JPH0617123Y2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、現像ローラの外周面上にトナーとキャリアよ
りなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシでもって潜
像担持体である感光ドラムの静電潜像を摺擦して現像を
行う現像装置に係わり、特に、キャリアと補給トナーと
のミキシングを均一に行って、長期に亘って濃度ムラの
ない安定したコピー画像が得られる現像装置の改良に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の現像装置としては、第６図に示すように
感光ドラム（ａ）に対向して配設され円筒状スリーブ
（ｂ）と磁気ローラ（ｃ）からなる現像ローラ（ｄ）
と、この現像ローラ（ｄ）の背面側に設けられトナーと
キャリアからなる現像剤を上記現像ローラ（ｄ）の外周
面上に供給するパドル（ｅ）と、上記現像ローラ（ｄ）
の上方側に設けられ現像ローラ（ｄ）に供給された現像
剤の余剰分を掻き取るためのトリマープレート（ｆ）
と、掻き取った現像剤を現像ローラ（ｄ）から離れた部
位へ搬送する現像剤搬送プレート（ｇ）と、この現像剤
搬送プレート（ｇ）の搬送方向端部側上方に設けられ下
端部にトナーディスペンスローラ（ｉ）を備えて消費さ
れたトナー分を補給するためのトナーボックス（ｊ）と
でその主要部が構成され、上記現像ローラ（ｄ）上に形
成されたトナーとキャリアからなる磁気ブラシ（ｋ）で
もって感光ドラム（ａ）の静電潜像を摺擦し、この磁気
ブラシ（ｋ）中のトナーを感光ドラム（ａ）の潜像形成
面へ転写させて顕像化する装置が知られている。

しかしこの現像装置においては、補給トナーと余剰現像
剤とを装置ハウジング（ｈ）内に一旦落下させ、落下部
位において上記パドル（ｅ）や図示外のアジテータ等に
よりミキシングする方法を採っているため、ミキシング
時において軽量の補給トナーが浮上ってトナーと現像剤
とが均一に混ざり難く、経時的にコピー濃度にムラが生
じ易くなる欠点があった。また、この現像装置において
は上記トナーボックス（ｊ）を装置ハウジング（ｈ）の
上方に配設する関係上、装置の上方側に一定の空間スペ
ースが必要となるため、感光ドラム（ａ）の外周面に沿
って複数の現像装置を配設するカラー用複写機等には適
さないといった欠点があった。

そこで、この欠点を解消する装置として第７図〜第10図
に示す現像装置が開発されている。

すなわち、この現像装置は上記現像剤搬送プレート
（ｇ）の搬送方向端部側に、上記トナーディスペンスロ
ーラ（ｉ）を有するトナーボックス（ｊ）に替えて、搬
送パイプ（ｍ）とこの内部に設けられたトナー搬送用オ
ーガ（ｎ）よりなるトナー補給部材（ｐ）を配設し、か
つ、現像剤搬送プレート（ｇ）の搬送方向端部側に上記
トナー補給部材（ｐ）側へ向けて案内片（ｑ）を突設す
ると共に、この案内片（ｑ）の先端部を上記搬送パイプ
（ｍ）に設けられた開口（ｒ）に嵌合させて構成されて
いるもので、現像剤搬送プレート（ｇ）上を流れる余剰
現像剤の一部を上記案内片（ｑ）を介し搬送パイプ
（ｍ）の開口（ｒ）からトナー補給部材（ｐ）内へ供給
し、この現像剤と図示外のトナーボックスから補給され
るトナーとをトナー補給部材（ｐ）内で混合すると共
に、この混合物を上記搬送パイプ（ｍ）に設けられたス
リット状トナー供給口（ｓ）より装置ハウジング（ｈ）
内へ落下させて供給するものである。

