JP3279347B2 - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
オレフィン重合体の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィンの重合体の
製造方法に関する。さらに詳しくは、遷移金属触媒を用
いて透明性、剛性の改良されたオレフィン重合体の製造
方法に関するものである。
製造方法に関する。さらに詳しくは、遷移金属触媒を用
いて透明性、剛性の改良されたオレフィン重合体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン等の結晶性オレフィン重
合体は、優れた性質、特に剛性、透明性を有することか
ら射出成形分野、フィルム分野に用いられる。これらの
性能はポリマーの結晶化挙動に影響されやすい。しかる
に結晶化度を高め剛性を上げる為に、あるいは核発生を
促進し透明性を高める為に、従来より結晶核剤の配合等
が行われている。たとえば芳香族カルボン酸のアルミニ
ウム塩(特公昭40−1652公報)やベンジリデンソ
ルビトール(特開昭51−22740公報)等の核剤が
ある。しかしながら、核剤の配合はコストアップにつな
がるばかりでなく分散の影響を受けやすく、微分散しな
いと十分な性能が発現しない。また、核剤を用いずに改
良するために、ビニルシクロヘキサンを前段で重合する
方法(特開昭60−139710)等が提案されている
が、重合活性が低下するのみならず、ゲル、フィッシュ
・アイの原因になりやすい。
合体は、優れた性質、特に剛性、透明性を有することか
ら射出成形分野、フィルム分野に用いられる。これらの
性能はポリマーの結晶化挙動に影響されやすい。しかる
に結晶化度を高め剛性を上げる為に、あるいは核発生を
促進し透明性を高める為に、従来より結晶核剤の配合等
が行われている。たとえば芳香族カルボン酸のアルミニ
ウム塩(特公昭40−1652公報)やベンジリデンソ
ルビトール(特開昭51−22740公報)等の核剤が
ある。しかしながら、核剤の配合はコストアップにつな
がるばかりでなく分散の影響を受けやすく、微分散しな
いと十分な性能が発現しない。また、核剤を用いずに改
良するために、ビニルシクロヘキサンを前段で重合する
方法(特開昭60−139710)等が提案されている
が、重合活性が低下するのみならず、ゲル、フィッシュ
・アイの原因になりやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の様な問題点に鑑み、ポリオレフィン製造段階で結晶性
を改良し剛性、透明性の優れた結晶性オレフィン重合体
を製造する方法を提供することにある。
の様な問題点に鑑み、ポリオレフィン製造段階で結晶性
を改良し剛性、透明性の優れた結晶性オレフィン重合体
を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題に対して鋭意検討を重ねた結果、末端非共役二重結
合を2個以上有する炭化水素を、極微量予備重合するこ
とで、オレフィン重合体の結晶化速度が大幅に上昇し、
同時にこれらの剛性、透明性が改善されることがわかり
本発明に至った。すなわち本発明の課題は、チタン、ハ
ロゲンを必須成分とする固体触媒成分(A)とAlRn
Xm(Rはアルキル基、Xはハロゲンを意味し、n,m
は個数を意味する。n+m=3の関係がある)で表され
る化合物(B)、およびまたは、電子供与性化合物
(C)よりなる触媒の存在下に末端非共役二重結合を2
個以上有する炭化水素(D)を単独、または、炭素数3
以上のオレフィンとの混合物として予備重合させ、次い
で、炭素数3以上のオレフィンを重合または共重合し、
予備重合体量が最終の重合体量に対して0.01重量p
pmから1.0重量ppmであることを特徴とするオレ
フィン重合体の製造方法によって解決することができ
る。
課題に対して鋭意検討を重ねた結果、末端非共役二重結
合を2個以上有する炭化水素を、極微量予備重合するこ
とで、オレフィン重合体の結晶化速度が大幅に上昇し、
同時にこれらの剛性、透明性が改善されることがわかり
本発明に至った。すなわち本発明の課題は、チタン、ハ
ロゲンを必須成分とする固体触媒成分(A)とAlRn
Xm(Rはアルキル基、Xはハロゲンを意味し、n,m
は個数を意味する。n+m=3の関係がある)で表され
る化合物(B)、およびまたは、電子供与性化合物
(C)よりなる触媒の存在下に末端非共役二重結合を2
個以上有する炭化水素(D)を単独、または、炭素数3
以上のオレフィンとの混合物として予備重合させ、次い
で、炭素数3以上のオレフィンを重合または共重合し、
予備重合体量が最終の重合体量に対して0.01重量p
pmから1.0重量ppmであることを特徴とするオレ
フィン重合体の製造方法によって解決することができ
