JPH06313847A - カンチレバー型アクチュエータ、カンチレバー型プローブ及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡並びに情報処理装置 - Google Patents

カンチレバー型アクチュエータ、カンチレバー型プローブ及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡並びに情報処理装置

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JPH06313847A
JPH06313847A JP5123231A JP12323193A JPH06313847A JP H06313847 A JPH06313847 A JP H06313847A JP 5123231 A JP5123231 A JP 5123231A JP 12323193 A JP12323193 A JP 12323193A JP H06313847 A JPH06313847 A JP H06313847A
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probe
actuator
cantilever type
thin film
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Yoshio Suzuki
義勇 鈴木
Yoshimasa Okamura
好真 岡村
Masaru Nakamura
優 中村
Harunori Kawada
春紀 河田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査型トンネル顕微鏡やこれを応用した情報
処理装置等に用いられ、制御性良く大きな変位量が得ら
れ且つ特性の安定したカンチレバー型アクチュエータを
提供する。 【構成】 絶縁層5の上下に一対のコイル状の電極層
4,7を有するカンチレバー2が基板1上に形成されて
おり、電極層4と電極層7が貫通孔6を介して電気的に
接続されて1つのコイルを形成しているカンチレバー型
アクチュエータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル電流検出装置
や走査型トンネル顕微鏡等に用いられるカンチレバー型
アクチュエータ及びカンチレバー型プローブ、さらに
は、これらを用いた走査型トンネル顕微鏡、及び走査型
トンネル顕微鏡の手法により情報の記録、再生、消去等
を行う情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、導体の表面原子の電子構
造を直接観測できる走査型トンネル顕微鏡(以下、ST
Mと略す)が開発され[G. Binning et
al., Helvetica Physica Ac
ta, 55, 726 (1982)]、単結晶、非
結晶を問わず実空間像を著しく高い分解能(ナノメート
ル以下)で測定できるようになった。
【0003】かかるSTMは、導電性プローブ(探針)
と導電性物質の間に電圧を加えて、1nm程度の距離ま
で近づけると、その間にトンネル電流が流れることを利
用している。この電流は両者の距離変化に非常に敏感で
かつ指数関数的に変化するので、トンネル電流を一定に
保つようにプローブを走査することにより、実空間の表
面構造を原子オーダーの分解能で観察することができ
る。
【0004】このSTMを用いた解析は導電性材料に限
られるが、導電性材料の表面に薄く形成された絶縁膜の
構造解析にも応用され始めている。更に、上述の装置、
手段は微小電流を検知する方法を用いているため、媒体
に損傷を与えず、かつ低電力で観測できる利点をも有す
る。また、大気中での動作も可能であるためSTMの広
範囲な応用が期待されている。
【0005】特に、特開昭63−161553号公報等
に提案されているように、高密度な記録再生装置として
の実用化が積極的に進められている。これは、STMと
同様のプローブを用いて、プローブと記録媒体間に印加
する電圧を変化させて記録を行うものである。
【0006】従来、これらの記録再生装置に用いられた
プローブの形成手法としては、半導体製造プロセス技術
を用い、1つの基板上に微細な構造を作る加工技術
[K.E. Peterson, “Silicon
as a Mechanical Materia
l”, Proceedings of the IE
EE, 70(5), 420−457(1982)]
