JPH06179067A - 差圧鋳造方法及び差圧鋳造装置 - Google Patents

差圧鋳造方法及び差圧鋳造装置

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JPH06179067A
JPH06179067A JP5022088A JP2208893A JPH06179067A JP H06179067 A JPH06179067 A JP H06179067A JP 5022088 A JP5022088 A JP 5022088A JP 2208893 A JP2208893 A JP 2208893A JP H06179067 A JPH06179067 A JP H06179067A
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D18/00Pressure casting; Vacuum casting
    • B22D18/04Low pressure casting, i.e. making use of pressures up to a few bars to fill the mould

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑形状の鋳物を製造する場合や難鋳造材料
を用いる場合であっても鋳造条件を安定化して非金属介
在物の少ない鋳物を得る差圧鋳造方法を提供する。 【構成】 両容器は鋳造開始からT1後にP1まで加圧
され保持炉側の圧力を一定に保ったまま鋳型側の圧力が
P2まで減圧され溶湯の鋳型内への充填が行われ、溶湯
のキャビティ内への充填を確認したT2から鋳型側圧力
容器内の圧力をP2として一定に保持すると同時に保持
炉側圧力を徐々にP3まで高めることにより差圧が増大
せしめられ、押湯効果により結晶周囲に溶湯を補給す
る。次いで保持炉側圧力を所定の圧力P3まで昇圧した
後両容器内の差圧を一定に保持し、T4経過後に保持炉
側圧力P3を鋳型側圧力P2と同等となるまで降下して
T5で差圧を解消しT5後から容器内のガスを大気中に
放出し大気圧に戻して鋳造を完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてアルミニウム
合金、マグネシウム合金、チタン合金等の金属を鋳造す
る方法に関するものであり、特に気密性を有する圧力容
器内に溶湯の入った炉および鋳型をそれぞれ設置し、そ
の圧力容器に大気圧以上の気体を充填して、鋳型側より
炉側の圧力容器内の圧力を相対的に高めることにより溶
湯の型への充填をおこなう差圧鋳造方法およびその装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶湯の凝固収縮に起因するピンホールや
引け巣(ポロシティ)等の鋳造欠陥は凝固過程で発生す
るデンドライトの樹間で水素ガス気泡として生成し、溶
湯の凝固進行とともに成長する。
【0003】これらの鋳造欠陥の核となる水素ガス気泡
は液体状態の溶湯に作用する圧力容器内の雰囲気圧力が
溶湯中の水素ガス分圧より低い場合に生成し、液相率の
減少とともに水素ガス分圧は急激に増大する。
【0004】したがって鋳造欠陥の核の形成を防止する
ためには溶湯が凝固する前の段階から溶湯に水素分圧よ
りも高い雰囲気圧力を作用させておくことが有効とな
る。かかる観点から気密性を有する圧力容器に鋳型と炉
を設置して、圧力容器内の圧力を大気圧以上に昇圧して
鋳造する方法が1960年代にブルガリアで発明され、
Counter Pressure Casting(差圧鋳造法)として広く知
られている。
【0005】この差圧鋳造法は図18に圧力制御パター
ンとして示されるように、大気圧から設定圧P1まで、
鋳型側と保持炉側の圧力容器の圧力が同一になるように
加圧され、次ぎに保持炉側の圧力を一定に保ったまま鋳
型側の圧力が減圧される。次いで溶湯がキャビティ内に
充填した時点T2からT3まで鋳型側圧力容器内及び保
持炉側圧力容器内の圧力が一定に保持される。その後、
T3から鋳型側圧力が保持炉側圧力まで増加されT4で
差圧が解消されて溶湯が保持炉に戻される。さらにT4
から排気工程に移り圧力容器内のガスが大気中に放出さ
れT5で1サイクルの鋳造が完了する。
【0006】またかかる差圧鋳造法に関し、特開平1−
186259号および特開平1−278949号には、
差圧を昇圧、保持圧力の0.5〜30%にすることを特
徴とする鋳造方法や圧力容器内の圧力を3〜7kgf/
cm2 に昇圧、保持した後に差圧を保持圧力の3〜30
%にすることを特徴とする鋳造方法、さらに圧力容器内
の圧力を7〜30kgf/cm2 に昇圧、保持した後に
差圧を保持圧力の0.5〜10%にすることを特徴とす
る鋳造方法が開示され、また、特開平2−187247
号には大気圧を基準にして両圧力容器の設定圧力までの
加圧、保持、差圧発生と保持、大気圧までの減圧の圧力
制御を行うことを特徴とする鋳造方法が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし以上の従来の差
圧鋳造法は以下の問題を有していた。例えば図18に示
される従来の差圧鋳造法の圧力制御パターンは、炉側容
器及び鋳型側容器を予めP1まで昇圧し、その後鋳型側
をP2まで減圧して差圧を発生させ、その後両容器を大
気圧まで減圧するものであり、その鋳造過程における両
容器内の最高圧はP1となる。言い換えれば、鋳型側容
器と炉側容器との間に差圧を発生させ、鋳型への溶湯充
填を開始するT1までに両容器内の圧力は最高圧力P1
まで加圧され、その後に差圧が形成されて、鋳型への溶
湯の充填が行われる。
【0008】しかし、このように鋳型への溶湯充填を開
始するまでに両容器内の圧力を最高圧力まで加圧する場
合には、両容器内を加圧して鋳型内への溶湯の充填を開
始するまでの時間T1が長くなり差圧鋳造法を工業的生
産過程に適用する場合には生産性を低下する原因となる
という問題がある。
【0009】また生産性の向上を図るために両容器内を
加圧して鋳型内へ溶湯を充填するまでの時間T1の短縮
を図る場合には、両容器内へ高速で気流を吹き込まなけ
ればならず、そのように高速で気流が吹き込まれる場合
には炉側容器内の炉内溶湯が気流により攪拌されて、溶
湯金属の酸化物が生じ、かかる酸化物が得られる鋳物に
非金属介在物として混入することから、製造される鋳物
の特性が悪化するという問題がある。すなわちかかる非
金属介在物が鋳物製品の外観不良、強度不足等の原因と
なるという問題があった。
【0010】さらに以上の従来の差圧鋳造法はいずれに
しても鋳型側減圧方式または炉側増圧方式の一方により
溶湯を鋳型に鋳込む方法であり、加えて型側と炉側の差
圧に着目すると、その差圧は単純な1次曲線を形成して
増加するものであった。
【0011】しかし、この方法では溶湯が鋳型内に鋳込
まれた後の差圧速度増加がないので不均一な凝固が進行
し保持炉側からの押し湯効果が期待できなくなり、その
結果として鋳造欠陥が残留して、製品の外観不良、強度
不足等の原因となる。
【0012】このような事情は特に複雑形状の薄肉ある
いは厚肉鋳物を製造するときや、難鋳造材料を用いる場
合に顕著となり、かかる場合製品中の鋳造欠陥を完全に
排除することは困難となるという問題があった。
【0013】さらに図18に示される従来の差圧鋳造方
法では溶湯を鋳型内に充填し、凝固させた後は保持炉側
圧力容器内および鋳型側容器内の圧縮空気を排気管から
全量大気中に放出し、放出後の溶湯表面は炉内および給
湯管内において同一レベルに位置する。したがって保持
炉内の溶湯は鋳造サイクル毎に図19の従来の鋳造装置
に示すx間、すなわち炉内溶湯表面位置と鋳型内の最も
高い位置の間を上下し、図18に示されるようにその鋳
造サイクルタイムTは鋳造時間Tcと鋳造品取出時間T
dとの和として規定される。
【0014】また溶湯表面が鋳造サイクル毎にこの様に
上下する場合、上記鋳造作業の進行に伴なって、炉内の
溶湯の表面は次第に下降し、図19に示す距離x、すな
わち炉内溶湯表面位置と鋳型内の最も高い位置との距離
が次第に大となり、鋳造初期と終期においては、当初の
炉内溶湯高さと鋳造終了時の炉内溶湯高さとの間にyな
る差が生ずる。このように鋳造初期と終期において炉内
溶湯高さが変化する場合、鋳型への溶湯の充填圧力や充
填所要時間、さらには溶湯の温度に相違が生じ、鋳造品
の品質に大なる影響を及ぼし、製品の品質にバラツキが
生じるという問題がある。
【0015】さらに溶湯が給湯管5内を上下する結果、
炉3内の溶湯に乱流が誘発され、ガス巻込その他の不都
合を生ずるという問題もあり、この問題に対する対策と
して鋳造作業の進行にともなってその都度加圧圧力を調
整することは煩雑であり工業的な生産過程においては極
めて困難である。
【0016】本発明は以上の従来技術における問題に鑑
みてなされたものであって、工業的生産過程に適用する
場合の鋳造サイクルタイムを短縮して生産性を向上し、
同時に複雑形状の薄肉あるいは厚肉鋳物を製造する場合
や難鋳造材料を用いる場合であっても鋳造条件を安定化
して鋳造欠陥特には非金属介在物の少ない鋳物を得るこ
とができる差圧鋳造方法及び差圧鋳造装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は本発明の前
記課題を解決する技術的手段を種々検討した結果、鋳型
への溶湯充填を開始するまでの両容器内の圧力は低圧と
し、溶湯の充填開始後の差圧の増加保持過程で両容器内
を最高圧力まで加圧するようにすれば、鋳造サイクルタ
イムを短縮することができると同時に、製品鋳物中に非
金属介在物が混入することを防止できることを見出し、
さらに本発明者等は以上の場合に、大気圧より若干大な
る圧力を炉側圧力容器内に常時印加し、それにより給湯
管内の溶湯表面を給湯管と鋳型との接続部より僅かに下
方に位置するようにすれば、鋳造サイクルタイムの短縮
や製品鋳物中への非金属介在物の混入防止をより効果的
に図ることができることを見出し、本発明を創出するに
至った。
【0018】すなわち本発明の差圧鋳造方法は、内部に