従ってこの現像装置においては、上記トナー補給部材
（ｐ）内部において均一に混合された補給トナーと現像
剤（現像剤は大部分がキャリアで占められている）との
混合物が装置ハウジング（ｈ）内へ供給されることにな
るため、ミキシング不良に伴うコピー濃度のムラを未然
に防止できる長所を有しているものである。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、この種の現像装置においては、装置ハウジン
グ（ｈ）内に設けられた磁気ローラ（ｃ）における磁力
の影響、上記トリマープレート（ｆ）における現像ロー
ラ（ｄ）との隙間の広狭、あるいは、現像剤搬送プレー
ト（ｇ）の傾斜勾配の大小等により、この現像剤搬送プ
レート（ｇ）上を流れて搬送される余剰現像剤の流量が
変動する欠点があった。

そして、上記案内片（ｑ）上を流れる現像剤の流量につ
いては、その盛上がり量が第11図に示すように案内片
（ｑ）の端部から滑り落ちない安息角（θ）内にある限
り上記現像剤搬送プレート（ｇ）より流れ込む流量に比
例するため、この案内片（ｑ）を介し上記トナー補給部
材（ｐ）内へ供給される現像剤供給量にバラツキを生ず
る欠点があった。そしてこのバラツキは、トナー補給部
材（ｐ）から装置ハウジング（ｈ）内へ供給される補給
トナーと現像剤との混合物の供給量にも影響を及ぼすこ
とが確認されており、例えば、トナー補給部材（ｐ）内
に流れ込む現像剤の供給量が多過ぎると、第12図の実線
ｂにて示すように補給トナーと現像剤との混合物の供給
量がトナー補給部材（ｐ）の長さ方向に亘って変動して
搬送方向基端側が多量となり、反対にトナー補給部材
（ｐ）内に流れ込む現像剤の供給量が少な過ぎると第12
図の実線ｃにて示すように上記基端側が少量となり、現
像ローラへの現像剤供給量が不均一となってコピー画像
に濃度ムラを生ずる欠点があった。

従って、上記トリマープレート（ｆ）や現像剤搬送プレ
ート（ｇ）等の取付け誤差によりコピー画像の濃度ムラ
を生ずる問題点があり、かつ、たとえ取付け誤差がなく
とも現像剤搬送プレート（ｇ）上を流れる現像剤の流量
が経時的に変化する場合があるため上記濃度ムラを確実
に防止できない問題点があった。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は以上の問題点に着目してなされたもので、その
課題とするところは、案内片を介してトナー補給部材へ
供給する余剰現像剤の供給量を定量に保ち、もって長期
に亘って濃度ムラのない現像装置を提供することにあ
る。

すなわち本考案は、潜像担持体に対向配置されトナーと
キャリアで構成される現像剤が外周面に供給される現像
ローラと、この現像ローラに設けられ供給された現像剤
の余剰分を掻き取るための現像剤規制部材と、掻き取ら
れた余剰の現像剤を現像ローラから離れた部位へ搬送す
る現像剤搬送板と、この現像剤搬送板の搬送方向端部側
に設けられ筒体とトナー搬送用オーガよりなるトナー補
給部材とを備え、上記現像剤搬送板の搬送方向端部側か
らトナー補給部材側へ向かって突設された案内片により
余剰現像剤の一部を上記筒体に設けられた開口を介しト
ナー補給部材へ供給すると共に、この現像剤とトナーと
を混合させてこの混合物を上記筒体に設けられたトナー
供給口から装置内部へ供給するようにした現像装置を前
提とし、上記案内片に現像剤搬送板から供給される現像
剤の余剰分を除去するための開口部を設けてトナー補給
部材内へ定量の現像剤を供給するようにしたことを特徴
とするものである。

この様な技術的手段において上記開口部の形状、大き
さ、及びその個数等については現像剤の余剰分を除去で
きるものなら任意で、例えば、案内片の突出方向に対し
直交する方向に沿って適宜間隔を設け開設した複数のス
リット部により構成することができる。

