JPH06171082A

JPH06171082A - インクジェットヘッド

Info

Publication number: JPH06171082A
Application number: JP35032292A
Authority: JP
Inventors: Toshio Inada; 俊生稲田
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1992-12-02
Filing date: 1992-12-02
Publication date: 1994-06-21

Abstract

(57)【要約】【目的】機械振動やゴミなどによって噴射方向が乱さ
れにくいノズル形状を得る。【構成】ノズル板１に設けられるノズル２の形状とし
て、６０°以下の角度を有する形状とする。すなわち、
頂角２ａを有する二等辺三角形のものと、円形に鋭角的
狭部２ｂを有する形状とがある。ノズル形状に流体的抵
抗の大きい部位と小さい部位を設けることによってバラ
ンスに依存しない、安定的な噴射を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、インクジェットヘッドに関し、
より詳細には、インク中において圧力波を発生させ、ノ
ズル開口よりインクを吐出させて印字を行うプリントヘ
ッドのノズル形状に関する。例えば、液体制御装置等に
適用されるものである。

【０００２】

【従来技術】本発明に係る従来技術を記載した公知文献
としては、例えば、特開平４−２２６４４号公報に「イ
ンクジェット記録装置」がある。この公報のものは、イ
ンクスピードの制御が容易で、インクスピードのばらつ
きが少なく、印刷品位が良くて安定したインクジェット
記録装置を得るために、インク流路及び圧力室が形成さ
れた基板と、該基板の表面に位置し、インクを噴射させ
るノズル部とから成り、該ノズル部の穴形状の前記基板
の流路側の輪部を波状としたものである。このように、
ノズル口形状が波状のようなもの、あるいは一般的に円
状のものは、穴形状が点対称となっている。そのため、
ノズル口から曲がりなく、まっすぐインク滴を噴射する
ことができる。しかし、バランスよく点対称に力が働い
ていることが前提であるため、振動やゴミなどのノイズ
によって容易に噴射方向を曲げられたり、最悪の場合に
は噴射不能となる。

【０００３】図３（ａ),(ｂ),(ｃ）は、圧電体を加圧手
段とするインクジェット記録装置のインクジェットヘッ
ドの構成図で、図（ａ）は構成要素を示す斜視図、図
（ｂ）は流路板の裏面を示す斜視図、図（ｃ）は構成要
素を一体に接合したときの斜視図である。図中、１１は
流路板、１２はノズル板、１３はノズル、１４は隔壁、
１５は加圧室、１５ａはノズル列、１６はインク室、１
７はインク供給口、１８は圧電体、１９は仕切スリッ
ト、２０は歪部、２１は充填剤、２２は基板である。

【０００４】流路板１１には、インク供給口１７よりイ
ンクの供給を受けてインクを収容するインク室１６が、
図（ｂ）に示すごとく裏面に凹部として設けられてお
り、更に、該インク室１６に連通して隔壁１４により区
画されてインクの流路となり、加圧によりインク内に圧
力波を発生させる加圧室１５が複数平行して設けられて
いる。流路板１１には、順に圧電体１８と基板２２とが
接合され、圧電体１８には加圧室１５に対応して加圧す
る歪部２０が設けられている。歪部２０は仕切スリット
１９により区画され、該仕切スリット１９内には弾性の
ある軟質な充填剤２１が充填されている。流路板１１の
加圧室１５のノズル列１５ａには、加圧室１５に対応し
たノズル１３を有するノズル板１２が接合され、図
（ｃ）に図示するように一体構成される。歪部２０に画
像情報に基づく信号が印加されると、加圧室１５内は体
積変化して圧力波を発生し、ノズルよりインク滴を噴射
する。

【０００５】図４（ａ）〜（ｅ）は、従来の点対称断面
形状（円状）の場合の、インク滴噴射の様子を示す図
で、図（ａ）は、ノズル口形状を示す円形ノズル、図
（ｂ）は、吐出の様子、図（ｃ）は、吐出と引き込みの
同時に起こっている様子、図（ｄ）は、引き込みが最大
となっている時の様子、図（ｅ）は、メニスカスが平常
状態に戻った様子を示す。図４に示す様子は、メニスカ
スが保たれている場合のものであり、実際には、機械的
な振動やゴミなどにより、バランスは乱され、噴射方向
を乱されることがある。

【０００６】

【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みなされたも
ので、機械振動やゴミなどによって噴射方向が乱されに
くいノズル形状を有するインクジェットヘッドを提供す
ることを目的としてなされたものである。

