としてはペルオキシド、ヒドロ
ペルオキシド、アゾ化合物、アミンオキシド化合物、酸
素などの通例の開始剤が挙げられる。
また連鎖移動剤としては水素、プロピレン、ブテン−
1、C〜C20またはそれ以上の飽和脂肪族炭化水素
およびハロゲン置換炭化水素、例えばメタン、エタン、
プロパン、ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、シクロパラフイン類、クロロホルムおよび四塩
化炭素、C〜C20またはそれ以上の飽和脂肪族アル
コール、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、およびイソプロパノール、C〜C20またはそれ
以上の飽和脂肪族カルボニル化合物、例えば二酸化炭
素、アセトンおよびメチルエチルケトンならびに芳香族
化合物、例えばトルエン、ジエチルベンゼンおよびキシ
レンのような化合物などが挙げられる。
本発明におけるエポキシ基含有オレフイン共重合体に
は、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1
などの単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1
共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合
体、エチレン−オクテン−1共重合体などのエチレンを
主成分とする他のα−オレフインとの共重合体、プロピ
レン−エチレンブロック共重合体などのプロピレンを主
成分とする他のα−オレフインとの共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンとアク
リル酸もしくはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチルなどのエステルとの共重合
体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体ゴム、液状ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体およびそれらの混合物、あるいは
これらと異種の合成樹脂またはゴムとの混合物エポキシ
基含有単量体を付加反応させたものも本発明に包含され
る。
本発明において使用される多相構造熱可塑性樹脂である
グラフト共重合体の他方の重合体部分を構成するビニル
系(共)重合体とは、具体的には、スチレン、核置換ス
チレン、例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、エ
チルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルスチレ
ン、α−置換スチレン、例えばα−メチルスチレン、α
−エチルスチレンなどのビニル芳香族単量体、(メタ)
アクリロニトリル単量体の1種または2種以上を混合し
て得られた(共)重合体である。
本発明でいう多相構造熱可塑性樹脂とは、グラフト共重
合体であって、一方の(共)重合体部分が他方の(共)
重合体部分に球状に均一に分散しているものをいう。
分散している重合体の粒子径は0.001〜10μm、
好ましくは0.01〜5μmである。分散樹脂粒子径が
0.001μm未満の場合あるいは10μmを超える場
合、芳香族ポリエステル樹脂とABS樹脂の相溶化が不
十分となり耐衝撃性の低下や層状剥離が起こる。
本発明における多相構造熱可塑性樹脂中のビニル系
(共)重合体部分の数平均重合度は5〜10,000、
好ましくは10〜5,000の範囲である。
数平均重合度が5未満であると、本発明の熱可塑性樹脂
組成物の耐衝撃性を向上させることは可能であるが、耐
熱性が低下するので好ましくない。
また数平均重合度が10,000を超えると、溶融粘度
が高くなり、成形性が低下したり、表面光沢が低下する
ので好ましくない。
本発明における多相構造熱可塑性樹脂は、エポキシ基含
有オレフィン共重合体部分が5〜95重量%、好ましく
は20〜90重量%とビニル系(共)重合体部分が95
〜5重量%、好ましくは80〜10重量%からなるもの
である。エポキシ基含有オレフイン共重合体が5重量%
未満であると、芳香族ポリエステル樹脂との相溶化効果
が十分に発揮できず、またエポキシ基含有オレフイン共
重合体が95重量%を超えると、本発明の熱可塑性樹脂
組成物の耐熱性や寸法安定性を損なうので好ましくな
い。
本発明における多相構造熱可塑性樹脂を製造する際のグ
ラフト化法は、一般に良く知られている連鎖移動法、電
離性放射線照射法などいずれの方法によってもよいが、
最も好ましいのは下記に示す方法によるものである。そ
の理由はグラフト効率が高く、熱による二次的凝集が起
こらないため、性能の発現がより効果的であるためであ
る。
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を具体的
に説明する。
すなわち、エポキシ基含有オレフイン共重合体粒子10
0重量部を水に懸濁させ、別に少なくとも1種のビニル
単量体5〜400重量部に、下記一般式(a)または
(b)で表わされるラジカル(共)重合性有機過酸化物
の1種または2種以上の混合物を該ビニル単量体100
重量部に対して0.1〜10重量部と、10時間の半減
期を得るための分解温度が40〜90℃であるラジカル
重合開始剤をビニル単量体とラジカル(共)重合性有機
過酸化物との合計100重量部に対して0.01〜5重
量部とを溶解させた溶液を添加し、ラジカル重合開始剤
の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量
体、ラジカル(共)重合性有機過酸化物およびラジカル
重合開始剤をエポキシ基含有オレフイン共重合体粒子に
含浸させ、その含浸率が初めの50重量%以上に達した
とき、この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体
とラジカル(共)重合性有機過酸化物とをエポキシ基含
有オレフィン共重合体粒子中で共重合させて、グラフト
化前駆体を得る。このグラフト化前駆体を100〜30
0℃で溶融下、混練すれば本発明で用いるグラフト共重
合体が得られる。
したがって、このグラフト化前駆体を直接芳香族ポリエ