鋳型を設けた鋳型側圧力容器と内部に溶湯の入った炉を
設けた保持炉側圧力容器を溶湯通路を設けて連通し、 両容器内最高圧力より低圧状態で保持炉側圧力を鋳
型側圧力より高めることにより溶湯を鋳型へ充填する
「溶湯充填工程」と、 保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内とを増圧す
る「容器内増圧工程」と、 保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内との両圧力
容器内の差圧を所定圧力に保持する「差圧保持工程」
と、 両圧力容器の差圧を解消する「差圧解消工程」と、 両圧力容器を所定気圧まで減圧する「減圧工程」
と、からなることを特徴とする。
【0019】以上の差圧鋳造方法において、前記保持炉
側圧力容器内に大気圧より若干大なる圧力を常時印加
し、それにより溶湯表面を前記溶湯通路と鋳型との接続
部より僅かに下方に位置せしめる様にするのが好まし
い。その場合炉側圧力容器内に常時印加される圧力は
溶湯の性状、装置の特性その他に基づき随時変更する
ことができ前記図19に示される落差zすなわち、給湯
管5内の溶湯表面と炉3内の残存溶湯表面との落差に応
じて炉側圧力容器2内の溶湯に印加すべき圧力が決定さ
れ、かかる圧力を鋳造作業の進行と共に逐次累進して増
加させることによって、給湯管5内の溶湯の自由表面の
高さを一定に保つことができる。
【0020】以上の本発明の差圧鋳造方法において、容
器内最高圧力は溶湯の組成、製品鋳物の用途、製品鋳物
の形状等の諸条件により設定され、1サイクルの鋳造過
程における炉側容器および/または鋳型側容器内の絶対
圧の大気圧を基準とした最高値として規定される。
【0021】かかる鋳型への溶湯の充填開始時の容器内
圧力は好ましくは容器内最高圧力の50%以下にするの
が良く、さらに好ましくは容器内最高圧力の10〜30
%にするのが良い。容器内最高圧力の50%を超える場
合には鋳造サイクルタイムを短縮するために容器内に吹
き込む気流の速度を高くする必要が生じその結果として
気流による溶湯の攪拌・酸化により製品鋳物の特性が悪
化する。また容器内最高圧力の10%未満では、鋳物内
部の鋳造欠陥を完全に無くすことができない。一方、容
器内最高圧力の30%を超える場合には、鋳物内部に介
在物を巻き込む場合があり、強度が低下する場合があ
る。
【0022】また本発明の差圧鋳造方法の溶湯充填工程
における差圧の発生、増加の態様には次の〜の態様
が有り、目的とする鋳物の種類、すなわちその用途、材
質、形状等に応じてそれらを適宜に組み合わせて実施す
ることができる。 炉側昇圧 鋳型側定圧 炉側昇圧 鋳型側昇圧 炉側昇圧 鋳型側降圧 炉側定圧 鋳型側降圧 炉側降圧 鋳型側降圧
【0023】以上の各態様において溶湯充填工程を炉側
圧力容器内を昇圧する工程と鋳型側圧力容器内を昇圧す
る複合工程とし、両容器内の昇圧の程度の差により、相
対的に差圧が発生せしめられるようにする場合には、絶
対圧を増加させることにより組織を緻密化することがで
きると同時に差圧増加速度を高速に変化させることによ
り鋳造欠陥の発生を防止することができる。
【0024】また溶湯充填工程を鋳型側圧力容器内を降
圧する工程とし、吸引力により注湯を行うようにすれ
ば、鋳型内の湯周りを改善することができるという利点
がある。
【0025】さらに以上の各態様のいずれの場合におい
ても前記溶湯充填工程は、第1段階溶湯充填工程とこの
第1段階溶湯充填工程よりも差圧増加の程度の大きい第
2段階溶湯充填工程とよりなる様にすることができる。
このようにすることにより、溶湯の凝固の進行に伴いよ
り高い差圧が必要となることに対応してより高い差圧を
印加することができるだけでなく、第1段溶湯充填工程
から第2段溶湯充填工程への差圧変化点における衝撃に
より、押湯が有効に働き、欠陥のない健全な鋳物ができ
る。同時に凝固核の発生を促し、より一層組織を緻密化
することができる。
【0026】前記第1段階溶湯充填工程から第2段階溶
湯充填工程への差圧変化点は鋳型内への溶湯の充填完了
時として設定することもできる。このようにすることに
より、鋳型への注湯過程および注湯完了後の凝固過程の
夫々の過程につき必要とされる差圧を効率よく効果的に
印加することができる。かかる溶湯の充填完了時を知る
ための手段としては、例えば鋳型キャビティ表面に設け
た複数の熱電対の温度変化を検知する等の手段を用いる
ことができる。
【0027】また、この場合に第1段階溶湯充填工程と
第2段階溶湯充填工程夫々についての差圧の発生、増加
の態様には次の〜の態様が有り、目的とする鋳物の
種類、すなわちその用途、材質、形状等に応じてそれら
を適宜に組み合わせて実施することができる。 炉側昇圧 鋳型側定圧 炉側昇圧 鋳型側昇圧 炉側昇圧 鋳型側降圧 炉側定圧 鋳型側降圧 炉側降圧 鋳型側降圧
【0028】前記溶湯充填工程における保持炉側圧力容
器と鋳型側圧力容器との差圧は、圧力−時間曲線におい
て非線形曲線となる様にすることができる。このように
時間の経過と特に比例関係とはせず、容器内の昇圧状態
に応じて容器内圧力を適正に増加するように制御するこ
とによって、容器内に吹き込まれる気流により、炉側容
器内に収納された溶湯炉内の溶湯が影響を受ける度合い
を最小限に制限することができると共に鋳造サイクルタ
イムをさらに短縮することが可能となり、得られる鋳物
の種類、すなわち用途、形状等に応じて必要な品位を達
成することができる。
【0029】さらに前記差圧保持工程は炉側圧力容器内
と鋳型側圧力容器内の各々を差圧を一定にして昇圧する
工程とすることができ、さらには炉側圧力容器内と鋳型
側圧力容器内の各々を差圧を一定にして昇圧する第1段
差圧保持工程と、その第1段差圧保持工程に引き続き前
記炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内の各々を一定圧に
保持する第2段差圧保持工程とよりなる様にすることが
できる。このように両容器の差圧を一定に保持する過程
でも両容器の昇圧を継続するようにすることにより、得
られる鋳物の特性の向上、特に結晶粒を微細化して靱性
を大きくすることができるという利点がある。
【0030】以上の本発明の差圧鋳造方法によれば、例
えば自動車用アルミニウムホイールではその薄肉部分に
ついては鋳造後極めて良好な特性を得ることができる。
しかし、厚肉部分や複雑形状の薄肉部分については鋳造
欠陥の集中が生じる場合がある。かかる鋳造欠陥の集中
が生じたアルミニウムホイールに実際に自動車タイヤ等
を装着した場合には、かかる鋳造欠陥からの空気漏れが
発生し、したがって製品検査においてかかる欠陥品を取
り除く必要があり、その結果として歩留や製造効率が悪
化し生産性が悪化するという問題が生じる。
【0031】そこで本発明者らはかかる点に関してさら
に研究を進め、鋳造欠陥の集中が生じるのは、鋳造当初
において保持炉側容器内圧力と鋳型側容器内圧力とに高
い加圧力を印加することに起因することを見出し、かか
る知見に基づいて厚肉部分や複雑形状の薄肉部分におけ
る鋳造欠陥の集中を防止するための対策に成功した。
【0032】すなわち、本発明の差圧鋳造方法では、溶
湯充填工程終了後容器内増圧工程を開始する前に、前記
鋳型側圧力容器内を所定時間低圧に保持する様にするの
が好ましい。
【0033】この鋳型側圧力容器内を所定時間低圧に保
持する低圧保持工程における低圧とは大気圧より0〜3
kg/cm2高い圧力とし、またその低圧保持時間は目的と
する鋳物の所定部位の凝固が完了する時間として設定す
ることができる。それにより所定部位における鋳造欠陥
の集中が防止され、目的とする鋳物の強度を効率よく向
上することができる。
【0034】また本発明の差圧鋳造方法では、前記溶湯
充填工程における溶湯充填が完了した後に前記保持炉側
圧力容器内と前記鋳型側圧力容器内とを所定時間所定圧
に保持する様にするのがよい。この保持炉側圧力容器内
と前記鋳型側圧力容器内とを所定時間所定圧に保持する
所定圧保持工程における所定圧保持時間は目的とする鋳
物の所定部位の凝固が完了する時間として設定すること
ができる。
【0035】以上のようにすることによって本発明の差
圧鋳造方法によれば複雑形状の特に厚肉鋳物を製造する
場合にも鋳造欠陥の局部的な集中の無い鋳物を得ること
ができる。
【0036】したがってここにいう所定部位とは目的と
する鋳物を実際に使用する際に特に強度が求められる部
位として設定することができ、あるいは経験的に鋳造欠
陥の集中が認められ、かかる鋳造欠陥の集中によって不
具合の発生が認められる部位として設定することができ
る。
【0037】また本発明の差圧鋳造装置は、内部に鋳型
を設けた鋳型側圧力容器と内部に溶湯の入った炉を設け
た炉側圧力容器と、炉の内部と鋳型の内部とを連通する
給湯管と、炉側及び鋳型側圧力容器内を各々独立に大気
圧以上に加圧する加圧手段とを有してなる差圧鋳造装置
において、炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内との間に
差圧を発生させる溶湯充填工程が開始される時点の鋳型
側圧力容器内及び炉側圧力容器内の圧力を容器内最高圧
力よりも低圧に制御する圧力制御手段を有することを特
徴とする。
【0038】さらに本発明の差圧鋳造装置は、内部に鋳
型を設けた鋳型側圧力容器と内部に溶湯の入った炉を設
けた炉側圧力容器と、炉の内部と鋳型の内部とを連通す
る給湯管と、炉側及び鋳型側圧力容器内を各々独立に大
気圧以上に加圧する加圧手段とを有してなる差圧鋳造装
置において、鋳型内への溶湯の充填検知手段を備え、前
記加圧手段と前記充填検知手段とを連係させて、鋳型側
圧力容器と炉側圧力容器との間の差圧増加速度を変化さ
せて制御する圧力制御手段を有することを特徴とする。
【0039】加えて本発明の差圧鋳造装置は、内部に鋳
型を設けた鋳型側圧力容器と内部に溶湯の入った炉を設
けた炉側圧力容器と、炉の内部と鋳型の内部とを連通す
る給湯管と、炉側及び鋳型側圧力容器内を各々独立に大
気圧以上に加圧する加圧手段とを有してなる差圧鋳造装
