JPH06102816B2 - 加工性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷延鋼板とその製造方法 - Google Patents

加工性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷延鋼板とその製造方法

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JPH06102816B2
JPH06102816B2 JP2076705A JP7670590A JPH06102816B2 JP H06102816 B2 JPH06102816 B2 JP H06102816B2 JP 2076705 A JP2076705 A JP 2076705A JP 7670590 A JP7670590 A JP 7670590A JP H06102816 B2 JPH06102816 B2 JP H06102816B2
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岡田  進
佐藤  進
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動車用外板などのごとく優れた深絞り性
をそなえるとともに、加工を終えた成品について高い塑
性変形抵抗が求められる冷延鋼板に関し、特に加工時に
おける優れた成形性を、常温保存等における耐時効性並
びに高い焼付け硬化性(BH性)とともに兼ね備えた冷延
鋼板とその製造方法に関するもである。
(従来の技術) 自動車等の外板に用いるプレス成形品においては、物理
的力による外傷は大敵であり、このような成品の製造業
は、できれば外傷の生じにくい鋼板の使用を望むもので
ある。かような外板において、例えば衝突によるへこみ
傷のつきにくさは耐デント性と呼ばれているが、かかる
特性は一般に鋼板の降伏応力を上げることによって得る
ことができる。
しかし一方プレス加工に際しては、加工時に要するエネ
ルギー及び形状の正確さの観点から、鋼板の低降伏応力
化が望まれている。
このように相反する要求に対応する鋼板として、通常10
0〜200℃程度の高温保持工程を含む塗装処理を加工後に
施す際に、降伏応力が上昇するBH(Bake Hardening)鋼
板がある。この鋼板は、通常固溶C又は固溶N、特に固
溶Cを鋼中に存在させて、塗装焼付け中の高温によって
加工で生じた可動転位へかかる固溶C等が拡散して可動
転位のモビリティを低下させることを利用して硬化させ
るものである。
上記の硬化機構の問題点は、加工前に既に一部の転位が
固溶成分により固定されることから、加工に際して降伏
点伸びによるストレッチャーストレインと呼ばれる波状
の表面欠陥を生じることである。現在では、焼鈍後の調
質圧延と呼ばれる形状矯正のための極軽圧下冷間圧延を
利用して、可動転位を固溶成分から引き離し、かつ表面
に歪集中部を生じさせてこの歪集中部に固溶C等をトラ
ップさせて可動転位への拡散を防ぐことにより、このよ
うな不都合の防止を図っている。
かかる手段は短期的には有効であるが、時効硬化現象の
進行自体を完全に抑えるものではなく、特にBH量が下降
伏点で3kgf/mm2以上の高BH鋼板の場合に顕著であるが、
加工前でも長期間の室温保存又は表面処理ライン等にお
ける最高550℃程度の高温処理などで再び固溶C等が可
動転位に容易に拡散してしまう。したがってこれらの鋼
板の使用条件は限られたものになってしまうのが現状で
ある。
常温での時効を抑制し、かつBH性を得る手段としては、
焼鈍における急冷処理(特公昭61−10014号公報)、炭
窒化物形成成分によるCの一部固定(特公昭61−9368号
公報、特開昭61−281852号公報)等が提案されている
が、いずれも固溶Cを微妙なバランスで制御するため
に、高いBH量を得ることが困難な上、成分や工程条件の
変動で容易に非時効性とBH性との両立が失われるという
問題があった。
これに対し発明者らを含む出願人は既に特公昭61−1200
8号公報などで全く新しい方式の非時効・高BH型鋼板を
提案している。すなわち、Nb,Bを共同添加した極低炭素
鋼板をAc1変態点以上のα相−γ相共存温度域まで加熱
し急冷すると、アシキュラーフェライト+フェライトの
2相組織となる。この組織は固溶Cを含み高いBH性を有
するが、歪の大きい、言い換えれば転位の密集したアシ
キュラーフェライトにほとんどの固溶Cがトラップされ
ているため、焼鈍後も降伏点伸びをほとんど有しないし
常温時効も起こしにくい。
しかしながらこのタイプの非時効・高BH型鋼板において
は、従来の非時効・非BH型の軟質鋼板に比べると加工
性、特に伸び値が劣るものであった。しかも発明者らの
調査によると、r値が見掛け上同一であっても、実際の
深絞り加工においては、非BH型鋼板ほど加工できない例
が見られた。さらに焼鈍温度の上昇とともに加工性が劣
化する傾向があり、ベストの加工性とベストの非時効性
との両立が困難であった。
(発明が解決しようとする課題) この発明の目的とするところは、自動車用外板などに用
いる冷延鋼板において、高い焼付け硬化性(BH性)と、
