JPH06115008A - 防燃性銘木化粧シート、これを貼着して成る防燃性銘木化粧板、およびこれらの製造方法 - Google Patents

防燃性銘木化粧シート、これを貼着して成る防燃性銘木化粧板、およびこれらの製造方法

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JPH06115008A
JPH06115008A JP4296350A JP29635092A JPH06115008A JP H06115008 A JPH06115008 A JP H06115008A JP 4296350 A JP4296350 A JP 4296350A JP 29635092 A JP29635092 A JP 29635092A JP H06115008 A JPH06115008 A JP H06115008A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】防燃性銘木化粧シート8において、紙または不
織布1;第1の接着性樹脂層2;金属箔3;第2の接着
性樹脂層4;紙または不織布5;接着剤層6;銘木単板
7が最下層より順に積層され、一体に圧着成形されてな
る化粧シートであって、難燃剤が第1の接着性樹脂層2
もしくは第2の接着性樹脂層4のいずれか一方または第
1および第2の接着性樹脂層2、4の双方に含有されて
いる。また、防燃性銘木化粧板においては、この化粧シ
ート8が木質系、無機質系または金属系基材9の上に貼
着されている。これらは、押出しラミネート法の応用に
より製造される。 【効果】高い難燃性を有し、防火材料の不燃、準不燃の
性能を発揮することができ、その上、突板の変色による
製品価値の低下や、接着性の悪化による製造不良の発生
などの問題が起きない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃化技術の改良に関
し、化粧単板シートに対しても満足な難燃化処理を適用
可能としたものである。
【0002】従って、本発明は、かかる難燃化技術が応
用された防燃性銘木化粧シート、およびその製造方法に
関する。
【0003】それゆえ、本発明は、以下に掲げる化粧単
板シートの一般的な用途に利用されうるものである。:
建築内装材例えば壁面材、天井表面材、柱被覆材および
可動間仕切り等の表面材:自動車、船舶の内装製品の表
面材:箪笥等の家具の外面化粧材:什器等の一般木製品
の外面化粧材:並びに電子機器および楽器の外面化粧材
など。
【0004】以上より、本発明はまた、防燃性銘木化粧
シートを貼着して成る防燃性銘木化粧板、およびその製
造方法にも関する。
【0005】
【従来の技術】天然木資源、特に銘木資源の枯渇によ
り、今日では、無垢木板に代えて、薄肉の突板を紙、不
織布等の繊維質シートで裏打ちした化粧単板シートが、
上記したような用途において、広く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、木材には火
炎により燃焼し易いという性質があり、この点が従来、
木材製品の欠点となっていた。このような事情から、最
近、化粧単板シート等それ自体に対して、適当な難燃
化、不燃化処理を施すことが求められてきた。
【0007】化粧単板シートを難燃化する方法として
は、まず、突板を難燃剤(普通、燐酸系)の液中に含浸
処理して、突板自体に難燃性を付与する方法が考えられ
る。
【0008】しかし、この方法によると、突板が含浸処
理とこれに続く熱圧接着によって濃褐色に変色する場合
が多く、商品価値のある程度の低下が避けられないとい
う欠点がある。
【0009】また、難燃化のために考えられる別の方法
としては、化粧単板シートの内部層に使用される紙や不
織布等を難燃剤の添加により難燃化処理する方法があ
る。
【0010】しかし、紙や不織布等について燐酸系難燃
剤等の添加により自消性を付与せしめるには、該難燃剤
を重量比で約40〜50%の量添加する必要があり、こ
のため、難燃化された紙や不織布等は吸湿性が増大し、
従って、化粧単板シートの製造過程において、その紙、
