JPH0612706U - エンジンのクランクシャフト軸受構造 - Google Patents
エンジンのクランクシャフト軸受構造Info
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- JPH0612706U JPH0612706U JP1301591U JP1301591U JPH0612706U JP H0612706 U JPH0612706 U JP H0612706U JP 1301591 U JP1301591 U JP 1301591U JP 1301591 U JP1301591 U JP 1301591U JP H0612706 U JPH0612706 U JP H0612706U
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 軽合金性のシリンダブロックを備えたものに
おいて、軸端室に連通するオイルリターン通路の形成に
よるを軸受部の剛性低下を可及的に抑制して該軸受部の
剛性維持を図り、併せて軸受部における母材金属と軸受
部材との結合力の向上を図る。 【構成】 軽合金鋳物製のロアブロック2に設けられる
複数の軸受部4A〜4Dに、鉄系材よりなり且つ半円状
の軸受面6を形成した軸受部材5A〜5Dを鋳包み、各
軸受部のうち、最も変速機固定端2aに近い軸受部4A
と変速機固定端2aとの間に軸端室の下半部を構成する
半円状凹部11を形成し、軸受部4Aに設けられた軸受
部材5Aの幅方向略中央部に凹部11側に膨出部15を
形成し、膨出部に半円状凹部とロアブロック下面2bと
を連通するオイル通路16を設けた。
おいて、軸端室に連通するオイルリターン通路の形成に
よるを軸受部の剛性低下を可及的に抑制して該軸受部の
剛性維持を図り、併せて軸受部における母材金属と軸受
部材との結合力の向上を図る。 【構成】 軽合金鋳物製のロアブロック2に設けられる
複数の軸受部4A〜4Dに、鉄系材よりなり且つ半円状
の軸受面6を形成した軸受部材5A〜5Dを鋳包み、各
軸受部のうち、最も変速機固定端2aに近い軸受部4A
と変速機固定端2aとの間に軸端室の下半部を構成する
半円状凹部11を形成し、軸受部4Aに設けられた軸受
部材5Aの幅方向略中央部に凹部11側に膨出部15を
形成し、膨出部に半円状凹部とロアブロック下面2bと
を連通するオイル通路16を設けた。
Description
【0001】
本考案は、エンジンのクランクシャフト軸受構造に関するものである。
【0002】
一般に自動車用エンジンのシリンダブロックにおいては、その軸方向に並んだ 複数のクランクシャフト用軸受部のうち、最も変速機取付端に近い軸受部の直外 方位置に該軸受部を囲繞するような凹部を形成し、且つその外端部にオイルシー ルを取り付けて該凹部を軸受部を潤滑したオイルを捕集する軸端室とするととも に、該軸端室に捕集されたオイルをシリンダブロック下面側に取り付けられるオ イルパン側にリターンさせるためのオイルリターン通路を形成している。(例え ば、実開昭61ー159610号公報参照)。
【0003】 一方、近年におけるエンジンの軽量化の要請から、従来鋳鉄鋳物で一体構成と されるのが通例であったシリンダブロック(例えば、上掲公知例がこれに該当す る)を、軽量の軽合金鋳物製とする傾向にあり、その場合、クランクシャフト軸 受部の支持剛性あるいは耐久性を確保するという観点から、該軸受部には鉄系材 (通常鋳鉄)からなる軸受部材を母材金属に一体的に鋳包む手法が採用される。
【0004】
ところで、上述のようにシリンダブロックの各軸受部のうち、最も変速機取付 端寄りに位置する軸受部の直外方位置に設けた軸端室にオイルリターン通路を形 成する場合、従来は上掲公知例に開示されるように、該軸受部の一部を縦方向に 貫通させてこれを形成するのが通例である。この場合、上掲公知例のようにシリ ンダブロックが鋳鉄鋳物により一体構成されるものにあっては、元々その剛性が 高いところから軸受部の剛性維持上、さほど問題は生じないが、例えばシリンダ ブロックを軽合金鋳物により構成するものにあっては素材そのものの剛性が低い ことから、軸受部の一部を貫通させてオイルリターン通路を形成した場合、オイ ルリターン通路の形成による軸受部の剛性低下の影響が到底看過し難いものとな る。
【0005】 そこで本考案は、軸受部に軸受部材を鋳包んだ軽合金性のシリンダブロックを 備えたものにおいて、軸端室に連通するオイルリターン通路の形成によるを軸受 部の剛性低下を可及的に抑制して該軸受部の剛性維持を図り、併せて軸受部にお ける母材金属と軸受部材との結合力の向上を図るようにしたエンジンのクランク シャフト軸受構造を提案せんとしてなされたものである。
【0006】
本考案ではかかる課題を解決するための具体的手段として、その軸方向の一端 側に変速機が締着固定されるシリンダブロックを、相互に衝合合体される軽合金 鋳物製のアッパーブロックとロアブロックとで構成する一方、該ロアブロック側 にその軸方向に適宜離間して設けられる複数のクランクシャフト軸支用の軸受部 には、鉄系材よりなり且つ上方に開口する半円状の軸受面を形成した軸受部材を それぞれ鋳包み、さらに該各軸受部のうち、最も変速機固定端に近い位置に形成 された軸受部と上記変速機固定端との間には軸端室の下半部を構成する半円状凹 部を上記軸受面の径方向外側を囲繞するようにして形成するとともに、該軸受部 材の幅方向略中央部に該凹部側に膨出する膨出部を形成し且つ該膨出部には該凹 部とロアブロック下面とを連通するオイル通路を形成したことを特徴としている 。
