JP7257091B2 - 認知症の治療及び予防薬 - Google Patents

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Description

本発明は、認知症を治療及び予防するための新規の医薬組成物に関する。
近年、少子高齢化の問題に伴って、認知症が問題視されている。認知症は、記憶障害や判断力障害を伴うことから、社会生活のみならず日常生活においても著しい障害を呈する疾患として認識されている。認知症の患者数は、2016年の統計で、全世界で2430万人の患者が存在し、毎年460万人の新しい患者が発症していると言われている。認知症は、その患者数の多さ、罹病期間の長さから、その治療法の確立が高く望まれている疾患である。
認知症、とりわけアルツハイマー型認知症の治療において、コリンエステラーゼ阻害作用(AChE阻害作用)を有する化合物(以下、コリンエステラーゼ阻害剤)が頻繁に用いられている。これら、コリンエステラーゼ阻害剤の代表例として、塩酸ドネペジルがあげられる。認知症治療において使用される塩酸ドネペジルを開示する文献として、特許文献1が挙げられる。
特開2003-525903号公報
塩酸ドネペジルに代表されるコリンエステラーゼ阻害剤を用いた認知症の治療は、あくまでも軽度から中程度のアルツハイマー型認知症を対象とする。コリンエステラーゼ阻害剤は、重度のアルツハイマー型認知症の治療には適していない。これは、コリンエステラーゼ阻害剤が、アルツハイマー型認知症の進行を抑制する効果を有するものの、同疾患のそもそもの原因を解決する効果を有していないことに起因する。従って、アルツハイマー型認知症に代表される認知症を、確実且つ安全に治療できる医薬品が強く求められている。
本発明者が鋭意検討した結果、認知症の根本原因を見出し、当該原因を解消するための医薬組成物を見出した。
すなわち、本発明は、
[1]メフェネシン類縁化合物及び/又は、カルバメート構造を有する化合物を含む、認知症を治療するための医薬組成物
[2]以下の構造を有する化合物の1種又は2種以上を含む、[1]に記載の医薬組成物:
Figure 0007257091000001


(式中、Rは炭素数1~3のアルキルオキシ基又はハロゲン基である)
[3]Rがメトキシ基又はクロロ基である、[1]又は[2]に記載の医薬組成物、
[4]前記化合物が、カルバミン酸クロルフェネシン及び/又はメトカルバモールである、[1]~[3]のいずれかに記載の医薬組成物、並びに
[5]カルバミン酸クロルフェネシンとメトカルバモールとを含む、[1]~[4]のいずれかに記載の医薬組成物、
に関する。
本発明の医薬組成物により、体重の増減、食欲の減退及び***の減退等の副作用や離脱症状をもたらすことのない認知症を根本的に治療可能な治療薬を提供できる。さらに、本発明の医薬組成物とコリンエステラーゼ阻害剤等を含む他の医薬組成物とを組み合わせることにより、症状に合わせたより確実な認知症の治療方法を提供できる。
本発明の医薬組成物は、以下に説明する化合物及びその他の任意の成分を、製剤形態に適した担体と混合して、製剤化することにより得られる。
1.本発明の医薬組成物による治療対象となる疾患
本発明の医薬組成物は、認知症を予防あるいは治療するための医薬組成物である。
2.化合物
本発明の医薬組成物は、メフェネシン類縁化合物及び/又は、カルバメート構造を有する化合物を含む。
本発明の医薬組成物は、上記化合物の内、好ましくは、以下の構造を有する化合物の1種又は2種以上を含む。
Figure 0007257091000002


(式中、Rは炭素数1~3のアルキルオキシ基又はハロゲン基である)
前記Rとしての炭素数1~3のアルキルオキシ基として、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等が挙げられる。アルキルオキシ基としては、メトキシ基がより好ましい。
前記Rとしてのハロゲン基として、例えば、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。ハロゲン基としては、クロロ基がより好ましい。
Rの結合箇所は特に制限がなく、エーテル結合を形成するフェニル基上の炭素原子を基準として、オルト位、メタ位又はパラ位のいずれでも良い。Rがアルキルオキシ基である場合には、Rがオルト位にあることがより好ましい。Rがハロゲン基である場合には、Rがパラ位にあることがより好ましい。
前記化合物の構造を有する単一の化合物を1種のみで使用しても、前記構造の範囲内で異なる構造を有する化合物を2種以上組み合わせて使用しても良い。
本発明の医薬組成物は、上記化合物の内、特に好ましくは、カルバミン酸クロルフェネシン及び/又はメトカルバモールを含む。
Figure 0007257091000003


