JP3085407B2 - 半導体電子放出素子 - Google Patents

半導体電子放出素子

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JP3085407B2
JP3085407B2 JP6759491A JP6759491A JP3085407B2 JP 3085407 B2 JP3085407 B2 JP 3085407B2 JP 6759491 A JP6759491 A JP 6759491A JP 6759491 A JP6759491 A JP 6759491A JP 3085407 B2 JP3085407 B2 JP 3085407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体電子放出素子に係
り、特にダイヤモンド半導体層を用いた半導体電子放出
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体電子放出素子のうち、アバ
ランシェ増幅を用いたものとしては、半導体基板上にp
型半導体とn型半導体との接合を形成した素子(pn接
合型素子)、及び半導体層と金属や金属化合物とのショ
ットキー接合を形成した素子(ショットキー接合型素
子)がある。
【0003】上記アバランシェ増幅を用いたpn接合型
半導体電子放出素子としては、例えば米国特許第425
9678号及び米国特許第4303930号に記載され
ているものが知られている。
【0004】この半導体電子放出素子は、半導体基板上
にp型半導体層とn型半導体層とを形成し、該n型半導
体層の表面に更にセシウム等の金属を付着させて電子放
出部を形成したものであり、p型半導体層とn型半導体
層とにより形成されたダイオードに逆バイアス電圧をか
けてアバランシェ増幅を起こすことにより電子をホット
化し、電子放出部より電子を放出するものである。
【0005】また、上記アバランシェ増幅を用いたショ
ットキー接合型の半導体電子放出素子としては、例えば
p型半導体層と金属電極との接合を形成し、この接合に
逆バイアス電圧をかけてアバランシェ増幅を起こすこと
により電子をホット化し、電子放出部より電子を放出さ
せるものがある。
【0006】ところで、上記の従来例のようなアバラン
シェ増幅を利用した半導体電子放出素子から電子を放出
させる時に多くの電子放出電流を得ようとすれば、非常
に多くの電流を素子にかけねばならない。通常、上記の
様なpn接合から電子を放出させる場合には、1万アン
ペア以上の電流密度が必要であるが、この様な大電流を
流すと素子が発熱し、該素子の電子放出特性が不安定化
したり、該素子の寿命が短くなったりするという問題が
あった。
【0007】そこで、局所的発熱の少ない電子放出素子
が望まれていた。
【0008】また、上記pn接合型の従来例では、電子
放出部の仕事関数を低下させ逆バイアス電圧を抑えるこ
とができるようにするために、低仕事関数の材料を用い
ている。
【0009】従来、逆バイアス電圧をあまり大きくせず
電子放出を行うためにセシウム等の材料が低仕事関数の
材料として用いられていたが、セシウム等の低仕事関数
の材料は化学的に活性であるため、半導体層の局所的な
発熱による影響を受け、安定な動作を期待することが困
難であった。このため、仕事関数低下材料として比較的
安定な材料をも使用し得る様な電子放出素子が望まれて
いた。
【0010】また、従来のショットキー接合型電子放出
素子の電極材料としては、ショットキー接合を作り得る
様な材料で、しかも仕事関数が低い材料が望まれてい
た。しかし、従来の電子放出素子では、半導体層の局所
的加熱により電極材料がマイグレートしやすいことや、
半導体のエネルギーバンドギャップの大きさから、電極
材料の選択の幅が狭く素子の安定性向上のための材料選
定が良好に行えないという難点があった。また、電子放
出部の仕事関数を低下させるために該電子放出部の表面
にセシウムあるいはセシウムの酸化物の層を形成する場
合には、上記pn接合型の従来例と同様の問題点が生ず
る。
【0011】そこで、局所的な発熱が小さくショットキ
ー電極の材料選択の幅の広い電子放出素子が望まれてい
た。
【0012】以上の観点から、ダイヤモンド半導体層を
用いた電子放出素子が期待されている。ダイヤモンド半
導体層は、常温下では物質中一番の熱伝導度を持ち、
又、広いバンドギャップ(5.4eV)のため耐熱性が
強く、又、ショットキー電極の材料選択の幅が広いから
である。
【0013】
【発明が解決しようとしている課題】ダイヤモンド結晶
は、一般に{100}面と{111}面よりなる多面体
粒子として析出し、この多面体粒子の合体の結果、膜状
ダイヤモンドが得られる。この{100}面と{11
1}面では成長機構が異なり、本発明者らの報告(ジャ
パニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス
誌29巻10号L1901〜L1903ページ、199
0年)によれば、{111}面は多核成長様式、{10
0}面は単一核成長様式で成長している。この二つの結
晶面において電子放出特性は大きく異なっており、例え
ば{111}面は{100}面に比べて放出電子量が小