置において、大気圧より若干大なる圧力を炉側圧力容器
内に常時印加すると共に鋳型への注湯が開始される時点
の鋳型側圧力容器内及び炉側圧力容器内の圧力を容器内
最高圧力よりも低圧に制御する圧力制御手段を有するこ
とを特徴とする。
【0040】前記圧力制御手段は前記溶湯充填工程が開
始される時点の鋳型側圧力容器内及び炉側圧力容器内の
圧力を容器内最高圧力の50%以下に制御するべく設定
される様にするのが好ましい。
【0041】加えて前記圧力制御手段を、溶湯の鋳型へ
の充填時に前記鋳型側圧力容器内をほぼ大気圧と同一と
して前記保持炉側圧力容器内を増圧すると共に、該増圧
工程後に前記保持炉側圧力容器内と前記鋳型側圧力容器
内とを所定時間定圧に保持するべく設定することによっ
て、厚肉部への鋳造欠陥の集中を防止することができ
る。
【0042】さらに前記圧力制御手段を、溶湯の鋳型へ
の充填後前記保持炉側圧力容器内と前記鋳型側圧力容器
内とを同時に増圧する前に、前記鋳型側圧力容器内を所
定時間低圧に保持するべく設定することによっても、厚
肉部への鋳造欠陥の集中を防止することができる。
【0043】次に以上に説明した本発明の差圧鋳造方法
及び差圧鋳造装置について、図面に基づきさらに具体的
に説明する。図1は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンの一例を示
し、図2は図1の圧力制御パターンにより生じる鋳型側
圧力容器内と炉側圧力容器内との差圧パターンを示す。
図1において、実線は炉側圧力容器内の圧力パターン
を、点線は鋳型側圧力容器内の圧力パターンを示す。こ
の例では両容器は鋳造開始からT1後にP1まで加圧さ
れ、次に保持炉側の圧力を一定に保ったまま鋳型側の圧
力がP2まで減圧され、それにより溶湯の鋳型内への充
填が行われる。
【0044】次に溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点をT2として、T2から鋳型側圧力容器内の圧力
をP2として一定に保持すると同時に、保持炉側圧力を
徐々にP3まで高めることにより、差圧が増大せしめら
れ、押湯効果を大きくすることにより、凝固中に発生す
る結晶周囲に溶湯を補給し得られる鋳物の欠陥発生が防
止される。
【0045】次いで保持炉側圧力を所定の圧力P3まで
昇圧した後、T3〜T4間は両容器内を一定圧に保持
し、もって両容器内の差圧を一定に保持する。さらにT
4経過後に保持炉側圧力P3を鋳型側圧力P2と同等と
なるまで降下してT5時点で差圧を解消して溶湯を保持
炉に戻すと共に、T5後から排気工程に移り圧力容器内
のガスを大気中に放出し大気圧P0に戻して1サイクル
の鋳造を完了する。
【0046】以上の圧力制御パターンでは図1に示され
るように、注湯開始までの両容器内の圧力はP1であ
り、これは炉側容器内の最大圧力P3よりも低い圧力と
される。このように注湯開始までの両容器内の圧力を炉
側容器内の最大圧力よりも低圧にすることにより、鋳造
サイクルタイムを短縮すると共に炉側容器内の昇圧過程
における炉内溶湯の酸化を防止して、良好な鋳物を得る
ことができる。
【0047】また以上の圧力制御パターンでは図2に示
されるように差圧増加速度(ΔP/ΔT)はT1〜T2
間よりもT2〜T3間が大きく設定される。また以上の
過程において1サイクル運転の開始から完了まで、常時
圧力容器内の圧力と差圧は監視され、測定された差圧や
圧力が設定値を超えて大きくなったときには排気弁を開
放して容器内からの排気を行うために、測定値は常時圧
力制御装置にフィードバックされ、容器内圧力は常に圧
力設定値に維持される。
【0048】図3は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンの他の例を
示す。この例では両容器は鋳造開始からT1後にP1ま
で加圧され、次に保持炉側の圧力を一定に保ったまま鋳
型側の圧力が減圧され、それにより溶湯の鋳型内への充
填が行われる。すなわち保持炉内の溶湯は給湯管内を上
昇し鋳型内に鋳込まれ、鋳型に流入した溶湯は鋳型への
放熱により冷却され、湯口から離れた位置から凝固を開
始し、凝固部分は時間とともに湯口に向かって進行す
る。
【0049】次に溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点をT2として、T2からT3にかけてさらに急速
に鋳型側圧力容器内の圧力が減圧され、次いで鋳型側圧
力を所定の圧力まで減圧した後、T3〜T4間は両容器
内を同時に同じ速度で昇圧し、もって両容器内の差圧を
一定に保持する。次ぎにT4経過時点で両容器内を一定
圧に保持してその差圧も一定圧に保持する。さらにT5
経過後に保持炉側圧力を鋳型側圧力と同等となるまで降
下してT6時点で差圧を解消して溶湯を保持炉に戻し、
T7後から排気工程に移り圧力容器内のガスを大気中に
放出し大気圧に戻して1サイクルの鋳造を完了する。
【0050】以上の圧力制御パターンにおいて、注湯開
始までの両容器内の圧力はP1であり、これは炉側容器
内の最大圧力Pf−max(P5)の30%程度の大き
さに該当する。このように注湯開始までの両容器内の圧
力を炉側容器内の最大圧力の30%にすることにより、
鋳造サイクルタイムを短縮すると共に炉側容器内の昇圧
過程における炉内溶湯の酸化を防止して、良好な鋳物を
得ることができる。かかる鋳造圧力制御パターンは特に
Al−Si−Mg系組成の溶湯を用いてアルミニウムホ
イールなどの強度部品を鋳造する場合に適する。
【0051】また以上の圧力制御パターンにおいて、注
湯開始までの両容器内の圧力P1を炉側容器内の最大圧
力Pf−max(P5)の20%程度の大きさ設定する
場合には、かかる鋳造圧力制御パターンは特にAl−M
g組成の溶湯を用いて耐食性部品を鋳造する場合に適す
る。
【0052】図4は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンの別の例を
示す。この例では両容器は鋳造開始からT1後にP1ま
で加圧され、次に保持炉側の圧力を一定に保ったまま鋳
型側の圧力が減圧される。それにより保持炉内の溶湯は
給湯管内を上昇し鋳型内に鋳込まれ、鋳型に流入した溶
湯は鋳型への放熱により冷却され凝固を開始する。
【0053】次に溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点をT2として、T2からT3にかけて両容器内を
昇圧し、その昇圧の程度の差により差圧が増大せしめら
れる。次いで両容器内圧力を所定の圧力まで昇圧した
後、T3〜T4間は両容器内を一定圧に保持してその差
圧を一定に保持する。次にT4経過後に保持炉側圧力を
鋳型側圧力と同等となるまで降下してT5時点で差圧を
解消し溶湯を保持炉に戻し、T6後から排気工程に移り
圧力容器内のガスを大気中に放出し大気圧に戻して1サ
イクルの鋳造を完了する。
【0054】以上の圧力制御パターンにおいて、注湯開
始までの両容器内の圧力はP1であり、これは炉側容器
内の最大圧力Pf−max(P4)の30%程度の大き
さに該当する。かかる鋳造圧力制御パターンは特にAl
−Si−Cu系組成の溶湯を用いてエンジンブロックな
どの複雑形状部品を鋳造する場合に適する。
【0055】図5は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンのさらに別
の例を示す。この例では両容器は鋳造開始からT1後に
P1まで加圧され、次に両容器内の昇圧速度を低めると
共に両容器内の昇圧の程度の差により両容器内に相対的
に差圧が発生せしめられる。それにより保持炉内の溶湯
は給湯管内を上昇し鋳型内に鋳込まれる。
【0056】次に鋳型側圧力容器内および炉側圧力容器
内をそれぞれP2、P3まで加圧して溶湯のキャビティ
内への充填を確認した時点をT2として、T2からT3
にかけて両容器内を急速に昇圧し、その昇圧の程度の差
によりさらに差圧が増大せしめられ、次いで両容器内圧
力をそれぞれP4、P5まで昇圧した後、T3〜T4間
は両容器内を一定圧に保持してその差圧を一定に保持す
る。次にT4経過後に保持炉側圧力を鋳型側圧力と同等
となるまで降下してT5時点で差圧を解消し溶湯を保持
炉に戻し、T6後から排気工程に移り圧力容器内のガス
を大気中に放出し大気圧に戻して1サイクルの鋳造を完
了する。
【0057】以上の圧力制御パターンにおいて、注湯開
始までの両容器内の圧力はP1であり、これは炉側容器
内の最大圧力Pf−max(P5)の30%程度の大き
さに該当する。かかる鋳造圧力制御パターンは特にAl
−Cu系組成の溶湯を用いて厚肉部品を鋳造する場合に
適する。
【0058】図6は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンのまた別の
例を示す。この例では両容器は鋳造開始からT1後にP
1まで加圧され、次に保持炉側の圧力を一定に保ったま
ま鋳型側の圧力が減圧され、それにより溶湯の鋳型内へ
の充填が行われる。次に鋳型側をP2まで減圧したT2
からT3にかけてさらに急速に鋳型側圧力容器内の圧力
がP3まで減圧される。
【0059】次いで鋳型側圧力を所定の圧力まで減圧し
た後、T3〜T4間は両容器内を同時に同じ速度で昇圧
し、もって両容器内の差圧を一定に保持する。次ぎにT
4経過時点で保持炉側圧力を鋳型側圧力と同等となるま
で降下してT5時点で差圧を解消して溶湯を保持炉に戻
し、さらにそのまま両容器内を所定圧まで減圧して、T
6後からその所定圧において両容器内圧力を一定に保持
する。さらにT7後から排気工程に移り圧力容器内のガ
スを大気中に放出し大気圧に戻してT8において1サイ
クルの鋳造を完了する。
【0060】以上の圧力制御パターンにおいて、注湯開
始までの両容器内の圧力はP1であり、これは炉側容器
内の最大圧力Pf−max(P6)の20%程度の大き
さに該当する。かかる鋳造圧力制御パターンは特にAl
−Cu−Mg系の組成の溶湯を用いて大型強度部品を鋳
造する場合に適する。
【0061】さらに以上の圧力制御パターンでは、炉側