【0007】
本考案ではかかる構成とすることにより、軸受部を潤滑した後に軸端室に捕集 されるオイルは、該軸端室からオイルリターン通路を通ってロアブロック下面に 取り付けられたオイルパン側に流下回収される。この場合、軸受部に鉄系材から なる軸受部材を鋳包み、該軸受部材にオイルリターン通路を形成しているため、 例えば軸受部全体を軽合金で構成し且つここにオイルリターン通路を形成した場 合に比して、該オイルリターン通路の形成に伴う軸受部の剛性低下が可及的に抑 制されることになる。
【0008】 また、この軸受部に設けられた膨出部も母材金属によって一体的に鋳包まれる ことから、例えばこの膨出部を設けていない場合に比して該軸受部とこれを鋳包 む母材金属との接触面積が増加し、それだけ両者の結合力が高められることとな る。
【0009】
従って、本考案のエンジンのクランクシャフト軸受構造によれば、軸受部に鋳 包まれる軸受部材にオイルリターン通路を形成しているため、オイルリターン通 路の形成によるロアブロックの軸受部の剛性低下を、例えば該ロアブロック全体 を軽合金製とし且つその軸受部に直接オイルリターン通路を形成する場合に比し て、可及的に低く抑えて該軸受部の剛性を良好に維持することができ、また該オ イルリターン通路の形成用に設けた膨出部をも母材金属によって一体的に鋳包む ことによりこの両者間の結合力を高めることができ、これらの相乗的効果として 該軸受部におけるクランクシャフトの支持性能を良好に維持し且つその強度上の 信頼性を高めることができるという効果が得られるものである。
【0010】
以下、添付図面に示す実施例に基づいて本考案のエンジンのクランクシャフト 軸受構造を詳細に説明すると、図1Aには本考案の実施例にかかるクランクシャ フト軸受構造を備えた自動車用エンジンのシリンダブロック1が示されている。 このシリンダブロック1は、アルミ合金鋳物製とされ、後述のロアブロック2と 、該ロアブロック2の上面2cに衝合合体されるアッパーブロック3とからなる 上下二分割構造とされている。また、このロアブロック2の下面2bにはオイル パン(図示省略)が取付けられる。
【0011】 上記ロアブロック2は、図1A及び図1Bにそれぞれ示すように、シリンダブ ロック1の下半部を構成するものであって、上述のようにアルミ合金鋳物によっ て一体形成される。そして、このロアブロック2は、その軸方向の一端2aを変 速機固定端2aとするとともに、その内部にはクランクシャフト(図示省略)支承 用の4個の軸受部4A〜4Dをその軸方向に所定間隔をもって一体的に形成して いる。
【0012】 この場合、この実施例のロアブロック2においては、上記各軸受部4A〜4D の支持剛性を確保する観点から、図2に示すように、該各軸受部4A〜4Dに、 半円状の軸受面6を有する所定厚さの鉄系材、例えば鋳鉄鋳物からなる軸受部材 5A〜5Dをそれぞれ母材金属であるアルミ合金中に鋳包んでこれを一体化せし めている。
【0013】 一方、このように軸受部材5A〜5Dを鋳包んで構成された各軸受部4A〜4 Dのうち、上記変速機固定端2aに最も近い位置に設けられた第1軸受部4Aの 直外方位置には、その軸受面6の径方向外側を所定間隔をもって囲繞するように して半円状の凹部11が該変速機固定端2a側に開口した状態で形成されている 。この凹部11は、上記アッパーブロック3との間で潤滑オイル捕集用の所定大 きさの軸端室を形成するものであって、その外端部はオイルシール受部12とさ れている。そして、このように第1軸受部4Aと変速機固定端2aとの間に凹部 11を形成した場合、該凹部11に捕集された潤滑オイルをロアブロック2の下 面2bに取り付けられるオイルパン側に戻すためのオイルリターン通路16を形 成する必要がある。
【0014】 この場合、この実施例においては、本考案を適用して、上記オイルリターン通 路16を形成するために、上記軸受部材5Aの変速機固定端2a寄り側面の幅方 向略中央位置に、該軸受部材5Aから変速機固定端2a側に適宜膨出して上記凹 部11から下方に延びる膨出部15を設け、該膨出部15内を上下方向に貫通し た状態で上記オイルリターン通路16を形成している。尚、この軸受部材5Aの 膨出部15の外面部分も該軸受部材5Aの本体部と同様に母材金属によって鋳包 まれている。
【0015】 このように、母材金属としてのアルミ合金中に鋳鉄鋳物製の軸受部材5Aを鋳 包んで軸受部4Aを構成し、且つこの軸受部材5Aにオイルリターン通路16を 形成した場合には、例えば従来のようにアルミ合金一体成形のロアブロックの軸 受部に直接オイルリターン通路を形成する場合に比べて、該軸受部材5Aの剛性 がアルミ合金に比べて高い分だけ該オイルリターン通路16を形成したことに起 因する軸受部4Aの剛性低下が少なく、アルミ合金製のロアブロック2の軸受部 4Aにオイルリターン通路16を形成したにもかかわらず該軸受部4Aの剛性を 高く維持することができるものである。