さく、半導体電子放出素子の放出電子量増大の妨げにな
っていた。
【課題を解決するための手段】本発明の半導体電子放出
素子は、ダイヤモンド半導体層を用いた半導体電子放出
素子において、上記ダイヤモンド半導体層の結晶欠陥密
度を108 個/cm2以下とすることを特徴とする。
【0014】
【作用】以下、本発明の作用を本発明をなすに際して得
た知見と共に説明する。
【0015】前述したとおり、{111}面は{10
0}面に比べて放出電子量が小さいが、これは{11
1}面が多核成長様式であり、面内に1010個/cm2
といったような多数の転位・欠陥が発生し、これが電子
放出素子として用いた場合の電子放出効率の障害とな
り、放出電子量が小さくなる原因であると考えられる。
【0016】本発明者らは、かかる見地から鋭意研究を
続けた結果、{111}の結晶欠陥密度を108 個/c
2 以下とすることで、半導体電子放出素子の電子放出
効率を高めることができることを見出し、本発明に到達
したものである。なお、本発明の望ましい転位・欠陥の
密度は108 個/cm2 以下、さらに望ましくは5×1
7個/cm2 以下である。
【0017】{111}面の成長様式は既に述べたよう
に多核成長様式であるが、ダイヤモンド結晶成長時の原
料ガス中に酸素を添加することにより、多核成長様式の
核形成速度が減少し、単一核成長様式へ変化していくこ
とが明らかになった。この単一核成長様式への変化によ
り{111}面中に見られる転位・欠陥が大幅に減少
し、良質なダイヤモンド結晶を形成することができる。
この原因の詳細は不明な点が多いが、エッチング効果の
大きい酸素添加により、炭素源の過飽和度が減少し核形
成速度が減少するためと考えられる。以上のような転位
・欠陥の少ないダイヤモンド半導体層を用いることによ
り放出電子量の大きな半導体電子放出素子が得られる。
この転位及び欠陥を減少させる方法は、原料ガス中に酸
素を添加させる方法の他にも、他のエッチング用ガス例
えばフッ素及び塩素を含有するガスを添加させる方法で
もよい。
【0018】本発明に用いる半導体電子放出素子は、負
の電子親和力(Negative ElectronAffinity) を用いた
もの、電子なだれ増幅(アバランシェ増幅)を用いたも
のなどいかなるものでもよい。
【0019】以下、アバランシェ増幅を用いたものを例
にとって本発明について説明する。図2A,図2Bは電
子なだれ誘起層がn型半導体層であるpn接合型の半導
体電子放出素子におけるエネルギーバンド図である。図
において、pはp型半導体層を示し、nはn型半導体層
を示し、Tは低仕事関数の材料の層を示す。図2Aはp
型ダイヤモンド層とn型ダイヤモンド層とのpn接合の
場合を示している。図2Bはp型ダイヤモンド層とダイ
ヤモンドよりバンドギャップの小さいn型半導体層との
ヘテロ接合を用いた場合を示している。尚、本発明にお
けるp型及びn型の半導体は、特に断らないかぎり不純
物を高濃度に含んだ、いわゆるp+ やn+ をも意味する
ものとする。
【0020】図2A及び図2Bに示す様に、p型半導体
層とn型半導体層との接合の間を逆バイアスすることに
より、真空準位Evac をp型半導体層の伝導帯Ec より
低いエネルギー準位とすることができ、大きなエネルギ
ー差ΔE(=Ec −Evac )を得ることができる。この
状態で、アバランシェ増幅を起こすことにより、p型半
導体層においては少数キャリアであった電子を多数生成
することが可能となり、電子の放出効率を高めることが
できる。また、空乏層内の電界が電子にエネルギーを与
えるために、電子がホット化されて運動エネルギーが大
きくなり、n型半導体層表面の仕事関数よりも大きなポ
テンシャルエネルギーを持つ電子が散乱によるエネルギ
ーロスを伴わずに表面から飛び出すことが可能となる。
【0021】本発明の半導体電子放出素子においては、
少なくともp型半導体層としてダイヤモンド層を用いる
ことにより、熱伝導性に優れ、放熱により素子の局所的
発熱が少なく、従って安定した電子放出特性を得ること
ができる。
【0022】図2Aに示す様なダイヤモンド半導体のp
n接合を用いた場合、接合界面でのエネルギーバンドの
結合がスムーズで電子の散乱が少なく良好な電子放出特
性が得られる。
【0023】図2Bはp型ダイヤモンド層とダイヤモン
ドよりバンドギャップの小さいn型半導体層とのヘテロ
接合を用いた場合のエネルギーバンド図を示している。
pn接合型のアバランシェ増幅を用いた電子放出素子に
おいては、n型半導体の抵抗値を下げることにより更に
発熱を低下させることができる。一般に、ダイヤモンド
の様なバンドギャップの大きい材料の場合は、伝導帯の
有効状態密度が小さいため、半導体の抵抗率をSi,G
eの様に10-4Ω・cm程度まで下げることは困難であ
る。そこでp型半導体層上に該p型半導体層よりもバン
ドギャップの小さなn型半導体層を形成してn型半導体
層の抵抗を下げることにより、更に発熱を低下させるこ
とが可能となり、より安定性の高い電子放出素子を得る
ことができる。
【0024】また、p型半導体層にダイヤモンド層を用
いているため、ダイヤモンドの持つバンドギャップが広
いために小さな逆バイアス電位で大きなΔEをとること
ができる。このため、従来の様に、n型半導体層の表面
