【発明の詳細な説明】
液体プロピレン中でのプロピレンの重合又は共重合方法、
固体触媒成分及びその製造方法
技術分野
本願は、助触媒並びにマグネシウム原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子、
遷移金属原子及びケイ素原子を含有する固体触媒成分の存在下での液体プロピレ
ン中でのプロピレンの重合方法又は液体プロピレン中でのプロピレンとα−オレ
フィンとの共重合方法に関する。
本願は、とりわけ上記方法に使用可能な新規な固体触媒成分、及びそれらの製
造方法にも関する。
先行技術
プロピレンの重合は、懸濁液中でも気相でも液体プロピレン中でも行うことが
できる。この重合は、一般に、通常は有機アルミニウム誘導体である助触媒の存
在下、マグネシウム原子、ハロゲン原子、アルミニウム原子及び遷移金属原子を
含有し場合により内部電子供与体も含有する固体触媒成分の存在下、及び外部電
子供与体、換言すれば、その固体触媒成分内に組み入れられていない電子供与体
の存在下で行われる。この外部電子供与体の役割は合成されるポリプロピレンの
アイソタクチック指数を上げることである。高いアイソタクチック指数のポリプ
ロピレンは、特にそれらの剛性に関して向上した機械的特性を示す。
重合系に外部電子供与体を導入しなければならないのを避けるために、固体触
媒成分中にアルコキシシランを組み入れようとす
る試みが既になされている。米国特許第4,442,276号は、トリアルコキ
シシランを含有するかかる成分を記載している。これら成分は、懸濁液中でのプ
ロピレンの重合により、比較的適度な生産効率で高いアイソタクチック指数を示
すポリマーを得るのを可能にする。本出願人は、液体プロピレン中でのプロピレ
ンの重合においては、これら化合物は高いアイソタクチック指数のポリマーをも
たらさないことを発見した。
EP0582943は、ケイ素及びチタンを1グラムのチタン原子当たり0.
5〜100モルのケイ素の割合で含有する固体成分の存在下でのプロピレンの重
合を記載しており、これは1モルのチタン当たり24〜4800モルのケイ素に
相当する。この固体成分中へのケイ素の挿入は、その成分の他の構成成分上での
プロピレンの予備重合後に行われる。この成分を重合に用いる前にそれを洗浄し
ないことが不可欠である。
EP0501741は、一方ではチタン及びケイ素を含有する固体成分の存在
下での及び他方ではAl/Tiモル比が1より高くない有機アルミニウム誘導体
の存在下での150℃と300℃の間の懸濁液中でのプロピレンの重合を記載し
ている。
発明の説明
本出願人は、液体プロピレン中でのプロピレンの重合方法にある触媒成分を用
いると、前記触媒成分中に組み入れられたアルコキシシランが、得られるポリマ
ーのアイソタクチック指数に関して及びその重合の生産効率に関して予測不能な
挙動を示すことを発見した。
現実には、固体触媒成分中に組み入れられたアルコキシシラン
は、その固体触媒成分が液体プロピレン中でのプロピレンの重合方法に用いられ
るか又は懸濁液中でのプロピレンの重合方法に用いられるかに依存して、同じ作
用を有さないであろう。更には、液体プロピレン中でのプロピレンの重合では、
固体触媒成分中に組み入れられたアルコキシシランの作用は、同じアルコキシシ
ランが外部電子供与体として、即ち、その固体触媒成分中に組み入れられていな
い電子供与体として重合系に存在する場合のその作用の観察から容易に推測でき
るとは思えない。
今回、特定のアルコキシシランを選択すれば、それをマグネシウム原子、ハロ
ゲン原子、アルミニウム原子及び遷移金属原子を含有し場合により内部電子供与
体を含有する固体触媒成分中に組み入れることができ、かかる固体触媒成分は液
体プロピレン中でのプロピレンの重合において、必ずしも外部電子供与体を重合
混合物中に存在させなくても高いアイソタクチック指数のポリマーを概して良好
な生産効率でもたらし得ることが分かった。
これらアルコキシシランは、これらアルコキシシランが外部電子供与体のそれ
らの従来の役割を果たさなければならない場合に重合混合物中に固体触媒成分の
外部に導入することが必要とされる量よりも、ずっと少ない量で問題の固体触媒
成分中に組み入れることができる。
本発明におけるアルコキシシランの役割を従来の内部電子供与体の役割と同じ
カテゴリーに入れないのが妥当である。というのは、後者は常に遷移金属の前に
又は遷移金属と同時に固体触媒成分の中に組み入れられているからである。
本発明は、助触媒並びに
a.マグネシウム原子、ハロゲン原子及び遷移金属原子を含有する固体化合物
(a)、
b.有機アルミニウム誘導体(b)、
c.式R1R2Si(OR3)(OR4)(式中、R3及びR4は同一でも異なって
もよく、1〜12の炭素原子を含有する炭化水素基、好ましくはメチル基又はエ
チル基を表し、R1及びR2は同一でも異なってもよく、炭化水素基を表し、R1
は飽和であって少なくとも3の炭素原子を含有する。R1及びR2はそれぞれ1〜
20の炭素原子を含有することができる。)のジアルコキシシラン(c)