ステル樹脂及びABS樹脂と溶融・混合しても、結果的
にグラフト化前駆体はグラフト共重合体となる。
なお本発明においては、グラフト化前駆体又はグラフト
共重合体製造時に副生するビニル系(共)重合体や未反
応のエポキシ基含有オレフィン共重合体が含まれていて
もかまわない。
さらにグラフト化前駆体又はグラフト共重合体にビニル
系(共)重合体やエポキシ基含有オレフィン共重合体を
別に混合したものでも使用できる。
最も好ましいのは、グラフト共重合体を用いることであ
る。
本発明において必要なのは、最終的にグラフト共重合体
が熱可塑性樹脂組成物中に所定量含まれていることであ
る。
前記一般式(a)で表わされるラジカル(共)重合性有
機過酸化物とは、一般式 〔式中、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル
基、Rは水素原子またはメチル基、RおよびR
それぞれ炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数1〜
12のアルキル基、フエニル基、アルキル置換フエニル
基または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、m
は1または2である。〕 にて表わされる化合物である。
また一般式(b)で表わされるラジカル(共)重合性有
機過酸化物とは、一般式 〔式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基、Rは水素原子またはメチル基、RおよびR
それぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素数1
〜12のアルキル基、フエニル基、アルキル置換フエニ
ル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、
nは0、1または2である。〕 にて表わされる化合物である。
一般式(a)で表されるラジカル(共)重合性有機過酸
化物として、具体的には、t−ブチルペルオキシアクリ
ロイロキシエチルカーボネート、t−アミルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペ
ルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイ
ロキシエチルカーボネート、クミルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカーボネート、p−イソプロピルクミル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート、t−
ブチルペルオキシメタクリロイロオキシエチルカーボネ
ート、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチル
カーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロ
キシエチルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネ
ート、クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカー
ボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリ
ロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシ
アクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、t−ア
ミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボ
ネート、t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエト
キシメチルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ
ーボネート、クミルペルオキシアクリロイロキシエトキ
シエチルカーボネート、p−イソプロピルクミルペルオ
キシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、t
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチル
カーボネート、t−アミルペルオキシメタクリロイロキ
シエトキシエチルカーボネート、t−ヘキシルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネート、
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカーボネート、クミルペル
オキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト、p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキ
シアクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t−ア
ミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート、クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カーボネート、p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネー
ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタクリロ
イロキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3−
テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート、クミルペルオキシメタクリロイ
ロキシイソプロピルカーボネート、p−イソプロピルク
ミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボ
ネートなどを例示することができる。
さらに、一般式(b)で表わされる化合物としては、t
