JPH06136072A - プロピレンブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体の製造方法

Info

Publication number
JPH06136072A
JPH06136072A JP28885792A JP28885792A JPH06136072A JP H06136072 A JPH06136072 A JP H06136072A JP 28885792 A JP28885792 A JP 28885792A JP 28885792 A JP28885792 A JP 28885792A JP H06136072 A JPH06136072 A JP H06136072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
polymerization
olefin
block copolymer
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28885792A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Igai
滋 猪飼
Masanori Tamura
雅範 田村
Kazutaka Suzuki
和隆 鈴木
Shinichiro Yamada
慎一郎 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP28885792A priority Critical patent/JPH06136072A/ja
Publication of JPH06136072A publication Critical patent/JPH06136072A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】第一段階でプロピレン又はプロピレンと少量の
他のα−オレフィンとの重合を行い、ひき続いて、第二
段階でプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンと
の共重合を行うプロピレンブロック共重合体の製造方法
において、成分(A)としてマグネシウム、チタン、ハ
ロゲン元素及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、
成分(B)として有機アルミニウム化合物、及び成分
(C)としてピペリジン化合物とからなる触媒系を用い
る。 【効果】20℃キシレン可溶部の重量平均分子量が 600,0
00以上であるプロピレンブロック共重合体を、高い共重
合活性で製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高剛性で高衝撃強度の
優れたプロピレンブロック共重合体を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】チーグラー型触媒を用い
て製造される結晶性ポリプロピレンは、剛性、耐熱性な
どの優れた特性を有しているが、特に自動車、電気製
品、スポーツ用品などの用途において、衝撃強度、特に
低温における高い衝撃強度が、必ずしも満足できるとは
言えず、改良が望まれている。衝撃強度の改良のため、
結晶性ポリプロピレンに、プロピレンとα−オレフィン
のゴム状共重合体がブロック共重合したプロピレンブロ
ック共重合体が提案されている。
【0003】プロピレンブロック共重合体の製造方法と
して、担持型チタン含有固体と有機アルミニウム化合物
との組み合わせからなるチーグラー型の触媒の存在下、
不活性有機溶媒を用いたスラリー重合、気相重合、ある
いは塊状重合と気相重合の組み合わせなどによってプロ
ピレンとα−オレフィンをブロック共重合させる方法な
どが提案されている。特に、液体状態のモノマーを溶媒
としてその中で重合させる塊状重合とモノマーを気体状
態で触媒と接触させる気相重合の組み合わせによる製造
プロセスは、生成重合体の単離や、未反応モノマーの回
収が容易である利点を有している。
【0004】特公昭 55-7464号公報には、第一段階でプ
ロピレンの塊状重合を行い、ひき続いて、第二段階でプ
ロピレンと他のα−オレフィンとの気相重合を行う方法
において、第二段階での重合時にトリアルキルアルミニ
ウムを添加し、重合活性を増大させる方法が開示されて
いるが、ゴム状共重合体成分の分子量が低いため、加工
時の成形性(スパイラルフロー)が悪化すると同時に、
ブロック共重合体の衝撃強度向上効果が小さい問題点が
ある。
【0005】この問題を改善するために、担持型チタン
触媒成分とアルキルアルミニウム化合物触媒成分に、さ
らに第三成分としてSi-O-C結合もしくはSi-N-C結合を有
する有機ケイ素化合物をからなる触媒を用いる方法(特
開昭61-69823号公報)、あるいは第二段階での重合時に
不飽和ジカルボン酸ジエステル(特開昭 63-284211号公
報)、シロキサン類又はポリシロキサン類(特開昭 63-
146914号公報)、非対称なケトン化合物(特開平4-1360
10号公報)を添加する方法などが開示されている。しか
しながら、必ずしも満足のいくものではなく、改善が望
まれていた。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、担持型チタン触媒を用