を接触させることにより得られる固体触媒成分の存在下での液体プロピレン中で
のプロピレンの重合方法又は液体プロピレン中でのプロピレンとエチレン又は4
〜12の炭素原子を含有するα−オレフィンとの共重合方法に関する。
所与の基R2の場合において、ケイ素に結合しているR1の炭素原子は好ましく
は2つの炭素原子に結合している。
所与の基R1の場合において、R2は好ましくは飽和であって少なくとも3の炭
素原子を含有する。R2も好ましくは飽和であってケイ素に結合しているその炭
素原子は2つの炭素原子に結合している。
固体化合物(a)中に存在するハロゲンは、好ましくは塩素である。固体化合
物(a)中に存在する遷移金属は、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、又
は好ましくはチタンであり得る。
固体化合物(a)は、チーグラー・ナッタ型の触媒成分であってもよい。チー
グラー・ナッタ型の触媒成分は、一般に、少なく
ともMg、Ti及びClをチタンがTiIV及び/又はTiIIIの塩化物型である
ように含有する錯体の形態にあり、場合により電子供与体を含有する。
チーグラー・ナッタ型の触媒成分は、通常、少なくとも1種のマグネシウム化
合物、チタン化合物、塩素及び場合により電子供与体、並びにこの型の成分に用
いることができる他の何らかの化合物を組み合わせた結果物である。
マグネシウム化合物は、通常、式Mg(OR)nCf2-n(Rは水素又は線状若
しくは環状の炭化水素基を表し、nは0〜2の整数を表す)の化合物から選ばれ
る。チタン化合物は、通常、式Ti(OR)xCl4-x(Rは1〜14の炭素原子
を含有する脂肪族若しくは芳香族の炭化水素基を表すか又はCOR1(R1は1〜
14の炭素原子を含有する脂肪族若しくは芳香族の炭化水素基を表す)を表し、
xは0〜3の整数を表す)のチタンの塩素化合物から選ばれる。
チーグラー・ナッタ型の触媒成分中に存在する塩素は、チタン化合物及び/又
はマグネシウム化合物から直接生じたものであってもよい。それは、塩酸又は塩
化ブチルのような有機塩化物の如き独立の塩素化剤から生じたものであってもよ
い。
チーグラー・ナッタ型の触媒成分中に場合により存在する電子供与体は、これ
ら触媒成分の組成の一部を形成することが知られている液体又は固体有機化合物
である。この電子供与体は、脂肪族又は芳香族のカルボン酸及びそれらのアルキ
ルエステル、脂肪族又は環状のエーテル、ケトン、ビニルエステル、アクリル誘
導体、特にアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル、及びシ
ランから有利に選ばれる単官能性又は多官能性化合物であってもよい。また、p
−トルイル酸メチル、安息香酸エチル、酢酸エチル又はブチル、エチルエーテル
、p−アニス酸エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイ
ソブチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸ビニル及びメタクリル酸メチルの如き化合物も電子供与体として適する
。
有機アルミニウム誘導体(b)は、式R1R2R3Al(式中、R1、R2及びR3
はそれぞれ同一でも異なってもよく、水素原子又はハロゲン原子又は1〜20の
炭素原子を含有するアルキル基のいずれかを表し、R1、R2及びR3のうちの少
なくとも1はアルキル基を表す)の誘導体であってもよい。挙げることができる
適する化合物の例は、二塩化又は二臭化又は二水素化エチルアルミニウム、二塩
化又は二臭化又は二水素化イソブチルアルミニウム、塩化又は臭化又は水素化ジ
エチルアルミニウム、塩化又は臭化又は水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、
及び塩化又は臭化又は水素化ジイソブチルアルミニウムである。
この有機アルミニウム誘導体は、式:
の線状アルミノキサン又は、式:
の環状アルミノキサンであってもよい。
これら2つの式の場合において、Rは1〜6の炭素原子を含有するアルキル基
を表し、nは2〜40、好ましくは10〜20の整数である。このアルミノキサ
ンは、異なる性質の複数の基Rを含有することができる。これら複数の基Rは全
てがメチル基を表すのが好ましい。
上に挙げた化合物よりはむしろ、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム又はトリエチルアルミニウムの如
きトリアルキルアルミニウムを用いるのが好ましく、この最後の化合物が特に好
ましい。
構成成分(a)、(b)及び(c)を接触させる前に予備重合を行わないのが
好ましい。
化合物(a)、(b)及び(c)の接触は、好ましくはヘキサン、ヘプタン又
はシクロヘキサンの如き飽和脂肪族又は飽和脂環式の炭化水素である炭化水素H
の存在下で行うのが好ましい。化合物(b)及び(c)は炭化水素H中の(a)
の懸濁液にそのまま添加しても、溶液の形で添加してもよく、一方で炭化水素H
中の(b)の溶液を、そして他方で炭化水素H中の(c)の溶液を炭化水素H中
