JPH0612710A - カンチレバー型変位素子の駆動方法、走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置、及びカンチレバー型変位素子 - Google Patents

カンチレバー型変位素子の駆動方法、走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置、及びカンチレバー型変位素子

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JPH0612710A
JPH0612710A JP4191414A JP19141492A JPH0612710A JP H0612710 A JPH0612710 A JP H0612710A JP 4191414 A JP4191414 A JP 4191414A JP 19141492 A JP19141492 A JP 19141492A JP H0612710 A JPH0612710 A JP H0612710A
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優 中山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電体駆動に伴う変位素子の振動を減らし、
より高精度な走査型トンネル顕微鏡を提供する。 【構成】 圧電体薄膜と電極とを積層してなるカンチレ
バー型変位素子において、圧電体駆動用下部電極に対向
して静電駆動用電極を設け、これら一対の電極により平
行平板コンデンサーを形成し、電圧を印加することによ
り、従来の圧電体駆動に伴う不要な振動を制御する。 【効果】 変位素子の振動が制御されたため、変位素子
の応答性が良く、高精度な位置出しが行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆圧電効果により駆動
するカンチレバー(片持ち梁)型変位素子及びこれを用
いた走査型トンネル顕微鏡(以下「STM」と記す)、
情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のカンチレバー型変位素子
は、図9に示すものが知られている。
【0003】ここに用いられているカンチレバー型変位
素子91は電気的に分極されたPZT等から形成される
圧電体薄膜4,8と電極5,6,9で形成される積層構
造を有している。このカンチレバー型変位素子は支持体
92で固定されカンチレバー型となっている。ここで圧
電体薄膜4,8をそれぞれ縮む方向、伸びる方向に或い
はその逆方向に、電圧を5,6,9の電極に印加すると
上方或いは下方に湾曲変位する。この湾曲変位により自
由端部93は上下方向に変位することができる。
【0004】また、近年半導体プロセス技術を背景にし
て半導体を機械的構造体として用いた半導体圧力センサ
ー、半導体加速度センサー、マイクロアクチュエーター
等の機械的電気素子(マイクロメカニクス)が脚光を浴
びるようになってきた。
【0005】係る素子の特徴として、小型で且つ高精度
の機械機構部品を提供でき、且つ半導体ウエハを用いる
ためにSiウエハ上に素子と電気回路を一体化できるこ
とが挙げられる。また、半導体プロセスをベースに作製
することで、半導体プロセスのバッチ処理による生産性
の向上を期待できる。特に、圧電体薄膜を利用したカン
チレバー型変位素子が挙げられるが、これは非常に微細
な動きを制御することが可能なので、原子レベル、分子
レベルを直接観察できるSTMに応用されている。例え
ばスタンフォード大学のクエート等により提案されたカ
ンチレバー型変位素子を用いたSTMプローブ(IEE
E Micro Electro Mechanic
al Systems,p188−199,Feb.1
990)がある。これは図10に示すようにSi基板
(ウエハ)1のウエハの裏面を一部除去しシリコンメン
ブレンを形成し、表面にAl94とZnO95の薄膜を
順次積層し、バイモルフのカンチレバーを形成した後、
裏面より反応性のドライエッチによりシリコンメンブレ
ンとウエハ表面のエッチングの保護層(シリコン窒化
膜)を除去して、STMプローブ変位用のバイモルフカ
ンチレバー型変位素子を作製している。このカンチレバ
ーの上面自由端部にトンネル電流検知用プローブ10を
取り付け、良好なSTM像を得ている。
【0006】一方、STMの手法を用いて、半導体或い
は高分子材料等の原子オーダー、分子オーダーの観察評
価、微細加工(E.E.Ehrichs,4th In
ternational Conference on
Scanning Tunnering Micro
scopy/Spectroscopy,’89,S1
3−3)、及び記録再生装置の様々な分野への応用が研
究されている。中でも、コンピューターの計算情報等で
は大容量を有する記録装置への要求がますます高まって
おり、半導体プロセス技術の進展により、マイクロプロ
セッサが小型化し、計算能力が向上したために記録装置
の小型化が望まれている。これらの要求を満たす目的
で、記録媒体との間隔が微調整可能な駆動手段上に存在
するトンネル電流発生用プローブからなる変換器から電
圧印加することによって記録媒体表面の形状を変化させ
る事により記録書き込みし、形状の変化によるトンネル
電流の変化を検知することにより情報の読み出しを行い
