JPH0610304B2 - 低降伏比非調質鋼の製造方法 - Google Patents
低降伏比非調質鋼の製造方法Info
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- JPH0610304B2 JPH0610304B2 JP62055428A JP5542887A JPH0610304B2 JP H0610304 B2 JPH0610304 B2 JP H0610304B2 JP 62055428 A JP62055428 A JP 62055428A JP 5542887 A JP5542887 A JP 5542887A JP H0610304 B2 JPH0610304 B2 JP H0610304B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低降伏比非調質鋼の製造方法に関するものであ
る。
る。
(従来の技術) 近年造船、産業機械等の各分野にわたって、競争力向上
のため溶接施工の減少、曲げ加工性を代表として鋼材特
性の極限追求、溶接性の向上および鋼材コストの低減な
ど各種の要求が強まっている。このうち厚鋼板の曲げ加
工性改善のためには、70%未満の低降伏比を有する厚
鋼板の開発が必要である。また、建築、橋梁分野では構
造物の安定性向上のため降伏比の低下が望まれている。
のため溶接施工の減少、曲げ加工性を代表として鋼材特
性の極限追求、溶接性の向上および鋼材コストの低減な
ど各種の要求が強まっている。このうち厚鋼板の曲げ加
工性改善のためには、70%未満の低降伏比を有する厚
鋼板の開発が必要である。また、建築、橋梁分野では構
造物の安定性向上のため降伏比の低下が望まれている。
最近造船用、ラインパイプ用等を中心として母材低温靱
性、溶接性改善を狙いとした鋼板圧延後の加速冷却技術
を用いた強度50kgf/mm2以上の鋼材の開発が盛んであ
るが、曲げ加工性の良好な低降伏比鋼板の製造について
は検討されていない。
性、溶接性改善を狙いとした鋼板圧延後の加速冷却技術
を用いた強度50kgf/mm2以上の鋼材の開発が盛んであ
るが、曲げ加工性の良好な低降伏比鋼板の製造について
は検討されていない。
従来の制御圧延−制御冷却プロセスにおいては、低温靱
性向上のため熱間圧延で、できる限り細粒にすると共
に、オーステナイト一相域から加速冷却することが採用
されている。しかしながらこの方法によってもフェライ
トの細粒化と硬化及び一部パーライトのベーナイト化に
よって降伏点が上昇し、降伏比の上昇となって曲げ加工
性が低下する問題がある。
性向上のため熱間圧延で、できる限り細粒にすると共
に、オーステナイト一相域から加速冷却することが採用
されている。しかしながらこの方法によってもフェライ
トの細粒化と硬化及び一部パーライトのベーナイト化に
よって降伏点が上昇し、降伏比の上昇となって曲げ加工
性が低下する問題がある。
本発明者等の一部は特開昭59−211528号公報に
おいて、制御圧延−制御冷却プロセスを用いて降伏点を
低下させる方法について検討した結果、同じく細粒フェ
ライトで良好な低温靱性を得ながら、かつ低降伏点で低
降伏比を有する強度50kgf/mm2以上の鋼板の製造方法
を開発した。
おいて、制御圧延−制御冷却プロセスを用いて降伏点を
低下させる方法について検討した結果、同じく細粒フェ
ライトで良好な低温靱性を得ながら、かつ低降伏点で低
降伏比を有する強度50kgf/mm2以上の鋼板の製造方法
を開発した。
すなわち、900〜1200℃で加熱した後、Ar3以上
で30%以上の累積圧下を行ない細粒化を図った後、Ar
3以下まで空冷して軟い初析フェライトを適切に析出せ
しめ、その強制冷却を行なうと、軟い初析フェライトと
残部オーステナイトから得られるフェライト−パーライ
ト−ベーナイトの適切な混合によって得られる組織によ