にあえて化学的に不安定なセシウム等の低仕事関数材料
の層を形成する必要がなく、化学的に安定な比較的高い
仕事関数の材料の層を形成することができる。ダイヤモ
ンドのエネルギーバンドギャップが5.4eVで、ホウ
素を不純物とした場合のp型半導体の活性化エネルギー
が0.37eVであるため、n型半導体層表面に形成さ
れる材料層の仕事関数が5.0eV以下であれば、比較
的低い逆バイアス電圧の印加でΔE>0となり、電子放
出が可能となる。
【0025】図5は電子なだれ誘起層がショットキー電
極であるショットキー接合型の電子放出素子におけるエ
ネルギーバンド図である。図において、pはp型半導体
層を示し、Tはショットキー電極を示す。図5に示す様
に、p型半導体層及び薄膜ショットキー電極との接合の
間を逆バイアスすることによって、真空準位Evac をp
型半導体層の伝導帯準位Ec より低いエネルギー準位と
することができ、大きなエネルギー差ΔE(=Ec −E
vac )を得ることができる。
【0026】この状態で、アバランシェ増幅を起こすこ
とにより、p型半導体層においては少数キャリアであっ
た電子を多数生成することが可能となり、電子の放出効
率を高めることができる。また、空乏層内の電界が電子
にエネルギーを与えるために、電子がホット化されて格
子系の温度よりも運動エネルギーが大きくなり、表面の
仕事関数よりも大きなポテンシャルを持つ電子が散乱に
よるエネルギーロスを伴わずに電子放出を行わせること
が可能となる。
【0027】p型層にダイヤモンドを用いた場合、その
大きなバンドギャップの故に、広い仕事関数範囲の材料
から電極を構成することにより良好なショットキー接合
を形成することができ、電極材料の仕事関数の許容範囲
を非常に広くすることができる。また、広い仕事関数の
範囲の材料からショットキー電極材料を選択することが
できるため、安定に電子放出を行い得るショットキー接
合を形成することができる。
【0028】
【実施態様例】本発明の素子におけるダイヤモンド層の
形成には、公知の熱フィラメントCVD法、マイクロ波
プラズマCVD法、有磁場マイクロ波プラズマCVD
法、直流プラズマCVD法、RFプラズマCVD法、燃
焼炎法等の気相合成法を用いることができる。
【0029】炭素原料としては、メタン,エタン,エチ
レン,アセチレン等の炭化水素ガス及びアルコール,ア
セトン等の液体有機化合物、一酸化炭素又はハロゲン化
炭素などを用いることができ、さらに適宜、水素、酸
素、塩素、フッ素を含むガスを添加することができる。
【0030】転位・欠陥密度を108 個/cm2 以下と
するためには、例えばO2 ,H2 O,N2 Oなどの酸素
含有ガスを原料ガス中に添加する。その添加量は、原料
ガス中の酸素と炭素の比(O/C)を0.2≦(O/
C)≦2、望ましくは0.5≦(O/C)≦1とする。
0.2以下では酸素添加の効果がなく、転位・欠陥の少
ないダイヤ結晶が形成されないからであり、又、2以上
では酸素のエッチング効果により実用上使用可能なダイ
ヤモンドの形成速度を得ることができないからである。
【0031】さらに詳細なダイヤモンド結晶の合成条件
としては、例えば原料ガス中の酸素と炭素比(O/C)
を上述の範囲とした雰囲気ガス中で、圧力を1〜100
0Torrとして、公知のマイクロ波プラズマCVD法
及び熱フィラメントCVD法、燃焼炎法でダイヤモンド
結晶を合成する、さらには、圧力0.01〜10Tor
rの範囲内で公知の有磁場マイクロ波プラズマCVD法
で合成する、などをあげることができる。ダイヤモンド
結晶は、基体上に必ずしも全面に形成される必要はな
く、例えば本発明者らの特開平2−30697号公報に
基づくダイヤモンドの選択堆積法により希望する部位の
みに形成してもかまわない。又、上記特開平2−306
97号公報に基づき、核発生サイトを10μm2 以下と
十分小さくすることにより、単一核よりなるダイヤモン
ド結晶を用いてもよい。ただし燃焼炎法において単一核
よりなるダイヤモンド結晶を形成する場合は、一般に核
発生密度が小さく、核発生サイトを10μm2 以下とす
ると析出ヌケが生じやすいため、核発生サイトを100
μm2以下10μm2 を超えた値、望ましくは25μm2
から80μm2 とすることが好ましい。
【0032】上記ダイヤモンド結晶の合成方法のうち、
燃焼炎法は、酸素−アセチレン炎を用い、0.85≦O
2 /C22 ≦0.98とすることで、特に高品質(結
晶欠陥密度が1×107 個/cm2 程度)のダイヤモン
ドが形成でき、さらに比較的高形成速度(数十μm/h
r)を得ることができる。又、有磁場マイクロ波プラズ
マCVD法は他の方法に比べ比較的低圧力下で合成が可
能なため、大面積に均一に(例えばφ5インチウエハー
に膜厚ムラ±10%程度)成膜が可能である。ダイヤモ
ンドの選択堆積法としては、基体上にダイヤモンド砥粒
を用いて傷付け処理した部位をパターン状に形成する方
法があり、例えば本発明者らの特開平2−30697号
公報に開示した方法をあげることができるが、特にかか
る方法に限定されるものではない。
【0033】特開平2−30697号公報に開示した方
法は、基板表面の傷付け処理を施した後、基板にパター
ン状マスクを形成し、エッチング処理を行ない、マスク