いて、高い共重合活性で、プロピレンとα−オレフィン
のゴム状共重合体成分の分子量が高いプロピレンブロッ
ク共重合体を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【問題点解決のための技術的手段】本発明は、第一段階
でプロピレン又はプロピレンと少量の他のα−オレフィ
ンとの重合を行い、ひき続いて、第二段階でプロピレン
とプロピレン以外のα−オレフィンとの重合を行うプロ
ピレンブロック共重合体の製造方法において、(A)マ
グネシウム、チタン、ハロゲン元素及び電子供与体を必
須とする触媒固体成分、(B)有機アルミニウム化合
物、及び(C)ピペリジン化合物とからなる触媒系を用
いたことを特徴とする、20℃キシレン可溶部の重量平均
分子量が 600,000以上であるプロピレンブロック共重合
体の製造方法に関する。
【0008】本発明においては、成分(A)としてマグ
ネシウム、チタン、ハロゲン元素及び電子供与体を必須
とする触媒固体成分を使用する。この触媒固体成分の製
造方法は特に限定されず、例えば、特開昭54-94590号公
報、同56-55405号公報、同56-45909号公報、同56-16310
2 号公報、同57-63310号公報、同57-115408 号公報、同
58-83006号公報、同58-83016号公報、同58-138707 号公
報、同59-149905 号公報、同60-23404号公報、同60-328
05号公報、同61-18330号公報、同61-55104号公報、特開
平2-77413 号公報、同2-117905号公報などに提案されて
いる方法が採用できる。代表的な製造方法として、塩
化マグネシウムなどのマグネシウム化合物、電子供与
体、及びTiCl4 などのハロゲン化チタン化合物を共粉砕
する方法、溶媒にマグネシウム化合物及び電子供与体
を溶解し、この溶液にハロゲン化チタン化合物を添加し
て触媒固体を析出させる方法などを挙げることができ
る。
【0009】成分(A)としては、特開昭60-152511 号
公報、同61-31402号公報、同62-81405号公報に記載の触
媒固体成分が、本発明の効果を達成する上で特に好まし
い。これら記載の製造方法によれば、式、AlX1 3 で表さ
れるハロゲン化アルミニウム( 式中、X1は塩素原子、臭
素原子または沃素原子を示す。) と、式、R1 n Si(OR2)
4-nで表される有機珪素化合物( 式中、R1およびR2は、
それぞれ、炭素数 1〜8のアルキル基またはフェニル基
を示し、nは0 〜 3の整数である。) を反応させ、さら
に式、R3MgX2で表されるグリニヤール化合物(式中、R3
は炭素数 1〜8 のアルキル基を示し、X2はハロゲン原子
を示す。)を反応させて固体を析出させる。上記反応で
使用することのできるハロゲン化アルミニウムは、無水
のハロゲン化アルミニウムが好ましいが、吸湿性により
完全に無水のものを用いることが困難であり、少量の水
分を含有するハロゲン化アルミニウムも用いることがで
きる。ハロゲン化アルミニウムの具体例としては、三塩
化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三沃化アルミニ
ウムを挙げることができ、特に三塩化アルミニウムが好
ましい。
【0010】上記反応で使用される有機ケイ素化合物の
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラ
ン、トリメチルモノブトキシシランを挙げることができ
る。特に、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシランが好ましい。
【0011】ハロゲン化アルミニウムと有機ケイ素化合
物の反応における化合物の使用量は、元素比(Al/Si)
で通常 0.4〜 1.5、好ましくは 0.7〜 1.3の範囲であ
り、反応するに際しヘキサン、トルエンなどの不活性溶
媒を使用することが好ましい。反応温度は通常10〜 100
℃、好ましくは20〜80℃であり、反応時間は通常 0.2〜
5時間、好ましくは 0.5〜 3時間である。
【0012】上記反応で使用されるグリニヤール化合物
の具体例としては、エチルマグネシウムクロライド、プ
ロピルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムク
ロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチル
マグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイ
ド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシ
ウムブロマイド、エチルマグネシウムアイオダイドが挙
げられる。グリニヤール化合物の溶媒としては、例え
ば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジイソアミルエーテル等の脂肪族エーテ
ル、テトラヒドロフランなどの脂肪族環状エーテルを使
用することができる。
【0013】グリニヤール化合物の使用量は、前記ハロ
ゲン化アルミニウムと有機ケイ素化合物の反応生成物の
調製に使用したハロゲン化アルミニウムに対する元素比
(Mg/Al)で通常 0.5〜 3、好ましくは 1.5〜 2.3の範