り、引張強さおよび低温靱性の低下なく降伏点のみ低下
することを知見したものであった。
で30%以上の累積圧下を行ない細粒化を図った後、Ar
3以下まで空冷して軟い初析フェライトを適切に析出せ
しめ、その強制冷却を行なうと、軟い初析フェライトと
残部オーステナイトから得られるフェライト−パーライ
ト−ベーナイトの適切な混合によって得られる組織によ
り、引張強さおよび低温靱性の低下なく降伏点のみ低下
することを知見したものであった。
(発明が解決すべき問題点) しかし、その後のさらに低降伏比に対する要求に対し種
々検討した結果、900℃からAr3の温度範囲での30
%以上の累積圧下により、フェライト及び第2相の炭化
物が必要以上に細粒化、微細化する。低降伏比にするた
めには低降伏点で高引張強さである必要がある。そして
降伏点はフェライト部分で、引張強さは第2相の炭化物
(特に高炭素の島状マルテンサイト)で決まる。
々検討した結果、900℃からAr3の温度範囲での30
%以上の累積圧下により、フェライト及び第2相の炭化
物が必要以上に細粒化、微細化する。低降伏比にするた
めには低降伏点で高引張強さである必要がある。そして
降伏点はフェライト部分で、引張強さは第2相の炭化物
(特に高炭素の島状マルテンサイト)で決まる。
そのため、必要以上にフェライトが細粒化すると高降伏
点となると同時に、第2相の炭化物の微細化で、焼もど
しによる炭化物の分解が促進されるため低引張強さとな
る。その結果として高降伏比となる。
点となると同時に、第2相の炭化物の微細化で、焼もど
しによる炭化物の分解が促進されるため低引張強さとな
る。その結果として高降伏比となる。
(問題点を解決するための手段) 本発明はこのような要望を満たすべく、低降伏比を有す
る強度50kgf/mm2以上の鋼板の製造を可能としたもの
であり、その要旨とするところは、重量比にて、C:
0.03〜0.30%,Si:0.05〜0.60%,M
n:0.50〜2.5%,Al:0.005〜0.1%を含み、
残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を、900〜12
00℃で加熱し熱間圧延において900℃を超える温度
で圧延終了するかもしくは900℃〜Ar3間で圧延終了
する場合、900℃〜Ar3間では仕上板厚に対し30%
未満の累積圧下率とし、その後空冷して鋼板表面温度が
Ar3−20℃〜Ar3−80℃の間から、水量密度0.3m3
/m2・分以上で冷却開始し、鋼板温度が250℃以下に
なるまで冷却し、その後焼もどし熱処理を行うことを特
徴とする低降伏比非調質鋼の製造方法にある。
る強度50kgf/mm2以上の鋼板の製造を可能としたもの
であり、その要旨とするところは、重量比にて、C:
0.03〜0.30%,Si:0.05〜0.60%,M
n:0.50〜2.5%,Al:0.005〜0.1%を含み、
残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を、900〜12
00℃で加熱し熱間圧延において900℃を超える温度
で圧延終了するかもしくは900℃〜Ar3間で圧延終了
する場合、900℃〜Ar3間では仕上板厚に対し30%
未満の累積圧下率とし、その後空冷して鋼板表面温度が
Ar3−20℃〜Ar3−80℃の間から、水量密度0.3m3
/m2・分以上で冷却開始し、鋼板温度が250℃以下に
なるまで冷却し、その後焼もどし熱処理を行うことを特
徴とする低降伏比非調質鋼の製造方法にある。
第2発明は上記第1発明の成分に更に、Cu:2.0%以
下、Cr:1.0%以下、Mo:0.50以下、Nb:0.1%以
下、V:0.1%以下、Ti:0.15%以下からなる強度改
善元素群の一種又は二種以上含有せしめた。
下、Cr:1.0%以下、Mo:0.50以下、Nb:0.1%以
下、V:0.1%以下、Ti:0.15%以下からなる強度改
