JPH06133687A - 冷凍里芋及びその製造方法 - Google Patents

冷凍里芋及びその製造方法

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JPH06133687A
JPH06133687A JP28644092A JP28644092A JPH06133687A JP H06133687 A JPH06133687 A JP H06133687A JP 28644092 A JP28644092 A JP 28644092A JP 28644092 A JP28644092 A JP 28644092A JP H06133687 A JPH06133687 A JP H06133687A
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taro
frozen
freezing
thawing
maltotetraose
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JP28644092A
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Iwao Omori
巌 大森
Masaaki Yamanaka
正昭 山中
Kazuhiko Tsukasaki
和彦 塚崎
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Nakano Vinegar Co Ltd
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Nakano Vinegar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凍結・解凍に伴う細胞破壊と澱粉の老化を抑
制し、結果として解凍した里芋のスポンジ化を可能な限
り防止した冷凍里芋、及び当該里芋の製造方法の提供。 【構成】 マルトース又はデキストリンのいずれかとマ
ルトテトラオースを含有させたことを特徴とする冷凍里
芋、並びに冷凍前にマルトース又はデキストリンのいず
れかとマルトテトラオースを含有する溶液に里芋を浸漬
させることを特徴とする当該冷凍里芋の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍惣菜として使用さ
れる冷凍里芋、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、女性の社会進出等に伴う共稼ぎ夫
婦や独身者の増加等により、現代人は調理にあまり時間
や手間をかけることができなくなる傾向にある。そし
て、かかる時代の要請により、多くの種類の冷凍食品が
市場に出回っている。一般的に上記冷凍食品のうち、従
来の砂糖を使用した調味液に里芋を混合し凍結した当該
里芋を用いた冷凍惣菜を自然解凍した場合には、その里
芋内部から水分が著しく失われて、里芋の内部がスポン
ジ化した状態になり、その解凍した里芋の食感が本来の
ものに比べて著しく劣ることになる。
【0003】この上記里芋のスポンジ化は、砂糖の里芋
内部への浸透性が弱いためにかかる砂糖により細胞・組
織が十分に保護されず、里芋を冷凍によって細胞内に氷
ができる所謂細胞内凍結の状態からの冷凍保管中におけ
る細胞破壊や冷凍保管中の澱粉の老化を伴うこと等から
十分に保護することができないために起こることが知ら
れている。なお、上記冷凍惣菜を加熱解凍した場合に
は、確かに自然解凍に比べて後者の澱粉の老化は抑制さ
れるが、前者の細胞の破壊を防ぐことはできない。
【0004】特開昭61-249365 号公報には、原料魚肉に
低分子直鎖オリゴ糖及び重合リン酸塩を添加して練り合
わせた後で凍結することを特徴とする冷凍すり身の製造
方法が開示されているが、当該方法は魚肉のすり身、す
なわち魚肉蛋白質の冷凍変性を抑制することを目的とし
たものであり、本発明の目的である冷凍里芋の細胞破壊
及び澱粉の老化の防止とは明らかに異なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
のような凍結・解凍に伴う細胞破壊と澱粉の老化を抑制
し、結果として上述の解凍した里芋のスポンジ化を可能
な限り防止した冷凍里芋、及び当該里芋の製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決方法について鋭意検討を行った結果、里芋を冷凍す
る前にマルトース又はデキストリンのいずれかとマルト
テトラオースを当該里芋に含ませることにより、上記課
題の解決をすることが可能であることを見出し本発明を
完成した。
【0007】すなわち、本願は以下の発明をその要旨と
するものである。 (1)マルトース又はデキストリンのいずれかとマルト
テトラオースを含有させたことを特徴とする冷凍里芋。 (2)冷凍前にマルトース又はデキストリンのいずれか
とマルトテトラオースを含有する溶液に里芋を浸漬させ
ることを特徴とする前記(1)記載の冷凍里芋の製造方
法。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の対象となる冷凍里芋の原料となる里芋は、学名を
Colocasia esculenta Schotto というサトイモ科の多年
草で、地下茎は多肉で、塊茎・葉柄とともに食用とさ
れ、その品種としては、例えば土垂、石川早生、豊後、
鳥播、八つ頭、旬芋、唐芋、セレベス、赤芽芋、海老芋
等を広く挙げることができる。
【0009】なお、これらの里芋には皮剥きの処理を施
し、傷のついた部分があればそれを除去するのが好まし
い。また、本発明冷凍里芋は、マルトース又はデキスト
リンのいずれかとマルトテトラオースを凍結前に含有さ
せることを必須とする。すなわち、上記成分を単独で里
芋に含有させると当該成分の里芋内部への浸透効果を十
分得ることができない。すなわち、マルトース又はデキ
ストリンのいずれかとマルトテトラオースを併用して含
ませることにより、当該成分の里芋内部への浸透性を向
上させる効果が生ずる。当該成分が里芋内部に十分浸透
することにより、解凍後においても里芋の細胞・組織が
維持され、里芋内部からの水分の流出(所謂ドリップ)
を防止することができる。また、これらの成分の存在に
より、澱粉の老化をも防ぐことが可能であり、自然解凍
・加熱解凍のいずれにおいても里芋の食感は本来里芋が
有する食感と全く変わらない食感が得られる。
【0010】上記成分を里芋に含ませる手段としては、
