JPH059529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばトリムボードなどを車体に固
定するのに用いるクリツプに関する。

（従来の技術） 一般にこの種のクリツプは、例えば実開昭61−
172207号公報に記載され、且つ第２図に示した如
く、例えばボデイのインナパネルＰに形成した被
取付孔Ｓに挿嵌されて該インナパネルＰの裏面側
から前記取付孔Ｓの周縁に係合する一対の係合片
Ａを備えた脚部Ｂと、前記インナパネルＰの表面
に圧接して前記脚部Ｂとで前記インナパネルＰを
挟持する挟持片Ｃとを備えている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、以上の構造のクリツプを固定する前
記パネルＰが、例えば合成樹脂製で、前記取付孔
Ｓの周縁が円滑であると、前記クリツプに前記取
付孔Ｓから抜け外れる方向の力が作用した時、場
合によつては前記脚部Ｂの係合片Ａが、前記取付
孔Ｓの周縁から離脱して前記クリツプが不用意に
前記パネルＰから外れる虞れがある。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したもので、
目的とするところは、前記脚部を被取付部材に確
実に係止して、該被取付部材から不用意に離脱す
るのを防止することの出来るクリツプを提供する
にある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、被取付部材に形成した被取
付孔に挿嵌されて該被取付部材の裏面に当接する
脚部と、前記被取付部材の表面に圧接して前記脚
部とで前記被取付部材を挟持する挟持片とを備え
たクリツプの抜止構造であつて、前記被取付部材
の裏面で、かつ前記被取付孔の外方に係止溝を設
けると共に、前記脚部に、前記係止溝に係合する
係合部を設けたことを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、前記脚部を被取付部材の取付
孔に挿通して、該脚部の係合部を前記係止溝に嵌
合させるだけで、クリツプに前記取付孔から抜け
る方向への力が作用した場合でも、前記脚部が前
記取付孔から不用意に抜け外れることはないので
ある。

（実施例） 以下本考案にかゝるクリツプの抜け止め構造を
図面の実施例に従つて説明する。

図面に示すクリツプは合成樹脂から成り、上部
に例えばカーニツシユなどの自動車の部品Ｇを取
付ける取付部１を設けると共に、該取付部１の下
部に、下方に向けて延びる脚部２を一体形成する
一方、この脚部２と前記取付部１との中間部位
に、左右方向に延びる一対の挟持片３，３を一体
に形成して成るものである。

前記取付部１は、全記部品Ｇに形成した貫通孔
Ｈより径大な円形の頭部１１と、この頭部１１の
下端に連続し、前記貫通孔Ｈに挿嵌可能な首部１
２とから成り、前記頭部１１の上端側から前記首
部１２にかけて凹溝１３を形成することにより、
前記頭部１１を半径方向に弾性変形可能となし、
前記頭部１１の上方から該頭部１１を半径方向内
方に弾性変形させながら、前記部品Ｇの貫通孔Ｈ
に前記首部１を挿嵌し、前記頭部１１の弾性復元
により前記首部１２に前記部品Ｇを挿嵌固定する
ようにしている。

また、前記脚部２は、脚本体２１と、この脚本
体２１の遊端から前記取付部１側に向けて延びる
弾性変位可能な一対の係合片２２とから成り、こ
れら各係合片２２の遊端に突起からなる係合部２
３を一体形成しており、またクリツプを取付ける
被取付部材、例えば自動車のボデイを構成するイ
ンナパネル４に前記脚部２を挿通する被取付孔４
０を形成し、このインナパネル４の裏面における
前記被取付孔４０の周縁外方には前記係合部２３
が嵌合可能な係止溝４１を形成している。

かくして前記脚部２を前記被取付孔４０に挿嵌
する時、前記各係合片２２をそれぞれ互いに近接
する方向に弾性変位させながら挿嵌して、前記被
取付孔４０を通過させ、該係合片２２の弾性復元
力で、前記係合片２２の遊端部を前記インナパネ
ル４の裏面と対向させ、これら係合片２２に設け
た前記係合部２３を前記係止溝４１に嵌合させる
ように成している。

また前記取付部１と前記脚部２との中間部位に
は前述の如く左右方向に延びる一対の挟持片３，
３を一体形成し、前記脚部２の前記被取付孔４０
への挿嵌に伴い、前記挟持片３の遊端部を前記イ
ンナパネル４の表面に当接させて、これら挟持片
３を弾性的に撓ませ、これら両挟持片３に生じる
弾性復元力により、前記脚部２に上方への引張力
を付与するように成している。

本考案のクリツプは以上の如く構成したもので
部品Ｇを組付けた前記クリツプを被取付部材であ
る前記インナパネル４に取付けるには、前記被取
付孔４０の上方から前記脚部２の係合片２２を内
方に向けて弾性変形させながら下方へと挿嵌して
前記被取付孔４０を通過させると、前記挟持片２
２が前記インナパネル４の表面に弾接して撓む一
方、前記係合片２２は弾性復元して、その遊端が
前記インナパネル４の裏面側に対向するので前記
係合片２２の遊端に設けた前記係合部２３を前記
インナパネル４の係止溝４１に嵌合させるのであ
る。

斯くして前記挟持片３の撓みにより生じる弾性
復元力で、クリツプ全体に前記被取付孔４０から
抜ける方向の力が作用して、前記係合部２３の前
記係止溝４１への嵌合がより強固になり、従つて
前記脚部２が前記インナパネル４の被取付孔４０
から不用意に抜け外れることはないのである。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、脚部を被取付部材
の被取付孔に挿通して、該脚部の係合部を、前記
被取付部材の裏面に設けた係止溝に係合させるこ
とで、たとえクリツプに前記被取付孔から抜ける
方向の力が作用した場合でも、前記脚部が前記被
取付孔から不用意に抜け外れることはなく、クリ
ツプを前記脚部と前記挟持片とで前記被取付部材
に強固に取付けることが出来るに至つたのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝるクリツプの抜け止め構
造の一実施例を示す断面図、第２図は従来のクリ
ツプの取付状態を示す断面図である。 ２……脚部、２３……係合部、３……挟持片、
４……インナパネル（被取付部材）４０……被取
付孔、４１……係止溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被取付部材に形成した被取付孔に挿嵌されて該
   被取付部材の裏面に当接する脚部と、前記被取付
   部材の表面に圧接して前記脚部とで前記被取付部
   材を挟持する挟持片とを備えたクリツプの抜止構
   造であつて、前記被取付部材の裏面で、かつ前記
   被取付孔の外方に係止溝を設けると共に、前記脚
   部に、前記係止溝に係合する係合部を設けたこと
   を特徴とするクリツプの抜け止め構造。