善元素群の一種又は二種以上含有せしめた。
また、第3発明は第1発明の成分に更にNi:4.0%以
下、Ca:0.01%以下からなる靱性改善元素群を一種又
は二種含有せしめた。
下、Ca:0.01%以下からなる靱性改善元素群を一種又
は二種含有せしめた。
また第4発明は第1発明の成分に更にCu:2.0%以
下、Cr:1.0%以下、Mo:0.50%以下、Nb:0.1%
以下、V:0.1%以下、Ti:0.15%以下からなる強度
改善元素群の一種又は二種以上と、Ni:4.0以下、C
a:0.01以下からなる靱性改善元素群を一種又は二種含
有せしめたことを特徴とする低降伏比非調質鋼の製造方
法。
下、Cr:1.0%以下、Mo:0.50%以下、Nb:0.1%
以下、V:0.1%以下、Ti:0.15%以下からなる強度
改善元素群の一種又は二種以上と、Ni:4.0以下、C
a:0.01以下からなる靱性改善元素群を一種又は二種含
有せしめたことを特徴とする低降伏比非調質鋼の製造方
法。
(作用) 本発明は主として900℃を超えると温度で圧延を行な
い、900℃以下の温度で圧延する場合には圧下量を低
く規制することによって、必要以上のフェライトの細粒
化および第2相の炭化物の微細化を押さえ、加えて冷却
停止温度を低くし、その後焼もどし処理を施すことによ
り、低降伏比を維持したまま低温靱性を向上できるもの
である。
い、900℃以下の温度で圧延する場合には圧下量を低
く規制することによって、必要以上のフェライトの細粒
化および第2相の炭化物の微細化を押さえ、加えて冷却
停止温度を低くし、その後焼もどし処理を施すことによ
り、低降伏比を維持したまま低温靱性を向上できるもの
である。
次に本発明における成分限定理由を述べる。
Cは強度確保のため0.03%以上は必要であるが、多
くなると鋼の靱性および溶接性を害するので含有量は
0.30%を上限とする。
くなると鋼の靱性および溶接性を害するので含有量は
0.30%を上限とする。
Siは脱酸のため0.05%以上は必要で添加されるが、
多くなると溶接性を損うので含有量は0.6%以下とす
る。
多くなると溶接性を損うので含有量は0.6%以下とす
る。
Mnは安価に強度をあげる元素として有用であり、強度確
保のため0.5%以上は必要であるが、多くなると溶接性
を損うので、含有量は2.5%以下とする。
保のため0.5%以上は必要であるが、多くなると溶接性
を損うので、含有量は2.5%以下とする。
Alは脱酸のため0.005%以上必要があるが、多くな
ると鋼中介在物が多くなりすぎ、鋼の性質を悪化させる
ため0.5%を上限とする。
ると鋼中介在物が多くなりすぎ、鋼の性質を悪化させる
ため0.5%を上限とする。
本発明は以上の元素を基本成分として含有した鋼を本発
明で限定する加熱−圧延−熱処理によって低降伏比と、
良好な低温靱性を確保するものであるが、鋼の要求特性
によって以下の元素を1種又は2種以上添加することが
できる。
明で限定する加熱−圧延−熱処理によって低降伏比と、
良好な低温靱性を確保するものであるが、鋼の要求特性
によって以下の元素を1種又は2種以上添加することが
できる。
Cu,Cr,Mo,Nb,V,Tiは強度を改善する均
等的作用を有し、一種又は二種以上添加されるが、各元
素の添加量は次のように制限する。
等的作用を有し、一種又は二種以上添加されるが、各元
素の添加量は次のように制限する。
Cuは2.0%を超えて添加しても強度の上昇代がほとん
どなくなるので、含有量の上限は2.0%とする。Crは
多くなると低温靱性、溶接性を阻害するため含有量は1.
0%を上限とする。Moは多くなると溶接性を阻害する
ため含有量は0.5%を上限とする。Nb,V,Tiは多
くなると溶接性を阻害するためそれぞれ上限を0.1%,
0.1%、0.15%とする。
どなくなるので、含有量の上限は2.0%とする。Crは
多くなると低温靱性、溶接性を阻害するため含有量は1.