囲である。反応温度は通常 -50〜 100℃、好ましくは -
20〜 50 ℃、反応時間は通常0.2 〜 5時間、好ましくは
0.5 〜 3時間である。
【0014】ハロゲン化アルミニウムと有機ケイ素化合
物との反応、続いてグリニヤール化合物との反応におい
て得られた白色系の固体を、電子供与体及びハロゲン化
チタン化合物と接触処理する。または、固体を電子供与
体と接触処理した後、ハロゲン化チタン化合物と接触処
理する。接触処理は従来良く知られた方法が採用でき
る。例えば上記固体を不活性溶媒中に分散させ、これに
電子供与体または/及びハロゲン化チタン化合物を溶解
する、あるいは不活性溶媒を使用せずに電子供与体また
は/及び液状ハロゲン化チタン化合物の中に固体を分散
させる。この場合、固体と電子供与体または/及びハロ
ゲン化チタン化合物との接触処理を攪拌下、温度は通常
50〜 150℃、接触時間は特に制限はないが通常 0.2〜 5
時間で行うことができる。また、この接触処理を複数回
行うこともできる。
【0015】接触処理に使用できるハロゲン化チタン化
合物としては、式Ti(OR)pX4-P(pは0〜 3の整数であり、
X はハロゲン原子を示す。) で示される。具体例として
は、テトラクロロチタン、テトラブロモチタン、トリク
ロロモノブトキシチタン、トリブロモモノエトキシチタ
ン、トリクロロモノイソプロポキシチタン、ジクロロジ
エトキシチタン、ジクロロジブトキシチタン、モノクロ
ロトリエトキシチタン、モノクロロトリブトキシチタン
を挙げることができる。特に、テトラクロロチタン、ト
リクロロモノブトキシチタンが好ましい。
【0016】上記の接触処理で使用する電子供与体とし
ては、好ましくは芳香族エステル、その内、オルトフタ
ル酸ジエステルが特に好ましい。ジエステルの具体例と
しては、オルトフタル酸ジエチル、オルトフタル酸ジイ
ソブチル、オルトフタル酸ジペンチル、オルトフタル酸
ジヘキシル、オルトフタル酸ジ-2- エチルヘキシル、オ
ルトフタル酸ジ-n- ヘプチルが挙げられる。上記の接触
処理の後に、一般には処理固体を処理混合物から分離
し、不活性溶剤で充分洗浄して得られる固体を、本発明
の触媒固体成分(A)として使用することができる。
【0017】本発明における成分(B)としての有機ア
ルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロ
ゲノアルキルアルミニウムが使用できるが、トリアルキ
ルアルミニウムが好ましい。具体的には、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0018】前記有機アルミニウム化合物類はいずれも
混合物としても使用することができる。また、アルキル
アルミニウムと水との反応によって得られるポリアルミ
ノキサンも同様に使用することができる。成分(B)の
有機アルミニウム化合物の使用量は、成分(A)のチタ
ン 1グラム原子当たり 0.1〜 500モル、特に 0.5〜 150
モルが好ましい。
【0019】有機アルミニウム化合物の使用量が上記の
範囲よりも少ないと、共重合収率が十分上がらず好まし
くない。また、上記の範囲よりも多いと、ゴム状共重合
体の重量平均分子量が小さくなり好ましくない。
【0020】本発明の成分(C)であるピレリジン化合
物の具体例としては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジ
ン、2,2,6,6-テトラエチルピペリジン、2,6-ジイソプロ
ピルピペリジン、2,6-ジブチルピペリジン、2,2,5,5-テ
トラメチルピペリジン、2,5-ジイソプロピルピペリジン
などが挙げることができる。特に、2,2,6,6-テトラメチ
ルピペリジンが好ましい。
【0021】ピペリジン化合物の使用量は、成分(B)
1モル当り0.01〜10モル、特に0.05〜 1モルであること
が好ましい。
【0022】第一段階の重合は、プロピレンの単独重合
でもよいが、プロピレンと少量の他のα−オレフィンと
の共重合でもよい。α−オレフィンとしては、エチレ
ン、ブテン-1、4-メチルペンテン-1などを挙げることが
できる。第一段階で得られる結晶性重合体中のプロピレ
ン以外のα−オレフィンの割合は、ポリプロピレンの特
性を失わない程度の量、例えば、10重量%以下であるこ
とが好ましい。結晶性重合体中のプロピレン以外のα−
オレフィンの割合が、10重量%を越えると低結晶性重合
体副生物が増大する。生成ポリマ−の分子量調整のた
め、必要に応じて、連鎖移動剤として、水素を加えても
よい。
【0023】第一段階で、プロピレン単独重合又はプロ
ピレンと少量の他のα−オレフィンとの共重合により結
晶性重合体を製造した後に、上記の触媒系を失活させず
に、第一段階の重合での未反応のモノマーを部分的に除
去して、続いて、第二段階で、該結晶性重合体の存在
下、上記の触媒系を失活させずに、トリアルキルアルミ
ニウムを添加し、プロピレンとプロピレン以外のα−オ
レフィンとのゴム状共重合体を製造する。
【0024】第二段階で得られるプロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンとのゴム状共重合体の割合は、
全ブロック共重合体量の通常 3〜30重量%であり、より
好ましくは 5〜15重量%である。