不織布等と突板または他の層材料との接着性が悪くな
り、特にホットメルト接着剤を用いて圧着成形する過程
で剥離が起きる等、製造不良の発生を招くという問題が
あった。
【0011】本発明は、かかる事情を考慮してなされた
もので、その目的は、高い難燃性を有し、しかも、上記
の欠点、問題が起きない防燃性銘木化粧シートを提供す
ることにある。
【0012】また、本発明は、防燃性銘木化粧シートを
表面材とする防燃性銘木化粧板を提供することをも目的
とする。
【0013】さらに、本発明の別の目的は、防燃性銘木
化粧シートおよび化粧板を確実にかつ生産性高く製造す
ることができる各々の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、化粧単板シート内の金属箔の腐食防止等のために
積層要素とされることがあるエチレンコポリマー等の合
成樹脂層の中に、難燃剤を添加することにより、得られ
る化粧単板シートは、十分高く難燃化され、その上、該
シート自体に適度の可撓性を持たせ得る等、優れた製品
になることを見出し、本発明を完成した。
【0015】これにより、突板等に対する難燃化処理が
不要となり、変色等の問題がなくなる。また、難燃剤に
は、燐酸系を含め、広範囲のものが適用し得るという利
点もある。
【0016】したがって、本発明は、紙または不織布;
第1の接着性樹脂層;金属箔;第2の接着性樹脂層;紙
または不織布;接着剤層;銘木単板が最下層より順に積
層され、一体に圧着成形されてなる化粧シートであっ
て、難燃剤が第1の接着性樹脂層もしくは第2の接着性
樹脂層のいずれか一方または第1および第2の接着性樹
脂層の双方に含有されていることを特徴とする防燃性銘
木化粧シートに関するものである。
【0017】その上、本発明は、上記の防燃性銘木化粧
シートが、木質系、無機質系または金属系基材の上に貼
着されている防燃性銘木化粧板にも関する。
【0018】また、本発明は、かかる防燃性銘木化粧シ
ートおよび化粧板の製造方法をも提供するものである。
すなわち、本発明は、難燃剤を第1の接着性樹脂もしく
は第2の接着性樹脂のいずれか一方または第1および第
2の接着性樹脂の双方に添加する段階と、(a) まず、押
出しラミネート法に従い、紙または不織布;前記第1の
接着性樹脂の層;金属箔;前記第2の接着性樹脂の層;
紙または不織布よりなる積層体を成形し、次に、接着剤
を該積層体の上側の紙または不織布の上に塗布し、続い
て、銘木単板をその上にオーバーレイし、そしてこれら
全体を熱圧接着するか、または、(b) 一方で、押出しラ
ミネート法に従い、紙または不織布;前記第1の接着性
樹脂の層;金属箔;前記第2の接着性樹脂の層よりなる
積層体を成形し、また他方で、貼合わせにより、銘木単
板;接着剤層;紙または不織布よりなる単板裏打ちシー
トを製造し、そして、前記積層体と単板裏打ちシートと
を熱圧接着する段階より成る、防燃性銘木化粧シートの
製造方法に関する。
【0019】また、本発明は、さらに、上記の方法に従
い製造された防燃性銘木化粧シートを、木質系、無機質
系または金属系基材の上に貼着する段階より成る、防燃
性銘木化粧板の製造方法にも関する。
【0020】(本発明の概要)紙または不織布は、下地
の凹凸を緩衝して化粧シートの浮き上がりを防止するた
めに、また内側の金属箔の輝きを隠蔽するために、積層
要素とされるものである。本発明で用いる紙または不織
布には、和紙、洋紙(上質紙、中質紙等)、クラフト
紙、薄葉紙または樹脂含浸紙、並びに、ポリエチレン不
織布、ポリエステル/パルプ不織布等の各種不織布な
ど、すべての繊維質シートが包含される。紙または不織
布の坪量は、15〜100 g/m2 、好ましくは20〜5
0 g/m2 である。
【0021】金属箔は、化粧シートに適度の剛性を持た
せて突板の寸法変化、あばれ、反りを抑えるために、ま
た化粧シートに高い寸法安定性を付与するために、積層
要素とされるものである。本発明で用いる金属箔には、
アルミニウム、鉄、銅等の金属またはそれらの合金より
なる箔が該当する。箔の厚さは、5〜40μm、好まし
くは10〜30μmである。