る。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いられる固体触媒(A)としては,通常オレフ
ィンの重合に用いられるものであれば特に制限はない。
例えば以下のものがある。 1)三塩化チタンを主成分とする固体触媒を供すること
ができる。これは四塩化チタンを金属アルミニウム、水
素または有機アルミニウム化合物で還元したもの、また
は、これらをさらに電子供与性化合物と接触処理、共粉
砕処理を施したもの、または、さらにこれを四塩化チタ
ンで処理したものを用いることができる。電子供与性化
合物としてはエーテル、チオエーテル、ケトン、カルボ
ン酸エステル、アミン、カルボン酸アミド、ポリシロキ
サン等が挙げられる。このうちエーテル、チオエーテ
ル、カルボン酸エステルが特に好ましい。三塩化チタン
を主成分とする固体触媒のより具体的な調製方法とし
て、例えば、 (イ)エーテル、または、チオエーテルの存在下に液状
化した三塩化チタンを含有する液状物から150℃以下
の温度で析出させる方法。 (ロ)四塩化チタンを有機アルミニウム化合物または金
属アルミニウムで還元して得られた固体を電子供与性化
合物処理及びハロゲン化合物処理する方法。 があげられる。
発明に用いられる固体触媒(A)としては,通常オレフ
ィンの重合に用いられるものであれば特に制限はない。
例えば以下のものがある。 1)三塩化チタンを主成分とする固体触媒を供すること
ができる。これは四塩化チタンを金属アルミニウム、水
素または有機アルミニウム化合物で還元したもの、また
は、これらをさらに電子供与性化合物と接触処理、共粉
砕処理を施したもの、または、さらにこれを四塩化チタ
ンで処理したものを用いることができる。電子供与性化
合物としてはエーテル、チオエーテル、ケトン、カルボ
ン酸エステル、アミン、カルボン酸アミド、ポリシロキ
サン等が挙げられる。このうちエーテル、チオエーテ
ル、カルボン酸エステルが特に好ましい。三塩化チタン
を主成分とする固体触媒のより具体的な調製方法とし
て、例えば、 (イ)エーテル、または、チオエーテルの存在下に液状
化した三塩化チタンを含有する液状物から150℃以下
の温度で析出させる方法。 (ロ)四塩化チタンを有機アルミニウム化合物または金
属アルミニウムで還元して得られた固体を電子供与性化
合物処理及びハロゲン化合物処理する方法。 があげられる。
【0006】2)チタン化合物を担持した担持型触媒成
分を供することができる。これは、シリカ、アルミナ、
酸化ホウ素、酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウ
ム等に四塩化チタン、あるいは三塩化チタン組成物を担
持、または化学結合させたものを挙げられる。なかでも
ハロゲン化マグネシウムを担体として用いることが好ま
しい。チタン化合物としては、一般式としてTi(O
R)nXmで表される化合物を用いることができる。
(Rはアルキル基、Xはハロゲンを意味する。n,mは
個数を意味し、n+m=4の関係にある。)具体的には
TiCl4 、TiCl3 、TiBr4 、TiI4 、Ti
(OCH3 )Cl3 、Ti(OC2 H5 )Cl3 、Ti
(OC4 H9 )Cl3 、Ti(OC6 H5 )Cl3 、T
i(OCH3 )2 Cl2 、Ti(OC2 H5 )2 Cl
2 、Ti(OC4 H9 )2 Cl2 、Ti(OC6 H5)2
Cl2 、Ti(OCH3 )3 Cl、Ti(OC2 H
5 )3 Cl、Ti(OC4 H9 )3 Cl、Ti(OC6
H5 )3 Cl、Ti(OCH3 )4 、Ti(OC2 H
5 )4 、Ti(OC4 H9 )4 、Ti(OC6 H5 )4
等をあげることができる。このほかの成分として電子
供与性化合物を加えることができる。電子供与性化合物
としてはアルコール類、エーテル類、エステル類、ケト
ン類、酸無水物等が挙げられる。好ましくは、酢酸エチ
ル、プロピレン酸メチル、アクリル酸エチル、オレイン
酸エチル、ステアリン酸エチル、フェニル酢酸エチル、
安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、
安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチ
ル、トルイル酸プロピル、トルイル酸ブチル、エチル安
息香酸メチル、エチル安息香酸エチル、アニス酸エチ
ル、アニス酸メチル、ケイ皮酸エチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシ
ル、フタル酸ジオクチルの様なカルボン酸エステル類が
挙げられる。チタン含有固体触媒成分の組成としては、
チタン含量が0.1〜10重量%、マグネシウム含量が
1〜20重量%、電子供与性化合物/チタンモル比0.
