JPH0616549A - メサンギウム細胞増殖抑制剤 - Google Patents

メサンギウム細胞増殖抑制剤

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JPH0616549A
JPH0616549A JP19751292A JP19751292A JPH0616549A JP H0616549 A JPH0616549 A JP H0616549A JP 19751292 A JP19751292 A JP 19751292A JP 19751292 A JP19751292 A JP 19751292A JP H0616549 A JPH0616549 A JP H0616549A
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JP
Japan
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drug
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medicine
cells
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JP19751292A
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English (en)
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Takako Yokozawa
隆子 横澤
Hikokichi Oura
彦吉 大浦
Kazuhiro Doi
和紘 土肥
Masayuki Iwano
正之 岩野
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Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、薬
剤性腎障害等に代表される糸球体疾患の治療薬として有
用な薬剤を提供することを目的とする。 【構成】本発明は、下記式 で表される(−)−エピカテキン 3−O−ガレートを
有効成分とするメサンギウム細胞増殖抑制剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メサンギウム細胞の増
殖を抑制する効果を有し、糸球体腎炎、ネフローゼ症候
群、薬剤性腎障害等に代表される糸球体疾患の治療薬と
して有用な薬物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】現在、糸球体腎炎、ネフロー
ゼ症候群、薬剤性腎障害等に代表される糸球体疾患の治
療薬として効果のある薬剤は、副腎皮質ステロイド剤、
免疫抑制剤、血小板凝集抑制剤等であるが、いずれも治
療上の効果は決定的なものとはいえない。
【0003】近年、糸球体疾患の成因としてメサンギウ
ム(mesangium)が注目されている。メサンギ
ウムは、糸球体の軸に相当する部分で、メサンギウム細
胞とその細胞質間であるメサンギウム基質とからなって
いる。特に、糸球体腎炎ではメサンギウム細胞の増殖が
多くの腎生検組織で観察されており、この細胞の増殖の
程度により糸球体腎炎の予後が左右されると考えられて
いる(腎と透析 Vol.28,Vol.4 199
0)。
【0004】従って、メサンギウム細胞の増殖を抑制す
る効果を有し、糸球体疾患の治療薬として有用な薬剤の
開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記式 で表される(−)−エピカテキン 3−O−ガレートに
メサンギウム細胞の増殖を抑制する効果を有することを
見いだした。
【0006】すなわち本発明は、(−)−エピカテキン
3−O−ガレート(以下、本発明の薬剤という。)を
有効成分とするメサンギウム細胞増殖抑制剤である。
【0007】本発明の薬剤は、従来抗酸化剤として用い
られていた。しかし、この物質がメサンギウム細胞の増
殖を抑制する効果を有するということは、従来、全く知
られていなかったことである。
【0008】本発明の薬剤は、生薬大黄(Rhei R
hizoma)等から、抽出・精製等の操作を行うこと
により得ることができるが、フナコシ薬品等から市販さ
れているものを利用してもよい。
【0009】次に本発明の薬剤が、メサンギウム細胞の
増殖を抑制する効果を有することについて、実験例を挙
げて説明する。
【0010】実験例 メサンギウム細胞の培養 バイオクロシーにより得られた正常な人の腎皮質をリン
酸緩衝生理食塩水中で約1mm3に切細した。細片を金
属メッシュ(No.60,No.120,No.280
の順、飯田製作所製)上でシリコン製ヘラでふるい分け
し、No.280のメッシュ上の糸球体を採取した。
【0011】次に、20%牛胎児血清(FCS、Arm
our社製)、100μg/mlストレプトマイシン
(明治製菓社製)を含むRPMI1640(日水製薬社
製)の培養液に糸球体を浮遊させ、培養デイシュ(直径
60mm、Corning社製)にばらまき、37°
C、5%二酸化炭素の条件下で培養した。培養7日目に
培養液を交換し、さらに7日間培養した。培養14日目
に糸球体周囲に増殖した細胞を培養デイシュから0.2
5%トリプシン(Difco社製)、0.02%エチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA、同仁化学社製)で剥離
し、培養フラスコ(Corning社製)に継代した。
さらに7日間培養して、培養フラスコ底面に増殖してい
ることが確認できた細胞を培養メサンギウム細胞として
使用した。
【0012】培養メサンギウム細胞増殖の測定 培養メサンギウム細胞を104cell/ml(あるい
は105cell/ml)の濃度にし、96穴平底培養
用プレート(Corning社製)に各々100μl、
種付けした。24時間培養してメサンギウム細胞がプレ
ートに根づいたことを確認後、培養液を自動吸引機(a
uto sucker)で吸い取り、ハンク溶液で一度
洗浄した。洗浄後、FCSを除いたL−ValをD−V
alに置換したMEM培地(D−Val MEM)を2
00μl添加し、48時間培養した。48時間培養後、
ハンク溶液で1度洗浄し、8%FCS添加D−Val
MEMで適当な濃度に希釈した本発明の薬剤本を添加し
た。
【0013】次に、24時間培養し、培養終了の6時間
前に3H−チミジン(メチル−3H−チミジン、Arma
sham社製)を1μCi/well添加した。24時
間培養後、培養液をトリプシン及びEDTAの混合溶液
に置換し、メサンギウム細胞を剥がした。実態顕微鏡で
メサンギウム細胞が円形になったのを確認後、細胞収穫
機(Labo Mash)を用い、細胞をガラス フィ
ルター上に付着させ、サンチレーチョン カウンター
(Scintillation counter)で放
射活性を測定した。結果を第1表に示す。
【0014】第1表
【0015】上記の結果より明らかなように、本発明の
薬剤の投与群は、無投与群(本発明の薬剤濃度が0μg
/ml)に比較して有意にメサンギウム細胞の増殖を抑
制した。従って、本発明の薬剤は、糸球体腎炎、ネフロ
ーゼ症候群、薬剤性腎障害等に代表される糸球体疾患の
治療薬として有用であると考えられる。
【0016】次に、本発明の薬剤の経口投与での急性毒
性試験をddY系雄性マウスおよびウイスター(Wis
tar)系雄性ラットを用いて行ったところ、1000
mg/kgの経口投与でも死亡例はなかった。
【0017】このように、本発明の薬剤は、極めて毒性
が低く安全性の高いものであることが確認された。
【0018】次に、本発明の薬剤の投与量および製剤化
について説明する。
【0019】本発明の薬剤はそのまま、あるいは慣用の
製剤担体と共に動物および人に投与することができる。
投与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選
択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、
散剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられ
る。
【0020】経口剤として所期の効果を発揮するために
は、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通
常成人で本発明の薬剤の重量として100mg〜6g
を、1日数回に分けての服用が適当と思われる。
【0021】経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスタ
ーチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0022】この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他
に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進
剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
それぞれの具体例は以下に示す如くである。
【0023】[結合剤]デンプン、デキストリン、アラ
ビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロー
ス、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロ
ゴール。
【0024】[崩壊剤]デンプン、ヒドロキシプロピル
スターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチ
ルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0025】[界面活性剤]ラウリル硫酸ナトリウム、
大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート
80。
【0026】[滑沢剤]タルク、ロウ類、水素添加植物
油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ポリエチレングリコール。
【0027】[流動性促進剤]軽質無水ケイ酸、乾燥水
酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸マグネシウム。
【0028】また、本発明の薬剤は、懸濁液、エマルジ
ョン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与するこ
とができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤
を含有してもよい。
【0029】非経口剤として所期の効果を発揮するため
には、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、
通常成人で本発明の薬剤の重量として1日1〜100m
gまでの静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当と
思われる。
【0030】この非経口剤は常法に従って製造され、希
釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖
水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ
油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等を用いることができる。さらに必要に
応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。ま
た、この非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填
後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使
用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもでき
る。さらに、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防
腐剤、無痛化剤等を加えても良い。
【0031】その他の非経口剤としては、外用液剤、軟
膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、
常法に従って製造される。
【0032】次に本発明の薬剤の製剤の実施例を示し
て、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに
より何ら制限されるものではない。 実施例1 コーンスターチ 44g 結晶セルロース 40g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g 本発明の薬剤 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、打錠機にて
圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。この錠剤一
錠には、本発明の薬剤20mgが含有されており、成人
1日5〜7錠を数回にわけて服用する。
【0033】実施例2 結晶セルロース 84.5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 本発明の薬剤 10g 計 100g 上記の処方に従って、およびの一部を均一に混合
し、圧縮成型した後、粉砕し、およびの残量を加え
て混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠
剤を得た。この錠剤一錠には、本発明の薬剤20mgが
含有されており、成人1日5〜7錠を数回にわけて服用
する。
【0034】実施例3 結晶セルロース 79.5g 10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 50g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g ステアリン酸マグネシウム 0.5g 本発明の薬剤 10g 計 145g 上記の処方に従って、およびを均一に混合し、常
法によりねつ和し、押し出し造粒機により造粒し、乾燥
・解砕した後、およびを混合し、打錠機にて圧縮成
型して一錠200mgの錠剤を得た。この錠剤一錠に
は、本発明の薬剤20mgが含有されており、成人1日
5〜7錠を数回にわけて服用する。
【0035】実施例4 コーンスターチ 84g ステアリン酸マグネシウム 0.5g カルボキシメチル セルロースカルシウム 5g 軽質無水ケイ酸 0.5g 本発明の薬剤 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、圧縮成型機
にて圧縮成型後、破砕機により粉砕し、篩別して顆粒剤
を得た。この顆粒剤1gには、本発明の薬剤100mg
が含有されており、成人1日1〜2.5gを数回にわけ
て服用する。
【0036】実施例5 結晶セルロース 86.5g 10%ヒドロキシプロピル セルロースエタノール溶液 35g 本発明の薬剤 10g 計 131.5g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、ねつ和し
た。押し出し造粒機により造粒後、乾燥し、篩別して顆
粒剤を得た。この顆粒剤1gには、本発明の薬剤100
mgが含有されており、成人1日1〜2.5gを数回に
わけて服用する。
【0037】実施例6 コーンスターチ 89.5g 軽質無水ケイ酸 0.5g 本発明の薬剤 10g 計 100g 上記の処方に従って〜を均一に混合し、200mg
を2号カプセルに充填した。このカプセル剤1カプセル
には、本発明の薬剤20mgが含有されており、成人1
日5〜7カプセルを数回にわけて服用する。
【0038】実施例7 注射用蒸留水 89.5g 大豆油 5g 大豆リン脂質 2.5g グリセリン 2g 本発明の薬剤 1g 全量 100g 上記の処方に従ってをおよびに溶解し、これに
との溶液を加えて乳化し、注射剤を得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 で表される(−)−エピカテキン 3−O−ガレートを
    有効成分とするメサンギウム細胞増殖抑制剤。
JP19751292A 1992-07-02 1992-07-02 メサンギウム細胞増殖抑制剤 Pending JPH0616549A (ja)

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JP19751292A JPH0616549A (ja) 1992-07-02 1992-07-02 メサンギウム細胞増殖抑制剤

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JPH0616549A true JPH0616549A (ja) 1994-01-25

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JP19751292A Pending JPH0616549A (ja) 1992-07-02 1992-07-02 メサンギウム細胞増殖抑制剤

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