JPH06144030A

JPH06144030A - 燃料タンク

Info

Publication number: JPH06144030A
Application number: JP31940792A
Authority: JP
Inventors: Yasushi Sugiura; 康史杉浦
Original assignee: Horie Kinzoku Kogyo KK
Current assignee: Horie Kinzoku Kogyo KK
Priority date: 1992-11-04
Filing date: 1992-11-04
Publication date: 1994-05-24

Abstract

(57)【要約】【目的】一対の容器の開口部を接合して閉空間を郭成
する燃料タンクにおいて、仕切板及びサブタンクを燃料
タンク内の所定位置に確実且つ容易に支持し得るように
する。【構成】一対の容器（２，３）の開口部を接合して閉
空間を郭成し、板面に複数の連通孔を穿設して成る仕切
板（５，６）、及び仕切板（５，６）と一体的に形成す
るサブタンク（７）を容器（２，３）内に収容する。こ
のとき、仕切板（５，６）を一対の容器（２，３）の底
部間に挾持して固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用として好適な
燃料タンクに関し、特に一対の容器の開口部を接合して
閉空間を郭成する燃料タンクに係る。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、自動車の燃料タンクは一対の
容器の開口部が接合されて成り、燃料タンク内の燃料が
車両走行中に急激に流動することがないように、燃料タ
ンク内を小室に分割すると共に連通孔を介して相互に連
通可能とする仕切板が設けられている。この仕切板はセ
パレータあるいはバッフルプレートと呼ばれ、種々の形
状のものが存在するが、一般的には複数の連通孔が穿設
された金属板から成り、この金属板が、燃料タンクを郭
成する一対の容器の一方に溶接あるいはロウ付けによっ
て接合されている。

【０００３】そして、燃料ポンプによって燃料タンク内
の燃料がエンジンに供給され、余剰燃料がリターンチュ
ーブを介して燃料タンクに戻されるように構成されてい
る。燃料ポンプは燃料タンク外に設けられるものもある
が、例えば実開昭６０−１１４０２３号公報に記載のよ
うに、燃料タンク内に設けられる所謂インタンク式の燃
料ポンプが普及している。この燃料ポンプの吸入口は燃
料タンクの底部近傍に位置するように配設されるが、同
公報に記載のように所謂サブタンク内に吸入口が配置さ
れるのが一般的である。

【０００４】サブタンクは、通常側方に連通路を有する
小容器で、少くともその底部が金属板によって構成され
ており、これがスポット溶接等によって燃料タンクの底
部に固着され、この小容器内に燃料ポンプの吸入口が位
置するように配設されている。而して、燃料タンク内の
燃料残量が少ない場合に燃料タンク内の燃料液面が燃料
タンクに対して傾斜しても、小容器内に燃料が留置さ
れ、これが燃料ポンプに吸入されるので、燃料供給が中
断されることなく所定量の燃料を供給することができ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の燃料タンク
においては、仕切板（セパレータ）及びサブタンクは、
何れも溶接等によって燃料タンクの底部に接合されるの
で、接合作業が煩雑であり製造が困難である。近時の車
両には、上記サブタンクを合成樹脂によって形成し金属
製のセパレータに支持するようにしたものも散見される
が、依然セパレータは燃料タンクに溶接されており、必
ずしも製造が容易というものではなく、組付作業も容易
ではない。

【０００６】そこで、本発明は、一対の容器の開口部を
接合して閉空間を郭成する燃料タンクにおいて、仕切板
及びサブタンクを燃料タンク内の所定位置に確実且つ容
易に固定し得るようにすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、一対の容器の開口部を接合して閉空間を
郭成する燃料タンクにおいて、板面に複数の連通孔を穿
設して成る仕切板と、該仕切板と一体的に形成するサブ
タンクとを備え、前記仕切板を前記一対の容器の底部間
に挾持して固定するようにしたものである。