最小記録面積が10nm平方となる情報処理装置が提案
されている(USP4575822)。
【0007】STMは、先鋭な導電性プローブを試料表
面に数nm以下に接近させた時に、その間の障壁を通り
抜けて電流が流れるトンネル効果を利用したものであ
る。[G.Binnig et al.,Helvet
ica Physica Acta,55,726(1
982)、米国特許第4343993号]。
【0008】このSTMの原理を応用して、高密度な情
報処理(記録再生)を行う装置が、特開昭63−161
552号公報,特開昭63−161553号公報等に提
案されている。これはSTMと同様のプローブを用い
て、プローブと記録媒体間にかかる電圧を変化させて記
録を行うものである。
【0009】従来、これらの記録再生装置に用いられて
いたプローブの形成手法としては、半導体製造プロセス
の技術を使い一つの基板上に微細な構造を作る加工技術
[K.E.Peterson“Silicon as
a MechanichalMaterial”,Pr
oceeding of the IEEE,70
(5),420−457(1982)]が知られてい
た。このような手法により構成したSTMが、特開昭6
1−206148号公報に提案されている。
【0010】これは、単結晶シリコンを基板として、微
細加工によりXY方向に微動できる平行バネを形成し、
さらにその可動部にプローブを形成したカンチレバー部
を設け、カンチレバー部と底面部に電界を与えて静電力
により基板平面と直角な方向Z方向とするに変位するよ
うに構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のカンチレバー型
変位素子は、変位素子の変位量や作動力に対して特に規
制する手段を持たなかった。特にカンチレバー型変位素
子をSTMプローブとして使用する際にはその変位量及
び作動力は非常に重要となってくる。STMは針先を数
Åまで試料に近づけ、その間を流れるトンネル電流をモ
ニターすることによって試料の凹凸を観察するものであ
る。このため、STMプローブとしては、高速で且つ精
度よく微小変位することが望ましい。このため従来のカ
ンチレバー型変位素子は変位量や作動力に対して規制制
御する手段を持たなかったため、カンチレバー型変位素
子の有する特性が一義的に決定してしまうために精度よ
く所望の変位量を制御することが難しかった。
【0012】また、STMを応用した情報処理装置にお
いては、記録媒体上の情報は、STMプローブから電気
的パルスを与えることによって、記録媒体上の凹凸によ
るビットなど、物理的変化により形成されたビットとし
て記録される。このような場合においては、STMプロ
ーブを記録媒体と所望の位置、距離に位置決めされなけ
ればならない。このような手法を用いた情報処理装置に
おいては、カンチレバー型変位素子の自由端部に取り付
けられたSTMプローブが記録媒体との位置決めを行う
ために、時間と共に変化する種々の印加電圧を圧電体に
与えなければならない。例えば矩形波の電圧が印加され
ると、カンチレバー型変位素子は矩形波の応答をすると
共に、固有振動数を主成分とする不要振動を発生する。
この不要振動が減衰するまで、次の動作が行えないため
に情報処理装置の高速化を抑制していた。不要振動は可
能なかぎり除去或いは、減衰させることが必要となって
くる。このためにカンチレバーの支持部にダンパー効果
のあるゴム等で挟持することが通常となっている。しか
し半導体プロセスにより薄膜技術及びエッチング技術で
作製されるカンチレバー型変位素子においては、構成上
このような試みは困難と言える。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的とするとこ
ろは、 (1)高速でかつ精度よい変位量を持つ。
【0014】(2)不要振動を除去し、高速化を図る。
【0015】以上が本発明の目的であり、これを達成す
べくカンチレバー型変位素子およびその駆動方法、ST
M、情報処理装置を提供することにある。
【0016】即ち本発明の第1は、カンチレバーの長手
方向に直交する面での断面形状を変化させるための少な
くとも1層の圧電体と、該圧電体に電圧を印加するため
の電極を具備したカンチレバー型変位素子において、該
電極と平行に静電駆動用電極を設けて上記圧電体駆動用
電極とで平行平板コンデンサーを形成し、該平行平板コ
ンデンサーに電圧を印加することにより変位素子の振動
を制御することを特徴とするカンチレバー型変位素子の
駆動方法であり、第2は該駆動方法を用いたSTMであ
り、第3は上記駆動方法を用いた情報処理装置である。
【0017】係る構成によれば、カンチレバー型変位素
子は平行平板コンデンサーにかかる静電力によって、変
位素子の変位量、発生力を抑制でき、所望の微小変位量
を精度よくコントロールすることができる。また、静電
力により発生力を抑える結果、ダンパー効果として働
き、不要振動の除去もできる。
【0018】さらに本発明の第4は、圧電体と該圧電体
に電圧を印加するための電極とを積層してなるカンチレ
バー型変位素子であって、圧電体上表面及び下表面に圧
電体駆動用電極とは絶縁状態でそれぞれ振動吸収用電極
を設け、上下一対の該振動吸収用電極が電気的に接続さ
れていることを特徴とするカンチレバー型変位素子であ
り、第5は該変位素子を同一のシリコン単結晶基板上に
マルチ配置したカンチレバー型変位素子、第6は第4の