加工前の常温長期間保存並びに加工を含まない再結晶温
度以下の昇温などに対する耐時効性(以下この明細書で
常温非時効性という)とを兼ね備えながら、加工性にお
いても非時効・非BH型の軟質深絞り用鋼板に比肩し得
る、冷延鋼板とその製造方法とを提案することにある。
(課題を解決するための手段) この発明は、C:0.01wt%(以下単に%で示す)以下、S
i:0.1%以下、Al:0.5%以下及びN:0.02%以下を含み、
かつMn:0.01〜2.0%及びCr:0.005〜5%の1種又は2種
を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
の組成になり、フェライト及び粒径30μm以下で総体積
率5%以下のアシキュラーフェライトの組織になり、降
伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
延鋼板(第1発明)、及び C:0.01%以下、Si:0.1%以下、Al:0.5%以下及びN:0.02
%以下を含み、かつMn:0.01〜2.0%及びCr:0.005〜5%
の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
からなる鋼素材に、熱間圧延、次いで冷間圧延を施した
後、Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で
連続焼鈍し、引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した
後、圧下率0.8%以上の調質圧延を施すことを特徴とす
る、加工性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複
合組織冷延鋼板の製造方法(第2発明)、及び、 C:0.01%以下、Si:0.1%以下、Ti:0.005〜0.05%、Al:
0.5%以下、N:0.02%以下及びS:0.05%以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(%) を満足する条件で含み、かつMn:0.01〜2.0%及びCr:0.0
05〜5%の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
の組成になり、フェライト及び粒径30μm以下で総体積
率5%以下のアシキュラーフェライトの組織になり、降
伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
延鋼板(第3発明)、及び、 C:0.01%以下、Si:0.1%以下、Ti:0.005〜0.05%、Al:
0.5%以下、N:0.02%以下及びS:0.05%以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(%) を満足する条件で含み、かつMn:0.01〜2.0%及びCr:0.0
05〜5%の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
からなる鋼素材に、熱間圧延、次いで冷間圧延を施した
後、Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で
連続焼鈍し、引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した
後、圧下率0.8%以上の調質圧延を施すことを特徴とす
る、加工性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複
合組織冷延鋼板の製造方法(第4発明)、及び、 C:0.01%以下、Si:0.1%以下、P:0.03〜0.15%、Al:0.5
%以下及びN:0.02%以下を含み、かつMn:0.01〜2.0%及
びCr:0.005〜5%の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
の組成になり、フェライト及び粒径30μm以下で総体積
率5%以下のアシキュラーフェライトの組織になり、降
伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
延鋼板(第5発明)及び、 C:0.01%以下、Si:0.1%以下、P:0.03〜0.15%、Al:0.5
%以下及びN:0.02%以下を含み、かつMn:0.01〜2.0%及
びCr:0.005〜5%の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
からなる鋼素材に、熱間圧延、次いで冷間圧延を施した
後、Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で
連続焼鈍し、引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した
後、圧下率0.8%以上の調質圧延を施すことを特徴とす
る、加工性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複
合組織冷延鋼板の製造方法(第6発明)、及び、 C:0.01%以下、Si:0.1%以下、Ti:0.005〜0.05%、P:0.