0%を上限とする。Moは多くなると溶接性を阻害する
ため含有量は0.5%を上限とする。Nb,V,Tiは多
くなると溶接性を阻害するためそれぞれ上限を0.1%,
0.1%、0.15%とする。
Ni,Caは靱性を改善する均等的作用を有し一種又は
二種添加されるが、各元素の添加量は次のように制限す
る。
二種添加されるが、各元素の添加量は次のように制限す
る。
Niは高価な元素であるため含有量は4.0%を上限とす
る。Caは多くなると鋼中介在物を形成し、鋼の性質を
悪化させるため含有量は0.01%を上限とする。
る。Caは多くなると鋼中介在物を形成し、鋼の性質を
悪化させるため含有量は0.01%を上限とする。
次に本発明の重要な要件である加熱、圧延、冷却条件に
ついて述べる。
ついて述べる。
加熱温度はオーステナイト域で十分加熱できる温度とし
て下限を900℃とした。温度が高すぎるとオーステナ
イト粒が大きくなりすぎ、鋼の性質を劣化させるので1
200℃を加熱温度の上限とする。
て下限を900℃とした。温度が高すぎるとオーステナ
イト粒が大きくなりすぎ、鋼の性質を劣化させるので1
200℃を加熱温度の上限とする。
圧延については900℃を超える圧延と900℃以下で
の圧延に分けられるが、低降伏比鋼板が使用されるよう
な用途では、900℃を超える温度での制御圧延による
靱性向上で十分であり、900℃超での圧延完了が望ま
しい。むしろ900℃以下の制御圧延で累積圧下を30
%以上にすると、必要以上のフェライトの細粒化と第2
相の炭化物の微細化により高降伏比となる。そこで90
0℃〜Ar3間の累積圧下率は、仕上板厚に対して30%
以下とする。
の圧延に分けられるが、低降伏比鋼板が使用されるよう
な用途では、900℃を超える温度での制御圧延による
靱性向上で十分であり、900℃超での圧延完了が望ま
しい。むしろ900℃以下の制御圧延で累積圧下を30
%以上にすると、必要以上のフェライトの細粒化と第2
相の炭化物の微細化により高降伏比となる。そこで90
0℃〜Ar3間の累積圧下率は、仕上板厚に対して30%
以下とする。
次に圧延後加速冷却に先立って空冷を施こすが、該空冷
は圧延直後からAr3−20℃〜Ar3−80℃の間のいずれ
かの温度まで空冷することが好ましく、これによって軟
い初析フェライトの適量の析出を行なわしめるものであ
る。
は圧延直後からAr3−20℃〜Ar3−80℃の間のいずれ
かの温度まで空冷することが好ましく、これによって軟
い初析フェライトの適量の析出を行なわしめるものであ
る。
加速空冷開始温度の上限をAr3−20℃としたのは降伏
点を低くするためであり、下限をAr3−80℃としたの
は、これ以下の低い温度から冷却すると加速冷却の効果
がうすく引張強さが下がり、強度確保が困難なためであ
る。水量密度を0.3m3/m2・分以上としたのは、これ
以下では強度上昇が少ないためである。
点を低くするためであり、下限をAr3−80℃としたの
は、これ以下の低い温度から冷却すると加速冷却の効果
がうすく引張強さが下がり、強度確保が困難なためであ
る。水量密度を0.3m3/m2・分以上としたのは、これ
以下では強度上昇が少ないためである。
また加速冷却の冷却停止温度を250℃以下としたの
は、250℃を超える高温域で冷却停止し、その後焼も
どし熱処理を行うと強度が若干低下すると同時に、低温
靱性が劣化するからである。ここで水冷停止温度を35
0〜600℃とする方法を取らずに、250℃以下まで
水冷し、その後焼もどし熱処理を行う方法を採用したの
は、後者の方が前者に比べてより低温靱性が向上するか
らである。
は、250℃を超える高温域で冷却停止し、その後焼も
どし熱処理を行うと強度が若干低下すると同時に、低温
靱性が劣化するからである。ここで水冷停止温度を35
0〜600℃とする方法を取らずに、250℃以下まで
水冷し、その後焼もどし熱処理を行う方法を採用したの
は、後者の方が前者に比べてより低温靱性が向上するか
らである。
尚、焼もどし温度はAc1以下とする。
(実施例) 次に本発明の実施例を比較例とともに挙げる。
第1表に供試材の化学成分を示し、第2表に加熱、圧
延、冷却条件と得られた鋼板の機械的性質を示す。
延、冷却条件と得られた鋼板の機械的性質を示す。
鋼A、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Pは50
kgf/mm2級、鋼B、C、D、E、F、Q、R、S、T、
Uは60kgf/mm2級の強度をねらった成分系で、第2表
に示す如く鋼板No.A1、A2、B1、C1、D1、E
1、F1、G1、I1、J1、K1、L1、M1、N