カンチレバー型変位素子を用いたSTM、第7は情報処
理装置である。
【0019】上記構成によれば、変形による圧電効果で
表面に生ずる電荷を、上下一対の振動吸収用電極間を流
れる電流に変換する。このことにより弾性振動のエネル
ギーは電気エネルギーに変換され、最終的にジュール熱
となる。このため振動の減衰時間を大幅に短縮すること
が可能となる。
【0020】また上記の上下一対の振動吸収用電極をカ
ンチレバー部の左右に設け互いに電気的に接続すること
により、長軸方向の屈曲振動のみならず幅方向、対角線
方向の弾性振動も電気エネルギーとして吸収することが
でき高速高精度の変位制御が可能となった。またこのよ
うに有害な振動を除去することにより、高精度且つ高速
のSTM用のプローブの実現が可能となった。
【0021】更に同一基板上へ複数集積化することで、
マルチプローブを有する小型で高精度なSTMシステム
を構築することができ、基板としてSi単結晶を用いる
ことにより、トランジスタやダイオード等の半導体素子
も同時に集積化することが可能である。
【0022】また、STMの観察対象として電圧印加に
より状態の変化する媒体を用いた大容量且つ高密度の記
録再生が可能な情報処理装置を提供することが可能とな
った。
【0023】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に詳述
する。
【0024】実施例1 本実施例で示すものは本発明第1の駆動方法を用いたカ
ンチレバー型変位素子である。
【0025】図1(a)に本実施例のカンチレバー型変
位素子の斜視図を示す。これは、Si基板上に、通常の
IC作製プロセスとSiの異方性エッチングとにより作
製したものである。図1(b)はカンチレバー型変位素
子の断面図の模式図である。Si基板12上に電極5、
圧電体薄膜4、電極6、圧電体薄膜8、電極9の順に積
層されたバイモルフカンチレバー型変位素子とSi基板
の上でカンチレバーの背面下方に静電駆動用電極11を
張り合せたものにより構成される。尚、電極5と電極1
1とで平行平板コンデンサーを形成している。10はト
ンネル電流検出用プローブである。
【0026】図2は上述したカンチレバー型変位素子の
製造工程図である。先ずカンチレバー部について述べる
(図2(a)〜(d))。最初に厚さ250μmのSi
(100)基板1上に、LP−CVD法によりシリコン
窒化膜2,3を500Å積層し、フォトリソグラフィー
によりパターニングし、エッチングマスクとする。次に
抵抗加熱法によりAu電極5を1000Å積層し、パタ
ーニングした。さらにRFマグネトロンスパッタ法によ
り圧電体ZnO薄膜4を1μm、抵抗加熱法によりAu
電極6を1000Å、再度スパッタ法にて圧電体ZnO
薄膜8を1μm積層し、パターニングを行った(図2
(a))。続いて、抵抗加熱法によってAuの引き出し
電極9を1000Å堆積し、パターニングを行った。そ
の上部に、蒸着法によりPtで形成されるトンネル電流
検知用STMプローブ10を作製した(図2(b))。
その後KOH溶液によるSiの異方性エッチングを行
い、カンチレバーを作製した(図2(c))。最後に、
反応性イオンエッチング法により、シリコン窒化膜を除
去した(図2(d))。
【0027】次に、平行平板コンデンサー部側について
述べる(図2(e)〜(h))。先ず、厚さ250μm
のSi(100)基板1’上に、Siの熱酸化膜13を
1000Å程度形成した(図2(e))。次に、LP−
CVD法によりシリコン窒化膜14を2000Å積層し
てパターニングを行い、エッチングマスクとした(図2
(f))。次いで、抵抗加熱法によりAu電極11を1
000Å積層し、パターニングした(図2(g))。さ
らにKOH溶液によるSiの異方性エッチングを行い、
台形状の基体を形成した。ここでエッチング深さは約2
20μmであった(図2(h))。最後にカンチレバー
部(図2(d))と基体(図2(h))とを陽極接合に
より接着し、平行平板コンデンサー部15を形成した
(図2(i))。
【0028】カンチレバー型変位素子は矩形で、長さ3
00μm×幅100μm、厚さ約2.2μmであり、平
行平板コンデンサー部15の電極5と電極11の対向面
積は300μm×100μm、間隔は約30μmであっ
た。
【0029】この時の平行平板コンデンサー部に印加電
圧を加えないときのカンチレバー型変位素子の変位特性
は次の通りであった。
【0030】固有振動数 20KHz 変位量 0.25μm/V (圧電体単位印加電
圧に対する自由端の変位量) 固有振動時における機械的Q値 56 次に本発明のカンチレバー型変位素子の駆動方法につい
て述べる。図3はその模式結線図である。カンチレバー
部の上電極9と下電極5とを短絡させ、中電極6に圧電
体駆動用印加電源19をつなぐ。なお中電極6は接地さ
れている。次に平行平板コンデンサー部の静電力可変直
流電源16を図3のように結ぶ。17は電流電圧変換増
幅器、18はトンネル電流の信号出力である。可変直流
電源16を適当な電圧にすることによってカンチレバー
型変位素子の変位量や発生力を平行平板部の静電力によ
って、制限することができる。
【0031】図4は種々の静電力印加電圧による圧電体
駆動電圧とカンチレバー部自由端の先端変位量の関係を
示したものである。静電力印加電圧によってカンチレバ
ーの変位量の傾きが変化し、圧電体単位印加電圧当りの
