JP2008150471A - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィンとを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90重量%以上である重合体成分を製造する重合工程(I)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィンとを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が10〜90重量%である重合体成分を製造する重合工程(II)を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、重合工程(I)と重合工程(II)の間で、あるいは重合工程(II)において、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を添加するプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
上記のような多段重合法で、プロピレン系ブロック共重合体を製造する方法は、一般的に、第一の重合工程において第一のプロピレン系重合体成分を製造した後、ひきつづき該成分の存在下に第二の重合工程において第二のプロピレン系重合体成分を製造するものである。
かかる状況の下、本発明の目的は、剛性、耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性に優れるプロピレン系ブロック共重合体を製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、
(A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)電子供与性化合物とを接触させて得られる重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90重量%以上である重合体成分(1)を製造する重合工程(I)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が10〜90重量%である重合体成分(2)を製造する重合工程(II)を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、重合工程(I)と重合工程(II)の間で、あるいは重合工程(II)において、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法にかかるものである。
(A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分
前記固体触媒成分(A)は、チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を含有する公知のいかなる固体触媒成分であってもよい。
該固体触媒成分として、特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報、特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報、特開平4−80044号公報、特開昭55−52309号公報、特開昭58−21405号公報、特開昭61−181807号公報、特開昭63−142008号公報、特開平5−339319号公報、特開昭54−148093号公報、特開平4−227604号公報、特開平6−2933号公報、特開昭64−6006号公報、特開平6−179720号公報、特公平7−116252号公報、特開平8−134124号公報、特開平9−31119号公報、特開平11−228628号公報、特開平11−80234号公報、特開平11−322833号公報および特開平2004−182981号公報に記載された固体触媒成分を例示することができる。
該固体触媒成分の製造方法として、以下(1)〜(5)の方法を例示することができる。
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合物とを接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与性溶媒に溶解させて溶液を得、次いで、該溶液を担体物質に含浸させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物と、ハロゲン化チタン化合物と、電子供与体とを接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分と、ハロゲン化化合物と、電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる方法。
なかでも、マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分と、ハロゲン化化合物と、電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる方法(5)が好ましい。
具体的には、(A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分が、以下の(a)、(b)および(c)を接触させて得られる固体触媒成分であることが好ましい。
(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元することにより得られ、その平均粒子径が25ミクロン以上である固体触媒成分前駆体
[I]
(式中、aは1〜20の数を表し、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのXは同一であっても異なっていてもよい。)
(b)ハロゲン化化合物
(c)電子供与体
前記有機アルミニウム化合物(B)は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものである。代表的なものを一般式で下記に示す。
R2 wAlY3-w
R3R4Al−O−AlR5R6
(式中、R2〜R6は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表し、wは2≦w≦3を満足する数である。)
かかる有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサンが例示できる。
前記電子供与性化合物(C)としては、酸素含有化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、硫黄含有化合物が挙げられ、なかでも酸素含有化合物または窒素含有化合物が好ましく、特に酸素含有化合物が好ましい。