の(a)の懸濁液に添加してもよい。炭化水素H中の(a)の懸濁液は、好まし
くは、前記懸濁液を(a)の磨砕が起こることなく攪拌できるだけの十分な炭化
水素Hを含有する。
(a)、(b)及び(c)の混合物と共に最終的に存在する炭化水素Hの総量
は、一般的に、1kgの固体化合物(a)当たり100lより少ない。
(b)は、一般に、(a)、(b)及び(c)の懸濁液中の混合物中のモル比
〔Al〕/〔M〕、即ち(b)により与えられる
アルミニウムの(a)により与えられる遷移金属Mに対するモル比が0.5〜1
00、好ましくは1〜50の範囲となるような量で導入される。
(c)は、一般に、(a)、(b)及び(c)の懸濁液中の混合物中のモル比
〔Si〕/〔M〕、即ち(c)により与えられるケイ素の(a)により与えられ
る遷移金属Mに対するモル比が0.5〜20、好ましくは1〜10の範囲となる
ような量で導入される。
ポリマーのアイソタクチック指数とこれらポリマーの生産効率の間の良好な折
衷点を得るには、好ましくは、まず化合物(b)と(c)を接触させ、そして次
にそれらを化合物(a)と接触させる。これを行うには、好ましくは、まず最初
に炭化水素H中の(b)と(c)の溶液を調製してから、その(b)と(c)の
溶液を炭化水素H中の(a)の懸濁液と混合する。この炭化水素H中の(a)の
懸濁液は、好ましくは、前記懸濁液を(a)の磨砕が起こることなく攪拌できる
だけの十分な炭化水素Hを含有する。
次に、(a)、(b)及び(c)を接触させることにより得られた固体触媒成
分を濾過して炭化水素Hで洗浄し、そして乾燥する。この固体成分の洗浄は、特
にそれを重合に用いる前に貯蔵するのが望まれるときに推奨される。この洗浄は
その安定性を向上させる。
本発明による液体プロピレン中でのプロピレンの重合又は共重合方法を用いる
には、有機アルミニウム誘導体(b)を選択する場合に上記した式R1R2R3A
lの化合物のリストから選ぶことができる助触媒を、その助触媒の固体触媒成分
中に存在する遷
移金属Mに対するモル比が100〜3000の範囲になるような量で、重合混合
物中に導入することが必要になる。この助触媒は、一般に、重合混合液中に1l
の液体プロピレン当たり0.5〜10ミリモルの助触媒の割合で存在する。
液体プロピレン中でのプロピレンの重合又は共重合は、臨界温度、即ち約92
℃までの範囲であり得る温度及び大気圧と臨界圧の間であり得る圧力で、連続式
でも非連続式でも行うことができる。
本発明による方法をプロピレンとエチレン又は4〜12の炭素原子を含有する
α−オレフィンとの共重合に用いる場合、最終ポリマーが85〜100重量%の
重合プロピレンを含有するようにモノマーの量を調節するのが好ましい。
液体プロピレン中での重合は、製造されるポリマー又はコポリマーのメルトイ
ンデックスを制御するために、連鎖移動剤の存在下で行うことができる。
好ましい連鎖移動剤は水素であって、オレフィンと水素の合計の0.01〜5
モル%の割合で導入される。
液体プロピレン中での重合は、ヘキサンの如き脂肪族炭化水素又はシクロヘキ
サンの如き脂環式炭化水素であり得る不活性希釈剤の存在下又は不存在下で連続
式又は非連続式で行うことができる。
上記の方法で且つまず最初に化合物(b)と(c)を一緒に接触させてから化
合物(a)と接触させる場合に得ることができる固体触媒成分も本発明の主題で
ある。それらの製造方法も本発明の主題である。これら成分は、エチレン、プロ
ピレン、4〜12
の炭素原子を含有するα−オレフィン、又はこれらモノマーの幾つかの混合物の
重合方法において、それが液相での重合方法であろうと気相での重合方法であろ
うと不活性希釈剤の存在下であろうと不存在下であろうと用いることができる。
液相での重合方法の場合には、エマルジョン又は溶液中での重合の技術を用いる
ことができる。不活性希釈剤は、ヘキサンの如き脂肪族炭化水素でもシクロヘキ
サンの如き脂環式炭化水素であってもよい。
この重合は、連続式又は非連続式で行うことができる。これら重合方法の一般
的技術は当業者には周知である。これら重合は、一般に、上に列挙したものの如
き有機アルミニウム誘導体であり得る助触媒及び適切な場合には水素であり得る
移動剤の存在下で行われる。
本発明を実施する方法
実施例1、2及び9〜19は本発明を説明するものである。これら実施例では
、本発明による重合方法を重合混合液中に外部電子供与体を存在させないで用い
た。実施例4〜8及び20〜22は、外部電子供与体としてのアルコキシシラン
の存在下及びアルコキシシランを含有しない触媒成分の存在下での重合を説明す
る比較例である。実施例3は比較例であって、固体触媒成分中へのフェニルトリ
アルコキシシランの導入が満足のゆく結果をもたらさないことを示している。そ
れにも拘らず、外部電子供与体として導入した場合には、それはジシクロペンチ
ルジメトキシシラン(比較例6)又はシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(
比較例7)と同じように、良好な結果をもたらしている(比較例8)。
