JPH0613453B2 - 前眼部手術用の前房注入剤 - Google Patents

前眼部手術用の前房注入剤

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JPH0613453B2
JPH0613453B2 JP60220609A JP22060985A JPH0613453B2 JP H0613453 B2 JPH0613453 B2 JP H0613453B2 JP 60220609 A JP60220609 A JP 60220609A JP 22060985 A JP22060985 A JP 22060985A JP H0613453 B2 JPH0613453 B2 JP H0613453B2
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chitin
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surgery
chamber injection
viscosity
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孝則 柴田
利治 吉川
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Menicon Co Ltd
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Menicon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は前眼部手術用の前房注入剤に関する。
〔従来の技術〕
近年、前眼部手術、例えば白内障手術、緑内障手術、角
膜移植、人工眼内レンズ移植等の手術時に前房中に粘弾
性を持つヒアルロン酸塩の製剤を注入して手術操作を実
施することによって組織表面の損傷を防ぎ、縫合などの
手技を安全かつ確実に実施でき、また手術後の癒着を防
ぐことができるため、一般的に利用されている。
ところが、現在ヒアルロン酸塩は主に鶏冠、硝子体等か
ら抽出しているために比較的高価であり、また好ましく
用いられている高純度のヒアルロン酸塩は、原料中に含
まれている蛋白質の除去が困難であることから、さらに
高価なものとなっている。
また、前述の前眼部手術用の前房注入剤として用いた場
合、手術後ヒアルロン酸塩を除くために前眼部内を洗浄
するのであるが、完全に除去されないヒアルロン酸塩が
前眼部内に残留し、これが手術後にしばしば眼圧上昇を
招来するという欠点があった。
さらに、ヒアルロン酸は加熱により粘度が減少するた
め、滅菌処理が困難であるという欠点があった。
一方、キチンはエビ、カニ等の甲殻類、バッタ、カブト
ムシ等の昆虫類に含まれ自然界に広く分布しており、精
製もそれ程困難ではないため高純度のものが比較的安価
で市販されているが、水に不溶性のため前眼部手術用に
は使用できなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は安価な前眼部手術用の前房注入剤を提供
することにある。
〔問題を解決するための手段〕
即ち本発明は、カルボキシメチル化して水溶性としたキ
チンを配合した前眼部手術用の前房注入剤に関する。
カルボキシメチル化したキチン(以下CMキチンと称
す)は、キチンをアルカリキチンとし、モノハロゲノ酢
酸塩を反応させることによって得られる。
CMキチンのカルボキシメチル置換度は、キチンに対す
るモノハロゲノ酢酸塩の量を変えることにより変化させ
ることができるが、置換度が小さすぎると水に溶けなく
なり、大きすぎると水溶液の粘弾性がなくなるので、モ
ノサッカライド残基1個当り1.0〜2.5の範囲にあること
が好ましい。
CMキチンの分子量は原料のキチンの分子量に依存する
が、あまり分子量が小さいと粘度が小さくなるためCM
キチンの分子量として20万以上が好ましい。また、粘度
は約10000〜150000センチストークスの範囲が好適であ
り、さらには約80000〜120000センチストークスが最も
好適である。
生理的等張化は非電解質を用いて等張化しても、電解質
をもちいて等張化しても、粘度に大きな差はないので、
自由に選択できる。電解質の等張化剤としては例えば、
塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられ、非電解
質の等張化剤としては例えば、グリセリン、エチレング
リコール,グルコース,マンノース,ソルビトースなど
が挙げられる。また必要に応じて殺菌剤等を添加しても
よい。
以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例〕
(実施例1) 42%水酸化ナトリウム水溶液200mlに粉末キチン(新日
本化学社製、商品名キチン−SS)を分散させ、常温で
減圧下(20mmHg)に5時間保ちキチンにアルカリを浸透さ