【0022】第1および第2の接着性樹脂層は、紙また
は不織布と金属箔との接着一体化を可能とするために、
また化粧シートに適度の柔軟性を付与して施工時下地の
凹凸を吸収するために、また化粧シートに十分な可撓性
を与えて曲面部や角部の下地にも適合可能とするため
に、さらに金属箔の腐食防止のために、そしてまた金属
箔と一緒になって突板のあばれ、反りを抑えるために、
積層要素とされるものである。
【0023】本発明で用いる第1および第2の接着性樹
脂層は、同種であっても異種であっても、また各樹脂層
は単層であっても複層であってもよい。その厚さは、1
5〜100μm、好ましくは30〜50μmである。
【0024】前記樹脂層の例としては、ポリオレフィン
共重合体例えばポリエチレンコポリマー、エチレン−酢
酸アクリル共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸
共重合体、アイオノマー、ポリアミド樹脂等が挙げるこ
とができるが、これらに限定されず、広範囲にわたって
適用することができる。
【0025】そして本発明は、特徴的なことに、化粧シ
ート全体を難燃化、防燃化するために、難燃剤が配合さ
れた接着性樹脂層を積層要素とするものである。難燃剤
は、第1の接着性樹脂層もしくは第2の接着性樹脂層の
いずれか一方または第1および第2の接着性樹脂層の双
方に含有される。本発明で用いうる難燃剤には、三酸化
アンチモン、燐酸系、ハロゲン系のものが挙げられる。
【0026】また、本発明において、銘木単板として
は、各種の銘木より、例えば0.05ないし3.0mmの
厚さに、好ましくは0.10ないし0.4mmの厚さに、
切削加工された挽板または突板を適用することができ
る。銘木単板の木理は、特に限定されず、柾目、追柾、
板目またはこぶ杢など、いずれでもよい。
【0027】また、銘木単板の樹種も特には、限定され
ないが、好ましい樹種の例は、次の通りである。:檜、
楢、欅、桜、楡、黒柿、栃、桂、楓、槐、楠木等:ロー
ズウッド、チーク、マホガニー、コクタン(黒壇)、シ
タン(紫檀)、バーズアイメープル、アメリカンブラッ
クウォールナット、クラロウォールナット、ラテヌォー
ルナット、クィンスランドウォールナット、ゼブラウッ
ド、マンガシロ、ブラジリアンローズ、カリン(花
梨)、バーシモン、シルバーローズ、パルマ、レッドウ
ッド、パープルウッド、シルキーオーク、タイワンク
ス、チェリー、マグノリヤ、黒レオ(ダオ)、白レオ、
サベリ、ブビンカ、マコレ、マドローナー、ミルトル、
メープル、アッシン、インブイヤー等。
【0028】接着剤層は、銘木単板と紙または不織布と
を接着するために、積層要素とされる。単板と紙または
不織布との接着が比較的容易であるため、本発明におい
て使用される接着剤の種類は特に限定されないが、例え
ば、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)接着剤、酢酸ビ
ニル−アクリル共重合体接着剤、水性ビニルウレタン系
接着剤、またはアクリル系粘着剤などが有利に利用する
ことができる。
【0029】また、本発明における防燃性銘木化粧板
は、上述の各要素より成る防燃性銘木化粧シートを表面
材とし、これを厚肉の基材の上に貼着してなるものであ
るが、かかる基材としては、有利には、木質系の基材
(例えば、合板、MDF、パーティクルボードハニカム
ボード等)、無機質系の基材(例えば、石膏ボード、軽
カル板、石綿パーライト板等)または金属系の基材(例
えば、アルミニウム板、鉄板等)が適用される。
【0030】また、本発明の防燃性銘木化粧シートは、
難燃剤配合の段階と積層成形の段階との2段階より製造
することができる。前者の段階は、難燃剤を第1の接着
性樹脂もしくは第2の接着性樹脂のいずれか一方または
第1および第2の接着性樹脂の双方に添加する段階であ
る。また、後者の段階には、製造上有利な方法として次
の2通りの方法がある。
【0031】一の方法は、(a) まず、押出しラミネート
法に従い、紙または不織布;前記第1の接着性樹脂の
層;金属箔;前記第2の接着性樹脂の層;紙または不織
