JPH06173062A - 塩化アルカリ水溶液の電解方法 - Google Patents

塩化アルカリ水溶液の電解方法

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JPH06173062A
JPH06173062A JP4352630A JP35263092A JPH06173062A JP H06173062 A JPH06173062 A JP H06173062A JP 4352630 A JP4352630 A JP 4352630A JP 35263092 A JP35263092 A JP 35263092A JP H06173062 A JPH06173062 A JP H06173062A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常のイオン交換膜法電解では陰極室で生成
する水酸化アルカリがイオン交換膜を通して移行し、陽
極室で生成する塩素と反応して不純物である塩素酸塩等
を生成する。本発明は塩酸添加によらず、前記不純物の
生成を防止することを目的とする。 【構成】 原料である塩化アルカリ水溶液の一部を陽極
を水素ガス電極5とした陽イオン交換膜型補助電解槽1
に供給し陽極室3で電解して塩酸を生成させ、この塩酸
を含む塩化アルカリ水溶液を主電解槽11に供給し、陰極
室10から移行する水酸化アルカリを前記塩酸で中和す
る。塩酸が系内で生成するため別個の塩酸合成設備が不
要であり、薬剤添加を行うことなく高純度の水酸化アル
カリと塩素を高効率を維持したまま製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高効率で塩化アルカリ
水溶液を電解して水酸化アルカリを製造する方法に関
し、より詳細には電解効率や生成物の純度に悪影響を及
ぼす不純物の発生を抑制しながら塩化アルカリ水溶液を
電解して水酸化アルカリ及び塩素を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来技術とその問題点】塩化アルカリ水溶液特に食塩
水から水酸化ナトリウム等と塩素を電解的に製造する電
解工業は古くから化学の基幹工業として発達してきた。
当初は陰極として水銀を使用する水銀電解が行われ極め
て純度の高い水酸化アルカリと塩素が得られていたが、
エネルギー消費が多く(約3000KWH/トン−水酸化ア
ルカリ)かつ水銀の毒性に起因する公害の発生の見地か
らその使用が抑制されている。その代替電解法としてア
スベスト隔膜を使用する電解が実施されてきた。このア
スベスト電解は生成する水酸化アルカリの純度が低く、
塩化アルカリと水酸化アルカリの分離操作を必要とし、
更に塩素中に混入する酸素量が多い等の問題点があり、
電解自体のエネルギー消費量は少ないが、製品精製のエ
ネルギーを加えると水銀法と同等又はそれ以上になると
いう欠点があり、更にアスベストの発癌性の問題もあ
り、現在の塩化アルカリ電解の主流はイオン交換膜法に
移行している。
【0003】イオン交換膜法は陽イオン交換膜で陽極室
と陰極室に区画された電解槽の陽極室側に精製された塩
化アルカリ水溶液特に食塩水を供給しかつ必要に応じて
陰極室に純水を供給して、陽極室で塩素を又陰極室で30
〜50%の水酸化アルカリを得る方法であり、消費エネル
ギーも従来法より20〜30%少ない2200〜2500KWH/ト
ン−水酸化アルカリである。このイオン交換膜法は現在
の日本の水酸化アルカリの80%以上の製造に使用されて
いる。
【0004】しかしこのイオン交換膜法にも問題点があ
り、該問題点とは陰極室で生成した水酸化アルカリの数
%〜10%程度がイオン交換膜を通して陽極室側に移行す
ることであり、移行する水酸化アルカリを除いた水酸化
アルカリの全水酸化アルカリに対する割合はイオン交換
膜の電流効率と称され、イオン交換膜の種類等にもよる