1、O1、P1、Q1、R1、S1、T1、U1は本発
明実施例であり、それぞれ50kgf/mm2、60kgf/mm2
級鋼として充分な強度と良好な低温靱性を備え、本発明
のねらいとする低降伏比を達成している。
kgf/mm2級、鋼B、C、D、E、F、Q、R、S、T、
Uは60kgf/mm2級の強度をねらった成分系で、第2表
に示す如く鋼板No.A1、A2、B1、C1、D1、E
1、F1、G1、I1、J1、K1、L1、M1、N
1、O1、P1、Q1、R1、S1、T1、U1は本発
明実施例であり、それぞれ50kgf/mm2、60kgf/mm2
級鋼として充分な強度と良好な低温靱性を備え、本発明
のねらいとする低降伏比を達成している。
これに対し鋼板No.A3は加熱温度が高すぎるため低温
靱性が低下している。A4は900〜Ar3間の累積圧下
が高すぎフェライトが細粒化しすぎて高降伏点のため高
降伏比となっている。B2は強制冷却開始温度が高すぎ
た例であり降伏比が高い。B3は強制冷却終了温度が高
くなりすぎた例であり、強度が若干低く低温靱性が低
い。C2は強制冷却開始温度が低すぎた例で強度が低く
降伏比が高い。C3は水量密度が低い例であり、このた
め強度が低く降伏比が高くなっている。
靱性が低下している。A4は900〜Ar3間の累積圧下
が高すぎフェライトが細粒化しすぎて高降伏点のため高
降伏比となっている。B2は強制冷却開始温度が高すぎ
た例であり降伏比が高い。B3は強制冷却終了温度が高
くなりすぎた例であり、強度が若干低く低温靱性が低
い。C2は強制冷却開始温度が低すぎた例で強度が低く
降伏比が高い。C3は水量密度が低い例であり、このた
め強度が低く降伏比が高くなっている。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り、本発明は特別に高価な合金元
素を使用することなく50kgf/mm2以上の高強度を有
し、曲げ加工性の良い低降伏比厚鋼板を、強制圧延−制
御冷却法で安価に製造可能としたもので、産業上その効
果の大きい発明である。
素を使用することなく50kgf/mm2以上の高強度を有
し、曲げ加工性の良い低降伏比厚鋼板を、強制圧延−制
御冷却法で安価に製造可能としたもので、産業上その効
果の大きい発明である。
Claims (4)
- 【請求項1】重量比にて、 C:0.03〜0.30%、 Si:0.05〜0.60%、 Mn:0.50〜2.5%、 Al:0.005〜0.1% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を、
900〜1200℃で加熱し、熱間圧延において900℃を超える
温度で圧延終了するか、もしくは900℃〜Ar3間で圧
延終了する場合、900℃〜Ar3間では仕上板厚に対し3
0%未満の累積圧下率とし、その後空冷して鋼板表面温
度がAr3−20℃〜Ar3−80℃の間から水量密度0.3m
3/m2・分以上で冷却開始し、鋼板温度が250℃以下にな
るまで冷却し、その後焼もどし熱処理を行うことを特徴
とする低降伏比非調質鋼の製造方法。 - 【請求項2】重量比にて、 C:0.03〜0.30%、 Si:0.05〜0.60%、 Mn:0.50〜2.5%、 Al:0.005〜0.1% を含み更に Cu:2.0%以下、 Cr:1.0%以下、 Mo:0.50%以下、 Nb:0.1%以下、 V:0.1%以下、 Ti:0.15%以下 からなる強度改善元素群の一種又は二種以上含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼を、900〜1200℃
で加熱し、熱間圧延において900℃を超える温度で圧延
終了するか、もしくは900℃〜Ar3間で圧延終了する
場合、900℃〜Ar3間では仕上板厚に対し、30%未満
の累積圧下率とし、その後空冷して鋼板表面温度がAr
3−20℃〜Ar3−80℃の間から水量密度0.3m3/m2・
分以上で冷却開始し、鋼板温度が250℃以下になるまで
冷却し、その後焼もどし熱処理を行うことを特徴とする
低降伏比非調質鋼の製造方法。 - 【請求項3】重量比にて、 C:0.03〜0.30%、 Si:0.05〜0.60%、 Mn:0.50〜2.5%、 Al:0.005〜0.1% を含み更に、 Ni:4.0%以下、 Ca:0.01%以下 からなる靱性改善元素群の一種又は二種含有し、残部F
eおよび不可避不純物からなる鋼を、900〜1200℃で加
熱し、熱間圧延において900℃を超える温度で圧延終了
するか、もしくは900℃〜Ar3間で圧延終了する場
合、900℃〜Ar3間では仕上板厚に対し、30%未満の
累積圧下率とし、その後空冷して鋼板表面温度がAr3
