JPH06187902A - 半導体電子放出素子 - Google Patents

半導体電子放出素子

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JPH06187902A
JPH06187902A JP34076192A JP34076192A JPH06187902A JP H06187902 A JPH06187902 A JP H06187902A JP 34076192 A JP34076192 A JP 34076192A JP 34076192 A JP34076192 A JP 34076192A JP H06187902 A JPH06187902 A JP H06187902A
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diamond
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flat
diamond crystals
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JP34076192A
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English (en)
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Keiji Hirabayashi
敬二 平林
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Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/304Field emission cathodes
    • H01J2201/30446Field emission cathodes characterised by the emitter material
    • H01J2201/30453Carbon types
    • H01J2201/30457Diamond

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 局所的発熱を防いで、高い電子放出効率を長
期にわたり維持する電子放出素子を提供する。 【構成】 基板上に半導体層として少なくともダイヤモ
ンド結晶を形成してなる半導体電子放出素子において、
前記ダイヤモンド結晶の高さと最大結晶面の最大幅との
比が1:4乃至1:1000の範囲にあり、且つ前記結
晶面と、結晶が形成された基板面とのなす角が0乃至1
0度であることを特徴とする半導体電子放出素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体電子放出素子に関
し、特にダイヤモンド結晶を用いた半導体電子放出素子
に関する。
【0002】又、本発明は、平板ダイヤモンド結晶、特
に結晶配向性を有するダイヤモンド結晶を使用する半導
体放出素子の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】半導体電子放出素子としては、半導体基
板上にp型半導体とn型半導体との接合を形成し、アバ
ランシェ増幅を利用するpn接合型素子、並びに半導体
と金属もしくは金属化合物とのショットキー接合を形成
し、アバランシェ増幅を利用するショットキー接合型素
子等がある。
【0004】アバランシェ増幅を利用するpn接合型半
導体電子放出素子として代表的なものは、例えば、米国
特許4259678号及び米国特許4303930号等
に開示されており、半導体基板上にp型半導体層とn型
半導体層とを形成し、各n型半導体層の表面に更にセシ
ウム等の金属を付着させて電子放出部を形成したもので
あり、p型半導体層とn型半導体層とにより形成された
ダイオードに逆バイアス電圧をかけてアバランシェ増幅
を起こすことにより電子をホット化し、電子放出部より
電子を放出するものである。
【0005】一方、アバランシェ増幅を利用するショッ
トキー接合型の半導体電子放出素子として代表的なもの
は、p型半導体層と金属電極との接合を形成し、この接
合に逆バイアス電圧をかけてアバランシェ増幅を起こす
ことにより電子をホット化し、電子放出部より電子を放
出するものである。
【0006】いずれの場合も、アバランシェ増幅により
多量の電子放出電流を得るためには、非常に多くの電流
を素子にかける必要がある。例えば、pn接合型素子の
場合、1万アンペア/cm2 以上の電流密度が必要であ
る。しかしながら、このように大電流を流すことにより
素子が発熱し、該素子の電子放出特性が不安定になった
り、該素子の寿命が短くなったりするという問題点があ
った。
【0007】又、上記のように、半導体放出素子におい
ては、小さな逆バイアス電圧で電子放出を行わせるため
に、電子放出部の表面層にセシウム等の仕事関数の小さ
い材料を用いている。しかしながら、セシウム等の仕事
関数の小さい材料は化学的に不安定であるため、半導体
層の局所的発熱による影響を受け、安定な動作を期待す
ることが困難であった。
【0008】更に、ショットキー接合型電子放出素子の
場合、電極材料として、ショットキー接合を作り得るよ
うな材料で、しかも仕事関数が低い材料が望まれてい
た。しかし、従来の電子放出素子では、半導体の局所的
発熱により電極材料がマイグレートしやすいことや、半
導体のエネルギーギャップの大きさから、電極材料の選
択の幅が狭く素子の安定性向上のための材料選択が良好
に行えないという難点があった。
【0009】上記の問題に鑑みて、多量の電流によって
も発熱しにくく、ショットキー接合における電極材料の
選択範囲を広げるものとして、ダイヤモンド結晶を用い
た電子放出素子が期待されている。ダイヤモンド結晶
は、大きなバンドギャップ(5.5eV)、大きなキャ
リア移動度(電子1800cm2 /V・S、正孔160
0cm2 /V・S)、大きな熱伝導度(20W/cm・
K)を持ち、更に高硬度で耐摩耗性に優れる、耐熱性が
高く、ショットキー電極の材料選択が広がる等の他の材
料では得られない種々の特性を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ダイヤモンド結晶は、
一般に、炭素系ガス種を原料とする気相合成法、又は金
属溶媒を用いる高温高圧法等で合成することができる。
特に気相合成法は製造装置が簡単で、低コストでダイヤ
モンド結晶を合成できる等の利点を有するが、該方法に
より合成される結晶は、一般に{100}面及び{11
1}面よりなる多面体粒子として析出し、この多面体粒
子の合体の結果、膜状ダイヤモンド結晶が得られる。こ
のダイヤモンド結晶中には多数の結晶欠陥(一般的には
1010個/cm2 )が存在し、これが電子のエネルギー
を散乱させ、半導体電子放出素子の放出電子量増大の妨
げになっていた。
【0011】又、ダイヤモンド結晶は一般に、シリコン
等の半導体基板上に凹凸の大きい多結晶膜として析出す
るため、ダイヤモンド結晶への電圧印加や電極形成が不
均一になり電子放出が不安定になる等の問題点があっ
た。
【0012】従って、本発明は、結晶欠陥が少なく、凹
凸の少ないダイヤモンド結晶を基板上に形成することに
より、多量の電流によっても発熱しにくく、安定した電