が知られていた。このような手法により構成したSTM
が、特開昭61−206148号公報に提案されてい
る。これは単結晶シリコンを基板として、微細加工によ
り基板面と平行な方向(XY方向)に微動できる平行バ
ネを形成し、更にその可動部にプローブを形成したカン
チレバー(片持ち梁)部を設け、該カンチレバー部と底
面部との間に電界を与え、静電力により基板表面と直角
な方向(Z方向)に変位するように構成されている。ま
た、上記カンチレバー部に圧電性を有する薄膜を用い、
平行平板電極により電圧を印加し、逆圧電効果による変
位を利用するものも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電体
薄膜を用いて屈曲変位を発生させる上記従来例のカンチ
レバー型アクチュエータにおいては、例えば酸化亜鉛膜
のような圧電体薄膜を逆圧電効果により変位させている
ので、酸化亜鉛膜の圧電性を制御しなければならない。
また、精度の高い変位を得るためには、カンチレバーに
ある程度の剛性を持たせる必要があるが、カンチレバー
の変位量と剛性は相反しており、ある程度の剛性を持た
せた上に大きい変位を得るには圧電体薄膜に大きな電圧
をかけなくてはならない。さらに、酸化亜鉛膜は大気に
放置すると、水分の吸着により圧電性が低下し精度の良
い変位が得られなくなる。
【0008】また、上記のような圧電体薄膜の特性の変
動や、薄膜製膜時の欠陥などのため、多数のアクチュエ
ータを集積した場合、各アクチュエータの動作特性にば
らつきが生ずることがあった。
【0009】従って、本発明の目的とするところは、容
易に大きな変位量が得られ、特性の安定したカンチレバ
ー型アクチュエータ、更には、各カンチレバー型アクチ
ュエータの特性が均一な集積化カンチレバー型アクチュ
エータを提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記カンチレバー型
アクチュエータを用いたカンチレバー型プローブ、更に
は、該カンチレバーを用いた信頼性、安定性に優れたS
TM並びに情報処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
すべく成された本発明は、第1に、外部磁場により変位
可能なカンチレバー型アクチュエータであって、該カン
チレバーは薄膜絶縁体と薄膜電極を積層して構成され、
少なくとも一層の上記薄膜絶縁体の上下層には平板状に
コイルを形成している一対の薄膜電極を有し、該一対の
薄膜電極は上記平板状コイルの最も内側の部分において
互いに接続されて一つのコイルを形成していることを特
徴とするカンチレバー型アクチュエータである。
【0012】第2に、前記第1のカンチレバー型アクチ
ュエータが、同一のシリコン単結晶基板上に複数配置さ
れていることを特徴とする集積化カンチレバー型アクチ
ュエータである。
【0013】第3に、前記第1又は第2のカンチレバー
型アクチュエータの前記カンチレバーの自由端部に導電
性の探針を有し、該探針にはカンチレバーの周辺部に配
線された一対の引出し電極が接続されており、該一対の
引出し電極が上記カンチレバーを支持する基板上におい
て互いに接続されていることを特徴とするカンチレバー
型プローブである。
【0014】第4に、前記第3のカンチレバー型プロー
ブを具備することを特徴とする走査型トンネル顕微鏡で
ある。
【0015】第5に、トンネル電流を用いて記録媒体に
対して情報の記録再生等を行う情報処理装置において、
前記第3のカンチレバー型プローブを具備することを特
徴とする情報処理装置である。
【0016】以下、図面を用いながら本発明を説明す
る。
【0017】図1は本発明の特徴を最もよく表すカンチ
レバー型アクチュエータの構成図であり、図1(a)は
下層の薄膜電極パターンを示し、図1(b)は上層の薄
膜電極パターンを示し、図1(c)は図1(b)中の破
線A−A’の位置における断面図である。
【0018】図1において、1は基板、2はカンチレバ
ー部、3は下部絶縁膜、4は下層電極、5は上部絶縁
膜、6は貫通孔、7は上層電極である。
【0019】本実施態様において、基板1に支持されて
いるカンチレバー部2の下部絶縁膜3上には、コイル状
に下層電極4が形成されている(図1(a)参照)。
【0020】このような構成の上に上部絶縁膜5が形成
されており、コイル状の下層電極4の最も内側部分の上
の上部絶縁膜5には貫通孔6が形成されている。また、
上部絶縁膜5の上には下層電極4のパターンと対称なパ
ターンでコイル状に上層電極7が形成されている(図1
(b)参照)。