が通常90〜97%である。この移行する水酸化アルカリは
単にこの量だけ電解効率が低下するだけでなく、陽極室
に移行した水酸化アルカリが陽極室で生成した塩素と反
応して塩素酸や塩素酸塩を形成する。特にその主成分で
ある塩素酸ナトリウム(クロレート)は極めて安定で分
解しにくいだけでなく、それが蓄積することによって塩
化アルカリ水溶液中の塩化アルカリの溶解度を減少さ
せ、塩化アルカリ濃度の低下が陽極側反応生成物である
塩素への酸素の混入を増加させて電解そのものに悪影響
を及ぼすという欠点がある。
【0005】この欠点を解消するために、イオン交換膜
の電流効率に相当する分の塩酸を陽極室側に添加する手
法が採用されている。この塩酸添加は陽イオン交換膜を
通して陰極室側から移行する水酸化アルカリを塩酸によ
り中和して陽極室内の水酸化アルカリを当初の塩化アル
カリに変換して前述の塩素酸ナトリウム等の生成に起因
する悪影響を防止し、更に陽極室を酸性とすることによ
り得られる塩素の純度を向上させようとするものであ
る。実際にこの塩酸添加で上述の欠点は解消されるが、
添加方法によっては電解槽中に酸濃度の分布が生じて電
解槽構成部材に部分的な腐食が生じるという別個の問題
点が発生していた。更に塩酸添加の別の問題点として、
使用する塩酸は不純物を嫌うため高純度の合成塩酸を使
用する必要があり、電解製造した塩素を使用して塩酸を
製造することになり、塩素製造効率の低下及び塩素から
の塩酸合成のコストが余分に必要となることが指摘され
ている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述の従来のイオン交換膜法
の欠点である生成する水酸化アルカリの陰極室から陽極
室への移行に起因する種々の問題点を解決し薬剤添加を
行うことなく高効率で高純度の水酸化アルカリと塩素を
製造できる塩化アルカリ水溶液の電解方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、塩化アルカ
リ水溶液の一部を陽極を水素ガス電極とした陽イオン交
換膜型補助電解槽に供給し陽極室で電解して塩酸を生成
させ、この塩酸を含む塩化アルカリ水溶液を残りの塩化
アルカリ水溶液とともに陽イオン交換膜を隔膜とする主
電解槽に供給して陽極室で塩素を陰極室で水酸化アルカ
リを製造することを特徴とする塩化アルカリ水溶液の電
解方法である。以下本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の特徴は、電解原料である塩化アル
カリ水溶液の一部を主電解槽に供給する前に陽極が水素
ガス電極である補助電解槽に供給して電解し該補助電解
槽の陽極室で塩酸を発生させ、この塩酸と未電解の塩化
アルカリを含む塩化アルカリ水溶液を前記残りの塩化ア
ルカリ水溶液とともに通常のイオン交換膜法電解槽であ
る主電解槽に供給し、電解により陰極室で生成しイオン
交換膜を通して陽極室に移行する水酸化アルカリを前記
塩酸により中和して、移行した水酸化アルカリと生成す
る塩素との間の反応を阻止することにより、塩素酸塩等
の発生による問題点を解決する点にある。
【0009】補助電解槽は陽イオン交換膜で陽極室と陰
極室に区画されたイオン交換膜電解槽とする。この補助
電解槽の陽極室では水素減極が行われるため、H2 →2
++2e- (電位0V)の反応しか起こらず、Cl-
→Cl2 +2e- (電位約1.3 V)は生じないので陽極
室側の電位は0Vであり、実質的に塩の解離が起こるの
みである。陰極室ではアルカリイオン例えばナトリウム
イオンが、2H2 0+2e- →2OH- +H2 の式に従
って生成する水酸イオンと反応して水酸化アルカリを生
成しかつ水素ガスが発生し、一方陽極室では塩化アルカ
リ水溶液中の塩素イオンと電離により生成した水素イオ
ンが反応してCl- +H+ →HClの式に従って塩酸を
生成する。補助電解槽内で生成する塩酸濃度は使用する