03〜0.15%、Al:0.5%以下、N:0.02%以下及びS:0.05%
以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(%) を満足する条件で含み、かつMn:0.01〜2.0%及びCr:0.0
05〜5%の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
の組成になり、フェライト及び粒径30μm以下で総体積
率5%以下のアシキュラーフェライトの組織になり、降
伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
延鋼板(第7発明)、及び、 C:0.01%以下、Si:0.1%以下、Ti:0.005〜0.05%、P:0.
03〜0.15%、Al:0.5%以下、N:0.02%以下及びS:0.05%
以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(%) を満足する条件で含み、かつMn:0.01〜2.0%及びCr:0.0
05〜5%の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(%) を満足する条件で含有し、さらにNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
からなる鋼素材に、熱間圧延、次いで冷間圧延を施した
後、Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で
連続焼鈍し、引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した
後、圧下率0.8%以上の調質圧延を施すことを特徴とす
る、加工性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複
合組織冷延鋼板の製造方法(第8発明)である。
(作用) 従来の常識では、第2相粒内及び/又は粒界に集中した
歪による時効の抑制は、第2相が少なくとも全体の10%
程度にならなければ有効に作用するものではなかった。
このことはアシキュラーフェライトを第2相とする鋼板
においても同様であった。
しかしながら発明者らは、アシキュラーフェライトを第
2相とする鋼板において、外部から付加的に歪集中を補
強して降伏点伸びを0.5%以下とした場合には、第2相
の分率がこれより低くても時効抑制効果を有することを
発見した。
以下、この発明の基礎となった実験について述べる。
C:0.0030%、Si:0.01%、Mn:0.61%、P:0.015%、S:0.0
07%、Al:0.059%、N:0.0025%、Nb:0.012%及びB:0.00
13%の組成になる鋼に、連続鋳造−熱間圧延−冷間圧延
−連続焼鈍の工程を、焼鈍温度を変化させて施し、板厚
0.8mmの冷延鋼板とした。ここでスラブ加熱温度は1250
℃、Ar3変態点850℃に対して熱延終了温度は880℃、熱
延板板厚は3.2mm、熱延巻取温度は、620℃とした。冷間
圧延は、0.8mmまで圧下した。冷間圧延後の体積膨張率
測定(昇温速度1℃/s)によるAc1変態点は910℃であっ
た。焼鈍温度は、810〜950℃(均熱5秒)の種々の温度
とし、引き続く冷却速度は、25℃/sとした。
かくして得られた鋼板のBH量は、5.0〜5.5kgf/mm2であ
った。ここでBH量については、公称歪2%予歪時の公称
応力と、予歪後170℃、20分の時効処理を施した後の下
降伏点応力(公称)の差を採った。
上記の各冷延鋼板に1.2%の調質圧延を施し、調質圧延
前後での各鋼板の、焼鈍温度の変化に対する第2相体積
率、伸び値、常温非時効性(降伏点伸び)の変化を第1
図に示す。
同図では、調質圧延なしで十分な常温非時効性が得られ
るためには、第2相体積率10%以上が必要であるが、調