を除去することにより傷付け処理した部位をパターン状
に形成する方法である。なお、基体にパターン状にマス
ク部材を設け、基体表面に傷付け処理を施しエッチング
処理によりパターン状に形成した該マスク部材を除去す
ることにより、傷付け処理した部位をパターン状に形成
する方法でもよい。また基体表面に傷付け処理を施した
後、耐熱性を有するマスク部材をパターン状に形成する
ことにより傷付け処理した部位をパターン状に形成する
方法でもよい。
【0034】ダイヤモンド砥粒を用いた傷付け処理の方
法は、特定の方法に限定されるものではなく、例えばダ
イヤモンド砥粒を用いて研磨を行なう、超音波処理を行
なう、又はサンドブラスト等の方法がある。例えば1μ
m以下のダイヤモンド砥粒と横ずり研磨器によりSi単
結晶基板の傷付け処理を行なうと107 個/cm2 以上
の核発生密度が得られる。又、超音波処理の方法は、
0.1〜1g/10mlの割合で、粒径1μm〜50μ
mの砥粒を分散させた液体中に基体を入れ、5分間〜4
時間、望ましくは10分間から2時間程度、超音波洗浄
器等で超音波をかけることにより行う。この超音波処理
法により、やはり107 個/cm2 以上の核発生密度を
得ることができる。
【0035】基体上にダイヤモンド砥粒を用いて傷付け
処理した部位をパターン状に形成することでダイヤモン
ドの選択堆積を行なう方法の一例について、図7A〜図
7Eの模式図に従って説明すると、まず基体701表面
をダイヤモンド砥粒を用いて均一に傷付け処理を施す
(図7A)。この基体表面にマスク702を形成する
(図7B)。このマスクの材料としてはどのようなもの
でもかまわないが、例えば、フォトリソグラフィー法
(光描画法)を用いてパターン状に形成されたレジスト
などがあげられる。次にマスク702を介して基体70
1をエッチングすることにより傷付け処理を施した部位
をパターン状に形成する(図7C)。上記エッチングは
ドライエッチングでもウエットエッチングのどちらでも
良い。ウエットエッチングの場合、例えばフッ酸、硝酸
混液によるエッチングなどを挙げることができる。また
ドライエッチングの場合、プラズマエッチング、イオン
ビームエッチングなどを挙げることができる。プラズマ
エッチングのエッチングガスとしては、CF4 ガス及び
CF4 ガスに酸素・アルゴンなどのガスを加えたものを
用いることができる。イオンビームエッチングのエッチ
ングガスとしてはAr,He,Ne等の希ガスや酸素、
フッ素、水素、CF4 等のガスも可能である。エッチン
グの深さは100Å以上、望ましくは500〜1000
0Å、最適には800〜2000Å程度が好ましい。次
にマスク702を除去し(図7D)、気相合成法を用い
てダイヤモンドを形成すると、傷付け処理を施した部位
に選択的にダイヤモンド703が形成される(図7
E)。
【0036】燃焼炎法によるダイヤモンドの合成方法の
模式図を図8に示す。801はバーナー、802は基
体、803は内炎、804は外炎、805は基板ホルダ
ーで水冷により、基体を冷却している。原料ガスは酸素
及びアセチレンでこれに水素ガスや他の炭化水素ガス
(メタン、エチレン等)及びドーピング用ガス(ホウ
素、リン、窒素などの含有ガス)を添加してもよい。ガ
ス流量はバーナーの大きさにより変化するが、一般的に
は1リットル/minから10リットル/min程度が
好ましい。酸素とアセチレンの流量比は、本発明では
0.2≦O2 /C22≦2、望ましくは0.85≦O2
/C22 ≦0.98、さらに望ましくは0.90≦
2 /C22 ≦0.95が好ましい。
【0037】また、上記O2 /C22 比が望ましい範
囲内(0.85から0.98)において、傷付け処理と
傷付け未処理部分との核発生密度差が大きくなる傾向が
ある(図9)。選択堆積法を行なうには一般に3ケタ以
上核発生密度の異なる領域を作り分けることが望ましい
が、燃焼炎法においては上記範囲内(0.85≦O2
22 ≦0.98)で3ケタ以上の核発生密度が生じ
る。このため、燃焼炎法による選択堆積ダイヤモンドを
用いた半導体電子放出素子を作成する場合は、上記ガス
流量の範囲内で行なうことが望ましい。又基板温度は5
00℃〜1200℃、望ましくは600〜800℃が好
ましい。
【0038】又、p型ダイヤモンド層の作成のための不
純物としては、ホウ素などの周期律表第III 族の元素を
用いることができる。ホウ素の添加方法としては、原料
ガス中にホウ素含有化合物を添加する方法及びイオン注
入法等を用いることができる。
【0039】本発明のpn接合型素子におけるn型半導
体層はできるだけ薄くするのが好ましい。n型半導体層
としてダイヤモンド層を用いる場合には、ダイヤモンド
中に不純物として窒素、リンなどの周期律表第V族の元
素及びリチウムなどを添加して形成することができる。
これらの不純物添加方法としては、原料ガス中にこれら
の不純物含有ガスを添加する方法及びイオン注入法等を
用いることができる。n型半導体層として、ダイヤモン
ド以外の半導体を用いる場合には、SiやGe、更には
In,As,P等の周期律表第II族、第III 族、第V
族、第VI族の半導体材料及びこれらを組合わせたもの、
更にはアモファスシリコンやアモルファスシリコンカー
バイド等のアモルファス材料を用いることができる。こ
