JPH06118060A - 磁気光学欠陥検査装置 - Google Patents

磁気光学欠陥検査装置

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JPH06118060A
JPH06118060A JP26502092A JP26502092A JPH06118060A JP H06118060 A JPH06118060 A JP H06118060A JP 26502092 A JP26502092 A JP 26502092A JP 26502092 A JP26502092 A JP 26502092A JP H06118060 A JPH06118060 A JP H06118060A
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JP
Japan
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gap
magnetic flux
flux density
effect element
faraday effect
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Withdrawn
Application number
JP26502092A
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English (en)
Inventor
Shuji Naito
藤 修 治 内
Takashi Ohira
平 尚 大
Yoichi Naganuma
沼 洋 一 永
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検査対象鋼板の搬送に伴なって振動等が生じ
る場合でも、信頼性の高い欠陥検出を可能にする。 【構成】 ファラデ−効果素子20と鋼板1との間隙G
1と磁化器の磁極11e,11fと鋼板との間隙G2を
それぞれセンサ71,72で検出する。予め定めた最適
磁化曲線に従って、G1から磁束密度を求める。G2及
び鋼板の寸法及び鋼種に従って、磁束密度を補正する。
補正後の磁束密度に対応する磁化電流値を、予め定めた
特性曲線から求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファラデ−効果を利用
して磁気光学的に検査対象物の欠陥を検出する装置に関
し、例えば厚板鋼板等における表面欠陥及び表層内部欠
陥を検出するのに利用しうる。
【0002】
【従来の技術】近年、ファラデ−効果を利用して磁気光
学的に検査対象物の欠陥を検出する方法が注目されてい
る。この方法では、強磁性体でなる検査対象物を磁化
し、その表面に近接配置したファラデ−効果素子(又は
磁気光学効果素子と呼ばれる)に直線偏光の光を入射さ
せ、該素子を透過しその底面の反射膜で反射し、再びフ
ァラデ−効果素子を透過した反射光の偏光状態を、検光
子を介して観察する。即ち、ファラデ−効果素子を通過
する光の偏光面は、それが受ける磁界によって回転する
が、検査対象物に欠陥がない時には漏れ磁束がないので
ファラデ−効果素子が磁界の影響を受けないので偏光面
は回転せず、検査対象物に欠陥があると、漏れ磁束が生
じてファラデ−効果素子が磁界の影響を受け偏光面が回
転するので、検光子を通して反射光の偏光の方向を観察
することにより、欠陥の有無を検出しうる。
【0003】この種の磁気光学欠陥検査装置の従来技術
については、例えば、特開平2−253152号公報及
び特開平3−276050号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように磁気光学
的に検査対象物の欠陥を検出する方法では、ファラデ−
効果素子と検査対象物の表面との間隙を一定に維持しな
いと、検出される信号のS/N比が悪化する傾向があ
る。このため、実際に厚板鋼板等の欠陥を検出しようと
する場合、機械的なならい装置を介して、ファラデ−効
果素子を厚板鋼板等の表面上に載置し、両者の間隙が一
定になるように装置を構成していた。また、同様になら
い装置を介して、電気コイルを厚板鋼板等の表面上に載
置し、両者の間隙が一定になるように装置を構成すると
ともに、電気コイルに一定の電流を流して厚板鋼板等を
磁化していた。
【0005】しかし、厚板鋼板を高速で移動させながら
その欠陥検査を実施する場合、厚板鋼板が振動するの