変位量が静電力印加電圧によって制御できることが分か
る。カンチレバーの変位量において切片が異なるのは、
静電力によってカンチレバー部が若干湾曲するためであ
る。このように平行平板コンデンサーを設けることによ
って、圧電体印加電圧における変位量の傾きを変えるこ
とができるので、種々の微小な変位量を制御することが
でき、精度よく位置出しを行える。
【0032】図5(a)は圧電体印加電圧値を固定して
正弦波の圧電体印加電圧を加えたときの、種々の静電力
印加電圧の周波数応答性をとったものである。この時の
周波数応答性は、次の通りであった。
【0033】 静電力印加電圧 0V 固有振動数 20KHz 機械的Q値 56 静電力印加電圧10V 固有振動数 25KHz 機械的Q値 6 このように静電力印加電圧を変えることにより、固有振
動数をあげ、機械的Q値をさげることができた。
【0034】図5(b)は圧電体印加電圧に矩形波(1
msec)を与えたときの種々の静電力印加電圧時の変
位量の応答を見たものである。静電力印加電圧0Vの時
は、固有振動数を主成分とする不要振動が見られ減衰ま
で約0.6msecを要した。しかし静電力印加電圧1
0Vの時は不要振動は全く見られず、高速に応答できる
ことが分かる。
【0035】この様に、高速な応答性、精度良い変位
量、ならびに不要振動のないカンチレバー型変位素子を
形成することができた。さらに所望の応答性ならびに変
位量を必要とする場合は、カンチレバー型変位素子の長
さを変えたり、圧電体薄膜の材料を変えたり、厚さを変
える等の設計を行えばよい。本実施例では圧電体薄膜と
してZnO薄膜を用いたが、これは、PbTiO3 、P
ZTやAlN、Ta25 、PLZT、等の他の圧電材
料でも構わない。
【0036】実施例2 実施例1のカンチレバー型変位素子を用いたSTM装置
について述べる。図6に本実施例のSTMの構成図を示
す。除震台61の上にXY走査機構62が設置され、観
察物の試料63はXY方向に移動可能である。また、Z
粗動機構64上に本発明に係るカンチレバー型変位素子
が設置され、そのカンチレバーの先端にSTMプローブ
66が作製されている。XY走査機構62はXY駆動回
路67によって、Z粗動機構64はZ駆動回路70によ
って駆動される。またカンチレバー65は、静電力印加
電圧回路71により変位特性を可変できる。圧電駆動
(フィードバック)回路72により試料63とSTMプ
ローブ66間に流れるトンネル電流値が一定になるよう
に、Z方向にフィードバックがかけられる。バイアス印
加回路68により試料、STMプローブ間にバイアス電
圧が印加され、トンネル電流検出回路69により検出さ
れる。全ての回路は、マイクロコンピューター73によ
り統一して制御され、観察結果は表示装置74に表示さ
れる。
【0037】本実施例において、サンプルにエピタキシ
ャル成長させたAu薄膜を用いた。この際に1μm×1
μmの領域のSTM観察を行った。最初、静電力印加電
圧回路71により0VでX方向走査速度100HzでS
TM観察を行った。次に静電力印加電圧を5Vにしたと
ころ、X方向走査速度200Hzでも同等の像が得られ
た。本方法によれば、高速に鮮明な像が得られるSTM
が得られる。
【0038】実施例3 本実施例においては、実施例1のカンチレバー型変位素
子を用いた情報処理装置について述べる。図7は、本実
施例の情報処理装置の構成図である。除震台61上にX
Y走査機構62が設置され、さらにその上部に記録媒体
75が設置されている。XY走査機構62はXY駆動回
路67によって駆動され、記録媒体75にはバイアス印
加回路68により記録ビットの書き込み、読み出し、消
去のための各種バイアス或いは、パルス電圧が印加され
る。Z軸駆動回路70によって粗動できるZ粗動機構6
4上には、10mm角の複数のマルチカンチレバー型変
位素子76が設置されており、4×3=12本のカンチ
レバー77が取り付けられている。各カンチレバーの自
由端部にはSTMプローブ66が設けられている。各S
TMプローブに流れるトンネル電流は、トンネル電流検
出回路69により検出され、各カンチレバーは圧電駆動
(フィードバック)回路72により、駆動される。ま
た、静電力印加電圧回路71によって変位特性を制御す
ることができる。全ての回路は、マイクロコンピュータ
ー73により制御される。記録媒体75は、マイカ基板
上にエピタキシャル成長させたAu薄膜(2500Å)
上に、有機記録層を積層したものを用いた。有機記録層
としては、スクアリリウム−ビス−6−オクチアズレン
のLB膜(1層)を使用した。尚LB膜の形成方法は、
特開昭63−161552号公報に開示の方法に従っ
た。
【0039】次に、記録再生の方法について述べる。ま
ずSTMプローブの1本を+側、Au薄膜を−側にし
て、記録層が低抵抗状態(ON状態)に変化するしきい
値電圧VthON以上のパルス電圧(図8に示す)を印加
し、ON状態を生じさせた。該STMプローブと記録層
との距離を保持したまま、該探針とAu薄膜との間に1
Vの電圧を印加してトンネル電流を測定したところ、
0.5mA程度の電流が流れ、ON状態になっているこ
とが確認できた。
【0040】次に、この情報処理装置を用いて次々と記
録を行った。最初、静電力印加電圧を0Vにして、カン
チレバー1本に対して1ビット当り10msecのスピ
ードで12本のカンチレバーを順次駆動させ、記録を行