【0025】ゴム状共重合体中のプロピレン以外のα−
オレフィンの割合は、10〜40重量%が好ましい。ゴム状
共重合体の分子量は、プロピレンブロック共重合体の20
℃キシレン可溶部の重量平均分子量で評価する。本発明
で得られるプロピレンブロック共重合体の20℃キシレン
可溶部の重量平均分子量は 600,000以上であり、好まし
くは 1,000,000以上である。20℃キシレン可溶部の重量
平均分子量が 600,000未満の場合は、加工時の成形性
(スパイラルフロー)が悪化すると同時にプロピレンブ
ロック共重合体の衝撃強度の改良効果が小さくなる。
【0026】本発明の重合様式としては、不活性炭化水
素溶媒中でのスラリー重合、液体状態のモノマーを溶媒
としてその中で重合させる塊状重合、モノマーを気体状
態で触媒と接触させる気相重合、あるいは、これらを組
み合わせて重合を行うことができる。
【0027】塊状重合では、プロピレン又はプロピレン
と他のα−オレフィンとの混合モノマーを液状に保ちう
る温度および圧力条件下でを行うことが好ましい。重合
温度は、通常30〜90℃、好ましくは50〜80℃である。重
合時間は、通常 5分〜 5時間である。
【0028】スラリー重合では、不活性炭化水素の存在
下、プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィンと
の混合モノマーを導入して行われる。不活性炭化水素と
しては、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、n-ヘ
プタン、n-オクタン、イソオクタン、n-デカン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどを挙げる
ことができる。重合圧力は、通常、大気圧〜10kg/cm2
好ましくは大気圧〜 5kg/cm2、重合温度は、通常30〜90
℃、好ましくは、40〜80℃である。重合時間は通常30分
〜10時間、好ましくは 1〜 5時間である。
【0029】気相重合では、プロピレン又はプロピレン
と他のα−オレフィンとの混合モノマーを導入して、気
相状態を維持できる温度、圧力条件下で行われる。α−
オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、4−メチ
ルペンテン−1などを挙げることができる。重合圧力
は、通常、大気圧〜10kg/cm2、好ましくは大気圧〜 5kg
/cm2、重合温度は、通常、50〜95℃、好ましくは、65〜
90℃である。重合時間は通常30分〜10時間、好ましくは
1〜 5時間である。
【0030】本発明においては、第一段階では塊状重合
を、第二段階ではスラリー重合を行うのが好ましい。重
合終了後、後処理工程として、重合液スラリーをエタノ
ールなどの溶媒に注ぎ、濾過、乾燥して、重合体を得る
ことができる。あるいは、重合液スラリーをそのまま、
濾過、乾燥して、重合体を得ることができる。スラリー
重合においては、副生した低分子量物を後処理工程で除
去でき、得られるブロック共重合体の粘着性を改良する
ことができる。
【0031】また、本発明では、オレフィンを前記の各
種重合方法に従って予備重合してから、本重合を行うこ
とが好ましい。予備重合は、例えば、通常 -10〜 100
℃、 1〜 180分、固体触媒中の遷移金属 0.1ミリグラム
原子当たりオレフィン重合体が1〜100g得られる条件で
行うことができる。
【0032】
【発明の効果】本発明により、プロピレンとα−オレフ
ィンのゴム状共重合体成分の分子量が高いプロピレンブ
ロック共重合体を、高い共重合活性で製造することがで
きる。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。実施例に
おいて、共重合収率とは、全重合体中の第二段階での重
合体重量割合である。重量平均分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)によって求め
た。測定は、ウォーターズ社製150CV 型GPCを用いて
行った。(溶媒o-ジクロロベンゼン(0.3%BHT を含
有),カラム SHODEX AT-80M ×2 ,温度145℃,試料
濃度 0.03wt%、流速 1.0ml/min.)キシレン可溶部のエ
チレン含量は、IRにより求めた。測定試料の作成は、
ホットプレス熱板上、2枚のフェロ板間に厚み 0.2mmテ
フロンシート間に試料を約0.5g置き、 180℃で加圧しな
い状態で 1分間溶融し、ひき続き、50kg/cm2G で 1分間
加圧後、水槽で急冷してフィルムを作成した。IR測定
は、ガードナー検量線(I.J.Gardner et.al., Rubber C
hem. & Tech. vol.44, 1051p.(1971))を使用し、1155cm
-1と 720cm-1の強度比から求めた。
【0034】実施例1 (1) 触媒固体成分(A)の調製 無水塩化アルミニウム15ミリモルをトルエン40mlに添加
し、次いで、メチルトリエトキシシラン15ミリモルを攪
拌下に滴下し、滴下終了後25℃で 1時間反応させた。反
応生成物を-5℃に冷却した後、攪拌下にブチルマグネシ
ウムクロライド30ミリモルを含むジイソプロピルエーテ
ル18mlを30分間で反応生成物に滴下し、反応溶液の温度