1〜5、チタン/マグネシウム(モル比)が0.01〜
0.5が望ましい。その調製方法は特に制限はないが、
例えば、 (イ)チタン化合物、担体、電子供与性化合物を共粉砕
する方法 (ロ)塩化マグネシウムなどの担体成分をアルコール等
と錯化して可溶化した後、ハロゲン化剤で沈澱を生成さ
せ、さらにチタン化合物で処理する方法 (ハ)塩化マグネシウムなどの担体成分のアルコール溶
液を、乳化・懸濁したのち固化する方法、またはスプレ
ードライにより、予め担体を調製したのちチタン化合物
で処理する方法 等がある。好ましくは、ポリマーの粉体性状を整えるた
めに(ロ)、(ハ)等の方法が望ましい。
分を供することができる。これは、シリカ、アルミナ、
酸化ホウ素、酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウ
ム等に四塩化チタン、あるいは三塩化チタン組成物を担
持、または化学結合させたものを挙げられる。なかでも
ハロゲン化マグネシウムを担体として用いることが好ま
しい。チタン化合物としては、一般式としてTi(O
R)nXmで表される化合物を用いることができる。
(Rはアルキル基、Xはハロゲンを意味する。n,mは
個数を意味し、n+m=4の関係にある。)具体的には
TiCl4 、TiCl3 、TiBr4 、TiI4 、Ti
(OCH3 )Cl3 、Ti(OC2 H5 )Cl3 、Ti
(OC4 H9 )Cl3 、Ti(OC6 H5 )Cl3 、T
i(OCH3 )2 Cl2 、Ti(OC2 H5 )2 Cl
2 、Ti(OC4 H9 )2 Cl2 、Ti(OC6 H5)2
Cl2 、Ti(OCH3 )3 Cl、Ti(OC2 H
5 )3 Cl、Ti(OC4 H9 )3 Cl、Ti(OC6
H5 )3 Cl、Ti(OCH3 )4 、Ti(OC2 H
5 )4 、Ti(OC4 H9 )4 、Ti(OC6 H5 )4
等をあげることができる。このほかの成分として電子
供与性化合物を加えることができる。電子供与性化合物
としてはアルコール類、エーテル類、エステル類、ケト
ン類、酸無水物等が挙げられる。好ましくは、酢酸エチ
ル、プロピレン酸メチル、アクリル酸エチル、オレイン
酸エチル、ステアリン酸エチル、フェニル酢酸エチル、
安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、
安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチ
ル、トルイル酸プロピル、トルイル酸ブチル、エチル安
息香酸メチル、エチル安息香酸エチル、アニス酸エチ
ル、アニス酸メチル、ケイ皮酸エチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシ
ル、フタル酸ジオクチルの様なカルボン酸エステル類が
挙げられる。チタン含有固体触媒成分の組成としては、
チタン含量が0.1〜10重量%、マグネシウム含量が
1〜20重量%、電子供与性化合物/チタンモル比0.