−20℃〜Ar3−80℃の間から水量密度0.3m3/m2・分
以上で冷却開始し、鋼板温度が250℃以下になるまで冷
却し、その後焼もどし熱処理を行うことを特徴とする低
降伏比非調質鋼の製造方法。 - 【請求項4】重量比にて、 C:0.03〜0.30%、 Si:0.05〜0.60%、 Mn:0.50〜2.5%、 Al:0.005〜0.1% を含み更に、 Cu:2.0%以下、 Cr:1.0%以下、 Mo:0.50%以下、 Nb:0.1%以下、 V:0.1%以下、 Ti:0.15%以下 からなる強度改善元素群の一種又は二種以上と、 Ni:4.0%以下、 Ca:0.01%以下 からなる靱性改善元素群の一種又は二種含有し、残部F
eおよび不可避不純物からなる鋼を、900〜1200℃で加
熱し、熱間圧延において900℃を超える温度で圧延終了
するか、もしくは900℃〜Ar3間で圧延終了する場
合、900℃〜Ar3間では仕上板厚に対し、30%未満の
累積圧下率とし、その後空冷して鋼板表面温度がAr3
−20℃〜Ar3−80℃の間から水量密度0.3m3/m2・分
以上で冷却開始し、鋼板温度が250℃以下になるまで冷
却し、その後焼もどし熱処理を行うことを特徴とする低
降伏比非調質鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62055428A JPH0610304B2 (ja) | 1987-03-12 | 1987-03-12 | 低降伏比非調質鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62055428A JPH0610304B2 (ja) | 1987-03-12 | 1987-03-12 | 低降伏比非調質鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63223123A JPS63223123A (ja) | 1988-09-16 |
JPH0610304B2 true JPH0610304B2 (ja) | 1994-02-09 |
Family
ID=12998309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62055428A Expired - Lifetime JPH0610304B2 (ja) | 1987-03-12 | 1987-03-12 | 低降伏比非調質鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0610304B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH036322A (ja) * | 1989-06-02 | 1991-01-11 | Nippon Steel Corp | 600°cにおける耐火性の優れた建築用低降伏比鋼材及びその製造方法並びにその鋼材を用いた建築用鋼材料 |
CN102345074A (zh) * | 2011-10-19 | 2012-02-08 | 武汉钢铁(集团)公司 | 中碳高速切割锯片基体钢及其制造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS583011B2 (ja) * | 1978-11-30 | 1983-01-19 | 住友金属工業株式会社 | 直接焼入れ焼もどしによる強度・靭性の安定した鋼板の製造法 |
JPS5597425A (en) * | 1979-01-19 | 1980-07-24 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Preparation of high-tensile steel with low yield ratio, low carbon and low alloy |
JPS5810442A (ja) * | 1981-07-06 | 1983-01-21 | Ryoji Honma | フライス盤の自動サイクル化の方法 |
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-
1987
- 1987-03-12 JP JP62055428A patent/JPH0610304B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPS63223123A (ja) | 1988-09-16 |
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