子放出特性を持ち、ショットキー接合を採用する場合
は、電極材料の選択の幅が広い半導体電子放出素子を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、基板上に半導体層として少なくともダイヤモンド
結晶を形成してなる半導体電子放出素子において、前記
ダイヤモンド結晶の高さと最大結晶面の最大幅との比が
1:4乃至1:1000の範囲にあり、且つ前記結晶面
と、結晶が形成された基板面とのなす角が0乃至10度
であることを特徴とする半導体電子放出素子である。
【0014】又、本発明は、半導体電子放出素子の製造
方法において、気相合成法により基板上に平板ダイヤモ
ンド結晶を合成し、該基板を水又は有機溶媒よりなる液
体中に浸し、該液体に超音波振動を与えて、平板ダイヤ
モンド結晶と共に基板上に析出する粒子状ダイヤモンド
結晶を基板上から除去し、平板ダイヤモンド結晶のみを
基板上に残留させることを上記半導体電子放出素子の製
造方法である。
【0015】又、本発明は、上記製造方法において、粒
子状ダイヤモンド結晶の高さと最大結晶面の最大幅との
比が1:1乃至1:3の範囲にあり、且つ前記結晶面
と、結晶が形成された基板面とのなす角がランダムであ
ることを含むものである。
【0016】又、本発明は、上記製造方法において、粒
子状ダイヤモンド結晶を除去した後、気相合成法によ
り、基板上に残留する平板ダイヤモンド結晶を更に成長
させることを含むものである。
【0017】又、本発明は、上記製造方法において、粒
子状ダイヤモンド結晶の除去と、平板ダイヤモンド結晶
の成長とを交互に行うことを含むものである。
【0018】又、本発明は、半導体電子放出素子の製造
方法において、少なくとも1つの{111}面を有する
ダイヤモンド微粒子を、該{111}面と基板面とが密
接するように基板上に塗布もしくは散布し、該微粒子を
核として基板上に、気相合成法により、基板面とダイヤ
モンド結晶の{111}面とが平行であるダイヤモンド
結晶を合成することを特徴とする半導体電子放出素子の
製造方法である。
【0019】
【作用】以下、本発明の作用を本発明をなすに際して得
た知見と共に説明する。
【0020】前述したように、気相合成法により合成さ
れたダイヤモンド結晶には、その結晶内部に、多数の転
位、結晶欠陥(一般的には1010個/cm2 )が存在
し、これが電子放出素子として用いた場合、電子放出効
率の障害となり放出電子量が小さくなる原因であると考
えられる。
【0021】本発明者は、かかる見地から鋭意研究を続
けた結果、気相合成中の原料ガス中に酸素を特定の割合
で添加することにより、結晶中の転位、欠陥量が少ない
結晶性の良好な平板ダイヤモンド結晶が得られ、該平板
ダイヤモンド結晶を用いることにより、半導体電子放出
素子の電子放出効率を高めることができることを見いだ
し、本発明に到達したものである。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明に係るダイヤモンド結晶の1態様を
図1に示す。
【0024】図1中、1は基板、2は基板上に形成され
たダイヤモンド結晶である。このダイヤモンド結晶2の
高さhは、基板の結晶が形成される面1aの法線とダイ
ヤモンド結晶の基板表面から最も遠い頂点とが交差する
ときの法線の長さで表される。結晶を構成する結晶面の
内、最も大きな結晶面2aの最大幅をlとするとき、
h:lは1:4、好ましくは1:1.45、より好まし
くは1:5〜1:1000である。又、基板面1aと最
も大きな結晶面2aとのなす角θは10度以下、好まし
くは5度以下である。このような形態の本発明に係るダ
イヤモンド結晶を平板ダイヤモンド結晶という。
【0025】一方、従来の素子に使用されていた従来の
ダイヤモンド結晶を図2に示す。
【0026】図2中、3は基板、4はダイヤモンド結晶
である。h、l、θの定義を上記の通りとすると、従来
のダイヤモンド結晶4は、高さhと横幅1との比が1:
3以下、一般的には1:2以下であり、θは一般的には
ランダムである。このような形態のダイヤモンド結晶を
粒子状ダイヤモンド結晶という。
【0027】従来より基板表面上にダイヤモンド微粒子
を散布することによりダイヤモンド結晶の核発生密度が
向上することが知られている。しかしながら、散布され
るダイヤモンド微粒子の基板表面に対する結晶方位がラ
ンダムであるため、これを基板として気相合成すること
により成長するダイヤモンド結晶もランダムとなる。こ
れに対し、本発明では少なくとも表面の一部に{11
1}面が存在するダイヤモンド微粒子をこの{111}
面が基板表面と密着するように散布することにより、こ
れを基板として気相合成したダイヤモンド結晶が{11
1}配向性を有するものである。
【0028】本発明で言うところの基板に散布されるダ
イヤモンド微粒子は、粒子径が5nm以上で50μm以
下の単結晶ダイヤモンドである。粒子径が5nm以下で
は気相合成時のプラズマやラジカル種(水素ラジカルや
酸素系ラジカル等)により消失する可能性が高く、又粒
子径が50μm以上では凹凸が大きくなり、実用上有用
なダイヤモンド結晶が得られないためである。
【0029】又、本発明の少なくとも表面の一部に{1
11}面が存在するダイヤモンド微粒子とは、{11
1}面のみよりなる8面体ダイヤモンド結晶(天然ダイ
ヤモンド結晶で多く見られる)や{100}面と{11
1}面よりなる6−8面体ダイヤモンド結晶(人工合成
ダイヤモンド結晶で多く見られる)、さらには結晶のヘ
キ開により形成された{111}面(ダイヤモンド構造
結晶のヘキ開面は{111}面である)をもつダイヤモ
ンド結晶などであるが、望ましくは、{111}面のみ
よりなる8面体結晶やヘキ開により大きな{111}面
を有するダイヤモンド結晶がよい。上述、ヘキ開により
大きな{111}面を有するダイヤモンド結晶は、砥粒
用のダイヤモンド単結晶粒子などを破砕することにより
簡単に形成することができる。
【0030】又ダイヤモンド微粒子の{111}面を基
板表面と密着するように散布する方法は、たとえば、上
記のダイヤモンド微粒子を基板表面に散布した後、圧縮
窒素ガスなどでブローし、ダイヤモンド微粒子{11
1}が基板と良好に密着しているもの以外を除去する方
法、さらには水やアルコールなどの液体中に上記ダイヤ
モンド微粒子を混和した後、これを基板上に塗布し、液
体を乾燥させた後に圧縮窒素ガスなどでブローしてダイ
ヤモンド微粒子{111}面が基板と良好に密着してい
るもの以外を除去する方法などがある。ダイヤモンド微
粒子の粒子径が1μm以下の場合、ダイヤモンド微粒子
を散布又は塗布した後、基板を水やアルコールに入れ、
超音波洗浄することにより、ダイヤモンド微粒子{11
1}面が基板と良好に密着しているもの以外を除去する
方法もある。
【0031】以上のようにダイヤモンド微粒子を基板表
面に散布した後、この基板を公知の気相合成法によりダ
イヤモンド合成を行うことによりダイヤモンド結晶{1
11}面が基板に対して平行な({111}配向結晶)
を形成することができる。
【0032】本発明に係る平板ダイヤモンド結晶は気相
合成法により形成することが好ましく、原料ガスの炭素
源としては、メタン、エタン、エチレン、アセチレン等
の炭化水素ガス、及びアルコール、アセトン等の液状有
機化合物、一酸化炭素又はハロゲン化炭素などを用いる
ことができる。さらに適宜、水素、酸素、塩素、フッ素