容器内の最高圧力はPf−max(P6)、鋳型側容器
内の最高圧力はPm−max(P5)程度に達し、これ
らは他の制御パターンの最高圧より高い圧力に設定され
そのように溶湯の凝固過程において高い圧力を印加する
ことにより、鋳物の結晶粒を微細化して靱性を高めるこ
とができると共に、鋳造サイクルタイムを短縮すること
が可能となる
【0062】図7は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンの一例を示
す。この例では保持炉側圧力容器には常時大気圧以上の
所定の圧力が印加され、それによって溶湯の自由表面は
常時給湯管の鋳型湯口近傍に位置する様にされる。鋳造
にあたっては保持炉側圧力容器は鋳型側が昇圧されると
同時に鋳型側と同一の昇圧速度で昇圧されて鋳造開始か
らT1後にP1まで加圧され、次に保持炉側の圧力を一
定に保ったまま鋳型側の圧力が減圧される。それにより
溶湯は鋳型内に流入し、鋳型に流入した溶湯は鋳型への
放熱により冷却され、凝固が進行する。
【0063】次に溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点をT2として、T2からT3にかけてさらに急速
に鋳型側圧力容器内の圧力が減圧され、次いで鋳型側圧
力を所定の圧力まで減圧した後、T3〜T4間は両圧力
容器内を同時に同じ速度で昇圧し、もって両圧力容器内
の差圧を一定に保持する。次ぎにT4経過時点で両圧力
容器内を一定圧に保持してその差圧も一定圧に保持す
る。さらにT5経過後に保持炉側圧力を鋳型側圧力より
も例えば0.15kgf/cm2高圧となる圧力まで降下
して0.15kgf/cm2の差圧を形成して溶湯自由表
面が給湯管中の鋳型湯口近傍に位置するように溶湯を戻
し、T6後から減圧工程に移り保持炉側圧力は前記大気
圧以上の所定の圧力まで減圧し、鋳型側圧力容器内は大
気圧にする。
【0064】以上の圧力制御パターンでは注湯開始まで
の保持炉側圧力容器内の圧力はP1であり、これは保持
炉側圧力容器内の最大圧力Pf−max(P5)の15
〜40%、特には27%程度の大きさに該当する。かか
る鋳造圧力制御パターンは特にAl−Si−Mg系組成
の溶湯を用いてアルミニウムホイールを鋳造する場合に
適する。
【0065】また以上の圧力制御パターンにおいて、注
湯開始までの保持炉側圧力容器内の圧力P1を保持炉側
圧力容器内の最大圧力Pf−max(P5)の5〜25
%、特には15%程度の大きさに設定するようにすれ
ば、かかる圧力制御パターンは特にAl−Mg系組成の
溶湯を用いて耐食性部品を鋳造する場合に適する。
【0066】図8は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンの別の例を
示す。この例では常時大気圧以上の所定の圧力が印加さ
れる保持炉側圧力容器は、鋳型側が昇圧されると同時に
鋳型側と同一の昇圧速度で昇圧されて鋳造開始からT1
後にP1まで加圧され、次に保持炉側の圧力を一定に保
ったまま鋳型側の圧力が減圧される。それにより給湯管
の鋳型湯口近傍位置に自由表面が位置する溶湯は溶湯は
鋳型内に流入し、鋳型に流入した溶湯は鋳型への放熱に
より冷却され凝固を開始する。
【0067】次に溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点をT2として、T2からT3にかけて両圧力容器
内を昇圧し、その昇圧の程度の差により急速に差圧が増
大せしめられる。次いで両圧力容器内圧力を所定の圧力
まで昇圧した後、T3〜T4間は両圧力容器内を一定圧
に保持してその差圧を一定に保持する。次にT4経過後
に保持炉側圧力を鋳型側圧力よりも0.15kgf/c
2高圧となる圧力まで降下して0.15kgf/cm2
の差圧を形成して溶湯自由表面が給湯管中の鋳型湯口近
傍に位置するように溶湯を戻し、T6後から減圧工程に
移り保持炉側圧力は前記大気圧以上の所定の圧力まで減
圧し、鋳型側圧力容器内は大気圧にする。
【0068】以上の圧力制御パターンでは注湯開始まで
の保持炉側圧力容器内の圧力はP1であり、これは保持
炉側圧力容器内の最大圧力Pf−max(P4)の5〜
25%程度、特には15%程度の大きさに該当する。か
かる鋳造圧力制御パターンは特にAl−Si−Cu系組
成の溶湯を用いてエンジンブロックを鋳造する場合に適
する。
【0069】図9は本発明の方法による鋳型側圧力容器
内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンのさらに別
の例を示す。この例では常時大気圧以上の所定の圧力が
印加される保持炉側圧力容器は、鋳型側が昇圧されると
同時に鋳型側と同一の昇圧速度で昇圧されて鋳造開始か
らT1後にP1まで加圧され、次に両圧力容器内の昇圧
速度を低めると共に両圧力容器内の昇圧の程度の差によ
り両圧力容器内に相対的に差圧が発生せしめられる。そ
れにより給湯管中の鋳型湯口近傍位置に自由表面が位置
する溶湯は溶湯は鋳型内に流入する。
【0070】次に溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点をT2として、T2からT3にかけて両圧力容器
内を急速に昇圧し、その昇圧の程度の差により急速に差
圧が増大せしめられ、次いで両圧力容器内圧力を所定の
圧力まで昇圧した後、T3〜T4間は両圧力容器内を一
定圧に保持してその差圧を一定に保持する。次にT4経
過後に保持炉側圧力を鋳型側圧力よりも0.15kgf
/cm2高圧となる圧力まで降下して0.15kgf/
cm2の差圧を形成して溶湯自由表面が給湯管中の鋳型
湯口近傍に位置するように溶湯を戻し、T5後から減圧
工程に移り保持炉側圧力は前記大気圧以上の所定の圧力
まで減圧し、鋳型側圧力容器内は大気圧にする。
【0071】以上の圧力制御パターンにおいて、注湯開
始までの保持炉側圧力容器内の圧力はP1であり、これ
は保持炉側圧力容器内の最大圧力Pf−max(P4)
の5〜25%、特には17%程度の大きさに該当する。
かかる鋳造圧力制御パターンは特にAl−Cu系組成の
溶湯を用いて厚肉部品を鋳造する場合に適する。
【0072】図10は本発明の方法による鋳型側圧力容
器内および炉側圧力容器内の圧力制御パターンのまた別
の例を示す。この例では常時大気圧以上の所定の圧力が
印加される保持炉側圧力容器は、鋳型側が昇圧されると
同時に鋳型側と同一の昇圧速度で昇圧されて鋳造開始か
らT1後にP1まで加圧され、次に保持炉側の圧力を一
定に保ったまま鋳型側の圧力が減圧される。それにより
給湯管の鋳型湯口近傍位置に自由表面が位置する溶湯は
溶湯は鋳型内に流入する。次にT2からT3にかけてさ
らに急速に鋳型側圧力容器内の圧力が減圧される。
【0073】次いで鋳型側圧力を所定の圧力まで減圧し
た後、T3〜T4間は両圧力容器内を同時に同じ速度で
昇圧し、もって両圧力容器内の差圧を一定に保持する。
次ぎにT4経過時点で保持炉側圧力及び鋳型側圧力を差
圧を一定に保持して降下し、所定圧において鋳型側の減
圧は停止し、一方保持炉側圧力容器内はそのまま減圧を
継続して、T6で鋳型側圧力との間に0.15kgf/
cm2の差圧を形成して溶湯自由表面が給湯管中の鋳型
湯口近傍に位置するように溶湯を戻し、T6後からその
所定圧において両圧力容器内圧力を一定に保持する。さ
らにT7後から減圧工程に移り保持炉側圧力は前記大気
圧以上の所定の圧力まで減圧し、鋳型側圧力容器内は大
気圧にする。
【0074】以上の圧力制御パターンにおいて、注湯開
始までの保持炉側圧力容器内の圧力はP1であり、これ
は保持炉側圧力容器内の最大圧力Pf−max(P3)
の5〜25%、特には15%程度の大きさに該当する。
かかる鋳造圧力制御パターンは特にAl−Cu−Mg系
組成の溶湯を用いて強度部品を鋳造する場合に適する。
【0075】さらに以上の圧力制御パターンでは、保持
炉側圧力容器内の最高圧力はPf−max(P3)、鋳
型側容器内の最高圧力はPm−max(P2)に達し、
そのように溶湯の凝固過程において高い圧力を印加する
ことにより、鋳物の結晶粒を微細化して靱性を高めるこ
とができると共に、鋳造サイクルタイムを短縮すること
が可能となる
【0076】図11は本発明の方法による鋳型側圧力容
器内および保持炉側圧力容器内の圧力制御パターンの他
の例を示す。この例では常時大気圧以上の所定の圧力が
印加される保持炉側圧力容器は、T1の時点で加圧が開
始されてP1まで加圧され、それにより給湯管の鋳型湯
口近傍位置に自由表面が位置する溶湯は鋳型内に流入
し、鋳型に流入した溶湯は鋳型への放熱により冷却さ
れ、湯口から最も離れた位置から凝固を開始し、凝固部
分は時間とともに湯口に向かって進行する。その状態す
なわち保持炉側圧力がP1に達し、溶湯のキャビティ内
への充填を確認した時点T2で保持炉側の圧力を一定に
保ち溶湯に対する一定圧の加圧をT3まで保持する。
【0077】次いでT3〜T4間は保持炉側圧力容器及
び鋳型側圧力容器の両圧力容器内を同時に同じ速度で昇
圧し、もって両圧力容器内間に一定の差圧が生じるよう
に保持する。次ぎにT4経過時点で両圧力容器内を一定
圧に保持してその差圧も一定圧に保持する。さらにT5
経過後に保持炉側圧力を鋳型側圧力よりも所定に高圧と
なる圧力まで降下して所定の差圧を形成した状態で溶湯
自由表面が給湯管中の鋳型湯口近傍に位置するように溶
湯を戻し、T6後から減圧工程に移り保持炉側圧力は前
記大気圧以上の所定の圧力まで減圧し、鋳型側圧力容器
内は大気圧にする。
【0078】図12は本発明の方法による鋳型側圧力容
器内および保持炉側圧力容器内の圧力制御パターンの他
の例を示す。この例では常時大気圧以上の所定の圧力が
印加される保持炉側圧力容器は、鋳型側が昇圧されると
同時に鋳型側と同一の昇圧速度で昇圧されて鋳造開始か
らT1後にP1まで加圧され、次にT1からT2にかけ
て保持炉側の圧力を一定に保ったまま鋳型側の圧力が減
圧される。それにより給湯管中の鋳型湯口近傍位置に自
由表面が位置する溶湯は溶湯は鋳型内に流入し、鋳型に
流入した溶湯は鋳型への放熱により冷却され、湯口から
最も離れた位置から凝固を開始し、凝固部分は時間とと
