JPH06171002A - ウレタン発泡成形用補強基布とその製造方法及び製品 - Google Patents

ウレタン発泡成形用補強基布とその製造方法及び製品

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JPH06171002A
JPH06171002A JP4352486A JP35248692A JPH06171002A JP H06171002 A JPH06171002 A JP H06171002A JP 4352486 A JP4352486 A JP 4352486A JP 35248692 A JP35248692 A JP 35248692A JP H06171002 A JPH06171002 A JP H06171002A
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urethane
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武士 井上
Yuji Matsui
祐司 松井
Masanori Yamada
政宣 山田
Sadakuni Shiotani
禎邦 塩谷
Shigeru Inage
茂 稲毛
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Toyo Tire Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウレタン発泡成形、特に、ウレタン発泡成形
品の成形に際し、過度のウレタン含浸、充填を防ぐこと
により、剛性の低下を防止し、更に異音発生をも防止
し、適度のウレタン含浸、充填により成形品として必要
なウレタンと基布の一体性を付与出来る車両用シート等
のウレタン発泡成形用補強基布とその製造方法、それを
用いた高性能の成形性ポリウレタン座席用クッション材
を提供する。 【構成】 型内発泡成形体を製造するに際し、目付20
ないし100g/m2 で空隙率87ないし91%の緻密
な不織布2と目付30ないし300g/m2 で空隙率9
0ないし94%の嵩高な不織布1とを積層し一体化し、
緻密な不織布側に発泡性ウレタン液を供給し、前記緻密
な不織布層内にウレタンを浸透させ発泡させて補強を行
なうとともに、形成されるポリウレタンフォーム4と一
体化せしめたウレタン発泡成形用補強基布とその製造方
法及び成形性ポリウレタン座席用クッション材に構成す
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウレタン発泡成形用補
強基布とその製造方法に関するものであり、特に、車両
等の座席クッション材の剛性の低下を防止し、ポリウレ
タンフォームとバネ材間の摩擦により発生する擦過音発
生を防止し静寂性に優れ、補強効果にも優れた車両用シ
ート等のウレタン発泡成形用補強基布とその製造方法及
びそれを用いて得る成形性ポリウレタン座席用クッショ
ン材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用等のクッション材は、軟質ポリウ
レタンフォーム型内発泡成型品が主流として用いられて
いる。
【0003】このようなクッション材が良好なクッショ
ン性を実現するためには、一般に多く用いられる図3に
示すよなクッション材構造において、人体に接する最上
層Aは柔らかいものでなければならないが、次に存在す
る層Bは適度の曲げ剛性又は張力(高引張り弾性率)を
もった材料であるべきで、B層を受け衝撃的な力を吸収
しバネ感覚を生ずるスプリングC層のクッション作用
を、均等に分散し、B層を平らに保ち支えて上下動する
ような構造と作用が必要である。
【0004】また、このような軟質ポリウレタンフォー
ム型内発泡成形品の耐久性を確保する面からも、スプリ
ング(コイル状バネ)が接しポリウレタンフォームが摩
擦され、局部的応力を受け損傷することを避けるため、
従来次のようなポリウレタンフォームのバネ材接触面側
に補強基布を入れ、良好なクッション性の確保をはかる
とともに耐久性をも確保して来た。
【0005】即ち、その代表的事例を掲げると、 補強材としてスラブウレタンと寒冷紗を用い、発泡成
形金型面に接するようにスラブウレタンを設置し、その
内側に寒冷紗を設置しウレタン液を注入し、加熱加圧し