1〜5、チタン/マグネシウム(モル比)が0.01〜
0.5が望ましい。その調製方法は特に制限はないが、
例えば、 (イ)チタン化合物、担体、電子供与性化合物を共粉砕
する方法 (ロ)塩化マグネシウムなどの担体成分をアルコール等
と錯化して可溶化した後、ハロゲン化剤で沈澱を生成さ
せ、さらにチタン化合物で処理する方法 (ハ)塩化マグネシウムなどの担体成分のアルコール溶
液を、乳化・懸濁したのち固化する方法、またはスプレ
ードライにより、予め担体を調製したのちチタン化合物
で処理する方法 等がある。好ましくは、ポリマーの粉体性状を整えるた
めに(ロ)、(ハ)等の方法が望ましい。
【0007】一般式 AlRnXm で表せる化合物
(Rはアルキル基、Xはハロゲンを意味し、n,mは個
数を意味する。n+m=3の関係がある。)としては、
トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライド等があげられ
るが、マグネシウム担持型の固体触媒にはトリエチルア
ルミニウムが望ましく、三塩化チタン型の固体触媒には
ジエチルアルミニウムが望ましい。
(Rはアルキル基、Xはハロゲンを意味し、n,mは個
数を意味する。n+m=3の関係がある。)としては、
トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライド等があげられ
るが、マグネシウム担持型の固体触媒にはトリエチルア
ルミニウムが望ましく、三塩化チタン型の固体触媒には
ジエチルアルミニウムが望ましい。
【0008】重合は必要に応じて電子供与性化合物
(C)を用いることが出来る。電子供与性化合物として
は、固体触媒成分の製造の際に使用された電子供与性化
合物より選択することが出来るが、好ましくは、Si−
O−C結合を有するケイ素化合物類、芳香族カルボン酸
エステルである。
(C)を用いることが出来る。電子供与性化合物として
は、固体触媒成分の製造の際に使用された電子供与性化
合物より選択することが出来るが、好ましくは、Si−
O−C結合を有するケイ素化合物類、芳香族カルボン酸
エステルである。
【0009】非共役末端二重結合を複数有する炭化水素
(D)としては、特に規制はないが、炭素数が5から1
60個のジエンないしポリエンが有効である。これ以上
大きな分子になると予備重合が十分に進行しないし、重
合プロセス上困難な場合が多い。望ましくは5から80
個で、分子量が1000以下である。二重結合は非共役
である必要がある。その数は2個以上必要であるが、分
子の大きさと関係があり、炭素数20個あたりの二重結
合の数が1個以上であり、望ましくは炭素数10個あた
りの二重結合の数が1個以上である。具体的には、以下
のような炭化水素があげられる。1,4−ペンタジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、
1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−
デカジエン、1,13−テトラデカジエン、2−メチル
−1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサ
ジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン等のα,ω
−ジエン類、3−ビニル−1,6−ヘプタジエン、3−
アリル−1,6−ヘプタジエン等の直鎖上に末端二重結
合を含む分岐を有するα,ω−ジエン類、1,4−ジビ
ニルシクロヘキサジエン、1,3−ジビニルシクロヘキ
サン、1,3,5−トリビニルシクロヘキサン等の環状
アルキル鎖を有する非共役ポリエン類、さらには、下記
の式(1)に示した様な炭素数が8〜160個のブタジ
エンの多量体等を挙げることができる。
(D)としては、特に規制はないが、炭素数が5から1
60個のジエンないしポリエンが有効である。これ以上
大きな分子になると予備重合が十分に進行しないし、重
合プロセス上困難な場合が多い。望ましくは5から80
個で、分子量が1000以下である。二重結合は非共役
である必要がある。その数は2個以上必要であるが、分
子の大きさと関係があり、炭素数20個あたりの二重結
合の数が1個以上であり、望ましくは炭素数10個あた
りの二重結合の数が1個以上である。具体的には、以下
のような炭化水素があげられる。1,4−ペンタジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、
1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−
デカジエン、1,13−テトラデカジエン、2−メチル
−1,4−ペンタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサ
ジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン等のα,ω
−ジエン類、3−ビニル−1,6−ヘプタジエン、3−
アリル−1,6−ヘプタジエン等の直鎖上に末端二重結
合を含む分岐を有するα,ω−ジエン類、1,4−ジビ