った。その後、同じ速度でこの情報を読み取ることが可
能であった。この時、記録ビットのエラーは見られなか
った。次に同様の実験を1ビット当り5msecのスピ
ードで行い、その後、再生を行ったところ記録ビットの
エラーが1%ほど検出された。しかし、静電力印加電圧
を5Vにし、同様な実験を行ったところ記録ビットのエ
ラーは見られなかった。
【0041】実施例4 図11は本発明カンチレバー型変位素子の特徴を最もよ
く表す構成図であり、図11(b)は図11(a)中の
A−A’面における断面図である。
【0042】本図において111は基板であり、112
は下部電極、113aは下部圧電体薄膜、113bは上
部圧電体薄膜、114は中間電極、115は上部電極、
116a,116b,116c,116dは振動吸収用
電極である。
【0043】ここで、圧電体薄膜113a,113bは
分極軸が117の矢印に示す方向に配向して形成されて
おり、電圧印加により伸長又は収縮させることができ、
これによりカンチレバー部118が屈曲変位する。電極
112,114,115は外部に引き出されており、外
部より駆動電圧を印加することができるようになってい
る。
【0044】振動吸収用電極116aと116d及び1
16bと116cは、基板111上で電気的に接続され
ている。係る構造にすることにより、カンチレバー部1
18を変位させた時に生ずる不要な振動を電気的に吸収
することが可能となる。
【0045】以下、その原理を説明する。電極112,
114,115に所定の電圧を印加し、カンチレバー部
118を屈曲変位させた場合、カンチレバー部118に
は目的とする変位量を中心として上下に振動が発生す
る。この時の様子を図12(a)に示す。この振動は圧
電体薄膜113a,113bを変形させるため圧電体1
13a,113bには圧電効果により表面に電荷が発生
する。この際、圧電体薄膜113aの下方の表面と11
3bの上方の表面とでは、圧縮変形と膨張変形とが相対
して交互に起こるため、発生する電荷の負号は常に反対
となる。
【0046】本発明による所の振動吸収用電極116
a,116b,116c,116dを圧電体薄膜113
a,113bの表面に設け、圧電体を挟んで上下に相対
する116aと116d及び116bと116cを電気
的に接続する。これにより圧電効果により発生した電荷
は振動吸収用電極116aと116d及び116bと1
16cの間を電流となって往復する。このため振動のエ
ネルギーの一部は電気エネルギーに変換されるため振動
の減衰を早めることができる。
【0047】本発明による振動吸収用電極116a,1
16b,116c,116dを設けた場合のカンチレバ
ー部118の変位特性を図12(b)に示す。
【0048】この様に振動吸収用電極を用いることによ
りカンチレバー型変位素子の変位制御をより精確に行う
ことが可能となった。
【0049】次に図13(a)〜(f)を用いて本実施
例に係るカンチレバー型変位素子の製造方法の一例を説
明する。
【0050】先ず面方位(100)の単結晶シリコン基
板111上へ減圧CVD法によりSi34 膜を150
0Å成膜し、絶縁層119を形成したものを基板として
用いる。次に密着性確保のためCrを5〜10Å真空蒸
着したのちAuを1000Å蒸着し金属膜を形成する。
この金属膜上に感光性レジストを塗布して一般的なフォ
トリソグラフを行い不要部のAu/Crエッチング除去
し下部電極112及び振動吸収用電極116c,116
dをパターン形成する(図13(a))。
【0051】次にその上にスパッタ蒸着法によりZnO
を5000Å形成し、圧電体薄膜113aを形成する。
この時、スパッタ蒸着の条件を適切に調整することで圧
電分極軸(C軸)とその極性をそろえることができる
(図13(b))。
【0052】次に圧電体薄膜113aの上に再び真空蒸
着法によりAuを1000Å成膜する。その後感光性レ
ジストを塗布しフォトリソグラフを行い不要部分をエッ
チングにより除去し中間電極114のパターン形成をす
る(図13(c))。
【0053】次に図13(b)の工程と同様にスパッタ
蒸着法によりZnOを5000Å形成し、圧電体薄膜1
13bを形成する(図13(d))。
【0054】再びAuを1000Å成膜しフォトリソグ
ラフによりパターニングを行い上部電極115、及び振
動吸収用電極116a,116bを形成する。この後再
びフォトリソグラフを行い、不要部分のZnOをエッチ
ング除去する(図13(e))。
【0055】次にSi単結晶基板111の裏面より、面
方位によりエッチング速度が大きく異なることを利用し
た異方性エッチングを行い、Si34 の絶縁層119
の位置までSiを除去する。次に反応性イオンエッチン
グによりSi34 膜を取り除き、カンチレバー部11
8を形成する(図13(f))。
【0056】ここでフォトリソグラフに用いたエッチン
グ液はAuに対してはKI:I2 水溶液、Crに対して
は(NH42 Ce(NO36 :HClO4 水溶液、
ZnOに対しては酢酸水溶液を用いた。またSiの異方
性エッチングにはKOH水溶液を用い、反応性イオンエ
ッチングにはCF4 ガスを用いた。
【0057】以下に、本実施例で作製したカンチレバー
型変位素子の各部の寸法及び駆動特性の一例を示す。
【0058】 カンチレバー部118の長さ500μm,幅50μm 中間電極114をグランドとして下部電極112及び上
部電極115 への印加電圧 ±3V その時のカンチレバー部118の先端部での変位量±2