せた。次いで氷冷した後、氷500gを徐々に加えてよく
攪拌しアルカリキチン溶液とした。
このアルカリキチン溶液に、モノクロロ酢酸ナトリウム
210gを水240gに溶解したものを5℃以下で30分かけて
滴下し、その後5℃以下で5時間、常温で18時間反応さ
せた。反応物を酢酸で中和後エタノール中に投入して沈
澱させ、さらにエタノール:水=2:1の溶液で洗浄し
乾燥した。乾燥後、1.5%水溶液としてエタノールで再
沈澱精製を行った。
得られたカルボキシメチルキチンナトリウム塩(以下C
MキチンNaと称す)を水溶液として、原子吸光分析に
よりナトリウムの量を測定してモノサッカライド残基1
個当りのカルボキシメチル置換度(以下単に「置換度」
と称す。)を計算したところ、置換度は2.12であった。
(実施例2〜3) 置換度の異なるCMキチンNaを得るために、モノクロ
ロ酢酸ナトリウムの量をそれぞれ57.4g、34.0gとした
他は実施例1と同様に操作したCMキチンNaの置換度
を測定した。測定結果は実施例1の測定結果と共に第1
表に示す。
(実施例4) 実施例1で得たCMキチンNa(以下CM−1と称す)
と実施例3で得たCMキチンNa(以下CM−3と称
す)を生理的食塩水に溶解し、種々の濃度での粘度およ
び浸透圧を測定した。また、比較としてヒアルロン酸ナ
トリウム(キューピーファインケミル社製、商品名HA
−S、以下HA−Sと称す)を生理的食塩水に溶解し、
種々の濃度での粘度および浸透圧を測定した。結果を第
2表に示した。なお、以下cstはセンチストークスを表
す。
この表から、同じ粘度を得るには、置換度の大きいCM
キチンNaはHA−Sより若干高濃度にする必要がある
が、置換度の小さいCMキチンNaはHA−Sとほぼ同
濃度で良いことがわかる。
(実施例5) 手術後の眼内洗浄後の残留物の自己分解性を確認するた
めに、低濃度での粘度の経時変化を測定した。即ち、C
M−1を0.1%溶液とし、比較として0.05%HA−Sを
用いて、40℃に保存して粘度変化を見た。結果を第1
図に示す。
CM−1の場合HA−Sより自己分解性が高いことがわ
かる。
(実施例6) 手術後の眼内洗浄後の残留物の安全性を確認するため
に、CM−1の0.1%水溶液と、比較としてHA−Sの
0.05%水溶液を0.45μミリポアフィルターにて濾過滅菌
したものを抽出液とし眼内レンズ承認規準(昭和60年
5月10日、薬発第489号)の「培養細胞の増殖阻害
試験」の「試験方法」により細胞培養阻害率を測定し
た。結果は次の通りであった。
0.1%CM−1(2週間40℃保存)10.8% 0.05%HA−S(2週間40℃保存)13.3% 手術後の洗浄により残留した製剤の安全性はヒアルロン
酸ナトリウムと同様、もしくはそれより安全性は高い。
(実施例7) 加熱滅菌による粘度の減少を調べるために、CM−1と
比較例としてHA−Sを乾燥状態で170℃で20分間
乾熱滅菌し、滅菌処理前後の水溶液の粘度を測定した。
結果を第3表に示す。
HA−Sは大きく粘度が減少したのに対し、CMキチン
においては粘度の減少はみられなかった。
(発明の効果) 本発明のCMキチンは、 (1)極めて安価な前眼部手術用の前房注入剤である。
(2)等張化剤を自由に選択できる。即ち、電解質の等張
化剤を使用しても非電解質の等張化剤を使用しても粘度
に差がないので、どちらでも使用できる。
(3)ヒアルロン酸ナトリウムに比較して分解が早いた
め、手術後の眼圧上昇を最小限におさえることができ
る。
(4)手術後の洗浄により残留した製剤の安全性はヒアル
ロン酸ナトリウムと同様、もしくはそれより安全性は高
い。
(5)170℃20分間の乾熱滅菌を行っても粘度が減少しな
い。
等の効果が認められ、前眼部手術用の前房注入剤として
非常に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はヒアルロン酸ナトリウム水溶液、およびカルボ
キシメチル化されたキチン水溶液の粘度の経時変化を示
したグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシメチル化したキチンを配合した
    前眼部手術用の前房注入剤。
  2. 【請求項2】カルボキシメチル化したキチンのカルボキ
    シメチル置換度がモノサッカライド残基1個当り1.0〜
    2.5である特許請求の範囲第1項に記載の前眼部手術用
    の前房注入剤。
JP60220609A 1985-10-03 1985-10-03 前眼部手術用の前房注入剤 Expired - Lifetime JPH0613453B2 (ja)

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JPS6281319A JPS6281319A (ja) 1987-04-14
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