JPH0614260U - レバー式水栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 湯水混合水栓における流量の微調整は難しい
ために、皿洗いなどの洗い物をする場合に予期に反して
強い水勢で吐出されて、跳ね返り水が周囲に飛散し、衣
服を濡らしたり、洗面カウンター及び床面を汚したりす
る等の問題点が生じるので、これを解消する。 【構成】 流量操作レバー５の開操作の途中の所定位置
で、流量操作レバー６の基端側背面に設けた凸部９と水
栓本体２の化粧碗部１０のに設けた凸条部１１に一旦係
合するように構成するか、または流量操作レバー１６の
基端側から化粧碗部１９に形成した開孔２０に対してス
ピンドル２２を突入、退出可能に構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キッチン用等の少量吐出の調整が必要なレバー式水栓に関し、例え ばシングルレバー式混合水栓に利用される。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばシングルレバー式の湯水混合水栓では、既に周知なように、可動 ディスク弁体と固定ディスク弁体の重なりによってできる湯孔及び水孔の開口面 積を水栓本体に設けた操作レバーを上下方向及び左右方向へ操作して変化させる ことで、温度調節及び流量調節を行っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の湯水混合水栓において、流量調節は、操作レバーを上下方向へ 移動させるという単純な機構で行っているので、流量の微調整は難しい。このた め、皿洗いなどの洗い物をする場合には、最大吐出流量の半分以下の吐出流量に 抑えたいにもかかわらず、そのような調節が難しいので予期に反して強い水勢で 吐出されることがある。このため、洗面器等の鉢内部や洗い物に衝突してその跳 ね返り水が周囲に飛散し、衣服を濡らしたり、カウンター及び床面を汚したりす る等の問題点があった。 一方で、例えば、やかんに水を溜める時の様に、最大吐出流量での吐水が便宜 な使用場面もあって、従来と同じ程度の最大流量も必要である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る請求項１記載のレバー式水栓は、水栓本体の化粧碗部と流量操作 レバーの双方に、該流量操作レバーが開操作される途中の所定位置で係合する凸 部が夫々形成されてなるものである。

【０００５】 本考案に係る請求項２記載のレバー式水栓は、流量操作レバーから水栓本体の 化粧碗部に形成された開孔に対して突出退入自在にスピンドルが挿着され、該ス ピンドルは前記流量操作レバーが開操作される途中の所定位置で前記開孔に係合 されるものである。

【０００６】

【作用】

請求項１記載のレバー式水栓では、流量操作レバーを閉塞状態から全開させる べく操作した場合に、その動作の途中で流量操作レバーに設けた凸部と水栓本体 の化粧碗部の凸部とが係止されるので、このときの流量として例えば皿洗い等の 少量流量の場合に最適な状態（例えば６ｌ／ｍｉｎの状態）にすることができる 。この状態からさらに流量操作レバーを開状態に操作すると、全開状態〔例えば 最大流量（１５ｌ／ｍｉｎ）〕の状態）になり、例えばやかんへの水汲み等に好 適な流量となる。このように流量操作レバーの開動作の途中で前記凸部どうしが 一旦係合するので、少量流量の吐出が容易に設定できる。

【０００７】 請求項２記載のレバー式水栓では、スピンドルを流量操作レバー側から化粧碗 部に形成した開孔に対して係合させると、小量流量状態になり、スピンドルをこ の係合孔から出退させると最大流量状態までの流量調整が可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係るレバー式水栓の実施例について、図面を参照して説明する 。 図１及び図２はレバー式水栓の第１実施例を示す図面である。 図面に示すレバー式水栓は、シングルレバー式湯水混合水栓１であって、水栓 本体２の内部に固定ディスク弁体３と可動ディスク弁体４が設けられ、吐出の温 度調整及び流量調整はこれら固定ディスク弁体３に対して可動ディスク弁体４を 相対的に移動させ、湯孔及び水孔の開口面積を調整することでなされる。可動デ ィスク弁体４は、回動部材５を介して操作レバー６の基端部７側に連結されてい る。この操作レバー６は、本例では図１において、二点鎖線で示しているように 上方へ引き上げると吐水量が増加し、左右方向に回転させると温度調整がなされ る。

【０００９】 前記操作レバー６の基端部７の背部８に半球状の凸部９が形成されている。具 体的には、図２に示すように、背部８を縦割部材１３を挟んで３つに分割して構 成され、この縦割部材１３の略中央部に前記凸部９が設けられ、若干の上下動を 可能としたクリック構造になされている。凸部９から縦割部材１３の下端にかけ てはテーパ面１４になされている。

【００１０】 この凸部９に対応して、水栓本体２の上部に位置する半球形状の化粧碗部１０ の外周には環状の凸条部１１が形成されている。この凸条部１１としては、少な くとも操作レバー６の回動範囲に亘って配されたものであれば、円弧状に設けた ものでもよい。

【００１１】 これら凸部９及び凸条部１１は、流量調整にあたり操作レバー６を上方操作し たときに、その上方操作の途中から接し始めて一旦係止するが、さらなる上方操 作によって凸部９が凸条部１１を乗り越えるようになされている。具体的には、 これら凸部９及び凸条部１１の係止位置は、操作レバー６を上方に操作して全開 状態〔例えば最大流量（１５ｌ／ｍｉｎ）〕の状態）にする途中であって、例え ば流量が皿洗い等の少量流量の場合に最適な状態（例えば６ｌ／ｍｉｎの状態） になるように決められている。