を-5〜 0℃の範囲内に保った。滴下終了後徐々に昇温
し、30℃で1時間反応を続けた。析出した固体を濾別
し、トルエン及びn-ヘプタンで洗浄した。次に、得られ
た固体4.9gをトルエン30mlに懸濁させ、この懸濁液に四
塩化チタン150 ミリモル、フタル酸ジ-n- ヘプチル 3.3
ミリモルを添加し、攪拌下に90℃で 1時間反応させた。
同温度で固体を濾別し、トルエン、次いでn-ヘプタンで
洗浄した。さらに、再度固体をトルエン30mlに懸濁さ
せ、四塩化チタン150 ミリモルを添加し、攪拌下に90℃
で 1時間反応させた。同温度で固体を濾別し、固体をト
ルエン次いでn-ヘプタンで洗浄した。得られた触媒固体
成分中のチタン含有量は3.55重量% であった。この固体
をヘプタン80mlに懸濁し触媒固体成分のヘプタンスラリ
ーを調製した。
【0035】(2) 重合 攪拌機付の内容積 2Lのオートクレーブ内に触媒固体成
分のヘプタンスラリー(触媒固体成分として7.77mg)を
封入した硝子アンプルを取りつけた後、オートクレーブ
内を窒素で置換した。次に、トリエチルアルミニウム
2.057ミリモル含有するn-ヘプタン溶液 2.057ml、及び
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 0.343ミリモルをオー
トクレーブに仕込んだ。続いて、4.0kg/cm2Gの水素を導
入後、液体プロピレン1200ml導入してオートクレーブを
振とうした。オートクレーブ内を10℃に冷却し、攪拌開
始とともに触媒固体成分の入った硝子アンプルを破砕
し、10分間予備重合を行った。その後、オートクレーブ
内を70℃に昇温し第一段階の塊状重合を20分間行った。
【0036】重合終了後、未反応プロピレンガスを放出
し、オートクレーブ内を窒素で置換した。この時生成し
たホモポリプロピレンの収量は、193gであった。続い
て、窒素下にヘプタン 700mlを注入した。その後、オー
トクレーブ内にエチレンとプロピレンを常圧流通下にそ
れぞれ 250ml/min. および 750ml/min. の速度で供給し
ながら、65℃で 120分間、第二段階のスラリー共重合を
行った。重合終了後、重合スラリーをエタノール 1L 中
に投入し、ポリマ−を析出した後、濾過、乾燥によっ
て、共重合体209.5gを回収した。共重合体5gを 500mlの
p-キシレンに加熱溶解し、その後12時間室温放置した
後、遠心分離によって可溶部と不溶部を分離し、可溶部
をエタノール2L中へ投入し、析出させ、濾過乾燥によっ
て回収した。結果を表1に示した。
【0037】実施例2 実施例1において、2,2,6,6-ピペリジンの使用量を2.05
7 ミリモルに変えた以外は同様に重合した。結果を表1
に示した。
【0038】実施例3 実施例1において、成分(B)としてトリエチルアルミ
ニウムに代えてトリイソブチルアルミニウムを用いた以
外は同様に重合した。結果を表1に示した。
【0039】実施例4 実施例1において、第二段階でさらに2,2,6,6-ピペリジ
ンを 0.343ミリモルに添加した以外は同様に重合した。
結果を表1に示した。
【0040】実施例5 実施例1において、第二段階でさらに2,2,6,6-ピペリジ
ンを 0.343ミリモル及びトリエチルアルミニウム 0.343
ミリモルに添加した以外は同様に重合した。結果を表1
に示した。
【0041】比較例1 実施例1において、成分(C)として、2,2,6,6-テトラ
メチルピペリジンに変えてシクロヘキシルメチルジメト
キシシランを添加した以外は同様に重合した。結果を表
1に示した。
【0042】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重合方法及び重合に用いる触媒固体成
分の調製工程を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 慎一郎 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一段階でプロピレン又はプロピレンと
    少量の他のα−オレフィンとの重合を行い、ひき続い
    て、第二段階でプロピレンとプロピレン以外のα−オレ
    フィンとの重合を行うプロピレンブロック共重合体の製
    造方法において、(A)マグネシウム、チタン、ハロゲ
    ン元素及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、
    (B)有機アルミニウム化合物、及び(C)ピペリジン
    化合物とからなる触媒系を用いたことを特徴とする、20
    ℃キシレン可溶部の重量平均分子量が600,000以上であ
    るプロピレンブロック共重合体の製造方法。
JP28885792A 1992-10-27 1992-10-27 プロピレンブロック共重合体の製造方法 Pending JPH06136072A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28885792A JPH06136072A (ja) 1992-10-27 1992-10-27 プロピレンブロック共重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28885792A JPH06136072A (ja) 1992-10-27 1992-10-27 プロピレンブロック共重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06136072A true JPH06136072A (ja) 1994-05-17