実施例23は本発明による方法を説明するものであって、化合物(a)と(c
)を事前に接触させた後に(b)と接触させたものである。この実施例は、(a
)と(b)を予め接触させた後に(c)と接触させた実施例1及び(b)と(c
)を予め接触させた後に(a)と接触させた実施例12と特に取り立てて比較さ
れるべきである。
実施例24は比較例であって、触媒成分中へのジフェニルジメトキシシランの
導入が良好な結果をもたらさないことを示している。
実施例25は比較例であって、助触媒の固体成分中に存在するチタンに対する
モル比が1の重合は良好な結果をもたらさないことを示している。
表1で、%Ti、%Mg、%Al及び%Siは、それぞれ固体触媒成分中に存
在するチタン、マグネシウム、アルミニウム及びケイ素の重量パーセンテージを
表す。表1で、Si/Tiは、重合混合液中に存在するケイ素の固体触媒成分中
に存在するチタンに対するモル比を表すが、これは勿論、外部電子供与体として
アルコキシシランを含む比較例の場合に限ったものである。
表1で、IIは得られたポリマーのアイソタクチック指数を表す。この指数はヘ
プタン指数を測定することにより出したもので、問題のポリマー中の沸騰ヘプタ
ンに不溶なポリマーの重量パーセンテージに等しい。それは、クマガワ型の装置
内で沸騰ヘプタンで可溶分を2時間抽出することにより測定される。純粋なポリ
プロピレン(ホモポリマー)の場合には、アイソタクチック指数は精製していな
いポリマー中に存在するアイソタクチックポリマーの
重量パーセンテージに相当する。
実施例におけるメルトインデックスは、ASTM方法D1238,方法2によ
り出した。
重合の生産効率は、表1では、重合系に導入した1グラムの固体触媒成分当た
りのポリマーのグラム数で表示されている。
これら実施例で用いる略号の意味を以下に示す。
DCPDMS: ジシクロペンチルジメトキシシラン
CHMDMS: シクロヘキシルメチルジメトキシシラン
PTES: フェニルトリエトキシシラン
CPHDMS: シクロペンチルヘキシルジメトキシシラン
iBiPDMS:イソブチルイソプロピルジメトキシシラン
CPMDMS: シクロペンチルメチルジメトキシシラン
iBCHDMS:イソブチルシクロヘキシルジメトキシシラン
DiBDMS: ジイソブチルジメトキシシラン
DPDMS: ジフェニルジメトキシシラン
DBP: フタル酸ジブチル
TEA: トリエチルアルミニウム実施例1
a)触媒成分用担体の調製
約2mmの平均直径を有する粒子状の30gの市販無水MgCl2、4.5g
の1,2,4,5−テトラメチルベンゼン及び200mlのテトラヒドロフラン
(THF)を、窒素でパージされ機械攪拌羽根及びジャケットによる温度コント
ロールを備えた300ml反応器内に導入する。温度を60℃に上げて攪拌を1
6時間したままにする。次に、その固体を濾過して100mlのヘ
キサンで60℃で15分間3回洗浄してから窒素気流下で60℃で2時間乾燥す
る。11.7重量%のマグネシウム及び54.3重量%のTHFから構成される
54.2gの固体を回収する。
b)触媒成分の調製
a)で得られた6.4gの固体、21mlのトルエン及び62mlの純粋なT
iCl4を、窒素でパージされ100rpmで回転する攪拌器を備えた300m
l反応器内に50℃で導入する。温度を90℃に上げてから1.05mlのフタ
ル酸ジブチル(DBP)を導入する。攪拌を2時間したままにする。濾過後、4
mlのTiCl4と79mlのトルエンを導入することにより2回目の一連の処
理を行う。温度を100℃に1時間で上げる。次いで、濾過を行いそしてTiC
l4とトルエンの混合液で同じ条件で4回この処理を行うのが推奨される。次に
、その固体を64mlのヘキサンで60℃で10分間洗浄してから濾過する。そ
の固体を200mlのヘキサン中に再懸濁して温度を20℃に戻す。次いで、ヘ
キサン中に1ml当たり1ミリモルのトリエチルアルミニウム(TEA)を含有
する7.5mlの溶液を導入する。次に、ヘキサン中に1ml当たり1ミリモル
のジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)を含有する2.5mlの
溶液を導入する。この量は4分割して15分置きに導入する。最終導入後、反応
を更に15分間進行させる。この処理の間に導入されるTEAとDCPDMSの
量は次のモル比に従う:〔Af〕/〔Ti〕=6及び〔Si〕/〔Ti〕=2、
この固体中のチタンの量は1.7重量%である。次いで、この固体を濾過してか
ら100mlのヘキサンで20℃で4回洗浄する。最後にこの固体を窒素
気流下で20℃で2時間乾燥する。この触媒成分は、公表番号がFR26699
15である特許出願の第5写真により示される粒子サイズ及び形態と同一の微粉
末の形をとる。この触媒成分は、1.5重量%のチタン、19.4重量%のマグ
ネシウム、1.7重量%のアルミニウム及び1.3重量%のケイ素を含有する。
c)この触媒成分の存在下での重合
2.5Slの水素、2.4lの液体プロピレン及び12ミリモルのトリエチル
アルミニウムを、磁気攪拌器及びジャケットによる熱コントロールを備えた3.