質圧延(1.2%)を施すと、第2相体積率が10%未満の
5%以下でも促進時効処理(100℃、10時間時効;30℃、
6か月の炭素時効に相当する)に対しても常温非時効と
なる。この領域では、伸び値も良好でしかも時効劣化し
ない。
このように第2相体積率が5%以下となる熱処理(焼
鈍)温度は、熱膨張測定によるAc1変態点より低温であ
る。この温度域では、アシキュラーフェライトはフェラ
イト粒界、特に3重点に微小な粒として観察されるだけ
である。したがって粒界部にMnが偏析して、この部分だ
け焼鈍時にフェライト母相の変態温度より低温でγ相に
変態したものと考えられる。
なお母相の変態点直上で常温非時効性が劣化する条件が
あるが、これは母相の変態の開始によって粒径が急激に
粗大化し、調質圧延による歪集中を妨げたものと考えら
れる。
さて上記のごとくフェライト中に微粒のアシキュラーフ
ェライトを総体積率で5%以下含む鋼板は、加工性につ
いても優れることが見出された。第1図に示すように、
伸び値はフェライト相変態点以上で焼鈍した場合よりも
良好である。またr値についても同様であるが、なおか
つr値に対する実際の加工性も良好である。
第2図に、3種の冷延鋼板、すなわちこの発明になるフ
ェライト+微粒アシキュラーフェライト型鋼板(C:0.00
32〜0.0036%、Si:0.01%、Mn:0.40〜0.42%、Cr:0.08
%、P:0.020%、S:0.010%、Al:0.06%、N:0.0026〜0.0
027%、Nb:0.015〜0.025%、B:0.0012%、スラブ加熱温
度:1200℃、Ar3変態点:830℃、熱延終了温度:850℃、熱
延板板厚:3.5mm、熱延板巻取温度:600℃、冷延板板厚:
0.8mm、Ac1変態点:890℃、焼鈍温度:870℃、均熱時間:1
0秒、冷却速度:20℃/s、調質圧延圧下率:1.2%;非時効
・高BH型)、従来のフェライト+粗粒アシキュラーフェ
ライト型鋼板(C:0.0030〜0.0033%、Si:0.01%、Mn:0.
40%、P:0.018%、S:0.010%、Al:0.05%、N:0.0024〜
0.0028%、Nb:0.015〜0.025%、B:0.0013%、スラブ加
熱温度:1200℃、Ar3変態点:860℃、熱延終了温度:890
℃、熱延板板厚:3.5mm、熱延板巻取温度:500℃、冷延板
板厚:0.8mm、Ac1変態点:910℃、焼鈍温度:940℃、均熱
時間:5秒、冷却速度:20℃/s、調質圧延圧下率:0.5%;
非時効・高BH型)及び通常のフェライト単相型鋼板(C:
0.0022〜0.0026%、Si:0.01〜0.03%、Mn:0.08〜0.12
%、P:0.008%〜0.012%、S:0.005〜0.015%、Al:0.03
%〜0.05%、N:0.0020〜0.0028%、Nb:0.015〜0.020
%、スラブ加熱温度:1200〜1250℃、Ar3変態点:870℃、
熱延終了温度:880〜900℃、熱延板板厚:3.5mm、熱延板
巻取温度:580〜660℃、冷延板板厚:0.8mm、Ac1変態点:9
30℃、焼鈍温度:830〜880℃、均熱時間:0〜20秒、冷却
速度:15〜30℃/s、;非時効・非BH型)について、r値
及びL.D.R(限界絞り比)試験(しわ押え力:700kgf)値
について調べた結果を示す。ここで各鋼板のT.S.(引張
強度)レベルは、29〜31kgf/mm2に揃えてある。
第2図において、従来のフェライト+粗粒アシキュラー
フェライト型鋼板は、フェライト単相型鋼板と同じr値
でも実際に絞り加工を加えると絞り比が若干低い。これ
は強加工が加わると硬質の第2相がフェライト粒の変形
を拘束して結晶方位による塑性変形の異方性を減じるた
めと考えられる。しかしながら第2相が微細粒でしかも
その体積率が低いと、フェライト粒の塑性変形の異方性
を拘束することなく加工されるために、通常のフェライ