−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−アミルペ
ルオキシアリルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシ
アリルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシアリルカーボネート、p−メンタンペル
オキシアリルカーボネート、クミルペルオキシアリルカ
ーボネート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネー
ト、t−アミルペルオキシメタリルカーボネート、t−
ヘキシルペルオキシメタリルカーボネート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリルカーボ
ネート、p−メンタンペルオキシメタリルカーボネー
ト、クミルペルオキシメタリルカーボネート、t−ブチ
ルペルオキシアリロキシエチルカーボネート、t−アミ
ルペルオキシアリロキシエチルカーボネート、t−ヘキ
シルペルオキシアリロキシエチルカーボネート、t−ブ
チルペルオキシメタリロキシエチルカーボネート、t−
アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネー
ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエチル
カーボネート、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシ
イソプロピルカーボネート、t−アミルペルオキシアリ
ロキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート、t−
ブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシイ
ソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシメタ
クリロイロキシイソプロピルカーボネートなどを例示で
きる。
中でも好ましいものは、t−ブチルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカーボネート、t−ブチルペル
オキシアリルカーボネート;t−ブチルペルオキシメタ
リルカーボネートである。
本発明においては、前記(I)および(II)の配合量は
組成物の利用目的によって選択される。
すなわち、芳香族ポリエステル樹脂の特徴を維持しつつ
その欠点である耐衝撃性を改良する目的ならば、芳香族
ポリエステル樹脂50〜99重量%、好ましくは60〜
95重量%が必要である。
その理由は、芳香族ポリエステル樹脂が50重量%未満
では、芳香族ポリエステル樹脂の特徴である剛性、耐薬
品性が損われ、99重量%を越えると本発明の目的の一
つである成形性、衝撃性の改良効果がないからである。
また、ABS系樹脂の特徴を維持しつつその欠点である
耐熱性、剛性を改良する目的ならば、ABS系樹脂50
〜99重量%、好ましくは60〜95重量%が必要であ
る。
ABS系樹脂が50重量%未満では、ABS系樹脂の成
形性、耐衝撃性が発揮できず、99重量%を越えると本
発明の目的の一つである耐熱性、剛性の改良効果がなく
好ましくない。
本発明の多相構造熱可塑性樹脂は、(I)+(II)10
0重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは
1〜50重量部用いることができる。
多相構造熱可塑性樹脂が0.1重量部未満では、相溶効
果がなく衝撃強度が低下したり、成形品に層状剥離が生
じ外観を悪化させるので好ましくない。また、100重
量部を越えると組成物の耐熱性が低下するので好ましく
ない。本発明においては、前記(I)+(II)+(II
I)を含む樹脂成分100重量部に対して0〜150重
量部までの無機充填材(IV)を配合することができる。
上記無機充填材としては、粉粒状、平板状、鱗片状、針
状、球状または中空状および繊維状等が挙げられ、具体
的には硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、珪藻
土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、金属
粉、グラフアイト、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、窒化
ホウ素、窒化アルミニウム、カーボンブラックなどの粉
粒状充填材;雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフイ
ライト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛などの平板
状もしくは鱗片状充填材;シラスバルーン、金属バルー
ン、ガラスバルーン、軽石などの中空状充填材;ガラス
繊維、炭素繊維、グラフアイト繊維、ウイスカー、金属
繊維、シリコンカーバイト繊維、アスベスト、ウオスト
ナイトなどの鉱物繊維等の例を挙げることができる。
充填材の配合量が150重量部を越えると成形品の衝撃
強度が低下するので好ましくない。
また該無機充填材の表面は、ステアリン酸、オレイン
酸、パルミチン酸またはそれらの金属塩、パラフインワ
ックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性物、
有機シラン、有機ボラン、有機チタネート等を使用して
表面処理を施すことが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、芳香族ポリエステル樹
脂およびABS樹脂を温度200〜300℃の範囲で溶
融下、混合することによって製造される。
溶融混合する順序は全成分を同時に溶融混合してもよい
し、予め芳香族ポリエステル樹脂またはABS樹脂と多
相構造熱可塑性樹脂とを溶融混合した後、他のもう一つ
の樹脂とを溶融混合してもよい。溶融混合する方法とし
ては、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、混練押出
機、二軸押出機、ミキシングロール等の通例用いられる
