JPH06188126A - 高圧トランスおよび高圧トランス用ボビン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 分割された二次巻線の層間絶縁を向上させ
る。 【構成】 二次巻線用ボビン１７上に、幅の異なる層間
絶縁用フィルム１８，１９を巻き付け、そのフィルム上
に二次巻線２０ａ，２０ｂ，２０ｃをソレノイド状に多
層分割して巻く。層間絶縁用フィルム１８と層間絶縁用
フィルム１９の幅は互いに異なっているので、これらの
フィルムを重ねたものの端面には凹凸が生じる事とな
り、合成樹脂が間に入り込む。また層間絶縁用フィルム
１８，１９の巻き付け時のズレ防止用に設けてあるリブ
は巻き付け後折り、取り除く事が出来る。 【効果】 二次巻線間の各層間の絶縁距離を長くでき、
これより一層分の分担電圧を高く設計でき、整流ダイオ
ード数の削減、ボビン幅の短縮ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高圧トランスおよび高圧
トランス用ボビンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下従来の高圧トランスについて図面を
参照にしながら説明する。図５は、高圧トランスの内部
回路図の一例である。図において１は１次巻線であり、
２，３，４，５，６，７は多層化された２次巻線であ
る。この二次巻線２，３，４，５，６，７の各層のコイ
ルと交互に整流ダイオード８，９，１０，１１，１２，
１３が接続される。

【０００３】通常、同一閉磁路コアーに一次巻線用ボビ
ンを有し、そのボビン軸上に二次巻線用ボビンが嵌合さ
れている。図６は従来の高圧トランスの二次巻線用ボビ
ンおよび二次巻線の要部断面図である。図６において１
４は二次巻線用ボビン、１５は二次巻線を構成する線で
ある。二次巻線の層間には層間絶縁用フィルム１６が巻
かれている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】現在高圧トランスに要
求される小型化、低価格を満足させるための方法として
多層分割されている二次巻線の層数を少なくし、ダイオ
ード数を削減させる事が考えられるが、そうすれば一層
あたりの電圧が高くなってしまう。従来の構成では層間
絶縁用フィルムの沿面についての絶縁距離には限界があ
るため、分割された二次巻線の各層間の電圧を高くする
ことが出来ず、一層あたりの分担電圧は制限されてい
た。従って分割数を少なくすることが出来なかった。

【０００５】本発明は上記課題に鑑み、多層分割されて
いる二次巻線間の沿面についての絶縁距離を増加させ、
二次巻線の分割数をより少なくした高圧トランスおよび
高圧トランス用ボビンを提供する事を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成させるた
めに本発明は、ボビンに、層間絶縁フィルムとその上に
巻線をソレノイド状に整列巻きをしたものを一組とし、
それを多数積層したコイルを使用する高圧トランスにお
いて、層間の絶縁距離をより取る為に、互いに幅の異な
る２種類の層間絶縁フィルムを重ね数周ボビンに巻き付
けるものである。

【０００７】また、上記特徴を実現させる為層間絶縁距
離をより取るためにボビンにフィルムを巻き付ける際の
案内となっていたリブを折り取り可能に構成した。

【０００８】

【作用】２種類の層間絶縁用フィルムの幅は互いに異な
っているので、これらのフィルムを重ねたものの端面に
は凹凸が生じる事となり、凹となった部分では合成樹脂
が入り込み、多層分割された二次巻線間の絶縁距離を長
くできる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１は本実施例の高圧トランスの二
次巻線用ボビンおよび二次巻線の要部断面図である。図
において１７は二次巻線用ボビンである。１８及び１９
はそれぞれ層間絶縁用フィルムであり、層間絶縁用フィ
ルム１８の横幅は層間絶縁用フィルム１９の横幅よりも
狭く構成されている。これら層間絶縁用フィルム１８及
び層間絶縁用フィルム１９がボビン１７上に巻き付けら
れている。そしてこれら層間絶縁用フィルム１８，１９
上に二次巻線（２０ａ，２０ｂ，２０ｃ）をソレノイド
状に巻き、これを多層分割数分重ねている。