布よりなる積層体を成形し、次に、接着剤を該積層体の
上側の紙または不織布の上に塗布し、続いて、銘木単板
をその上にオーバーレイし、そしてこれら全体を熱圧接
着するという方法である。
【0032】また、別の方法は、(b) 一方で、押出しラ
ミネート法に従い、紙または不織布;前記第1の接着性
樹脂の層;金属箔;前記第2の接着性樹脂の層よりなる
積層体を成形し、また他方で、貼合わせにより、銘木単
板;接着剤層;紙または不織布よりなる単板裏打ちシー
トを製造し、そして、前記積層体と単板裏打ちシートと
を熱圧接着するという方法である。
【0033】そして、本発明の防燃性銘木化粧板は、さ
らに、上記の方法に従い製造された防燃性銘木化粧シー
トを木質系、無機質系または金属系基材の上に貼着する
という段階を経て製造される。
【0034】
【作用】本発明では、難燃剤を銘木化粧シート内の接着
性樹脂層の中に配合したので、化粧シート自体に難燃性
が付与されるだけでなく、その配合に伴う不都合、欠点
が生じなくなる。即ち、化粧シート表面の銘木単板を難
燃化処理する必要が無くなるので、従来その処理により
生じる場合があった単板の変色という問題が全く起きな
くなる。また、化粧シート内で単板直下の紙または不織
布等を難燃化処理する必要も無くなるので、従来その処
理によりみられた単板と紙等との間の接着性不良という
問題も生じなくなる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0036】実施例1 この実施例は、防燃性銘木化粧シートに関する。これ
は、図1に示すように、紙または不織布1(坪量30 g
/m2 の紙);第1の接着性樹脂層2(厚さ40μmのア
イオノマー層);金属箔3(厚さ15μmのアルミニウ
ム箔);第2の接着性樹脂層4(厚さ40μmのアイオ
ノマー層);紙または不織布5(坪量30g/m2
紙);接着剤層6(酢酸ビニルアクリル共重合体接着
剤);銘木単板7(厚さ0.24mmの楢突板)が最下層
より順に積層され、一体に圧着成形されてなる化粧シー
トである。
【0037】そして本実施例では、特徴的なことに、難
燃剤として三酸化アンチモンおよび臭素系難燃剤が第1
の接着性樹脂層2およびは第2の接着性樹脂層4の双方
に含有されている。
【0038】本実施例の化粧シートは、以下の手順に従
い、製造された。 難燃剤の配合 三酸化アンチモンおよび臭素系難燃剤を各々適量づつ、
アイオノマーの中に添加し、次いでロール練り等によっ
て均質になるまで十分に混和して、難燃剤の配合された
第1の接着性樹脂2および第2の接着性樹脂4の双方を
調製した。
【0039】積層成形 一のプロセスとして、図3に示すように、最初に押出し
ラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙1;前記アイ
オノマーよりなる第1の接着性樹脂層2(厚さ40μ
m);厚さ15μmのアルミニウム箔3;前記アイオノ
マーよりなる第2の接着性樹脂層4(厚さ40μm);
坪量30 g/m2 の紙5よりなる積層体10を成形し(図
3(A) )、次に酢酸ビニルアクリル共重合体接着剤6を
積層体10表面の紙5の上に適量塗布し(図3(B) )、
続いて厚さ0.24mmの楢突板7をその上にオーバーレ
イし(図3(C) )、そしてこれら全体を熱圧締すること
により、防燃性銘木化粧シートに仕上げた(図3(D)
)。
【0040】また、別の積層成形プロセスにより、本実
施例の化粧シートを製作した。図4に示すように、まず
一方で、押出しラミネート法に従い、坪量30 g/m2
紙1;前記アイオノマーよりなる第1の接着性樹脂層2
(厚さ40μm);厚さ15μmのアルミニウム箔3;
前記アイオノマーよりなる第2の接着性樹脂層4(厚さ
40μm)よりなる積層体11を成形し(図4(A) )、
また他方で、貼合わせにより( 110℃× 7kg/cm2× 3分
の条件による熱圧締)、厚さ0.24mmの楢突板7;酢
酸ビニルアクリル共重合体接着剤6;坪量30 g/m2
紙5よりなる単板裏打ちシート12を製造し(図4(B)
)、そして、積層体11と単板裏打ちシート12とを