ト単相型鋼板と同様の絞り比が得られている。
発明者らは、以上の知見に基づきさらに研究を行って、
優れた加工性と常温非時効性を有する高BH鋼板を得るた
めに必要な条件を見出した。
まず第2相(アシキュラーフェライト)の粒径は、30μ
m以下とする必要がある。これを超える粒径を有する場
合には、加工性に悪影響を及ぼす。またその体積率は、
加工性、常温非時効性を確保するために既に述べたよう
に5%以下が必要である。発明者らの実験では、少しで
も第2相が観察される場合には常温非時効性を有した
が、この際確認できた第2相体積率の最小値は、0.1%
であった。
また上記のごとき粒径分布を得るためには、微細第2相
の生成機構上Mnの存在が重要であるが、発明者らはCrに
おいても同様の粒界偏析・γ相生成促進効果を有するこ
とを見出した。具体的には、Mn及び/又はCrを Mn+Cr×2≧0.2% を満足させて含むことが微細γ相を焼鈍加熱時に生じさ
せるうえでの必要条件である。さらにこのγ相を冷却時
にアシキュラーフェライトとするためには、Nb及び/又
はBを Nb+B×10≧0.02% を満足させて含有させて、γ→α変態を低温側に遅らせ
る必要がある。
また上記第2相分布を有する鋼板においても、初期の降
伏点伸びが0.5%を超える場合には、促進時効による降
伏点伸びの増加がわずかながら認められるので、常温非
時効性の確保には、降伏点伸びを0.5%以下としておく
必要がある。
以下各成分組成範囲の限定理由を述べる。
C:Cは、BH性を付与するうえで重要な成分であるが、0.0
1%を超えるとこの発明の方法をもってしても常温非時
効性の維持は困難になる。またC量は低いほど材質に有
利であり、0.01%を超えると良好な加工性が得られなく
なる。したがってC量は0.01%以下とする。なお高いBH
性を得るためにはC量は0.0005%以上あることが望まし
く、特に後述のように強力な炭化物形成成分であるTiを
添加する場合には、固溶C量が0.0005%以上は必須であ
る。
Si:Siは、鋼板強度増のために若干の含有を妨げるもの
ではないが、0.1%より多く存在すると、鋼板の伸びお
よび絞り性を劣化させるので0.1%以下とする。
Al:Alは、主に製鋼時の脱酸のために鋼中に添加する。
またAlは、NをAlNとして固定しBN形成によるB歩留ま
りの低下を防ぐ効果を有するので、0.005%以上含有さ
せることが望ましい。しかし0.5%を超えるAl添加は表
面性状に悪影響を及ぼすので0.5%以下に抑えなければ
ならない。好ましくは0.1%以下が良い。
N:Nは、深絞り性を劣化させるうえ、Alで固定しないと
Bと結合し、Bの添加効果を大幅に低下させるのでその
量が多いほどAlの必要量が増加し不経済である。また固
溶Nは常温時効性が元々高いので、この発明では焼付け
効果成分には用いない。したがってN量はできる限り低
めに抑えるのが望ましいが、工程の経済性から許容量を
0.02%以下とする。好ましくはN量は0.005%以下に抑
えるのがよい。
Mn、Cr:すでに述べた理由により、Mn+Cr×2≧0.2%の
添加が必要である。またMn、Crとも深絞り性を劣化させ
ずに鋼板全体の変態温度を下げることのできる成分であ
り、また鋼板強度を上げることにも有効である。しかし
Mnの0.01%未満の添加又はCrの0.005%未満の添加で
は、変態温度の低下にも鋼板強度の増加にもほとんど寄
与が見られない。一方Mnの2.0%を超える添加又はCrの
5%を超える過剰な添加は、鋼板の伸び及び絞り性と強
度とのバランスを劣化させる。さらにMnの2%を超える
添加は、溶鋼中での吸熱反応を増大させ、溶鋼温度の低
下により真空脱ガス処理を不可能にしてしまうおそれが
ある。また5.0%を超えるCrの過剰な添加は、鋼板表面
の化成処理性を悪化させる。したがってMn:0.01〜2.0
%、Cr:0.005〜5%の1種又は2種を、Mn+Cr×2≧0.