(メトカルバモール)
Figure 0007257091000004


(カルバミン酸クロルフェネシン)
本発明の医薬組成物における上記化合物は、合成したものを使用することも、市販のものを使用することもできる。本発明の医薬組成物は、カルバミン酸クロルフェネシン又はメトカルバモールを、それぞれ単体の化合物として含んで良い。また、本発明の医薬組成物は、カルバミン酸クロルフェネシンとメトカルバモールとを両方含んでも良い。本発明の医薬組成物がこれら化合物を両方含むことにより、疾病に対する治療効果の程度や作用時間を調整できる。
また、本発明者は、認知症が、一般的に言われているアミロイドβの蓄積やアセチルコリンの減少だけではなく、他の原因にも起因していると考え本発明に至った。抗コリン作用を有する化合物(以下、抗コリン化合物)は、胃腸薬等の医薬品にとどまらず、食品等にも含まれ得る化合物である。抗コリン化合物は、血液脳関門を容易に通過するため、取り込まれた抗コリン化合物は、頭部を含めて体内で循環され続ける。さらに、抗コリン化合物は、一旦人体に取り込まれると、代謝、分解などにより体外排出されるもののわずかに残留する代謝物がある。従って、年齢を重ねるごとに、体内に蓄積され且つ体内を循環する抗コリン化合物代謝物の量は増加していく。このように、体内に蓄積され且つ頭部を含めて体内を循環する抗コリン薬が、頭蓋骨の内外側接面に存在する筋肉、例えば前頭筋に蓄積すると、当該前頭筋における神経伝達物質の活動が低下あるいは停止し、前頭筋が緊張した状態を引き起こす。このような前頭筋が緊張した状態にあると、筋肉が動かないため抗コリン化合物代謝物の蓄積がますます促進される。これら頭蓋骨の内外接面に存在する筋肉における抗コリン化合物代謝物の濃度が上昇すると、思考をつかさどる神経における神経伝達物質の活動まで低下させてしまう。このように、過剰に蓄積された抗コリン化合物代謝物の作用により、思考力等の認知機能に異常が発生し、認知症、例えば、アルツハイマー型認知症が発症する。
本発明の医薬組成物に含まれる前記化合物を投与することにより、頭蓋骨の内外側接面に存在する筋肉、例えば前頭筋を弛緩させることができる。緊張状態を解かれた前頭筋の活動が活発になることにより、前頭筋に蓄積された抗コリン化合物代謝物を前頭筋から排除させる。前頭筋に蓄積された抗コリン化合物の濃度が低下することにより、思考をつかさどる神経における神経伝達物質の活動が再開され、記憶力、思考力等の認知機能が回復する。
上記の通り、認知症はいくつかの原因が複合して起こる疾病である。これら疾患を治療するためには、症状に合わせて投与する医薬組成物を調製することがより好ましい。本発明の医薬組成物は、前記化合物以外の医薬品、例えばコリンエステラーゼ阻害剤を含むことも出来る。また、原因に合わせた治療計画を達成するために、本発明の医薬組成物は、前記化合物を唯一の認知症治療薬として含んでもよい。
本発明の医薬組成物における前記化合物の量は、使用する化合物の構造、患者の症状、剤形及び1回の投与により必要とされる投与量等により適宜変更可能である。一般的な配合量としては、例えば、医薬組成物における前記化合物の量を、1~90質量%、好ましくは1~85質量%、より好ましくは1~80質量%とする。尚、本発明の医薬組成物に、前記構造を有する化合物を2種以上含む場合には、これら化合物の合計量が、上記配合量の範囲内であれば良い。
3.担体
本発明の医薬組成物を製造する際に使用する担体は、医薬組成物を製造する際に採用し得る担体のいずれも特に制限無く採用し得る。これら担体としては、例えば、医薬組成物に通常使用される充填剤、増量剤、結合材、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤、賦形剤等が挙げられる。これら担体は、剤形によって適宜使い分けることが出来る。具体的に使用される担体を、以下に剤形ごとに分けて説明する。
4.本発明の医薬組成物の採用し得る製剤形態
本発明の医薬組成物は、通常採用し得るいかなる製剤形態を採用できる。例えば、本発明の医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤及び顆粒剤等の経口投与のための内服用固形剤、水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤及びエリキシル剤等の内服用液剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤及び注射剤等の非経口のための剤形等を採用し得る。
5.剤形毎に使用できる担体
内服用固形剤においては、例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、非結晶セルロース及びデンプン等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の結合材、繊維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、グルタミン酸及びアスパラギン酸等の溶解補助剤、並びに安定剤等が挙げられる。製剤化した後に、単一又は複数の層でコーティングしても良い。
内服用液剤においては、例えば、精製水、エタノール又はこれらの混合液等が希釈剤として用いられる。前記希釈剤は、必要に応じて、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤及び緩衝剤から選択される1又は2以上の成分を含んで良い。