ホット・コールド連続プレス機の中に入れ、これらを 1
25℃× 7kg/cm2×15分の条件で熱圧締し、続いて同じプ
レス圧を維持したまま、強制冷却により常温に降温する
まで圧締を続け(図4(C) )、その後、必要により、サ
ンドペーパー# 240を用いて突板7の表面を研磨し続い
てその表面にポリウレタン樹脂塗料(固形分塗布量 10
g/m2)を塗装することにより、防燃性銘木化粧シート8
を作り上げた(図4(C) )。
【0041】実施例2 この実施例は、防燃性銘木化粧板に関する。これは、図
2に示すように、実施例1の防燃性銘木化粧シート8が
木質系基材9(合板、MDF等)の上に貼着されてなる
化粧板である。
【0042】従って、本実施例では、特徴的なことに、
表面材たる化粧シートの内部層2、4に三酸化アンチモ
ンおよび臭素系難燃剤が配合されている。
【0043】この実施例の防燃性銘木化粧板は、図4
(D) に示すように、上記のプロセスに従い製造された防
燃性銘木化粧シート8を、木質系基材9の上に貼着する
ことにより、作り上げた。
【0044】実施例1の化粧シートも、実施例2の化粧
板も、高い難燃性を有し、満足な防火性能を発揮するも
のであった。このことは、次の試験例1および2の結果
からも確認することができた。
【0045】試験例1:化粧シートの表面燃焼試験 実施例1の防燃性銘木化粧シートについて、防火材料の
建設省告示および JISA 1321 に従い、表面燃焼試験を
行なった。試験に供する基材として、法定不燃材料の石
綿パーライト板(10mm厚)および法定準不燃材料の石
膏ボード(9mm厚)を採用し、そして各々その上に実施
例1の化粧シートを貼着して、試験体を作成した。各基
材につき2個の試験体を準備した。なお、化粧シートと
基材との貼着には、酢酸ビニルエマルジョン接着剤を塗
布量(固形分)40 g/m2 にて使用した。試験の結果を
次の表に示す。
【0046】
【表1】
【0047】この表より、化粧シートを不燃基材の上に
貼着した試験体も、またそれを準不燃基材の上に貼着し
た試験体も、準不燃の性能を有することがわかる。した
がって、実施例1の化粧シートは、準不燃の性能を発揮
する壁装材料であると認められる。
【0048】試験例2 :化粧シートの表面燃焼についての比較試験 各化粧シートについて、防火材料の建設省告示および J
IS A 1321 に従う表面燃焼試験を以下の通り行ない、そ
の防火性能を比較してみた。
【0049】次の積層構成をなす化粧シートA、Bおよ
びCを夫々、各シートにつき3枚づつ製作し、上記試験
に供することとした。 化粧シートA;(最上層)突板/接着剤層/紙/無処理
の接着性樹脂層/アルミニウム箔/無処理の接着性樹脂
層/紙(最下層) 化粧シートB;(最上層)突板/接着剤層/紙/難燃剤
含有の接着性樹脂層/アルミニウム箔/無処理の接着性
樹脂層/紙(最下層) 化粧シートC;(最上層)突板/接着剤層/紙/難燃剤
含有の接着性樹脂層/アルミニウム箔 /難燃剤含有の接着性樹脂層/紙(最下層)
【0050】上記各化粧シートに使用された材料は、次
の通りである。 突板:かば材 気乾重量 109 g/m2 表面塗装無
し 紙 :坪量30 g/m2 接着剤層:酢酸ビニル系接着剤 塗布量(固形
分) 20 g/m2 無処理の接着性樹脂層:難燃剤が添加されていないポリ
オレフィン共重合体接着性フィルム(40μ厚) アルミニウム箔: 厚さ 15μ 難燃剤含有の接着性樹脂層:三酸化アンチモンおよびブ
ロム系難燃剤が重量比で12%含有されているポリオレ
フィン共重合体接着性フィルム(40μ厚)
【0051】表面燃焼試験のための基材として、法定準
不燃材料の石膏ボード(9mm厚)を採用し、その上に上
記の化粧シートA、BおよびCを夫々貼着し、供試シー
トを各種類ごとに3個づつ作成した。なお、化粧シート
と基材との貼着には、酢酸ビニルエマルジョン接着剤を
塗布量(固形分)40 g/m2 にて使用した。試験の結果
を次の表に示す。
【0052】
【表2】 なお、準不燃の性能の規格値は、温度時間面積 tdθ<
100、発煙係数 CA<60、残炎時間=0である。