イオン交換膜や液供給速度等の電解条件に依存するが通
常は1〜10%程度である。
【0010】陽極室における水素減極のために使用され
る水素は陰極室で生成する水素を循環してもあるいは別
の水素源からの水素を使用してもよい。別の水素源を使
用する場合には、陰極室で水素を発生させる必要がない
ため、陰極を酸素陰極あるいは空気陰極とすることも可
能である。前記補助電解槽の水素ガス電極は疎水部と親
水部を含む従来のガス電極をそのまま使用すればよく、
例えば触媒金属を担持させた基体の一方面をポリテトラ
フルオロエチレン(以下「PTFE」という)等で疎水
化処理して製造することができる。
【0011】全体の塩化アルカリ水溶液に対する補助電
解槽に供給される塩化アルカリ水溶液の割合は特に限定
されず、補助電解槽から取り出される塩酸を含む塩化ア
ルカリ水溶液と補助電解槽に供給されなかった塩化アル
カリ水溶液とを混合したときに塩酸濃度が0.2 〜5%と
なるように調節することが好ましい。この塩酸濃度も絶
対的な濃度ではなく、後述する主電解槽でイオン交換膜
を通して移行する水酸化アルカリを中和するために必要
な量の塩酸が主電解槽に供給されさえすれば水酸化アル
カリの中和の観点からは特に制限はない。しかし過剰の
塩酸を主電解槽に添加すると主電解槽内の電解液の酸性
が強くなり部材の腐食の恐れが生ずるため、前記水酸化
アルカリの中和に必要な量よりも少ない塩酸が主電解槽
に供給されるよう調節することが望ましい。
【0012】陽極を水素ガス電極とすることにより塩化
アルカリ水溶液電解の全電解電圧は2V前後となり(陰
極平衡電位約0.8 V、陽極電位0〜0.2 V、膜抵抗0.2
〜0.3 V、液抵抗0.2 〜0.3 V、電極過電圧0.2 〜0.3
V及び他の抵抗等)、従来の塩化アルカリ電解の3Vと
比較して約3分の2になる。このように補助電解槽の陽
極室では塩酸と塩化アルカリ水溶液が生成し、陰極室で
は約10%の水酸化アルカリ水溶液が生成する。この陽極
室内の塩酸を含む塩化アルカリ水溶液を補助電解槽から
取り出し、主電解槽に供給する前に補助電解槽に供給し
なかった塩化アルカリ水溶液と混合し、酸性塩化アルカ
リ水溶液として前記主電解槽に供給する。又補助電解槽
で生成した水酸化アルカリでは主電解槽に供給してもよ
いし、製品として使用すること、あるいは主電解槽の製
品に加えてもよい。
【0013】主電解槽は従来の塩化アルカリ用電解槽と
同様の陽イオン交換膜で区画されたイオン交換膜電解槽
とし、電極も従来と同様に陽極はチタン系基体に白金族
金属酸化物を被覆した寸法安定性電極等、陰極は電極物
質を被覆したニッケルメッシュ等を使用する。主電解槽
に供給された塩酸を含む酸性塩化アルカリ水溶液は通常
の電解条件で電解され陽極室で塩素を陰極室で水酸化ア
ルカリを生成する。この水酸化アルカリの一部は前記イ
オン交換膜を通して陽極室側に移行する。陽極室には前
記酸性塩化アルカリ水溶液が供給されているため、移行
した水酸化アルカリが直ちに塩酸と反応して中和され塩
化アルカリに変換され、移行した水酸化アルカリが純度
等に悪影響を及ぼす塩素酸塩等に変換することを防止で
きる。そしてこの主電解槽に供給される酸性塩化アルカ
リ水溶液は塩酸が均一に溶解し希釈されているため従来
の直接塩酸を添加する方法と異なり、酸濃度の分布がな
く、部材の腐食が生ずることもない。
【0014】次に添付図面に基づいて本発明方法を説明
する。図1は本発明方法により塩化アルカリ水溶液を電
解する工程を例示するフローチャートである。補助電解
槽1はイオン交換膜2により陽極室3と陰極室4とに区
画され、陽極室3の端部には水素ガス電極である陽極5
が、又陰極室4にはニッケルメッシュ等の陰極6が設置
されている。この陽極室3には原料食塩水の一部が供給
され該食塩水の残部は分枝管7を通して陽極室の出口側
に導かれる。又前記陰極室4には純水が供給される。
