JPH0425368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は接着式ウインドガラスをウインド開口
の周囲に設けた取付面に取付ける際に用いるクリ
ツプに関する。

（従来技術） 一般にウインド開口の周囲に設けた取付面に接
着材によりウインドガラスを取付ける場合におい
ては、前記ウインドガラスが接着剤だけで前記取
付面に保持されることから、前記ウインドガラス
の前記取付面への組付時及び該ウインドガラスの
組付後における前記接着剤の粘着力の経時的な劣
化等によつて、前記ウインドガラスが前記取付面
に対してずれ落ちる虞がある。

そこで従来では例えば第４図に示すごとく、ク
ランク状のクランプＡを前記取付面Ｂにタツピン
グネジＣで固定して、該クランプＡを介して前記
ウインドガラスＤを保持するように成している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらかかるクランプＡを用いた場合に
は、前記クランプＡの前記取付面Ｂへの組付に際
して、該クランプＡを所定位置に保持して前記ク
ランプＡ及び取付面Ｂに形成したネジ孔Ａ１，Ｂ
１を合わせながら前記タツピングネジＣを螺合し
なければならず、該クランプＡの前記取付面Ｂへ
の組付に手間を要するし、また前記ウインドガラ
スＤの前記取付面Ｂへの組付時には、前記取付面
Ｂに予め組付けた前記クランプＡの遊端部と前記
取付面Ｂとの隙間に前記ウインドガラスＤの周縁
部をくぐらせるようにしてセツトする必要があ
り、そのため前記ウインドガラスＤの組付作業に
熟練を要するばかりか作業能率も悪いと云う不具
合がある。

そこで本願出願人は先に前記ウインドガラスを
前記取付面に安定的に保持するために、前記取付
面に形成した取付孔に挿通して該取付面に係合す
る一対の係合脚部と前記ウインドガラスの外周縁
を支持する支持部とを持つガラス支持体と、該ガ
ラス支持部材に揺動自由に支持して、該ガラス支
持部材に重合したとき前記ウインドガラスの周縁
部の表面に圧接する圧接部を備えたガラス押さえ
体とからなるクリツプを出願（実願昭61−97410）
したのであるが、以上のクリツプでは、前記ガラ
ス支持体に形成した前記係合脚部の前記取付面に
形成した取付孔に対する係合力を高めるために、
重合した前記ガラス押さえ体から前記ガラス支持
体にねじ体を螺着して、該ねじ体の前端部で前記
係合脚部を押し広げて、該係合脚部を前記取付面
に圧着させるようにしているが、かかる構造のも
のでも前記ねじ体の前記クリツプへの螺合作業に
手間を要すると云う不具合がある。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したものであ
つて、目的とするところは前記取付面に簡単且つ
強固に取付けて、前記ウインドガラスを前記取付
面に対し安定的に保持することが出来る接着式ウ
インドガラスの保持クリツプを提供せんとするに
ある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、車体のウインド開口Ｗの周
縁に設けた取付面１に接着材で固定する接着式ウ
インドガラスの保持クリツプであつて、前記取付
面１に形成した取付孔１０に挿通して該取付面１
に係合する係合脚部３２と前記ウインドガラス２
の外周縁を支持するガラス支持面３５とを持つガ
ラス支持体３と、該ガラス支持体３に揺動自由に
支持して、該ガラス支持体３に重合したとき前記
ウインドガラス２の周縁部の表面に圧接する圧接
部５１を備えたガラス押さえ体５とからなり、前
記ガラス支持体３における前記係合脚部３２の形
成位置近くに嵌合孔３３を形成する一方、前記ガ
ラス押さえ体５に、該ガラス押さえ体５の前記ガ
ラス支持体３に対する重合時、前記嵌合孔３３に
嵌合して前記係合脚部３２を前記取付孔１０内周
縁に圧接する方向に押圧する嵌合突起５２を形成
したことを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、前記ガラス支持体３の係合脚
部３２を前記取付面１の取付孔１０に挿嵌した
後、前記ガラス押さえ体５を揺動して前記ガラス
支持体３に重合し、前記嵌合突起５２を前記嵌合
孔３３に嵌合させて前記係合脚部３２をたわませ
ることで、前記ガラス支持体３を前記取付面に強
固に固定すると共に、前記ガラス押さえ体５を前
記ガラス支持体３に重合状態に確実に保持するこ
とができ、前記ガラス支持体のガラス支持面に支
持する前記ウインドガラスを前記取付面１に対し
安定よく保持することが出来るのである。