μm 不要振動減衰時間 10msec 以上のように本発明を用いることによりカンチレバー型
変位素子に発生する不要振動の減衰時間を大きく短縮す
ることが可能となり、位置制御における精度を大きく向
上させることができた。
【0059】本実施例においては圧電体としてZnOを
用いたが、これはZnOに限定されるものではなく、A
lN,PZT,BaTiO3 ,LiNbO3 ,PVDF
等他の圧電材料を用いても同様の効果が得られる。また
電極材料としてAu,Crを用いているがPt,Pd,
Ti,W,Al等、他の導電性物質によって代用しても
同様の効果が得られる。
【0060】作製方法も特に限定されるものではなく他
の方法によっても形成できる。
【0061】実施例5 図14に本発明の第5の実施例を示す。図14(b)は
図14(a)中のB−B’面における断面図である。本
実施例では、下部電極が112a,112b、上部電極
が115a,115bと2つに分割された構造を有する
カンチレバー型変位素子であり電極112a,115a
と112b,115bへ印加する電圧の負号を逆にする
ことにより実施例4の上下方向への屈曲変位に加え、左
右方向への微小変位をも可能にした変位素子である。
【0062】本実施例において振動吸収用電極116
a,116b,116c,116dは、116aと11
6d及び116bと116cが電気的に接続されている
ことに加えて更にカンチレバー部118の先端部におい
て116aと116b及び116cと116dが電気的
に接続されている。
【0063】係る構成とすることにより、実施例4にお
けるカンチレバー部118における長さ方向の屈曲振動
のみならず、カンチレバー部118の幅方向の振動、対
角線方向の振動など種々のモードの寄生振動を電気的に
吸収することが可能となる。
【0064】係る構造の変位素子は、実施例4で示した
作製方法においてフォトリソグラフを行う際のフォトマ
スクのパターンを変更するだけで作製することができ
る。
【0065】本実施例及び実施例4において振動吸収用
電極116aと116d,116bと116cの電気的
接続は基板111の上でなされているが、接続の位置及
び方法は、これに限定されるものではなく図15に示す
ように圧電体薄膜113a,113bにスルーホール1
20を形成し、そこで電気的に接続することも可能であ
る。
【0066】また図16に示すようにカンチレバー部1
18の側面の一部または全部に側面電極121を形成し
ても同様の効果が得られる。
【0067】また中間電極への電圧印加がグランドのみ
の場合は図17に示すようにスルーホール120を通し
て中間電極114と接続する構造、或いは図18に示す
ように側面電極121を中間電極114と接続する構造
も可能である。この様な構造にすることにより圧電効果
により表面に生ずる電荷をより効果的に電流として消費
することができ、振動吸収の効率が上がる。
【0068】実施例6 本発明の第6の実施例を図19,図20に示す。図19
(b)は図19(a)中のC−C’における断面図、図
20は図19(a)裏面図である。
【0069】本実施例では実施例5の構成に加えて圧電
体薄膜113b上に新たに引き出し電極122とカンチ
レバー部118の先端部に引き出し電極122と接続さ
れた導電性の探針123を設けた。
【0070】このように導電性の探針123を先端部に
設けることにより本発明によるカンチレバー型変位素子
をSTMのプローブとして用いることができる。即ち各
電極に所定の駆動電圧を印加し、カンチレバー部118
を屈曲変位させ、探針123を観察対象の表面へ接近さ
せる。表面が導電性を持つ場合、探針123と表面との
距離が数nm程度まで近づくと探針123と表面との間
にトンネル電流が流れる。このトンネル電流は、探針1
23の先端と表面との距離により指数関数的に変化する
ため、引き出し電極122を通してこのトンネル電流を
取り出して増幅を行い、カンチレバー部118の駆動電
圧にフィードバックをかけることにより、探針123の
先端と表面までの距離を一定に保つことができる。この
様な状態でカンチレバー部をx,y方向に微小に移動さ
せることにより、フィードバック電圧の変化から極微小
表面の凹凸や電気抵抗の分布等を観察することが可能で
ある。本発明による振動吸収電極116a,116b,
116c,116dを設けることにより、有害な振動の
発生を抑制することができ、フィードバックを正確に行
うことができるためSTMの分解能を高めることが出来
る。
【0071】このようなプローブの作製は実施例4で示
した作製法においてフォトリソグラフのフォトマスクの
パターンを変更することにおいて形成できる。また導電
性の探針123は上部電極形成後、フォトレジストを5
μm塗布し探針123を形成する位置のみレジストを除
去し、斜め方向よりの蒸着と基板回転を組み合せた方法
により形成した。この方法はアスペクト比の高い微小構
造物の形成手段として知られている。
【0072】実施例7 図21及び図22に、本発明の第7の実施例を示す。実
施例6において説明した探針123を有するカンチレバ
ー型アクチュエータを、同一のシリコン基板111上に
複数個作製し、集積化アクチュエータ211を作製した
ものである。
【0073】係る集積化アクチュエータは、前述実施例
4,5で説明した作製方法において、フォトリソグラフ
のパターンを拡張するだけでよい。このように、同一の