また、上記案内片の大きさ、形状等については、現像装
置本体の大きさやトナー補給部材の大きさ等を適宜考慮
し任意に設定可能であり、一方、現像剤搬送板について
も、磁気ローラの磁力の影響を受け難い磁性体でもって
これを構成したり、あるいは、上記磁力の影響を受ける
非磁性体等で構成しても良く任意である。

［作用］ 上述したような技術的手段によれば、案内片に現像剤搬
送板から供給される現像剤の余剰分を除去するための開
口部を設けているため、現像剤搬送板上を流れる余剰現
像剤の流量が変動しても上記トナー補給部材内へ定量の
現像剤を供給することができ、装置内部へトナーと現像
剤との混合物を均一に供給することが可能となる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例について図面を参照して詳細に説
明すると、この実施例に係る現像装置は、第１図〜第４
図に示すように感光ドラム（１）に対向して配設され矢
印方向へ回動する円筒状スリーブ（２）とこの内部に固
定配置された磁気ローラ（３）よりなる現像ローラ
（４）と、この現像ローラ（４）の背面側に配設されこ
の外周面上にトナーとキャリアからなる現像剤を供給す
るパドル（５）と、上記現像ローラ（４）上方側に設け
られこの外周面上に供給された現像剤の余剰分を掻き取
るトリマープレート（６）と、この掻きとられた余剰現
像剤を現像ローラ（４）から離れた部位へ搬送する現像
剤搬送プレート（７）と、この現像剤搬送プレート
（７）の搬送方向端部側に配設され搬送パイプ（８）と
この内部に設けられたトナー搬送用オーガ（９）よりな
るトナー補給部材(10)とでその主要部が構成されている
ものである。

そして、上記現像剤搬送プレート（７）の搬送方向端部
側にはトナー補給部材(10)側へ向かって突出する案内片
(11)が設けられていると共に、この端部側が上記搬送パ
イプ（８）に設けられた矩形状開口(12)に嵌合されて取
付けられており、かつ、上記開口(12)の反対側には装置
内部へトナーと現像剤との混合物を供給するためのスリ
ット状のトナー供給口(13)が開設されている。

また上記案内片(11)には、第３図に示すようにその案内
方向に沿って２のスリット部(14)(14)が開設されてお
り、この案内片(11)上を流れる現像剤の余剰分が２のス
リット部(14)(14)から除去されるようになっている。

このように構成された現像装置においては、パトル
（５）から供給された現像剤が磁気ローラ（３）のピッ
クアップ磁極(15)によりピックアップされて現像ローラ
（４）上に吸着され、かつ、現像ローラ（４）の回動に
伴って上方へ搬送されると共に、上方部位において上記
トリマープレート（６）により余剰分が掻き取られて現
像ローラ（４）上に定量の磁気ブラシ(16)が形成され
る。

そして、この磁気ブラシ(16)は現像ローラ（４）の回動
に伴って感光ドラム（１）の現像領域へ搬送され、磁気
ブラシ(16)中のトナーを潜像形成面へ転写させて顕像化
するものである。尚、現像後の磁気ブラシ(16)について
は現像ローラ（４）の回動に伴って搬送され、ピックオ
フ磁極(17)の配設部位おいて遠心力と反発地場とにより
ピックオフされて装置ハウジング（Ｈ）内へ回収され、
再利用に供されるようになっている。

一方、上記トリマープレート（６）により掻き取られた
余剰現像剤については、現像剤搬送プレート（７）上を
流れてその大部分が現像剤搬送プレート（７）の端部側
から落下して装置ハンジング（Ｈ）内に回収されると共
に、その一部については上記案内片(11)を介し搬送パイ
プ（８）の開口(12)からトナー補給部材(10)内へ供給さ
れる。

このときこの現像装置においては、第４図に示すように
上記案内片(11)にスリット部(14)(14)が開設されて現像
剤の搬送通路(18)〜(18)の幅が狭くなっているため、各
搬送通路(18)〜(18)上を流れる現像剤の搬送量が低い値
でもって飽和状態となり、上記現像剤搬送プレート
（７）上を流れる余剰現像剤の流量が多い場合において
も、その余剰分は案内片(11)の搬送通路(18)〜(18)上に
おいてスリット部(14)(14)より落下して除去されること
になる。