【００１２】 しかして、図１に示すシングルレバー式湯水混合水栓１では、操作レバー６を 閉塞状態から全開させるべく上方操作した場合は、その動作の途中で前記凸部９ が化粧碗部１０の凸条部１１と一旦係止する。このとき、前記テーパ面１４があ るために緩衝的にスムーズに係合する。そして、ここで上方操作を止めると、例 えば皿洗い等の少量流量の場合に最適な状態（例えば６ｌ／ｍｉｎの状態）にな る。さらに操作レバー６を上方操作すると、全開状態〔例えば最大流量（１５ｌ ／ｍｉｎ）〕の状態）になるので、例えばやかんへの水汲み等に好適な流量とな る。このように、操作レバー６の上方操作は、いっきに全開状態とならないので 、予期しない必要以上の強い水勢で吐出することがなくなる。

【００１３】 また、化粧碗部１０の凸条部１１は、Ｏリングや一部を切り欠いた樹脂リング 等の別体で構成し、化粧碗部１０に嵌め込み乃至接着等により取り付けてもよい 。これは、給水圧、給湯圧がもともと低い地域では、全開の場合でも６ｌ／ｍｉ ｎ程度しかないので、操作レバー６の上方操作を途中で止める必要がないからで あり、そのような地域に対しては、この凸条部１１を外しておく。

【００１４】 図３ないし図５は第２実施例を示し、本例は操作レバー１６の背部１７に手動 作で流量の切替ができる流量切替機構を設けた場合である。 図３に示す流量切替機構において、操作レバー１６の基端部１８の上部背面側 に化粧碗部１９上部の開孔２０に対面する小孔からなるネジ孔２１が穿設されて いる。 流量切替スピンドル２２は、前記ネジ孔２１に螺着されるとともに、その先端 部２３が開孔２０に係脱可能になされている。この流量切替スピンドル２２の頭 部はハンドル２４になされ、操作レバー１６の外へ導出されている。そして、こ のハンドル２４を回転させることにより、流量切替スピンドル２２を前後位置に 移動させることができる。流量切替スピンドル２２の先端部２３の構造は、本体 たるネジ部分２５よりもやや細径になされた部分に、例えばゴム製又は樹脂製か らなる円柱状のリング部材２６が円盤状の止輪２７で抜止めされて固定されてい る（図５参照）。

【００１５】 しかして、第２実施例に示すシングルレバー式湯水混合水栓では、ハンドル２ ４を右方向に回転させて流量切替スピンドル２２の先端部を化粧碗部１９の開孔 ２０に突入状態にすると、操作レバー１６を上方操作しても、流量切替スピンド ル２２の先端部２３と開孔２０とが係合するので（図４参照）、全開の場合に比 べると少ない流量（例えば、６ｌ／ｍｉｎ）となる。このため、例えば皿洗いに 最適な流量になる。このとき開孔２０内ではリング部材２６が弾性を有した係止 状態となっており、しかもこのリング部材２６は自由に回転するので、開孔２０ に接してもその周縁を損傷することがない。 一方、ハンドル２４を左回転させて、流量切替スピンドル２２を開孔２０から 脱すると（図３参照）、操作レバー１６は上方操作に対してなんの規制もなくな るので、操作レバー１６を最大位置まで上方操作すると、最大流量（例えば、１ ５ｌ／ｍｉｎ）の吐出が可能となる。よって、このときにはやかんに水を溜める 等の用途に好適となる。

【００１６】 なお、上記実施例では、操作レバー１６を上方操作するときに流量が増加する ような機構を用いた場合を例示したが、勿論下方操作したとき等に流量が増加す るような機構の場合にも適用できる。 また、図１における凸部９及び凸条部１１、図３おける流量切替機構は水栓本 体２は夫々水栓本体２の背面側に設けているが、勿論これに限定するものではな く、水栓本体２の前面側等に配することもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、微妙な流量調整が可能となり、例えば皿 洗い等の少ない流量での吐水が好ましい場合に、予め規制した流量での吐水を簡 単に行うことができ、その適正な流量になるまでの調整に手間取らない。よって 、予期に反して流量が大きく吐水されない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る第１実施例に係る図面であり、シ
ングルレバー式湯水混合水栓の全体を示す部分縦断面図
である。

【図２】本考案に係る第１実施例に係る図面であり、操
作レバー基端部側の背部を示す部分正面図である。

【図３】本考案に係る第２実施例に係る図面であり、ス
ピンドルの係合が解除されている状態を示す部分断面図
である。

【図４】本考案に係る第２実施例に係る図面であり、ス
ピンドルが係合している状態を示す部分断面図である。

【図５】本考案に係る第２実施例に係る図面であり、ス
ピンドルの下部構造を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１…湯水混合水栓 ２…水栓本体 ３…固定ディスク弁体 ４…可動ディスク弁体 ６，１６…操作レバー（流量操作レバー） ７，１８…基端部 ９…凸部 １０，１９…化粧碗部 １１…凸条部 ２０…開孔 ２２…流量切替スピンドル ２４…ハンドル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水栓本体の化粧碗部と流量操作レバーの
   双方に、該流量操作レバーが開操作される途中の所定位
   置で係合する凸部が夫々形成されてなることを特徴とす
   るレバー式水栓。
2. 【請求項２】 流量操作レバーから水栓本体の化粧碗部
   に形成された開孔に対して突出退入自在にスピンドルが
   挿着され、該スピンドルは前記流量操作レバーが開操作
   される途中の所定位置で前記開孔に係合されることを特
   徴とするレバー式水栓。