を含むガスを添加することができる。
【0033】更に、平板ダイヤモンド結晶は、非常に高
品質な結晶を形成する条件でのみ形成することができ、
気相合成法の中でもCVD法又は燃焼炎法により形成す
ることが好ましい。
【0034】以下、CVD法、燃焼塩法により平板ダイ
ヤモンド結晶を製造する方法について説明する。 (1)CVD法による平板ダイヤモンド結晶の形成 CVD法としては、熱フィラメントCVD法、マイクロ
波CVD法、有磁場マイクロ波CVD法、直流プラズマ
CVD法、RFプラズマCVD法等を挙げることができ
る。
【0035】原料ガスは、少なくとも水素、炭素及び酸
素元素を含んでいることが必要で、1種の原料ガス中に
上記全元素を含んでいてもよく、又いずれかの元素を含
む原料ガスの複数種を組み合わせても良い。この場合、
その原料ガス中の炭素源濃度は10%以下とする必要が
ある。ここでいう炭素源濃度とは、 {(炭素源ガス流量)×(炭素源ガス中の炭素原子数)
/(全原料ガス流量)}×100 である。炭素源ガス中の炭素源原子数は、例えばメタン
(CH4 )なら1、プロパン(C3 8 )なら3、アセ
トン(CH3 COCH3 )なら3となる。この炭素源濃
度を10%以下とする理由は、ダイヤモンド結晶の過飽
和度を抑え、特に高さ方向の結晶成長を抑制するためで
ある。下限は特にないが0.01%以下では実用的な平
板ダイヤモンド結晶の形成速度が得られない場合があ
る。
【0036】更に、CVD法においては、原料ガス中の
酸素と炭素の原子数の比(O/C)を0.5≦O/C≦
1.2、望ましくは0.7≦O/C≦1.1とするもの
である。0.5未満では添加効果がなく、又1.2を越
えると酸素のエッチング効果で実用上使用可能なダイヤ
モンド形成速度を得ることができない。上記O/C値の
調節は、例えば、O2 、H2O、NO2などの酸素添加ガ
スを原料ガス中に添加することにより為される。
【0037】又、アルコールなどの酸素含有有機化合物
を炭素源として用いる場合は、比較的低いO/C値でも
平板ダイヤモンド結晶が形成可能である。例えば、原料
ガスとして水素とメタノール(CH3OH)を用いた場
合、O/C=0.5で、良質の平板ダイヤモンド結晶が
形成可能である。この理由の詳細は不明であるが、酸素
含有化合物は、酸素の活性種(OHラジカル)が形成さ
れやすいため、と考えられる。
【0038】平板ダイヤモンド結晶は、比較的核発生の
ときのみに形成される。プラズマCVD法及び熱フィラ
メントCVD法では、2×106 個/mm2 以下のとき
のみ、平板ダイヤモンド結晶が形成される。この理由の
詳細は不明であるが、本発明の平板ダイヤモンド結晶の
形成には高さ方向の成長を抑えるために、十分な量のエ
ッチングガス(水素ラジカル、又はOHラジカル)が必
要であり、又横方向の成長を促進させるため、側面にも
十分な量のダイヤモンド形成に関与する活性種(CHx
ラジカル種等)が到達することが必要なためである。こ
のため、核発生密度を、低くしなければならないと考え
られる。 (2)燃焼炎法による平板ダイヤモンド結晶の形成 燃焼炎法では、酸素−アセチレン炎を用いるが、この主
たる原料ガス中の酸素とアセチレンとのモル比の値は
0.9≦O2 /C2 2 ≦1.0、好ましくは、0.9
5≦O2 /C2 2 ≦0.99とすることで、再現性良
く、さらに比較的高い成長速度(数十μm/hr:横幅
の成長速度)でダイヤモンド結晶を形成することができ
る。
【0039】上述の燃焼炎法の場合、ダイヤモンド結晶
の核発生密度は1×105 個/mm 2 以下、好ましくは
1×102 〜1×105 個/mm2 とする。燃焼炎法
で、特に核発生密度を下げなければならない理由は、燃
焼炎法では熱フィラメントCVD法や、マイクロ波CV
D法に比べて、10倍以上(数十μm/hr)平板ダイ
ヤモンド結晶の横方向成長速度が速いためである。熱フ
ィラメントCVD法や種々のプラズマCVD法において
も、広い横幅の平板ダイヤモンド結晶の間隔を十分開け
る必要がある。必要な間隔は、形成条件により一概には
言えないが、平板ダイヤモンド結晶の横幅分(横幅が1
0μmなら10μm間隔)程度である。
【0040】更に、平板ダイヤモンド結晶は、例えば本
発明者らの特開平2−30697号公報に基づくダイヤ
モンド結晶の選択堆積法により希望する部位のみに形成
してもかまわない。又、上記特開平2−30697号公
報に基づき、核発生サイトを10μm2 以下と十分小さ
くすることにより、単一核よりなるダイヤモンド結晶を
用いてもよい。ただし、燃焼炎法において単一核よりな
るダイヤモンド結晶を形成する場合は、その他の合成法
より核発生密度が小さく、核発生サイトを10μm2
下とすると析出抜けが生じやすいため、核発生サイトを
10μm2 より大きく100μm2 以下、望ましくは2
5μm2 以上80μm2以下とすることが好ましい。
【0041】ここで、選択堆積法について説明するが、
これは本発明を限定するものではないことはいうまでも
ない。
【0042】特開平2−30697号公報に開示された
方法は、基板表面の傷つけ処理を施した後、基板にパタ
ーン状マスクを形成し、エッチング処理を行い、マスク
を除去することにより傷つけ処理した部位をパターン状
に形成する方法である。尚、傷つけ処理と、パターン状
マスク形成との順序はどちらが先でもよい。
【0043】傷つけ処理の方法は、例えばダイヤモンド
砥粒を用いて研磨を行う、超音波処理を行う、又はサン
ドブラストを行う、等の方法があるが、特定の方法に限
定されるものではない。
【0044】ここで、基板をダイヤモンド砥粒を用いて
傷つけ処理し、傷つけ処理した部位をパターン状に形成
しダイヤモンドの選択堆積を行う方法の1態様を、図3
の模式図に従って説明する。まず、基板601表面にダ
イヤモンド砥粒を用いて均一に傷つけ処理を施す(図3
(a))。この基板表面にマスク602を形成する(図
3(b))。このマスクの材料としてはどのようなもの
でもかまわないが、例えばフォトリソグラフィー法(光
描画法)を用いてパターン状に形成されたレジストなど
があげられる。次にマスク602を介して基板601を
エッチングすることにより傷つけ処理した部位をパター
ン状に形成する(図3(c))。上記エッチングはドラ
イエッチングでもウェットエッチングでもどちらでもよ
い。ウェットエッチングの場合、例えばフッ酸、硝酸混
液によるエッチングなどをあげることができる。又ドラ
イエッチングの場合、プラズマエッチング、イオンビー
ムエッチングなどを挙げることができる。プラズマエッ
チングのエッチングガスとしては、CF4 ガス、並び
に、CF4 ガスに酸素・アルゴンなどのガスを加えたも
のを用いることができる。イオンビームエッチングのエ
ッチングガスとしてはAr,He,Ne等の希ガスや酸
素、フッ素、水素、CF4 等のガスも可能である。エッ
チング深さは10nm以上、望ましくは50〜1000
nm,最適には80〜200nm程度が好ましい。次
に、マスク602を除去し(図3(d))、気相合成法
を用いてダイヤモンドを形成すると、傷つけ処理を施し
た部位のみに選択的にダイヤモンド603が形成される
(図3(e))。
【0045】上記のごとく形成された平板ダイヤモンド
結晶の上面は、3角形又は6角形のモルフォロジーを持
つ{111}面、さらには4角形又は8角形のモルフォ
ロジーを持つ{100}面である。又側面は{111}
面又は{100}面よりなっている。