【０００８】

【作用】上記の構成になる燃料タンクにおいては、サブ
タンクと一体的に形成された仕切板が、一方の容器内に
収容され、その開口部に他方の容器の開口部が接合され
る。これにより、仕切板が両容器の底部間に挾持され、
仕切板及びサブタンクが両容器に支持されると共に、両
容器によって郭成される閉空間が小室に区画される。仕
切板には連通孔が形成されており、燃料タンク内に供給
される燃料は、連通孔を介して各小室間を流動し得る
が、急激な流動は制限されるので、このときに生ずる流
動音が低減される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１乃至図３は本発明の一実施例に係る燃料タン
クを示すもので、図１に示すように大別して三つの部品
が組合されて成る。即ち、ロアケース２、アッパケース
３及びセパレータアセンブリ４から成り、セパレータア
センブリ４が、ロアケース２とアッパケース３との間に
介装される。セパレータアセンブリ４は合成樹脂により
セパレータ５，６及びサブタンク７が一体成形されたも
ので、ロアケース２のフランジ２ａとアッパケース３の
フランジ３ａが溶接等によって接合されると、両者間に
セパレータアセンブリ４のセパレータ５，６が挾持され
るように構成されている。

【００１０】ロアケース２は、例えば鋼板が容器状にプ
レス成形されたもので、その開口部にフランジ２ａが一
体的に形成されている。また、アッパケース３も例えば
鋼板が容器状にプレス成形され、その開口部にフランジ
３ａが一体的に形成されると共に、その底部（図１では
頂部）に取付開口３ｂが形成されている。そして、取付
開口３ｂを塞ぐように、取付板８がガスケット（図示せ
ず）を介して螺子等によって固定され、この取付板８に
ブラケット（図示せず）を介して燃料ポンプ（図示せ
ず）が支持される。

【００１１】取付板８にはメインチューブ９ａ及びリタ
ーンチューブ９ｂが貫通して設けられ、ろう付け等によ
って接合されている。そして、メインチューブ９ａの開
口端が燃料ポンプの吐出口に接続される。本実施例の燃
料ポンプはインタンク式で、例えばインペラ型のポンプ
及びこれを駆動する直流モータを内蔵しており、その吸
入口にはフィルタ（図示せず）が装着されている。更
に、アッパケース３には燃料を注入するための燃料注入
管１０等が装着される。

【００１２】セパレータアセンブリ４は樹脂成形により
図１に示すように容器状に形成され、セパレータ５，６
が一体的に立設されると共に、底面にはサブタンク７が
一体的に形成されている。セパレータアセンブリ４の各
側壁には開口部４ａが形成されると共に、底部にも開口
部４ｂが形成され、材料量の低減による一層の軽量化が
図られている。尚、セパレータアセンブリ４の側壁の高
さは、図２に明らかなようにロアケース２の深さより大
に形成されている。セパレータ５，６は底面から開口部
の外方まで略平行に延出しており、図１に示すように各
々の全面に亘り複数の連通孔５ａ，６ａが穿設されてい
る。

【００１３】サブタンク７は容器状に形成され、図２及
び図３に明らかなように、その側面にセパレータ５方向
に開口する連通路７ａが形成されており、これを介して
ロアケース２内と連通し、サブタンク７内に燃料が流入
するように構成されている。また、サブタンク７内の底
部において、連通路７ａのサブタンク７内への開口方向
に吸入口が位置するように、燃料ポンプがブラケットを
介してアッパケース３に支持されている。

【００１４】上記セパレータアセンブリ４はロアケース
２内に収容された後、フランジ２ａに対しフランジ３ａ
が衝合するように、ロアケース２にアッパケース３が載
置される。これにより、ロアケース２の底部とアッパケ
ース３の底部との間にセパレータ５，６が挾持された状
態となり、フランジ２ａ，３ａが例えばシーム溶接によ
って接合され筐体が形成される。而して、ロアケース２
とアッパケース３によって郭成される閉空間はセパレー
タ５，６によって小室に三分割されるところとなり、そ
の中央の室にサブタンク７が配置された形となる。

【００１５】上記の構成になる燃料タンクにおいて、燃
料ポンプ（図示せず）が作動すると、その吸入口からサ
ブタンク７内の燃料が吸入され、メインチューブ９ａを
介してエンジン（図示せず）に供給され、リターンチュ
ーブ９ｂを介して燃料タンク１内に戻される。そして、
燃料タンク１内の燃料は、セパレータ５，６によって区
画された小室間を、連通孔５ａ，６ａを介して流動する
が、これらによって急激な流動は制限されるので、流動
音が低減される。また、例えば燃料タンク１内の燃料液
面が燃料タンク１に対して傾斜してもサブタンク７内に
燃料が留置されるので、燃料供給が中断されることはな
い。