れらの材料は1×1020atom/cm3 以上の不純物
を添加することが可能で、n型半導体層の比抵抗値を1
-4Ω・cm程度と低くすることができる。
【0040】本発明の半導体電子放出素子に用いるショ
ットキー電極の材料は、p型ダイヤモンド層に対して明
確にショットキー特性を示すものである。一般に、仕事
関数φWKとn型半導体に対するショットキーバリアハイ
トφBnとの間には、直線関係が成り立っており(Physic
s of Semiconductor Devices Sze 274p 76
(b)JOHN WILEY & SONS )、仕事関数が小さくなるに
つれてφBnは低下する。また、一般にp型半導体に対す
るショットキーバリアハイトφBpとφBnとの間には、ほ
ぼφBp+φBn=Eg /qの関係があるため(qは電
荷)、p型半導体に対するショットキーバリアハイト
は、φBp=Eg /q−φBnとなる。以上の様に、仕事関
数の小さい材料を用いることで、p型半導体層に対して
良好なショットキーダイオードを作成することができ
る。
【0041】本発明のショットキー接合型素子における
ショットキー電極の材料としては、高温下でもマイグレ
ートしにくい材料であり、またダイヤモンドのエネルギ
ーバンドギャップの広さ(5.4eV)から不純物元素
をドープした場合の活性化エネルギーを減じたエネルギ
ー以下の仕事関数を持つ材料を使用すれば更に効率よく
電子放出を行わせることができる。不純物としてホウ素
を用いた場合に使用し得る材料としては、周期律表第1
A族〜第7A族、同じく第2B族〜第4B族の元素のう
ち5.0eV以下の仕事関数を持つ材料、周期律表第8
族、第1B族の元素のうちIr,Pt,Au等の元素、
及びランタノイド系の元素、更に種々の金属シリサイ
ド、金属ホウ化物、金属炭化物の一部も使用可能であ
る。また、これら上記の元素及び材料を組合わせた材料
でもよい。
【0042】これらのショットキー電極のうち、タング
ステン、タンタル、モリブデン等の高融点金属や種々の
金属シリサイド、金属ホウ化物、金属炭化物等は、従来
の半導体電子放出素子の表面に形成されているセシウム
等の低仕事関数材料に比べて化学的に安定であり、また
Pd,Pt,Au,Ir,Ag,Cu,Rh等は低抵抗
で、しかもマイグレートしにくいため好適に用いられ、
比較的低い真空度(10-3Torr程度)でも安定して
電子放出が可能である。
【0043】これらの材料の仕事関数は1.5〜5.0
eV程度であり、全てp型半導体層に対して良好なショ
ットキー電極となる。これらのショットキー電極材料は
電子ビーム蒸着等で極めて制御性よく半導体上に堆積す
ることが可能であり、1000Å以下、より好ましくは
500Å以下の厚さに堆積することによりショットキー
接合近傍で発生したホットエレクトロンがエネルギーを
大きく失うことなくショットキー電極を通過することが
でき、安定した電子放出を行うことが可能となる。
【0044】以上述べたショットキー電極を用いること
により、良好なショットキー接合型の半導体電子放出素
子が得られる。
【0045】本発明の素子において、電子なだれ誘起層
上に形成される仕事関数低下材料としては、ダイヤモン
ドのエネルギーバンドギャップの広さ(5.4eV)か
ら不純物元素をドープした場合の活性化エネルギーを減
じたエネルギー以下の仕事関数を持つ材料を使用するの
が望ましい。不純物としてホウ素を用いた場合に使用し
得る材料としては、周期律表第1A族〜第7A族、同じ
く第2B族〜第4B族の元素のうち5.0eV以下の仕
事関数を持つ材料、周期律表第8族、第1B族の元素の
うちIr,Pt,Au等の元素、更に種々の金属シリサ
イド、金属ホウ化物、金属炭化物にも使用可能である。
また、これら上記の元素及び材料を組合せた材料でもよ
い。
【0046】これらの仕事関数低下材料のうち、Au,
Ir,Pd,Pt,Ag,Cu,Rh等の元素は低抵抗
で、しかもマイグレードしにいくため特に好ましい。ま
た、これらの材料は従来の半導体電子放出素子の表面に
形成されているセシウム等の仕事関数低下材料に比べて
化学的に安定であり、比較的低い真空度(10-3Tor
r程度)でも安定して電子放出が可能である。
【0047】これらの材料は、電子ビーム蒸着法等で極
めて制御性よく半導体上に堆積することが可能であり、
100Å以下好ましくは単原子層から数原子層の厚さに
堆積することにより、ホットエレクトロンがエネルギー
を大きく失うことなしに、これらの低仕事関数を持つ材
料を通過することができ、安定した電子放出を行うこと
ができる。
【0048】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。 (実施例1)本実施例は、本発明のpn接合型電子放出
素子を示すものである。
【0049】図1Aは平面図であり、図1BはそのA−
A断面図である。
【0050】図において、101はp+ 型半導体基板で
あり、本実施例ではSi(100)を用いた。102は
p型ダイヤモンド層である。103は絶縁性選択堆積用
マスクであり、ここではSiO2 層を用いた。104は
n型ダイヤモンド層であり、105はオーミックコンタ
クト用チタン(Ti)電極であり、106は絶縁層であ