もに湯口に向かって進行する。
【0079】T2からT3にかけてさらに急速に鋳型側
圧力容器内の圧力が減圧され、次いで鋳型側圧力を所定
の圧力まで減圧した状態、すなわち保持炉側圧力がP1
を維持し、溶湯のキャビティ内への充填を確認した時点
T3で鋳型側の圧力を低圧0〜3kg/cm2一定に保ち溶
湯に対する一定圧の加圧をT4まで保持する。
【0080】次いでT4〜T5間は両圧力容器内を同時
に同じ速度で昇圧し、もって両圧力容器内の差圧を一定
に保持する。次ぎにT5経過時点で両圧力容器内を一定
圧に保持してその差圧も一定圧に保持する。さらにT6
経過後に保持炉側圧力を鋳型側圧力よりも所定に高圧と
なる圧力まで降下して所定の差圧を形成して溶湯自由表
面が給湯管中の鋳型湯口近傍に位置するように溶湯を戻
し、T7後から減圧工程に移り保持炉側圧力は前記大気
圧以上の所定の圧力まで減圧し、鋳型側圧力容器内は大
気圧にする。
【0081】以上の図11及び図12に示す方法によれ
ば鋳型への注湯後の保持炉側容器内と鋳型側容器内の昇
圧は鋳造する鋳物製品における局部的に鋳造欠陥が集中
し易い部分が凝固した後に行われるので、そのような部
分、例えば薄肉部分が凝固した後に昇圧することによっ
てその薄肉部分に鋳造欠陥が集中するようなことを防止
することができ、欠陥の無い健全な鋳物を得ることがで
きる。
【0082】以上の図7〜図12に示す圧力制御パター
ンによる差圧鋳造方法では、何れも、減圧工程では炉側
圧力容器内の圧力は大気圧まで下降させず、溶湯の自由
表面が給湯管内の鋳型湯口に近い位置に留まるように、
炉側圧力容器内には常時大気圧より若干大なる圧力が印
加され、その状態で1サイクルの鋳造を完了する。
【0083】以上の図7〜図12に示す圧力制御パター
ンによる差圧鋳造方法では、何れも、鋳造サイクルタイ
ムTpは鋳造時間Taと鋳造品取出時間Tbとの和とし
て決定される。鋳造時間Taは炉側容器内が常時大気圧
以上に保持されるため、図18に示す従来の鋳造時間T
cよりも短く、その結果この図7〜図12に示す圧力制
御パターンによる本発明の差圧鋳造方法によれば鋳造サ
イクルタイムTpは図18に示す従来の鋳造サイクルタ
イムTmよりも短縮されることとなる。
【0084】
【作用】次に以上の本発明の差圧鋳造方法による鋳造過
程における作用を説明する。まず鋳型側と炉側圧力容器
内を連通し両圧力容器内を所定の圧力に昇圧することに
より溶湯中の水素ガスの核生成を制御し、次に各々の圧
力容器の連通弁を閉じて分離し、鋳型側圧力容器の圧力
を保持炉側圧力よりも相対的に徐々に低くすることによ
り両圧力容器間に差圧を発生させると共にその差圧を徐
々に増加し、その差圧に起因する吸引力により鋳型内に
溶湯を供給する。このように鋳型側に発生する吸引力に
より鋳型内に注湯するようにすることにより、溶湯の鋳
型内への湯周りが著しく改善される。また保持炉側圧力
容器の内圧を相対的に高めることにより、高い押し湯効
果を得ることができ、凝固時の鋳造欠陥の発生を防止し
健全な鋳物を得ることができる。
【0085】以上において、保持炉側容器及び鋳型側容
器の両圧力容器内に鋳造過程で必要となる絶対圧力は鋳
型内への溶湯充填後の過程において増加させることと
し、鋳型内への溶湯充填開始時の容器内圧力は容器内最
高圧力との関係において低圧に設定するようにすれば、
鋳型への溶湯の充填開始時までの容器内加圧時間を短縮
して鋳造サイクルタイムを短縮することができると共に
鋳型内への溶湯充填開始に至るまでに保持炉側圧力容器
内に吹き込む気流の速度及びガス量を小さくすることが
でき、保持炉側圧力容器内に吹き込まれる気流による炉
内溶湯の攪拌・酸化等の悪影響を防止することができ
る。
【0086】その後鋳型内に充満した溶湯は鋳型近傍か
ら凝固を開始し、鋳型近傍に外郭が形成される。そのよ
うに外郭が一端形成されると溶湯への吸引力の作用は低
下し、溶湯の鋳型内への湯周りが悪化する。そこで、鋳
型内への注湯完了と同時に鋳型側圧力容器の圧力をさら
に高速で減圧するようにすれば、鋳型側容器内の圧力と
保持炉側圧力との間の差圧増加速度が大きくなることに
より、溶湯への吸引力の作用を維持し、溶湯の鋳型内へ
の湯周りを完全にする。
【0087】同様に鋳型内に溶湯が充満した後保持炉側
圧力容器の内圧を相対的に高めるようにすれば、高い押
し湯効果を得ることができ、凝固時の鋳造欠陥の発生を
防止し健全な鋳物を得ることができる。さらに以上にお
いて鋳型キャビティ内の溶湯が凝固した後も炉側圧力容
器内の圧力を大気圧まで下降させず、大気圧より若干大
なる加圧に保持するようにすれば、溶湯の自由表面は給
湯管内の鋳型湯口に近い位置に留まる。その結果溶湯が
保持炉内と鋳型との間を往復することによる時間のロス
を無くすことができ、本発明の鋳造方法における鋳造時
間は従来方法の鋳造時間よりも短縮され、大幅な鋳造サ
イクルの短縮が可能となる。
【0088】加えて溶湯が給湯管内を長距離に渡って上
下しない結果として、鋳型から保持炉に溶湯を戻すこと
による保持炉内溶湯の攪拌はなくなり、また炉内溶湯表
面の高さが変化することによる鋳造条件の変化も生じな
くなる。
【0089】また、本発明の差圧鋳造方法によれば鋳型
内に溶湯充填後、保持炉側圧力容器内圧力を所定時間所
定圧に保持して高い押し湯効果を得ることができ、特に
厚肉部分の凝固時の鋳造欠陥の発生を防止して健全な鋳
物を得ることができる。
【0090】その場合所定圧として一定範囲の低圧を選
択することによっても同様にすることができ、鋳型への
注湯後、保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内の昇圧
を鋳造する鋳物製品における鋳造欠陥が集中し易い部分
が凝固した後に行われる様にすることにより、例えば複
雑形状の薄肉部分に特に鋳造欠陥が集中するようなこと
はなくなり、健全な鋳物を得ることができる。
【0091】
【実施例】次に本発明の差圧鋳造装置の実施例を図面に
基づき説明する。図13は本発明の実施例の差圧鋳造装
置を示し、鋳型側圧力容器1内には鋳型4が設置され保
持炉側圧力容器2内には保持炉3が設置される。保持炉
3内の溶湯は圧力容器1及び2の間の差圧により、保持
炉3と連通する給湯管5を介して鋳型4に鋳込まれる。
鋳型4には鋳物の表面温度を測定するために複数の熱電
対6が設置され、かかる熱電対6による測定値は圧力制
御装置7に入力される。この鋳型4内に設置される熱電
対6の数及び位置は目的とする鋳物の種類、すなわちそ
の形状や大きさにより決定される。通常は湯口を含む鋳
型の垂直断面において、湯口と鋳物の湯口からの最遠端
までの距離に応じて一定間隔にて熱電対6が配置され
る。
【0092】鋳型4側及び保持炉3側にはそれぞれ加圧
手段8,9が設けられる。前記加圧手段8、9に対して
は圧力制御装置7から制御信号が出力され、この加圧手
段8,9を介して加圧ガス源10からの加圧ガスが鋳型
側圧力容器1及び保持炉側圧力容器2に供給され、鋳型
側圧力容器1及び保持炉側圧力容器2の圧力は各々独立
に制御される。
【0093】一方、排気手段11,12も圧力制御装置
7からの信号により個別に若しくは連動して開閉動作
し、各容器内からのガスの排出を行う。
【0094】以上において、前記圧力制御装置7には予
め以下の〜をそれぞれ個別に又は一部若しくは全部
を組み合わせて同時に実行するプログラムが設定されて
いる。 鋳型への注湯が開始される時点の鋳型側圧力容器内
及び炉側圧力容器内の圧力を両圧力容器内の絶対圧の最
大値の50%以下とする。 鋳型4内への注湯完了と同時に鋳型側圧力容器1内
及び保持炉側圧力容器2内の間の差圧をさらに高速で増
加する。 大気圧より若干大なる圧力を炉側圧力容器内に常時
印加可能とする。 保持炉側圧力容器2内と鋳型側圧力容器1内との間
に差圧を発生させる溶湯充填工程を開始する前に、鋳型
側圧力容器1を大気圧に保って保持炉側圧力容器2のみ
加圧して鋳型に溶湯を充填する。
【0095】以下に本発明の差圧鋳造方法を図13に示
す差圧鋳造装置を用いて実施した実施例を比較例と対比
して説明する。なお、以下の各実施例では1サイクルの
鋳造の開始から完了までにわたって、常時圧力容器内の
圧力と差圧を監視し、差圧や圧力が設定値を超えて大き
くなったときには前記排気手段11.12を開放して排
気すると共に、測定値を前記圧力制御装置7にフィード
バックし、圧力設定値を維持した。
【0096】実施例1 前記図1及び図2に示す圧力制御パターンによりアルミ
ニウム合金鋳物を6kgf/cm2まで加圧して鋳造し
た。鋳造にあたっては、大気圧から設定圧まで加圧する
工程では、前記圧力制御装置7に予め設定したプログラ
ムに従って加圧手段8,9に電気信号を与え、鋳型側と
保持炉側の圧力容器の圧力が常に同一になるように加圧
した。次ぎに溶湯を鋳型内に鋳込む工程では、鋳造開始
からT1後に5kgf/cm2までの加圧を完了し、加
圧手段8,9により保持炉3側の圧力を一定に保ったま
ま鋳型4側の圧力をゆっくりと減圧した。次いで鋳型キ
ャビティ上部に設置した熱電対6により溶湯のキャビテ
ィ内の充填を確認した時点をT2とし、T2からT3に
かけて鋳型側圧力容器内の圧力を一定に保持すると同時
に、保持炉側圧力を徐々に高め、保持炉側圧力を所定の
圧力まで昇圧した後、T4後に保持炉側圧力を鋳型側圧
力と同等となるまで降下してT5時点で差圧を解消して
溶湯を保持炉に戻し、T5後から排気工程に移り両圧力
容器内のガスを大気中に放出し大気圧に戻して1サイク
ルの鋳造を完了した。以上により得られた鋳物の各種特
性を評価した結果を表1に示す。
【0097】比較例1 図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンにより他
は実施例1と同様にして鋳物を製造した。得られた鋳物
の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0098】実施例2−1 前記図3に示す圧力制御パターンによりP1をP5の3
0%(1.8kgf/cm2)としてAl−Si−Mg
系組成のアルミニウム合金溶湯でアルミニウムホイール