【００１０】２１は巻線巻き付け用端子、２２は端子保
持部である。二次巻線２０ａ，２０ｂ，２０ｃの各線の
始端及び終端を巻線巻き付け用端子２１に巻き付ける。
端子保持部２２は層間絶縁用フィルム１８，１９と接触
しない様に、これら層間絶縁用フィルム１８，１９との
隙間を有する。

【００１１】図２は層間絶縁用フィルム１８，１９およ
び各二次巻線の巻き付け方法の一例を示す図である。図
２に示すように二次巻線用ボビン１７に、層間絶縁用フ
ィルム１８及び層間絶縁用フィルム１９を重ねた状態で
巻き付ける。層間絶縁用フィルム１８と層間絶縁用フィ
ルム１９の幅は互いに異なっている。

【００１２】２４は各層間絶縁用フィルムの巻き付け時
のズレ防止用に設けたリブである。リブ２４は巻き付け
後、折ることによって取り除く事ができる構造になって
いる。図３において２５はリブ２４の根元部であり、図
３はズレ防止用のリブ２４を折り取った状態を示す。

【００１３】このように幅の異なる層間絶縁用フィルム
１８，１９が多層分割された二次巻線間に有するため、
従来の一種類の層間絶縁用フィルムの巻き付けよりも沿
面距離が稼げる。

【００１４】図４は他の実施例を示す。図４に示す例で
は二次巻線用ボビン２６にズレ防止用リブは設けない構
造となっている。この場合は巻き付け機（図示せず）側
にガイド手段を設け、層間絶縁用フィルム１８，１９が
ずれないようにする。このように層間絶縁用フィルム１
９の端面におけるズレ防止用リブの接触がないので、ズ
レ防止用リブを通じて層間絶縁破壊を起こす故障が無く
なり、またボビンの軸方向に対する幅を短くできる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明はボビンに、層間絶
縁フィルムとその上に巻線をソレノイド状に整列巻きを
したものを一組とし、それを多数積層したコイルを使用
する高圧トランスにおいて、層間の絶縁距離をより取る
為に、層間絶縁フィルムの幅の異なる層間絶縁フィルム
を重ね数周ボビンに巻き付ける事を特徴とし、また上記
特徴を実現させる為層間絶縁距離をより取るためにボビ
ンにフィルムを巻き付ける際の案内となっていたリブを
折る事の出来る形状、またはリブを有さない形状を有し
た構造としたことにより、多層分割された二次巻線間の
絶縁距離を長くできる。これより一層分の分担電圧を高
く設計でき、二次巻線の多層分割数の低減が実現できる
事により整流ダイオード数の削減、コストダウンをしな
がら高信頼性を保った高圧トランスが提供できる。

【００１６】又絶縁距離が有利になる分、軸方向に対す
るボビン幅が短くでき、より小型の高圧トランスを提供
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における高圧トランスの二次
巻線用ボビンおよび二次巻線の要部断面図

【図２】本発明の一実施例における高圧トランスの層間
絶縁用フィルムを巻き付ける様子を示す説明図

【図３】本発明の一実施例における高圧トランスの二次
巻線用コイルのズレ防止用リブを折り取った状態の要部
断面図

【図４】本発明の他の実施例における高圧トランスの層
間絶縁用フィルムを巻き付ける様子を示す説明図

【図５】従来の高圧トランスの内部回路図

【図６】従来の高圧トランスの二次巻線用ボビンおよび
二次巻線の要部断面図

【符号の説明】

１７ 二次巻線用ボビン １８ 層間絶縁用フィルム １９ 層間絶縁用フィルム ２０ａ，２０ｂ，２０ｃ 二次巻線 ２１ 巻線巻き付け用端子 ２２ 端子保持部 ２４ リブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１次巻線と、ボビンに層間絶縁フィルム
   と、その上に巻線をソレノイド状に整列巻きをしたもの
   を一組としてそれを多数積層した２次巻線を備えた高圧
   トランスにおいて、前記層間絶縁フィルムは、互いに幅
   の異なる２種類のフィルムを重ねて前記ボビンに巻き付
   けた事を特徴とする高圧トランス。
2. 【請求項２】層間絶縁フィルムを巻き付ける際の案内と
   なるとともに折り取り可能に構成したリブを設けた事を
   特徴とする高圧トランス用ボビン。