5lステンレススチール製反応器内に30℃でこの順番に導入する。
約10分間攪拌した後、b)で調製した20mgの触媒成分をこの反応器内に
注入する。温度を10分間かけて70℃まで上げてこの温度を1時間保持する。
次いで、反応器を冷却して圧力を大気圧まで下げる。97.7重量%のアイソ
タクチック指数を有する634gの粉末を回収する。得られたポリマーのメルト
インデックスは2.1g/10分である。他の結果を表1に一緒に列挙する。実施例2
触媒成分の調製時に実施例1のDCPDMSの溶液をヘキサン中に1ml当た
り1ミリモルのシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMDMS)を含有
する2.5mlの溶液と置き換える以外は、実施例1に従って操作を行う。この
触媒成分の重合時に用いた水素の量は0.1Slである。得られたポリマーのメ
ルトインデックスは4.7g/10分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙す
る。実施例3
触媒成分の調製時に実施例1のDCPDMSの溶液を1ml当たり1ミリモル
のフェニルトリエトキシシラン(PTES)を含有する2.5mlの溶液と置き
換える以外は、実施例1に従って操作を行う。この触媒成分の重合時に用いた水
素の量は0.7Slである。得られたポリマーのメルトインデックスは10.6
g/10分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例4(比較例)
a)触媒成分の調製
実施例1のa)で得られた6.4gの固体、21mlのトルエン及び62ml
の純粋なTiCl4を、窒素でパージされ100rpmで回転する攪拌器を備え
た300ml反応器内に50℃で導入する。温度を90℃に上げてから1.05
mlのフタル酸ジブチル(DBP)を導入する。攪拌を2時間したままにする。
濾過後、4mlのTiCl4と79mlのトルエンを導入することにより2回目
の一連の処理を行う。温度を100℃に1時間で上げる。次いで、濾過を行いそ
してTiCl4とトルエンの混合液
で同じ条件で4回この処理を行うのが推奨される。次に、その固体を64mlの
ヘキサンで60℃で各回につき10分間3回洗浄してから濾過する。最後に、こ
の固体を窒素気流下で60℃で2時間乾燥する。この触媒成分は、公表番号がF
R2669915である特許出願の第5写真により示される粒子サイズ及び形態
と同一の微粉末の形をとる。この触媒成分は、2重量%のチタンと19.6重量
%のマグネシウムを含有する。
b)この触媒成分の存在下での重合
1.05Slの水素、2.4lの液体プロピレン、12ミリモルのトリエチル
アルミニウム及び外部電子供与体として0.017ミリモルのジシクロペンチル
ジメトキシシラン(DCPDMS)を、磁気攪拌器及びジャケットによる熱コン
トロールを備えた3.5lステンレススチール製反応器内に30℃でこの順番に
導入する。この反応器内に導入するDCPDMSの量は〔Si〕/〔Ti〕モル
比が2になるように定めた。
約10分間攪拌した後、たった今その調製を記載したばかりの20mgの触媒
成分をこの反応器内に注入する。温度を10分間かけて70℃まで上げてこの温
度を1時間保持する。
反応が終わった時点で反応器を周囲温度まで冷却して圧力を大気圧まで下げる
。89.3重量%のアイソタクチック指数を有する700gの粉末を回収する。
得られたポリマーのメルトインデックスは2.8g/10分である。他の結果を
表1に一緒に列挙する。実施例5(比較例)
重合時にジシクロペンチルジメトキシシランを導入しないこと
及び導入される水素の量が0.4Slであること以外は、比較例4を繰り返す。
得られたポリマーのメルトインデックスは8.1g/10分である。他の結果を
表1に一緒に列挙する。実施例6(比較例)
3.2Slの水素、6lの液体プロピレン、30ミリモルのトリエチルアルミ