【0021】コイル状の下層電極4と上層電極7は共に
その最も内側部分において貫通孔6を介して電気的に接
続されている(図1(c)参照)。
【0022】以上のような構成とし、外部より下層電極
4と上層電極7に駆動電流を流すことにより磁界が発生
する。この駆動電流により発生する磁界の様子を模式的
に表したのが図2である。図2において、21,22は
薄膜電極内を流れる駆動電流の方向を示しており、23
は前記駆動電流によって形成される磁界を示している。
この磁界23の強度及び方向は駆動電流の大きさと方向
に依存し、調節することができる。
【0023】本発明のカンチレバー型アクチュエータ
は、カンチレバーの周囲にカンチレバー面に対して垂直
方向に外部磁界を形成した場合、駆動電流によって発生
する前記図2に示した磁界との相互作用により、カンチ
レバー部2を上方或は下方へ変位させることができる。
尚、その際の変位量及び変位方向は、駆動電流の大きさ
と方向により制御できる。
【0024】本発明に係る薄膜電極の材料は、例えばA
l、Au、Pt、Cr等の金属や他の導電性物質を用い
ることができ、特に限定されない。
【0025】また、薄膜絶縁体の材料も特に限定される
ものではないが、熱的、化学的に安定な材料が好まし
く、例えばSiO2、Si34、SiON、PSG、B
PSG等を用いることができる。
【0026】以上の構成を特徴とする本発明のカンチレ
バー型アクチュエータは、従来のように熱的、化学的に
不安定でその配向性を制御しなければならない酸化亜鉛
のような圧電材料を使用しないため、特性の安定したア
クチュエータとすることができ、更には、コイル状の2
層以上の薄膜電極を、駆動電流により発生する磁界の方
向を同じくして積層することができるため、より小さな
駆動電流で大きな変位量を得ることができる。
【0027】次に、本発明のカンチレバー型プローブに
ついて説明する。図3は、図1に示した本発明のカンチ
レバー型アクチュエータを用いて構成した本発明のカン
チレバー型プローブの構成図であり、図3(a)は平面
図、図3(b)は図3(a)中の破線A−A’の位置に
おける断面図である。
【0028】図3において、図1と同一符号で示したも
のは同一部材であり、31L,31Rは引出し電極、3
2は探針、33は信号取出し電極である。
【0029】本実施態様において、カンチレバー部2の
最外周部分には一対の引出し電極31L,31Rが形成
されており、引出し電極31Lと31Rはカンチレバー
の自由端部と基板1上において電気的に接続され閉回路
を形成している。更に、カンチレバーの自由端部に、引
出し電極31L,31Rと電気的に接続された導電性の
探針32が形成されている。
【0030】このような構成を有する本発明のカンチレ
バー型プローブは、走査型トンネル顕微鏡のプローブと
して用いることができる。即ち、外部磁場の存在下で薄
膜電極4,7に駆動電流を流すことによりカンチレバー
部2を変位させ、探針32を観察しようとする導電性の
媒体へこれらの間にトンネル電流が流れる距離まで接近
させる。このトンネル電流を、引出し電極を通じて外部
へ導き増幅を行い、上記駆動電流にフィードバックをか
け、その変化をモニターすることにより媒体表面の極微
細な凹凸形状の観察が可能となる。
【0031】この時、引出し電極にも駆動電流による磁
界変化のため誘動電流が生じ、トンネル電流にノイズと
して混入する場合がある。
【0032】そこで本発明では図3(b)に示したよう
に、引出し電極を分割し、カンチレバー部2の最も外側
に配線し、なおかつ分割された引出し電極31Lと31
Rを基板1上において接続し閉回路とし、この閉回路と
なった電極の一部に信号取出し電極33を設け、トンネ
ル電流を外部へ導いている。このような構成とすること
により、駆動電流により発生する磁界の変化で誘起され
る誘導電流は、引出し電極31L,及び31Rよりなる
閉回路内のみに流れ、信号取出し電極33に混入するこ
とはなくなる。よって、本発明のカンチレバー型プロー
ブは、S/N比の高いトンネル電流像を得ることが可能
となる。
【0033】尚、本発明において、探針の形成方法とし
ては、Pt、Rh、Wなどの金属片を接着したり、半導
体製造プロセス技術を用い、斜め蒸着及びリフトオフ法
を応用して形成するなど、特に限定されるものではな
い。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0035】実施例1 本実施例は、図3に示したような本発明のカンチレバー
型プローブを作製したものである。以下、本実施例のカ