上記成分を含む溶液に上記前処理を施した里芋を浸漬す
る方法、噴霧する方法、シャワリング方法、里芋内部へ
の注入方法等を挙げることができる。これらのうち、上
記成分を含む溶液に前処理を施した里芋を浸漬する方法
が上記成分の里芋内部への浸透が効率的かつ均一に行な
われるという点で特に好ましい方法として挙げられる。
かかる溶液に里芋を浸漬する態様としては、加熱によっ
て里芋の酵素を失活させるブランチング液中に上記成分
を配合して浸漬する方法;ブランチング後上記成分溶液
に里芋を浸漬した後に調味する方法;上記成分を添加し
た調味液に浸漬後凍結する方法;里芋を調味液に浸漬し
て加熱後に上記成分を添加して凍結する方法等を挙げる
ことができる。
【0011】なお、この上記成分の溶液中における当該
成分の含有量は、少なくとも2%(w/w) 以上含有させ
ることが必要である。すなわち、含有量が2%未満であ
ると、本発明の所望の効果、すなわち里芋が本来有する
食感を解凍後に得ることができなくなる。また、上記成
分の配合比、すなわちマルトース又はデキストリンのい
ずれかとマルトテトラオースの配合比は、重量換算で1:
5 〜5:1 、より好ましくは1:3 〜3:1 の範囲で適宜選択
することができる。
【0012】さらに上記成分に加えて、従来より冷凍里
芋の調味に用いられている砂糖等を必要に応じて加えて
添加することができる。これらの添加剤の配合比は上記
に従って添加する成分の20%(w/w) 以下が好ましい。
すなわち、当該添加量が20%(w/w) を超えると上記成
分を添加することによる所期の効果を得ることが困難に
なる。
【0013】上記成分添加後の里芋の冷凍方法は通常公
知の方法を用いることができる。すなわち、例えばエア
ブラストフリーザー、コンタクトフリーザー、液化ガス
凍結等により急速凍結し、その後−18℃以下で冷凍保存
する等の方法を好ましく採用することができる。解凍方
法も通常公知の解凍方法を用いることができる。すなわ
ち、自然解凍法以外に、湯煎、蒸し、電子レンジ等によ
り、製品全体を喫食できる温度になるまで加熱解凍する
方法等を用いることができる。
【0014】
〔実施例1〕
(a) 冷凍惣菜の製造 サイズ 180×260mm のナイロン・ポリエチレン袋に皮を
剥いて、ブランチング処理した里芋350gと表1に示した
所定量の糖類を添加した調味液150gを充填して密封した
後に、温度80℃で50分間ボイリング処理して冷却した。
冷却した製品を温度−40℃のエアブラストフリーザーに
より急速凍結して、−20℃で冷凍保存を行った。
【0015】(b) 解凍 室温にて自然解凍を行った。 (c) 評価 自然解凍した製品について、性状及び食感を調べた結果
を表1に示した。なお、表中の総合評価欄における○は
良好、△は若干劣る、×は劣るを示す。
【0016】
【表1】
【0017】〔実施例2〕 (a) 冷凍惣菜の製造 実施例1と同様に、表2に示した所定量の糖類を添加し
た調味液を用いて冷凍惣菜の製造を行った。
【0018】
【表2】
【0019】(b) レオロメーター特性の測定 室温にて自然解凍した里芋の中心部を測定用試料とし
た。得られた試料を下記の測定条件で測定した。その測
定結果を表3に示す。 装置: 飯尾電機レオロメーター・マック
スRX-1600 プランジャーの径: 18mm クリアランス: 2mm サイクルの速度: 6cycle/分 室温: 20℃ 試料のセッティング:里芋内部の中心部10mm角を取り出
し測定した。
【0020】
【表3】
【0021】表3から、試験区3は硬さが最も低度で、
付着性は最も高いことが明らかになった。また、食感に
ついての官能評価も、この分析結果と同様な結果であっ
た。 〔実施例3〕 (a) ブランチング処理 マルトテトラオース 30g及びデキストリン 20gを含む沸
騰したブランチング液5lに皮剥きした里芋500gを入れ、
10分間ブランチングを行った。
【0022】(b) 冷凍惣菜の製造 ブランチング後、冷却した里芋と調味液300gをサイズ 2
00mm×250mm のナイロン・ポリエチレン袋に充填し密封
して、90℃で30分間ボイリング処理をして冷却した。こ
の冷却した製品を−40℃のエアブラストフリーザーによ
り急速凍結して、−20℃にて冷凍保存した。
【0023】(c) 解凍 流水中で30分間解凍した。解凍後の食感は、本来里芋が
有する食感と変わらないものであった。 〔実施例4〕 (a) 冷凍惣菜の製造 マルトテトラオース60g 、マルトース60g 、しょうゆ57
g 、かつおエキス12g、砂糖10g 、グルタミン酸ソーダ1
g、及び水200gを混合した調味液に、皮剥き・ブランチ
ング処理した里芋700gを入れて加熱処理した後、サイズ
200×300mm のナイロン・ポリエチレン袋に充填して密
封した。次に、冷却した製品を−35℃のエアブラストフ
リーザーにより急速凍結して、−20℃で冷凍保存した。
【0024】(b) 解凍 室温で、2時間自然解凍を行った。解凍後の食感は、本
来里芋が有する食感と変わらないものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明により、凍結・解凍に伴う細胞破
壊と澱粉の老化を抑制し、結果として解凍した里芋のス
ポンジ化を可能な限り防止した冷凍里芋、及び当該里芋
の製造方法が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルトース又はデキストリンのいずれか
    とマルトテトラオースを含有させたことを特徴とする冷
    凍里芋。
  2. 【請求項2】 冷凍前にマルトース又はデキストリンの
    いずれかとマルトテトラオースを含有する溶液に里芋を
    浸漬させることを特徴とする請求項1記載の冷凍里芋の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014143953A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Tablemark Holdings Co Ltd 冷凍畜肉製品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014143953A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Tablemark Holdings Co Ltd 冷凍畜肉製品

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