【0046】この上面のモルフォロジーは、主として結
晶形成時の基板温度に依存する。基板温度が400℃以
上900℃以下のとき、望ましくは600℃以上700
℃以下のときに、上面は3角形又は6角形の{111}
面となる。又、950℃以上1300℃以下のとき、望
ましくは1000℃以上1200℃以下のとき、上面は
4角形又は8角形の{100}面となる。又、ダイヤモ
ンド合成雰囲気中の炭素源濃度が低い場合、上面が{1
11}面に、又高い場合に、上面が{100}面になる
傾向がある。
【0047】更に、本発明において平板ダイヤモンド結
晶は、単結晶、又は平板中に双晶面が形成された双晶結
晶である。特に、基板温度が400℃以上、900℃以
下で形成された、上面が{111}面の平板ダイヤモン
ド結晶は、上面に平行に双晶面の形成されているものが
多い。これは、双晶面の形成により凹入角が形成される
ためで、凹入角効果と呼ばれる働きにより、凹入角のあ
る方向に結晶の成長が促進されやすく、平板ダイヤモン
ド結晶の形成が進むためと考えられる。なお、上面に平
行に形成された双晶面は一つだけでなく、2個以上形成
されることもある。
【0048】しかしながら、以上のような合成条件で形
成されるダイヤモンド結晶は一般的に、平板ダイヤモン
ド結晶のみでなく、粒子状ダイヤモンド結晶も同時に析
出する。平板ダイヤモンド結晶と粒子状ダイヤモンド結
晶の析出の割合は、形成条件や基板に大きく依存するが
1:100から100:1程度である。
【0049】次に、本発明に基づく粒子状ダイヤモンド
結晶の除去手段について述べる。
【0050】気相合成法で上述の合成条件で平板ダイヤ
モンド結晶が合成された基板を、水又は有機溶媒、たと
えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などのアルコールやアセトン、エーテル、フロン、酢
酸、ベンゼンなどの液体中に浸す。次に、この液体に超
音波振動を与えて、平板ダイヤモンド結晶と共に析出す
る粒子状ダイヤモンド結晶を基板上から除去し、平板ダ
イヤモンド結晶のみを基板上に残留させる。液体に超音
波振動を与える方法として、たとえば市販の超音波洗浄
器を用いる方法を上げることができる。この場合、超音
波振動数は、10〜100kHz程度で、出力は10W
〜1kW程度である。超音波振動を印加する時間は、液
体の量及び超音波出力に大きく依存するが、たとえば1
リットルの液体量で250Wの超音波出力であれば、1
0分から1時間程度で十分である。ここで超音波振動を
印加して粒子状ダイヤモンド結晶が除去され、平板ダイ
ヤモンド結晶が残留する理由は、詳細な理由は不明であ
るが、たとえば、粒子状ダイヤモンド結晶はその体積に
比べ基板と付着している面積が小さく、平板ダイヤモン
ド結晶に比べて基板との密着力が低いため、と考えるこ
とができる。
【0051】さらに、上記方法で粒子状ダイヤモンド結
晶を除去し、平板ダイヤモンドを基板上に残留させた基
板を再び、気相合成法でダイヤモンド成長を行い、基板
上に残留する平板ダイヤモンド結晶を更に成長させるこ
ともできる。しかし、この時も平板ダイヤモンド結晶の
成長と同時に、粒子状ダイヤモンド結晶の析出も起こる
ため、ダイヤモンド成長終了後に、再び平板ダイヤモン
ド結晶形成基板を上述液体に入れ、超音波振動を与えて
粒子状ダイヤモンド結晶を除去しても良い。
【0052】又、更に、超音波振動を与えて粒子状ダイ
ヤモンド結晶の除去する工程と、気相合成で平板ダイヤ
モンド結晶を更に成長させる工程を交互に3回以上行う
こともできる。
【0053】以上のような工程の繰り返しにより、基板
上に析出するダイヤモンド結晶の50%以上、代表的に
は80%以上が平板ダイヤモンド結晶となる。
【0054】以上述べたような平板ダイヤモンド結晶
は、結晶性が非常に良好であるため(結晶中の欠陥密度
が108 個/cm2 以下、代表的には108 個/cm2
以下である)、電子放出効率が向上する。又、多結晶膜
のような表面の凹凸がないため、ダイヤモンド結晶への
電圧印加や電極形成が均一になり、電子放出の安定性が
向上する。
【0055】上記ダイヤモンド結晶を用いる本発明の半
導体電子放出素子は、負の電子親和力(Negativ
e Electron Affinity)によるも
の、電子なだれ増幅(アバランシェ増幅)によるもの等
いかなるものにも適用できる。以下、本発明素子のアバ
ランシェ増幅による電子放出機構を例にとって説明する
が、本発明はこれに限定されない。
【0056】本発明の半導体電子放出素子においては、
少なくともp型半導体層としてダイヤモンド結晶を用い
ることにより、熱伝導性に優れ、放熱により素子の局所
的発熱が少なく、したがって安定した電子放出特性を得
ることができる。
【0057】図4及び図5は電子なだれ誘起層がn型半
導体層であるpn接合型の半導体電子放出素子における
エネルギーバンド図である。図4はp型ダイヤモンド層
とn型ダイヤモンド層とのpn接合の場合、図5はp型
ダイヤモンド層とダイヤモンドよりバンドギャップの小
さいn型半導体層とのヘテロ接合を用いた場合を示して
いる。両図において、pはp型半導体層を示し、nはn
型半導体層を示し、Tは仕事関数の小さい材料からなる
仕事関数低下層を示す。尚、本発明におけるp型及びn
型の半導体層は、特に断らないかぎり不純物を高濃度に
含んだ、いわゆるp+ やn+ をも意味するものとする。
【0058】図4及び図5に示すように、p型半導体層
とn型半導体層との接合の間を逆バイアスすることによ
り、真空準位Evac をp型半導体層の伝導帯Ec より低
いエネルギー準位とすることができ、大きなエネルギー
差ΔE(=EC −Evac )を得ることができる。この状
態で、アバランシェ増幅を起こすことにより、p型半導
体層において少数キャリアであった電子を多数生成する
ことが可能となり、電子の放出効率を高めることができ
る。又、空乏層内の電界が電子にエネルギーを与えるた
めには、電子がホット化されて運動エネルギーが大きく
なり、n型半導体層表面の仕事関数よりも大きなポテン
シャルエネルギーを持つ電子が散乱によるエネルギーロ
スを伴わずに表面から飛び出すことが可能となる。
【0059】図4に示すようにダイヤモンド半導体のp
n接合を用いた場合、接合界面でのエネルギーバンドの
接合がスムーズで電子の散乱が少なく良好な電子放出特
性が得られる。しかしながら、pn接合型のアバランシ
ェ増幅を用いた電子放出素子においては、n型半導体の
抵抗値を下げることにより更に発熱を低下させることが
できるが、一般に、ダイヤモンドのようなバンドギャッ
プの大きい材料の場合は、伝導帯の有効状態密度が小さ
いため、半導体の抵抗率をSi,Geのように10-4Ω
・cm程度まで下げることは困難である。そこで図5に
示すようにダイヤモンドのp型半導体層上にダイヤモン
ドよりバンドギャップの小さな材料によりn型半導体層
を形成してn型半導体層の抵抗を下げることにより、更
に発熱を低下させることが可能となり、より安定性の高
い電子放出素子を得ることができる。
【0060】更に、本発明電子放出素子は、p型半導体
層にバンドギャップの広いダイヤモンドを用いているた
め、小さな逆バイアス電位で大きなΔEをとることがで
きる。このため、従来のように、n型半導体層の表面に
あえて化学的に不安定なセシウム等の仕事関数低下のた
めの層を形成する必要がなく、化学的に安定な比較的高