ニウム及び外部電子供与体として3ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシラ
ン(DCPDMS)を、磁気攪拌器及びジャケットによる熱コントロールを備え
た8lステンレススチール製反応器内に30℃でこの順番に導入する。
約10分間攪拌した後、比較例4のa)で調製した40mgの触媒成分をこの
反応器内に注入する。温度を10分間かけて70℃まで上げてこの温度を1時間
保持する。
次いで、反応器を周囲温度まで冷却して圧力を大気圧まで下げる。97.8重
量%のアイソタクチック指数を有する2150gの粉末を回収する。得られたポ
リマーのメルトインデックスは3.8g/10分である。他の結果を表1に一緒
に列挙する。実施例7(比較例)
3ミリモルのDCPDMSを3ミリモルのCHMDMSと置き換える以外は、
比較例6を繰り返す。この場合に用いる水素の量は1.6Slである。得られた
ポリマーのメルトインデックスは4.6g/10分である。諸々の結果を表1に
一緒に列挙する。実施例8(比較例)
3ミリモルのDCPDMSを3ミリモルのPTESと置き換える以外は、比較
例6を繰り返す。この場合に用いた水素の量は1.2Slである。得られたポリ
マーのメルトインデックスは7.2
g/10分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例9
触媒成分の調製時に1mmol/mlを含有するトリエチルアルミニウムを7
.5mlだけではなく15ml導入する以外は、実施例1の通りに操作を行う。
加えて、次に1mmol/mlの濃度のDCPDMSの溶液を実施例1における
ような2.5mlだけではなく5mlを4分割して15分置きに導入する。ここ
で導入するTEAとDCPDMSの量は次のモル比に従う:〔Al〕/〔Ti〕
=12及び〔Si〕/〔Ti〕=4、この固体上のチタンの量は1.7重量%で
ある。得られたポリマーのメルトインデックスは1.4g/10分である。諸々
の結果を表1に一緒に列挙する。実施例10
触媒成分の調製時に1mmol/mlの濃度のトリエチルアルミニウムを7.
5mlだけではなく30ml導入する以外は、実施例1の通りに操作を行う。加
えて、次に1mmol/mlの濃度のDCPDMSの溶液を実施例1のような2
.5mlだけではなく10mlを4分割して15分置きに導入する。ここで導入
するTEAとDCPDMSの量は次のモル比に従う:〔Al〕/〔Ti〕=24
及び〔Si〕/〔Ti〕=8、この固体上のチタンの量は1.7重量%である。
得られたポリマーのメルトインデックスは1.2g/10分である。諸々の結果
を表1に一緒に列挙する。実施例11
DCPDMSの溶液の代わりに1mmol/mlの濃度のCH
MDMSの溶液を10ml導入する以外は、実施例10の通りに操作を行う。得
られたポリマーのメルトインデックスは5.3g/10分である。諸々の結果を
表1に一緒に列挙する。実施例12
触媒成分の調製が次の通りである以外は、実施例1の通りに操作を行う。
実施例1のa)で調製した6.4gの固体、21mlのトルエン及び62ml
の純粋なTiCl4を、窒素でパージされ100rpmで回転する攪拌器を備え
た300ml反応器内に50℃で導入する。温度を90℃に上げてから1.05
mlのフタル酸ジブチル(DBP)を導入する。攪拌を2時間したままにする。
濾過後、4mlのTiCl4と79mlのトルエンを導入することにより2回目
の一連の処理を行う。温度を100℃に1時間で上げる。次に、濾過を行いそし
てこの処理を同じ条件で4回行うのが推奨される。次に、その固体を64mlの
ヘキサンで60℃で10分間洗浄してから濾過する。こうして得られた固体を2
00mlのヘキサン中に再懸濁する。ヘキサン中1mmol/mlの濃度のトリ
エチルアルミニウム(TEA)の溶液を7.5ml及びヘキサン中1mmol/
mlの濃度のジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)の溶液を2.