を6kgf/cm2まで加圧して鋳造した。以上により
得られた鋳物の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0099】実施例2−2 前記図3に示す圧力制御パターンでP1をP5の20%
として成分がAl−Mg系組成のアルミニウム合金溶湯
で耐食性部品を鋳造した。得られた鋳物の各種特性を評
価した結果を表1に示す。
【0100】実施例2−3 前記図4に示す圧力制御パターンで成分がAl−Si−
Cu系組成のアルミニウム合金溶湯で自動車用エンジン
ブロックを鋳造した。得られた鋳物の各種特性を評価し
た結果を表1に示す。
【0101】実施例2−4 前記図5に示す圧力制御パターンで成分がAl−Cu系
組成のアルミニウム合金溶湯で自動車用厚肉部品を鋳造
した。得られた鋳物の各種特性を評価した結果を表1に
示す。
【0102】実施例2−5 前記図6に示す圧力制御パターンで成分がAl−Cu−
Mg系組成のアルミニウム合金溶湯で自動車用大型強度
部品を鋳造した。得られた鋳物の各種特性を評価した結
果を表1に示す。
【0103】比較例2−1 図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンにより他
は実施例2−1と同様にして鋳物を製造した。得られた
鋳物の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0104】比較例2−2 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例2−2と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0105】比較例2−3 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例2−3と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0106】比較例2−4 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例2−4と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0107】比較例2−5 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例2−5と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表1に示す。
【0108】
【表1】 鋳造条件 溶湯組成 加圧パターン JIS Si Fe Cu Mn Mg Ti Al 注湯時/最大時 実施例 1 AC4CH 7.0 0.1 - - 0.3 0.1 残部 80% 実施例 2- 1 AC4CH 7.0 0.1 - - 0.3 0.1 残部 30% 2- 2 AC7A - 0.1 - 0.1 5.0 - 残部 20% 2- 3 AC4B 8.0 0.3 3.0 0.2 0.2 0.1 残部 30% 2- 4 AC1B - 0.1 4.0 - 0.2 0.1 残部 30% 2- 5 2014 0.7 0.2 4.5 1.0 0.5 0.1 残部 20% 比較例 1 AC4CH 7.0 0.1 - - 0.3 0.1 残部 100%比較例 2- 1 AC4CH 7.0 0.1 - - 0.3 0.1 残部 100% 2- 2 AC7A - 0.1 - 0.1 5.0 - 残部 100% 2- 3 AC4B 8.0 0.3 3.0 0.2 0.2 0.1 残部 100% 2- 4 AC1B - 0.1 4.0 - 0.2 0.1 残部 100% 2- 5 2014 0.7 0.2 4.5 1.0 0.5 0.1 残部 100%
【0109】(表1つづき) 鋳造品特性(T4またはT6処理後) 引張強さ 耐力 伸び 硬さ 鋳造品 (MPa) (MPa) (%) (HB) 実施例 1 300 230 12 80 アルミニウムホイー ル実施例2-1 300 250 15 80 アルミニウムホイ ール 2-2 300 200 20 60 耐食性部品 2-3 300 250 4 90 エンジンブロック 2-4 420 380 10 100 自動車厚肉部品 2-5 350 300 15 90 大型強度部品 比較例 1 280 220 10 80 アルミニウムホイー ル比較例2-1 280 250 10 80 アルミニウムホイ ール 2-2 270 200 10 50 耐食性部品 2-3 260 250 2 90 エンジンブロック 2-4 380 350 7 100 自動車厚肉部品 2-5 300 250 10 90 大型強度部品
【0110】表1に示されるように、本発明の各実施例
の各製品は比較例の各製品に対して何れも優れた特性を
示し、特に引っ張り強さ及び伸びにおいて際だって良好
な特性を有することがわかる。
【0111】実施例3−1 前記図7に示す圧力制御パターンによりP1をP4の2
7%に設定してAl−Si−Mg系組成のアルミニウム
合金溶湯でアルミホイールを6kgf/cm2まで加圧
して鋳造した。鋳造にあたっては、T5経過した時点で
保持炉側圧力を鋳型側圧力よりも0.15kgf/cm
2高圧となる圧力まで降下して0.15kgf/cm2
差圧を形成して溶湯自由表面が給湯管中の鋳型湯口近傍
に位置するように溶湯を戻し、T6後から減圧工程に移
り両圧力容器内のガスを大気中に放出した。その際炉側
圧力容器内の圧力は大気圧まで下降させず、大気圧より
若干大なる圧力0.15kgf/cm2に常時保持した。
以上により得られた鋳物の各種特性を評価した結果を表
2に示す。
【0112】実施例3−2 前記図7に示すパターンでP1をP5の15%に設定し
てAl−Mg系組成のアルミニウム合金溶湯で耐食性を
要求される装飾用部品を鋳造した。得られた鋳物の各種
特性を評価した結果を表2に示す。
【0113】実施例3−3 前記図8に示すパターンでAl−Si−Cu系組成のア
ルミニウム合金溶湯で自動車エンジンブロックを鋳造し
た。得られた鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示
す。
【0114】実施例3−4 前記図9に示すパターンでAl−Cu系組成のアルミニ
ウム合金溶湯で自動車用厚肉部品を鋳造した。得られた
鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0115】実施例3−5 前記図10に示すパターンでAl−Cu−Mg系組成の
アルミニウム金溶湯で大型強度部品を鋳造した。得られ
た鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0116】比較例3−1 図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンにより他
は実施例3−1と同様にして鋳物を製造した。得られた
鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0117】比較例3−2 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例3−2と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0118】比較例3−3 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例3−3と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0119】比較例3−4 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例3−4と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0120】比較例3−5 同じく図18に示す従来の差圧鋳造圧力制御パターンに
より他は実施例3−5と同様にして鋳物を製造した。得
られた鋳物の各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0121】
【表2】 鋳造条件 溶湯組成 加圧パターン JIS Si Fe Cu Mn Mg Ti Al 注湯時/最大時 実施例 3- 1 AC4CH 7.0 0.1 - - 0.3 0.1 残部 27% 3- 2 AC7A - 0.1 - 0.1 5.0 - 残部 15% 3- 3 AC4B 8.0 0.3 3.0 0.2 0.2 0.1 残部 15% 3- 4 AC1B - 0.1 4.0 - 0.2 0.1 残部 17% 3- 5 2014 0.7 0.2 4.5 1.0 0.5 0.1 残部 15%比較例 3- 1 AC4CH 7.0 0.1 - - 0.3 0.1 残部 100% 3- 2 AC7A - 0.1 - 0.1 5.0 - 残部 100% 3- 3 AC4B 8.0 0.3 3.0 0.2 0.2 0.1 残部 100% 3- 4 AC1B - 0.1 4.0 - 0.2 0.1 残部 100% 3- 5 2014 0.7 0.2 4.5 1.0 0.5 0.1 残部 100%
【0122】(表2つづき) 鋳造品特性(T4またはT6処理後) 引張強さ 耐力 伸び 硬さ 鋳造品 (MPa) (MPa) (%) (HB)実施例 3-1 300 250 15 80 アルミニウムホイー ル 3-2 300 200 20 60 耐食性部品 3-3 300 250 4 90 エンジンブロック 3-4 420 380 10 100 自動車厚肉部品 3-5 350 300 15 90 大型強度部品 比較例 3-1 280 250 10 80 アルミニウムホイー ル 3-2 270 200 10 50 耐食性部品 3-3 260 250 2 90 エンジンブロック 3-4 380 350 7 100 自動車厚肉部品 3-5 300 250 10 90 大型強度部品
【0123】表2に示されるように、本発明の各実施例