発泡させて補強層が挿入された軟質ポリウレタンフオー
ム型内発泡成形品を製造する方法が多く用いられ主役の
座を占めていた。
【0006】この方法におけるスラブウレタンの役割
は、得られるクッション材への剛性の付与とともに、ウ
レタン流入による発泡金型空気抜き孔の閉塞防止にあ
り、寒冷沙の役割は発泡し膨張してくるポリウレタンを
容易に透過し、寒冷紗が、容易にポリウレタンフォーム
内に包埋一体化され、引張り弾性率を改善し優れた補強
層を形成することにある。
【0007】しかしながら、スラブウレタンによる剛性
改善効果が不充分であると共に、何よりも工数が多く作
業が煩雑であること、及び補強布である寒冷紗が、成形
品のなす3次曲面形状に沿い難いという難点があった。
【0008】次いで、前記寒冷紗の成形形状に沿い難
いという難点解消とコストダウンを目的とし開発され主
役の座に就いたのは、不織布(反毛フェルト)である。
【0009】この不織布が、補強布としての要求特性を
満たすためには、発泡し膨張してくるウレタン液の適度
の透過性を有することが必要で、このためには適度のポ
アーサイズの空隙孔と空隙率(見掛け嵩密度)を有する
ことが必要であり、又充分な補強効果と剛性を付与する
ためにも、発泡し膨張してくるポリウレタン内に不織布
が包埋されポリウレタンで不織布交点が再結合され、不
織布組織内にポリウレタンフォームが充填され適度な剛
性と高い引張り弾性率を発揮する適度の見掛け嵩密度
(空隙率)が必要であり、更に、成形品曲面形状への順
応性確保のため、不織布構成繊維交点間の接着を比較的
緩やかに行ない、組織変形の自由度を持たしめることが
必要であった。
【0010】このような観点から、適切な嵩密度、空隙
率を有する不織布が、試行錯誤的に検討され開発され使
用されてきた。
【0011】これらの補強用不織布における嵩密度、空
隙率設定の基準は、発泡し膨張してくるポリウレタンが
不織布前面にわたり透過し、不織布表面をポリウレタン
皮膜が覆えるような比較的高い透過性を有するように選
定し、透過性が高すぎ成形金型の空気抜き孔にまでポリ
ウレタンが流入することのないレベルに抑制することに
留意して選定されている。
【0012】以上が軟質ポリウレタンフォーム型内発泡
成形用補強布の主流である。
【0013】しかしながら、より緩やかな管理下にお
いて安定してポリウレタンの必要且つ充分な透過性を確
保し、成形金型空気抜き孔へのポリウレタン流入を完全
に防止し、高収率、高生産性で生産を行なえ、ウレタン
樹脂の含浸、透過性が良く、剛性アップと補強に寄与
し、ウレタンフォームと補強布間の一体化能の高い補強
布を得るため、嵩密度の低い補強用不織布層と、膨張し
てくるポリウレタンの金型空気抜き孔への流入を遮断す
るに充分な、比較的高い嵩密度を有する不織布層を遮断
層として設けて、積層一体化した補強用不織布が開発さ
れた(実公昭62−26193公報)。
【0014】更に、補強効果とポリウレタン流入によ
る空気抜き孔閉鎖防止効果を強化するため、高目付不織
布を補強用基布として用い、高い補強効果と、高目付け
化によるポリウレタンの空気抜き孔への流入を遮断、防
止する方法、更には、その高目付け不織布の片面をエン
ボス加工等により高密度化し、実公昭62−26193
号公報に開示されているような遮断層を積層せずに設
け、ポリウレタンの空気抜き孔への流入防止をより確実
にして用いる方法(特開平2−258332号公報)等
も発明され開発されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】最近の高級品指向の高
揚に伴い、車両用シートクッション材に要求される機能
も、優れたクッション機能を満足するのみでは不充分と
なり、従来技術で達成される機能に加え、静粛性等の環
境機能充足の要求をも満足することが必要となり、軟質
ポリウレタンフォーム発泡成型品とバネ材間の摩擦によ
る擦過音や屈曲、屈折音などの異音発生抑制が強く望ま
れるに至った。
【0016】しかしながら、先行技術により得られる、
前記,項に示した方法により現在主流を占め多量に
生産される軟質ポリウレタンフォーム型内発泡成型品
は、バネ材と接する面は、補強布を透過したポリウレタ
ンの皮膜で覆われており、このポリウレタンスキン層が
補強布と相俟って補強効果を発揮し、それなりに商品機