で、その振動に追従するように、厚板鋼板の表面から所
定の間隙(例えば1mm)の位置に、ファラデ−効果素
子及び電気コイルをならい装置で常時正確に位置決めす
ることは実際上不可能であり、各間隙の変化によって、
信号のS/N比が劣化するのは避けられなかった。
【0006】従って本発明は、例えば厚板鋼板のように
その振動によって表面位置が常時変化する検査対象物を
検査する場合であっても、検出信号のS/N比の劣化を
防止し、高い信頼性で欠陥を検出しうる、実用的な磁気
光学欠陥検査装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の磁気光学欠陥検査装置は、検査対象物の少
なくとも表層部を磁化する磁化手段(10);検査対象
物の磁化される面の近傍に配置され、それが受ける磁界
に応じてそれを透過する光の偏光面を回転する、ファラ
デ−効果素子手段(20);直線偏光の光を、前記ファ
ラデ−効果素子手段の面に照射する、照明手段(3
0);前記ファラデ−効果素子手段からの反射光を、枠
体中央の開口部を介して受光する検光子(40);該検
光子の近傍に配置され、検光子を通った光の強度から検
査対象物上の欠陥を検出する、欠陥検出手段(50);
前記磁化手段及びファラデ−効果素子手段を支持し、そ
れらを検査対象物の表面近傍に位置決めする、ならい手
段(2);検査対象物の表面とファラデ−効果素子手段
との間隙の大きさを検出する、第1の間隙検出手段(7
1);検査対象物の表面と磁化手段との間隙の大きさを
検出する、第2の間隙検出手段(72);前記第1の間
隙検出手段の検出した間隙の大きさに基づいて、目標磁
束密度を決定する磁束密度決定手段(73);及び該磁
束密度決定手段が決定した目標磁束密度と前記第2の間
隙検出手段の検出した間隙の大きさに基づいて、最適な
励磁電流を決定し、決定された励磁電流で前記磁化手段
を付勢する、励磁電流決定手段(74);を備える。
【0008】また第2番の発明では、前記磁束密度決定
手段(73)は、各々の間隙の大きさに対して欠陥検出
信号のS/N比が最大になる時の磁束密度の大きさを求
める計算式もしくは定数テ−ブルを予め保持し、第1の
間隙検出手段の検出した間隙の大きさに対して、欠陥検
出信号のS/N比が最大になる磁束密度を求め、それを
目標磁束密度とするように構成する。
【0009】また第3番の発明では、前記励磁電流決定
手段(74)は、更に、検査対象物の寸法及び鋼種の情
報を入力し、それらに応じて最適な励磁電流を決定する
ように構成する。
【0010】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0011】
【作用】前述のように、例えば厚板鋼板を高速で移動さ
せながらその表面の欠陥検査を実施する場合、厚板鋼板
が振動するので、厚板鋼板の表面と、磁化手段及びファ
ラデ−効果素子手段との各間隙が変化するのは避けられ
ない。そこで本発明においては、検査対象物の表面とフ
ァラデ−効果素子手段との間隙の大きさを検出する第1
の間隙検出手段と、検査対象物の表面と磁化手段との間
隙の大きさを検出する第2の間隙検出手段を設けてあ
り、それらが検出した間隙の大きさに応じて、磁化手段
を付勢する励磁電流の大きさを補償するように制御して
いる。
【0012】本発明者の調査によれば、検査対象物の表
面とファラデ−効果素子手段との間隙の大きさ,及び検
査対象物中の磁束密度と、欠陥検出信号のS/N比との
間には相関があり、しかも前記間隙を特定の状態に設定
した場合に、前記磁束密度をある値に設定することによ
り、最高のS/N比が得られることが分かっている。従
って、最高のS/N比が得られる磁束密度は、前記相関
と第1の間隙検出手段により検出される間隙に応じて求
めることができ、それによって求めた磁束密度になるよ
うに磁化手段を付勢する励磁電流を調整すれば、常に最
高のS/N比が得られることになる。また、検査対象物
中の磁束密度は、検査対象物の表面と磁化手段との間隙
の大きさに応じて変化するので、励磁電流の大きさは、
第2の間隙検出手段によって検出される間隙の大きさ
と、決定された目標磁束密度に応じて決定している。こ
れによって、検査対象物の振動によって各間隙が変化す
る場合でも、常に最高のS/N比が得られるように、磁
化手段を付勢する励磁電流が補償され、信頼性の高い欠
陥検出が実現する。
【0013】
【実施例】実施例の欠陥検査装置を正面から見た状態及