従って、上記案内片(11)を介しトナー補給部材(10)内へ
供給される現像剤の供給量が現像剤搬送プレート（７）
上を流れる余剰現像剤の流量の多少に拘らず定量となる
ため、トナー補給部材(10)内においてこの現像剤と補給
トナーとが定量で混合されることとなる。このため、現
像剤（すなわち大部分がキャリア）と補給トナーとの混
合物が上記トナー供給口(13)から装置ハンジング（Ｈ）
内へ均一に補給され、現像ローラ（４）の外周面に現像
剤を均一に供給できるようになるため、濃度ムラが起こ
らなくなって長期に亘って鮮明なコピー像が得られる長
所を有している。

尚、この実施例において上記案内片(11)の開口部は第３
図に示すように２のスリット部(14)(14)で構成されてい
るが、第５図に示すように案内片(11)の先端側に切込み
(19)〜(19)を設けて櫛歯状とし、この複数の切込み(19)
〜(19)をスリット部として上記開口部を構成してもよ
い。

［考案の効果］ 本考案は以上のように、案内片に現像剤搬送板から供給
される現像剤の余剰分を除去するための開口部を設けて
いるため、現像剤搬送板上を流れる余剰現像剤の流量が
変動しても上記トナー補給部材内へ定量の現像剤を供給
することができ、装置内部へトナーと現像剤との混合物
を均一に供給することが可能となる。

従って、現像ローラの外周面上に現像剤が均一に供給さ
れて濃度ムラが起こらなくなるため、長期に亘って鮮明
なコピー像が得られる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の実施例を示しており、第１図
は実施例に係る現像装置の断面図、第２図はその部分斜
視図、第３図及び第４図は第２図の部分平面図及び部分
斜視図、第５図は他の実施例に係る案内片の平面図を夫
々示しており、また、第６図〜第11図は従来の現像装置
を示しており、第６図はトナーディスペンスローラを使
用する現像装置の断面図、第７図〜第11図はトナー補給
部材を使用する現像装置に係り、第７図はその断面図、
第８図はその部分斜視図、第９図は案内片の平面図、第
10図は第８図の平面図、第11図機は第９図の斜視図、第
12図は現像剤供給量の分布図を夫々示す。 ［符号説明］ （１）……感光ドラム （４）……現像ローラ （６）……トリマープレート （７）……現像剤搬送プレート （８）……搬送パイプ （９）……トナー搬送用オーガ (10)……トナー補給部材 (11)……案内片 (12)……開口 (13)……トナー供給口 (14)……スリット部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】潜像担持体に対向配置されトナーとキャリ
   アで構成される現像剤が外周面に供給される現像ローラ
   と、この現像ローラに設けられ供給された現像剤の余剰
   分を掻き取るための現像剤規制部材と、掻き取られた余
   剰の現像剤を現像ローラから離れた部位へ搬送する現像
   剤搬送板と、この現像剤搬送板の搬送方向端部側に設け
   られ筒体とトナー搬送用オーガよりなるトナー補給部材
   とを備え、上記現像剤搬送板の搬送方向端部側からトナ
   ー補給部材側へ向かって突設された案内片により余剰現
   像剤の一部を上記筒体に設けられた開口を介しトナー補
   給部材へ供給すると共に、この現像剤とトナーとを混合
   させてこの混合物を上記筒体に設けられたトナー供給口
   から装置内部へ供給するようにした現像装置であって、
   上記案内片には現像剤搬送板から供給される現像剤の余
   剰分を除去するための開口部を設け、トナー補給部材内
   へ定量の現像剤を供給するようにしたことを特徴とする
   現像装置。
2. 【請求項２】上記案内板の開口部が、案内板の突出方向
   に対し直交する方向に沿って適宜間隔を設けて開設され
   た複数のスリット群により構成されていることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の現像装置。