り、107は引き出し電極である。108は上記Si基
板101の裏面にA1を蒸着したオーミックコンタクト
用電極である。109は電極105と電極108との間
に逆バイアス電圧Vb を印加するための電源であり、1
10は電極105と引き出し電極107との間に引き出
し電圧Vg を印加するための電源である。111は仕事
関係を低くする材料としてのAg(仕事関数:4.26
eV)の層である。
【0051】以上の素子は、次の様な方法により製造し
た。
【0052】(1)p+ 型Si基板101上に、熱フィ
ラメントCVD法により1μm厚のp型ダイヤモンド層
102を形成した。形成条件は、基板温度を1000
℃、圧力を100Torr、ガス流量をH2 :200S
CCM、CH4 :1SCCM、O2 :0.4SCCM、
100ppmB26 (水素希釈):1SCCM、フィ
ラメント温度を2100℃とした。
【0053】(2)次に、フォトリソグラフィーのレジ
ストプロセスにより、所定の位置にSiO2 マスク10
3を形成した。
【0054】(3)次いで、n型ダイヤモンド層104
を熱フィラメントCVD法により形成した。形成条件
は、ガス流量をH2 :200SCCM、CH4 :1SC
CM、O2 :0.4SCCM、100ppmPH3 (水
素希釈):5SCCMとした以外は上記(1)と同様と
した。
【0055】n型ダイヤモンドはSiO2 マスク103
上には析出せず、該マスクの開口部(ダイヤモンド層1
02露出部)にのみ選択的に析出した。
【0056】(4)次に、フォトリソグラフィー技術を
用いてTi電極105、銀層(100Å厚)111、S
iO2 絶縁層106及びポリシリコン引き出し電極10
7を、いずれも所定の形状に形成した。
【0057】以上の様にして製造した半導体電子放出素
子の電極105と108との間に逆バイアス電圧Vb
印加すると、p型ダイヤモンド層102からn型ダイヤ
モンド層104へ電子が注入され、注入電子はn型ダイ
ヤモンド層104及び銀層111を通り抜け、真空領域
にしみ出し、更に引き出し電極107と電極105との
間に引き出し電圧Vg を印加することによって、電子を
素子外部へ放出させることができた。
【0058】なお、この時の放出電流密度は、酸素を添
加せずにダイヤモンド層を形成する以外は、上記半導体
電子放出素子と同様に形成した素子に比べ、15倍と大
幅に増加していた。又、本素子と同条件で形成したダイ
ヤモンド結晶を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、
結晶欠陥密度の測定を行なった所、6×107 個/cm
2 であることが確認された。 (実施例2〜6,比較例1〜2)ダイヤモンド層形成時
の酸素及びメタン量を変化させる以外は、実施例1と同
様にして半導体電子放出素子を作成し、その放出電子量
を測定した。このときの条件及びダイヤモンド層形成時
に酸素を添加しなかった素子の放出電子量との比較及び
同条件で形成したダイヤモンド結晶の欠陥密度を表1に
示す。なお、結晶欠陥密度の測定は実施例1と同様にし
て行なった。
【0059】実施例2〜6において、良好な電子放出効
率が得られることが分かる。
【0060】
【表1】 *ダイヤモンド形成時に酸素無添加の素子(比較例1)
に対する放出効率 (実施例7)本実施例はショットキー接合型電子放出素
子を示すものであり、図3Aは平面図であり図3Bはそ
のA−A断面図である。
【0061】図において、301はp+ 型半導体基板で
あり、本実施例ではSi(100)を用いた。302は
p型ダイヤモンド層である。303は絶縁性選択堆積用
マスクであり、ここではSiO2 層を用いた。304は
+ 型ダイヤモンド層であり、305はショットキー電
極であり、ここではタングステン(仕事関数:4.55
eV)を用いた。306は絶縁層であり、307は引き
出し電極である。308は上記Si基板301の裏面に
A1を蒸着したオーミックコンタクト用電極である。3
09はショットキー電極305と電極308との間に逆
バイアス電圧Vb を印加するための電源であり、310
はショットキー電極305と引き出し電極307との間
に引き出し電圧Vg を印加するための電源である。
【0062】以上の素子は、次の様な方法により製造し
た。 (1)p+ 型Si基板301上に、熱フィラメントCV
D法により1μm厚のp型ダイヤモンド層302を形成
した。形成条件は、基板温度を1000℃、圧力を10
0Torr、ガス流量をH2 :200SCCM、CH
4 :1SCCM、O2 :0.3SCCM、100ppm
26 (水素希釈):1SCCM、フィラメント温度
を2100℃とした。 (2)次に、フォトリソグラフィーのレジストプロセス
により、所定の位置にSiO2 マスク303を形成し
た。 (3)次いで、p+ 型ダイヤモンド層304を熱フィラ
メントCVD法により1000Å厚に形成した。形成条
件は、ガス流量をH2 :200SCCM、CH4:1S
CCM、O2 :0.3SCCM、100ppmB26
(水素希釈):5SCCMとした以外は上記(1)と同
様とした。
【0063】p+ 型ダイヤモンドはSiO2 マスク30
3上には析出せず、該マスクの開口部(ダイヤモンド層