び側面から見た状態の外観を、それぞれ図2及び図3に
示す。この欠陥検査装置は、製造された厚板鋼板1の検
査ラインに設置されている。厚板鋼板1は、図2の矢印
方向に高速で搬送されながら、その表面の全域が欠陥検
査装置によって検査される。実際の厚板鋼板1は非常に
大きいので、その全域を1台の欠陥検査装置で検査する
ことはできず、従って実際には、多数の欠陥検査装置が
検査ライン上に配列されているが、図では1台の欠陥検
査装置のみが示されている。また、欠陥検査装置は移動
しないが、4つの車輪2を介して厚板鋼板の表面1aと
常時当接しており、表面1aに倣って動くように支持さ
れている。
【0014】この欠陥検査装置は、ファラデ−効果を利
用して、厚板鋼板表面の欠陥を検出する。即ち、厚板鋼
板1を磁化する場合、欠陥が無ければ表面1a上に漏洩
磁束は生じないが、欠陥があると漏洩磁束が生じる。従
って、表面1a上にファラデ−効果を生じる素子を配置
すれば、漏洩磁束の有無によって、該素子を通る光の偏
光面の方向が変化するので、偏光の方向によって、漏洩
磁束の有無、つまり欠陥の有無が検出できる。従って、
この欠陥検査装置の主要部は、磁化器10,ファラデ−
効果素子20,投光器30,及び受光器60で構成され
ている。
【0015】ファラデ−効果素子20は、薄板状で厚板
鋼板1の幅方向に長い帯状(長方形状)に形成されてお
り、厚板鋼板1の表面1aに近接してそれと対向するよ
うに配置されている。ファラデ−効果素子20の主要部
は、希土類・鉄・ガ−ネット(RIG)の垂直磁化膜で
あり、面に垂直な方向以外は難磁化特性を有し、500
〜1000エルステッド程度の水平磁界では磁区の移動
や磁気飽和が生じない物が使用されている。また、膜の
上面(光の入射面)には無反射コ−ティング、膜の底面
(鋼板と対向する面)には全反射コ−ティングがそれぞ
れ施されており、ファラデ−効果素子20に入射した光
は、垂直磁化膜内を通り、底面で反射されて再び垂直磁
化膜内を通り、ファラデ−効果素子20から出る。光が
垂直磁化膜内を往復する間に、ファラデ−効果により、
偏光面の回転が生じる。回転量は、透過距離,膜の感度
定数,及び膜位置の垂直方向の磁束の大きさによって定
まり、垂直方向の磁束の大きさは、鋼板表面又は表層部
の欠陥の有無によって大きく変化する。
【0016】磁化器10の外観を図1に示す。図1を参
照すると、この磁化器10は、強磁性体で構成されたコ
ア11と、それに巻回された2つの電気コイル12及び
13で構成されている。コア11は、4辺11a,11
b,11c及び11dでなる実質上矩形の枠体であり、
互いに対向する2辺11c及び11dに、それぞれ電気
コイル12及び13が巻回してある。また残りの2辺1
1a及び11bには、それぞれ突起11e及び11fが
形成してある。2つの電気コイル12及び13は、巻数
が同一になっており、また互いに対称に磁束を発生する
ように結線されている。つまり、電気コイル12の一端
12aがN極、他端12bがS極になる時には、電気コ
イル13の一端13aがN極、他端13bがS極にな
り、突起11e及び11fがそれぞれN極及びS極の磁
極を形成する。
【0017】図2及び図3に示すように、突起11e及
び11fは、厚板鋼板1の表面1aと近接して配置され
ているので、電気コイル12及び13に通電し、突起1
1e及び11fに磁極を形成することによって、厚板鋼
板1が磁化される。また、突起11e及び11fは、各
辺11a及び11bの中央部に形成されているので、厚
板鋼板1は、磁化器10の中心部と対向する位置が最も
強く磁化される。この位置と対向するように、ファラデ
−効果素子20が配置されている。また、コア11は矩
形の枠体であり、その中央部は開口部11gを形成して
いるので、この部分に光路が形成されるように光学系、
即ちファラデ−効果素子20,投光器30,及び受光器
60は配置されている。
【0018】投光器30は、白色ランプ31,拡散板3
2,及び偏光板33で構成されており、ファラデ−効果
素子20の上方に配置されている。白色ランプ31は、
細長い管状の白色光源(クセノンストロボランプ)であ
り、ファラデ−効果素子20と同じ向きで平行に配置し
てある。また、白色ランプ31から出る光は様々な波長
の成分を含んでいるが、特に波長が800nmの成分を
含んでいる。800nmの波長は、ファラデ−効果素子
20の光の回転量が最も大きく、吸収による減衰も少な
い波長である。白色ランプ31から出る光は、乳白色の