Family

ID=17735652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28885792A Pending JPH06136072A (ja) 1992-10-27 1992-10-27 プロピレンブロック共重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06136072A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999026986A1 (fr) * 1997-11-21 1999-06-03 Chisso Petrochemical Corporation Procede de preparation de polypropylene-b-poly(ethylene-co-propylene)
JP2008150471A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Sumitomo Chemical Co Ltd プロピレン系ブロック共重合体の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999026986A1 (fr) * 1997-11-21 1999-06-03 Chisso Petrochemical Corporation Procede de preparation de polypropylene-b-poly(ethylene-co-propylene)
US6657020B1 (en) 1997-11-21 2003-12-02 Chisso Petrochemical Corporation Process for the preparation of polypropylene-b-poly(ethylene-co-propylene)
JP2008150471A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Sumitomo Chemical Co Ltd プロピレン系ブロック共重合体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU202562B (en) Process for producing solid catalyst composition and for using it for stereospecific polymerization of propylene
JPH083215A (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH07649B2 (ja) オレフィン重合用触媒成分の製造方法
WO1994011409A1 (en) Process for polymerizing alpha-olefin
JPS58138710A (ja) オレフイン系重合体の製造方法
JP3443990B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH06136072A (ja) プロピレンブロック共重合体の製造方法
JPH06136073A (ja) プロピレンブロック共重合体の製造方法
JP3385687B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造方法
JPS5812889B2 (ja) ポリエチレンノ セイゾウホウホウ
JPH08509263A (ja) 液体プロピレン中でのプロピレンの重合又は共重合方法、固体触媒成分及びその製造方法
JP3391583B2 (ja) オレフィン重合用触媒
JP3752074B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH08231663A (ja) プロピレンブロック共重合体の製造方法
JPH06104694B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JPH06815B2 (ja) プロピレン重合体の製造方法
JPH08169924A (ja) プロピレンブロック共重合体及びその製造方法
JP3279675B2 (ja) α−オレフィン重合体の製造法
JPH08143621A (ja) α−オレフィンの重合方法
JP3385681B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造方法
JP3540578B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JP3913916B2 (ja) 有機ケイ素化合物及びα−オレフィンの重合方法
JP3279347B2 (ja) オレフィン重合体の製造方法
JP3436319B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒
JP2660967B2 (ja) オレフィン重合体の製造法