能を満足しているのではあるが、このポリウレタンスキ
ン層とバネ材との間の摩擦による擦過音発生は避けるべ
くもないのである。
【0017】更に、実公昭62−26193号公報によ
り得られる改良商品も、発泡ウレタンと接触する層が、
粗で嵩高なため、過度のウレタン含浸充填を招き、結果
としてウレタン発泡成形品のウレタン密度低下による剛
性低下を誘発するという問題がある。また、特開平2−
258332号公報によるものも、発泡ウレタンと接触
する基布の層が、ウレタン含浸向上を狙った高目付で嵩
高な構造のため、過度のウレタン含浸充填を招き、結果
としてウレタン発泡成形品のウレタン密度低下による剛
性低下を誘発するという問題がある。更に、流出しよう
とするポリウレタンを遮断する高密度の不織布層が、最
外層に存在しバネ材と接するため、紙状物を屈曲する際
に発生するようなパリパリという(屈曲・屈折音)異音
発生が避け難いのである。
【0018】本発明は、前記のような問題点を解決する
ために、ウレタン発泡成形、特に、ウレタン発泡成形品
の成形に際し、過度のウレタン含浸、充填を防ぐことに
より、剛性の低下を防止し、更に異音発生をも防止し、
適度のウレタン含浸、充填により成形品として必要なウ
レタンと基布の一体性を付与出来る車両用シート等のウ
レタン発泡成形用補強基布とその製造方法、それを用い
た高性能の成形性ポリウレタン座席用クッション材を提
供せんとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】剛性の低下を防止し、異
音発生を抑制し、優秀な補強効果と優れた加工性を付与
するために、ポリウレタンフォーム型内発泡成型品補強
基布(不織布)は、図1に示す空隙率の異なる不織布の
積層構造体であることが必要である。
【0020】図1において、1は目付30ないし300
g/m2 、空隙率90ないし94%の嵩高な不織布層で
ウレタン遮断性に寄与する。2は、目付20ないし10
0g/m2 、空隙率87ないし91%の緻密な不織布層
であり、発泡ウレタンとの接触面で適度な毛羽立ち、層
内は適度な含浸性と遮断性を得るために、適度な空隙を
有し、含浸機能と遮断機能の両立に寄与する。この両層
が積層一体化されて本発明の発泡成形品用補強基布を形
成する。
【0021】図2は、この補強基布を用いて製造された
軟質ポリウレタンフォーム型内発泡成形品の断面の一部
を示す。
【0022】図1において、1は嵩高な不織布層、2は
発泡成型金型内で発泡し浸透してきたポリウレタンを包
含する緻密な不織布層であり、3はポリウレタンフォー
ム層である。
【0023】このような、剛性の低下を防止し、異音発
生を抑制し、優秀な補強効果と加工性に優れた軟質ポリ
ウレタンフォーム型内発泡成形用補強基布に対し要求さ
れる機能は、
【0024】型内発泡成形時に、発泡し膨張して来る
ウレタン樹脂が均等に含浸、充填出来て、ウレタンフォ
ームと補強基布間が強固に一体化できるだけのウレタン
樹脂透過性を有し、それ以上の過度の透過性を有しない
こと。
【0025】補強基布が、型内発泡成形品形状に追従
し優れた成形能を保持するため、不織布構成繊維交点間
接着は、強固でなく組織変形に融通性を持った組織構造
と緩やかに接着された構造物であること
【0026】充分な補強効果を発揮せしめるため、不
織布の嵩密度は、型内発泡成形時のウレタン樹脂含浸、
充填が可能なレベルで出来得る限り高いこと。
【0027】バネ部との接触面における擦過音発生を
防止し、屈曲音発生などの異音発生を防止せしめるため
に、スプリングが、直接ウレタンフォームと接触せず、
比較的低嵩密度(比較的高空隙率)の不織布と接触する
ような構造が必要で、更に、補強されたウレタンフォー
ムと一体構造体ならしめる必要があるため、補強布は
,,の機能を有する比較的空隙率の低い(比較的嵩
密度の高い)補強用不織布層と比較的低嵩密度(比較的
高空隙率)の不織布とが積層された一体構造体をなす事
が要求される。
【0028】項に規定した型内発泡成形時のウレタン
樹脂の透過性は、補強用不織布の空隙のポアーサイズ及
び空隙率(見掛けの嵩密度)により決定される値であ
り、空隙率を適正に選定することにより、発泡成形金型
内で発泡し膨張してくるポリウレタン樹脂を補強基布内
に包含させ充填させるが、補強用不織布層外(上面)に
多量に流出させることなく、若干のニジミダシ程度に抑