5ml含有する混合液を20℃で調製する。この混合液を周囲温度で10分間攪
拌する。次に、10mlのこの混合液を4分割して15分置きに導入する。最終
導入後、反応を更に15分間続ける。この処理の間に導入されるTEAとDCP
DMSの量は次のモル比に従う:〔Af〕/〔Ti〕=6及び〔Si〕/〔Ti
〕=2、この固体上のチタン
の量は1.7重量%である。次いで、この固体を濾過してから100mlのヘキ
サンで20℃で4回洗浄する。最後に、この固体を窒素気流下で20℃で2時間
乾燥する。この触媒成分は、公表番号がFR2669915である特許出願の第
5写真により示される粒子サイズ及び形態と同一の微粉末の形である。この触媒
成分は、1.8重量%のチタン、17.5重量%のマグネシウム、1.5重量%
のアルミニウム及び1.1重量%のケイ素を含有する。得られたポリマーのメル
トインデックスは2.2g/10分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する
。実施例13
TEAとDCPDMSとの混合液を1mmol/mlの濃度のトリエチルアル
ミニウム15mlと1mmol/mlの濃度のDCPDMS5mlで作った以外
は、実施例12の通りに操作を行う。これら2つの化合物を周囲温度で10分間
反応させる。次いで、この混合液20mlを4分割して15分置きに導入する。
ここで導入するTEAとDCPDMSの量は次のモル比に従う:〔Af〕/〔T
i〕=12及び〔Si〕/〔Ti〕=4、この固体上のチタンの量は1.7重量
%である。得られたポリマーのメルトインデックスは1.3g/10分である。
諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例14
TEAとDCPDMSとの混合液を1mmol/mlの濃度のトリエチルアル
ミニウム3.75mlと1mmol/mlの濃度のDCPDMS1.25mlで
作った以外は、実施例12の通りに操作を行う。これら2つの化合物を周囲温度
で10分間反応さ
せる。次いで、この混合液5mlを4分割して15分置きに導入する。ここで導
入するTEAとDCPDMSの量は次のモル比に従う:〔Af〕/〔Ti〕=3
及び〔Si〕/〔Ti〕=1、この固体上のチタンの量は1.7重量%である。
得られたポリマーのメルトインデックスは2g/10分である。諸々の結果を表
1に一緒に列挙する。実施例15
触媒成分の調製時にDCPDMSの溶液の代わりにシクロペンチル−n−ヘキ
シルジメトキシシラン(CPHDMS)の溶液2.5mlを導入する以外は、実
施例1の通りに操作を行う。こうして得られた触媒成分の重合時に用いた水素の
量は0.9Slである。得られたポリマーのメルトインデックスは3.2g/1
0分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例16
触媒成分の調製時にDCPDMSの溶液の代わりにイソブチルイソプロピルジ
メトキシシラン(iBiPDMS)の溶液2.5mlを導入する以外は、実施例
1の通りに操作を行う。こうして得られた触媒成分の重合時に用いた水素の量は
1.2Slである。得られたポリマーのメルトインデックスは3.6g/10分
である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例17
触媒成分の調製時にDCPDMSの溶液の代わりにシクロペンチルメチルジメ
トキシシラン(CPMDMS)の溶液2.5mlを導入する以外は、実施例1の
通りに操作を行う。こうして得られた触媒成分の重合時に用いた水素の量は0.
7Slである。得
られたポリマーのメルトインデックスは4.8g/10分である。諸々の結果を
表1に一緒に列挙する。実施例18
触媒成分の調製時にDCPDMSの溶液の代わりにイソブチルシクロヘキシル
ジメトキシシラン(iBCHDMS)の溶液2.5mlを導入する以外は、実施
例1の通りに操作を行う。こうして得られた触媒成分の重合時に用いた水素の量
は0.9Slである。得られたポリマーのメルトインデックスは3.7g/10
分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例19
触媒成分の調製時にDCPDMSの溶液の代わりにジイソブチルジメトキシシ
ラン(DiBDMS)の溶液2.5mlを導入する以外は、実施例1の通りに操
作を行う。こうして得られた触媒成分の重合時に用いた水素の量は1.2Slで
ある。得られたポリマーのメルトインデックスは7.2g/10分である。諸々
の結果を表1に一緒に列挙する。実施例20(比較例)
a)触媒成分用担体の調製
30gの市販無水MgCl2、4.5gの1,2,4,5−テトラメチルベン
ゼン及び200mlのテトラヒドロフラン(THF)を、窒素でパージされ機械
攪拌羽根及びジャケットによる温度コントロールを備えた300ml反応器内に
導入する。温度を60℃に上げて攪拌を16時間したままにする。次に、その固
体を濾過して100mlのヘキサンで60℃で15分間3回洗浄してから窒素気
流下で60℃で2時間乾燥する。11.7重量%の
マグネシウム及び54.3重量%のTHFから構成される54.2gの固体を回
収する。その形態は、公表番号がFR2669915である特許出願の第3写真
により示されるものと同一である。
b)触媒成分の調製
たった今その調製を記載したばかりの6.4gの担体、21mlのトルエン及
び62mlの純粋なTiCl4を、窒素でパージされ100rpmで回転する攪
拌器を備えた300ml反応器内に50℃で導入する。温度を90℃に上げ、1
.05mlのフタル酸ジブチル(DBP)を導入して攪拌を2時間したままにす