302の露出部)にのみ選択的に析出した。 (4)次に、フォトリソグラフィー技術を用いてタング
ステン電極(100Å厚)305、SiO2 絶縁層30
6及びポリシリコン引き出し電極307を、いずれも所
定の形状に形成した。
【0064】以上の様にして製造した半導体電子放出素
子のショットキー電極305と電極308との間に逆バ
イアス電圧Vb を印加すると、p+ 型ダイヤモンド層3
04とショットキー電極305との界面でアバランシェ
増幅が生じ、生成したホットエレクトロンはショットキ
ー電極305を通り抜け、真空領域にしみ出し、更に引
き出し電極307とショットキー電極305との間に引
き出し電圧Vg を印加することによって、電子を素子外
部へ放出させることができた。
【0065】なお、この時の放出電流密度は、酸素を添
加せずにダイヤモンド層を形成する以外は、上記半導体
電子放出素子と同様に形成した素子に比べ、12倍と大
幅に増加していた。なお、本実施例と同様に形成したダ
イヤモンド結晶を、TEMを用いて結晶欠陥密度の測定
を行なったところ、7.5×107 個/cm2 であるこ
とが分かった。 (実施例8)本実施例は、単一核よりなるダイヤモンド
結晶を選択堆積法を用いて形成したショットキー接合型
電子放出素子を示すものであり、図4にその断面図を示
す。図において、401はp+ 型半導体基板であり、本
実施例ではSi(100)を用いた。402はp型ダイ
ヤモンド層である。403は絶縁性選択堆積用マスクで
あり、ここではSiO2 層を用いた。404はp+ 型ダ
イヤモンド層であり、405はショットキー電極であ
り、ここではタングステン(仕事関数:4.55eV)
を用いた。406は絶縁層であり、407は引き出し電
極である。408は上記Si基板401の裏面にA1を
蒸着したオーミックコンタクト用電極である。409は
ショットキー電極405と電極408との間に逆バイア
ス電圧Vb を印加するための電源であり、410はショ
ットキー電極405と引き出し電極407との間に引き
出し電圧Vg を印加するための電源である。
【0066】以上の素子は、次の様な方法により製造し
た。 (1)p+ 型Si基板401を平均粒径25μmのダイ
ヤモンド粒子を拡散させたアルコール中に入れ、超音波
洗浄器を用いて傷付け処理を行なった。次いでこの基板
上にマスクアライナー(キャノン(株)製:PLA−5
00)を用いて、直径7μmのPMMA系レジストパタ
ーンを形成した。この基板をArイオンビームエッチン
グ装置を用いて1000Åの深さのエッチングを行なっ
た。なおその際のエッチング条件は、加速電圧:1k
V、エッチング時間:10分間であった。次いで硫酸・
過酸化水素水混合液でレジストを除去し、燃焼炎法を用
いてダイヤモンド形成を行なった。なお、この時の条件
はO2 :1.85リットル/min、C22 :2リッ
トル/min、100ppmB26 (水素希釈):5
0SCCM、基板温度750℃、合成時間15分間とし
た。このダイヤモンド形成により約10μmのp型ダイ
ヤモンド粒子402が傷付け処理が残存している部分
(レジストパターン形成部)にのみ選択的に形成され
た。 (2)次にフォトリソグラフィーのレジストプロセスに
より、所定の位置にSiO2 マスク403を形成した。 (3)次いでp+ 型ダイヤモンド層404を熱フィラメ
ントCVD法により1000Å厚に形成した。形成条件
は、ガス流量をH2 :200SCCM、CH4 :1SC
CM、100ppmB25 (水素希釈):5SCCM
とした以外は上記(1)と同様とした。
【0067】p+ 型ダイヤモンド層はSiO2 マスク4
03上には析出せず、該マスクの開口部(ダイヤモンド
層402の露出部)にのみ選択的に析出した。 (4)次に、フォトリソグラフィー技術を用いてタング
ステン電極(100Å厚)405、SiO2 絶縁層40
6及びポリシリコン引き出し電極407を、いずれも所
定の形状に形成した。 以上の様にして製造した半導体電子放出素子のショット
キー電極405と電極408との間に逆バイアスVb
印加すると、p+ 型ダイヤモンド層404とショットキ
ー電極405との界面でアバランシェ増幅が生じ、生成
したホットエレクトロンはショットキー電極405を通
り抜け、真空領域にしみ出し、更に引き出し電極407
とショットキー電極405との間に引き出し電圧Vg
印加することによって、電子を素子外部へ放出させるこ
とができた。
【0068】なお、この時の放出電流密度は、実施例7
に比べて約3倍と増加していた。なお、本実施例と同様
に形成したダイヤモンド結晶をTEMを用いて結晶欠陥
密度の測定を行なったところ、1×107 個/cm2
あることが分かった。 (実施例9)本実施例は図6の有磁場マイクロ波プラズ
マCVD装置を用いてダイヤモンド結晶を形成したショ
ットキー接合型電子放出素子を示すものである。
【0069】図において、601は空洞共振器、602
は電磁石、603はマイクロ波導波管で不図示のマイク
ロ波発振器に接続されている。604は石英ガラス製の
マイクロ波導入窓、605はガス導入口で不図示のガス
ボンベ及びガス流量調整器に接続されている。606は
基体、607は1000℃まで加熱可能なヒーターを内
蔵した基体ホルダー、608は試料室、609は排気口
で、不図示の圧力調整用バルブ及び真空ポンプ(ターボ