拡散板32を透過し拡散されるので、比較的広いファラ
デ−効果素子20の全面を均一な照度で照明することが
できる。また、拡散板32から出た光は、1方向の直線
偏光成分のみが偏光板33を通り、ファラデ−効果素子
20に到達する。偏光板33は、ポラロイド板を帯状に
切断したものであり、白色ランプ31と同じ方向に向け
て平行に配置してある。
【0019】受光器60は、バンドパスフィルタ45,
検光子40,及び撮像装置(2次元イメ−ジセンサ)5
0で構成されており、ファラデ−効果素子20の上方
に、前記投光器30と光学的に対称な位置関係で配置さ
れている。バンドパスフィルタ45は、特定の波長成分
の光のみを透過し、他の波長成分を遮断する特性を有す
る光学フィルタであり、この例では、中心波長が800
nm、半値幅が100nmのものを使用している。つま
り、ファラデ−効果素子20の感度の高い波長成分のみ
が抽出され、それ以外の成分はノイズとしてカットされ
る。検光子40は、偏光板であり、それが透過する光の
偏光方向は、偏光板33に対して45度傾けてある。偏
光板33を透過した光は、撮像装置50に入射し、2次
元画像として撮像される。
【0020】また、ファラデ−効果素子20を支持して
いる部材21,及び突起11eには、それぞれ市販のレ
−ザ距離計で構成される間隙センサ71及び72が設置
されている。間隙センサ71は、その検出面がファラデ
−効果素子20の底面位置と一致するように検出面を下
に向けて配置されており、ファラデ−効果素子20の底
面と厚板鋼板1の表面1aとの間隙を検出する。また間
隙センサ72は、その検出面が突起11eの先端位置と
一致するように検出面を下に向けて配置されており、突
起11e、即ち磁極の先端と厚板鋼板1の表面1aとの
間隙を検出する。この欠陥検査装置は、車輪2などで構
成される倣い機構によって、厚板鋼板1の表面1aに倣
うように動くので、上記間隙が大きく変化する機会は少
ないが、厚板鋼板1の移動に伴なう振動などによって、
間隙に僅かな変化が生じうる。しかし、これらの間隙の
大きさが変化すると、検査対象物である厚板鋼板1の磁
化の程度が変化し、漏れ磁束の大きさも変化し、欠陥検
出に利用される信号のS/N比が悪化する。そこでこの
実施例では、間隙センサ71及び72で検出した間隙に
基づいて、電気コイル12及び13に流す電流の大きさ
を自動的に調整し、常に最高のS/N比が得られるよう
に制御している。
【0021】この欠陥検査装置の電気回路の構成を図4
に示す。図4を参照して説明する。発振器61は、この
電気回路の制御タイミングを定める一定周期の方形波信
号を出力する。具体的には、発振器61は、撮像装置5
0の二次元画像読取走査に使用される水平同期信号に同
期した三角波を生成し、それを整形して方形波を生成し
ている。発振器61が出力する方形波信号は、移相器6
5を介して、ストロボ電源62に印加される。ストロボ
電源62は、発振器61が出力する方形波信号に同期し
たパルス電力を、白色ランプ31に供給し、所定のタイ
ミングで白色ランプ31を点灯する。
【0022】磁化コイル(電気コイル)12及び13に
は、検出信号のS/N比を最大にするような電流が常時
供給される。この電流は交流であり、発振器61が出力
する方形波信号に同期した方形波形になる。磁化コイル
12及び13に流す電流の値C+,C−は、マイクロコ
ンピュ−タCPUによって決定され、間隙センサ71が
検出した間隙G1,間隙センサ72が検出した間隙G
2,製造ラインを管理するプロセスコンピュ−タ78か
ら得られる検出対象鋼板の寸法及び鋼種に応じて変更さ
れる。電流の+側の値C+及び−側の値C−は、ラッチ
75に保持され、それらの一方がデ−タセレクタ76を
介してD/A変換器77に印加される。即ち、デ−タセ
レクタ76に印加される2つの信号C+,C−は、発振
器61が出力する信号の半周期毎に、極性検出器63の
出力によって交互に切換えられ、D/A変換器77に印
加される。電力増幅器64は、D/A変換器77が出力
するアナログ信号レベルを目標値とする一定の電流を磁
化コイル12及び13に流すように制御する。
【0023】磁化コイル12及び13に印加される電力
の極性は周期的に変化するので、電化コイル12及び1
3によって磁化器10に発生する磁極も周期的に変化す
る。この極性変化の周期は非常に短いので、表皮効果が
現われ、厚板鋼板1中の磁束はその表層部分に集中す
る。これにより、比較的小さい電力で、厚板鋼板1の欠