【０００７】

【構成】本発明は、上記目的を達成するために、（１）
インクの流路が形成された流路基板と、前記流路に連通
するノズルを有するノズル板とを接合したインクジェッ
トヘッドにおいて、前記ノズル板のノズル口形状とし
て、ノズル口断面を６０°以下の角度を１ケ所有する三
角形であること、或いは、（２）インクの流路が形成さ
れた流路基板と、前記流路に連通するノズルを有するノ
ズル板とを接合したインクジェットヘッドにおいて、前
記ノズル板のノズル口形状として、ノズル口断面を円形
等点対称な形状に、一部鋭角的な狭部を設けた形状であ
ること、更には、（３）前記ノズル口の形状をレーザに
よる穴あけ加工により形成することを特徴としたもので
ある。以下、本発明の実施例に基づいて説明する。

【０００８】図１は、本発明によるインクジェットヘッ
ドのノズルの一実施例を説明するための構成図で、図
中、１はノズル板、２はノズル、２ａは頂角、２ｂは狭
部、３はインク溝である。図（ａ）において、ノズル形
状は６０°以下の角度を有する形状で、頂角２ａを有す
る二等辺三角形のものと、円形に鋭角的狭部２ｂを有す
る形状とがある。図（ｂ）において、インク溝の吐出の
様子を示し、抵抗の小さい下側を中心に液柱が伸びる。
図（ｃ）において、吐出と引き込みの同時に起こってい
る様子であり、抵抗の小さい下側を中心に引き込みは進
行する。そして、滴尾は、上側の狭部２ａまたは２ｂの
ところでつながり、やがて切れる。図（ｄ）において、
引き込みが最大となっている時の様子で、滴尾は、上側
の狭部２ａまたは２ｂに曲がっている。図（ｅ）におい
て、メニスカスが平常状態に戻った様子である。

【０００９】上記のように滴尾の曲がりが生じるという
不具合がある。しかし、ノズル面の中に、流体的抵抗の
大きい部位と小さい部位を設けることによってバランス
に依存しない安定的な噴射を得ることができる。これら
のような二等辺三角形のノズル及び円形に鋭角的狭部を
設けた形状ノズルは、エキシマレーザのマスクイメージ
加工にて形成することができる。なお、本発明では、６
０°以下の頂角を持つ二等辺三角形の例及び円に狭角部
分を持つ形状を示したが、本発明の効果を得るために
は、これらの形状に限定されるものではない。すなわ
ち、ノズル断面に流体的抵抗の大きい部位と小さい部位
を設けてやればよい。図２（ａ）〜（ｆ）は、有効なノ
ズル断面形状の例を示す図である。すなわち、図（ａ）
は、直角三角形のもの、図（ｂ）は縦長楕円形のもの、
図（ｃ）は縦長半楕円形のもの、図（ｄ）は五角形（ホ
ームベース形）のもの、図（ｅ）は球形に凸形を有する
もの、図（ｆ）は近似菱形のものなどを例示してある。

【００１０】

【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、以下のような効果がある。すなわち、ノズル断面を
６０°以下の角度を一箇所有する三角形、及び円形等点
対称な形状の一部に鋭角的な狭部を設けた形状であり、
吐出断面に、流体的抵抗の大きい部位と小さい部位を設
けているので、バランスに依存しない安定な噴射を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるインクジェットヘッドのノズル
の一実施例を説明するための構成図である。

【図２】本発明のノズル形状を示す図である。

【図３】従来のインクジェットヘッドの構成図であ
る。

【図４】従来のノズル形状におけるインク滴噴射の様
子を示す図である。

【符号の説明】

１…ノズル板、２はノズル、２ａは頂角、２ｂは狭部、
３はインク溝。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インクの流路が形成された流路基板と、
前記流路に連通するノズルを有するノズル板とを接合し
たインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル板のノズ
ル口形状として、ノズル口断面を６０°以下の角度を１
ケ所有する三角形であることを特徴とするインクジェッ
トヘッド。
【請求項２】インクの流路が形成された流路基板と、
前記流路に連通するノズルを有するノズル板とを接合し
たインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル板のノズ
ル口形状として、ノズル口断面を円形等点対称な形状
に、一部鋭角的な狭部を設けた形状であることを特徴と
するインクジェットヘッド。
【請求項３】前記ノズル口の形状をレーザによる穴あ
け加工により形成することを特徴とする請求項１又は２
記載のインクジェットヘッド。