基板上へ複数のカンチレバーを同時に形成できるため、
寸法精度が非常に高く、各カンチレバー間の特性のばら
つきも非常に小さく抑えることができる。
【0074】また、基板としてSi単結晶を用いること
により、トランジスタやダイオード等の半導体素子も同
一基板上へ集積化することが可能となり、トンネル電流
増幅やカンチレバー駆動用のアンプを一体化することが
できる。
【0075】図21は本実施例の集積化アクチュエータ
を用いたSTM装置を模式的に示した図である。これに
より、集積化アクチュエータ211を用い、試料222
の表面上の複数の微小領域のSTM像を同時に観察する
ことができる。同図において221及び223はx,
y,z方向に、粗動機構を有する可動ステージであり、
可動ステージ221には集積化アクチュエータ211が
固定され、可動ステージ223には試料222が固定さ
れている。
【0076】以下に、本実施例で作製した集積化アクチ
ュエータの寸法の一例を示す。
【0077】 集積化アクチュエータ20の外径…40×40×1mm カンチレバーの本数 …90本 各カンチレバーの長さ …500μm 各カンチレバーの幅 …50μm 探針123の高さ …3μm 実施例8 図13に実施例7で説明した集積化アクチュエータを用
いた情報の記録・再生等を行える情報処理装置の模式図
を示す。
【0078】同図において、233は電圧印加により抵
抗値が変化する記録層、232は金属電極層、231は
記録媒体基板である。234はXYステージ、235は
本発明による集積化アクチュエータ、236は集積化ア
クチュエータの支持体、237は集積化アクチュエータ
をZ方向へ粗動するためのリニアアクチュエータ、23
8,239はXYステージをそれぞれX,Y方向へ駆動
するリニアアクチュエータ、240は記録再生用のバイ
アス回路である。241はトンネル電流検出器、242
は集積化アクチュエータをZ軸方向に移動させるための
サーボ回路であり、243はアクチュエータ237を駆
動するためのサーボ回路である。244は個々のカンチ
レバーを微小変位させるための駆動回路であり、245
はXYステージの位置制御を行う駆動回路である。24
6はこれらの操作を制御するコンピュータである。
【0079】このようなシステムを用いることにより、
大容量の情報を高密度に記録することが可能となり、ま
たプローブを多数集積化し、それらを同時に走査するた
め、高速度の記録再生を行うことができる。
【0080】このようなシステムに本発明に係る振動吸
収電極を設けることにより、個々のプローブの分解能が
向上し、記録再生時のトラッキング性能が向上し、書込
み、読取り時のエラーの発生率を小さくすることができ
る。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカンチレ
バー型変位素子の駆動方法によると、応答性が良く、高
精度な位置出しが行なえ、且つ不要振動がないので、良
好なSTM装置及び情報処理装置を実現できる。
【0082】また、本発明のカンチレバー型変位素子に
よれば、カンチレバー部に発生する有害な振動の減衰を
大幅に早めることにより、位置決め精度が向上し、高速
制御が可能となった。さらに、本発明のカンチレバー型
変位素子を用いたSTM装置においては、分解能の向上
をもたらし、情報処理装置においては更なる高密度化、
高速化が可能となり、エラー発生率を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカンチレバー型変位素子を示す図
である。
【図2】図1に示したカンチレバー型変位素子の製造工
程を示す図である。
【図3】本発明に係るカンチレバー型変位素子の模式結
線図である。
【図4】本発明に係るカンチレバー型変位素子の変位特
性を示す図である。
【図5】本発明に係るカンチレバー型変位素子の変位特
性を示す図である。
【図6】本発明のSTM装置を示す図である。
【図7】本発明の情報処理装置を示す図である。
【図8】記録媒体に印加する電圧を示す図である。
【図9】従来のカンチレバー型変位素子を示す図であ
る。
【図10】従来のカンチレバー型変位素子を示す図であ
る。
【図11】実施例4のカンチレバー型変位素子の構成図
である。
【図12】実施例4のカンチレバー型変位素子と従来例
の変位特性を示す図である。
【図13】実施例4のカンチレバー型変位素子の製造工
程図である。
【図14】実施例5のカンチレバー型変位素子の構成図
である。
【図15】実施例5の他の構成図である。
【図16】実施例5の他の構成図である。
【図17】実施例5の他の構成図である。
【図18】実施例5の他の構成図である。
【図19】実施例6のカンチレバー型変位素子の構成図
である。
【図20】実施例6のカンチレバー型変位素子の構成図
である。
【図21】実施例7の集積化アクチュエータの構成図で
ある。
【図22】実施例7の集積化アクチュエータを用いたS
TMの部分断面図である。
【図23】実施例8の集積化アクチュエータを用いた情
報処理装置のブロック構成図である。
【図24】従来例のカンチレバー型変位素子の構成図で
ある。
【符号の説明】