酸素含有化合物としては、アルコキシケイ素類、エーテル類、エステル類、ケトン類などが挙げられ、なかでもアルコキシケイ素類またはエーテル類が好ましい。
R7が炭化水素基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基、シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基等が挙げられる。なかでもアルコキシケイ素化合物のケイ素原子と直接結合した炭素原子が2級もしくは3級炭素であるR7を少なくとも1つ持つことが好ましい。
R7がヘテロ原子含有置換基の場合、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子が挙げられる。具体的にはジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルn−プロピルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、パーヒドロインドリル基、パーヒドロイソインドリル基、パーヒドロキノリル基、パーヒドロイソキノリル基、パーヒドロカルバゾリル基、パーヒドロアクリジニル基、フリル基、ピラニル基、パーヒドロフリル基、チエニル基等が挙げられ、なかでも一般式(R9R10N)Si(OR11)3で表されるケイ素化合物が好ましい。ここでR9は炭素原子数1〜12の炭化水素基、R10は炭素原子数1〜12の炭化水素基または水素、R11は炭素原子数1〜6の炭化水素基である。
(但し、R12〜R15はそれぞれ独立に炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは脂環式のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上が好適に用いられる。
上記の方法(1)における重合槽への触媒の供給や、方法(2)や(3)における重合槽への成分の供給は通常、窒素やアルゴンのような不活性ガス中、水分のない状態で実施される。
重合工程1:(1)プロピレンを単独重合させてホモポリプロピレンを生成させる工程、または、(2)プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンとを共重合させて共重合体Aを生成させる工程。ここで、該共重合は、共重合体A中のプロピレンの重合単位含有量が90重量%以上、好ましくは95重量%以下(共重合体Aを100重量%とする)となるように実施される。
重合工程2:重合工程1で得られるホモポリプロピレンまたは共重合体Aの存在下に、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンとを共重合させて共重合体Bを生成させ、ブロック共重合体を製造する工程。ここで、該共重合は、共重合体B中のプロピレンの重合単位含有量が10〜90重量%、好ましくは40〜60重量%(共重合体Bを100重量%とする)であり、かつ、ブロック共重合体中の共重合体Bの含有量が10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%(ブロック共重合体を100重量%とする)となるように実施される。
予備重合触媒は通常、上記の固体触媒成分(A)および有機アルミニウム化合物(B)の存在下、少量のオレフィンを重合させる(予備重合させる)ことによって製造される。予備重合法として、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンのような不活性炭化水素を溶媒とするスラリー重合法が好ましい。該溶媒の一部または全部を、液状のオレフィンに変えてもよい。
予備重合における有機アルミニウム化合物(B)の使用量は、固体触媒成分(A)中のチタン原子1モル当たり、通常0.5〜700モル、好ましくは0.8〜500モル、特に好ましくは1〜200モルである。
予備重合されるオレフィンの量は、固体触媒成分(A)1g当たり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
予備重合において、電子供与性化合物を重合槽へ供給する方法は特に制限されない。該方法として、(1)電子供与性化合物のみを供給する方法、および、(2)電子供与性化合物と有機アルミニウム化合物との接触物を供給する方法、を例示することができる。予備重合で使用されるオレフィンは、本重合で使用されるオレフィンと同一であっても異なっていてもよい。
本重合における有機アルミニウム化合物の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、通常1〜1000モル、好ましくは5〜600モルである。
上記ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合と一個Al−ハロゲン結合を有するものである。代表的なものを一般式で下記に示す。
RaAlXbYc
(式中、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子、Yは水素原子またはアルコキシ基を表し、aとbは1≦a≦2、cは0≦c≦1を満足する数であり、a+b+c=3である。)
かかるハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物の具体例としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムアイオダイド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジアイオダイド等のアルキルアルミニウムジハライド、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物が例示できる。
ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モル当たり、通常0.1〜100モル、好ましくは0.5〜60モルである。
そのような化合物の具体例としては、2,6−ジメトキシピリジン、2,6−ジエトキシピリジン2,6−ジプロポキシピリジン、2,6−ジイソプロポキシピリジン、2,6−ジ−n−ブトキシピリジン、2,6−ジ−tert−ブトキシピリジン、2,6−ジベンジルオキシピリジン、2,4,6−トリベンジルオキシピリジン、2,6−ジフェノキシピリジン、2,6−ジアセトキシピリジン、2,6−ジフルオロピリジン、2,4,6−トリフルオロピリジン、2,6−ジクロロピリジン、または、2,4,6−トリクロロピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−ジプロピルピリジン、または、2,6−ジイソプロピルピリジン等が挙げられる。