ンチレバー型プローブの製造方法を図4を用いて説明す
る。先ず、面方位(100)の単結晶シリコン基板1上
へ、減圧CVD法によりSi34膜を1500Å成膜
し、下部絶縁膜3を形成した(図4(a)参照)。
【0036】次に、密着性確保のためCrを5Å真空蒸
着したのち、Auを1000Å蒸着し金属薄膜を形成し
た。この後、感光性レジストを塗布して一般的なフォト
リソグラフにより不要部分のAu/Crをエッチング除
去し、コイル状の下層電極4を形成した(図4(b)参
照)。
【0037】更にその上にSi34膜を3000Å成膜
し、上部絶縁膜5を形成した。この後、コイル状の下層
電極4の最も内側部分の上の上部絶縁膜5をフォトリソ
グラフにより除去し、貫通孔6を形成し、下層電極4の
最内部を露出させた(図4(c)参照)。
【0038】次に、再び真空蒸着によりCrを5Å形成
し、その上にAuを1000Å成膜し、金属薄膜を形成
したのち、フォトリソグラフを行い、不要部分を除去し
上層電極7及び引出し電極31L,31Rを形成した。
この時、先に上部絶縁膜5に形成した貫通孔6の位置に
おいて上層電極7と下層電極4が接続される(図4
(d)参照)。
【0039】更に、フォトレジストを厚く塗布し、探針
32を形成する位置のレジストのみを除去した。この
後、基板1を面内方向に回転させながら、斜め方向より
金属材料の真空蒸着を行った後、レジスト上に堆積した
金属膜をレジストとともに除去することにより、先にレ
ジストを除去しておいた部分に探針32を形成した(図
4(e)参照)。
【0040】次に、表面全体を保護用のレジストで被覆
した後、シリコン単結晶基板1の裏面より異方性エッチ
ングを行い、下部絶縁膜3の位置までシリコンを除去し
た後、フォトリソグラフを行い不要部分のSi34膜を
取り除き、カンチレバー部2を形成した(図4(f)参
照)。
【0041】尚、上記製造工程において、フォトリソグ
ラフに用いたエッチング液は、Auに対してはKI:I
2水溶液、Crに対しては(NH42Ce(NO36
HClO4水溶液、シリコンの異方性エッチングにはK
OH水溶液を用い、Si34の除去にはCF4ガスを用
いた。
【0042】本実施例で作製したカンチレバーは幅10
0μm,長さ350μmであり、そのバネ定数は0.1
N/mである。
【0043】次に、本実施例のカンチレバー型プローブ
の駆動実験を行った結果、1μAの電流で0.5μmの
先端変位量を得ることができた。
【0044】以上の結果、本実施例のカンチレバー型プ
ローブは、小さな駆動電流で比較的大きな変位が得ら
れ、更には、その変位量及び変位方向を制御性良く制御
できた。
【0045】実施例2 本実施例は、図3に示したような本発明のカンチレバー
型プローブを、同一のシリコン基板上へ複数個作製し、
集積化プローブとしたものである。
【0046】図5に本実施例の集積化プローブの概略的
な平面図を示す。
【0047】図5において、1はシリコン基板、2はカ
ンチレバー部、51はエッチング溝、52は半導体集積
回路でありアンプやシフトレジスター等である。また、
53は内部配線であり、54は外部取出し電極である。
本実施例の集積化プローブ55は、実施例1で示した製
造工程においてフォトリソグラフの際にフォトマスクの
パターンを拡張することにより作製することができる。
【0048】このように多数のカンチレバーを集積化す
る場合においても、フォトリソグラフを使用することに
より多数の微小な構造体を同一の基板上へ一括して形成
するため、寸法精度が極めて高く、各カンチレバーの特
性のばらつきも非常に小さく抑えることができる。
【0049】図6は本実施例の集積化プローブを用い、
観察媒体61の表面上の複数の範囲を同時に観察できる
マルチヘッド式のSTM装置の概略的な構成を示す部分
断面図である。図中、62及び63はX,Y,Z方向に
微粗動機構を有する可動ステージであり、可動ステージ
62には観察媒体61が固定され、可動ステージ63に
は本実施例で作製した集積化プローブ55が固定されて
いる。更に、外部磁場発生の手段として永久磁石64,
65が配置されている。これは電磁石等でもかまわな
い。
【0050】このような構成とすることにより、個々の
カンチレバーに所定の駆動電流を流し、基板面と垂直な
方向(Z方向)へ個別に変位させることができる。ま
た、基板面と平行方向(XY方向)の変位は可動ステー
ジ62,63を微小変位させることにより行われ、全て
のカンチレバーを一括して動かすことができる。これに
より、個々のカンチレバーに設けられた前記の探針で複
数の観察領域を同時に走査することができ、複数の領域