の各製品は比較例の各製品に対して何れも優れた特性を
示し、特に引っ張り強さ及び伸びにおいて際だって良好
な特性を有することがわかる。
【0124】実施例4 前記図11に示す圧力制御パターンにより図13に示す
差圧鋳造装置を用いて図14に示すアルミニウムホイー
ルを6kgf/cm2まで加圧して鋳造した。鋳造にあ
たっては、前記圧力制御装置7に予め設定したプログラ
ムに従って加圧手段8,9に電気信号が与えられ、鋳型
側と保持炉側の圧力容器の差圧が常に一定になり、炉内
溶湯の自由表面が給湯管5内の鋳型湯口近傍に常時位置
するように加圧した。
【0125】また図14に示すアルミニウム鋳物製品の
位置S1、S3、S4、D1、D3に対応する鋳型4の
各位置に熱電対6を配置し、その測定温度が前記圧力制
御装置7に入力されるようにし、そのS1、S3、S
4、D1、D3の各位置に配置された熱電対からの測定
温度情報に基づき、圧力制御装置7に予め設定されたプ
ログラムに従って加圧手段8,9に電気信号が与えら
れ、鋳型側と保持炉側の圧力容器内の圧力が設定される
様にした。
【0126】さらに詳細には、図15に示されるように
溶湯を鋳型内に鋳込む工程では、鋳型側容器1内を大気
圧に保ち、保持炉側容器2内のみを加圧手段9によりP
1(1.5kgf/cm2)まで加圧し、次いで鋳型キャ
ビティの各位置S1、S3、S4、D1、D3に設置し
た熱電対6により溶湯のキャビティ内への充填を確認し
た時点T2からT3にかけて保持炉側容器2内の圧力を
一定に保った。次ぎに図に示されるように鋳型キャビテ
ィの位置S3に配置された熱電対6の測定温度が下降を
開始するT3から保持炉側圧力容器2内及び鋳型側圧力
容器1内の昇圧を同時に開始し、その昇圧の過程で保持
炉側圧力容器2内及び鋳型側圧力容器1内間に1.5k
gf/cm2の差圧が存在する状態を保持した。
【0127】次いでT4の時点で保持炉側圧力容器2内
及び鋳型側圧力容器1内の昇圧を同時に停止し、両容器
内を一定圧に保持して、さらに所定時間保持炉側圧力容
器2内及び鋳型側圧力容器1内間に1.5kgf/cm2
の差圧が存在する状態を保持した。その後T5経過後に
保持炉側圧力を鋳型側圧力よりも0.15kgf/cm2
高圧となる圧力まで降下して0.15kgf/cm2の差
圧を形成して溶湯自由表面が給湯管中の鋳型湯口近傍に
位置するように溶湯を戻し、T6後から排気工程に移り
両圧力容器内のガスを大気中に放出した。その際保持炉
側圧力容器2内の圧力は大気圧まで下降させず、大気圧
より若干大なる圧力0.15kgf/cm2に常時保持し
た。得られたアルミニウム鋳物製品の、薄肉部分断面写
真を図16に示す。
【0128】比較例4 図3に示す圧力制御パターンにより他は実施例4と同様
にして鋳物を製造した。得られたアルミニウム鋳物製品
の薄肉部分断面写真を図17に示す。
【0129】図17に示されるように比較例の断面写真
では鋳造欠陥の集中が認められるのに対し、図16に示
す実施例の断面写真ではそのような鋳造欠陥の集中は認
められず、比較例の鋳物よりもより健全であることがわ
かる。
【0130】以上の本発明の実施例4の差圧鋳造方法に
よれば、圧力制御手段が、溶湯の鋳型への充填後に保持
炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内とを同時に増圧する
増圧工程を開始する前に、前記鋳型側圧力容器内を所定
時間低圧または所定圧に保持するべく設定されることに
より、鋳造当初に凝固が完了する薄肉部への鋳造欠陥の
集中のない健全な鋳物を得ることができる。また鋳型へ
の注湯後薄肉部分の凝固後には保持炉側と鋳型側に差圧
が形成されるので、特に厚肉部分では鋳造欠陥の少ない
健全な鋳物を得ることができる。
【0131】したがってこの実施例4の差圧鋳造方法に
よれば、複雑形状の薄肉あるいは厚肉鋳物を製造する場
合や難鋳造材料を用いる場合であっても鋳造欠陥特には
非金属介在物が少なく、鋳造欠陥が部分的に集中するこ
とのない鋳物を得ることができる。
【0132】
【発明の効果】以上のように本発明の差圧鋳造方法及び
差圧鋳造装置によれば、炉側圧力容器内と鋳型側圧力容
器内との間に差圧を発生させる溶湯充填工程が開始され
る時点の鋳型側圧力容器内及び炉側圧力容器内の圧力
を、容器内最高圧力よりも低圧に制御する圧力制御手段
を設けて、鋳型内への溶湯充填開始時の容器内圧力を低
圧に制御するようにしたことにより、以下の効果が奏さ
れる。 差圧鋳造法を工業的生産過程に適用する場合の鋳造
サイクルタイムを短縮して生産性を向上することができ
る。 複雑形状の薄肉あるいは厚肉鋳物を製造する場合や
難鋳造材料を用いる場合であっても鋳造欠陥特には非金
属介在物の少ない鋳物を得ることができる。 また本発明の差圧鋳造方法及び差圧鋳造装置によれば、
炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内とに差圧を発生させ
る溶湯充填工程の差圧増加速度が変化せしめられるよう
にしたことにより、複雑形状の薄肉あるいは厚肉鋳物を
製造する場合や難鋳造材料を用いる場合でも鋳造欠陥の
少ない鋳物を得ることができるという優れた効果が奏さ
れる。さらに本発明の差圧鋳造方法及び差圧鋳造装置に
よれば、炉側圧力容器内に常時大気圧以上の圧力を印加
し、給湯管内の溶湯表面を鋳型との接続部付近に位置さ
せるよう制御する圧力制御手段を設けて差圧鋳造を行う
ようにしたことにより、次のような優れた効果が奏され
る。 (1) 溶湯表面と鋳型との距離が短縮されることか
ら、鋳造サイクルを大幅に短縮することができ生産性を
向上させることができる。 (2) 溶湯表面と鋳型との距離が常に一定であるため
鋳造条件が常に均一であり鋳造品の品質が向上し、品質
にバラツキがなくなる。 (3) 炉側圧力容器内の圧力開放後も給湯管内の溶湯
が鋳型との接続部近傍に留まることから溶湯が逆流する
ことによる炉内の溶湯攪乱が発生せず、溶湯中へのガ
ス、酸化物等の巻込がない。 (4) 鋳型キャビティ内への鋳込速度を低速化するこ
とができ、鋳込み時の乱流発生による鋳造欠陥を防止で
きる。 (5) 鋳型の湯口近傍が常に溶湯によって加熱される
ため加圧力の開放時における所謂湯切れが良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの一例
を示す図である。
【図2】 図1に示す圧力制御パターンにより生じる
差圧パターンを示す図である。
【図3】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの他の
例を示す図である。
【図4】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンのさら
に他の例を示す図である。
【図5】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの別の
例を示す図である。
【図6】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンのさら
に別の例を示す図である。
【図7】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの別例
を示す図である。
【図8】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの他の
例を示す図である。
【図9】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンのさら
に他の例を示す図である。
【図10】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容
器内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの別
の例を示す図である。
【図11】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容
器内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンのま
た他の例を示す図である。
【図12】 本発明の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容
器内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンのま
た別の例を示す図である。
【図13】 本発明の実施例の差圧鋳造装置を示す説
明図である。
【図14】 本発明の差圧鋳造方法を実施して製造さ
れる鋳物製品を示す斜視図である。
【図15】 本発明の一実施例の差圧鋳造方法の保持
炉側圧力容器内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パ
ターンを鋳型内溶湯の温度変化との関係において示す図
である。
【図16】 本発明の実施例により得られた鋳物製品
の切断面金属組織写真(倍率100倍)である。
【図17】 本発明の実施例に対する比較例の差圧鋳
造方法により得られた鋳物製品の切断面金属組織写真
(倍率100倍)である。
【図18】 従来の差圧鋳造方法の保持炉側圧力容器
内部及び鋳型側圧力容器内部の圧力制御パターンの例を
示す図である。
【図19】 従来の加圧鋳造装置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・・鋳型側圧力容器、2・・・炉側圧力容器、3・
・・保持炉、4・・・鋳型、5・・・給湯管、6・・・
熱電対、7・・・圧力制御装置、8・・・加圧手段、9
・・・加圧手段、10・・・加圧ガス源、11・・・排
気手段、12・・・排気手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−301874 (32)優先日 平4(1992)10月14日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−301875 (32)優先日 平4(1992)10月14日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に鋳型を設けた鋳型側圧力容器と内