陥検出に必要な部分だけを磁化することができる。
【0024】撮像装置50は、検光子40を介して入射
する二次元画像光を走査しながら撮像する。撮像装置5
0が出力する画像信号は、A/D変換器51によってデ
ジタル信号に変換され、極性変換器52に印加される。
極性変換器52は、発振器61が出力する方形波信号の
極性を検出する極性検出器63の出力によって制御され
る。極性変換器52が出力する画像信号は、フレ−ムバ
ッファ53と加算器54に印加される。加算器54は、
極性変換器52が出力する画像信号とフレ−ムバッファ
53が出力する画像信号とを加算し、その結果を画像処
理装置55に出力する。画像処理装置55は、画像信号
に所定の画像処理を施し、処理の結果を欠陥弁別器56
に出力する。欠陥弁別器56は、欠陥の有無を識別す
る。モニタTV57は、画像処理前の画像,画像処理後
の画像,欠陥弁別結果等をその二次元表示画面に表示す
ることができる。
【0025】撮像装置50によって撮像される2次元画
像の例を、図5及び図6に示す。これらは、人工的に作
られた表面欠陥を含む厚板表面部に、ファラデ−効果素
子20を対向させた時に得られた画像であり、図5は、
厚板鋼板1の磁化極性が正の場合の画像であり、図6は
それから磁化極性変化周期の半周期後の、つまり磁化極
性が負の場合の画像である。画像中の全域にわたって見
られる模様は、ファラデ−効果素子20の磁区模様であ
る。
【0026】極性変換器52は、画像信号の極性(ポジ
/ネガ)を切換える回路であり、極性検出器63の出力
する信号に従ってポジ/ネガを切換え、磁化極性変化周
期の半周期毎に、ポジ画像とネガ画像とを交互に出力す
る。従って例えば、厚板鋼板1の磁化極性が正の時には
ポジ画像が出力され、厚板鋼板1の磁化極性が負の時に
はネガ画像が出力される。
【0027】図7は、図6の画像のネガ画像を示してい
る。図7を参照すると、磁区模様の白黒が反転してお
り、また欠陥部分の白黒の割合いは磁化極性が逆の画像
(図5)と同様になっているのが分かる。そこでこの実
施例では、図5のような画像と図7のような画像とを加
算器54で加算することによって、ノイズである磁区模
様の成分を打ち消すようにしている。
【0028】フレ−ムバッファ53は、磁化極性変化周
期の半周期毎に、それまでに記憶していた画像の出力と
新しい画像の書き込みとを同時に行なう。従って加算器
54には、極性変換器から出力される最新の画像と、半
周期前の画像とが同時に印加されるが、それらのうち一
方は反転されたネガ画像であり、他方は反転されないポ
ジ画像であり、しかも両者は磁化極性が逆であるので、
図5のような画像と図7のような画像とを同じタイミン
グで加算することができる。
【0029】この加算によって得られる画像は、例えば
図8の最上部に示すようになり、磁区模様の成分はほと
んど消え、しかも欠陥部分のコントラストが倍増する。
図8の中央部に示す波形は、加算によって得られる画像
の1ラインの信号レベル変化を示しているが、欠陥の有
無を識別するためには、更に信号を処理する必要があ
る。
【0030】そこで次の画像処理装置55で、様々な信
号処理を実施している。即ち、ロ−パスフィルタ処理,
画像の縦方向の平均化処理,及びハイパスフィルタ処理
を実施している。ロ−パスフィルタ処理(平滑化)によ
って、磁区模様の残留成分が更に減衰され、縦方向の平
均化処理によって、欠陥信号のS/N比が改善され、ハ
イパスフィルタ処理によって、磁化器による緩やかな垂
直磁界分布によって生じる画像の輝度むらを低減するこ
とができる。この処理の結果、図8の最下部に示す信号
波形が得られ、この信号が次の欠陥弁別器56に印加さ
れる。欠陥弁別器56は、図8の最下部に示す信号のよ
うな比較的大きなレベル変化を、欠陥として識別する。
【0031】次に、図4に示すマイクロコンピュ−タC
PUの動作について説明する。このマイクロコンピュ−
タCPUは、主として磁束密度決定処理73と磁化電流
決定処理74を実行するものであり、その具体的な内容
は図12に示されている。即ち、磁束密度決定処理73
では、間隙G1を入力し、次に予めメモリ上に用意され
たテ−ブル1を参照し、G1に対応付けられる値M1
を、最適磁束密度として決定する。
【0032】図9は、実験により得られたデ−タであ
り、ファラデ−効果素子と検査対象鋼板表面との間隙の
大きさ(G1)を示す軸と該鋼板内の磁束密度を示す軸
とでなる二次元空間上に、等S/N曲線群と最適磁化曲