から同時にSTM像を得ることができる。
【0051】本実施例の集積化プローブは、カンチレバ
ーを構成している薄膜絶縁材料の特性の変動によるアク
チュエータの動作特性の変動が小さいため、各アクチュ
エータの特性のばらつきが小さくなり、また、引出し電
極を閉回路としているためノイズの混入が防止でき、こ
れを用いて構成した本実施例の走査型トンネル顕微鏡
は、より高解像度の安定したSTM像を得ることができ
た。
【0052】実施例3 本実施例は、図5に示したような本発明の集積化プロー
ブを用いて情報処理装置を作製したものである。
【0053】図7に本実施例の情報処理装置のブロック
構成図を示す。
【0054】同図において、101は記録媒体の基板、
102は金属薄膜電極層、103は記録層である。20
1はXYステージ、202は本発明の集積化プローブ、
203は集積化プローブ202の支持体、204は集積
化プローブ202をZ軸方向へ粗動するためのリニアア
クチュエータ、205,206はXYステージ201を
それぞれX,Y軸方向へ駆動するリニアアクチュエー
タ、207は記録再生用のバイアス回路である。301
は探針から記録層103を介して電極層102へ流れる
電流を検出する記録再生用のトンネル電流検出器であ
る。302はカンチレバーをZ軸方向へ移動させるため
のサーボ回路であり、303はリニアアクチュエータ2
04を駆動するためのサーボ回路である。304は複数
のカンチレバーをZ軸方向に動かすための駆動回路であ
り、305は集積化プローブ202,支持体203,リ
ニアアクチュエータ204全体のZ軸方向の位置制御を
行う駆動回路である。306はこれらの操作を制御する
コンピュータである。
【0055】本実施例では、記録媒体の基板101とし
てガラス基板を用い、この上に電極層102としてCr
/Auを蒸着し、その上部に記録層103としてポリイ
ミドLB膜を4層(約15Å)成膜したものを用いた。
尚、この記録媒体には、パルス電圧を加えると抵抗率が
2桁程度変化する特徴がある。記録媒体の電極102と
プローブ202に1Vの電圧を印加し、1nA程度のト
ンネル電流になるように各カンチレバーを構成している
駆動用電極に電流を流すと共に、不図示の外部磁場発生
手段によりZ軸方向に磁界を形成し、プローブの位置を
Z軸方向に移動させた。
【0056】その後、プローブ202にパルス電圧(5
V,1μsec)を加え、所望の位置に情報を記録し
た。
【0057】次に、プローブ202と記録媒体の電極層
102間に1Vの電圧を印加し、トンネル電流の変化を
みたところ、先ほど記録した領域に抵抗値が変化した部
分を検出した。このように、本実施例においては、記録
情報の書き込み、読みだしが行えることを確認した。
【0058】また、上記情報処理装置に用いた本発明に
よる集積化プローブは、カンチレバーを構成している薄
膜絶縁材料の特性の変動による各アクチュエータの動作
特性の変動が小さく、更には、トンネル電流へのノイズ
の混入を防止できたことにより、読取り,書込み時のエ
ラー発生率をより小さくすることができた。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。
【0060】(1)本発明のカンチレバー型アクチュエ
ータは、コイル状の2層以上の薄膜電極を、駆動電流を
流した際に発生する磁界の方向を同じくして積層したこ
とで、より小さな駆動電流で大きな変位量を得ることが
できる。また、熱的、化学的に不安定で配向性を制御し
なければならない圧電材料を使用しないため、材料物性
の影響が少なく、耐久性に富み、且つ安定した特性を有
し、これを集積化したものは個々のアクチュエータの特
性が揃ったものとなった。
【0061】(2)本発明のカンチレバー型プローブ
は、探針からの引出し電極を分割し、カンチレバーの周
辺部に配線し、基板上において接続することにより、電
磁誘導により発生する誘導電流がトンネル電流にノイズ
として混入することを防止でき、高いS/N比が得られ
る。
【0062】(3)本発明のカンチレバー型プローブを
用いて構成した走査型トンネル顕微鏡では、より高解像
度の安定したSTM像が得られる。
【0063】(4)本発明のカンチレバー型プローブを
用いて構成した情報処理装置では、記録再生時のエラー
発生率が低減され、信頼性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカンチレバー型アクチュエータの一例
を示す構成図である。
【図2】本発明のカンチレバー型アクチュエータの駆動