環状有機窒素化合物(E)の使用量は、固体触媒成分中に含まれるチタン原子1モルに対し、通常0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、特に好ましくは、0.5〜800モルであり、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)1モルに対し、通常0.001〜10モル、好ましくは0.005〜5モル、特に好ましくは0.01〜2モルである。
また、添加方法はバッチ式であっても連続式であってもよい。添加のタイミングとしては、工程2の開始時であってもよいし、工程1の終了直前であってもよい。ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)は、そのまま用いても良いし、不活性炭化水素溶媒等で希釈して用いても良い。
さらに、かかるプロピレン系共重合体成分(2)としてより好ましくは、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるガラス転移温度(Tg)が−50℃以下であり、プロピレンと共重合されるα―オレフィンがエチレンの場合、13C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によって測定されるエチレン−プロピレン結合部のメソピーク強度に対するラセミピーク強度比が0.01〜0.7である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。
(1−1a)結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度:[η]P
プロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレン若しくは炭素数4以上のα−オレフィンが1モル%以下共重合された結晶性ポリプロピレン部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第1工程である結晶性ポリプロピレン部分の重合後に重合槽内より重合体パウダーを取り出し、上記(1)の方法で測定して求めた。
プロピレン−エチレン共重合体部分の極限粘度:[η]EPは、プロピレン単独重合体部分の極限粘度:[η]Pとプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度:[η]Tをそれぞれ上記(1)の方法で測定し、プロピレン−エチレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xを用いて次式から計算により求めた。(プロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率:Xは、下記(2)の測定方法により求めた。)
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度
[η]T:プロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982年、15号、1150ページ〜1152ページ)に基づいて求めた。10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン−エチレンブロック共重合体を3mlのオルソジクロロベンゼンに均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
上記(2)と同様に測定した13C−NMRスペクトルから、Macromolecules,1984年、17巻,1950ページやJournal of Applied Polymer Science,1995年、56巻、1782ページに記載されている帰属に基づき、約37.5ppmと約37.9ppmに観測される2本のピーク強度の和(メソピーク強度)に対する約38.4ppmと約38.8ppmに観測される2本のピーク強度の和(ラセミピーク強度)を算出した。
示差走査熱量測定装置(TAインスツルメンツ社製 DSC Q100)を使用し、試片約10mgを窒素雰囲気下で200℃で溶融させた後、200℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で−90℃まで降温した後、10℃/分で昇温する際の吸熱曲線からJIS K7121に従い測定した。
上記(4)で測定された吸熱ピークの内、150℃〜170℃の範囲に現れるピークをTmとした。
上記(4)の降温過程で観測されるピークの内、90〜105℃の範囲に現れる結晶化ピーク(Tc)の結晶化熱量を、上記(2)で算出したプロピレン−エチレン共重合体部分のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対する重量比率(X)で除して算出した。
減圧乾燥、アルゴン置換後、冷却した内容積3リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空とし、(B)成分としてトリエチルアルミニウム 4.4ミリモル、(C)成分としてtert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン0.44ミリモル及び(A)成分として特開2004−182981実施例1(2)記載の固体触媒成分11.7ミリグラムを、ガラスチャージャー内のヘプタン中で接触させた後一括に投入し、さらに液化プロピレン780gを仕込んだ後、水素 1MPaを前記オートクレーブに仕込んで80℃まで昇温し重合を開始した。重合開始10分後、未反応プロピレンを重合系外へパージした。オートクレーブ内をアルゴンで置換した後、少量のポリマーをサンプリングした。サンプリングしたポリマーの極限粘度[η]Pは1.05dl/gであった。
次いで、上記3リットルオートクレーブを減圧し、(D)成分としてジエチルアルミニウムクロライド1.0ミリモルとヘプタン20ミリリットルをガラスチャージャー内で混合してオートクレーブ内へ投入し、30分攪拌した。その後、(E)成分として2,6−ルチジン0.88ミリモルとヘプタン20ミリリットルをガラスチャージャー内で混合してオートクレーブ内へ投入し、30分攪拌した。