制し制御する事が可能であることが判明した。
【0029】そこで、実験的にこの適正値を選定した結
果、空隙率87ないし91%が適正であることを見出し
た。
【0030】また、この空隙率(見掛けの嵩密度)は、
項に規定した補強性能に関連性の高い性状であり、嵩
密度が高く不織布構成繊維交点間距離が短いほど、型内
発泡成形時に、不織布構成組織内へのポリウレタン樹脂
の充填が緻密な状態で行なわれ、剛性アップに寄与し、
また、浸透、含浸されるウレタン樹脂による交点間再接
着による引張り弾性率も高い値を得ることができるた
め、型内発泡成形時のウレタン樹脂含浸、充填が可能な
レベルで、出来る限り高い見掛け嵩密度を選定すること
が望ましく、透過性を満足させるための補強基布嵩密度
(空隙率)選定基準と合致し相反する要素を含まず、空
隙率87ないし91%となるように補強用不織布の空隙
率選定を行なうことが全てにおいて好結果を与える。
【0031】因みに空隙率選定を91%より大きくした
場合を考えると、この際は、膨張して来るポリウレタン
樹脂が補強用不織布層を透過し、その上面に溢れ、空気
抜き孔に流入するトラブルを発生するか、補強布に不織
布層が積層されている際には、その不織布層に流入し
て、剛性低下防止、異音防止効果を殺してしまうことに
なる。
【0032】逆に空隙率選定が87%より小さい場合
は、補強用不織布層にポリウレタン樹脂が含浸し難くな
り、補強用不織布層とポリウレタンフォーム層間の接合
不充分を招くようになる。
【0033】項に規定した成形性能確保のため、補強
用不織布の交点間接着を緩やかに行なっておくことは、
何ら補強効果に影響を及ぼさず補強布構成繊維の交点間
接着は、型内発泡成形時に浸透、含浸してくるウレタン
樹脂により最終的接着が行なわれ完結するため、成形性
能を阻害する強固な接着を予め行なっておくことは必要
ないのである。
【0034】一方、異音発生防止のためには、項に規
定したように、スプリングが直接ウレタンフォームと接
触せず、比較的低嵩密度(比較的高空隙率)の不織布と
接触することが必要で、このような低嵩密度不織布を補
強用不織布層と積層一体化した構造の不織布となし、型
内発泡成形品製造時に補強用不織布層を成形金型内の発
泡性ウレタン液側に向け、異音防止不織布層を金型の
(上面)空気抜き孔側に向け設置して、軟質ポリウレタ
ンフォーム型内発泡成形品を製造することにより、スプ
リングとウレタンフォームが直接接触しないように異音
防止層が配置一体化され、異音防止処置が施された製品
を製造することが可能である。
【0035】異音防止層に用いられる不織布層は、実験
の結果、嵩高でクッション性がある方が望ましく、屈曲
時に異音を発生しないことが必要であるため、補強用不
織布層より空隙率が大きく、また目付けの大きく厚手の
ものが必要であり、目付30ないし300g/m2 、空
隙率90ないし94%のものを選定すれば良いことが明
らかとなった。
【0036】このように、補強用不織布層として目付2
0ないし100g/m2 、空隙率87ないし91%の不
織布を選べば、型内発泡成形時にウレタン樹脂は、該不
織布層に浸透、充満し、過剰に不織布面外に流出するこ
となく、補強効果に優れ、ウレタンフォームと不織布補
強層間が完全に一体化するポリウレタンフォーム型内発
泡成形品用の補強用不織布層が選定できる。
【0037】本発明の不織布は、上記の条件を満足する
ものなればスパンボンド法不織布であろうと、短繊維不
織布であろうと何れにても良く、又構成繊維素材も何ら
限定する必要がないが、型内発泡成形時に熱収縮しない
だけの耐熱性(熱収縮率が低いこと)が要求される。
【0038】但し、補強用不織布層には、長繊維からな
るスパンボンド法不織布の適用が補強効果が高くより好
適である。
【0039】これ等の所定の空隙率(見掛けの嵩密度)
を有し、異なる見掛け嵩密度(空隙率)の不織布を積層
し一体化した不織布積層体は、下記の方法を適宜選定し
組合せて製造することが可能である。
【0040】不織布の見掛け嵩密度(空隙率)は、不織
布構成繊維のデニール、クリンプの有無、クリンプの形
状、接着の状態(条件)、交絡の状態(条件)、カレン
ダー加工等のプレス条件等により決定されるので、目的
に合致する条件を選定することにより所定の見掛け嵩密
度を有する不織布が製造できる。