い仕事関数の材料の層を形成することができる。ダイヤ
モンドのエネルギーバンドギャップが5.4eVで、ホ
ウ素を不純物とした場合のp型半導体の活性化エネルギ
ーが0.37eVであるため、n型半導体層表面に形成
される材料層の仕事関数が5.0eV以下であれば、比
較的低い逆バイアス電圧の印加でΔE>0となり、電子
放出が可能となる。
【0061】次に、電子なだれ誘起層がショットキー電
極であるショットキー接合型の電子放出素子におけるエ
ネルギーバンド図を図6に示す。図6において、pはp
型半導体層を示し、Tはショットキー電極を示す。図6
に示すように、p型半導体層及び薄膜ショットキー電極
との接合の間を逆バイアスすることにより、真空準位E
vac をp型半導体層の伝導帯準位EC より低いエネルギ
ー準位とすることができ、大きなエネルギーΔE(=E
c −Evac )を得ることができる。この状態で、アバラ
ンシェ増幅を起こすことにより、p型半導体層において
は少数キャリアであった電子を多数生成することが可能
となり、電子の放出効率を高めることができる。又、空
乏層内の電界が電子にエネルギーを与えるために、電子
がホット化されて格子系の温度よりも運動エネルギーが
大きくなり、表面の仕事関数よりも大きなポテンシャル
を持つ電子が散乱によるエネルギーロスを伴わずに電子
放出を行うことが可能となる。
【0062】p型半導体層にダイヤモンドを用いた場
合、その大きなバンドギャップの故に、電極材料の仕事
関数の許容範囲を非常に広くすることができる。又、広
い仕事関数の範囲の材料からショットキー電極材料を選
択することができるため、安定に電子放出を行い得るシ
ョットキー接合を形成することができる。
【0063】p型ダイヤモンド半導体層は、不純物とし
てホウ素などの周期律表第III 族の元素を添加される。
ホウ素の添加方法としては、原料ガス中にホウ素含有化
合物を添加する方法及びインオ注入法等を用いることが
できる。
【0064】n型半導体層はできるだけ薄く形成するこ
とが好ましい。n型半導体層としてダイヤモンド層を用
いる場合には、ダイヤモンド中に不純物として窒素、リ
ンなどの周期律表V族の元素、イオウなどのVI族の元
素、又はリチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属等を
添加して形成することができる。これらの不純物添加方
法としては、原料ガス中にこれらの不純物含有ガスを添
加する方法及びイオン注入法等を用いることができる。
n型半導体層として、ダイヤモンド以外の半導体を用い
る場合には、Si,Ge,SiC、周期律表第II族もし
くは第III 族元素と第V族もしくは第VI族元素との化合
物半導体、又はアモルファスシリコン、アモルファスシ
リコンカーバイド等のアモルファス材料を用いることが
できる。これらの材料は1×1020atom/cm3
上の不純物を添加することが可能で、n型半導体層の比
抵抗を10-4Ω・cm程度と低くすることが可能であ
る。
【0065】又、ショットキー電極の材料は、p型ダイ
ヤモンド層に対して明確にショットキー特性を示すもの
である。一般に、仕事関数ΦWKとn型半導体に対するシ
ョットキーバリアハイトΦBnとの間には、直線関係が成
り立っており(Physics of Semicon
ductor Devices,Sze著、274p,
76(b),John Willey & Son
s),仕事関数が小さくなるにつれてΦBnは低下する。
又、一般にp型半導体に対するショットキーバリアハイ
トΦBPとΦBnの間には、ほぼΦBp+ΦBn=Eg /qの関
係があるため(qは電荷)、p型半導体に対するショッ
トキーバリアハイトは、ΦBP=Eg /q−Φ Bnとなる。
以上のように、仕事関数の小さな材料を用いることで、
p型半導体層に対して良好なショットキーダイオードを
作製することができる。
【0066】ショットキー電極材料として、高温下でも
マイグレートしにくい材料で、且つ、ダイヤモンドのエ
ネルギーバンドギャップの大きさ5.4eVから不純物
元素をドープした場合の活性化エネルギーを減じたエネ
ルギー値以下の仕事関数を持つ材料を使用すれば更に効
率よく電子放出を行わせることができる。不純物として
ホウ素を用いる場合に使用し得る材料としては、周期律
表第1A族〜第7A族、同じく第2B族〜第4B族の元
素の内、5.0eV以下の仕事関数を持つ材料である。
又、第8族、第1B族元素の内Ir,Pt,Au,Ag
等の金属、及びランタノイド系の元素、更に種々の金属
シリサイド、金属ホウ化物、金属炭化物の一部も使用可
能である。又これらの上記元素及び材料を組み合わせて
もよい。これらのショットキー電極の内、タングステ
ン、タンタル、モリブデン等の高融点金属や種々の金属
シリサイド、金属ホウ化物、金属炭化物等は、従来の半
導体電子放出素子の表面に形成されているセシウム等の
低仕事関数材料に比べて化学的に安定であり、Pd,P
t,Au,Ir,Ag,Cu,Ru等は低抵抗で、しか
もマイグレートしにくいため好適に用いられ、比較的低
い真空度(1×10 -3Torr程度)でも安定して電子
放出が可能である。
【0067】上記電極材料の仕事関数は1.3〜5.0
eV程度であり、すべてp型半導体層に対して良好なシ
ョットキー電極となる。これらのショットキー電極材料
は電子ビーム蒸着等で極めて制御性よく半導体上に堆積
することが可能であり、100nm以下、より好ましく
は50nm以下の厚さに堆積することによりショットキ
ー接合近傍で発生したホットエレクトロンがエネルギー
を大きく失うことなくショットキー電極を通過すること
ができ、安定した電子放出を行うことが可能となる。
【0068】以上述べたショットキー電極を用いること
により、良好なショットキー接合型の半導体電子放出素
子が得られる。
【0069】仕事関数低下層としては、ダイヤモンドの
エネルギーバンドギャップの大きさ5.4eVから不純
物元素をドープした場合の活性化エネルギーを減じたエ
ネルギー値以下の仕事関数を持つ材料を使用することが
望ましい。不純物としてホウ素を用いた場合に使用し得
る材料としては、周期律表第1A族〜第7A族、同じく
第2B族〜第4B族の元素の内5.0eV以下の仕事関
数を持つ材料、又は、第8族、第1B族元素の内Ir,
Pt,Au,Ag等の金属、及びランタノイド系の元
素、更に種々の金属シリサイド、金属ホウ化物、金属炭
化物の一部も使用可能である。又これらの上記元素及び
材料を組み合わせてもよい。
【0070】これらの仕事関数低下材料の内、タングス
テン、タンタル、モリブデン等の高融点金属や種々の金
属シリサイド、金属ホウ化物、金属炭化物等は、従来の
半導体電子放出素子の表面に形成されているセシウム等
の低仕事関数材料に比べて化学的に安定であり、又、P
d,Pt,Au,Ir,Ag,Cu,Ru等は低抵抗
で、しかもマイグレートしにくいため好適に用いられ、
比較的低い真空度(1×10-3Torr程度)でも安定
して電子放出が可能である。これらの材料は電子ビーム
蒸着等で極めて制御性よく半導体上に堆積することが可
能であり、10nm以下、より好ましくは単原子層から
数原子層の厚さに堆積することによりホットエレクトロ
ンがエネルギーを大きく失うことなくこれらの低仕事関
数を持つ材料を通過することができ、安定した電子放出
を行うことが可能となる。