る。濾過後、4mlのTiCl4と79mlのトルエンを導入することにより2
回目の一連の処理を行う。温度を100℃に1時間で上げる。次いで、濾過を行
いそしてこの処理を同じ条件で4回行うのが推奨される。次に、その固体を64
mlのヘキサンで60℃で10分間3回洗浄してから濾過する。最後にこの固体
を窒素気流下で60℃で2時間乾燥する。この触媒成分は、公表番号がFR26
69915である特許出願の第5写真により示される粒子サイズ及び形態と同一
の微粉末の形である。
この触媒成分は、2重量%のチタンと19.6重量%のマグネシウムを含有す
る。
c)この触媒成分の存在下での重合
0.9Slの水素、2.4lの液体プロピレン、12ミリモルのトリエチルア
ルミニウム及び外部電子供与体として0.017ミリモルのシクロペンチル−n
−ヘキシルジメトキシシラン(CPHDMS)を、磁気攪拌器及びジャケットに
よる熱コントロールを備えた3.5lステンレススチール製反応器内に30℃で
こ
の順番に導入する。この反応器内に導入するCPHDMSの量は、〔Si〕/〔
Ti〕モル比が2になるように定めた。
約10分間攪拌した後、上で調製した20mgの触媒成分をこの反応器内に注
入する。温度を10分間で70℃に上げてこの温度を1時間保持する。
反応が終わった時点で反応器を冷却して圧力を大気圧まで下げる。63.1重
量%のアイソタクチック指数を有する519gの粉末を回収する。得られたポリ
マーのメルトインデックスは24.1g/10分である。他の結果を表1に一緒
に列挙する。実施例21(比較例)
重合時にシクロペンチル−n−ヘキシルジメトキシシランの代わりに0.01
7ミリモルのイソブチルイソプロピルジメトキシシラン(iBiPDMS)を導
入する以外は、比較例20の通りに操作を行う。こうして得られた触媒成分の存
在下での重合時に用いた水素の量は1.2Slである。得られたポリマーのメル
トインデックスは7.1g/10分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する
。実施例22(比較例)
重合時にシクロペンチル−n−ヘキシルジメトキシシランの代わりに0.01
7ミリモルのイソブチルシクロヘキシルジメトキシシラン(iBCHDMS)を
導入する以外は、比較例20の通りに操作を行う。こうして得られた触媒成分の
重合時に用いた水素の量は0.9Slである。ポリマーのメルトインデックスは
10.9g/10分である。諸々の結果を表1に一緒に列挙する。実施例23
a)触媒成分の調製
実施例1のa)で得られた6.4gの固体、21mlのトルエン及び62ml
の純粋なTiCl4を、窒素でパージされ100rpmで回転する攪拌器を備え
た300ml反応器内に50℃で導入する。
温度を90℃に上げてから1.05mlのフタル酸ジブチル(DBP)を導入
する。攪拌を2時間したままにする。濾過後、4mlのTiCl4と79mlの
トルエンを導入することにより2回目の一連の処理を行う。温度を100℃に1
時間で上げる。次に、濾過を行いそしてこの処理を同じ条件で4回行うのが推奨
される。次に、その固体を64mlのヘキサンで60℃で10分間洗浄してから
濾過する。その固体を200mlのヘキサン中に再懸濁する。温度が20℃に戻
ったら、ヘキサン中に1ml当たり1ミリモルを含有するDCPDMSの溶液2
.5mlを導入するが、この量を4分割して15分置きに導入する。最終導入後
、攪拌を更に15分間したままにする。
次に、ヘキサン中に1ml当たり1ミリモルの濃度のTEAの溶液7.5ml
を導入して攪拌を15分間したままにする。この処理の間に導入されるTEAと
DCPDMSの量は次のモル比に従う:〔AE〕/〔Ti〕=6及び〔Si〕/
〔Ti〕=2、この固体中のチタンの量は1.7重量%である。次いで、この固
体を濾過してから100mlのヘキサンで20℃で4回洗浄する。最後にこの固
体を窒素気流下で20℃で2時間乾燥する。こうして得られた触媒成分は、公表
番号がFR2669915である特許出願の第5写真の形態と同一の形態を有す
る粉末の形をとる。
この触媒成分は、1.8重量%のチタン、18.3重量%のマグネシウム、1.
3重量%のアルミニウム及び1重量%のケイ素を含有する。
b)この触媒成分の存在下での重合
たった今その調製を記載したばかりの触媒成分を用いること及び実施例1の2
.5Slの水素の代わりに2.4Slの水素を導入すること以外は、操作は実施
例1のc)の通りである。得られたポリマーのメルトインデックスは2.8g/
10分である。他の結果を表1に一緒に列挙する。実施例24 (比較例)
触媒成分の調製のためにDCPDMSの溶液2.5mlをヘキサン中に1l当
たり1ミリモルのジフェニルジメトキシシランを含有する溶液2.5mlと置き
換えること及び重合に用いた水素の量が0.7Slであること以外は、操作は実
施例1の通りである。得られたポリマーのメルトインデックスは12.5g/1
0分である。他の結果を表1に一緒に列挙する。実施例25(比較例)
実施例1における12ミリモルの代わりに0.048ミリモルのトリエチルア
ルミニウムを導入すること及び実施例1における20mgの代わりに100mg
の固体触媒成分を重合系に導入すること以外は、操作は実施例1の通りである。
10gのポリプロピレンを最終的に回収する。これは、1gの固体成分当たり1
00gのポリプロピレンの生産効率に相当する。
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フロントページの続き
(72)発明者 スピッツ,ロジェ
フランス国 エフ―69360 セレザン,ル
デ フルール 44番地