混練機により行うことができる。
本発明では、さらに本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて、他の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフイン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹
脂、ポリフエニレンサルフアイド樹脂、ポルスルホン樹
脂、天然ゴム、合成ゴム、あるいは水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウムなどの無機難燃剤、ハロゲン
系、リン系などの有機難剤、木粉などの有機の充填材、
酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、カップリング剤、分
散剤、発泡剤、架橋剤、着色剤などの添加剤を添加して
も差し支えない。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
参考例1〔多相構造熱可塑性樹脂(III)の製造〕 容積5のステンレス製オートクレーブに、純水2,5
00gを入れ、更に懸濁剤としてポリビニルアルコール
2.5g溶解させた。この中にエポキシ基含有オレフイ
ン共重合体としてエチレン/メタクリル酸グリシジル共
重合体(メタクリル酸グリシジル含有量15重量%)
「商品名:レクスパールJ−3700」(日本石油化学
社製)700gを入れ、窒素雰囲気下に撹拌して分散し
た。
別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシ
ド「商品名:ナイバーB」(日本油脂社製、10時間半
減期温度74℃)1.5g、ラジカル(共)重合性有機
過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタクリロイロキ
シエチルカーボネート6gをビニル単量体としてのスチ
レン210g、アクリロニトリル90gとの混合単量体
に溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入・
撹拌した。
次いでオートクレーブを60〜65℃に昇温し、2時間
撹拌することによりラジカル重合開始剤およびラジカル
(共)重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をエポキ
シ基含有エチレン共重合体中に含浸させた。
次いで含浸されたビニル単量体、ラジカル(共)重合性
有機過酸化物およびラジカル重合開始剤の合計量が初の
50重量%以上になっていることを確認した後、温度を
80〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を
完結させ、水洗および乾燥してグラフト化前駆体を得
た。
このグラフト化前駆体を酢酸エチルで抽出を行い、スチ
レン/アクリロニトリル共重合体溶液を得て、これをメ
タノール中に投入して白色粉末状重合体を得た。
さらに、このグラフト化前駆体をソックスレー抽出器で
キシレンで抽出したところキシレン不溶解分は存在しな
かった。
次いで、このグラフト化前駆体をラボプラストミル一軸
押出機[(株)東洋精機製作所製」で240℃にて押し
出し、グラフト化反応させることにより多相構造熱可塑
性樹脂(III)を得た。
この多相構造熱可塑性樹脂を走査型電子顕微鏡「JEO
L JSM T300」(商品名、日本電子社製)によ
り観察したところ、粒子径0.3〜0.4μmの真球状
樹脂が均一に分散した多相構造熱可塑性樹脂であった。
なおこのとき、スチレン重合体のグラフト効率は49重
量%であった。
実施例1〜7 固有粘度3.5dl/gのポリブチレンテレフタレート
(PBTとして表示)、アクリロニトリル20重量部、
スチレン55重量部、ポリブタジエン25重量部から成
るABS系樹脂および参考例で得た多相構造熱可塑性樹
脂を第1表に示す割合で溶融混合した。
溶融混合の方法は、シリンダー温度250℃に設定され
たスクリユー径30mmの同方向二軸押出機〔(株)プ
ラスチック工学研究所製〕に供給し、シリンダー内で溶
融混合した。混合された樹脂は造粒したのち、150℃
で3時間乾燥させたのち射出成形によって試験片を作成
した。試験片の大きさは次のようである。
アイゾット衝撃試験片 13mm×65mm×6mm (JIS K7110 ノッチ付き) 荷重たわみ温度試験片 13mm×130mm×6mm (JIS K7270) 耐薬品性については、試験片をメ
タノールに75℃で30日間浸漬したのち、その外観を
観察した。
○ ・・・変化なし。
△ ・・・表面に亀裂が発生したり一部が溶出。
× ・・・表面の溶出が著しい。
また、試験片の破断部より樹脂が層状に剥離するかどう
かを調べ相溶性の良否の目安とした。
実施例8〜15 上記実施例のグラフト化多相構造熱可塑性樹脂を、一部
参考例で得たグラフト化前駆体に代えた例および平均繊
維長さ5.0mm、径10μのガラス繊維を配合した例を
第2表に示した。
比較例1〜5 上記実施例とは別に、エチレン−グリシジルメタクリレ
ート共重合体を用いた例を第3表に示した。
[発明の効果] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、芳香族ポリエステル樹
脂およびABS樹脂の各々の長所を生かし、耐熱性、耐
衝撃性、接着性の優れた樹脂組成物である。そのため、
例えば自動車部品、電気・電子部品、工業部品などに広
く使用されうる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)芳香族ポリエステル樹脂99〜1重
    量%、 (II)ABS樹脂1〜99重量%と、 上記(I)+(II)100重量部に対して、 (III)エポキシ基含有オレフィン共重合体部分5〜9
    5重量%と少なくとも1種のビニル単量体から得られる
    ビニル系(共)重合体部分95〜5重量%とからなるグ
    ラフト共重合体であって、一方の(共)重合体部分が他
    方の(共)重合体部分に粒子径0.001〜10μmの
    分散相を形成している多相構造熱可塑性樹脂0.1〜1