（実施例） 以下本考案にかかる接着式ウインドガラスの保
持クリツプを図面に示す実施例に従つて説明す
る。

図に示す保持クリツプは、自動車のフロントウ
インド開口Ｗの周縁に設けた取付面１に接着材で
固定するウインドガラス２を作業性よくしかも安
定的に保持するためのものであつて、基本的には
合成樹脂から一体形成されたガラス支持体３と該
ガラス支持体３にインテグラルヒンジ４を介して
揺動自由に支持したガラス押さえ体５とから成
る。

前記ガラス支持体３は、前記取付面１に固定さ
れ、主として前記ウインドガラス２の前記取付面
１に沿う方向の位置決めを行うためのもので、平
面視長方形をした平板状の基部３０の裏面に前記
取付面１に形成した矩型の取付孔１０に挿通する
突起３１を突設して、該突起３１の遊端部に前記
基部３０側に延びる弾性変形可能な係合脚部３２
を一体形成して、前記突起３１と前記係合脚部３
２との間に後記する嵌合突起５２の差し込みスペ
ースＳを設けると共に前記基部３０における前記
差し込みスペースＳと対向する部位に嵌合孔３３
を形成する一方、前記係合脚部３２の遊端部に前
記取付孔１０に係合する係合段部３２ａを設け、
前記突起３１及び係合脚部３２の前記取付孔１０
への押し込みにより、前記係合脚部３２の弾性変
形で前記係合段部３２ａが前記取付孔１０の周縁
に係合して前記ガラス支持体３を前記取付面１に
固定するようにしている。

また前記基部３０における前記ヒンジ４とは反
対側の端部に屈曲壁３４を一体形成して、該屈曲
壁３４に、前記取付面１に対し垂直となるガラス
支持面３５を設ける一方、前記屈曲壁３４の遊端
部に爪３６を、また前記基部３０における前記ヒ
ンジ４側に鈎３７をそれぞれ一体形成している。

前記ガラス押さえ体５は、前記ガラス支持体３
に重合可能な形態を備えた基部５０を持ち、該基
部５０の長さ方向一端で前記ガラス支持体３の屈
曲壁３４の端面と重合する先端部には、前記ガラ
ス支持面３５からさらに突出して前記ウインドガ
ラス２の周縁部の表面に圧接する圧接部５１を一
体形成する一方、前記ガラス押さえ体５における
前記ガラス支持体３との重合面側に前記ガラス支
持体３の前記嵌合孔３３及び前記係合脚部３２と
前記突起３１との間に嵌合して前記係合脚部３２
を前記取付孔１０内周縁と圧接する方向に弾性的
にたわませる嵌合突起５２を一体形成している。

また前記ガラス押さえ体５における前記重合面
側には、前記ガラス支持体３に形成した前記爪３
６に掛合する外向きの鈎５３と、前記ガラス支持
体３に形成した前記鈎３７に掛合する爪５４とを
それぞれ一体形成する一方、前記各爪３６，５４
には傾斜状のカム面３６ａ，５４ａを設け、前記
ガラス押さえ体５を前記ガラス支持体３に重合す
る時、前記カム面３６ａ，５４ａで前記各鈎５
３，３７を弾性的にたわませて自動的に掛合する
ようにしている。

また前記ガラス押さえ体５には、前記ガラス支
持体３に設けた膨出部３８が嵌合する切り欠き５
５を形成して、前記ガラス押さえ体５の前記ガラ
ス支持体３に対する重合時、前記膨出部３８の前
記切り欠き５５に対する嵌合で、前記ガラス押さ
え体５の前記ガラス支持体３に対する幅方向の位
置を設定するようにしている。

尚図中１１はダムリツプを示す。

次に以上の構成から成る保持クリツプを用いて
前記ウインドガラス２を取付けるには、まず前記
突起３１及び係合脚部３２を前記取付面１の取付
孔１０に押し込んで、前記係合脚部３２の係合段
部３２ａを前記取付孔１０の内周縁に係合させる
ことで、前記ガラス支持体３を前記取付面１に組
付けるのであつて、かかる保持クリツプは前記ウ
インド開口を囲む前記取付面１に所定間隔開けて
複数個設けられる。