次いで、上記3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内を真空として、プロピレン440g、エチレン230gを添加した後80℃に昇温することで調製した混合ガスを上記3リットルオートクレーブへ連続的にフィードし、重合圧力を0.8MPaとして5時間重合を行った。5時間後オートクレーブ内のガスをパージして重合を終了し、生成した重合体を60℃で5時間減圧乾燥して240gの重合パウダーを得た。得られたポリマーの極限粘度[η]Tは1.68dl/gであり、分析の結果、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(以下、EP部と称す)の含量は36.9重量%であったので、後段部(EP部)で生成したポリマーの極限粘度[η]EPは2.76dl/gであった。又、P部のTmは161.3℃、EP部でのエチレン含量は52重量%、EP部のTgは−51.1℃、EP部のTcは95.7℃であった。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を10.6ミリグラムとし、(D)成分としてエチルアルミニウミジクロライドを用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を13.3ミリグラムとし、(D)成分と(E)成分を添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を9.9ミリグラムとし、(D)成分を添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を10.7ミリグラムとし、(E)成分を添加しない以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を10.8ミリグラムとし、(D)成分としてジエチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムジクロライドを用いた以外は比較例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を11.0ミリグラムとし、(D)成分の代わりにトリエチルアルミニウム 1.0ミリモルを使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を9.1ミリグラムとし、3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内に添加するプロピレンとエチレンの量を、プロピレン580g、エチレン220gとし、プロピレン−エチレンランダム共重合体製造での重合圧力を1.0MPaとした以外は実施例2と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を9.9ミリグラムとし、(D)成分のエチルアルミニウムクロライド使用量を0.5ミリモルとした以外は実施例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を7.3ミリグラムとし、(D)成分としてエチルアルミニウムクロライドの代わりにエチルアルミニウムセスキクロライドを使用し、3リットルオートクレーブと連結した内容積30リットルの撹拌機付きステンレス製オートクレーブ内に添加するプロピレンとエチレンの量を、プロピレン580g、エチレン220gとした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
(A)成分の使用量を6.9ミリグラムとし、(D)成分としてエチルアルミニウムクロライドの代わりにジメチルアルミニウムクロライドを使用した以外は実施例5と同様に重合を行った。重合結果を表1に得られた重合体の分析結果を表2に示した。
Claims (5)
- (A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)電子供与性化合物とを接触させて得られる重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90重量%以上である重合体成分(1)を製造する重合工程(I)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が10〜90重量%である重合体成分(2)を製造する重合工程(II)を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、重合工程(I)と重合工程(II)の間で、あるいは重合工程(II)において、ハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)と環状有機窒素化合物(E)を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
- (A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)電子供与性化合物とを接触させて得られる重合用触媒の存在下に、プロピレンを単独重合またはプロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が90重量%以上である重合体成分(X)を製造する重合工程(I)を行い、引き続き、プロピレンとオレフィン(但し、プロピレンを除く。)とを共重合して、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が10〜90重量%である重合体成分(Y)を製造する重合工程(II)を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、重合工程(I)後にハロゲン元素含有有機アルミニウム化合物(D)を添加し、その後環状有機窒素化合物(E)を添加した後、重合工程(II)を行うことを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
- 環状有機窒素化合物(E)が6員環の芳香族複素環式窒素化合物であることを特徴とする請求項1、2記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
- 環状有機窒素化合物(E)が2、6位に置換基を有する6員環の芳香族複素環式窒素化合物であることを特徴とする請求項1〜3記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
- (A)チタン原子、マグネシウム原子およびハロゲン原子を必須成分とする固体触媒成分が、以下の(a)、(b)および(c)を接触させて得られる固体触媒成分であることを特徴とする請求項1〜4記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物(a1)の存在下に、下記一般式[I]で表されるチタン化合物(a2)を、有機マグネシウム化合物(a3)で還元することにより得られ、その平均粒子径が25ミクロン以上である固体触媒成分前駆体
(式中、aは1〜20の数を表し、Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素オキシ基を表し、全てのXは同一であっても異なっていてもよい。)
(b)ハロゲン化化合物
(c)電子供与体
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