【0071】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0072】実施例1 図7に示す構成のpn接合型電子放出素子を以下の要領
で作製した。図中、(a)は平面図であり、(b)はA
−A’切断面を矢印方向からみた断面図である。図中、
201はSi{111}面基板よりなるp+ 型半導体基
板、202はp型平板ダイヤモンド結晶半導体層、20
3はSiO2 層よりなる絶縁性選択堆積用マスク、20
4はn型ダイヤモンド結晶半導体層、205はチタン電
極、206は絶縁層、207は引出電極、208は上記
Si基板201の裏面にA1を蒸着したオーミックコン
タクト用電極、209は電極205と208との間に逆
バイアス電圧Vb を印加するための電源、210は電極
205と引出電極207との間に引出電圧Vg を印加す
るための電源、211はAg(仕事関数:4.26e
V)からなる仕事関数低下層である。 〈作製方法〉 (1)p+ 型Si基板201上に、燃焼炎法により平板
ダイヤモンド結晶202を形成した。燃焼炎法について
は図8の模式図を参照して説明する。図8は酸素−アセ
チレン炎バーナーを用いた燃焼炎法を示す模式図であ
り、701はバーナー、702は基板、703は内炎、
704は外炎、705は基板ホルダーで、水冷により基
板を冷却している。
【0073】ガス流量はアセチレン:1.51/mi
n,酸素:1.41/minで、さらに、ホウ酸(B2
3 )をメタノールに溶解したもの(1000ppm)
を水素ガス500SCCMでバブリングし、原料ガス中
にホウ素をp型不純物として導入した。基板温度は61
0℃、合成時間は30分間とした。以上のように形成し
たダイヤモンド結晶は、6角形の{111}面を上面と
し、更に高さと横幅の比が1:4以上の平板ダイヤモン
ド結晶(平均粒子径約15μm)であった。
【0074】(2)次に、フォトリソグラフィーのレジ
ストプロセスにより、所定の位置にSiO2 マスク20
3を形成した。
【0075】(3)次いで、n型ダイヤモンド層204
を燃焼炎法で形成した。合成条件は、ガス流量をアセチ
レン:1.51/min,酸素:1.41/minで、
さらに、5酸化リン(P2 5 )をメタノールに溶解し
たもの(1000ppm)を水素ガス500SCCMで
バブリングし、原料ガス中にリンをn型不純物として導
入し、合成時間を5分とした以外は上記(1)と同様で
ある。
【0076】n型ダイヤモンド層はSiO2 マスク20
3上には析出せず、該マスクの開口部(ダイヤモンド層
202露出物)にのみ選択的に析出した。
【0077】(4)次に、フォトリソグラフィー技術を
用いてTi電極205、銀層(10nm厚)211、S
iO2 絶縁層206及びポリシリコン引出層207をい
ずれも所定の位置に形成した。
【0078】以上のように形成した半導体電子放出素子
の電極205と208の間の逆バイアス電圧Vb を印加
するとp型ダイヤモンド層202からn型ダイヤモンド
204へ電子が注入され、注入電子はn型ダイヤモンド
層204及び銀層211を通り抜け、真空領域にしみ出
し、更に引出電圧207と電極205との間に引出電圧
g を印加することにより、電子を素子外部に放出する
ことができた。
【0079】尚、この時の放出電流密度は、後述の比較
例1に比べて約10倍と大幅に向上していた。
【0080】比較例1 ダイヤモンド結晶形成時の酸素流量を1.31/min
とし、更に基板前処理(ダイヤモンド砥粒による傷つけ
処理)によりダイヤモンド結晶核発生密度を増加させ
た、多結晶膜ダイヤモンド結晶を用いる以外は実施例1
と同様にして半導体電子放出素子を作製し、その放出電
子量を測定した。このときの放出電子量は実施例1の約
10分に1で、更に、多結晶膜の表面凹凸による電界印
加の不均一化のために素子寿命も約10分の1であっ
た。
【0081】実施例2 図9に示す構成のショットキー型電子放出素子を以下の
要領で作製した。但し、図中、(a)は平面図であり、
(b)はA−A’切断面を矢印方向からみた断面図であ
り、401はSi{111}面基板からなるp+ 型半導
体基板、402はp型平板ダイヤモンド結晶半導体層、
403はSiO2 層からなる絶縁性選択堆積用マスク、
404はp+ 型ダイヤモンド結晶半導体層、405はタ
ングステン(仕事関数:4.5eV)からなるショット
キー電極、406は絶縁層、407は引出電極、408
は上記Si基板401の裏面にAlを蒸着したオーミッ
クコンタクト用電極、409は電極405と408との
間に逆バイアス電圧Vb を印加するための電源、410
は電極405と引出電極407との間に引出電圧V g
印加するための電源である。 〈作製方法〉 (1)p+ 型Si基板401上に、熱フィラメントCV
D法により平板ダイヤモンド結晶を形成する。熱フィラ
メントCVD法については、図8を参照して説明する。
【0082】図8は、水素−メタン−酸素を原料ガスと
する熱フィラメントCVD法の例を示す模式図である。
801は石英反応管、802は電気炉、803はタンタ
ル製フィラメント、804は基板、805は原料ガス導
入口で、不図示のガスボンベ及び、流量調整器、バルブ
等が接続されている。806はガス排気口で、不図示の
圧力調整用バルブ及び排気系(メカニカルブースターポ
ンプにロータリーポンプが接続)が接続されている。
【0083】原料ガス流量は、水素:200ml/mi
n、メタン:2ml/min、酸素0.6ml/mi
n,100ppmB2 6 (水素希釈):1ml/mi
nで、フィラメント温度:2000℃、基板温度:65
0℃、圧力:1.3×104 Pa,合成時間:12時間
とした。以上のように形成したダイヤモンド結晶は、6
角形の{111}面を上面とし、更に高さと横幅の比が
1:4以上の平板ダイヤモンド結晶(平均粒子径約5μ
m)であった。
【0084】(2)次に、フォトリソグラフィーのレジ
ストプロセスにより、所定の位置にSiO2 マスク40
3を形成した。
【0085】(3)次いで、p+ 型ダイヤモンド層40
4を熱フィラメントCVD法で形成した。合成条件は、
100ppmB2 6 (水素希釈):5ml/minと
した以外は上記(1)と同様である。
【0086】p+ 型ダイヤモンド層はSiO2 マスク4
03上には析出せず、該マスクの開口部(ダイヤモンド
層402露出部)にのみ選択的に析出した。
【0087】(4)次に、フォトリソグラフィー技術を
用いてタングステン電極(10nm厚)405、SiO
2 絶縁層406及びポリシリコン引出層407をいずれ
も所定の位置に形成した。
【0088】以上のように形成した半導体電子放出素子
のショットキー電極405と電極408の間に逆バイア
ス電圧Vb を印加するとp+ 型ダイヤモンド層404か
らショットキー電極405との界面でアバランシェ増幅
が生じ、生成したホットエレクトロンはショットキー電
極405を通り抜け、真空領域にしみ出し、更に引出電
圧407とショットキー電極405との間の引出電圧V
g を印加することにより、電子を素子外部に放出するこ
とができる。
【0089】尚、この時の放出電流密度は、後述の比較
例2に比べて約12倍と大幅に向上していた。
【0090】実施例3〜5、比較例2〜3 ダイヤモンド層形成時のガス流量を変化させる以外は
(ドーピングガスのB26 ガス流量は一定とする)、
実施例2と同様にして半導体電子放出素子を作製し、そ
の放出電子量を測定した。この時の条件及び比較例2と