軟膏剤で使用し得る担体としては、例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
ゲル剤で使用し得る担体としては、例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
クリーム剤で使用し得る担体としては、例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等)、高級アルコール(2-ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
湿布剤で使用し得る担体としては、例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
貼付剤で使用し得る担体としては、例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
リニメント剤で使用し得る担体としては、例えば、水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、着香剤等が挙げられる。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤において使用し得る担体としては、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤が挙げられる。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および使用時に溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤等が挙げられる。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤、または吸入用液剤が挙げられ、当該吸入用液剤は使用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カルボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
6.医薬組成物の製造方法
本発明の医薬組成物は、従来から存在する医薬組成物の製造方法により製造できる。例えば、剤形として錠剤を採用する場合には、前記例示した担体に、前記化合物を添加して混合し、得られた混合物を圧縮等して任意の大きさの錠剤を得ることが出来る。
7.本発明の医薬組成物の認知症治療のための使用
前記の通り、本発明の医薬組成物を、認知症の治療のために使用できる。前記本発明の医薬組成物と合わせて、従来から認知症治療のために使用されているコリンエステラーゼ阻害剤等、他の治療薬を併用しても良い。
認知症を治療する際の本発明の医薬組成物の投与量は、医薬組成物に含まれた化合物の種類及び量、患者の年齢、体重、症状、治療効果並びに投与方法等により異なり得る。以下に示す投与量は、いずれも、体重60kgの成人1人1日当たりの投与量で表される。前記の通り、以下の投与量は1日当たりの投与量であり、必要に応じて、以下の1日投与量を1回で投与することも、複数回(例えば2~6回)に分けて投与することも可能である。
本発明の医薬組成物に含まれる化合物の一般的な投与量としては、本発明の医薬組成物に含まれる化合物の量として、例えば、10~10000mg、好ましくは300~8000mg、より好ましくは500~6000mg投与することが好ましい。
本発明の医薬組成物に含まれる化合物としてカルバミン酸クロルフェネシンを使用する場合、投与量は、本発明の医薬組成物に含まれる化合物の量として、例えば、10~10000mg、好ましくは300~8000mg、より好ましくは500~6000mg投与することが好ましい。
本発明の医薬組成物に含まれる化合物としてメトカルバモールを使用する場合、投与量は、本発明の医薬組成物に含まれる化合物の量として、例えば、10~10000mg、好ましくは300~8000mg、より好ましくは500~6000mg投与することが好ましい。
カルバミン酸クロルフェネシンとメトカルバモールとを併用する場合の量として、例えば、両化合物を合わせた量として、10~10000mg、好ましくは300~8000mg、より好ましくは500~6000mg投与することが好ましい。またこの場合の、カルバミン酸クロルフェネシン:メトカルバモールの混合比率は、例えば、10:90~90:10、好ましくは30:70~70:30、より好ましくは40:60~60:40である。混合比率を前記範囲とすることにより、疾病に対する治療効果の程度や作用時間を調整できる。
以下、実施例により、本発明の医薬組成物をより詳細に説明する。なお、実施例が本発明の範囲に影響を与えないことは言うまでも無い。
Y迷路試験をType A、B、Cのマウスを用いて実験を行った。
Y字の迷路に動物を入れ6分間自由に行動させた。マウスは常に新しい通路を選ぶ習性があるため、3つのそれぞれのアームに入る順番と回数を測定し進入回数に占める正しい進入回数の割合から正解率を割出し、記憶障害の程度を評価した。
A.B.Cのマウスの薬物投与は下記の通りである。
Figure 0007257091000005