【0015】この補助電解槽1に通電しかつ陽極5に水
素ガスを供給すると、陽極5では塩化ナトリウムの電離
による塩素イオンと、水素ガスの酸化による水素イオン
が生じ両イオンが反応して塩酸が生成する。又陰極室で
は通常の塩化アルカリ電解と同様に水酸化アルカリが生
成する。陽極室3側の電解液は生成する塩酸と未反応の
塩化アルカリが混合された酸性塩化アルカリ水溶液であ
り、この酸性塩化アルカリ水溶液は電解槽1から取り出
され、分枝管7を分枝してきた前述の残部の塩化アルカ
リ水溶液と混合され塩酸が希釈された酸性塩化アルカリ
水溶液となる。陰極室4で生成する低濃度の水酸化アル
カリは補助電解槽1から取り出され所定用途に使用され
るか、あるいは後述する主電解槽の陰極室に供給するよ
うにしてもよい。
【0016】前述の希釈酸性塩化アルカリ水溶液は、並
列接続されイオン交換膜8により陽極室9と陰極室10に
区画された複数の主電解槽11のそれぞれの陽極室9に供
給される。陰極室10には純水又は希釈塩化アルカリ水溶
液が供給される。この状態で各主電解槽11に通電すると
陰極室10で水酸化アルカリ及び水素が生成し、陽極室9
では塩素が生成する。そして陰極室10で生成した水酸化
アルカリが前記イオン交換膜8を浸透して陽極室9に移
行する。そしてこの水酸化アルカリは塩素と反応するよ
りも速く陽極室9内に存在する塩酸と反応して塩化アル
カリと水に変換され、塩素酸塩等の生成が阻止される。
更に前記塩酸の存在により生成する塩素中への酸素混入
も抑制され、高純度の塩素ガスを得ることもできる。
【0017】
【実施例】次に本発明による塩化アルカリ水溶液の電解
を例示する実施例を記載するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【実施例1】電解面が幅50mm、高さ200 mmの電解槽
を20台用意した。縦220 mm、横70mmの炭素布に白金
を0.5 mg/cm2 となるように蒸着し、その片面をP
TFEで撥水化処理して水素ガス電極とした。
【0018】この水素ガス電極を前記20台の電解槽の1
台に取付け、該電解槽を商品名「ナフィオン324 」であ
るスルホン酸系陽イオン交換膜で陽極室及び陰極室に区
画しかつ陽極室に塩化ナトリウム水溶液供給口を設置
し、陰極室に純水供給口を設置して補助電解槽とした。
残りの19台の電解槽は商品名「ナフィオン90209 」であ
る陽イオン交換膜で陽極室及び陰極室に区画し、陽極室
に、白金:イリジウム=70:30の被覆を形成した縦200
mm、横50mmのチタンメッシュを陽極として設置し、
陰極室にはラネーニッケルを被覆したニッケルメッシュ
を陰極として設置して主電解槽とし、各主電解槽は並列
に接続した。
【0019】前記補助電解槽の塩化ナトリウム水溶液供
給口には分枝管を設置し該分枝管の他端を陽極室出口近
傍に導き、陽極室から取り出される酸性塩化ナトリウム
水溶液と分枝管からの塩化ナトリウム水溶液を混合して
希釈酸性塩化ナトリウム水溶液を生成するようにし、更
に該希釈酸性塩化ナトリウム水溶液が前記各主電解槽の
陽極室に供給されるようにした。飽和塩化ナトリウム水
溶液の全体の30%を補助電解槽の陽極室に供給しかつ純
水を陰極室に供給し電流密度30A/dm2 、電解電圧2.1
Vの条件で電解を行った。陽極室から取り出された酸性
塩化ナトリウム水溶液の塩酸濃度は1.7 %であり、陰極
室から取り出された水酸化ナトリウム濃度は10%であり
電流効率は約97%であった。
【0020】この酸性塩化ナトリウム水溶液を分枝管か
らの残りの70%の塩化ナトリウム水溶液と混合し19台の
主電解槽のそれぞれの陽極室に供給し電流密度30A/dm
2 、電解電圧3.1 〜3.2 Vの条件で1週間電解した。陽
極液のpHは3〜3.5 の範囲で安定し、陽極室から取り
出された塩素ガス中の酸素ガス濃度は0.2 %であり、塩
素酸塩等の生成は殆ど見られなかった。又陰極室から取