【0041】一般的に、高い見掛け嵩密度の不織布を得
るには、低デニール繊維を使用すること、ニードルパン
チによる交絡時にニードル密度を高く、ニードル深さを
深くすること、カレンダー加工における温度と圧力をあ
げることなどが有効である。
【0042】また、積層され一体構造をなす不織布を製
造するには、 a.2種(異種)のウエッブを重ねニードルパンチング
することにより、機械的交絡により積層一体化されたウ
ェッブを得ることが出来る。
【0043】このウェッブは、そのままで又は接着剤を
含浸、乾燥して製品化するか、又はウェッブ構成繊維を
複合繊維あるいは熱融着性繊維で構成させれば熱接着し
て製品化される。
【0044】b.2種の不織性ウエッブの接合面に接着
剤を塗布し、積層し接合することにより製造できる。
【0045】この際、接着剤は、接着剤溶液(エマルジ
ョン)のコーティング、ホットメルト接着剤シート(不
織布シート,フィルム)の層間挿入等に付与し、それぞ
れ乾燥或いは熱処理することにより接合が行なわれる。
【0046】なお、不織布構成繊維自体が、複合繊維よ
りなるか、或いは熱融着性繊維を包含する場合には、直
接両者の積層体を熱処理することにより接合一体化が可
能である。
【0047】次に本発明の実施態様を具体的に示すため
に実施例により詳細に説明する。
【0048】
【実施例】スパンボンド法により製造された3デニール
のポリエチレンテレフタレート繊維よりなるランダムル
ープ組織の目付120g/m2 のウェッブを170℃の
熱ロールによるカレンダー加工で加熱圧着した不織布1
と、同じくスパンボンド法により製造された1.5デニ
ールのポリエチレンテレフタレート繊維よりなるランダ
ムループ組織の目付60g/m2 のウェッブを200℃
の熱ロールによるカレンダー加工で熱圧着した不織布2
とを積層し、オルガン社製FPD1−40Sのニードル
を用いニードル密度40ケ/cm2 、針深度14mmで
ニードルパンチングし、交絡し一体化し、図1に示す構
成組織の異なる空隙率(異見掛け嵩密度)の積層構造不
織布3を得た。
【0049】図1における不織布3において、測定の結
果、不織布1よりなる不織布層の空隙率は92%、不織
布2よりなる補強用不織布層の空隙率は88%であっ
た。
【0050】得られた、ポリウレタンフォーム型内発泡
成形品補強用不織布3を、発泡成形用金型内に不織布1
を金型の上面、即ち空気抜き孔方向に向け、不織布2を
発泡性ウレタン樹脂添加側に向け金型にセットし、常法
通り発泡性ウレタン樹脂を添加し、加熱、加圧下でポリ
ウレタンの発泡成形を行ない、軟質ポリウレタンフォー
ム型内発泡成形品を作成した。
【0051】図2における、得られた成形品における積
層構造不織布3へのポリウレタン樹脂の浸透、透過状態
と、ポリウレタンフォーム層4と積層構造不織布3間の
接合状態を確認するため、得られた成形品を切断し、断
面の状態観察及びポリウレタンフォーム層4と積層構造
不織布3間接合強さを検討した。
【0052】観察の結果は、発泡し膨張したポリウレタ
ン樹脂は不織布2層内に均等に浸透し充満し、若干不織
布1層との境界層にニジミ出している程度で、目標とし
た理想的状態が実現されていることを示した。
【0053】更に、ポリウレタンフォーム層4と積層構
造不織布3間の接合強さは、境界面剥離以前にポリウレ
タンフォーム層の破壊が起こり、充分な接合が行なわれ
ていることが示された。
【0054】また、異音発生防止層である不織布1面を
コイル状バネに接して加圧、除圧を繰り返す異音発生モ
デル試験において異音の発生は全く検知出来なかった。 比較例 実施例における補強層用不織布2層の空隙率のみを83
%に変更した試料と、全体を空隙率95%の不織布層で
形成させ、実施例と同様に軟質ポリウレタンフォーム型
内発泡成形品を作成し、成形品における積層構造不織布
3へのポリウレタン樹脂の浸透、透過状態と、ポリウレ
タンフォーム層と積層構造不織布3間の接合状態を観察
した。
【0055】観察結果は、全体を空隙率95%とした試
料においては、発泡し膨張したポリウレタン樹脂が一部
不織布層を透過し外部に溢れだし、成形金型の空気抜き
孔を閉塞させる恐れのある状態を示し、ポリウレタン樹
脂が不織布表層に達するため異音防止効果もないことを
示し、補強層用不織布2層の空隙率を83%に変更した
試料では、補強層用不織布2層へのポリウレタン樹脂の