    00重量部、および 上記(I)+(II)+(III)100重量部に対して (IV)無機充填材0〜150重量部 を配合した熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】多相構造熱可塑性樹脂が、少なくとも1種
    のビニル単量体と、次の一般式(a)または(b) 〔式中、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル
    基、R、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素
    原子または炭素数1〜4のアルキル基、R、Rおよ
    びR、Rはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R
    、R10は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル基、
    アルキル置換フエニル基または炭素数3〜12のシクロ
    アルキル基を示し、mは1または2であり、nは0、1
    または2である。〕 にて表されるラジカル(共)重合性有機過酸化物の少な
    くとも1種をエポキシ基含有オレフィン共重合体粒子中
    で共重合せしめたグラフト化前駆体を溶融混練してなる
    グラフト共重合体である特許請求の範囲第1項記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】エポキシ基含有オレフィン共重合体が、エ
    チレン60〜99.5重量%および(メタ)アクリル酸
    グリシジル40〜0.5重量%、他の不飽和単量体0〜
    39.5重量%からなる共重合体である特許請求の範囲
    第1項および第2項のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】ビニル系(共)重合体が、ビニル単量体の
    うち、50重量%以上がビニル芳香族単量体からなる特
    許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ビニル単量体が、ビニル芳香族単量体、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリロ
    ニトリル単量体およびビニルエステル単量体からなる群
    から選択された1種または2種以上のビニル単量体であ
    る特許請求の範囲第1項および第2項のいずれかに記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】エポキシ基含有オレフィン共重合体粒子の
    水性懸濁液に、少なくとも1種のビニル単量体、ラジカ
    ル(共)重合性有機過酸化物の少なくとも1種およびラ
    ジカル重合開始剤を加え、ラジカル重合開始剤の分解が
    実質的に起こらない条件下で加熱し、該ビニル単量体、
    ラジカル(共)重合性有機過酸化物およびラジカル重合
    開始剤をエポキシ基含有オレフィン共重合体粒子中に含
    浸させ、その含浸率が初めの50重量%以上に達したと
    き、この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体と
    ラジカル(共)重合性有機過酸化物とを、エポキシ基含
    有オレフィン共重合体粒子中で共重合させたグラフト化
    前駆体を100〜300℃の溶融下、混練し、エポキシ
    基含有オレフィン共重合体部分5〜95重量%とビニル
    系(共)重合体部分95〜5重量%とからなり、一方の
    (共)重合体部分が他方の(共)重合体部分に粒子径
    0.001〜10μmの分散相を形成するグラフト共重
    合体0.1〜100重量部を99〜1重量%の芳香族ポ
    リエステル樹脂および1〜99重量%のABS樹脂から
    なる樹脂成分100重量部に加えて溶融・混合すること
    からなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】ラジカル(共)重合性有機過酸化物が次の
    一般式(a)または(b) 〔式中、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル
    基、R、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素
    原子または炭素数1〜4のアルキル基、R、Rおよ
    びR、Rはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R
    、R10は炭素数1〜12のアルキル基、フエニル基、
    アルキル置換フエニル基または炭素数3〜12のシクロ
    アルキル基を示し、mは1または2であり、nは0、1
    または2である。〕 にて表されるペルオキシカーボネート化合物の1種また
    は2種以上の混合物である特許請求の範囲第6項記載の
    熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】ビニル単量体が、ビニル芳香族単量体、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリロ
    ニトリル単量体およびビニルエステル単量体からなる群
    から選択された1種または2種以上のビニル単量体であ
    る特許請求の範囲第6項記載の熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】エポキシ基含有オレフィン共重合体が、エ
    チレン60〜99.5重量%および(メタ)アクリル酸
    グリシジル40〜0.5重量%、他の不飽和単量体0〜
    39.5重量%からなる共重合体である特許請求の範囲
    第6項記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】ビニル系(共)重合体が、ビニル単量体
    のうち、50重量%以上がビニル芳香族単量体からなる
    特許請求の範囲第6項記載の熱可塑性樹脂組成物の製造
    方法。
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