1,1’ シリコン基板 2,3 シリコン窒化膜 4,8 圧電体薄膜 5,6,9 電極 10 STMプローブ 11 静電駆動用電極 12 基体 13 熱酸化膜 14 シリコン窒化膜 15 平行平板コンデンサー部 16 静電力可変直流電源 17 電流電圧変換増幅器 18 信号出力 19 圧電体駆動用電源 61 除震台 62 XY走査機構 63 試料 64 Z粗動機構 65 カンチレバー型変位素子 66STMプローブ 67 XY駆動回路 68 バイアス印加回路 69 トンネル電流検出回路 70 Z駆動回路 71 静電力印加電圧回路 72 圧電駆動回路 73 マイクロコンピューター 74 表示装置 75 記録媒体 76 マルチカンチレバー型変位素子 77 カンチレバー 91 カンチレバー型変位素子 92 支持体 93 自由端部 94 Al 95 ZnO 111 基板 112,112a,112b 下部電極 113a 下部圧電体薄膜 113b 上部圧電体薄膜 114 中間電極 115,115a,115b 上部電極 116a〜d 振動吸収用電極 118 カンチレバー部 119 絶縁層 120 スルーホール 121 側面電極 122 引き出し電極 123 探針 211 集積化アクチュエータ 221,223 可動ステージ 222 試料 231 記録媒体基板 232 金属電極層 233 記録層 234 XYステージ 235 集積化アクチュエータ 236 支持体 237 Z方向リニアアクチュエータ 238 X方向リニアアクチュエータ 239 Y方向リニアアクチュエータ 240 記録再生用バイアス回路 241 トンネル電流検出器 242,243 サーボ回路 244,245 駆動回路 246 コンピューター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 優 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河田 春紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カンチレバーの長手方向に直交する面で
    の断面形状を変化させるための少なくとも1層の圧電体
    と、該圧電体に電圧を印加するための電極を具備したカ
    ンチレバー型変位素子において、該電極と平行に静電駆
    動用電極を設けて上記圧電体駆動用電極とで平行平板コ
    ンデンサーを形成し、該平行平板コンデンサーに電圧を
    印加することにより変位素子の振動を制御することを特
    徴とするカンチレバー型変位素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカンチレバー型変位素子
    の駆動方法を用いたことを特徴とする走査型トンネル顕
    微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のカンチレバー型変位素子
    の駆動方法を用いたことを特徴とする情報処理装置。
  4. 【請求項4】 圧電体と該圧電体に電圧を印加するため
    の電極とを積層してなるカンチレバー型変位素子であっ
    て、圧電体上表面及び下表面に圧電体駆動用電極とは絶
    縁状態でそれぞれ振動吸収用電極を設け、上下一対の該
    振動吸収用電極が電気的に接続されていることを特徴と
    するカンチレバー型変位素子。
  5. 【請求項5】 振動吸収用電極を圧電体駆動用電極を挟
    んでその両側に設け、且つ該両側の振動吸収用電極が電
    気的に接続されていることを特徴とする請求項4記載の
    カンチレバー型変位素子。
  6. 【請求項6】 圧電体が酸化亜鉛薄膜からなることを特
    徴とする請求項4又は5記載のカンチレバー型変位素
    子。
  7. 【請求項7】 カンチレバー部先端に導電性探針及び引
    き出し電極を設けたことを特徴とする請求項4〜6のい
    ずれかに記載のカンチレバー型変位素子。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載のカンチ
    レバー型変位素子を同一のシリコン単結晶基板上に複数
    配置したことを特徴とするカンチレバー型変位素子。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれかに記載のカンチ
    レバー型変位素子を用いたことを特徴とする走査型トン
    ネル顕微鏡。
  10. 【請求項10】 トンネル電流を用いて記録媒体に情報
    の記録・再生を行なう情報処理装置であって、請求項4
    〜8のいずれかに記載のカンチレバー型変位素子を用い
    たことを特徴とする情報処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0722077A2 (en) * 1995-01-13 1996-07-17 Canon Kabushiki Kaisha Information processing apparatus effecting probe position control with electrostatic force
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US7483362B2 (en) 2004-11-01 2009-01-27 Hitachi, Ltd. Recording/reproducing apparatus

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