【0016】 さらに、この実施例では、上記軸受部材5Aの膨出部15をもその本体部と同 様に母材金属によって一体的に鋳包んでいるため、例えば該膨出部15を設けず 該軸受部材5Aの側面を平面状とした場合に比して、該軸受部材5Aと母材金属 との接触面積が増加することから、該軸受部材5Aと母材金属との結合力がより 一層高められ、該軸受部4Aの強度上の信頼性がさらに向上するものである。
【0017】 これらの結果、アルミ合金製のロアブロック2におけるクランクシャフトの支 持性能あるいはその信頼性が位置団と向上し、延いてはシリンダブロック1全体 としての性能向上に寄与し得るものである。
【図1A】本考案の実施例にかかるクランクシャフト軸
受構造を備えたシリンダブロックのロアブロック部分の
縦断面図である。
受構造を備えたシリンダブロックのロアブロック部分の
縦断面図である。
【図1B】図1AのIーI矢視図である。
【図2】図1AのIIーII縦断面図である。
1はシリンダブロック、2はロアブロック、3はアッパ
ーブロック、4A〜4Dは軸受部、5A〜5Dは軸受部
材、6は軸受面、11は凹部、12はオイルシール受
部、15は膨出部、16はオイルリターン通路である。
ーブロック、4A〜4Dは軸受部、5A〜5Dは軸受部
材、6は軸受面、11は凹部、12はオイルシール受
部、15は膨出部、16はオイルリターン通路である。
Claims (1)
- 【請求項1】 その軸方向の一端側に変速機が締着固定
されるシリンダブロックを、相互に衝合合体される軽合
金鋳物製のアッパーブロックとロアブロックとで構成す
る一方、該ロアブロック側にその軸方向に適宜離間して
設けられる複数のクランクシャフト軸支用の軸受部に
は、鉄系材よりなり且つ上方に開口する半円状の軸受面
を形成した軸受部材をそれぞれ鋳包み、さらに該各軸受
部のうち、最も変速機固定端に近い位置に形成された軸
受部と上記変速機固定端との間には軸端室の下半部を構
成する半円状凹部を上記軸受面の径方向外側を囲繞する
ようにして形成するとともに、該軸受部材の幅方向略中
央部に該凹部側に膨出する膨出部を形成し且つ該膨出部
には該凹部とロアブロック下面とを連通するオイル通路
を形成したことを特徴とするエンジンのクランクシャフ
ト軸受構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1301591U JP2534534Y2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | エンジンのクランクシャフト軸受構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1301591U JP2534534Y2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | エンジンのクランクシャフト軸受構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0612706U true JPH0612706U (ja) | 1994-02-18 |
JP2534534Y2 JP2534534Y2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=11821333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1301591U Expired - Lifetime JP2534534Y2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | エンジンのクランクシャフト軸受構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2534534Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005009649A1 (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-03 | Nhk Spring Co., Ltd. | 強化部材、強化部材の製造方法およびエンジンブロック |
JP2015010532A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 本田技研工業株式会社 | ロアブリッジ |
-
1991
- 1991-03-08 JP JP1301591U patent/JP2534534Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005009649A1 (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-03 | Nhk Spring Co., Ltd. | 強化部材、強化部材の製造方法およびエンジンブロック |
JP2015010532A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | 本田技研工業株式会社 | ロアブリッジ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2534534Y2 (ja) | 1997-04-30 |
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