の放出電子量の比較を表1に示す。
【0091】尚、実施例3〜5では平板ダイヤモンド結
晶が析出し、比較例2及び3では粒子状ダイヤモンド結
晶が析出した。
【0092】表1より実施例3〜5において、良好な電
子放出効率が得られることが分かる。
【0093】
【表1】 比較例4 ダイヤモンド形成に先立ち、p+ 型Si半導体基板をダ
イヤモンド砥粒を用いた超音波処理で傷つけ処理を行
い、ダイヤモンド結晶の核発生密度を増加させる以外
は、実施例2と同様にして半導体電子放出素子を形成し
た。
【0094】尚、この時ダイヤモンド結晶は多結晶膜と
なり、平板ダイヤモンド結晶は形成されなかった。
【0095】この時の放出電流効率は、実施例2の半導
体電子放出素子に比べ、約5分の1であり、又表面凹凸
のため電界印加が不均一になるため素子寿命が約10分
の1であった。
【0096】実施例6 本実施例は平板ダイヤモンド結晶を選択堆積法を用いて
形成したショットキー型電子放出素子を示す。素子構成
は、図9と同様である。
【0097】本素子は、次のような方法により製造し
た。
【0098】p+ 型Si基板401を平均粒径25μm
のダイヤモンド砥粒を分散させたエチルアルコール中に
入れ、超音波洗浄器を用いて傷つけ処理を行った。次い
でこの基板をマスクアライナー(キャノン製:PLA−
500)を用いて。直径約2μmのPMMA系レジスト
を50μm間隔で100×100のパターンで形成し
た。この基板をArイオンビームエッチング装置を用い
て100nmの深さのエッチングを行った。尚その際の
エッチング条件は、加速電圧:1kV,エッチング時間
10分であった。次いで硫酸・過酸化水素水混合液でレ
ジストを除去し、実施例2と同様な方法でダイヤモンド
結晶形成を行ったところ、レジストを形成した部位にの
み選択的に平板ダイヤモンド結晶が形成された。更に各
平板ダイヤモンド結晶に実施例2と同様にして電極等を
形成し、半導体電子放出素子を作製した。
【0099】各電子放出素子からは実施例2と同様に良
好な電子放出効率を得ることができた。
【0100】以上のように形成した電子放出素子はマル
チの電子放出素子として用いることができる。
【0101】実施例7 Si単結晶基板(1cm角、{100}面、p型半導
体)上に燃焼炎法により平板ダイヤモンド結晶を形成し
た。ガス流量はアセチレン:1.5l/min,酸素:
1.4l/minとし、基板温度は620℃、合成時間
は20分間とした。以上のように形成したダイヤモンド
結晶のうち、6角形の{111}面を上面とし、更に高
さと横幅との比が1:4以上の平板ダイヤモンド結晶
(平均粒子径約8μm)は約20%で、残りは粒子状ダ
イヤモンド結晶であった。
【0102】このダイヤモンド結晶析出基板を、図11
に模式的に示す超音波発信機(超音波洗浄器を使用)に
入れ、粒子状ダイヤモンド結晶の除去を行った。図11
中、16は超音波洗浄器で40kHzの超音波を300
Wの出力で発信することができる。17は水で、18は
ビーカー、19はエチルアルコールで、20はダイヤモ
ンド結晶析出基板である。
【0103】この超音波洗浄器のスイッチを入れ、10
分間ダイヤモンド析出基板に超音波振動を与えた後、基
板を取り出し走査型電子顕微鏡で基板に残留しているダ
イヤモンド結晶を観察したところ、粒子状ダイヤモンド
結晶のほとんどが基板から除去され、基板に残留してい
るダイヤモンド結晶の約75%が平板ダイヤモンド結晶
であった。
【0104】実施例8 熱フィラメントCVD法により、以下の要領で銅基板
(φ25mm、厚さ0.5mm、純度99.99%以
上)に平板ダイヤモンド結晶を形成した。
【0105】CVD装置は実施例2と同様のものを使用
し、原料ガス流量を、水素:200ml/min、エチ
ルアルコール:2ml/minとし、フィラメント温
度:2000℃、基板温度:670℃、圧力:1.3×
104 Pa,合成時間:3時間とした。以上のように形
成したダイヤモンド結晶のうち、6角形の{111}面
を上面とし、更に高さと横幅の比が1:4以上の平板ダ
イヤモンド結晶(平均粒子径約12μm)は約35%
で、残りは粒子状ダイヤモンド結晶であった。このダイ
ヤモンド結晶析出基板を実施例7と同様に、図11に示
す超音波洗浄器に入れ、粒子状ダイヤモンド結晶の除去
を行った。ただし、本実施例ではビーカー:18中の液
体19として純水(比抵抗:107 Ω・cm以上)を用
いた。
【0106】次に、この超音波洗浄器のスイッチを入
れ、20分間ダイヤモンド析出基板に超音波振動を与え
た後、基板を取り出し走査型電子顕微鏡で基板に残留し
ているダイヤモンド結晶を観察したところ、粒子状ダイ
ヤモンド結晶のほとんどが基板から除去され、基板に残
留しているダイヤモンド結晶の約90%が平板ダイヤモ
ンド結晶であった。
【0107】実施例9 実施例7と同様な条件で燃焼炎法で平板ダイヤモンド結
晶を形成し、超音波振動付与で粒子状ダイヤモンド結晶
を除去した基板を、再び実施例7と同様な燃焼炎法合成
条件でダイヤモンドを形成した。これにより1回目のダ
イヤモンド形成では平均粒子径8μmの平板ダイヤモン
ド結晶が2回目のダイヤモンド形成後には、平均粒子径
15μmになっていた。この時の析出ダイヤモンド結晶
の内、平板ダイヤモンド結晶は約70%であった。
【0108】実施例10 実施例7と同様な条件で、ダイヤモンド結晶の形成と超
音波振動付与による粒子状ダイヤモンド結晶の除去を交
互に繰り返しながら平板ダイヤモンド結晶の形成を行
い、その時の平板ダイヤモンド結晶の平均粒子径と析出
割合を調べた。結果を表2に示す。
【0109】
【表2】 以上のように、ダイヤモンド合成と粒子状ダイヤモンド
結晶の超音波除去を各々3回ずつ繰り返すことにより、
24μmと粒子径の大きい平板ダイヤモンド結晶を97
%と高い析出割合で得ることができる。
【0110】実施例11 {111}面のみよりなる8面体形状を持つ天然ダイヤ
モンド微粒子をエタノールに混和し、これをSi単結晶
基板(1cm角、{100}面、p型半導体)に塗布し
た。エタノールが乾燥後、圧縮窒素ガスでブローを行い
ダイヤモンド微粒子のうち、ダイヤモンド{111}面
と基板とが密着していないものを除去した。
【0111】ダイヤモンド結晶の合成は実施例1と同様
に燃焼炎法を用いておこなった。但し、ガス流量はアセ
チレン:1.5l/min,酸素:1.3l/minと
し、基板温度は750℃、合成時間は30分間とした。
【0112】以上のようにして得られたダイヤモンド結
晶は、6角形の{111}面が基板に対して平行に配向
した平均粒子径約15μmの単結晶ダイヤモンド粒子で
あった。
【0113】実施例12 自形面を持たないダイヤモンド単結晶粒子をロールミル
で粉砕し、{111}ヘキ開面が多く形成されたダイヤ
モンド微粒子を形成した。これを銅基板(φ25mm、
厚さ0.5mm、純度99.99%以上)上に散布した
のち、基板をアセトンに入れ超音波洗浄した。この洗浄
によりダイヤモンド微粒子のうち、ダイヤモンド{11
1}面と基板が密着していないものを除去することがで
きる。
【0114】ダイヤモンド結晶の合成は実施例2と同様
に熱フィラメントCVD法を用いて行った。但し、原料
ガス流量は、水素:200ml/min、エチルアルコ
ール:4ml/minで、フィラメント温度:2000
℃、基板温度:800℃、圧力:1.3×104 Pa,
合成時間:3時間とした。