ニルシクロヘキサジエン、1,3−ジビニルシクロヘキ
サン、1,3,5−トリビニルシクロヘキサン等の環状
アルキル鎖を有する非共役ポリエン類、さらには、下記
の式(1)に示した様な炭素数が8〜160個のブタジ
エンの多量体等を挙げることができる。
【化2】 Rはアルキル基、または水素を意味する。n,mは整数
である。
である。
【0010】予備重合は非共役二重結合含有炭化水素
(D)単独またはオレフィンと共重合してもよい。予備
重合の方法は特に制限はなく、重合リアクターとは別個
に反応容器を設けて、予め使用する触媒全量を一時に処
理しても良いし、あるいは、商業的に一般に行われてい
る連続製造に合わせて本重合リアクターの前段に予備重
合専用のリアクターを設けて処理することも可能であ
る。重合温度にも特に制限はないが、20〜100℃が
適温である。予備重合量は最終の重合体中に0.01重
量ppmから5重量%でよく、望ましくは、0.01重
量ppmから1重量%である。0.01重量ppm以下
では効果が明確でなく、また5重量%以上ではオレフィ
ン重合体そのものの性質を変えてしまう。
(D)単独またはオレフィンと共重合してもよい。予備
重合の方法は特に制限はなく、重合リアクターとは別個
に反応容器を設けて、予め使用する触媒全量を一時に処
理しても良いし、あるいは、商業的に一般に行われてい
る連続製造に合わせて本重合リアクターの前段に予備重
合専用のリアクターを設けて処理することも可能であ
る。重合温度にも特に制限はないが、20〜100℃が
適温である。予備重合量は最終の重合体中に0.01重
量ppmから5重量%でよく、望ましくは、0.01重
量ppmから1重量%である。0.01重量ppm以下
では効果が明確でなく、また5重量%以上ではオレフィ
ン重合体そのものの性質を変えてしまう。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。ただし、本発明は、これら実施例によってなんら制
約を受けるものではない。なお、触媒活性は固体触媒成
分1gあたり1時間重合あたりのポリマー生成量(g)
で表している。MFRはJIS−K−6721に従って
測定した。曲げ弾性率はASTM−D−790−66に
準拠して測定した。クラリティーは村上色彩技術研究所
製クラリティーメーターで測定した。結晶化速度はプレ
スサンプルを190℃で一旦融解したのち125℃に急
冷して等温再結晶化させ、X線による結晶化度測定値が
30%に達するまでの時間(秒)で表した。また、結晶
化温度はDSC測定結果である。
る。ただし、本発明は、これら実施例によってなんら制
約を受けるものではない。なお、触媒活性は固体触媒成
分1gあたり1時間重合あたりのポリマー生成量(g)
で表している。MFRはJIS−K−6721に従って
測定した。曲げ弾性率はASTM−D−790−66に
準拠して測定した。クラリティーは村上色彩技術研究所
製クラリティーメーターで測定した。結晶化速度はプレ
スサンプルを190℃で一旦融解したのち125℃に急
冷して等温再結晶化させ、X線による結晶化度測定値が
30%に達するまでの時間(秒)で表した。また、結晶
化温度はDSC測定結果である。
【0012】実施例 1 (1)固体触媒成分(A)の製造 7gのMg(OEt)2 、2.1gのn−ブチルフタレ
ート、35mlの塩化メチレンを300mlのフラスコ
中で撹はんしながら1時間還流したのち、これに、Ti
Cl4 100mlを30分間で滴下し、さらに100℃
まで昇温した。100℃で2時間反応させたのち、室温
まで冷却し、沈澱のみを濾別して、これをn−ヘキサン
で十分洗浄した。さらにこの沈澱にTiCl4 100m
lを加え、100℃で2時間反応させたのち、室温まで
冷却し、沈澱のみを濾別して、これをn−ヘキサンで十
分洗浄し、乾燥して固体触媒成分(A)を得た。 (2)予備重合 (1)で得られた固体触媒成分(A)100mg、トリ
エチルアルミニウム25ミリモル、ジイソプロピルジメ
トキシシラン7.5ミリモル、乾燥ヘキサン150m
l、1,9デカジエン500mgを100mlフラスコ
中で混合し、20℃30分間接触した。その後、乾燥ヘ
キサン100mlで3回洗浄した。一部を取り出し、予
備重合量を分析したところ、触媒あたり0.1重量%で
あった。 (3)プロピレンの重合 (2)で得られた予備重合された固体触媒成分40m
g、トリエチルアルミニウム10ミリモル、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン3ミリモル、乾燥ヘキサン30m
l及び液体プロピレン32モル、水素ガス1kg/cm
2 を6Lオートクレーブに仕込み、70℃1時間重合を
行った。触媒活性は,15,000g−PP/g−ca
tであった。得られたポリマーのMFRは8であった。 (4)重合体の曲げ弾性率測定と透明性の評価 (3)で得られた重合体にBHT(2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール)を0.08重量%、イルガノッ
クス1010(商品名;日本チバガイギー社製)を0.