り出された水酸化ナトリウムの濃度は32%であり、主電
解槽における水酸化ナトリウム生成に関するイオン交換
膜の電流効率は95%であった。
【0021】
【比較例1】塩化ナトリウム水溶液を補助電解槽に供給
せずに主電解槽に供給したこと以外は実施例1と統一条
件で塩化ナトリウム水溶液の電解を行ったところ水酸化
ナトリウム生成に関するイオン交換膜の電流効率は95%
で実施例1と同一であったが、得られた塩素中の酸素濃
度は1.0 %で純度が低く、又陰極液は約2%の塩素酸塩
を含んでいた。
【0022】
【発明の効果】本発明は、塩化アルカリ水溶液の一部を
陽極を水素ガス電極とした陽イオン交換膜型補助電解槽
に供給し陽極室で電解して塩酸を生成させ、この塩酸を
含む塩化アルカリ水溶液を残りの塩化アルカリ水溶液と
ともに陽イオン交換膜を隔膜とする主電解槽に供給して
陽極室で塩素を陰極室で水酸化アルカリを製造すること
を特徴とする塩化アルカリ水溶液の電解方法である。
【0023】本発明では、電解原料である塩化アルカリ
水溶液の一部を主電解槽に供給する前に陽極が水素ガス
電極である補助電解槽に供給して電解し該補助電解槽の
陽極室で塩酸を発生させている。そしてこの塩酸を含む
塩化アルカリ水溶液を残りの塩化アルカリ水溶液と混合
した後に主電解槽に供給すると、主電解槽における塩化
アルカリの電解で陽極室に生成しかつ若干量がイオン交
換膜を通して陰極室に移行する水酸化アルカリを前記塩
酸が中和し、移行した水酸化アルカリと生成する塩素と
の間の反応を阻止することにより、塩化アルカリの溶解
度を減少させる等の悪影響を及ぼす塩素酸塩等の発生を
防止しながら高純度の水酸化アルカリ及び塩素を製造す
ることができる。
【0024】従来の塩化アルカリ電解では、移行する水
酸化アルカリによる悪影響を抑制するために塩酸を添加
していたが、塩酸添加の操作が煩雑であるだけでなく添
加する塩酸の合成にも手間取りかつ添加した塩酸が高濃
度で偏在して電解槽の部材を腐食するといった問題点が
あった。しかし本発明によると、系内で塩酸が製造され
るため別個に塩酸を合成しかつ添加する必要がなく、し
かも塩酸は均一に溶解しているため電解槽の部材腐食の
恐れもない。
【0025】そして補助電解槽自体でも水酸化アルカリ
が製造されるため、電解槽1台を無駄に使用することが
なく、水酸化アルカリの製造効率を高く維持したまま前
述の不純物除去等の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により塩化アルカリ水溶液を電解す
る工程を例示するフローチャート。
【符号の説明】
1・・・補助電解槽 2・・・イオン交換膜 3・・・
陽極室 4・・・陰極室 5・・・水素ガス電極 6・
・・陰極 7・・・分枝管 8・・・イオン交換膜 9
・・・陽極室 10・・・陰極室 11・・・主電解槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 保夫 東京都杉並区南荻窪4−26−1 オーク荻 窪401号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化アルカリ水溶液の一部を陽極を水素
    ガス電極とした陽イオン交換膜型補助電解槽に供給し陽
    極室で電解して塩酸を生成させ、この塩酸を含む塩化ア
    ルカリ水溶液を残りの塩化アルカリ水溶液とともに陽イ
    オン交換膜を隔膜とする主電解槽に供給して陽極室で塩
    素を陰極室で水酸化アルカリを製造することを特徴とす
    る塩化アルカリ水溶液の電解方法。
JP04352630A 1992-12-10 1992-12-10 塩化アルカリ水溶液の電解方法 Expired - Fee Related JP3115440B2 (ja)

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