そして前記ウインドガラス２を、その外周縁が
前記ガラス支持面３５に沿うように位置させるの
であつて、前記ウインドガラス２の周縁部裏面に
は接着剤が予め付着させられていることから、前
記ウインドガラス２は前記取付面１に沿う方向の
所定位置に概略固定されるのである。

次に前記ガラス押さえ体５を前記インテグラル
ヒンジ４を支点にして回動して、前記ガラス支持
体３上に重合し、前記嵌合突起５２を前記嵌合孔
３３を介して前記基部３０と前記係合脚部３２と
の間にはめ込むと共に、前記ガラス押さえ体５側
の鈎５３を前記ガラス支持体３の爪３６に、また
前記ガラス押さえ体５側の爪５４を前記ガラス支
持体３側の鈎３７にそれぞれ掛合して、前記ガラ
ス押さえ体５の圧接部５１で前記ウインドガラス
２の周縁部を前記取付面１側に押すのである。

しかして前記嵌合突起５２の前記基部３０と前
記係合脚部３２との間への嵌合に伴い、前記係合
脚部３２が前記嵌合突起５２によりたわんで、前
記係合段部３２が前記取付孔１０の内周縁に圧接
するので、前記ガラス支持体３は前記取付面１に
強固に固定されると同時に、前記ガラス押さえ体
５も前記ガラス支持体３に重合状態で強固に組付
けられるのである。

（考案の効果） 以上のごとく本考案によれば、ウインド開口Ｗ
の周縁の取付面１に形成した取付孔１０に挿通し
て該取付面１に係合する係合脚部３２と前記ウイ
ンドガラス２の外周縁を支持するガラス支持面３
５とを持つガラス支持体３と、該ガラス支持体３
に揺動自由に支持して、該ガラス支持体３に重合
したとき前記ウインドガラス２の周縁部の表面に
圧接する圧接部５１を備えたガラス押さえ体５と
からなり、前記ガラス支持体３における前記係合
脚部３２の形成位置近くに嵌合孔３３を形成する
一方、前記ガラス押さえ体５に、該ガラス押さえ
体５の前記ガラス支持体３に対する重合時、前記
嵌合孔３３に嵌合して前記係合脚部３２を前記取
付孔１０内周縁に圧接する方向に押圧する嵌合突
起５２を形成したことにより、前記ガラス支持体
３の係合脚部３２を前記取付面１の取付孔１０に
挿嵌した後、前記ガラス押さえ体５を揺動して前
記ガラス支持体３に重合し、前記嵌合突起５２を
前記嵌合孔３３に嵌合させて前記係合脚部３２を
たわませるだけの簡単な作業で、前記ガラス支持
体３を前記取付面１に強固に固定すると同時に、
前記ガラス押さえ体５を前記ガラス支持体３に重
合状態に確実に保持することが出来、従つて前記
ガラス支持体３のガラス支持面３５で支持する前
記ウインドガラス２を前記取付面１に対し安定よ
く保持することが出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる保持クリツプの一実施
例を示す側面図、第２図は同正面図、第３図は前
記保持クリツプをウインドガラスの組付けに用い
た状態を示す要部の断面図、第４図は従来のウイ
ンドガラスの組付面への組付状態を示す断面図で
ある。 １……取付面、１０……取付孔、２……ウイン
ドガラス、３……ガラス支持体、３２……係合脚
部、３３……嵌合孔、３５……ガラス支持面、５
……ガラス押さえ体、５１……圧接部、５２……
嵌合突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体のウインド開口Ｗの周縁に設けた取付面１
   に接着材で固定する接着式ウインドガラスの保持
   クリツプであつて、前記取付面１に形成した取付
   孔１０に挿通して該取付面１に係合する係合脚部
   ３２と前記ウインドガラス２の外周縁を支持する
   ガラス支持面３５とを持つガラス支持体３と、該
   ガラス支持体３に揺動自由に支持して、該ガラス
   支持体３に重合したとき前記ウインドガラス２の
   周縁部の表面に圧接する圧接部５１を備えたガラ
   ス押さえ体５とからなり、前記ガラス支持体３に
   おける前記係合脚部３２の形成位置近くに嵌合孔
   ３３を形成する一方、前記ガラス押さえ体５に、
   該ガラス押さえ体５の前記ガラス支持体３に対す
   る重合時、前記嵌合孔３３に嵌合して前記係合脚
   部３２を前記取付孔１０内周縁に圧接する方向に
   押圧する嵌合突起５２を形成したことを特徴とす
   る接着式ウインドガラスの保持クリツプ。