原理を説明するための図である。
【図3】本発明のカンチレバー型プローブの一例を示す
構成図である。
【図4】実施例1にて示す本発明のカンチレバー型プロ
ーブの製造工程図である。
【図5】実施例2にて示す本発明の集積化したカンチレ
バー型プローブの概略的な構成図である。
【図6】実施例2にて示す本発明の集積化プローブを用
いた走査型トンネル顕微鏡の部分断面図である。
【図7】実施例3にて示す本発明の集積化プローブを用
いた情報処理装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2 カンチレバー部 3 下部絶縁膜 4 下層電極 5 上部絶縁膜 6 貫通孔 7 上層電極 21,22 電流の方向 23 磁界の方向 31L,31R 引出し電極 32 探針 33 信号取出し電極 51 エッチング溝 52 半導体集積回路 53 内部配線 54 外部取出し電極 55 集積化アクチュエータ 61 観察媒体 62,63 可動ステージ 64,65 永久磁石 101 記録媒体基板 102 金属電極層 103 記録層 201 XYステージ 202 集積化プローブ 203 支持体 204 Z方向リニアアクチュエータ 205 X方向リニアアクチュエータ 206 Y方向リニアアクチュエータ 207 記録再生用バイアス回路 301 トンネル電流検出器 302 サーボ回路 303 サーボ回路 304 カンチレバー駆動回路 305 駆動回路 306 コンピュータ
フロントページの続き (72)発明者 河田 春紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁場により変位可能なカンチレバー
    型アクチュエータであって、該カンチレバーは薄膜絶縁
    体と薄膜電極を積層して構成され、少なくとも一層の上
    記薄膜絶縁体の上下層には平板状にコイルを形成してい
    る一対の薄膜電極を有し、該一対の薄膜電極は上記平板
    状コイルの最も内側の部分において互いに接続されて一
    つのコイルを形成していることを特徴とするカンチレバ
    ー型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカンチレバー型アクチ
    ュエータが、同一のシリコン単結晶基板上に複数配置さ
    れていることを特徴とする集積化カンチレバー型アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のカンチレバー型
    アクチュエータの前記カンチレバーの自由端部に導電性
    の探針を有し、該探針にはカンチレバーの周辺部に配線
    された一対の引出し電極が接続されており、該一対の引
    き出し電極が上記カンチレバーを支持する基板上におい
    て互いに接続されていることを特徴とするカンチレバー
    型プローブ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカンチレバー型プロー
    ブを具備することを特徴とする走査型トンネル顕微鏡。
  5. 【請求項5】 トンネル電流を用いて記録媒体に対して
    情報の記録再生等を行う情報処理装置において、請求項
    3に記載のカンチレバー型プローブを具備することを特
    徴とする情報処理装置。
JP5123231A 1993-04-28 1993-04-28 カンチレバー型アクチュエータ、カンチレバー型プローブ及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡並びに情報処理装置 Withdrawn JPH06313847A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006250913A (ja) * 2005-02-09 2006-09-21 National Univ Corp Shizuoka Univ 集積化磁界プローブ
CN102887476A (zh) * 2011-07-21 2013-01-23 联华电子股份有限公司 悬吊梁结构及电路芯片

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JP2006250913A (ja) * 2005-02-09 2006-09-21 National Univ Corp Shizuoka Univ 集積化磁界プローブ
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