2%を満足させて含有することが必要である。
Nb、B:Nb、Bは、前述のようにそれぞれ単独で又は共存
にて冷却時のγ→α変態を低温側に遅らせ、アシキュラ
ーフェライト+フェライト2相組織化を促進させる。ま
た集合組織においても顕著な(111)方位の集積を生じ
させ、加工性(特にr値)を上げる効果を有する。ここ
でNb+B×10が0.02%未満では、2相組織化及び集合組
織改善が不十分であり、一方Nb量が0.1%を超える添加
又はB量が0.01%を超える添加は、添加効果が飽和する
のみならず伸びの著しい劣化を招き強度一加工性バラン
スを低下させる。またB量の0.0005%に満たない添加
は、共同添加の効果に貢献しないので、わざわざBを添
加する意義が全くない。Nbの0.005%に満たない添加に
ついても同様である。したがってNb:0.005〜0.1%及び
B:0.0005〜0.01%の1種または2種を、Nb+B×10≧0.
02%を満足させて含有させる必要がある。
Ti、S:この発明において鋼中一般成分としてのSについ
ては特に規定する必要がないが、加工用鋼板としてのコ
ストに見合った範囲で低減することが望ましく、0.05%
以下にすることが好ましい。またTi添加の場合には有効
Ti量を考慮するうえでS添加量は重要な意味を持つ。
この発明においては加工性の改善、B歩留まりの向上の
ためにTiを添加してもよい。Tiの効果を出すためには0.
005%以上の添加が必要であるが、0.05%を超える添加
は添加効果の点で不経済であるばかりでなく、変態点の
上昇による生産上のコスト増も招く。またBH性の確保の
ためには固溶C量を0.0005%以上確保することが必要で
あり、有効Ti(TiN,TiS形成分を除いたTi)に関して、
C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(%)を満
たさなければならない。またTi添加の場合は、Ti歩留ま
り低下を防ぐためにSは0.05%以下とする。したがって
Tiの添加の際の条件は、Ti:0.005〜0.05%でかつ C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(%)と
し、さらにS:0.05%以下とする。
P:鋼中一般成分としてのPについては、特に規定する必
要がないが、軟質を要求される用途には0.05%以下とす
ることが好ましい。また鋼板強化成分としては0.15%以
下の添加ならばこの発明の効果を損なうものではない。
一方Pの鋼板強化の効果は、0.03%以上添加しないとほ
とんど表れないので、鋼板強化を目的としてPを添加す
る場合にはP量を0.03%〜0.15%とする必要がある。
次にこの発明の鋼板製造条件の限定理由を以下に述べ
る。
まず製鋼については常法に従って行えばよく、特にこの
発明ではそれらの条件の限定は必要としないが、コスト
及び品質の点で連続鋳造法を用いることが望ましい。
熱間圧延についても常法で構わないが、焼鈍時に微細γ
粒を生じるべく粒界にMn及び/又はCrを十分濃化させる
ためには、熱間圧延後の巻取り温度を550℃以上とする
ことが好ましい。
冷間圧延についても常法に従って行えばよいが、再結晶
による加工性獲得のためには60%以上の冷延圧下率が望
ましい。
冷間圧延後の焼鈍は、箱焼鈍法では2相組織化に不十分
なので、連続焼鈍法を採用する。また焼鈍温度は、この
発明で所期する微細第2相組織を得るために、第1図か
ら明らかな如く第1相であるフェライト相のAc1変態点
未満の温度で行う。焼鈍温度の下限は、第2相の元とな
るγ相(オーステナイト相)が出現する温度であればよ
いが、フェライト相のAc1変態点未満−50℃より高温と
することにより安定して第2相を得ることができる。な
お通常の焼鈍よりは高温の焼鈍となるのでフェライト粒
が成長しやすく、前記温度で15秒を超えて均熱すると、
粒界面積の減少及び歪集中の低下により常温非時効性が
劣化するおそれがある。したがって焼鈍均熱時間は15秒
以下が好ましい。
焼鈍に引き続く冷却においては、冷却時にγ相に少なく
とも一部をアシキュラーフェライトとするため、冷却速
度を10℃/s以上とする必要がある。一方加工性の観点か
らは冷却速度は80℃/s以下とすることが好ましい。
かくして得られた微細アシキュラーフェライト+フェラ
イト2相組織鋼板においては、すでに述べたように鋼板
内部の歪集中を強化する必要があるが、この方法として
は調質圧延が最も適している。この場合、調質圧延の圧
下率は、歪集中を強化して優れた非時効性を得るために
0.8%以上が必要であり、1%以上が好ましい。なお5
%を超える圧下率では、材質劣化が大きくなるので避け
ることが望ましい。
なおこの発明の冷延鋼板は、めっき鋼板への適用も可能
であり、とくにめっき工程で時効を生じやすい溶融金属
めっき鋼板の母板として最適である。
(実施例) 実施例1 表1に示す種々の成分組成になる鋼を準備した。
これらの供試鋼を連続鋳造にて製造し、粗圧延(圧下率