    部に溶湯の入った炉を設けた保持炉側圧力容器を溶湯通
    路を設けて連通し、 両容器内最高圧力より低圧状態で保持炉側圧力を鋳
    型側圧力より高めることにより溶湯を鋳型へ充填する
    「溶湯充填工程」と、 保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内とを増圧す
    る「容器内増圧工程」と、 保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内との両圧力
    容器内の差圧を所定圧力に保持する「差圧保持工程」
    と、 両圧力容器の差圧を解消する「差圧解消工程」と、 両圧力容器を所定気圧まで減圧する「減圧工程」
    と、からなることを特徴とする差圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した差圧鋳造方法におい
    て、前記保持炉側圧力容器内に大気圧より若干大なる圧
    力を常時印加し、それにより溶湯表面を前記溶湯通路と
    鋳型との接続部より僅かに下方に位置せしめることを特
    徴とする差圧鋳造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載した差圧鋳
    造方法において、前記溶湯充填工程が炉側圧力容器内を
    昇圧する工程であることを特徴とする差圧鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載した差圧鋳
    造方法において、前記溶湯充填工程が鋳型側圧力容器内
    をほぼ大気圧と同一として保持炉側圧力容器内を増圧す
    る工程であることを特徴とする差圧鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載した差圧鋳
    造方法において、前記溶湯充填工程が鋳型側圧力容器内
    を降圧する工程であることを特徴とする差圧鋳造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2に記載した差圧鋳
    造方法において、前記溶湯充填工程が以下の〜の操
    作のいずれか1若しくは2以上を組み合わせた複合工程
    であり、 炉側昇圧 鋳型側定圧 炉側昇圧 鋳型側昇圧 炉側昇圧 鋳型側降圧 炉側定圧 鋳型側降圧 炉側降圧 鋳型側降圧 両容器内の昇圧若しくは減圧の程度の差により両容器間
    に相対的に差圧が発生せしめられる工程である差圧鋳造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一に記
    載した差圧鋳造方法において、前記溶湯充填工程が、前
    記保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内との両圧力容
    器内間に差圧を発生・増加させる第1段階差圧増加工程
    とこの第1段階差圧増加工程よりも差圧増加の程度の大
    きい第2段階差圧増加工程とよりなることを特徴とする
    差圧鋳造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に記
    載した差圧鋳造方法において、前記溶湯充填工程におけ
    る前記保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内との両圧
    力容器内間の差圧が圧力−時間曲線において非線形曲線
    となることを特徴とする差圧鋳造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか一に記
    載した差圧鋳造方法において、前記溶湯充填工程が開始
    される時点の鋳型側圧力容器内及び炉側圧力容器内の圧
    力が容器内最高圧力の50%以下に設定されることを特
    徴とする差圧鋳造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一に
    記載した差圧鋳造方法において、溶湯充填工程終了後容
    器内増圧工程を開始する前に、前記鋳型側圧力容器内を
    所定時間大気圧あるいは3kg/cm2以下の低圧に保持する
    ことを特徴とする差圧鋳造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項9のいずれか一に
    記載した差圧鋳造方法において、前記溶湯充填工程にお
    ける溶湯充填が完了した後に前記保持炉側圧力容器内と
    前記鋳型側圧力容器内とを鋳物の所定部位の凝固が終了
    するまでの所定時間所定圧に保持する所定圧保持工程が
    行われることを特徴とする差圧鋳造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
    に記載した差圧鋳造方法において、前記容器内増圧工程
    における前記保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内と
    の両圧力容器内間の差圧が一定に保持されることを特徴
    とする差圧鋳造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項11のいずれか一
    に記載した差圧鋳造方法において、前記容器内増圧工程
    における前記保持炉側圧力容器内と鋳型側圧力容器内と
    の両圧力容器内間の差圧が増加傾向に変化せしめられる
    ことを特徴とする差圧鋳造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項13のいずれか一
    に記載した差圧鋳造方法において、前記差圧保持工程に
    おける両圧力容器内の差圧を変化させることを特徴とす
    る差圧鋳造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項13のいずれか一
    に記載した差圧鋳造方法において、前記差圧保持工程に
    おける両圧力容器内の差圧を目的とする鋳物の所定部位
    の状態に応じて変化させることを特徴とする差圧鋳造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項15のいずれか一
    に記載した差圧鋳造方法において、前記差圧保持工程に
    おける両圧力容器内の差圧を0.5〜5kgf/cm2とする
    ことを特徴とする差圧鋳造方法。
  17. 【請求項17】 内部に鋳型を設けた鋳型側圧力容器と
    内部に溶湯の入った炉を設けた炉側圧力容器と、炉の内
    部と鋳型の内部とを連通する給湯管と、炉側及び鋳型側
    圧力容器内を各々独立に大気圧以上に加圧する加圧手段
    とを有してなる差圧鋳造装置において、炉側圧力容器内
    と鋳型側圧力容器内との間に差圧を発生させて溶湯を鋳
    型に充填する溶湯充填工程が開始される時点の鋳型側圧
    力容器内及び炉側圧力容器内の圧力を容器内最高圧力よ
    りも低圧に制御する圧力制御手段を有することを特徴と
    する差圧鋳造装置。
  18. 【請求項18】 内部に鋳型を設けた鋳型側圧力容器と
    内部に溶湯の入った炉を設けた炉側圧力容器と、炉の内
    部と鋳型の内部とを連通する給湯管と、炉側及び鋳型側
    圧力容器内を各々独立に大気圧以上に加圧する加圧手段
    とを有してなる差圧鋳造装置において、鋳型内への溶湯
    の充填検知手段を備え、前記加圧手段と前記充填検知手
    段とを連係させて、鋳型側圧力容器と炉側圧力容器との
    間の差圧増加速度を変化させて制御する圧力制御手段を
    有することを特徴とする差圧鋳造装置。
  19. 【請求項19】 内部に鋳型を設けた鋳型側圧力容器と
    内部に溶湯の入った炉を設けた炉側圧力容器と、炉の内
    部と鋳型の内部とを連通する給湯管と、炉側及び鋳型側
    圧力容器内を各々独立に大気圧以上に加圧する加圧手段
    とを有してなる差圧鋳造装置において、大気圧より若干
    大なる圧力を炉側圧力容器内に常時印加すると共に鋳型
    への注湯が開始される時点の鋳型側圧力容器内及び炉側
    圧力容器内の圧力を容器内最高圧力よりも低圧に制御す
    る圧力制御手段を有することを特徴とする差圧鋳造装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項17乃至請求項19のいずれか
    一に記載した差圧鋳造装置において、前記圧力制御手段
    が前記鋳型内への溶湯の充填が開始される時点の鋳型側
    圧力容器内及び炉側圧力容器内の圧力を容器内最高圧力
    の50%以下に制御するべく設定されることを特徴とす
    る差圧鋳造装置。
  21. 【請求項21】 請求項17乃至請求項20のいずれか
    一に記載した差圧鋳造装置において、前記圧力制御手段
    が、溶湯の鋳型への充填時に前記鋳型側圧力容器内をほ
    ぼ大気圧と同一として前記保持炉側圧力容器内を増圧す
    る増圧工程が行われ、該増圧工程後に前記保持炉側圧力
    容器内と前記鋳型側圧力容器内とを所定時間定圧に保持
    するべく設定されることを特徴とする差圧鋳造装置。
  22. 【請求項22】 請求項17乃至請求項20のいずれか
    一に記載した差圧鋳造装置において、前記加圧力制御手
    段が、溶湯の鋳型への充填後前記保持炉側圧力容器内と
    前記鋳型側圧力容器内とを同時に増圧する前に、前記鋳
    型側圧力容器内を所定時間低圧に保持するべく設定され
    ることを特徴とする差圧鋳造装置。
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