線を示したものである。図9を参照すると、欠陥検出信
号のS/N比は、間隙及び磁束密度に依存して大きく変
化することが分かる。即ち、間隙G1の変化に伴なっ
て、最適磁化曲線に沿うように磁束密度を変化させれ
ば、最も高いS/N比が得られる。
【0033】従って、マイクロコンピュ−タCPUのテ
−ブル1には、図9の最適磁化曲線に相当する様々な間
隙とそれらの各々に対応する磁束密度との関係が、予め
記憶されている。従って、入力されたG1をパラメ−タ
としてテ−ブル1を参照することによって、直ちに最適
磁束密度M1が得られる。
【0034】再び図12を参照する。磁化電流決定処理
74では、まず間隙センサ72から間隙G2を入力し、
プロセスコンピュ−タ78から寸法及び鋼種の情報を入
力する。次のステップ85では、予めメモリ上に用意さ
れたテ−ブル2を参照し、間隙G2によって最適磁束密
度M1を補正し、補正した値をM2とする。また次のス
テップ86では、予めメモリ上に用意されたテ−ブル3
を参照し、検査対象鋼板の寸法によって最適磁束密度M
2を補正し、補正した値をM3とする。更に次のステッ
プ87では、予めメモリ上に用意されたテ−ブル4を参
照し、検査対象鋼種によって最適磁束密度M3を補正
し、補正した値をM4とする。続くステップ88では、
予めメモリ上に用意されたテ−ブル5を参照し、磁束密
度M4に対応付けられる電流値C+を求める。そして最
後のステップ89では、電流値C+及びC−をラッチ7
5に出力する。電流値C−は、C+の符号のみを反転し
た負の値である。
【0035】図11は、様々な深さの人工欠陥が鋼板に
存在する場合の、磁極と鋼板表面との間隙(G2)と鋼
板内の磁束密度との関係を測定した結果を示している。
図11を参照すると、電気コイル12及び13に流す電
流が一定であっても、間隙G2の変化に伴なって、磁束
密度が変化することが分かるので、磁束密度を目標値に
維持するためには、間隙G2の変化に伴なって電気コイ
ル12及び13に流す電流を補償する必要がある。この
補償を施すための変換テ−ブルがテ−ブル2である。
【0036】また鋼板の寸法、特に厚みに関しては、そ
れの変化は鋼板内の磁束分布の変化につながる。従って
電気コイル12及び13に流す電流が一定であっても、
寸法が変化すると磁束密度が変化する。従って、磁束密
度を目標値に維持するために、寸法の変化に応じた補償
を施す必要がある。この補償を施すための変換テ−ブル
がテ−ブル3である。同様に、鋼板の鋼種が変わると、
比透磁率等が変化するので、磁束密度が変化する。従っ
て、磁束密度を目標値に維持するために、鋼種の変化に
応じた補償を施す必要がある。この補償を施すための変
換テ−ブルがテ−ブル4である。
【0037】電気コイル12及び13に流す電流の大き
さと磁束密度との間には、例えば図10に示すような相
関がある。このような相関の情報がテ−ブル5に予め記
憶されている。従って、目標とする磁束密度M4をパラ
メ−タとしてテ−ブル5を参照することにより、設定す
べき電流の値C+を直ちに求めることができる。
【0038】なお上記実施例では、様々な情報を予め記
憶したテ−ブルを参照して各種補償を実施しているが、
例えば実験の結果などによって予め定めた計算式を用い
ても同様な補償を実施しうる。また実施例では、最適磁
束密度を補償した結果から電流値を求めているが、補償
する前の最適磁束密度から電流値を求めた後で、その電
流値を補償してもよい。
【0039】更に、実施例では比較的簡単な構造の単一
の倣い機構を用いて、欠陥検査装置の全体が鋼板の表面
に倣うように構成してあるが、磁極(11e,11f)
とファラデ−効果素子とをそれぞれ独立した倣い機構で
支持するように構成した方が、ファラデ−効果素子と鋼
板との間隙の変化を小さくでき実用的になる。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、検査対象
物の表面とファラデ−効果素子手段との間隙の大きさを
検出する第1の間隙検出手段と、検査対象物の表面と磁
化手段との間隙の大きさを検出する第2の間隙検出手段
を設け、それらが検出した間隙の大きさに応じて、磁化
手段を付勢する励磁電流の大きさを補償するように制御
しているので、例えば厚板鋼板のようにその振動によっ
て表面位置が常時変化する検査対象物を検査する場合で
あっても、検出信号のS/N比の劣化を防止し、常時高
い信頼性で欠陥を検出しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いる磁化器10の外観を示す斜視
