JPH0615455Y2 - 電線保護テープ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、電線保護テープに関し、自動車用配線、各
種機械類の配線に適している。

（従来の技術） 電線の周囲の部材への接触による擦傷、受熱劣化等を防
止したり、或いは、２本以上の電線を束ねるなどのため
に、保護チューブが、従来用いられている。

そして、挿通した位置に保護チューブを固定するため
に、熱収縮材をチューブに設けたものが、従来、知られ
ている。

上記の熱収縮性の保護チューブは、配線前（例えば電線
に端子をかしめる前や、コネクタを電線に取付ける前）
に、この電線に通しておかねばならず、上記端子、コネ
クタ等を取付けた後即ち、配線後は、熱収縮性の保護チ
ューブを挿通することができない。

そこで、チューブ形状の代りに熱収縮性テープをシート
形状とし、電線への巻きつけ端部に、接着材や、ハト
メ、ジッパー、ボタンなどの止めを設け、この熱収縮性
テープを電線に巻いて上記止めによって該テープの巻き
つけ端部を互いに結合して円筒状とし、この後に該テー
プを加熱して収縮することにより電線を結束するように
した結束用熱収縮テープが、実開昭６２−１９０３８４
号公報として知られている。

（考案が解決しようとする課題） 上記公報の結束用熱収縮テープは、加熱、収縮の前では
電線に円筒状に嵌合されているものであり、電線に対し
ては該テープは単に当接しているだけで固定されている
ものでないため、上記加熱作業の際、外力等によって巻
きつけられている位置がずれ動いてしまう恐れがある。

この考案は、従来の保護チューブのこれらの問題に鑑み
て提案されたもので、配線した後の加熱作業で外力等を
受けても所定位置で位置ずれなく結束して保護できるよ
うに構成した電線保護テープを提供するものである。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するためのこの考案の構成は、電線６に
巻きつける電線保護テープ５を、この電線６に接する側
から、粘着材３、熱溶融性接着剤２、熱収縮材１の順に
層状に設けたものである。

粘着材３に、剥離紙４を設けることによって、電線保護
テープ５を、巻き取った形に製作しておくことができ
る。

（作用） 粘着材３が電線６に接するようにして、電線保護テープ
５を巻きつけると、電線６に粘着材３が粘着してこれに
より、剥離が防止されて電線保護テープ５は筒状に保形
され、ずれ動くことはない。

次に、この筒状の電線保護テープ５に、熱を加えると、
熱溶融性接着剤２は溶け出して電線６と筒状の内面とを
固着し、熱収縮材１が収縮して電線６にこの電線保護テ
ープ５は強固に巻きつく。

粘着材３に、剥離紙４を設けているので、使用前では電
線保護テープ５は巻かれたコンパクトな形となる。

（実施例） 次にこの考案の実施例を図に基いて説明する。

第１図に電線保護テープの断面図を示した。

熱を受けて収縮する熱収縮材１の上に、熱によって溶け
る熱溶融性接着剤２を設け、さらにその上に粘着材３を
設け、剥離紙４を粘着材３の上に貼ったものにより、電
線保護テープ５を形成している。

製作時は、剥離紙４を内周側にして巻き取ることによ
り、電線保護テープ５はコンパクトな形となる。

次に使用手順を説明する。

まず、剥離紙４をはがして粘着材３が電線６に接するよ
うにして（第２図）、電線保護テープ５をこの電線６に
巻きつける。

粘着材３は、電線６に粘着して電線保護テープ５は筒状
に保形され（第３図）、ずれ動くこと無く所定位置に保
持される。

１巻きを越えた部分は、この部分の粘着材３が巻きつけ
内周側の熱収縮材１に粘着することになり、巻き終り端
部が剥れることは無く、筒状となる。

次に、電熱タイプ又はバーナータイプのドライヤーなど
を用いて電線保護テープ５を加熱すると、熱溶融性接着
剤２は溶け出して電線６と筒状の内面との間を埋めると
共に熱収縮材１は収縮してこれらの作用により電線保護
テープ５はしっかりと電線６に巻きつき（第４図）、電
線６は、外被した電線保護テープ５によって充分に保護
されることになる。結束に際して電線６に巻きつけられ
た電線保護テープ５は、粘着材３の粘着作用によって該
巻きつけ位置に確実に固着され、加熱収縮作業の際に外
力等が加わったときも位置ずれは発生し得ない。

電線６は、配線して適宜に振れ止めを施した後に、周囲
の部材への接触の恐れのある個所、或いは熱を受ける恐
れのある個所などに、上記の手順によって電線保護テー
プ５を適確に巻きつけることができる。

（考案の効果） この考案に係る電線保護テープは上述のように、電線６
に巻きつける電線保護テープ５を、この電線６に接する
側から、粘着材３、熱溶融性接着剤２、熱収縮材１の順
に層状に設けているので、結束に際して電線６に巻きつ
けられた電線保護テープ５は、粘着材３の粘着作用によ
って該巻きつけ位置に確実に固着され、加熱収縮作業の
際に外力等が加わったときも位置ずれは発生し得ず、保
護が必要な所定位置にて電線６は結束される。

このように、配線を終えた後、接触防止、受熱防止、油
による汚損防止等のための必要な個所に、電線保護テー
プ５を巻き、加熱することによって電線６を保護するこ
とができ、保護必要個所に正確に電線保護テープ５を固
着できて作業上、極めて便利となった。

粘着材３に、剥離紙４を設けているので、使用前では電
線保護テープ５を巻くことができて、コンパクトな形と
なった。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図は電線保護テー
プの断面図、第２図、第３図、第４図は使用手順を示す
斜視図である。 １……熱収縮材、２……熱溶融性接着剤 ３……粘着材、４……剥離紙 ５……電線保護テープ、６……電線

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電線に巻きつける電線保護テープを、この
   電線に接する側から、粘着材、熱溶融性接着剤、熱収縮
   材の順に層状に設けたことを特徴とする電線保護テー
   プ。
2. 【請求項２】粘着材に剥離紙を設けたことを特徴とする
   請求項１記載の電線保護テープ。