【００１６】而して、本実施例によれば、セパレータ
５，６及びサブタンク７は、合成樹脂によりセパレータ
アセンブリ４として一体的に形成され、セパレータ５，
６はロアケース２とアッパケース３との間に挾持された
状態で支持されるので、確実に所定位置に固定されると
共に、燃料タンク１として高い剛性が確保される。従っ
て、ロアケース２及びアッパケース３の板厚を従来に比
し薄くすることもでき、合成樹脂を用いたことによる軽
量化に加え、一層の軽量化が可能となる。また、これに
伴う部品点数削減等によりコストダウンとなる。

【００１７】尚、本実施例においては、二つのセパレー
タ５，６が設けられているが、一つでもよく、あるいは
三つ以上設けることとしてもよい。また、連通孔５ａ，
６ａの大きさ、個数も流動音の発生状況等に応じて適宜
設定される。更に、サブタンク７の大きさ、形状、配
置、連通路７ａの形状、開口方向等も燃料ポンプの吸入
口等との関係に応じて適宜設定される。

【００１８】図４及び図５は本発明の他の実施例に係
り、特に前述のセパレータアセンブリ４の他の実施例を
示すものである。本実施例のセパレータアセンブリ４０
は、セパレータ５０の板面に対しサブタンク７０の側面
が接合された形で一体成形されている。そして、連通路
７０ａの開口方向はセパレータ５０の板面に平行な方向
となっている。セパレータアセンブリ４０の底部には大
きな開口４０ｂが形成されており、サブタンク７０の底
面はロアケース２の底面に対し所定の距離ｄだけ上方と
なる位置に形成されている。

【００１９】而して、本実施例によれば、ロアケース２
の底部に沈殿する水、異物等がサブタンク７０内に流入
することを防止することができる。尚、上記の距離ｄ
は、本実施例では図４に示すようにセパレータアセンブ
リ４０の底部の板厚分となっているが、これより大とし
てもよく、また小としてもよい。また、連通路７０ａの
開口方向を前述の図１の実施例と同様にしてもよい。更
に、セパレータアセンブリ４０の形状は、必ずしもロア
ケース２と同様の容器状にする必要はなく、ロアケース
２とアッパケース３との間にセパレータ５０，６０が挾
持されるように構成されるのであれば、どのような形状
であってもよい。

【００２０】図６及び図７は本発明の更に他の実施例を
示すもので、図４の容器状のセパレータアセンブリ４０
を構成することなく、サブタンク７０を一体的に形成し
たセパレータ５１と、板体のセパレータ６１を、ロアケ
ース２０とアッパケース３０との間に挾持するようにし
たものである。即ち、ロアケース２０及びアッパケース
３０には、各々の底部に溝２１，２２及び溝３１，３２
が形成されており、これらの溝に夫々セパレータ５１，
６１が嵌合するように配置された後、ロアケース２０と
アッパケース３０が接合されればセパレータ５１，６１
は確実に所定位置に固定される。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の燃料タン
クにおいては、一対の容器内に仕切板及びサブタンクが
収容され、仕切板が両容器の底部間に挾持されるように
構成されているので、仕切板及びサブタンクを確実に所
定位置に固定することができると共に、高い剛性を確保
することができる。また、従来に比し部品点数が削減さ
れると共に軽量となり、しかも製造及び組付作業が容易
で、コストダウンとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る燃料タンクの分解斜視
図である。

【図２】本発明の一実施例に係る燃料タンクの縦断面図
である。

【図３】本発明の一実施例におけるセパレータアセンブ
リの平面図である。

【図４】本発明の他の実施例におけるセパレータの一部
及びサブタンクを示す斜視図である。

【図５】本発明の他の実施例におけるセパレータアセン
ブリの平面図である。

【図６】本発明の更に他の実施例におけるセパレータ及
びサブタンクを示す斜視図である。

【図７】本発明の更に他の実施例に係る燃料タンクの縦
断面図である。

【符号の説明】

１燃料タンク２ロアケース３アッパケース４セパレータアセンブリ５，６セパレータ７サブタンク８取付板９ａメインチューブ９ｂリターンチューブ１０燃料注入管４０，４１セパレータアセンブリ５０，５１セパレータ６０，６１セパレータ７０サブタンク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一対の容器の開口部を接合して閉空間を
郭成する燃料タンクにおいて、板面に複数の連通孔を穿
設して成る仕切板と、該仕切板と一体的に形成するサブ
タンクとを備え、前記仕切板を前記一対の容器の底部間
に挾持して固定するようにしたことを特徴とする燃料タ
ンク。