【0115】以上のように形成したダイヤモンド結晶
は、3角形の{111}面が基板に対して平行に配向し
た平均粒子径約12μmの単結晶ダイヤモンド結晶であ
った。 実施例13 実施例11と同様にして微粒子ダイヤモンドを基板に散
布した後、燃焼炎法により平板ダイヤモンド結晶を形成
した。合成条件として、ガス流量はアセチレン:1.5
l/min,酸素:1.45l/minとし、基板温度
は620℃、合成時間は30分間とした。
【0116】以上のようにして得られたダイヤモンド結
晶は、6角形の{111}面が基板に対して平行に配向
し、更に高さと横幅の比が平均1:4:5で平均粒子径
約15μmの平板ダイヤモンド結晶であった。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体電
子放出素子によれば、高い電子放出効率、及び、長寿命
を得ることができる。
【0118】従って、本発明の半導体電子放出素子によ
れば、信頼性の高いディスプレイ、EB(エレクトロン
ビーム)描画装置、真空管、電子線プリンター、メモリ
ーなどを提供することができる。
【0119】又、本発明の製造方法により、高い割合で
平板ダイヤモンド結晶が得られる。このような平板ダイ
ヤモンド結晶は、特に電子材料として優れたものであ
る。
【0120】又、本発明の製造方法により、{111}
面配向したダイヤモンド結晶が得られる。又、非常に高
品質結晶合成条件にすることにより{111}面を上面
とする平板ダイヤモンド結晶が得られる。このような平
板ダイヤモンド結晶は、特に電子材料としてすぐれたも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平板ダイヤモンド結晶の1態様を
示す断面図である。
【図2】従来素子における粒子状ダイヤモンド結晶の1
態様を示す断面図である。
【図3】選択堆積法によるダイヤモンド結晶製造工程の
1例を示す工程図である。
【図4】pn接合型の本発明素子における電子放出機構
の1例を示すエネルギーバンド図である。
【図5】pn接合型の本発明素子における電子放出機構
の他の例を示すエネルギーバンド図である。
【図6】ショットキー接合型の本発明素子における電子
放出機構を示すエネルギーバンド図である。
【図7】本発明半導体電子放出素子の1態様を示す
(a)平面図、(b)断面図である。
【図8】燃焼炎法による平板ダイヤモンド結晶製造方法
を示す模式図である。
【図9】本発明半導体放出素子の他の態様を示す(a)
平面図、(b)断面図である。
【図10】熱フィラメントCVD法による平板ダイヤモ
ンド結晶製造方法を示す模式図である。
【図11】粒子状ダイヤモンド結晶除去のための超音波
振動付与装置の1例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 平板ダイヤモンド結晶 3 基板 4 粒子状ダイヤモンド結晶 16 超音波発信機 17 水 18 ビーカー 19 液体 20 ダイヤモンド結晶析出基板 201 p+ 型半導体基板 202 p型ダイヤモンド層 203 絶縁性選択堆積用マスク 204 n型ダイヤモンド層 205 電極 206 絶縁層 207 引出電極 208 オーミック電極 209 電源 210 電源 211 仕事関数低下層 401 p+ 型半導体基板 402 p型ダイヤモンド層 403 絶縁性選択堆積用マスク 404 p+ 型ダイヤモンド層 405 ショットキー電極 406 絶縁層 407 引出電極 408 オーミック電極 409 電源 410 電源 601 基板 602 マスクパターン 603 平板ダイヤモンド結晶 701 バーナー 702 基板 703 内炎 704 外炎 705 基板ホルダー 801 石英反応管 802 電気炉 803 フィラメント 804 基板 805 ガス導入口 806 排気口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に半導体層として少なくともダイ
    ヤモンド結晶を形成してなる半導体電子放出素子におい
    て、前記ダイヤモンド結晶の高さと最大結晶面の最大幅
    との比が1:4乃至1:1000の範囲にあり、且つ前
    記結晶面と、結晶が形成された基板面とのなす角が0乃
    至10度であることを特徴とする半導体電子放出素子。
  2. 【請求項2】 半導体電子放出素子の製造方法におい
    て、気相合成法により基板上に平板ダイヤモンド結晶を
    合成し、該基板を水又は有機溶媒よりなる液体中に浸
    し、該液体に超音波振動を与えて、平板ダイヤモンド結
    晶と共に基板上に析出する粒子状ダイヤモンド結晶を基
    板上から除去し、平板ダイヤモンド結晶のみを基板上に
    残留させることを特徴とする請求項1に記載の半導体電
    子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 粒子状ダイヤモンド結晶の高さと最大結
    晶面の最大幅との比が1:1乃至1:3の範囲にあり、
    且つ前記結晶面と、結晶が形成された基板面とのなす角
    がランダムである請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 粒子状ダイヤモンド結晶を除去した後、
    気相合成法により、基板上に残留する平板ダイヤモンド
    結晶を更に成長させる請求項2又は3に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 粒子状ダイヤモンド結晶の除去と、平板
    ダイヤモンド結晶の成長とを交互に行う請求項2又は3
    に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 半導体電子放出素子の製造方法におい
    て、少なくとも1つの{111}面を有するダイヤモン
    ド微粒子を、該{111}面と基板面とが密接するよう
    に基板上に塗布もしくは散布し、該微粒子を核として基
    板上に、気相合成法により、基板面とダイヤモンド結晶
    の{111}面とが平行であるダイヤモンド結晶を合成
    することを特徴とする請求項1に記載の半導体電子放出
    素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6008502A (en) * 1996-03-27 1999-12-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Diamond electron emitting device having an insulative electron supply layer
WO2009008399A1 (ja) * 2007-07-06 2009-01-15 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 電子源

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JP2009016252A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電子源

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