05重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%を添
加して、20mm押し出し機により230℃で混練を行
った。ついで住友重機製小型射出成形機(ミニマット8
/7)により、試験片を作成し、曲げ弾性率、透明性の
評価をおこなった。曲げ弾性率は14,200kg/c
m2 であった。クラリティーは10.0%であった。測
定結果を表1にまとめた。
ート、35mlの塩化メチレンを300mlのフラスコ
中で撹はんしながら1時間還流したのち、これに、Ti
Cl4 100mlを30分間で滴下し、さらに100℃
まで昇温した。100℃で2時間反応させたのち、室温
まで冷却し、沈澱のみを濾別して、これをn−ヘキサン
で十分洗浄した。さらにこの沈澱にTiCl4 100m
lを加え、100℃で2時間反応させたのち、室温まで
冷却し、沈澱のみを濾別して、これをn−ヘキサンで十
分洗浄し、乾燥して固体触媒成分(A)を得た。 (2)予備重合 (1)で得られた固体触媒成分(A)100mg、トリ
エチルアルミニウム25ミリモル、ジイソプロピルジメ
トキシシラン7.5ミリモル、乾燥ヘキサン150m
l、1,9デカジエン500mgを100mlフラスコ
中で混合し、20℃30分間接触した。その後、乾燥ヘ
キサン100mlで3回洗浄した。一部を取り出し、予
備重合量を分析したところ、触媒あたり0.1重量%で
あった。 (3)プロピレンの重合 (2)で得られた予備重合された固体触媒成分40m
g、トリエチルアルミニウム10ミリモル、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン3ミリモル、乾燥ヘキサン30m
l及び液体プロピレン32モル、水素ガス1kg/cm
2 を6Lオートクレーブに仕込み、70℃1時間重合を
行った。触媒活性は,15,000g−PP/g−ca
tであった。得られたポリマーのMFRは8であった。 (4)重合体の曲げ弾性率測定と透明性の評価 (3)で得られた重合体にBHT(2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール)を0.08重量%、イルガノッ
クス1010(商品名;日本チバガイギー社製)を0.