浸透、含浸が不充分の個所があり、ポリウレタンフォー
ム層4と積層構造不織布3間接合が部分的に不充分であ
る個所があった。
【0056】なお、本発明における空隙率とは、20g
/cm2 の荷重を付したときの不織布厚みを用い算出し
た見掛け嵩密度と、不織布構成繊維の密度より算出した
不織布の有効空隙体積の百分率表示である。
【0057】
【発明の効果】目付30ないし300g/m2 で空隙率
90ないし94%の嵩高な不織布層と目付20ないし1
00g/m2 で空隙率87ないし91%の緻密な不織布
層とを積層し一体化した不織布を、軟質ポリウレタンフ
ォーム型内発泡成形品用補強基布として使用することに
より、ウレタン発泡成形品の剛性低下の防止と異音発生
防止能を有する。
【0058】そして、その製造法において、発泡ウレタ
ンの含浸が適度のウレタン含浸機能とウレタン遮断機能
を有した層より始まるため、発泡ウレタンの過度の含
浸、充填を防ぐことにより、ウレタン発泡成形品の密度
低下、剛性低下を防止するとともに成形品として必要な
基布とウレタンの一体性が得れらる。さらに、発泡ウレ
タンと接触する層でウレタンを適度に遮断することによ
り、コイルバネ等と接触する層へのウレタンの通過量を
減少させ、その層で要求されるウレタン遮断性を低下す
ること、即ち、低目付化、結果として基布の低目付化、
成形品の重量減を付与できる車両用シート等のウレタン
発泡成形が可能となる。そして、その製品として、優れ
た引張り弾性率が付与されることに基づいた優れたクッ
ション性能と良好な座り心地を有する、優れた補強効果
による耐久性優秀なクッション材を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強基布の断面図である。
【図2】本発明の補強基布を用いて製造されたポリウレ
タンフォーム型内発泡成形品の断面図である。
【図3】軟質ポリウレタンフォーム型内発泡成形品の断
面図である。
【符号の説明】
1 嵩高不織布層 2 緻密不織布層 3 発泡成形品用補強基布 4 ポリウレタンフォーム層 A ポリウレタンフォーム層 B 補強層 C スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:54 4F (72)発明者 山田 政宣 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内 (72)発明者 塩谷 禎邦 神奈川県厚木市金田982番地 トーヨーソ フラン株式会社本社内 (72)発明者 稲毛 茂 神奈川県厚木市金田982番地 トーヨーソ フラン株式会社本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡ウレタンと接触する層は目付20な
    いし100g/m2で空隙率87ないし91%の緻密な
    不織布とし、コイルバネ等と接触する層は目付30ない
    し300g/m2 で空隙率90ないし94%の嵩高な不
    織布とし、これらを積層し一体化したことを特徴とする
    ウレタン発泡成形用補強基布。
  2. 【請求項2】 型内発泡成形体を製造するに際し、目付
    20ないし100g/m2 で空隙率87ないし91%の
    緻密な不織布と、目付30ないし300g/m2 で空隙
    率90ないし94%の嵩高な不織布とを積層し一体化
    し、前記緻密な不織布側に発泡性ウレタン液を供給し、
    前記緻密な不織布層内にウレタンを浸透させ発泡させて
    補強を行なうとともに、形成されるポリウレタンフォー
    ムと一体化せしめたことを特徴とするウレタン発泡成形
    用補強基布の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡ウレタンと接触する層は目付20な
    いし100g/m2で空隙率87ないし91%の緻密な
    不織布とし、コイルバネ等と接触する層は目付30ない
    し300g/m2 で空隙率90ないし94%の嵩高な不
    織布とし、これらを積層し一体化したウレタン発泡成形
    用補強基布からなる成形性ポリウレタン座席用クッショ
    ン材。
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