88%)、仕上げ圧延(圧下率88%)を経て板厚3.5mmの
ホットコイルとし、その後0.8mmまで冷間圧延を行っ
た。その後酸洗し、連続焼鈍及び調質圧延を施した。各
工程の主要条件及び得られた鋼板の光顕調査による第2
相(アシキュラーフェライト相)の最大粒径及び体積分
率を表2に示す。
かくして得られた冷延鋼板の加工性、BH性及び時効特性
を表3に示す。なおBH量は、第3図に示す下降伏点値を
とった。
表3から明らかなように本発明例は、いずれも高いBH値
と優れた常温非時効性を示すのみならず、伸び・強度バ
ランス(表3中T.S+E1で示す)及びr値において優れ
た加工性を有することがわかる。
一方成分がこの発明に適合しない比較例NO.10〜13及び
工程条件がこの発明に適合しない比較例NO.1B,1C,1D,1
G,1Hは、いずれも良好な第2相分布が得られないか又は
第2相が全く得られないために本発明例に比してBH性又
は常温非時効性に劣る上、加工性で劣るものが多い。
また比較例1E,1Fは、促進時効処理前にすでに降伏点伸
びが高く、問題外である。
実施例2 実施例1の本発明例1A及び3を溶融亜鉛めっきラインに
通板した。めっきのラインの均熱サイクルは550℃、20
秒であった。
めっき後の鋼板1Aの材質は、Y.S.:16.5kgf/mm2、T.S.:3
0.2kgf/mm2、伸び値56.2%、r値2.50、BH量5.0kgf/m
m2、降伏点伸び0.0%であった。また鋼板3もY.S.:19.8
kgf/mm2、T.S.:35.4kgf/mm2、伸び値52.0%、r値2.4
1、BH量5.0kgf/mm2、降伏点伸び0.0%であった。いずれ
も加工性はめっき処理前とほとんどかわらず、優れた高
BH性及び常温非時効性もそのままであった。
(発明の効果) この発明によって、軟質加工用鋼板並みの優れた加工性
を高BH性及び常温非時効性とともに兼ね備えた鋼板の工
業的な安全生産が可能となった。かかる鋼板は特に外板
加工用鋼板として好適であり、従来の加工用BH鋼板が時
効性ゆえに使用できなかった条件下での用途、例えば常
に在庫を確保するために必要な長期の保存向け、長期の
船旅を要する輸出向け、500℃程度の高温をくぐらす合
金化めっきの原板向け等の適用の道を開くものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、鋼板の加工性及び常温非時効性に及ぼす第2
相アシキュラーフェライト量及び焼鈍温度の影響を示す
グラフ、 第2図は、本発明鋼及び従来の、r値と限界絞り比との
関係を示すグラフ、 第3図は、焼付け硬化性(BH性)の測定方法を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−199054(JP,A) 特開 昭59−38337(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 Al:0.5wt%以下及び N:0.02wt%以下 を含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    の組成になり、 フェライト及び粒径30μm以下で総体積率5%以下のア
    シキュラーフェライトの組織になり、 降伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
    性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
    延鋼板。
  2. 【請求項2】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 Al:0.5wt%以下及び N:0.02wt%以下 を含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    からなる鋼素材に、 熱間圧延、次いで冷間圧延を施した後、 Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で連続
    焼鈍し、 引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した後、 圧下率0.8%以上の調質圧延を施す ことを特徴とする、加工性、常温非時効性及び焼付け硬
    化性に優れる複合組織冷延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 Ti:0.005〜0.05wt%、 Al:0.5wt%以下、 N:0.02wt%以下及び S:0.05wt%以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(wt%) を満足する条件で含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    の組成になり、 フェライト及び粒径30μm以下で総体積率5%以下のア