05重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%を添
加して、20mm押し出し機により230℃で混練を行
った。ついで住友重機製小型射出成形機(ミニマット8
/7)により、試験片を作成し、曲げ弾性率、透明性の
評価をおこなった。曲げ弾性率は14,200kg/c
m2 であった。クラリティーは10.0%であった。測
定結果を表1にまとめた。
【0013】実施例2 実施例1−(2),(3)において予備重合後洗浄を行
わずそのまま、固体触媒40mg分をスラリー状態で抜
き出し、そのまま、プロピレン、水素を供して重合を行
った以外は実施例1と同様におこなった。重合活性は1
6,000g−PP/g−cat、MFRは8であっ
た。曲げ弾性率は14,700kg/cm2 であった。
クラリティーは10.0%であった。測定結果を表1に
まとめた。
わずそのまま、固体触媒40mg分をスラリー状態で抜
き出し、そのまま、プロピレン、水素を供して重合を行
った以外は実施例1と同様におこなった。重合活性は1
6,000g−PP/g−cat、MFRは8であっ
た。曲げ弾性率は14,700kg/cm2 であった。
クラリティーは10.0%であった。測定結果を表1に
まとめた。
【0014】実施例3 実施例2で1,9デカジエンのかわりに、ブタジエンオ
リゴマー(日本石油社製B−700;平均分子量70
0)を500mg用いた他は、実施例2と同様におこな
った。重合活性は13,000g−PP/g−cat、
MFRは8であった。曲げ弾性率は14,000kg/
cm2 であった。クラリティーは10%であった。測定
結果を表1にまとめた。
リゴマー(日本石油社製B−700;平均分子量70
0)を500mg用いた他は、実施例2と同様におこな
った。重合活性は13,000g−PP/g−cat、
MFRは8であった。曲げ弾性率は14,000kg/
cm2 であった。クラリティーは10%であった。測定
結果を表1にまとめた。
【0015】比較例1 実施例1で1,9デカジエンを用いず、固体触媒成分
(A)100mg、トリエチルアルミニウム25ミリモ
ル、ジイソプロピルジメトキシシラン7.5ミリモル、
乾燥ヘキサン150mlを接触したのち、ただちに固体
触媒成分40mg分のスラリーを抜き出し重合に供した
以外は実施例1と同様におこなった。活性は16,00
0g−PP/g−cat、MFRは8であった。曲げ弾
性率は12,500kg/cm2 であった。クラリティ
ーは5%であった。測定結果を表1にまとめた。
(A)100mg、トリエチルアルミニウム25ミリモ
ル、ジイソプロピルジメトキシシラン7.5ミリモル、
乾燥ヘキサン150mlを接触したのち、ただちに固体
触媒成分40mg分のスラリーを抜き出し重合に供した
以外は実施例1と同様におこなった。活性は16,00
0g−PP/g−cat、MFRは8であった。曲げ弾
性率は12,500kg/cm2 であった。クラリティ
ーは5%であった。測定結果を表1にまとめた。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、オレフィン系重合体の
結晶性を効果的に改良し、剛性、透明性に優れた射出成
形品、フィルム成形品を提供できる。
結晶性を効果的に改良し、剛性、透明性に優れた射出成
形品、フィルム成形品を提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−159312(JP,A) 特開 平5−214178(JP,A) 特開 平5−239232(JP,A) 特開 平5−237930(JP,A) 特開 平6−80719(JP,A) 特開 平6−56924(JP,A) 特開 平6−25342(JP,A) 特開 平6−25341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/64 - 4/658
Claims (3)
- 【請求項1】 チタン、ハロゲンを必須成分とする固体
触媒成分(A)とAlRnXm(Rはアルキル基、Xは
ハロゲンを意味し、n,mは個数を意味する。n+m=
3の関係がある)で表される化合物(B)、および/ま
たは、電子供与性化合物(C)よりなる触媒の存在下に
末端非共役二重結合を2個以上有する炭化水素(D)を
単独、または、炭素数3以上のオレフィンとの混合物と
して予備重合させ、次いで、炭素数3以上のオレフィン
を重合または共重合し、 予備重合体量が最終の重合体量に対して0.01重量p
pmから1.0重量ppmである ことを特徴とするオレ
フィン重合体の製造方法。 - 【請求項2】 末端非共役二重結合を有する炭化水素
(D)が炭素数が5〜20個の両末端ジエンである請求
項1記載のオレフィン重合体の製造方法。 - 【請求項3】 末端非共役二重結合を有する炭化水素
(D)が次の式(1)で表せる炭素数が8〜160個の
ブタジエンの多量体である請求項1記載のオレフィン重
合体の製造方法。 【化1】 Rはアルキル基、または水素を意味する。n,mは整数
である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19869792A JP3279347B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | オレフィン重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19869792A JP3279347B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | オレフィン重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641229A JPH0641229A (ja) | 1994-02-15 |
JP3279347B2 true JP3279347B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=16395526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19869792A Expired - Fee Related JP3279347B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | オレフィン重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3279347B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5093206B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2012-12-12 | ブラザー工業株式会社 | カラオケ装置 |
-
1992
- 1992-07-24 JP JP19869792A patent/JP3279347B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0641229A (ja) | 1994-02-15 |
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