分子ポンプ及びロータリーポンプが接続され1×10-7
Torrまで真空引きが可能)が接続されている。
【0070】素子の形成はダイヤモンド層の形成を図6
の有磁場マイクロ波プラズマCVD法で行なう以外は実
施例7と同様にしておこなった。
【0071】このうちp型ダイヤモンド層302は以下
の条件で形成した。原料ガスはO2:90SCCM、C2
2 :100SCCM、100ppmB26 (水素
希釈)10SCCM、それぞれ導入する。圧力は0.1
Torr磁場強度はマイクロ波導入口504付近が20
00Gauss、基板近傍が900Gaussになるよ
うに調整した。基板温度は750℃、マイクロ波出力は
1.0kWとした。
【0072】又、p+ 型ダイヤモンド層304はガス流
量をO2 :90SCCM、C22:100SCCM、
100ppmB26 (水素希釈)50SCCMづつ導
入してp型ダイヤモンド層と同様に形成した(膜厚は1
000Å)。
【0073】以上のように形成した半導体電子放出素子
は、実施例7の素子とほぼ同等の放出電流密度を得るこ
とができた。なお、本実施例と同様に形成したダイヤモ
ンド結晶をTEMを用いて結晶欠陥密度の測定を行なっ
たところ、8×107 個/cm2 であることが分かっ
た。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体電
子放出素子によれば、高品質のダイヤモンド結晶が得ら
れ、高い電子放出特性を得ることができる。
【0075】従って、本発明の半導体電子放出素子によ
れば、信頼性の高いディスプレイ、EB(エレクトロン
ビーム)描画装置、真空管、電子線プリンター、メモリ
ーなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の第1の実施例に係るpn接合型電子
放出素子を示す平面図である。
【図1B】図1AのA−A断面図である。
【図2A】p型ダイヤモンドとn型ダイヤモンドによる
pn接合型の半導体電子放出素子におけるエネルギーバ
ンドの模式図である。
【図2B】ヘテロpn接合型の半導体電子放出素子にお
けるエネルギーバンドの模式図である。
【図3A】本発明の別の実施例に係るショットキー接合
型電子放出素子を示す平面図である。
【図3B】図3AのA−A断面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例に係る選択堆積ダイ
ヤモンドを用いたショットキー接合型電子放出素子の断
面図である。
【図5】ショットキー接合型の半導体電子放出素子にお
けるエネルギーバンドの模式図である。
【図6】実施例9で用いたダイヤモンド形成装置の模式
図である。
【図7A】選択堆積法の模式図である。
【図7B】選択堆積法の模式図である。
【図7C】選択堆積法の模式図である。
【図7D】選択堆積法の模式図である。
【図7E】選択堆積法の模式図である。
【図8】燃焼炎法の模式図である。
【図9】燃焼炎法による核発生密度を表わす特性図であ
る。
【符号の説明】
101 p+ 型半導体基板、 102 p型ダイヤモン
ド層、 103 絶縁性選択堆積用マスク、 104
n型ダイヤモンド層、 105 オーミックコンタクト
用電極、 106 絶縁層、 107 引き出し電極、
108 オーミックコンタクト用電極、 109 電
源、 110 電源、 111 仕事関数低下材料層、
301 p+ 型半導体基板、 302 p型ダイヤモン
ド層、 303 絶縁性選択堆積用マスク、 304
+ 型ダイヤモンド層、 305 ショットキー電極、
306 絶縁層、307 引き出し電極、 308
オーミックコンタクト用電極、 309 電源、 31
0 電源、401 p+ 型半導体基板、 402 p型
ダイヤモンド層、 403 絶縁性選択堆積用マスク、
404 p+型ダイヤモンド層、 405 ショット
キー電極、 406 絶縁層、 407 引き出し電
極、 408 オーミックコンタクト用電極、 40
9 電源、 410 電源、601 空洞共振器、 6
02 電磁石、 603 マイクロ波導波管、 604
マイクロ波導入窓、 605 ガス導入口、 606
基体、 607基体ホルダー、 608 試料室、
609 排気口、701 基体、 702 レジスト、
703 ダイヤモンド結晶、801 バーナー、80
2 基体、 803 内炎、 804 外炎、 805
基板ホルダー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−140332(JP,A) 特開 平3−46729(JP,A) 特許2728225(JP,B2) 特許2728226(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/30 - 1/316 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド半導体層を用いた半導体電
    子放出素子において、前記ダイヤモンド半導体層の結晶
    欠陥密度を108 個/cm2 以下とすることを特徴とす
    る半導体電子放出素子。
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