    シキュラーフライトの組織になり、降伏点伸びが0.5%
    以下であることを特徴とする、加工性、常温非時効性及
    び焼付け硬化性に優れる複合組織冷延鋼板。
  4. 【請求項4】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 Ti:0.005〜0.05wt%、 Al:0.5wt%以下、 N:0.02wt%以下及び S:0.05wt%以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(wt%) を満足する条件で含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    からなる鋼素材に、 熱間圧延、次いで冷間圧延を施した後、 Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で連続
    焼鈍し、 引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した後、 圧下率0.8%以上の調質圧延を施す ことを特徴とする、加工性、常温非時効性及び焼付け硬
    化性に優れる複合組織冷延鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 P:0.03〜0.15wt%、 Al:0.5wt%以下及び N:0.02wt%以下 を含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    の組織になり、 フェライト及び粒径30μm以下で総体積率5%以下のア
    シキュラーフェライトの組織になり、 降伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
    性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
    延鋼板。
  6. 【請求項6】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 P:0.03〜0.15wt%、 Al:0.5wt%以下及び N:0.02wt%以下 を含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    からなる鋼素材に、 熱間圧延、次いで冷間圧延を施した後、 Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で連続
    焼鈍し、 引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した後、 圧下率0.8%以上の調質圧延を施す ことを特徴とする、加工性、常温非時効性及び焼付け硬
    化性に優れる複合組織冷延鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 Ti:0.005〜0.05wt%、 P:0.03〜0.15wt%、 Al:0.5wt%以下、 N:0.02wt%以下及び S:0.05Wt%以下を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(wt%) を満足する条件で含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    の組成になり、 フェライト及び粒径30μm以下で総体積率5%以下のア
    シキュラーフェライトの組織になり、 降伏点伸びが0.5%以下であることを特徴とする、加工
    性、常温非時効性及び焼付け硬化性に優れる複合組織冷
    延鋼板。
  8. 【請求項8】C:0.01wt%以下、 Si:0.1wt%以下、 Ti:0.005〜0.05wt%、 P:0.03〜0.15wt%、 Al:0.5wt%以下、 N:0.02wt%以下及び S:0.05wt%以下 を、 C−(12/48Ti−12/32S−12/14N)≧0.0005(wt%) を満足する条件で含み、かつ Mn:0.01〜2.0wt%及び Cr:0.005〜5wt% の1種又は2種を、次式 Mn+Cr×2≧0.2(wt%) を満足する条件で含有し、さらに Nb:0.005〜0.1wt%及び B:0.0005〜0.01wt% の1種又は2種を、次式 Nb+B×10≧0.02(wt%) を満足する条件で含有し、残部はFe及び不可避的不純物
    からなる鋼素材に、 熱間圧延、次いで冷間圧延を施した後、 Ac1変態点−50℃より高く、Ac1変態点未満の温度で連続
    焼鈍し、 引き続き冷却速度10℃/s以上で冷却した後、 圧下率0.8%以上の調質圧延を施す ことを特徴とする、加工性、常温非時効性及び焼付け硬
    化性に優れる複合組織冷延鋼板の製造方法。
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