Y迷路試験から得られたデータをもとに、総運動量及び交替行動正答率を解析した。
マウスのN数は4である。
総運動量(回)のデータは下表に記した。
その結果、B>A>C (スコポラミン>無投与>メトカルバモール+スコポラミン)の順になった。
交代行動正答率(%)のデータは下表に記した。
その結果、A>C>B (無投与>メトカルバモール+スコポラミン>スコポラミン)の順になった。
Figure 0007257091000006

試験動物は下記のものを使用した。
動物種 :マウス
系統 :Crj:ICR
性別 :雄
週齢 :4週齢
以上の結果より、総運動量及び交代行動正答率に関するデータにおいて、メトカルバモールは認知機能改善の効果を持つことがわかった。
マウスの週齢は10週であることだけが異なるが、その他は実施例1と同じ条件でマウスを設定し薬を投与した後、Y迷路実験の代わりにマウスの前頭筋を採取した。
その後、前頭筋をLC-MS/MSを用いて測定した。
<前頭筋の前処理方法>
マウスの前頭筋を採取し、50mg当たり0.2mLのメタノールを添加した。
3分間混合撹拌を行った後、遠心分離を行った。残渣に同量のメタノールを再度添加し、遠心分離を行った。ろ液を混合し、それをLC-MS/MSへ注入した。
<前頭筋のLC-MS/MS測定条件>
機器はLC部が島津製作所のProminence、MS部が島津製作所のLC-MS8050。
カラムはナカライテスク製COSMOSIL 5C18-MS-II 2.0mmI.D.×150mm。
A液に10nmol/Lギ酸アンモニウム、B液にメタノールとし流量0.2mL/分で設定。
試料の注入量は10μL。
前頭筋のLC-MS/MSの特徴的な結果は下表であった。
なお全てに共通して存在し、かつ一番大きいピーク面積を持つ分子量124.2を100としてその他のピークの面積比を比較した。
Figure 0007257091000007


スコポラミンのみを投与したBマウスには分子量340.45に特徴的なピークが存在した。
しかしスコポラミン+メトカルバモールを投与したCマウスには、分子量340.45のピークが存在しない。このことより認知機能障害の原因の一つは分子量340.45の物質であり、メトカルバモールはこの分子量340.45の蓄積を妨害していることが推測された。
よってメトカルバモールの存在が、スコポラミンなどの抗コリン剤に影響を与えており、認知機能改善効果があると言える。
実施例1及び2の結果より、メトカルバモールが認知症の治療あるいは予防薬として有効であると判断できた。
本発明の医薬組成物により、これまでコリンエステラーゼ阻害剤等による治療で効果が得られなかった患者に対して、これら従来の医薬品を使用した場合と比較して副作用を抑えつつ、有効な認知症の治療及び/又は予防方法を提供できる。
以下に本発明の具体的な態様を示す。
〔1〕メフェネシン類縁化合物及び/又は、カルバメート構造を有する化合物を含む、認知症を治療するための医薬組成物
〔2〕以下の構造を有する化合物の1種又は2種以上を含む、〔1〕に記載の医薬組成物:
Figure 0007257091000008


(式中、Rは炭素数1~3のアルキルオキシ基又はハロゲン基である)、
〔3〕Rがメトキシ基又はクロロ基である、〔1〕又は〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕前記化合物が、カルバミン酸クロルフェネシン及び/又はメトカルバモールである、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の医薬組成物、及び
〔5〕カルバミン酸クロルフェネシンとメトカルバモールとを含む、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の医薬組成物。





Claims (4)

  1. 以下の構造を有する化合物の1種又は2種以上を含む、認知症を治療するための医薬組成物:
    Figure 0007257091000009
    (式中、Rは炭素数1~3のアルキルオキシ基又はハロゲン基である)
  2. Rがメトキシ基又はクロロ基である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記化合物が、カルバミン酸クロルフェネシン及び/又はメトカルバモールである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. カルバミン酸クロルフェネシンとメトカルバモールとを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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