図である。
【図2】 実施例の欠陥検査装置の主要部の外観を示す
正面図である。
【図3】 図2の欠陥検査装置の主要部の外観を示す側
面図である。
【図4】 欠陥検査装置の電気回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】 撮像装置50が撮像する画像の例を示す平面
図である。
【図6】 図5の半周期後の画像を示す平面図である。
【図7】 図6の画像のネガ画像を示す平面図である。
【図8】 処理前及び処理後の画像の輝度変化を示す波
形図である。
【図9】 等S/N比曲線と最適磁化曲線を示すグラフ
である。
【図10】 磁化電流と磁束密度の相関を示すグラフで
ある。
【図11】 磁極と鋼板の間隙G2と磁束密度の相関を
示すグラフである。
【図12】 CPUの動作を示すフロ−チャ−トであ
る。
【符号の説明】
1:厚板鋼板 1a:表面 2:車輪 10:磁化器 11:コア 11a,11b,11
c,11d:辺 11e,11f:突起 11g:開口部 12,13:電気コイル 20:ファラデ−効果
素子 30:投光器 31:白色ランプ 32:拡散板 33:偏光板 40:検光子 45:バンドパスフィ
ルタ 50:撮像装置 51:A/D変換器 52:極性変換器 53:フレ−ムバッフ
ァ 54:加算器 55:画像処理装置 56:欠陥弁別器 57:モニタTV 60:受光器 61:発振器 62:ストロボ電源 63:極性検出器 64:電力増幅器 65:移相器 71,72:間隙センサ 73:磁束密度決定処
理 74:磁化電流決定処理 75:ラッチ 76:デ−タセレクタ 77:D/A変換器 78:プロセスコンピュ−タ CPU:マイクロコン
ピュ−タ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物の少なくとも表層部を磁化す
    る磁化手段;検査対象物の磁化される面の近傍に配置さ
    れ、それが受ける磁界に応じてそれを透過する光の偏光
    面を回転する、ファラデ−効果素子手段;直線偏光の光
    を、前記ファラデ−効果素子手段の面に照射する、照明
    手段;前記ファラデ−効果素子手段からの反射光を、枠
    体中央の開口部を介して受光する検光子;該検光子の近
    傍に配置され、検光子を通った光の強度から検査対象物
    上の欠陥を検出する、欠陥検出手段;前記磁化手段及び
    ファラデ−効果素子手段を支持し、それらを検査対象物
    の表面近傍に位置決めする、ならい手段;検査対象物の
    表面とファラデ−効果素子手段との間隙の大きさを検出
    する、第1の間隙検出手段;検査対象物の表面と磁化手
    段との間隙の大きさを検出する、第2の間隙検出手段;
    前記第1の間隙検出手段の検出した間隙の大きさに基づ
    いて、目標磁束密度を決定する磁束密度決定手段;及び
    該磁束密度決定手段が決定した目標磁束密度と前記第2
    の間隙検出手段の検出した間隙の大きさに基づいて、最
    適な励磁電流を決定し、決定された励磁電流で前記磁化
    手段を付勢する、励磁電流決定手段;を備える磁気光学
    欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】 前記磁束密度決定手段は、各々の間隙の
    大きさに対して欠陥検出信号のS/N比が最大になる時
    の磁束密度の大きさを求める計算式もしくは定数テ−ブ
    ルを予め保持し、第1の間隙検出手段の検出した間隙の
    大きさに対して、欠陥検出信号のS/N比が最大になる
    磁束密度を求め、それを目標磁束密度とする前記請求項
    1記載の磁気光学欠陥検査装置。
  3. 【請求項3】 前記励磁電流決定手段は、更に検査対象
    物の寸法及び鋼種の情報を入力し、それらに応じて最適
    な励磁電流を決定する、前記請求項1記載の磁気光学欠
    陥検査装置。
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KR102190607B1 (ko) * 2019-12-09 2020-12-14 한국로봇융합연구원 비파괴 검사 센서 장치 및 이를 이용한 결함 검사 방법

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