【0053】この表より、適量の難燃剤を接着性樹脂層
に含有することにより、化粧シートは、法定準不燃の性
能を発揮し、しかも上下2層の接着性樹脂層に含有すれ
ば、防火性能がますます向上することがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高い難燃性を有し、防火材料の不燃、準不燃の性能を発
揮することができ、その上、突板の変色による製品価値
の低下や、接着性の悪化による製造不良の発生などの欠
点、問題が起きない防燃性銘木化粧シートが提供され
る。
【0055】また、本発明によれば、かかる防燃性銘木
化粧シートの使用により、上記の防火効果等を奏する防
燃性銘木化粧板が提供される。
【0056】さらに、本発明の製造方法によれば、本発
明の防燃性銘木化粧シートおよび化粧板を確実にかつ生
産性高く製造することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の防燃性銘木化粧シートを示す
断面図である。
【図2】本発明の実施例の防燃性銘木化粧板を示す断面
図である。
【図3】図3(A) ないし図3(D) は、図1の防燃性銘木
化粧シートの製造工程を示す図である。
【図4】図4(A) ないし図4(D) は、図1の防燃性銘木
化粧シート並びに図2の防燃性銘木化粧板の製造工程を
示す図である。
【符号の説明】
1 紙または不織布 2 第1の接着性樹脂層 3 金属箔 4 第2の接着性樹脂層 5 紙または不織布 6 接着剤層 7 銘木単板 8 防燃性銘木化粧シート 9 木質系基材 10 積層体 11 積層体 12 単板裏打ちシート
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/18 B 6122−4F 31/30 7639−4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙または不織布;第1の接着性樹脂層;
    金属箔;第2の接着性樹脂層;紙または不織布;接着剤
    層;銘木単板が最下層より順に積層され、一体に圧着成
    形されてなる化粧シートであって、難燃剤が第1の接着
    性樹脂層もしくは第2の接着性樹脂層のいずれか一方ま
    たは第1および第2の接着性樹脂層の双方に含有されて
    いることを特徴とする防燃性銘木化粧シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防燃性銘木化粧シート
    が、木質系、無機質系または金属系基材の上に貼着され
    ていることを特徴とする防燃性銘木化粧板。
  3. 【請求項3】 難燃剤を第1の接着性樹脂もしくは第2
    の接着性樹脂のいずれか一方または第1および第2の接
    着性樹脂の双方に添加する段階と、(a) まず、押出しラ
    ミネート法に従い、紙または不織布;前記第1の接着性
    樹脂の層;金属箔;前記第2の接着性樹脂の層;紙また
    は不織布よりなる積層体を成形し、次に、接着剤を該積
    層体の上側の紙または不織布の上に塗布し、続いて、銘
    木単板をその上にオーバーレイし、そしてこれら全体を
    熱圧接着するか、または、(b) 一方で、押出しラミネー
    ト法に従い、紙または不織布;前記第1の接着性樹脂の
    層;金属箔;前記第2の接着性樹脂の層よりなる積層体
    を成形し、また他方で、貼合わせにより、銘木単板;接
    着剤層;紙または不織布よりなる単板裏打ちシートを製
    造し、そして、前記積層体と単板裏打ちシートとを熱圧
    接着する段階より成る、請求項1記載の防燃性銘木化粧
    シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、請求項3記載の方法に従い製造
    された防燃性銘木化粧シートを、木質系、無機質系また
    は金属系基材の上に貼着する段階より成る、請求項2記
    載の防燃性銘木化粧板の製造方法。
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